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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「夏のあらし!春夏冬中」 5

 押し寄せる2期シリーズ、第3弾。「絶望」と「化」が終わってすぐこれ。シャフトも綱渡りのようなスケジュールでシリーズを重ねていく。まぁ、これが終われば次はひだまりの3期が待ってるわけですけどね!!

 さておき、正直言うと1期はあまりなじめなかったこの作品。シャフトは大好きなのだが、どうもシリアスなストーリーとのかみ合わせが悪く、所々に配置されたパロディ要素が今ひとつなじまない。昭和レトロをイメージした楽曲、レコードジャケットネタなどは見る人が見れば面白いのかもしれないが、そういった知識がない私のような人間には、結局いつもの「何か不可思議な新房演出」と区別が付かず、意味をはかりかねてしまう部分が多かった。基本的な骨子は「化物語」や「ネギま!?」あたりと変わらないものだと思うのだが、やっぱりネタの向き不向きというのがあるのは痛感させられた。

 そんなわけでこの2期も覚悟して見る必要があると思っていたのだが、今回は初回からサービス回ということで、あまり頭を使わずに見てもいい親切設計。そんなにくどいネタがあるわけでもなく、よく言えば分かりやすく、悪く言えば単なる萌え狙い。敷居を下げるにはちょうど良い選択だったんだろうか。マスターの言うように「60年前のやまとなでしこが4人もいれば〜」というのはまさにそのまんまである。

 ネタとして変わったところは、杉田の人(塩下さいの人)の絡みが増えたこと、そして1クール隠し通してきたはずの潤の性別があらしにあっさりばれたこと。考えてみりゃ凄絶なタイムリープ絡みの話は1期で片が付いているわけで、今回はある程度設定をゆるめにして細かいエピソードでつないでいく算段なのかもしれない。とすると、今回のように潤の性別ネタはしばしば引っ張られると思うのだが、あまりエロさはないし、何より中の人が小見川千明なので、あんまり盛り上がらない。男装女子なんて狙い目のポイントなのに、キャストのおかげできれいさっぱり台無しだ。そこさえ違っていたら1期から真剣に見られたかもしれないのに……

 ただまぁ、1期を通じてキャラに馴染んだおかげなのか、今回は割とすんなり演出を楽しむことが出来た。特に1期オープニングをセルフパロディにして普通の会話を延々レコードジャケットに見立てたシーンは、本当にどうでも良くて面白かった。最後が「あの、塩下さい」って。そしてマスターが浜辺に寝そべって「撒き餌に負けた……」と悔しがるシーンだが、どうしてもキャストとシャフト補正のせいで「まき絵(堀江由衣)に負けた……」と言ってるように聞こえてしまう。狙っての台詞なのか、勘ぐりすぎなのか。多分後者だけど。

 実は原作絵のおかげか大田和寛のキャラデザが非常にしっくり来るのがこの作品。余計な先入観はとっぱらって、癖の強い大田画を堪能するアニメだと思えば存外良い出来なのかもしれない。 

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○「こばと。」 5

 制作マッドハウス、監修に浅香守生、CLAMP原作でNHKがBSで放送する、素直で天然気味な女の子が主人公のアニメーション。ここまで聞けば、もう、それが意味することは明らかだ。「CCさくら」。私をこのアニメの魔道に突き落とした諸悪の根源が、今再びこの枠で蘇る。

 上記の理由により、今期でも期待度はナンバーワンの今作。ただ、気になる点もいくつかあって、最大の難点は、原作が「さくら」の時のようにまとまっていないという部分。あまり読んでいないので詳しくは知らないが、どうやら現行では3巻程度のものらしい。ということは、一本のシリーズとしてまとめるのは骨の折れる作業である。また、スタッフロールを見ると、いわゆる「三文字」スタッフが並んでおり、マッドハウスがこの作品にどの程度注力しているのかは定かでない。アニメ本数が少なかったあの当時とは違い、制作側はこの作品さえ出来が良ければいいというものでもない。個人的には「とっととNEEDLESSを片付けてこっちに労力を回して下さい」と言いたいところだが、実際はそうもいかないだろう。

 もちろん、1話目を見る限り、余計な心配は今のところ杞憂に終わっている。コンテには浅香さんに加えて何故か西田正義の名前まであり、特に突出するわけではないが抜群の安定感を感じさせる仕上がり。主人公の小鳩も、いつも通りのCLAMPの阿漕な天然キャラなのだが、やっぱりこれはこれで可愛い。「ほえー!」でも「なー!」でもないというのが一縷の矜持なのだろうか。まぁ、キャラクターの押さえ方に不安はないので、あとはアニメスタッフがどういう料理法を持ってくるかだけの問題になるわけだ。今回監督にクレジットされる増原光幸氏という名前は記憶にないのだが、この「責任ある」仕事を任されたのだから、期待しても構わないということだろう。どうとでも転びそうな内容だったので、とりあえずの評点は可もなく不可も無しで7点。あの怪物番組である「さくら」を越えろとまでは言わないが、マッドの根性をここで見せて欲しいものである。まぁ、少なくとも真下withビートレインに頼んだ「ツバサ」よりはよっぽど安心して見てられるんだけどね。

 キャスト話をするには、やはり花澤香菜という名前は避けて通れない。個人的には「ナイス棒」を維持して欲しかった花澤だが、最近はぼちぼちいい方向に個性も出始め、今回もきっちり大役を果たせている。歌唱シーンは正直「別にそんなにうまくもない」のだが、そのちょっと素朴な感じがかえって良い味を醸し出している。「大沢事務所は歌がうまくなってはいけない」という決まりがあるので(?!)、このくらいのレベルが一番落ち着きます。ただ、独唱してるはずのシーンでハモり入れるのは反則だと思うんだけどね。ハルヒだってライブではCD音源と別バージョンを流してたんだから、ここは敢えてオリジナル音源で勝負して欲しかった。決して下手ではないのだから、その方が味があっていいと思うんだけど。

 ものすごくどうでもいい余談だが、「さくら」を演じた丹下桜が最近あの「ラブプラス」で劇的な復活を遂げ、「エンジェリックレイヤー」でみさきちを演じた榎本温子も、しばらく役者として目立たなかったのに今年になって久しぶりにメインキャストに返り咲いた(「エレメントハンター」)。まるでこの作品に合わせてCLAMP作品のヒロインが業界に集っているような感がある(椎名へきるは知らんけど)。これは、何かの予兆なのだろうか。逆に考えると、花澤もひょっとして活動休止に……無いな。 

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○「乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ♪」 4

 今期いならぶ誰得2期シリーズ第2弾。とても人気が出た作品とは思えない「乃木坂春香の秘密」の第2シリーズである。いや、多分2期があるってことは人気が出たんだろう。謎は謎のまま、深くは追究すまい。

 で、そんな微妙な作品の2期であるが、当然微妙である。個人的に良かった点を上げておくと、1つはオープニング。1期もオープンエンドは割と気に入っていて、特に最近はナバが歌ってくれる機会もめっきり減ってしまったので、この作品は貴重である。OPアニメも1期のものを踏襲してより賑やかに仕上がっており、この部分だけは充分楽しめる。

 2つ目は、キャスト。能登、さとりな、キタエリ、ナバといった布陣に今回は一言もしゃべらないキャラのくせにくぎゅが参戦。そこだけ見たらいっぱしの人気アニメである。「あー、乃枝と静とお雪がおるわー」とか思っちゃうけど、楽しかった思い出と重ね合わせるのは声優オタクの悪い癖。余計な補正をかけずに見なければっ! と思いつつ、1話では能登ボイスの重ね技などが繰り出され、非常に安易な釣られ方をする危険性がある。世の中に能登ヴォイスの人間が2人同時に成立していいわけがないだろ。能登声が許されるのは世界でも閻魔あいと藤堂志麻子と四方茉莉と一ノ瀬ことみと鷺月子とアナコッポラと塚本八雲くらいなものだ(ハッコーとお雪は申請中)。

 あとは……まぁ、1期から特に変わった点もなく。ちょっと意外だったのは2人の仲が全く進展してないこと。1期ラストで両親公認になったように記憶していたのだが、そんなことも無かったか。ってことは今回1クール使ってダラダラ進むんだろうなぁ。報われないと分かっている椎菜が可哀想だなぁ。

 余談であるが、序盤の電車の車内でアリスが握っている凶器は、ほとんど画面に映らないがおそらくエスカリボルグである。電撃文庫繋がりだろうか。 

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○「犬夜叉 完結編」 ー

 今期最大の誰得作品。何故いまさら、何故深夜に。特に新規層を取り込む工夫も感じられないし、もちろんストーリーだって予想外のことなんか起こるはずがねぇ。一体誰がこれを観たいと思うのだろうか。分からない。

 敢えて理由を探すなら、やはり中の人目当てか。確かにキャスト的には豪華なのは間違いないだろうが、だからって今更……なぁ。法ちゃん(珊瑚)が死なないのも知ってるしなぁ。 

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○「そらのおとしもの」 5

 有りすぎだろ、と思いながらも、実はあまりにベタなので最近とんと無かった気がする、美少女落下アニメ。もう、タイトルまでそのまんまという潔さには頭が下がる。で、そんな予想から1ピクセルもずれることなく、放送された内容はきっちり「DearS」、もしくは中の人繋がりで「セキレイ」。こういう作品をいまさらアニメにして放送しようと思うスタッフにはさらに頭が下がる。

 が、その内容は思ったほどつまらなくはない。いや、つまらないのはつまらないんだが、それでもダラダラみられるだけの品質は維持されている。AIC製作の齋藤久監督ということで、確かにデフォルメの多様や、そのままの姿でシーンを通す技法なんかは「バンブー・ブレード」に通じるものがある。特に主人公の野郎がずっとSD体型なのは誰も望んじゃいない気がするのだが、何か間抜けで笑える(流石のぱっぴー)。また、1話の作監はまさかのキムタカ。自重する気配のないキムタカ節で、1話からあふれんばかりの何かが感じられる。まぁ、画のクオリティなんかはこれ以降維持できる保証はないのであまり誘致要因にはならないのだが。

 で、具体的な中身であるが、メインヒロインのイカロスが降ってきたシーンが結構バイオレンスだったのでバトル展開にも行くのかと思ったのだが、どうにもイカロスの能力が無敵すぎて、黒の組織との対決なんて展開はなさそうだ。次週のタイトルからするとエロメインになるのだろうが、一週目から「石ころ帽子」と「タンマウォッチ」(あと「独裁スイッチ」)までやってしまって、あと残ってるエロがあるんだろうか。ここまでまっすぐなベタ展開だったら普通「俺様ザ・ワールド」ネタだけでも1週引っ張るくらいの脚本になりそうなもんだが、そうしないということは何かストーリーを引っ張れるという勝算があるのだろう。妙な形ではあるが、ちょっと期待してみてもいいかもしれない。

 脚本の質はそこまで際立ったものではないが、この手の作品にありがちな「テンプレキャラ大量出現であっという間についていけない」という状態にならなかったのは僥倖。チョップの幼なじみ、変態サイエンティスト、そして腹黒生徒会長と、適度な数で分かりやすいラインナップを並べるにとどまっており、そのあたりは苦心せずについていけそうだ。まぁ、わざわざついて行くほどのものになるのかと言われればちょっとあやしいのだが、少なくとも1話は悪くなかった。この調子で頑張って欲しいもんである。

 で、キャストだが、本当に早見沙織は空に関係する人工物を演じる機会が多い気がする。そこそこ出来る子だと思うのに、キャラのバリエーションが増やせていないのはちょっと可哀想だ。まぁ、必ず主題歌の歌唱にも関わっているので、そっち方向の伸びしろにも期待すればいいか。また、チョップちゃん役の美名という役者も初見ながら気になるところ。ちょっと素人臭さが耳に障るものの、声質がどことなく水橋かおりに近い気がする。だから何だと言われても困るのだが。 

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○「戦う司書」 4

 タイトルと予告ビジュアルからからてっきり「R.O.D.」みたいなのが来るのかと思っていたのに、いざ見てみたら凄絶な能力バトルアニメだったので良くも悪くも裏切られた作品。「図書館戦争」といいこれといい、本が絡むと人類は凶暴になってしまうのだろうか。

 原作がスーパーダッシュ文庫ということで、その設定はどこかジャンプ漫画を彷彿させる。なにやらすげぇ能力を持った「司書」の集団が、「人間爆弾」を生み出した悪の権化たるなんちゃら教団に戦いを挑む。その実力の差は歴然であり、いきなり空をぶっ飛ぶ中村悠一(中の人名義)、ガチムチ系能力の三宅健太、そして大ボスは、なんか色々飛ばせる風の巨乳朴ねぇさん。

 多分強いんだろうけど紹介がぼんやりしているのは、いまいちその能力の意味している部分が分からないためである。姿格好のおかげで人間爆弾の軍勢との区別は勿論出来るのだが、だからといって司書の連中が全員強いのかどうかははっきりしない。明らかに超能力的なものを使っている奴もいれば、単なる銃撃戦に見える奴もいる。流石に「NEEDLESS」のようにいちいち技名と能力を自慢げに紹介されても鬱陶しいが、もう少し初見の人間に優しいバトルを心がけて欲しいものである。画面自体の質は決して低くないのに、何を焦点として見たらいいのかがはっきりしないので、どうも捉えどころのない1話目になってしまっている。

 一応カギとなる設定として、もうワンサイドで進行している人間爆弾入野自由の人生も描かれており、そこには「司書」たちが必死に守ろうとしている「本」が関わってくる。どうやらこの世界は人が死ぬと本になり、その本は読むだけではなく、その人物の生前を追体験出来るというものらしい。人間爆弾の青年は、川澄ボイスのお姫様と何らかの関係を持ち、それをとっかかりとして、物語が回り始める。当然こちらも「本」の設定とかが分かりにくいのでいまいちピンと来ないのだが、進行が丁寧なのでまだ分かりやすいパートか。あとの細かい設定は、落ち着いた2話目以降に説明してもらえることを期待したい。

 正直あまり良い印象にはならなかった第1話。ファンタジーものにありがちな説明不足がきっかけで、いささか独りよがりな演出に走っている部分がある。そうした部分にきちんと折り合いを付けられるかどうかで、今後の視聴モチベーションが変わってくるだろう。 

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○「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」 ー

 純正アメリカ産のフルCGアニメ作品。多分スターウォーズのあれな感じのそれをああするエピソードを描いていく。ただ、残念ながらわたくしスターウォーズ全然知らない。つまり、何がなにやらよく分からない。

 1話はマスター・ヨーダが文字通りに無双するだけの話。ヨーダのあり得ないくらいのちょろちょろする殺陣はそこそこ面白かった。でもま、それだけなんだけどね。どうしてもこういうアニメはのっぺりしちゃうので、普段のようなアニメの見方が出来ないのでキツい。やっぱり国産アニメとは作る時の理念が違うんだろうなー。別にいい悪いじゃなくて。

 キャストに伊藤静がクレジットされているからちょっとだけ見てみようと思ってたんだけど、多分無理だと思う。 

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○「夢色パティシエール」 4

 朝7時から始まる、「りぼん」掲載原作の完全子供向け作品。こういうのも一応1話だけ見て、「よし、この時間は寝ててもOKなんだな」という確認をするのも、この時期には大切な作業である。でないとうっかりとんでもない作品を見逃すこともあるのでね。ただ、やっぱり番組中にランドセルのCMとかが入る作品を見てると、時たま人生について考えたくなるときもある。でも、考えないようにする。

 もちろん朝の作品と言っても全部が全部チェックするわけではなく、この作品の場合、ヒロインの中の人が悠木碧であるという事前情報があったがための視聴。ヒロインのいちごは中学2年生なので、ぶっちゃけ、中の人の年齢もそんなに変わらないんじゃないか、というのが目玉(?)。この歳でキャリアも少ないのに、なかなかしっかりしていて将来が楽しみである。

 で、「一応あおちゃんだけ確認して、来週からは見ないんだろうなー」と思っていたら、意外にすんなり見られてしまう恐怖。画の出来が素晴らしいとか、奇抜な脚本があるとかいう天変地異は起こるはずもないのだが、なんだろう、特につまらないとも思わずに30分を見終わってしまった。

 もちろん前提条件として、「少女漫画原作のお約束作品である」という補正はかかっており、あり得ないサクセスストーリーとか、ものすごくステロタイプなキャラデザとかは苦笑いものなのだが、アニメとして不快感を感じるタイミングがない。要所要所であまりにおかしなえづらが入ってくるせいだろうか。幼い時期に川辺で泣いているいちごに、コック帽被ったおばあちゃんがゴテゴテしたタルトを差し出すシーンは流石に吹いた。そりゃま、パティシエールにだって孫はいるだろうが、屋外で泣いてる孫にタルトはないだろ。ばあちゃんならばあちゃんらしく、果物とかおはぎにしてくれ。中学生で栗田ゆう子もびっくりのリポートコメントをまくし立てるいちごのポテンシャルも未知数で、これがスイーツ大国日本の、幼い女の子たちが目指すヒロイン像なのかと戦慄してしまう。「スイーツ王子」「スイーツ魂」などのフレーズにも、いちいち(笑 を入れないでインプットするのが大変で、字義的にも諧謔的にも、斜め上からの「スイーツ量産アニメ」になるかもしれない。うーん、恐ろしい。

 まぁ、いにしえの昔から女の子はお菓子にあこがれるもんだからね。大体幼稚園児の将来の夢は「ケーキ屋さん」だし、小さい頃にはソフトクリームつくるおもちゃとかもあったし。ああいうお菓子願望が先鋭化しすぎちゃった形だと思えば、至極まっとうな「少女漫画」なのかもしれない。なにやら教育テレビでは料理をする幼女が人気らしいが、当方3次元幼女属性は無いので、ひとまずこちらを応援させてもらいます。

 で、何故か最後になったが、この作品のスタッフには監督名義では久しぶりの鈴木行がクレジットされている。わざわざデフォルメ→リアルの造形の変化を画面で再現させたりとか、この人の描くキャラクター像は案外嫌いじゃないんだよね。脚本、シリーズ構成にも馴染みの名前が並んでいるし、スタッフ面では意外に鉄板なのかもしれない。余談だが、「あぁ、行さんが監督ってことは、絶対にエンディングでデフォルメキャラが大量に踊るんだろうなぁ」と思ったら、あまりに予想通りのエンディングで吹いた。このパターンで一体何作続けるつもりなんだろうか。
参考→(

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「亡念のザムド」 6→7

 1度web配信が終了しているので正確には今期のアニメではないのだが、世間的にはどう考えても今期の新アニメだったので、ここで感想を書いてしまって大丈夫だろう。ただ、「プレイステーションストア配信アニメ」という形式はこれ以降まったく聞かなくなってしまったので、どうやらセールス形態としてはあまり結果を残せなかった模様。そりゃまぁ、わざわざ面白いかどうか分からんものに金を出すような酔狂な人間はそうそういるものではない。

 そんなわけで初回配信時に話題にならなかったのでつまらない作品なのかと思っていたら、これが今期最大の「空気アニメ」だったと思う。語彙として使い方は明らかに間違っているのだが、「空気のように存在感が薄れてしまったアニメ」という意味も勿論有りつつ、その上で、「空気感を非常に巧みに出すことに成功したアニメ」でもあると思う。配信形態が特殊であったおかげか、ボンズというスタジオの持つ優れた技術力が全編において維持されており、画面には一分の隙もない。そして、手間のかかる制作を経てこそ得られる「世界観の構築」が、この作品の唯一にして最大の持ち味であったと思われる。

 考えてみると、この作品の監督、宮地昌幸という人物の来歴が、実に分かりやすい形で反映されている。wikiから恣意的に過去の実績を抜き出すと、ジブリ作品からクリエイターとしての道を歩み始め、「キングゲイナー」「BLOOD+」を経由してボンズに携わるようになり、「エウレカセブン」「妖奇士」「絢爛舞踏祭」「獣王星」と積み重ねての、今回の「ザムド」である。こうして並べると「エウレカ」の流れが一番強く確認出来るが、その後ろには「キングゲイナー」に近い非常に含みを持った難解な脚本(いわゆる冨野節)や、ジブリの持ち味であるファンタジー世界の構築技法を感じさせる。描かれる世界は最新技術を持って現代とほぼ等しい生活様式を持ちながらも、奇妙な飛行船ザンバニ号や一連のヒトガタ兵器、ザムドのデザインなどは確実に「非現実」である。そして、この2つの側面が何の抵抗もなく融和し、1つの物語の背景を作り上げている。こうした「空気感」の構築が、本作最大の見どころといえる。

 脚本に関しては、非常に登場キャラクターが多く視点が散逸的になるので、分かりにくいところ、説明不足なところも見られたわけだが、それでも極力説明的になることをさけ、キャラクターの思考、足跡から全てを語ろうとしているところが白眉である。アニメーションなのだから語らせずに描けばいい、というのは非常に分かりやすい理念であるはずだが、これを実践することは容易ではない。今作は「考えること」というテーマを登場人物に課し、主人公のアキユキは最後の最後までこの「考えること」に追い立てられることになるのだが、同じことは、視聴者にも求められていたことなのかもしれない。ザムドとは、ヒルコとは何だったのか。ヒルケン皇帝とはどういう存在だったのか。様々な勢力の求めるそれぞれの正義は、一体何が正しく、何が間違っていたのか。シナリオの都合上、一渡りの説明は付されているものの、それはあくまで表面上の話。正直、1度見ただけでこの世界の全てを見通すのは難しい。是非とも、改めて1から見直し、この世界のあり方がどうあるべきなのか、そして制作者側がどういった意図で描いてきたのかを模索したいものである。

 そうした大局的な見方以外でも、この作品のシナリオは常に考えることを強いる。例えば人間関係などは分かりやすい例で、ざっと上げるだけでも、アキユキとハル、ナキアミ、フルイチ、ヒルケン。ナキアミとハル、クジレイカ、ヤンゴ。ハルとフルイチ、ミドリ。リュウゾウとフサ、垣巣。様々な人間関係が複雑に絡み合い、その全てが、単純な台詞などで説明を付けることを拒否している。この世界の人々はみんな「考えて」生きている。そして、現実の人間関係と同じように、視聴者はそうした「考えて」いる人々の心を、「考えて」観なければいけない。どんな作品だってそうした側面はあるものの、この作品の場合、この傾向は顕著であったように思う。リュウゾウはどんな気持ちであの弁当をほおばったのか。ミドリはどんな決意で自らを垣巣に委ねたのか、そしてアキユキはどんな想いでヒルケンと対峙したのか。ひょっとしたら観る人の数だけ見え方がある、そんな奇妙な作品だった。

 正直、視聴後も見事なクオリティの画面が見られた満足感はあるものの、まだどこか、「観足りない」部分があるような気がしてならない。それだけ、密度の濃い、取り替えの効かない作品であった。色々語りたい面もあるのだが、とりあえずは、面白かった。

 最後に当然、大量に出演したキャラとキャストの話。あまりに登場人物が多すぎてなかなか1人に絞って観ることは出来なかったが、個人的に印象に残ったのはフルイチ。彼の歪んだ愛情表現は、痛々しくもどこか血が通っていて、あまりにあっけない最期には胸が痛んだ。そしてその相手をするハルの心中も察するにあまりある。今作のヒロインは、やっぱりハルでいいんだよね。個人的には折笠富美子VS根谷美智子で接戦。いや、根谷さんは明らかに脇役だけどさ。他にも雷魚やアクシバ、リュウゾウなど、野郎キャラも実に格好いい。そして唯一不満点があるのは、ヤンゴの中の人だろう。だから子供のキャスティングに子供を入れる必要は無いと、何度言ったら分かってくれるのか。最初はちょい役かと思っていたので我慢していたのだが、結局ナキアミサイドのエピソードを左右するまでの重要人物になってしまった。あんなに難度の高い役なら、もっと安定感のある役者を置いてもらわないと、こちらも入り込めなくてものすごく勿体ない。子供は大人しくおうちで元素でも探してろと。 

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