最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
今週はまさかのグリフィン被り、第22話。こんだけの数のアニメを同時視聴してると複数の作品で変な要素が被ることがちょいちょいあるんですが、今週は某なろうと「グリフィン討伐」という要素が被るという。作画が売りの2作品で別々なグリフィンが観察できるのは案外貴重な経験だったのかも。 シリアスとギャグ、ハードアクションとゆるモーションの緩急が楽しめるいかにも今作らしいお話でよかったですね。ただ、内容としてはここ最近で一気に核心に向かってるためになかなかハード。何しろ今回はこれまでず〜〜〜〜っと半年近くやんわりと謎に包まれていたセンシのパーソナリティにようやく踏み込めたお話。そりゃ重要なのは間違いない。今更な話だけどずっと帯同しているメンバーの出自についての言及がほとんどなくて、ここに来て重要なファクターになるってのも凄まじい設定だよな。人のことをさっぱり気にしないライオスという奇人が主人公だからこそ成立するお話。 そんなセンシの特異性が顕在化することになった事件がグリフィン襲撃。このダンジョンにはどんなモンスターがいても驚かないが、今回はレッドドラゴンやコカトリスに次ぐ大物。こんな連中が右も左もよく分からんダンジョン内にずっと棲息してるってのも恐ろしい状態だ。グリフィンは普段何を食べて生活してるんでしょうね。まぁ、狂乱の魔術師の気まぐれで作られたような存在だろうし、普段の生態にどれだけ意味があるかも分からんけど。とにかくそんなびっくり生物グリフィンを見て、センシが必要以上に動揺し、まさかのハヤニエられてしまうところからミッションの幕が開く。 はるか頭上に捕えられた仲間の救出。グリフィンというダイレクトな脅威もあり、普通に考えればこのパーティだったら詰んでる状態だと思うのだが、ハイパー魔法使いマルシルは自分の髪の毛を犠牲にして奇跡的な解決策を見出す(そういえばこれでマルシルも私のツボの1つである「作中でヘアスタイルが変わる系ヒロイン」の仲間入りをしたことになるな)。もはや黒魔術の技術を使うことになりふり構ってられなくなっているマルシル。今回のツールはなんと「使い魔」である。そんなもんいきなりチャレンジしてできるものかよ、とは思うが、考えてみりゃ既存の魂の入れ物であるファリンをそのまま復元することには(強引ながらも)成功したのだから、制限無しで「なんか新しい生命を作れ」の方がまだ簡単なのかもしれない。どう考えてもメインディッシュな食材を基に、今作屈指のゆるキャラである「謎の使い魔くん」3体が生成される。 何がすごいって、この使い魔くんたち、生成後にも形態変化と属性の付与が可能な便利存在であること。つまり魔法陣を使って命を与えた時点ではその存在が明確に定義されてなかったってことだよな。カードで言えば(なんで?)「原初の土」みたいな存在で、考えようによっては最強の環境適応力を持つ脅威の生物である。最初の1体はコントローラーが不慣れだったこともあり割とあっさり死んじゃったけど、それでも単なるエルフが操縦していきなり空を飛べたり、ちゃんとコントロールできてる時点ですごい。あとおんぶマルシルがかわいい。 そして2体目には魔物オタク・ライオスのこだわりが発揮されたワイバーンタイプに錬成。空気抵抗を削った機動力重視のボディに過去の強敵をオマージュしたいくらかの戦闘性能。現時点での「飛行生物」の最高形を目指したライオス肝入りの逸品。こちらもグリフィン相手には善戦したが、やはり生物としての格の違いを見せられて砂を噛む。そしてラスト1体、結局既存の知識だけをやりくりするだけのオタク知識には限界があったということで、ミラクルクリエイター・マルシルがただ1点に機能を集約させた「全く新しい生物」を生み出すことに成功する。不思議なことにその形態は「全く新しい未知の生物」なのにどこかで見たことがあるような気がするのだが……「天地創造デザイン部」とかに発注して許諾もらってきたらいいと思う。 もう、何が常識なのかもよく分からないトンチキバトルではあったが、万能使い魔という素材を通じてライオスの強さと厄介さ、そしてマルシルのピーキーさなどがちゃんと表れていて退屈しない展開。マルシルは真剣にバカやればやるほどどんどん可愛くなっていくのがずるいよな。とにかく無事にグリフィンを退治して大金星をゲットし、センシの救出にも成功。「改めて自己紹介」ということでチルチャックがしれっと爆弾発言をしたりもしたが、さて、いよいよここからが迷宮の最奥。まずはセンシの由来が語られる。……最終回が見えてくるのかなぁ……。 PR 先週のギアスに続けて、2週連続で劇場へ。理由はいくつかあるんですが、まぁなんだ、最近は割といい日和じゃないですか。もうちょっとすると暑くて外出たくなくなるだろうし、せっかくの行楽シーズン、休日に家にいるのもどうかと思って外に出たかったというのが1つ目。そして本日6月1日。毎月1日はファーストデイってことで映画が安く視聴できますのでね。まぁ、これは劇場に行ってから気づいたんですけどね。あとこの作品はギアスのようにふつーにネトフリで配信されてるらしいので、劇場に金払わずに見ることもできるらしいんですけどね。そこはまぁ、いいじゃないですか。あとは最大の理由はこれまたギアスと同じ路線なんですが、「メインヒロインが富田美憂」ってのもありますね。いかにもな富田キャラだったのをCMで見て、「こいつぁいいや」と思ったというのが最大要因です。これでギアスのうえしゃま同様にたっぷりと滋養強壮に効く成分を摂取できればと思ったんですが……。 折り返し前の一言感想は、「まぁ、あんまり……」でした。ぽっと出のオリジナルアニメ、当たり外れが大きいのはしゃーなしだが……。
<というわけで以下ネタバレ含みます。否定的なニュアンスも含むので、視聴前に先入観を持ちたくない方は注意しましょう>
正統派の冒険活劇だってお手のもの! 第8話! 今回のコンテは稲垣さんだったんですね。この人もきちんとやることやれる人なんですよ。……って思って確認したら今「Re:Monster」の監督やってんのか……。 「ヒュドラ編」とでもいうべき今作とは思えない王道の魔物討伐話。ヒュドラはどうやら魔王軍と直接関係はない野生の(?)モンスターだったらしく、いつもの芸人さんたちみたいなちゃらんぽらん要素が一切無いので討伐クエストはガチ。普通だったら王都から正規の騎士団が駆り出されるレベルの対象なのだが、なんでか分からないけど(?)王都は騒動の真っ只中で戦力を割けないとのことで、近隣の村の人間だけでちゃっちゃと片付けないといけないという。主にカズマの責任で。まぁ、そこまで言われたら正義の申し子であるカズマさんパーティはそりゃ頑張りますよね。ほとんどの連中は嫌々でしたけどね。 改めて、こういうミッションだとパーティの個々の戦力の高さが確認できるので「言うてもなろう的なチート要素があるといえばあるんだよな」と再確認できる。主人公カズマさんは意外に指揮官としての能力が高く、ダクネスの暴走に対しては素早く「ダクネスはみんなに愛されてるから、村の人たちに声かけたら戦力集めて助けられる」という判断を下せたし、その大量の戦力をうまいこと役割分担して効率的な討伐プランを構築することに成功。「いや、盗賊スキルのバインドって力合わせたらそんなふうになんのかい」とか驚くポイントも多いが、全ては策士カズマの想定内なのだ。そんで単体戦力としても万能スキルであるエナジードレインがあるから敵の状況次第では一発勝ちも狙えるというのがカズマのズルいところ。普通はエナジードレインって「自分が吸えるだけ吸ったら終わり」な気がするんだけど、カズマは吸うだけならエンドレスなのがすげぇ。 めぐみんはシンプルな砲台。師父マトリフ曰く「魔法使いは突き詰めれば火力」であり、ひたすらに爆裂魔法だけを極めためぐみんはある意味で魔術師の規範と言えるのかもしれない(?)。これまでカズマさんは色んなミッションをこなしてきたが、考えてみりゃだいたいは「最後にエクスプロージョンがあればなんとかなる」っていうプランなんだよな。そのプランだけで劇場版が一本作れるくらいには安定してるし、繰り返し語られるデストロイヤー戦など、ここぞという戦闘はやはりめぐみんである。あと、多分地味に決戦の日までの連日の嫌がらせも戦況に影響してたと思うし。毎日一発とはいえあの規模の大ダメージが生み出せるなら戦略兵器としては充分でしょう。 今回のドラマの中心・ダクネスもスペックの高さは言わずもがな。タンク役必須の挑発スキルに加え、人間の限界を超えたパワーとタフネス。その根源には埒外の被虐性癖があり、痛めつけられるほどに強く意気盛んになる性格はFF2のように自分で自分をしばくレベル上げを導入しているかのようである。この度の相手は流石にデカすぎたし強すぎたので1人では太刀打ちできなかったが、偶然生み出されたカズマと1対1の極限状態では、単なる被虐を超えた難解極まりないシチュエーションにより“新感覚”というますます嫌な ちょむすけは可愛い。猫は液体とはもうしますが、容器にも入らずあそこまで液化できる猫はなかなかいないんじゃなかろうか。 最後にアクアは……えっと、ソロデビューできるくらいには歌が上手い……。即興の子守唄であれだけ聞かせてくれるんですから女神様(中の人)の歌唱力はさすがですよね。 ……いやまぁ、アクアのチート蘇生スキルがあればこそどんな極限戦闘でもギャグにしてしまえるっていうのは間違いない事実なので、アクアの神スキルも洒落になってはいないんですが、実際の戦闘シーンだとただ後方支援でブレッシングダンスを踊ってただけなのでどんだけ活躍したかは分からんのよね。大見得きってた沼の浄化も、決戦の日にはすっかりドロドロになってたし。まぁ、今期の評価は生まれるドラゴンにどんなオチをつけるかにかかっているだろう。 こうしてみんなの力を合わせ、今作ではまれによくあるちゃんといいお話。ギャグとしてのオチをつけることも忘れないが、奇妙な絆で結ばれた4人の家族のような関係性が確認できた良きエピソードでした。それだけにダクネスの決断は衝撃なわけだが……さぁカズマ、NTRれたくっころ騎士を取り返しに行くぞ。 「いろはは猫に変身できるんだね!」 第8話。今期はアニマル変身系ヒロインがアツいですよね。まぁ、どちらの作品も種さんがらみなわけですけど。なんにせよ猫がちゃんと可愛くかけているのは良いアニメ。今回は作画体制が充実してたみたいです。 ただ、そこは間違いなく良いのだけれど……今回の話もマジで意味が分からんかったんだがもしかして俺の理解力が尋常じゃなく低いのだろうか? 正確に書くと、前回は「話の内容は理解できるけどなんでその話になるのかよく分からん」という展開で、今回は「マジで何が起こってるのかよく分からん」だった。 オスカーとティナーシャがのらりくらりと2人で諸国行脚。こないだどさくさに紛れて王権を引き継いでたはずの新米国王がこんなところで物見遊山しててええんかいとは思うが、一応はお国の仕事も兼ねてのことか。とにかく砂漠の国でなんだか怪しい「遊牧の民」というか、単なる強盗団と衝突してしまう2人。「崖の迫った道で大量の弓兵が構えている」はもう遊牧とかどうとかいうレベルじゃ無い気もするのだが……どんな兵力に襲撃されても眉一つ動かさず「うちのティナーシャなら楽勝だかんな」とドヤれるのはオスカー様の強み。まぁ、今回はにゃんこ形態だったから多少は戦力控えめでったかもしれないけど。真っ黒な猫になってくれるあたり、よくわかってらっしゃる(かわいい)。 ほんで強盗団のお頭はさっさと略奪を開始すりゃいいのに何故か突然「一騎打ちの決闘しようぜ」とかいうなんの益もないことを言い始めて、当然のようにオスカーが瞬殺。マジで何がしたかったんだ。決闘シーンで躊躇なく腕一本ぶった斬れるのがオスカーさんのいいところ(?)だが、その血が呼水にでもなったんだろうか、よりによって「部族の聖地」なんて訳のわかんないとこで決闘したもんだから変な神が目覚めてしまうという誰も得しないトラブルに発展。そしてそこに何故か駆けつけた「以前略奪されて旦那を殺された女」。こいつが何故か強盗団のお頭とねんごろ。ここが一番意味わかんなかったんだけど、この2人の関係性ってなんだったの? そこ察する材料あった? もしあったとしたらマジで眠くて理解できてないだけだが……最後まで「この2人、何がしたいねん」で終わってしまった。 あとはどう考えても死ぬ距離で落下してんのに無傷の無敵オスカーさんとかもツッコミポイント。ティナーシャ1人だけの落下だったらまだ死なずに着地できるのも納得できるが(猫だからね!)、よりによってオスカーは頭から落下してんだよ。ほんで落下した先は水だったけど、すぐに立ったら腰までの浅さなんだよ。いや、絶対死ぬだろ。ティナーシャが何かうまいこと魔法をかけて救ってくれたんでしょうか。だったらオスカーは単なる飛び込み損である。まぁ、「猫形態では思考も猫になっちゃう」という貴重な情報は得られたので、今後もし誰かが薄い本とかを書く場合には有効活用してほしい。 そんですったもんだの末に厄介な荒御魂をティナーシャがいっぺん体内に飲み込み、それを腹越しに貫いて殺害するという趣味の悪い対処を平然と行う2人。ティナーシャはかつて腹を割かれたトラウマとかあるはずなのだが、オスカー相手だと全然気にしないし、オスカーも「ま、お前なら大丈夫だろ」くらいの感覚で遠慮なくずっぽし。なんやねんこのカップル。まぁ、このトンチキさは面白さではあるのだが。 とりあえず、「オスカーの肩に乗ったりして普通に猫として甘えてるティナーシャ可愛いからよし」の精神で飲み込んでおこう。猫は地球を救う。 拙者ぐだぐだファーストライブ大好き侍、第8話。久しぶりやな。過去にもこの侍が出没したことは何度かあるんやで。まぁ初代ラブライブ3話に魂を灼かれた人間の性だと思って諦めてくれ。 とはいえ、今作の「ファーストライブ」はそこまでぐだぐだでもなかったので侍的な評価は微妙なんですが、もちろんぐだぐだじゃないちゃんとしたライブとしての評価に問題はありません。4人の絆が明示される心温まるエピソードだったんじゃないでしょうか。まー、そこに至るまでの「ネットで騒ぎ立てる衆愚」のお約束の描写が相変わらず胸糞悪くはあったが。「【推しの子】」の時のネットリンチエピソードなんかもそうだけど、今の世の中は「ネット炎上」は定番テーマの1つになっている。ただ、個人的には本当に苦手というか、純粋な嫌悪感を抱いてしまう対象なので、フィクションで描かれていてもどうにも気分が悪くなっちゃうんだよな。願わくは、自分自身は極力そうした「衆愚」に堕することがないように努めたいとは思っているが、今の世の中、力無き一個人がどれだけ頑張ったところで、ネットの情報には踊らされてしまうのよなぁ。そんなことを戒めるお話……ではないのだけど。 というわけで、ネットバーチャル歌い手JELEEがまさかの初ライブ。配信は軌道に乗ってJELEEの知名度もリアルアイドル・サンドーにも負けないレベルになってきたし、ここいらで更なるフックとしてライブを行うというのは良いアイディア。メインコンセプターを「元」アイドルの花音が務めるので細部のプランニングも案外現実的なものになっており、怪しげなホテルに缶詰め状態で作り上げる「始めてのリアルライブ」は浮き足だちながらも期待感に満ちたものであった。こういうプランニングってのは「お祭りは準備してる間が一番楽しい」の言葉通り、本番よりもそこに至るまでの過程で色々と妄想してる時が一番楽しいのよね。不登校の学生さんたちも一緒になって、まるで学園祭の準備をしているかのようなあっという間の時間であった。 いよいよ準備が整ったというところで好事魔多し。なんとネットの衆愚の権化とでもいうべき「炎上系まとめサイト」に花音が捕捉されてしまった。まー、それを警戒してこれまで顔出ししない状態を続けてきたくせして軽率にリアルライブをやってしまったせいなのだが、だからとて情報の切り取り方に悪意があるのは事実だし、世間の盛り上がり方もお約束のものでなんとも無責任。「こんなことで少女たちの夢が潰されてしまうなんて!」という義憤を感じさせるには充分な展開か。ネットの力の一番面倒なところは、ほんとに勝手に大きくなる不如意の力なので、一度動き出したら明確な対策が無いところだ。いかに花音とてそこに抗う術も見出せず、一度は夢をあきらめてフェードアウトまで考えた。 しかし、ここで4人が集まっている意味が出てくる。身を引こうとした花音の背中を盛大に叩いてもう一度押し出す仕事をしたのはまひる。他の2人がまだ現実に囚われて動けないでいる中、まひるだけは「花音の夢を諦めるなんてとんでもない!」とがむしゃらに声を上げる。一番世間が見えていないが故の特権的な無茶振りである。そしてそんな無茶を可能にできる頼れる仲間2人。まずは経済力担当(?)、札束のめい! 世間の問題の大半は金さえあれば……否、推しへの愛さえあれば解決できる! まさかの力業で素人のアーティスト活動に一番必要な「元手」がとんでもない形で出現した。そしてリアル折衝担当・キウイさん。やはりこの子が一番現実を見ているし、困った時には他人とは異なる視点から思いもよらぬ解決策を提示してくれる。やはり地頭の良さが抜きん出ているのがこの子なのだろう。引きこもり配信者だからこそ提案できた「無観客ライブ」という提案。まぁ本音を言えば花音の願いからは若干離れてしまってはいるのだが、ぶつかった問題に対応し、採りうる最善の策を見出せるのはまさにブレーン。そこからの舞台設定のアイディアなども初めてのセッティングとは思えないくらいに巧妙。今回の一件、一番の立役者は間違いなくキウイだろう。 こうして花音の願いが成就し、無事にJELEEはネット上での立ち位置を確固たるものにした。そして……ついでにそこに山ノ内花音の存在も確定させた。これにより、なんとも想定外のところからよく分からない矢が放たれる。ママンはいったい何を考えているのだろうか。純粋にまひるのイラストが気に入っての発注っていうだけなら別に構わないのだろうが……そんなわけないよなぁ……。 結論:めいさんの霊魂ください。 この国の日曜アニメは情緒に影響を及ぼしすぎる、第8話。まぁ、私は日曜には見られてないんですが……毎週毎週このメンタルブレイクをくらい続けて、まともに勤労とかできる奴おるか? 先に取り上げておくと、今回コンテを担当したのは3話でもコンテ演出を任された以西芽衣さんという方。なんだろう、やはりこの人の画作りはじわりじわりとにじり寄るような作劇が秀逸で、京アニのテイストというか、ユーフォのテイストにがっちり噛み合っててとても好き。出来れば何も悩まずに見られるハッピーなエピソードでもどうなるか見てみたいところなんですが……まぁ、今回はそれどころじゃないのでね。 なまじ原作既読でどういう展開になるか全部知ってるので(まぁ、今回の展開は未読でも予想できただろうが)、ほんとにラストに向けて追い詰めていく展開が地獄。前回多少なりとも攻略の糸口が掴めたと思っていた黒江真由だったが、攻略も何も、あっちは正しいことしか言ってない慈善モンスターである。真っ向からぶつかる以外に選択肢はなく、その結果力負けしたら即死、そういうタイプの厄介極まりないステージだったのだ。そしてこの度、ついに黄前久美子は敗北した。それは部長業という多忙な役職に回されたことが理由だったかもしれないし、性格が悪くても人が良すぎる久美子が、真由という異質な存在にどこか怯んでしまった結果なのかもしれない。少なくとも付け入る隙を与えたのは間違いなく久美子自身である。 そうして「北宇治の体制」をめぐり、さまざまな部員の思惑が交錯している。一旦オーディション云々を差し置いてそれどころじゃなかったのがコントラバス師弟。求はこないだの一件で一皮剥けてあの久石奏をして「いじりにくく」成長したが、その成長は、避けて通れぬ痛みを伴うものである。以前この世界における川島緑輝の特異性と絶対性について触れたが、そうは言っても彼女だって単なる女子高生。真正面に迫る後輩の悩みになんて、全てにおいて無敵ではいられない。求の痛みと進歩、そしてそれを受けた緑輝の進歩。一夏の経験を超えて、少年少女は強くなっていく。 オーディションで吉報が訪れたのはチューバ組。前回の結果に涙を飲んださっちゃんがめでたくメンバー入りを果たし、これにて葉月・美玲・さつきの先輩組にすずめちゃんを加えた最強のカルテットが完成。ある意味で一番幸せな形を手にしたパートと言える。それもこれも滝センの編成判断のおかげなのだから、チューバ組は感謝しなければいけないだろう。 しかし、全体の構成人数が変わらない限り、どこかのパートが増えればどこかが削られる。今回一番の悲劇に見舞われたのはまさかの久石奏。どこまでも飄々と、冷やかし半分みたいなテンションで物事に接していた彼女に、ここで1つの裁定が下されてしまった。まぁ、元々奏は要領の良さこそ評価されていたが、実は今まで演奏の実力についてはあまり取り上げられてこなかったんだよな。去年は比較対象として素人上がりの中川夏紀がいたわけだが……「さらに上」が来たこと、そして編成が変わったことでまさかの押し出し。流石の久石もこれには動揺を隠せなかった。この部における「本気」の度合いが上か下かなんて誰にも測れないはずだが、こうして結果は出てしまったのだ。 今回は結果的に奏に引導を渡すお話になってしまったが、フォローというか慰めというか、そんな彼女の人となりをチラ見せするシーンが多く採用されており、特に求との絡みはなんだかんだ言って最終的に憎めない彼女の愛らしさがよく表れているパート。是非とも「次こそがんばれ」と声をかけ、今まで以上にがむしゃらに本気で取り組んでほしいところである。 そんな奏に対して平然と「裏表がなくて好きだよ」とのたまう超越存在・黒江真由。約束されしラスボスポジションの彼女は常に「周りの空気」に合わせて自分を調整してきたが、合宿という空気、そして本番間近という部全体の空気に背中を押され、彼女は大きな一歩を踏み出した。「部長が言ってんだからしょうがない」、それが全てである。久美子が言っていたことは全てが事実。この北宇治は絶対的な実力主義を表明しており、部長がそれを曲げることなんてありえない。かつては学年の差による忖度は当然存在しており、かの吉川優子の乱で明るみに出た問題を高坂麗奈が叩き潰すという形で決着を見たはずだが、気づけばあれから2年。あの時の凄絶な空気を知らない1、2年生からしたら、「実力主義の痛み」はまだどこか遠くのお話だったのかもしれない。口では「うまい方がやる」と分かったように言いながら、現実にその裁定を叩きつけられた時、この部がどのように変容するのか。それは、当事者である久美子すら、まだ甘く見ていた部分だったのかもしれない。ソリで名前を呼ばれた時にうっかり返事しそうになってしまった久美子の油断・慢心。それら全てを押し流す黒江の濁流。名前を呼ばれた真由は、その事実を噛み締めた。久美子は、まだそれを乗り越えられていない。様子を見守っていた麗奈さんも「何してんだ久美子」と苛立ち気味である。 次の曲を始めるために、何を超える必要がある? お客様の中に作画スタッフはいらっしゃいませんか! 第7話! ……もったいねぇ、もったいねぇよ……めちゃめちゃ大事な回だったと思うのだが、まさかの作画がギャグマンガ日和状態という……戦慄しなきゃいけないライブシーンが完全に笑いものになってしまっては、作品としては破綻するのよ。スタッフロールを見たら作監がアジア系ネームの列挙という、確実に「ダメだったんだろうな」と思えるものだったし……久しぶりに「ソフト化する時に修正版出せよ」と思ってしまうクオリティだった。いや、ここ最近劇場版以外にアニメのBDとか買った記憶ないけど。 とまぁ、ほんとのほんとに口惜しさが先に立つ話数になってしまった。まぁ、大事な回という意味では告白エピソードの前回の方が大事ではあるし、そっちでそれなりに力を入れた皺寄せが今回にまわってしまったと考えることもできるのだが、そんな勝手な想像には「いや、毎回頑張れよ」というセルフツッコミを入れてしまう。前回頑張ったから今回作画崩壊してもいい、とかいうルールは無いねん。そう、今回は普段あまり使いたくない「作画崩壊」という言葉を使うしかなかったお話。自宅でしっぽり話し合うヨリと亜季のシーンの亜季の顔とかも「お前誰だ?」みたいになってたけど、やはりそのピークは一番負担がかかるライブシーンに出てしまった。ヨリたちのライブもいつも通りになおざりではあったが、こちらはまぁ、柔らかい雰囲気もあってなんとなく誤魔化せたシーン。しかしその後に出てきた泉志帆ら、ローレライのライブは今作ではこれまで一切無かったテイストをぶちこんでくる必要があり、ひまりが受けた衝撃のデカさを表すためにも画面に存在感を出す必要があったのだ。ここでバシッと決まれば今後の色恋沙汰も含めた修羅場な雰囲気に向かって、一気に世界を変転させることが出来るシーンだったのだ。そこが「ベースの手の動きwwww」とかいうお笑いシーンになってしまっては、作品ファンは涙に溺れるしかない。ほんとのほんとに残念だ。しっかりしろよ横ラボォ! ……というわけで作画への文句で文字数を費やしてしまったが、そこに目をつむればあらゆる局面がグリングリン動いていかにもなトレンディドラマ展開。ひまりの周りの人間関係、あやとりのごとくぐるぐるに絡み合って奇跡の陣形を形成しているのがあまりにお見事。よりによって亜季・ひまり・ヨリのすでに片付けられたと思った三角関係に介入できる唯一のポジションに志帆が介入してくるとは……こいつがやろうと思えば、ヨリに向かって「こいつお前にガチ恋だぜwww」とチクることも可能であり、そうなった時にはバンド内で2人がまともなコミュニケーションが取れなくなる恐れがある。 それと同時に、ひまりに大きな衝撃を与えてしまったというのも志帆の大きな問題点で、何しろひまりはヨリのライブを見て一目惚れ(仮)した人間。他の素人のライブを見て、あの時以上の衝撃を受けてしまってはダメなのだ。しかし今回の志帆のライブはそんなひまりの狭い狭い世界にヒビを入れるものだった。まーひまりがこれで「あっちのバンドの方がすごかったから鞍替えするわ」なんて思うような人間でもないし、そうならないようにこれまでの関係性を構築してきたわけだが、それでも「ヨリよりあっちの方がセンスあるわ」と思ってしまったのは事実。これまで手放しで誉めてきたヨリの歌を誉めづらくなってしまい、2人の関係にも変質を余儀なくされる。これでヨリの方から「どっちが上手いと思った?」なんて聞いた日にゃぁ地獄だが……できればヨリさんにはそういう言動はしてほしくないですね。 唯一の朗報(?)はというと、百々花部長が下手したら志帆に惚れてるんじゃねぇかと心配してたのだが、どうやらバンドのもう1人のメンバーである王子様系のドラムが相手っぽい。志帆の尻馬に乗って百々花までがひまりたちを害するポジションにまわっちゃったらどうしようと恐れていたのだが、流石に部長に限ってそんなことはしないか。……しないでね? Oh,シラタマサン……第8話……。「こいつが巨悪か……」と思って登場したキャラがわずか1話で「それどころじゃないやつだった……」ってなる展開、とても心臓に悪い。 宗家の女官・早桃の死はただでさえ不穏な宮中の空気をさらにピリつかせる。まぁ、人が1人死んでる割にはみんなしてぼーっとしてるしかないあたりは貴族らしさではあるが、入内争いという背景もあり、疑心暗鬼は嫌でも加速する。もちろん一番傷ついたのはこれまで早桃と仲良くしていたあせび。そして女房として取り立ててしまったことに責任を感じる藤波も、ただシンプルに人の死を悼み、悲しみに暮れた。 しかし残念ながらそんな事件も政争の道具の1つでしかなく……もはや建前も何もなく、明け透けにぶつかり合う四家の姫君たち。いや、ぶつかり合うというのは正しい表現ではないか。一方的に喧嘩をふっかけてくる白珠に対し、ただ狼狽するばかりのあせび、庇い立てて怒りを露わにするススキ、そして何かを知っている様子の浜木綿。いわば1対3の構図であり、北家だけがこの事件に対して何か特別なスタンスに立ったような状態だった。 そして事件は続く。今度は西家に侵入者あり。みんなして烏に変身できちゃうこの世界だとそのままの姿で誰だか分からないので全人類がナチュラルにシェイプシフターというすげぇ厄介な状態。不届な侵入者は烏状態で首を斬られてしまい、その素性もよく分からぬ状態だったが、その正体に気づいてしまった者がただ1人。皮肉なことに、それを一番望まぬ白珠その人である。 権力争いが人を狂わせることはよく聞く話だが、白珠の場合、北家に生を受け、生まれながらにして入内を迫られるという立場そのものが、すでに彼女のことを壊していた。きっと誰よりも真面目な性格だったのだろう。一家の悲願である入内のためには私を滅し、ひたすらに目的に邁進しなければならないと自分に言い聞かせていた。たとえ北家に思い人がいようとも、である。偶然にも若宮に取り上げられた庭師・一巳は、わざわざ宮中まで隠れて白珠の様子を見に行くほどに繋がりの強かった人物。2人の間には「何もなかった」。白珠はそういうが、一巳の方はそう思っていない。もちろん、白珠だって、本心からそう思ってはいない。思ってもいないことを「思い続けなければいけない」環境。それは最も容易く人を壊してしまうのだろう。 一巳は久しぶりに見た白珠の姿にこらえが効かず、宮中へと入ってしまったのか。「あんな醜い骸なわけがない」。白珠の弁が虚しく響く。彼女の限界は浜木綿だけが理解していた。以前のなりふり構わない行動の全てが、白珠の最後の抵抗だったのだ。もはや入内闘争は4家の争いではなくなった。北家は、もはやその拠り所を失ったのだから。 問題は、早桃殺しの犯人がまだ定まってないところなのよね。今回の顛末を見る限りでは、別に北家とつながる理由がないのだが……櫛の件は早桃と窃盗団を繋げる直接的な証拠ではあるが、裏事情を知っていた人間の工作の可能性もあるわけで。……これ以上何かを腹に抱えてる人物には出てきてほしくないけどなぁ……。 久しぶりにハイパークレイジー釘が見られて満足でしたが。白珠様のお顔がとても怖かったです。これはこれで良いキャラデザになったものだ。 声が届いた、第8話。本当に良きタイトルがついたもので、こいつらってばとにかく泣く(Cry)し叫ぶ(Cry)。その声は、どこかに届けたくて。 仁菜のステージ上での行動に桃香はまずお怒り。「ステージはお客さんに見せる場所」とはまさに正論で、それを勝手に私ごとに使ってしまった仁菜は叱られて当然である。そのことにはバンドメンバーも依存はない。しかし桃香ですらまだはっきりとことを認識してはいなかったのかもしれない。そう、この井芹仁菜という女、本当のクソ野郎だし、空気を読んだり、礼節を知ったりは絶対にしない。お前が見出した才能ではあるが、なんともはや生粋のロックンローラーなのである。「当たり前の反省は後からでいい、とにかく今はバンドのいく先のことを考えさせろ」。それが仁菜の一方的な申し出。自分はもう予備校中退で覚悟を決めたから、テメェらも覚悟を決めろと。その辺のことを納得づくで加入したルパ&智コンビはまだいいとして、仁菜目線でもそんなこと認めてもらえるわけがないことが分かりきっている家庭環境のすばるからしても寝耳に水だろうし、業界から足を洗おうと思っていた桃香からしても「知らんがな」の一方的な申し出。どう考えても「ふざけんな」で終わりのお話。 ただ、桃香さんも過去とのしがらみがあったもんで負い目となる部分はあった。確かに「バンドで食って行くなんてまっぴらだよ」という表明はこれまでもちょいちょいやってきたとは思うし、「そんなこと考えてるとは夢にも思いませんでした」も通るといえば通る理屈だが、だからとていきなり長野県まで引っ張り出して「はいここでラストライブです」はいささか一方的すぎた。そうでもしないと仁菜を丸め込めないと思ってしまったのだろうか。もしそうなら、すでに仁菜には借りを1つ作ってしまった状態。どちらに正当性があるかは難しい問題だが、何かしらの隙を作ってしまったのも桃香の方だ。 あとはもう、ただ互いのエゴをぶつけ合うしかない。何しろ、どちらの言い分も実に身勝手で、相手のことなど考えちゃいないのだから。それぞれの目指した方向性が、各々の回想シーンに結び付けられていることから、「過去に勝手に決めてしまった生き方」だったことは表れている。桃香が青臭い仁菜の夢を毛嫌いするのは、すでに一度自分が挫けてしまっているから。かつての自分に仁菜が重なれば、夢破れてうらぶれた今の自分がかえって情けなくも見える。賢しく大人ぶって説教するが、その実単なる言い訳、逃げだというのもまた事実。弱いと思われるところを突かれればこそ、人間はムキになってしまうもので。 ただ、だからとて仁菜が正しいかといえばそんなこともない。「バンドやろうぜ!」については元々仁菜は嫌がってる側だったし、手のひらクルンで猪突猛進してしまったら周りの人間だって急にはついていけない。また、最大の原動力になっているのは過去にダイダスの桃香に救われたことがあるというこれまた身勝手な思い出である。この度仁菜は桃香に対して「私を思い出にするな」、つまり自分を勝手に完結させるなと暴れたわけだが、桃香という偶像を勝手に打ち立て、そこに依存しようとしているのは仁菜の方である。「お前はもっとすごいやつだ」と勝手な人物像を押し付けられた桃香もたまったものではない。挙句「手を出してきたら遠慮なく軽蔑できる」とぬかしておきながら、最終的に手を挙げているのが自分という暴挙。感極まった末の極限行動ではあるものの、一度走り出した井芹仁菜には理屈など通用しないということがよく分かる。「大人ぶってんじゃねぇよ、勝手に言い訳して私との夢から逃げるんじゃねぇよ」。彼女の主張に対し、桃香は「知らんがな」の一言で済ませることができる程度の話であった。 しかし、そうはならなかった。桃香が必死に目を背けていた夢。変わってしまったダイダスの存在。結局、一番現状を動かしたかったのは桃香本人だったのだろう。すったもんだの末にかつて誓い合った仲間たちからも背中を押され、ロックな軽トラは走り出す。ふかしたエンジンはもう止まらない。いよいよ、バンドが動き出した。 この度の演出も実に強烈で画面の求心力が強く、特に「学生時代の若かりし桃香」のシーン、わざわざ現代のバリバリCGテイストからちょっと淡めのアニメ調に露骨に映像表現が変えてあるのが憎らしい。「青かったあの日」と「辛くて叫び出したい現在」の対比がこうしてダイレクトな映像表現で表せるってのは、今作がわざわざCGデザインを採用してインパクトを強くしていたが故の強烈な効果だった。こういう表現が出てくるから現代アニメはあなどれない。 今日の一句:安和すばる 伊地知虹夏に 椎名立希 田井中律に 二葉つくしや (苦労性、まとめ役ドラマーの句。すばるさん、今週も可愛かったです) |
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性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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