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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「王様ランキング 勇気の宝箱」 ―

 ノイタミナでの2期目突入。ノイタミナってアニメ放映枠の中でもかなり長期的な視野で計画を立てている枠なので、こうして2期目が安定して放送されるのはありがたい話よね。まぁ、「約束のネバーランド」みたいな地獄の例もあるが……。

 放送枠も同じだし、スタッフもそのまんま持ち越しで1年ぶりの再開。2021年がボッジで22年がぼっち、23年は再びボッジにお鉢が回ってきたということだな?(うまいこと言うた) ただ、形態がよくわかっていない部分があり、どうやら「2期目」というのともちょっと違う妙なデザインになっているらしい。確か1期はそれなりに綺麗にまとまって終わったはずなのだが、今回のエピソードはその続編の時系列ではない……よね? ボッジがデスパーのところで修行してるってことは1期のどこかの時間軸のはず。単なる追加エピソードを1クールかけてやるってことなんだろうか? 1期の時点であんまり熱心に追いかけてなかったのでいまいちピンとこないな。

 そう、1期の時点であんまり熱心じゃなかったんですよ。映像作品として非常に頑張っていることは分かるし、今期もオープニング映像などで見応えのある動画をバシバシ出してくれているのだが、そうして描かれている物語がなんというか、平易なものが多くてな……。今回の1話目も、ほんとに子供向けの絵本みたいなお話なもんで文句もないがツッコミどころもない。そのまま「はいそうですか」で終わってしまうお話なので……何かもうちょいクセがあってもいいと思うんだけどな。

 まぁ、もしかしたら原作時点でそれが求められていないのかもしれない。エグい展開という意味では1期でやってた話も結構キツい部分はあったわけで、今期はそうしたドロドロした部分を一切廃した「絵本のようなお話」に終始するなら、それはそれでニーズはあるのだろう。ヒリング様が出てきたら呼んでください。

 

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○「六道の悪女たち」 4

 多分、今作最大の見どころは「なんで主人公の取り巻きが浪川・石田なんだろう」って言う部分。主人公が佐藤元なのは至極納得できるのだが……なんでそんな無駄な脇の固め方を???

 原作は割と既読。別に読みたくて読んだわけじゃなく、これが連載始めたあたりはまだチャンピオンを読んでた時代だったので、一応は見ていたと言う程度。「東リベ」の感想なんかでも滲み出ていると思うが、わたしゃ基本的に「不良漫画」と言うジャンルが嫌いで、それがシリアスだろうがギャグだろうが、とにかく第一印象が悪いのである。あと、今作はいかにもチャンピオンらしい(?)絵の古臭さもあり、読みたいと思えるような積極的な理由は1つもなかったと記憶している。

 どうやらもう完結しているらしいが、さて、なんで今の時代にこれがアニメ化したやら……チャンピオン漫画の中で人気がある方だとも思えないんだけどなぁ。まぁ、「もういっぽん!」も別にそこまで人気か分からんけどアニメ化してくれたわけで、アニメにして普段チャンピオンを読まない層にも届くようにしてくれているのは悪いこっちゃないんだけどさ。

 幸か不幸か、アニメを観ても原作の印象とあんま変わらない。キャラデザは古臭くて惹かれないし、作品コンセプトも頭が悪くて訴求力はない。アニメとして何か欠点があるというわけではなく、むしろこの絵で頑張って動かしてくれているとは思うのだが、残念ながら動いたからって魅力がプラスされるようなもんでもない。まぁ、「あやかしトライアングル」と同じジャンルだと思ってなんとなく流しておく作品になるんじゃなかろうか。

 

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 ちょっと遅くなったけど、やるよ!! 今年はより明確に意志をもって、省エネ化、文章の削減に取り組んでいきたいと(少なくともこの書き出しをスタートした時点では)思っている。今の世の中、削れるものは削っていかないと。まぁ、この企画自体が一番のリストラ対象な気もするが……。

 (以下去年までの記事からのコピペ)一応毎年のことなので約束事をコピペしておくと、タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っており、タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。(コピペ終わり)毎年「なんでこんな設定にしたんだろう」と自分で自分を責めてばかりいるが、考えてみりゃ、ある程度多角的にいろんな作品を取り扱えるんだから悪い設定ではないのかもしれない。

 また、今期は執筆コスト削減のためにある英断を行った。それは、「サブタイトル部門」の廃止だ。各アニメのエピソード1本1本を選出対象とした部門で、決して無意味ではないと思うし、この部門があるおかげで毎回のアニメを観る張り合いにもなっていたのだが、いかんせん、この部門だけ圧倒的に選出と執筆の手間がかかるもんで、負担の大きさに耐えきれず、この度リストラさせてもらうこととした。おっちゃんも寄る年波には勝てないので、こうしたリタイアはしょうがないと思っている(リクエストがあったら復活するかもしれんけど)。とりあえず、これで確実に文字数の削減はできるだろう。

 

 今期エントリーされたのは、「2022年4月期以降に終了した、もしくは現在放送中である」ことを条件として、ある程度最後まで視聴していた以下の176作品。冬クールのとんでもねぇ量には驚いたものだが、そこで頑張って削減したこともあり、年度を通しての本数だけでいえば一応史上最多まではいかず、ギリギリ「全盛期並み」に踏みとどまった。ちなみに、仮に冬クールでの「3話切り」をやらなかった場合、ここから9本増えて史上最多になっていた可能性もある。さらに、具体的な数字を確認すると、今年度は「通常枠163本、ショート枠13本」の内訳で、実は通常枠だけならぶっちぎりで史上最多だったりする。来年度以降も、明確に「3話切り」も視野に入れた試聴体制にしないと、そろそろヤバいかもしれない。どこかで「アニメは週40本までよ!」みたいな絶対ルールを敷けば楽になれるのだろうが……。

 一応過去のデータと接続すると、本数の増減はこんな感じ(括弧内がショート枠を除いた数字)


7674596790
103(93)132(121)149(133)152(129)
170(148)170(150)183(157)157(135)
160(141)155(148)176(163)

 コロナ期に落ち込んだ数字がいくらか正気を取り戻させてくれたというのは皮肉なもんだな……。

 続いて劇場作品だが、こちら13本で意外にも微減。てっきり劇場商法はもっと加速するかと思っていたのだが、そこまで劇的に数字に変化がなかったのは意外かもしれない。まぁ、単に俺が気づいてないだけで制作・上映されてる作品数は増えてるのかもしれんけど。どうにも最近はアニメ映画単体での興行収益が一極集中の傾向があるよねぇ。せっかくの媒体なんだからもうちょっと多様性を求めたいところなのだが……どうしても予算がかかるし動くまでに時間がかかるのがネックか。一応、これまでの数字の変化は以下の通り。

7→4→6→12→8→6→

9→1715172271913

 なお、毎年のことだが劇場作品については基本的にこのグランプリの選出基準からは外すようにしている。

 

 


○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順・ショートアニメは【】で表示)

「アークナイツ -黎明前奏-」「RPG不動産」「アイドリッシュセブン Third BEAT!(2期)」「アオアシ」「アキバ冥途戦争」「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」「阿波連さんははかれない」「あやかしトライアングル」【ある朝、ダミーヘッドマイクになっていた(略)】「アルスの巨獣」「イジらないで、長瀞さん 2nd Attack」「異世界おじさん」「異世界のんびり農家」「異世界迷宮でハーレムを」「異世界薬局」「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」「ヴィンランド・サガ Season2」「宇崎ちゃんは遊びたいω」「うたわれるもの 二人の白皇」「うちの師匠はしっぽがない」「うる星やつら」「英雄王、武を極めるため転生す」「Extreme Hearts」「エスタブライフ グレートエスケープ」【永久少年 Eternal Boys】「Engage Kiss」「オーバーロード」「大雪海のカイナ」「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」「お兄ちゃんはおしまい!」「オリエント 淡路島激闘編」「骸骨騎士様、ただいま異世界へお出掛け中」【かぎなど シーズン2】「かぐや様は告らせたい -ウルトラロマンティック-」「陰の実力者になりたくて」「カッコウの許嫁」「彼女、お借りします(第2期)」「神クズアイドル」「可愛いだけじゃない式守さん」「艦これ いつかあの海で」「機動戦士ガンダム 水星の魔女」「CUE!」「吸血鬼すぐ死ぬ2」「境界戦機」「虚構推理 Season2」「金装のヴェルメイユ」【クールドジ男子】「くの一ツバキの胸の内」「久保さんは僕を許さない」「組長娘と世話係」「黒の召喚士」「群青のファンファーレ」「恋は世界征服のあとで」「後宮の烏」「5億年ボタン【公式】」【Call Star -ボクって本当にダメな星?-】「ゴールデンカムイ(第4期)」「コタローは1人暮らし」「このヒーラー、めんどくさい」「古見さんはコミュ症です。(第2期)」「最近雇ったメイドが怪しい」「最後の召喚師 -the Last Summoner-」「サマータイムレンダ」「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」「忍の一時」「シャインポスト」「邪神ちゃんドロップキックX」「社畜さんは幼女幽霊に癒されたい」「シャドーハウス 2nd Season」「シュート! Goal to the Future」「シュガーアップル・フェアリーテイル」「処刑少女の生きる道」「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン(第2期)(第3期)」「新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP」「新米錬金術師の店舗経営」「スパイ教室」「SPY×FAMILY」「聖剣伝説 Legend of Mana」「それでも歩は寄せてくる」「盾の勇者の成り上がりSeason2」「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(第4期)」「ダンス・ダンス・ダンスール」「チェンソーマン」「ちみも」「ツルネ -つながりの一射-」「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の(略)」「であいもん」「D4DJ All Mix」「デート・ア・ライブ」「てっぺん!!!!!!!!!!!!!!!」「デリシャスパーティプリキュア」「転生王女と天才令嬢の魔法革命」「転生賢者の異世界ライフ」「転生したら剣でした」「Do It Yourself!! どぅー・いっと・ゆあせるふ!」「東京ミュウミュウにゅ〜」「東京リベンジャーズ 聖夜決戦編」「トモダチゲーム」「トモちゃんは女の子!」「TRIGUN STAMPEDE」「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「とんでもスキルで異世界放浪メシ」「NieR: Automata Ver1.1a」【にじよん あにめーしょん】「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」「農民関連のスキルばっか上げてたら(略)」「ノケモノたちの夜」「BIRDIE WING -Golf Girl’s Story-」「HIGH CARD」「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」「はたらく魔王様!!」「Buddy Daddies」「薔薇王の葬列」「パリピ孔明」【ピーターグリルと賢者の時間 Super Extra】「ヒーラー・ガール」「ヒューマンバグ大学」「ビルディバイド -#FFFFFF-」「ヒロインたるもの! 嫌われヒロインと内緒のお仕事」「ひろがるスカイ!プリキュア」「夫婦以上、恋人未満。」「ブッチギレ!」「不徳のギルド」「不滅のあなたへ シーズン2」「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL」「BLEACH 千年血戦篇」「プリマドール」「ブルーロック」「文豪ストレイドッグス(第4期)」「便利屋斎藤さん、異世界に行く」「僕のヒーローアカデミア(第5期)」「惑星のさみだれ」「ぼっち・ざ・ろっく!」「ポプテピピック(第2期)」「本好きの下剋上(第3期)」【舞妓さんちのまかないさん】「魔入りました!入間くん(第3シリーズ)」「魔術士オーフェンはぐれ旅 アーバンラマ編」「まちカドまぞく 2丁目」「マヴラヴオルタネイティヴ(第2期)」「魔法使い黎明期」「継母の連れ子が元カノだった」「万聖街」「虫かぶり姫」【名探偵コナン 犯人の犯沢さん】「メイドインアビス 烈日の黄金郷」「メガトン級ムサシ 2nd Season」「もういっぽん!」「もののがたり」「モブサイコ100」【八十亀ちゃんかんさつにっき4さつめ】「ヤマノススメ Next Summit」「勇者、辞めます」「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー(略)」「ユーレイデコ」「UniteUp!」「妖怪ウォッチ」「ようこそ実力主義の教室へ 2nd Season」「4人はそれぞれウソをつく」「よふかしのうた」【夜は猫といっしょ】【齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定】「弱虫ペダル LIMIT BREAK」「ラブオールプレー」「ラブライブ! スーパースター!!」「ラブライブ!!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(第2期)」「理系が恋に落ちたので証明してみた」「リコリス・リコイル」「REVENGER」「RWBY 氷雪帝国」【令和のデジキャラット】「恋愛フロップス」「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」「咲うアルスノトリア すんっ」


 
 
○今期視聴した劇場アニメ作品(視聴順)

「オッドタクシー イン・ザ・ウッズ」「バブル」「犬王」「ゆるキャン△」「夏へのトンネル、さよならの出口」「君を愛した一人の僕へ」「僕が愛したすべての君へ」「私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ」「ぼくらのよあけ」「雨を告げる漂流団地」「かがみの孤城」「金の国 水の国」「すずめの戸締り」

 

 

 


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第3位 

’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 ‘18「ひそねとまそたん」 ‘19BEASTARS」 ‘20「無能なナナ」 ‘21「小林さんちのメイドラゴンS」

’22「メイドインアビス 烈日の黄金郷」

 先にバラしておくと、今シーズンのベスト3は全て原作ありのアニメになった。別に珍しい事態ではないのだが、過去に遡ると2019年以来となる。なんとなくの感覚でしかないが、「鬼滅」フィーバー以降、ジャンプアニメを代表とし、「ちゃんとした原作をちゃんとしたアニメにすればウケる」という当たり前すぎる認識が業界にも伝播しているような気がしている。そして、そんな「ちゃんとしたアニメ」の代表例の1つとなったのが、こちらのメイドインアビスである。キネマシトラスが第1期時点でガッツリとその基盤を作り上げ、衝撃の劇場版、そしてさらなる衝撃のこの第2期へと、着実にパスを繋いできた。まるでゴレンジャーハリケーンのように、そのお鉢が回れば回るほどに破壊力は着実に増している。

 クレジットこそ「2期」だが、どちらかというとこの作品においては「第六層」と言い切ってしまって良いのかもしれない。考えてみりゃ1クール目では「穴の上→第四層」を全部やってるわけで、同じ長さで扱ったのが第六層のみというのだから、そりゃぁ密度もゴリゴリである。より混沌を増し、およそ生き物がまともな形で描かれなくなった成れ果ての村。そのあまりに珍奇な風景がさも当たり前のように描かれ、そこでリコたちが出会うあらゆる「新しいもの」が異質さをそのままに、それでいてどこか当たり前に息づいているかのような不思議な感覚。すでに人間性が失われてしまった彼らの様子を見つつ、回想アニメを挟むことで「いかにして奈落が人を失わせていくか」というドキュメンタリーが残酷な形でしれっと描かれる。そこに残されたのは絶望と慚愧の物語のみだが、リコ、レグ、ナナチがそこを訪れ、新たな希望を灯して去っていく。リコたちの行き先は「下へ、下へ」のはずなのに、不思議と向上も救済も同時に存在しているという奇妙な現象。これを許すのがアビスのアビスたる所以。

 こうした現実感の乏しい世界に色をつけたのが製作陣であり、息を吹き込んだのがキャスト陣。レギュラーの面々は言わずもがなだが、やはり今期を支えたのはファプタ役・久野美咲、それに平田広明、寺崎裕香、斎賀みつきという「過去」の面々(あと、マアアさん)。本当に皆に愛され、尽くされた作品であった。3期もいつかきっと作られるのだろうが……いつになるのか、そして、どんな物語になるのか。

 


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<アニメソング部門>

 人とカラオケにいく機会がめっきりなくなってしまい、ここ数年トーンダウンしちゃってます、アニソン部門。あと、実はリモート環境が増えて移動に使う時間が減ったっていうのも大きな問題の1つで、気に入ったアニソンってだいたい移動中の電車内とかで聞いてることが多くて、去年はあんまり必要としなかったのよね。家の中でわざわざ腰を据えて音楽を聴こうと思うタイミングって少ないじゃないですか。


 というわけで、以前あった「カラオケで一番練習した曲」部門は省略してノミネート曲を列挙していくが、まずは「単に歌が好き」部門。アニソンシンガーってのは少ないパイを奪い合うジャンルだが、こんだけ大量に見てるとやっぱり「最近ちょいちょい見かけるな」っていう名前も「誰やこいつ」っていう名前もあって、例えば直近で気になったのはフィロソフィーのダンス、「熱風は流転する」(あやかしトライアングル OP)や、DIALOGUE+の「僕らが愚かだなんて誰が言った」(骸骨騎士様、異世界へお出掛け中ED)。そんで名前も初めて聞いた、という枠ならカノエラナの「ヨトギバナシ」(虚構推理 Season2 OP)。この辺の路線はまだタイアップというだけでアニメ要素があんまり無いのは残念だが、こういう活動を続けているともっとアニメに寄り添うチャンスもありそう。タイアップなのかどうかよくわからんが、新しいアニソンで塗り替えてやろうという意気込みを感じるのは「アイウエ」(うる星やつら 第1期OP)。2期オープニングの「アイワナムチュー」も合わせてそうだが、どうしたってあの古のオープニングのイメージがちらつきそうな部分をキャッチーな新曲と映像で吹き飛ばそうという頑張りが見える。
 個人的な趣味趣向のせいであんまり男性ボーカルは扱ってなかった気がするのだが、今期は結構男性ボーカルでも気になるアーティストがおり、例えばめいちゃんの「ラナ」(エスタブライフ グレートエスケープ OP)。めいちゃんはその後もちょいちょい名前を見かけるけど、割と好みの音質。他にも伊東歌詞太郎は遭遇率が上がっており、個人的には「ひなたの国」(夜は猫といっしょ ED)が好き。直近で変なインパクトがあったのは「くらえ!テレパシー」(トモちゃんは女の子! OP)のマハラージャン。どういう音楽ジャンルなんだろう。
 多分動画配信サイトからの流れなのだろうが、MV風というか、画面に歌詞の文字を盛り込んだ演出が一気に増えたのが今年だった気がしており、代表的なところでは「堕天」(よふかしのうた OP)は気に入って毎回楽しみに見ていた映像。アニメのオープニングで、こうして曲中にブレイクを大胆に入れてくる構造って珍しいよね。他にも勢い任せで無駄に格好いい「Dance In The Game」(ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season OP)もそうだし、「」(モブサイコ100  OP)も文字の演出がよく効いている。歌い手のMVといえば「チクタクボーイ」(5億年ボタン【公式】 ED)のMVがとても好きです。
 無駄にインパクトの強かった部門をピックアップしていくと、知り合いから「長すぎていっつも気になるねん」という理不尽なツッコミを受けた「MYSTERIOUS」(後宮の烏 OP)。いや確かに長いけども。このねっちょり感が持ち味じゃないですか。年度初頭に話題を攫ったのは「チキチキバンバン」(パリピ孔明OP)。これも何度もリピートしたなぁ。4月時点で「もう、これグランプリで受賞できそうじゃね?」って思ってたくらいにはインパクトのでかい映像と音のコラボである。同じタイミングで並び立つインパクトを与えてくれたのは「恋はエクスプロージョン」(恋は世界征服のあとで OP)。歴史的にも模範的な田村ゆかりの使い方である。なお、かのゆるゆり事件以来、久しぶりに安元爆撃が行われた楽曲としても歴史に残せるのである。公式が安元すんな。そうそう、インパクトで言えばやっぱり「KICK BACK」(チェンソーマン OP)はあげておくべきでしょうね。エンディングも話題になることが多かったが、わたしゃ1回観た程度であんま印象が残らんかったな。あ、あとは当然「冥途の子守唄」(アキバ冥途戦争 ED)。頼むからサトリナ仕事選んで(いいぞもっとやれ)。
 映像の印象が強い部門も軽く触れておくと、やっぱり話題性で言えば「扉を開けてベルを鳴らそう」(ヤマノススメNext Summit ED)。このクオリティの1人作画で週替わりとか、マジで意味のわからんことやりすぎや。映像と歌唱の噛み合い方だと「どきどきアイデアをよろしく」(Do It Yourself OP)も飛ばせず毎週観ちゃってた映像だね。やっぱオープニングってこういうワイワイ系の賑やかが王道。
 あとは最後までエントリーを悩んだ最終候補部門で、まずはお約束の話題作から「花の塔」(リコリス・リコイル ED)。この曲、中毒性の高さがうまいこと説明できないのが不思議なんだよな。いい映像だよなぁ。中毒性が説明しやすいのは「恋愛脳」(Engage Kiss ED)かな。個人的にナナヲアカリは刺さりやすい体質です。刺さる音といえば「HOLLOW HUNGER」(オーバーロードⅣ OP)の野放図なメロディラインも狂おしいほどに好き。オバロの楽曲、今んとこハズレ無いんだよな。直近で変に刺さっちゃったのは「escalate」(NieR:Automata Ver1.1a OP)。まぁ、いつも通りのAimerさんと言えばそれまでだけども、やっぱり後を引く。
 万感の思いのこもる楽曲なら、「人なんだ」(うたわれるもの 二人の白皇 OP)に積み重なった歴史の重み。それに一番不安定で不定形なはずのアニメに「かたち」(メイドインアビス 烈日の黄金郷)というタイトルをつけちゃう残忍さ。かたちになってる。そしてもちろん「青春コンプレックス」(ぼっち・ざ・ろっく! OP)。すべての伝説はここに幕が開ける。エンディングも甲乙つけ難いが、私個人としては「Distortion!!」が一番好きですね。最初の1曲で印象に残ってるってのもあるけど、やっぱ僕は生まれながらにしてドラムを応援したい星の下に生まれたみたいです。ころころしたキャラの映像も初見が一番衝撃だったしね。

 ほんでまだ3曲あるんですわ。

 

 


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<キャラクター部門・女性キャラ>

 もう列挙するだけでも面倒なので正直1年分の総ざらえができてない気もしますが、端折り気味でも頑張りましょう、女性キャラクター部門でございます。

 結局この部門のリストは、「各々の作品のヒロイン勢で誰が1番好き?」みたいな話になりがちで、たとえばLiella!なら死ぬまで嵐千砂都(ラブライブ!ス―パースター!!)ちゃん推しだよ、とか、群雄割拠の異世界ヒロインだけど最終的にやっぱり藤宮さん(異世界おじさん)でよくない? とか、そういうことを延々書いていくだけになりがち。なんとか少しでも関連項目をまとめて書き上げられないもんだろうか。

 男性部門に倣って、まずは真っ当な主人公からリストアップしてみよう。何故か私は「傍で頑張ってる子の方が可愛くない?」みたいな傾向があり、たとえば「Engage Kiss」ではメインヒロインのキサラももちろん可愛いけど、不憫枠に傾きがちな一途な元カノのアヤノさん推しだったりします。「金装のヴェルメイユ」で圧倒的エロさのヴェルメイさんを差し置いて「エロ妄想幼馴染最高やろがい」ってんでリリアちゃんばかり見てしまうのは全く同じ現象ですよね。おかげで主人公がなかなか選びにくく、選ぶとなるとクセの強い連中ばかりが集まってくる。たとえば和平なごみ嬢(アキバ冥途戦争)なら流石に主人公でもエントリーさせざるを得ない。とんとことんで1人選べって言われたら、まぁなごみになるよね。他にも阿波連れいな(阿波連さんははかれない)も主人公の勝ちってことでいいかな。ここのカップルは2人して存在感があるわ。他にもクオン(うたわれるもの 二人の白皇)さん、まめだ(うちの師匠はしっぽがない)さん、柳寿雪(後宮の烏)さん、禍原デス美(恋は世界征服の後で)さん、棟梨ひより(ビルディバイド)ちゃん、エリアーナ・ベルンシュタイン(虫かぶり姫)様、etc. etc....。なんや、割と普通にメインヒロインが応援できてる作品も多かったわ。ちなみに「水星の魔女」みたいな作品だと「そりゃメインヒロイン推しでもあるが、他にも気になる子がいっぱい……」ってあわあわするので困る。でも流石にトータルでの一押しはスレッタ・マーキュリーさんってことでいいのかなぁ。多分、史上唯一「たぬきが2匹ヒロイン部門でエントリーした年」になる気がする。

 少しずつサブにずらしていくと、たとえば緒山みはりちゃん(お兄ちゃんはおしまい!)はキャリさんボイスをフル回転させつつ、「マッドなサイエンティストでしっかり者だけど最終的にお兄ちゃん溺愛」という救いようのなさが高得点だし、リコはん(まちカドまぞく 2丁目)はボイスの際立ちもありつつ、完璧な立ち位置で作品をぐるんぐるんかき回してくれた台風の目。今年度のヒロイン、タヌキとかキツネがやたら多いな?(そうでもねぇよ)。純正の可愛らしさなら他にもリリィ(万聖街)あたりも良いですし、変な声ばっかり並べたいならマルテースちゃん(エスタブライフ グレートエスケープ)とかプリマスちゃん(便利屋斎藤さん、異世界に行く)あたりもいい脇役だ。

 常に主人公サイドを盛り立ててくれるライバルキャラも愛着が湧きやすいポジションで、たとえば矢薙ソニアちゃん(ヒーラー・ガール)なんてのはツンなふりしてデレしかなかったりするし、クールキャラを気取って実は作中屈指のギャグメイカーである夜帷/フィオナさん(SPY×FAMILY)も強烈なキャラ。そして最後までトップ選出候補に残り続けた南雲杏奈(もういっぽん!)や、最終的にお前が主人公か!と思うほどのぷりん/須理出未来さん(Do It Yourself!!)もこの枠。悪口と見せかけた照れ隠しのやつら多すぎんよ〜。どうにも私はこの手のキャラが大好きすぎるようだな。南暁月さん(継母の連れ子が元カノだった)は……ちょっと違うかな? でもキャラの強烈さは同じかも。

 あと、なんか知らんけど歳をとると娘くらいの歳のロリっこに対する目線が変わってきてしまうようで、桜樹八重花ちゃん(組長娘と世話係)とか海坂ミリちゃん(Buddy Daddies)とか、雪平一果ちゃん(であいもん)とかを見てると、なんか泣きたくなる感情までが同居してくる。病気かもしれないので、YESロリーター、NOタッチの精神を大切にしていきたいですね。

 そういや今期は「クッソムカつく悪役部門」ってのがあんまりエントリーされていなかったのだけど、思い出してみるとたとえばラナー様(オーバーロードⅣ)なんて結構インパクトのでかい悪役(?)でしたよね。あの子、作中で一番幸せになっちゃいけないはずなのに幸せなのずるいよな? あと敵キャラっていうと……えっと、ヴィペールさん(BIRDIE WING)とか……。急にキャラの器のサイズが超圧縮されたな? あ、そうだ真っ当なバトルの敵キャラとして見応えがあったレディ・ナガン(僕のヒーローアカデミア)は良いですよ。悲運の敵将、あとCVが種さん。

 というわけで最後はベスト3……と行きたいところだが、最終選考まで残った他のキャラをここで一気に紹介。今年1年、ずっと可愛かった。分け合う美味しさを焼き付けるヒロイン、芙羽ここね/キュアスパイシー(デリシャスパーティプリキュア)だ! やっぱり僕はここねちゃん推しでした。視聴前はらんらんでカタいと思ってただけに意外。まぁ、やっぱり名前をあげとかないと消化不良だよね、錦木千束さん(リコリス・リコイル)だ! リコリコ、典型的な「嫌いじゃないけど突出したところがない作品」なので要素が拾いにくくて不憫。全ての悲しみを背負いきった英雄、ヴエコ(メイドインアビス 烈日の黄金郷)だ! ほんとに彼女の生き様は切なくて、優しくてねぇ……そりゃ泣くよ。しょうがないよ。萌えとかあざとさという概念を吹き飛ばした異次元存在、キャロル・オールストン嬢(トモちゃんは女の子!)だ! ほんと、何をどうやったらあんなド畜生な女の子をデザインすることができるんでしょうね。メインカップルがベタすぎるアニメのサブで出していいキャラじゃねぇだろ。毒の名を冠するからこそ、沁み渡れば命に関わる、トキシッコ・ダナー(不徳のギルド)だ! 不徳は各ヒロインが本当に鎬を削ったが、やはり最後に勝つのはトキシッコなんだよ、旦那。私の魂はリズム隊に縛られ続ける、伊地知虹夏ちゃん(ぼっち・ざ・ろっく!)だ! そう、私は喜多ちゃんよりも虹夏派。やっぱり苦労性のリーダーを応援したくなるし、虹夏には必殺の一撃「自販機前」があるので。ドラマー少女はみんな幸せになってほしいんだ。そして最後の最後までなんとかトップ3に捩じ込めないかと悩み続けたヒロイン、朝井アキラちゃん(よふかしのうた)だ! もう、世界一正しい花守ゆみりボイスの使い方なんですよ。こんな幼馴染がいるのに、コウくんったら吸血鬼に憧れやがる……。そっと隣に立っているだけの幼馴染ヒロインとしては史上最強。早く、朝が来ないかな。

 さぁ、残り3名!

 

 


第3位
‘10 「会長はメイド様!」より「鮎沢美咲」
‘11 「47都道府犬」より「愛知犬」
’12 「しろくまカフェ」より「笹子さん」
’13 「サムライフラメンコ」より「真野まり」
’14 「デンキ街の本屋さん」より「先生」
’15 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より「ヘスティア」
’16 「響け!ユーフォニアム2」より「吉川優子」
‘17 「ヘボット!」より「ナグリ・ドツーキ女王」
‘18 「SSSS.GRIDMAN」より「新条アカネ」
’19 「バビロン」より「曲世愛」
‘20 「メジャーセカンド2」より「沢弥生」
‘21 「不滅のあなたへ」より「ハヤセ」
’22 「シャインポスト」より「青天国春」

 「シャインポスト」からは絶対に誰か一人は上がってくるだろうという予感はありました。問題はそれがTINGSの誰になるか。個人的な好みで言うたら理王なんですよね。「持たざる者の悲哀」を描いたシナリオ上の立ち位置もバッチリ好みに合い、単体なら多分理王推し。ただ、異質なメンバーたちを飲み込むお嬢の存在感も強烈で、乗り越えた試練を思えば杏夏だってランキング入りしてもおかしくない人材。紅葉だけちょっと出番が足りなかったが、世界の全てを見ていた雪音だって、そこいらのアイドルアニメなら充分トップを取れるはずだ。

 しかし、残念ながら「シャインポスト」という作品自体が、青天国春というたった1体の怪物を中心に回っていたのは認めざるを得ない事実。単体で可愛いキャラ、好きなキャラはいるが、いちアニメファンとして、アニメの土台となり、そこから全てが始まったキャラクターの大きさを無視するわけにはいかないのだ。すべては青天国春のための物語。人類が、たった1人のアイドルに立ち向かうための物語。それが形成された時点で、春は神なのである。

 まぁ、アイドルアニメっつってこの構造が出来上がった時点でもう勝ちよね。完全に方法論としては少年漫画のそれなのに、TINGSの5人は最終的に立派な「アイドル」へと上り詰めている。倒さなければいけないラスボスをその内に秘め、「倒し、乗り越える」ことこそが最終的な融和を生み出す。そんなドロドロの坩堝を生み出した化け物をここで取り上げないわけにはいかないのだ。史上初の「怖くて見てらんない系アイドル」、刮目して見よ。

 


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○「推しの子」 7

 正直なところを話すと、来週以降のこの作品をあまり観たくないとまで思いました。ここから、1話目のインパクトを超えることは不可能じゃないかと、そう思えるくらいの1話目だったもんで。

 一応弁明しておくと、まずもって「1話目が1時間半」というとんでもねぇ形態は、正直他作品と比較できる域を超えてるので平等に評価のしようがないです。下手な劇場版よりも長い時間やってるわけで、そりゃ破壊力が増大する(可能性が高い)わけで。「尺が長い」という武器は、今作に限っては思いっきりプラスに振り切りました。そこんところは多少割り引いて考えないとフェアじゃないな、とは思うけど……ただ、初回で1時間半やって、こんだけの結果が出せる作品ってのはほとんど無いとは思いますが。

 原作未読。「かぐや様」の作者が原作、「クズの本懐」の横槍メンゴが作画、そして各種漫画賞などで話題になっていたこともあって気にはなっていたのだが、まぁほら、なんか軽そうな題材だな、と思っていたので積極的に触れることもなく、アニメ化が決定したあとは「ほなアニメでええかぁ」ってんで意識的に避けていた。そして、その回避のおかげでアニメ1話目が最大のフィードバックをもたらした。まさかこんな作品だとは思ってなかったんで。いや、「どんな作品か」ってのは1話目を見終わった後でも受け止めかねている部分はあるのだが。

 私のように初見で触れる視聴者もいることを考えると、この「初回1時間半」という業界を揺るがす大チャレンジは大きな意味があったと言えるだろう。おそらく最初の30分だけでも文句なく作品としては成立するだろうし、今回やったところを3話分割で放送してもそこそこの話題性はあったとは思うのだが、やはり3話まで見てもらうハードルってのは現代社会では相当に高いものだ。「1話目」にあたる内容ってのは、言うてしまえば「今死んだら推しの子に生まれ変われる」というネットミームを取り上げた一発ネタにしか見えないわけで、面白おかしくもあるが、ぶっちゃけ「キモい」。キモオタ根性に慣れてしまっている人間ならそこで視聴をストップする理由にはなるまいが、「ハイハイ、キモいオタクの妄想劇場ね。アイドルアニメでもあるだろうし、キモいだけだからパスパス」となってもおかしくはない。

 しかし、(私はこの後の展開がどうなるか知らんが)今作はそんな単発ネタだけで終わらせるような作品ではなかった。いや、作者が何を思って連載をスタートさせたかは分からんし、マジで思いつきで「推しの子に生まれ変わる」シチュエーションがやりたかっただけの可能性もあるが、あれよあれよと展開するストーリーはそんなネタの範疇から軽々と飛び出し、あまりに多方面に刺激をばら撒いている。90分の放送の中だけでも、永遠のアイドル・アイの物語があり、その娘として生まれ変わって生きる意味を与えられたルビーの物語があり、最終的には復讐鬼と化したアクアの物語がある(社長の奥さんの物語だってある)。マジで下手な劇場アニメなんかよりもミッチミチに激動のドラマが詰まっており、私なんぞラストで号泣してしまった。開始30分の「キモすぎるオタクの妄想スタート」から一気にここまで駆け抜ける90分。これはもう、戦略的大勝利であろう。まぁ、だからこそこの先を見るのが怖くもあるのだが……。

 これだけの大勝負に挑んで勝ちをもぎ取ったスタッフには賞賛の言葉以外出てこない。制作は最近振るわないイメージがついて回っていた動画工房。しかし、そんな動画工房が「わたてん」を作り上げた平牧大輔とがっちりタッグを組み、どでかい看板をぶち上げた。作画にかけたカロリーが凄まじいというのもあるが、1カット1カットの演出力でこの「キモくて壮絶な」作品世界を1つ1つ根付かせ、説得力を増大させる。個人的に打ちのめされたのは、最初にキービジュを見た時に「どないやねん」と思ったアイ一家の抱える目の中の星の扱い。どう足掻いても違和感の出る妙なデコレーションにしかなってないやろ、と思って見始めたのに、あの星を駆使した演出が実に多彩で、星を見せるだけであらゆる情報を伝えてやろうとしているかのようである。使える要素は全て表現のためのツールとして機能させ、90分という「盛りすぎの時間」をさらに濃密にさせる。これだけの内容を90分で回し切ったのは神業である。こんだけのことを1話目でやってくれたのだから、残りの話数も責任もってやってくれるってこと……だよねぇ!

 繰り返しになるが、もうここから先を観たくないという気持ちは来週まで怖々と抱え続けるだろう。何しろ原作は未完なわけで、どう足掻いてもこのアニメは満点の最終回を持ち得ない。それなら、To Be Continuedが一番綺麗(?)だったこの1話目だけでやめといたらいいんじゃないかと、「そういう劇場アニメだったのだ」と思えばいいんじゃないかと。チキンな私はそう思うのです。……そういうわけにもいかないんだろうけどね。覚悟を持って、今作スタッフがどこに辿り着くのかは見届けていきましょうね。みんな、がんばろ。

 最後に蛇足でしかない中の人の話。当たり前だけど、これだけの作品だとキャスティングも一分の隙もないわね。1話目のMVPが高橋李依だったことは議論の余地はなかろうが、ルビー役の子がド新人というのもびっくりである。こんだけ重要な役に引っ張り上げられたというのは、キャスティング側の期待の表れなんじゃなかろうか。まぁ、作中の言葉を借りれば「業界全体の投資」なのかもしれないけど。1話目の幼児期は、転生慣れ(???)してるゆーみんにうまいこと引っ張ってもらったし、今後の展開も楽しみである。あと渋くいい味出してたのは社長の嫁さん役のLynn。1話でこんだけ印象が変わる役どころを、あくまで主役連中を食わない範囲でのプランでしっかり盛り立てる。バイプレイヤー声優(?)の面目躍如である。

 

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○「ワールドダイスター」 6

 まーたアイドルアニメかと思ったらまさかの舞台役者アニメだった。まんま「大スター」とは思い切ったネーミングをつけてくれたもんだが……これまた狙ってるダサさだろうから面白いといえば面白い。ちなみにイントネーションは普通に「大スター」と同じようです。普通に考えたらこの字面だけだともっと英語チックな発音だと思うよな。カジキイエローの「フードマイスター!」と同じ。

 さて、舞台アニメといえば、そりゃもう高い高い壁が何層にもそびえ立っているのはご承知の通り。今作の舞台は東京・浅草だが、同じ東京下町で畳屋の爺さんに育てられた歌劇の少女が主人公のアニメは見事な作品だったし、下町といえばスカイツリーだが、ちょっと足を伸ばせば東京タワーをポジションゼロに叩き込んだ舞台少女が未だきらめきを発信し続けている。舞台役者をテーマにするということは、少なくともこの2本と比較されることを覚悟しなければならないということ。はっきり言って、「無理ゲー」である。しかしまぁ、先人たち(特に後者)が異常なだけで、後発組がそんな無茶に倣う必要はない。できる範囲でやれる「いいアニメ」はあるはず。正直評点をどうするかはギリギリまで悩んだが、1話目はそこかしこから「何か風穴を開けてやろう」という気概が感じ取れたので、期待をこめてこの点数で勝負だ。

 正直、1話目の引きはそこまでではない。「大演劇時代」というゴールドロジャーが何も置いてきてない感じの時代は引き笑いくらいしか出てこないが、思い返せばバンドリだって「大バンド時代」だし、もっとよく考えてみれば聖翔音楽学園があるあの世界だってレヴューにどの程度の意味があるのかはよくわかっていない。とにかく舞台が超大事な次元がここに生まれたのだから納得するしかない。そして、そんな憧れの舞台を目指す主人公の少女が何かしらのポテンシャルを秘めているのも、「主人公だから当たり前」と言われたら間違い無いので、これまたしばらくは様子見だ。なかなか「舞台で凄まじいものを見せつけるのだ」という事象をアニメで表現するのが大変で、1話目ではドイツ人少女と主人公の2人の舞台テクニックが披露されたわけだが、ことドイツ人の方はだいたいがオーディエンスの説明台詞で処理されてしまったため、画面を見ていて「こいつすげぇな」とはなかなか思えない。「舞台役者がすごい時代になったんだぞ」という世界観の説得力は今一つ。ここで何か炸裂するものがなければ、おそらくは有象無象のアイドルアニメなんかに飲まれて「フツーの作品」で終わってしまうことだろう。

 一応、「舞台演劇をやってる時だけは特別なんです」という説得力を増す方策として、演技中だけモーションの質が変わるという演出になっており、細かい技術は分からんがモーションキャプチャーなのか、それとも動画処理になにかエフェクトがかかっているのか、普段よりも「生身に近い」動きが見えるようになっている(八戸の駅で親友が動いた時もそうだった)。また、作画全般はちゃんとキャラを描き切ってやろうという頑張りも見えるし、この手のアニメでは必須条件となった「とにかくクドいくらいに描き込まれた目」のデザインもばっちりだ。あとはほんとに脚本と、文字通り「舞台の演出」次第。個性的な役者は色々出てくるようなので、その辺のキャラで賑やかさが出せればチャンスもあるんじゃなかろうか。

 そして、個人的にはたった1つ、主人公の親友ポジの青髪の今後の挙動が一番の注目ポイントだ。正直、この手の作品の主人公ってのは基本的に真っ直ぐキャラでブレないのでそこまで意外性はない(青天国春くらいまでいけば別だが)。となると脇でそんな怪物を支える「嫁」ポジションが非常に大事になってきて、愛城華恋には神楽ひかりが、そして渡辺さらさには奈良田愛がいたのだ。そして今作でも、どうやら鍵を握りそうななんとも気になるお友達。しかも主人公が石見舞菜香なのに対し、青髪は長谷川育美。もう、ぶつける気満々の配置だろう(エンディングの映像とかでも明らかだけども)。果たして、ひかりになるのか、愛になるのか、はたまためぐっちゃんになるのか。関係性を、関係性を見せてくれ!

 ちなみにこちらの舞台にも佐々木李子がおり、当然のように森なな子もいる。こんなもん、実写版の舞台やるしかないやんけ。

 

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○「THE MARGINAL SERVICE」 5

 宮野が胡散臭いミキシンに引きずり込まれた秘密基地で、杉田・中村・下野が待ち構えてたらそりゃ笑っちまうだろ。いきなり中の人の話で恐縮だが、こればかりはしょうがない。狙いすぎだ。マフィア梶田がいないことが奇跡に思えるくらいだ。

 クソダサオリジナルアニメ。よりにもよって「タイバニ2」と同じタイミングでこれが地上波放送されることになってしまったのは因果を感じてしまうが、「タイバニ」の時点ですげぇ世俗に塗れてて胡散臭いってのに、その雰囲気をさらに何倍も胡散臭く、チープにしたようなコンセプトの作品である。ちょっとイカした路線を狙っていた「HIGH CARD」が終わってこれが始まったことで、なんとなく「春だなぁ」という気持ちになったり、ならなかったり。「クソダサアニメ」は春の季語。

 ただ、ダサいだのチープだのと散々な言葉を並べてみたが、ひょっとしたらこのダサさは悪いダサさじゃないかもしれないという若干の期待を持っている。だって、どう見ても「格好いいものを作ろうと思ったのに壊滅的なセンスでダサくなった」やつじゃぁないでしょ。いくらなんでもこのデザイン性は「あえてダサいものを作ろうと狙ってダサさに振り切った見せ方をしたい」という制作意図を感じる。変身(?)後の衣装もそうだし、虎の子のロケットランチャーの様子や、怪人変身後のフォルム、あとは全体的な作画の調子なんかも、あえて一時代前のレトロというか時代遅れというか、そういう空気を狙って作っているはずだ。ニュアンスはだいぶ違うが、かつて昭和特撮もののオマージュを狙った「コンクリートレボルティオ」があったが、あそこまでデザインを振り切らず、「普通のアニメに見えないこともない」ギリギリのラインでダサレトロを攻めている。そんな印象の作品。

 まぁ、勝手にこちらが期待しているだけで本当にショボいだけなのかもしれないが、マジでそうだったら本当にこの世に生まれてきた意味が分からない作品になってしまうので、今後、この独自の空気を活かす方向性で際立っていくことを期待しようじゃないか。……逆にマジでなんもなかった場合の衝撃の方がでかくて面白い可能性すらあるが……。ちなみに宮野・森川・ミキシン・杉田・中村・下野というやりすぎキャスティングの中の紅一点を任されたのが名塚佳織である。かもさんならこれくらいの現場はまるっと飲み込めるという信頼感がある。杉田の2、3匹くらいなら素手で勝てるだろう(どちらへの信頼なのかは謎)。

 

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