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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「呪術廻戦 懐玉・玉折」 ―

 虎杖たちどこ行った? ……「無職転生」に続いて、「2期が始まったと思ったらいきなり知らんところに放り出されて困惑する」系のスタートになった、待望の第2シーズンである。

 呪術については確か1期もそれなりに評価できるものだったし、原作を全然知らなかったので「じゃぁもうこのままアニメで全部観させてもらおう」と思った作品。当然1期以降に積極的に触れることはなかったので、テレビシリーズだけで考えれば2年ぶり、間の劇場版を加味しても1年以上のブランクが空いたのでちょっと途方に暮れた。でもまぁ、こちらはちゃんと五条・夏油という連絡役がはっきりしてるし、CM明けに「あぁ、過去編なんだ」ということが理解できたので割と早いうちから視聴体制は是正できた(OPに虎杖たちが1回も登場しなかったところで察した)。

 実情が分かればあとはもうめくるめく呪術の世界。なんの兼ね合いなのか、あれだけの結果を残した監督がすげ変わってしまっているなどのハプニングはあるようだが、がっつり予算と手間をかけた看板商品クオリティは相変わらずだし、1期でどういう演出方向が噛み合うのかの確信が得られたおかげもあるのだろうか、1話目から遠慮なくぶっ放して本当にやりたい放題見せてくれている。冒頭の廃屋敷のどうしようもない惨状とかそこからのホラーのノリで展開されていくシーン構成とか、本当にどれだけの人員が割かれているのか想像もできないほどのリソース量。そして、今作の場合はちゃんとそのリソース量は「描くべき情報」に見合ってるってんだから始末に悪い。このカロリーを少なくとも1クールは絶対に維持するってんだから……とんでもねぇ話だな。

 ちなみに下世話な話だが、こちらの夏油さん役櫻井は当然続投。まぁ、闇落ちした悪役ならなんの問題もない……ってわけでもなかろうが、やっぱメインの2人あってこその作品よねぇ。過去編ってことで色んなキャストが「年季の入った若者」役で登場するのも見どころで、冒頭の三石&日笠っていう不思議なタッグの雰囲気がなんか好き。

 

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○「私の幸せな結婚」 6

 もう真っ先にお断りしておきますが、点数は中の人補正を含みます。こんなマリアージュが拝めようとは……。

 中の人の話はラストに回すとして、とりあえず作品のお話から。一応括りとしては「なろうアニメ」に分類されるそうで、今期はこれに「夢見る男子〜」も加えると、異世界ファンタジー外のなろう作品が2作品同時放送ということになる。なるほど流石になろう陣営もアニメの限界には気づいたのか(だいぶ遅くない?)、ようやく違うジャンルでの展開も現実レベルで行えるようになってきた。とはいえ、やはり骨子になろうイズムは流れているであろうことは容易に想像できる部分で、今作は「こんなに分かりやすくていいものか」と不安になるくらいにシンデレラストーリー。通常ならなんらかの成功譚のことを「シンデレラストーリー」と例えるものだが、今作の場合はまんま「シンデレラのストーリー」である。舞台は近代日本にこそなっているものの、継母からはいじめられ、意地悪な姉(今作では妹)にもいじめられ、文字通りの「灰被り」がメソメソしているところに訪れる、なんの脈絡もない突然の縁談。ガラスの靴もかぼちゃの馬車もないけれど、あとは運命の出会いを果たした王子様とのサクセスストーリーへ、いってらっしゃいシンデレラ。

 こんだけ分かりやすく、目新しさのかけらもないお話だというのに、このアニメはそこに恥じ入る様子もなく、なんたる堂々とした展開だろうか。制作はキネマシトラス。監督は「スタァライト」で5話(あのまひる回)を担当した人で、アニメの指揮を取るのはこれが初だが「ID:INVADED」では副監督を担当しているという。キネマシトラスのなんか良さげなところ。1話目の抜け抜けとした図太さはそのままでも視聴者から文句も出まいという安定した映像クオリティに裏打ちされたもので、ただ粛々と進行するシンデレラの物語が、「まぁ、こういう大正ロマン風の世界って綺麗に描くとやっぱりいいわねぇ」くらいの感覚で流れていく。ことさらにヒロインの悲劇風味を押し付けるでもなく、逆NTRみたいな妙な男の配置にも特に煽り立てず、本当に、三つ指ついて男の影を踏まずに歩く大正乙女の奥ゆかしさでもって、じっとりとした空気を歩く。そうして出会ったスパダリは、ことさらに春の陽光のようである。

 正直、画面の美麗さを除いてしまえば本当になんの変哲もない1話目なので点数の上がりようもないのだが、同じなろう文脈から「何かぶり姫やねん」と突っ込まざるを得ない引っ込み思案なうえしゃまボイスがただただ至福の時を演出する。奥ゆかしき大和撫子上田麗奈ボイスは、これがどれくらいの時間流されるかで国民幸福指数が測られる基準になっているくらいのもので、ただそこに上田ボイスがあるということに可愛い女の子の映像が流れてりゃ、そりゃ満足度は高くなるだろう。またここに意地悪な妹役の佐倉さんがいいアクセントを加えてくれていて、的確にムカつく声質の刺々しさがヒロインとの見事な対比を演出する。2人していい声のはずなのに、その声が正反対の意味を乗せて互いを高め合う関係は極上のユニゾンである。

 もう、上田・佐倉の共演だけでも満足しておこうと思っていたのだが、そこに更なる奇跡が舞い降りた。物語終盤、ヒロインうえしゃまがたどり着いた田舎の一軒家。そこでヒロインを出迎えた家政婦のおばちゃん……この声を聞き間違えることがあるだろうか! 我が始源の声、桑島法子ではないか。そう、これこそまさに念願の「綺麗な声」と「綺麗な声」の出会い。ここ最近桑島法子は(地元岩手のPRに熱心すぎるせいか)アニメの仕事が減っており、なかなか聞く機会がなかった。そして上田麗奈との共演となると、本当にこれまで記憶に残る作品がなかったのだが、ようやくここで実現した。もう、そのことだけで私の中では惑星直列グランドクロスなのですよ。この土地をヴァルハラとしよう。

 分からねぇかな、このレベルの話はよ……。まぁ、伝わる人にだけ受け取ってもらえればいいです。視聴継続決定です。できることなら、声のクオリティ・作画のクオリティに負けないような素敵な物語になってほしいと思います。

 

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「機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2」 ―→6

 祝・俺氏、人生でほぼ初めてガンダム作品を最初から最後まで切れずに観終える!!!

 ……いや、過去にもちゃんとたくさんありますよ。最後まで見るだけ見たガンダムは。人生初のリアタイはSEEDから始まって、その後の00だってAGEだってGレコだってオルフェンズだって、形の上では最後まで観てるのは事実。でも、だいたいの作品は途中で「なんか切れたわ……」ってプツリと集中力が途絶えたのを感じていた。一番惜しかったのは鉄血で、あれも2期でグダるまではいい具合に見られたと思うのだが……。あ、ビルドシリーズは外して考えてます。ビルドなら1期は文句なく最後まではまりこんでいたので。

 さておき、こうして無事にエンディングまで見届けられたのはひとえに「女の子可愛いガンダム」だったからというのは素直に認めよう。そりゃそうよ。他のアニメだって女の子が主人公で女の子とイチャイチャしてる方が俄然モチベは上がるんだから、ガンダムだってその条件は変わらない。これまでに存在しなかった女の子イチャイチャガンダムという新機軸だったからこそ、僕の脳にも毎週優しく接してくれていたのは否定してもしょうがない。僕は女の子イチャイチャガンダムが好きでした。

 他の新機軸については……そこまで大きな影響はないかな? 「学園ガンダム」っていう設定も導入の見やすさはプラス要素だったけど、最終的に世界の大きさを表示するためにはなんか余計な足枷になってた気もするし。これでスレッタとミオリネが普通にどこぞの軍の兵士っていう設定で始まってたらモチベが下がったかどうかは微妙なところ。でも、結局わたしゃ「壮大な戦記もの」っていうのを見るのに慣れてないだけなのかもしれませんね。振り返れば「アルスラーン戦記」にしろ「銀英伝」にしろ、なんか途中で方向を見失って視聴モチベが下がる現象は常に観測されてるし……あれ、でも「うたわれるもの」は平気だったな。ん〜〜、「何故私はガンダムが苦手なのか」問題については、今後も要検討ということで。1期ラストに比べてやや穏当な評価に落ち着いたのは、もしかしたらどこかでやっぱり「戦記ものの大きさ」への疑問が残ったからかしら。

 ガンダムなので画面のクオリティなどが維持されているという前提条件は有り難く、あとはそこでちゃんと学園ドラマが掘り下げられることが肝要。戦記ものが苦手な理由の1つとして(考えら得るのは)キャラが多すぎて視点が散ってしまうことが挙げられるが、今作は確かにキャラの数こそめちゃめちゃ多くはなったが、たとえばシャディクガールズの1人1人とかは別に覚える必要もなかったし、なんなら地球寮メンバーすら全員の顔と名前を一致させる必要もない。ただひたすらにスレッタとミオリネにだけ視線を向け続け、彼女らの周りに近寄ってきたキャラにだけ改めて注意を向ければそれでお話が成立したのだ。もしかしたら他のガンダムだってそうやって見続けていれば話を追えたのかもしれないが……あとはどれくらいその「焦点」に目を向ける気力を維持できるかですよね。そういう意味で、ほら、やっぱり可愛い女の子は大事なわけさ。

 今作を曲がりなりにも綺麗に収めたことで脚本家・大河内一楼は改めて評価されることになるだろう。個人的にはギアスしかりヴァルヴレイヴしかり、ある程度の評価はしてたつもりだったけど、こういう虚飾混じりでの派手さの演出の上手い人だよな、という評価が上がったかも。そしてなんといっても監督の小林寛氏であろう。以前から注目していた人だったが、まさかガンダムで結果を残すことになるとは思ってもみなかった……おかげで無駄にネームバリューが上がっちゃって当人からしたら余計なプレッシャーかもしれないが、また「ひそねとまそたん」みたいな無茶苦茶な作品でそのクリエイティビティを発揮してほしいですね。

 

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○「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」 5

 4なろう目。タイトルで全部言ってしまう毎度のスタイルから「まぁ、出オチなんだろうな……」とは思いつつ、たった1つのアイディアだけでとりあえず書いてみるというその姿勢、悪くない意味でのなろうスピリッツではあるんだよね。そういう部分を無碍にしてしまうのは流石に申し訳ない。

 ヘンテコ転生ものという、もうお馴染みになったジャンルではあるが、これまたなかなか攻めた設定。アニメ化された範囲内で近いニュアンスを持つのは「転生したら剣でした」ということになりそうだが、あちらはわざわざ剣に転生させたってのに1話目時点でさっさと自由に移動する権利を手にしてしまったり、「もう出オチですらないやんけ」というガッカリ感が強かった(まぁ、その後は使い手の少女に魅力を全振りするという強引な手段でなんとか成立させていたが)。今作については、自販機はマジで自販機だった。そりゃま、異世界転生なので色々とご都合主義的な部分はあるが、「それはずるいだろ」と感じたのはせいぜい「結界」の能力くらいだろうか。一応あれも消費MPがクソでかいという制限がついており、そこまで極端なチートを感じさせない部分はそこまでマイナス評価ではない。あとは「自販機」という特性をどこまでフル活用できるかで今後の評価は変わってくる。

 「自販機マニアが自販機と一緒に死んでしまったから自販機に転生した」という設定こそ無茶苦茶だが、別にそこまでのゴリゴリの設定などなくとも、現代日本に生活している者ならば、自販機での買い物は常に日常にあるものだし、「自販機でものを買うこと」に意味を見出すことはさほど難しくない。私も別にマニアでもなんでもないし、なんなら自販機なんて高いので無闇に買い物しようとも思わないが、例えばみたことない商品が並んでいるのをみた時の不思議なワクワク感とか、落ちてきた商品を初めて手にしてみる時の一期一会な感じなんかは、実は案外根源的に楽しさを感じている部分なんじゃないかという気がする。そうして「自販機の良さ」みたいなものが前面に押し出されるようなら、案外面白い目の付け所なのかもしれない。まぁ、1話目でもうおでん缶まで行ってしまってるし、ここから1クール分も自販機ネタで引っ張れるほどのストックがあるとはとても思えないが……。とりあえず、出オチ部分は成立していたと思う。

 あとはまぁ、ヘンテコ方言を使う本渡ヒロインが可愛かったことがややプラスくらいかな。このままずっとヒロインに背負われて移動し続ける主人公でいてくれるなら、不思議な関係性も興味の対象たりえるかもしれない。ほら、この設定なら絶対に「複数のヒロインをはべらせてハーレム」みたいななろうの嫌な展開にはならないわけだし……まぁ、彼女がいつまでこの自販機の所有権を主張できるかも分からんが。

 

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○「夢見る男子は現実主義者」 4

 いや、そんなこと言われても……というどうにも気になるタイトルの作品。なんとこちらもなろう出身とのことで、なろう発で異世界も転生も何もかも関係ない作品は「お隣の天使様」に続いて2作目となる。いや、もっとずっと前にもあったかもしれんが。

 ぶっちゃけ、ステータスオープンやアイテムボックスや魔力鑑定のないなろうは私の思う「なろう味」が無いので本当にどこから食べたらいいのか悩んでしまうのだが、今作は特にそうした困惑の度合いが大きい。「お隣の天使様」の場合は「あぁ、これは単にメインヒロインにずるずると引き摺り込まれるだけの作品なのだな」ということがタイトルや1話目のデザイン時点で(良くも悪くも)明快だったのであまり悩まずにすんだが、こちらの作品はタイトルが矛盾文だし、1話目の導入から何をテーマにしてどういう筋立てを展開したい作品かも判断がつかない。極端な話、冒頭のサッカーボール謎演出のところから異世界に飛ばされるのかと身構えてしまったし、あそこで何か異能的なものが主人公に芽生えた可能性も若干まだ疑っている。それくらいに、どうにもとりとめがない。

 まぁ、おそらくこのまま主人公カップル(未成立)を中心とした恋愛模様が紡がれていくことになると思うのだが……なんなんだろうね、この設定。「これまで押して押して押しまくっていた主人公が、ある日を堺にぴたりと押すのをやめた」というとっかかりのシチュエーションは面白い。そこでヒロインの方が押し相撲の原理で思いっきりつんのめってこちら側に転げてきちゃうという展開も、まぁ分からないではない(めんどくせぇ女だとは思うが)。しかし、この設定を成立させる上で一番重要な、「なぜこの主人公は突然気が変わったのか」の部分にまだ何も説明がなく、そこがすっきりしないことには今のシチュエーションは飲み込めない。いや、本当に単なる気まぐれという可能性もあるのだが……主人公が「ヒロインに気にされる権利」を有しているのは、それまでのプッシュが常人離れした熱量を持っていたからというただ1点が理由。それが急に止まるということはアイデンティティの否定であり、やはりなんらかの理由がなければ今後の押し引きを素直に飲み込むことができないんじゃなかろうか。説明されるのか、本当に「気まぐれ」なのか。その辺りのネタ回し次第で今後のシナリオ評価が変わってきそうだ。

 映像は平坦なデザインで、可もなく不可もなく、やや不可寄り。これは好みの問題だろうが、どうにもキャラデザが野暮ったくてヒロイン勢の魅力に欠ける気はする。「お隣の天使様」は途中から作画が壊滅して評価を落としたが、こちらはどうなるだろうか。

 

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○「フェ〜レンザイ 神さまの日常」 6

 最近はコンスタントに入ってくるようになった中国からの輸入アニメ。前クールは視聴しきった作品がなかったので「Call Star」以来の新作ということになる。いや、「Re:STARS」っていうアニメはあったんだけどさ、実は途中で録画を立て続けにミスっちゃったことを理由に視聴をやめてしまったのよね。まぁ、ショボ作画の字幕作品とハードルがクソ高かったから遅かれ早かれ切ってたとは思うが……。

 今作は作画部分にはいささかの心配もない。むしろやる気を出した「中国の本気」側のアニメ。そして描かれるのは「万聖街」と似たような異形の者たちによるショートギャグである。これがまた……いい具合。なんでだろ、中華アニメ、こうして短めのネタ作品をバシバシ切り出された方が私は肌に合うな。今のところこのジャンルでハズレが無い。

 今作は「万聖街」よりもさらに細切れ、短ければ数秒程度、長くても1〜2分くらいのネタをアイキャッチを多数挟みながらテンポよく展開していく形で構成されており、1つ2つ分からないネタがあったとしても気にせずサクサク進めるのが最大の魅力。「万聖街」も軽くつまめる良さはあったが、あれよりもさらに勢い重視で、の流れで見せる傾向の強い作品。非常に興味深いのは、「万聖街」(および羅小黒戦記)は本当に「かわいい」キャラデザが徹底していて、マスコットのようなデフォルメになった時の愛くるしさについては間違いなくJapanese kawaii”をベースにおいたキャラデザになっていたと思うのだが、こちらの作品の場合、デフォのキャラデザはそこまで「かわいい」に全振りしたものになっておらず、どちらかというとユルかったり、キモかったり、中国が好んで作る(?)クリーチャー系のデザインに寄っていること。しかし、それでも主人公(?)のキュウゲツのもふモードは文句なしで可愛かったり、要所での萌えポイントは的確におさえてあるし、一見するとちょいキモいキャラでも、動きやカット割のテンポの良さで小気味よく見せることで愛嬌を発揮させている。この「気持ちよく見えるモーション」の妙は「万聖街」でも感じ取れた中国アニメの強さなのだが、そこにより焦点を絞って見せにきている感じ。この感覚、日本のアニメで発揮しているものは少ないんじゃなかろうか。

 これまでなかなか落ち着いてみられなかった「中国アニメにおける中国の日常風景」を見る良いチャンスにもなっており、冒頭、キュウゲツが乗ってる地下鉄のシーンとかみたら、やっぱり日本と中国の都市部の風景ってかなり似通ってる部分が多い。でも、端々でやっぱり違うと感じる部分も散見されて、そのあたりから異文化学習も捗りそう。一応「日本語版」ではあるが作中の文字情報などは変換されていない部分などもあり、その辺から強引に中国語学習に結びつけるのもありかもしれない。過去には知らん中国語情報が出てくると身構えてしまう部分もあったのだが、今作はその辺が全然気にならずに「ちゃんと中国が舞台になってるんだぁ」とかえって安心する感覚はなんなんだろう。九尾の狐とか龍とか玉兎とか、「そうだよな、こいつらのオリジンってお隣の国なんだよな」っていうリスペクトがそう感じさせるのかもしれません。ありがとう大陸文化。

 なお、たまちゃんのデザインに関しては初登場後からず〜〜〜〜〜〜〜っっっと「誰かにクリソツなんだが……誰だっけ……」って悩んでたんだが、ようやく思い出せた。ナッシェタニアや(もっと他にありそう)。

 

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○「好きな子がめがねを忘れた」 4

 突然のGoHands!!!!! 1つ前の「AYAKA」の感想でGoHandsの名前を出したのはまじで偶然。こんなところでぶつかるなんてつゆ知らず。

 相変わらず独自カラーを隠す気など1ミリも感じられないゴリゴリのGohandsテイスト。そのあまりにも細かく幾何学的な描画はチカチカと目に痛く、見る者を拒絶しているかのような病的なまでの解像度である。Gohands作品についての文句というか、問題意識は過去に「ハンドシェイカー」やら何やらを展開した時に何度か触れている。細かい描写力というのはアニメスタジオにとっては当然大きな武器になり、実際に「K」の時には他の追随を許さぬド迫力のバトルエフェクトなどに惚れ込んだものであるが、どうにもそこからの独自進化の方向が若干間違え気味なんじゃないかというのが肌感である。画を描いていれば「もっと細かく、もっと繊細に」という欲求が湧き、消費者側もそれを求める向きがあるのは疑いようのないところだが、アニメーションというのはあくまでも捨象の美学、捨象のコンテンツである。あれもこれもと盛り込み続けては、どこかで人間の認知の限界に至る。普通に手描きを続けている時代ならばその域に到達するまでには相当な労力を要したであろうが、世はまさに大AI時代。CG処理の迅速化によって、もはや人間に処理しきれないほどの情報を画面に載せることも簡単に出来るようになってしまった。

 もちろん、可能であっても「それをしない」を選択すれば済むこと。もしくは、盛り込んだ情報が最大限に魅力に映るように作品をコーディネートするという方法もある。アメリカのアニメスタジオは後者の選択肢も貪欲に追求する姿勢が強く、彼らは主にディティールを追いやすい大画面の劇場アニメで勝負するスタイル。特定の時間を拘束し、短時間で勝負を決める劇場アニメは集中力を持続させやすいというメリットもある。

 しかし、日本のアニメはまだまだそうした方向に特化させる土壌にはない。小さなテレビ画面(モニタ)で見る映像、視聴者は自ら進んで30分という時間で「どんな情報が出てくるのか」と受け身で視聴を行う。そうなると、この情報量は未だに過剰である。そして、この過剰な情報を、今作が必要としているようにはあまり思えない。確認したところ、そのユルいタイトルからもわかる通りに原作はふつーのラブコメ漫画。私なんかはこの画面でアニメが始まってしまったせいで、「いや、待てよ。普通に考えてここまでド近眼のヒロインがメガネを忘れるわけないよな。だとすれば、忘れたというのは嘘で、この後何か封印された力を持つ眼を駆使したバトル展開でも始まるのではないか?」というとんでもない邪推までしてしまった。だって、そういう筋じゃないとこんな画をつける必要がないから。ほんとに、描きたいものと描かれるもののギャップがでかいというのが第一印象。

 ただ、そうして「ユルいラブコメならもうちょいユルい画でもええやろ」というのは単なる先入観でしかないのも事実。実際、ちょっと前には「ユルい青春グラフィティ」を異常とも言える繊細な描き込みで輝かせた「明日ちゃんのセーラー服」というとんでもねぇ先例が誕生している。今作も、もしかしたらあそこまでの明度・彩度・解像度でもって青春グラフィティを描き切る覚悟があっての第一歩を踏み出したのかもしれない。……とてもそうは見えなかったけども。

 身の丈にあった映像表現ってのはあくまで後付けの表現であって、結果的に「この物語は面白かったなぁ」と思えるなら、その時についていた画が最良になるのだ。本作も終わってみたら何かしらのブレイクスルーが得られるのかもしれません。ただ、あんまり期待はしないよ。

 

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○「AYAKA -あやか-」 5

 タイトルの感じからミニスカでぱつんぱつんのおねーさんのスパイアクションアニメを想像していたのに(それは「AIKa」だ。誰が分かんねんそんなん)、全然関係ない野郎ばっかの作品が飛び出してきた。これだから予習ゼロのアニメ履修はやめられねぇぜ(やめた方がいいのに)。

 というわけでよく分かんない出自の作品。どうやらアニメオリジナル作品のようだが、これと言った掴みどころがなく「イメージとしては鳴かず飛ばずで終わった『忍びの一時』が一番近いが……」とか思いながら見ていたが、最後のクレジットを見たら原作にはGoRAが絡んでいるらしい。これまた知らん人の方が多いと思うのでフォローしておくと、GoRAって元々アニメ「K」の制作のために集まった製作者集団で、その内実はそこそこ有名な作家の集まりだったはず。GoRAが原作、そしてangelaによるオープニング。つまりは「K」の再来である。ただしスタジオはGoHandsではなくてスタジオブランというポッと出の新しいところで、最近だと私は切ってしまった「最強陰陽師の異世界転生記」を作っていたとか。なんで2作品連続で陰陽っぽい話になってるかは知らん。

 というわけで分からないことの多い作品ではあるが、導入はまぁ、異能力バトルに巻き込まれていく少年というジャンプ漫画の1話目テンプレ。すでに「父親がその能力の強者だった」ことも語られており、血筋補正で主人公がここから頭角を表していくことは約束されている。敵対組織などは特に明かされておらず、今後この能力で人類に仇なす荒御魂を調伏する物語になるのか、それとも闇の陰陽集団との対決になるのかは分からない。でもまぁ、すでに色々と伏線は貼られているので、少なくともこのまま農業に勤しむスローライフアニメにはならないだろう。オリジナルアニメのいいところはどう足掻いても先が分からないことなので、よく分からんことはむしろプラスと捉えて、今度こそ「忍びの一時」で溜まったフラストレーションを解消できるような作品になって欲しいとは思う。映像部分については可もなく不可もなくだけど、このままの品質が維持されるなら大きな失点はなさそうだしね。

 ちなみに本当にどうでもいい情報として、「あやか」という名前の読みの声優は結構多い。以前、Twitter上で謎のあやか軍団の接触が行われていることがあったが、あなたは何人ぐらい名前を挙げられるだろうか?

 

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○「おかしな転生」 4

 村瀬歩、今期早くも2度目の転生を果たす。現時点で新作2なろう目で2村瀬。村瀬率100%である。こういう被りってあるよね。

 というわけで特にひねりもなく第2なろう。いや、一応タイトルでもわかる通りに「お菓子」をテーマに設定しているところはオリジナル要素とも言えるだろうか。こうして改めて作品を並べてみると、原初にして「本好きの下剋上」の設定ってすでに出来上がっていたんだな、というのがよくわかる。「転生後も熱意でもって元いた世界の事象を再現し、夢を叶えようとする」転生者については、およそマインがやっていたことで答えが出てしまっている気がする。それが本だろうがお菓子だろうが、結局後追いに他ならない。もちろん、テンプレができたからとてそれを追いかけるのは悪ではないが、そこにちゃんとフォーマットを踏襲するだけの礼節と、それを打ち破るだけのクリエイティビティが見せられてこそである。

 そういう意味では、今作はきちんと設定をなぞる礼節は持ち合わせているように見える。1話時点では結局お菓子作りまで至らなかったが、最低限世界を描写しようとはしていたし、好き放題に作りたいものが作れる現代日本と違い、ナーロッパの文化レベルではお菓子作りも大変だネ! という段階の描写が一通り終わった。ここから転生者の強みを出していく際に、単なる知識マウントで終わらないだけのドラマ作りができればそこから面白さを生み出すことは可能なはずだ。これが万一、知識マウントすら取らずにすべて「超強力な魔力によって云々」とか言い出したらもう末期である。その匂いも若干漂っているので怖くはある。

 そして、いつものことながら「異世界」をどれくらい責任を持って描こうとしているかという姿勢については、1話目から懐疑的。私は毎度ピリピリしてしまう「異世界言語概念気にしちゃうおじさん」なので、この世界のものの名前の概念がどうにも整合性が取れていないことにイライラする。「小麦」「大麦」などの概念が同じ名前で呼ばれているのはいい。もしかしたら別な音素で呼ばれている現地語があるかもしれないが、そこはアニメスタッフが「視聴者のことを配慮して」わかりやすい名前に翻訳しているだけだと思えばいいからだ。しかし、それだとしたら「りんご」は「りんご」であるべきだ。そこだけ名前が異なることについて、納得のいく理由が提示できないのであれば、やはり異世界エアプの誹りは免れない(エアプじゃない人間って誰だよ、という疑問は置いといて)。そういう細かいところの積み重ねで、なろう作品は今日も信頼を失っていくのである。

 幸か不幸か、1話目時点で映像部分に大きな崩れはない。制作がSynergySPということで、順番で言えば「カワイスギクライシス」の次の作品ということになる。まぁ、別にカワイスギも映像部分が飛び抜けていいなんてことはなかったが……せめて見ていて気にならないくらいのクオリティを維持してくれればいいのだが。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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