最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
名勝負数え歌、第12話。すげぇよ、主人公チームが3タテくらった展開だってのに、その1つ1つの試合の意味づけが明確だから捨て試合が1個もないし、悔しさの中にこれ以上ない意義深さがある。 やはり立川は強かった。というか先鋒の小田桐が強かった。2回戦の勢いそのままの未知はあわやジャイアントキリングなるかと思われたが、冷静に切り替えた小田桐によってウェイト差もそのまま響く寝技勝負に持ち込まれて惜敗。最後の最後まで負けるのが嫌で暴れまくった未知だったが、関節を完全に極められ、これ以上抗ったら折れてしまうかも、というところで早苗のストップが入る。放っておいたら未知が無茶をすることがわかっているからこその、キャプテンの苦渋の叫び。そして、その魂の声援が届いたからこそのタップ。まだまだ未知には足りないものが多すぎる。それを学んだだけでも大きな1敗だった。 そして、今週の4つの試合の中で私が一番感じ入ってしまったのは次鋒戦、キャプテン・早苗の奮闘。いや、奮闘すら許されない電光石火の決着。結果だけを見れば噛ませ犬にもなれなかった情けない戦績ではあるが、そこに至るまでの短いシーンでの早苗の昂りが痛いほどに伝わってくる。目の前で未知があれだけのものを見せてくれたのだ。次を任された自分が結果を残さねば合わせる顔がない。そんな状況下で自分が出来る最善を模索し、なんとか強者相手に食らいつこうとした早苗の意地。しかし勝負の世界というのはあまりにも残酷で、そんな彼女の一大決心をものの数秒で打ち砕いてしまう。これがスポーツの世界。これが勝負の世界だ。今大会における早苗の戦績は振るわない。それが、今の彼女の実力なのだ。あまりに悔しい一本負けにもらい泣きも禁じ得ないが、こんな今があるからこそ、未来が楽しみでもある。1年後、2年後、早苗がどんな姿を見せてくれるのか。そんな未来に期待が持てる、堂々たる戦いだった。 そしてそんな早苗の悔しさを背負った姫野先輩の試合も、これまた涙を誘う。1人だけ立場が違う「先輩」の戦い。その陰には短い時間で出来ることを全てやろうという精一杯の努力があり、可愛い後輩たちを背負う重積がある。相手の小田桐は1年生。ブランクがあるとはいえ、そこを埋め合わせる経験と、味方の後押しが姫野にはある。出し惜しみせぬ一気呵成の攻め手はギリギリまで小田桐を追い詰めるが、しかし、それでも届かぬ最後の1手。無常すぎる裁定でもって、青葉西は結果的には3連敗を喫してしまった。ここで余計な手心を加えず、「この実力であればこうなる」という結果を叩きつけてくれるのは、スポ根作品としてとても真っ当で好感の持てる展開だ。 もちろん、そうした厳しさはエースたる永遠に向けても変わらない。最後に控えしエースだからって楽には勝たせてもらえない。小田桐の苛烈な攻めは永遠に対しても容赦はなく、一進一退の攻防の中、わずかな油断からも負けかねない展開。しかし、流石に永遠は強かった。相手のゴールデンルーキーの意地をひっくり返し、見事「2度目」の勝ちを手に入れた。そして溢れ出すあの笑顔だ。うーむ、これで余計な敵対心を持たせたのは2人目ですな……死を呼ぶウォーズマンスマイルじゃなかろうが、永遠スマイルも畳の上の伝説になるかもしれん……。 終わってみると、小田桐のキャラが実に良いというのもあり、あっという間なのにギチギチに詰まった4連戦でした。次週は最終回、永遠はどこまでいけるのか。謎のフランス人の実力やいかに? ……尺的に、フランス人強そう……。 PR 「スパイ教室」 5→5 まぁ、美少女動物園ですよ。可愛いキャラと可愛い声、それを楽しむという目的においては、極上ですよ。 それ以上でもそれ以下でもないとまとめてしまうのは流石に乱暴な気もするが……今期はことに画がひどい作品が多すぎたせいで、画のクオリティが一定値を超えている作品ってのはそれだけでも評価してしまいたい。ましてその画で描かれるのが可愛い女の子たちの共同生活というならなおさらだ(なおさらだよね?)。眼福だし耳福(?)だし、もう、そこで満足しちゃってもいいじゃない。 という評価方針を示しているということは、裏を返せばお話はあんまり面白くなかったということにもなるわけだが……これも当初の想定通りかな。「スパイもの」に説得力を持たせて描くのは本当に難しく、「虚実入り混じる丁々発止のやりとり」の「虚」と「実」が視聴者目線では全く判断できなくなり、どこまで行っても水掛け論というか、後出しの方が強い屁理屈合戦になりがち。だからこそ今作は「可愛い女の子」という虚飾で煙に巻くことを第一にしており、「まぁ、多少無茶な点があってもいいじゃん。まだ未熟な女の子たちが頑張ってることなんですから」という免罪符を振り翳している状態である。さらに正直にいうなら、そうした権謀術数をめぐるスパイらしいやりとり自体がそこまで多くなかったという気もするのだが……無敵すぎる指導者を掲げてしまった時点で、どんなジョーカーも認められちゃうのでそのあたりの緊迫感は無くなるからね。 一応「不可能任務」における最後の大ネタに関しては「そんなことしてなんの意味があるんやwww」というツッコミも含めて、制作側が精一杯考えた結果出てきたトリックなのだというので好意的には見てました。何かをやってやろうという気概が感じられるのは、成否はどうあれ嬉しいもの。できればそうした「やってやろう」が作中でもう1つ2つ見えてくれればよかったのだが、本当にそこの一発だけになってしまったのは口惜しい。まぁ、まだまだ続いている作品のようだし、1期終了時は一応サプライズ的な幕引きにもなっている。2期があるなら、もうひと頑張りできるタイトルになることを願っている。
「もののがたり」 5→5 素直に最後まで楽しめましたね。やっぱジャンプ漫画に大崩れは無いな、ということを再認識できる作品。あと、頭のおかしな上田麗奈が活躍できる作品。頭のおかしな上田麗奈はなんぼあってもいいですからね。別にそこまでメインの役どころじゃないとしてもね。 厳密にはウルジャン連載作品ということなので「ジャンプ漫画」というくくりにしちゃうのはやや乱暴だが、やっぱり見てるとポジティブな意味で「ジャンプ漫画だなぁ」という感覚。キャラの配置とか筋の進め方がある程度長期的な視座になっており、どの部分のドラマを動かせばどのキャラに響いてどうまわっていくか、そういう筋立てが至極端的にまとまっていて見やすい。なろう産な場当たり的アニメにばっかり触れてたせいでそういう「当たり前のこと」が過度にありがたく感じるようになってしまってる感はあるのだが、少年漫画の王道であるバトル・人情・そしてラブまで含めたパーツを無難に取り回し、少しずつ世界やキャラに入っていけるようになっているので初見でも見やすい。ちゃんと1クール分を見て満足できるし、「2期も楽しみですね」と素直に言える作品だったんじゃなかろうか。 「ジャンプ漫画」っていうレッテルだけで処理してしまうと流石に乱暴なのでもうちょい掘り下げると、本作はキャラのひねり方が個人的には好みだった部分かな。味方サイドはぼたんを中心とした「保護者チーム」になっているのでみんなそれぞれの個性の中にどこか温かみがある設定になっているし、あまりに不器用で最初はとっつきづらかった兵馬だってそう時間がかからずに主人公としての魅力があることが分かる。今時こういう無骨ながらも愛すべき主人公って珍しいかもしれんね。加えて、今作は敵サイドというか、あんまりよろしくなさそうなキャラもどこか愛嬌があって、印象に残ってるキャラだとまずは扇。これまた第一印象は悪い役のはずなのに、ちょっと触れ合ってるだけで「あれ? こいつ意外といいやつでは?」みたいな感じになってくる。付喪神連中は元々の器物としての性質の見せ方がアニメ的にインパクトがあるのもいいね。そんでもう1人は何故か知らんけど門守のおっさん(大樹)。どう見ても悪いジジイなんだけど、悪役の立ち居振る舞いの中にきちんと「旧家を守っていかなきゃならん」という職務を背負っている責任感の強さが感じられるし、利害が反目しなければ意外と話が分かるし、抜け目のなさに変わりは無いので不思議な緊迫感を持ってニコニコ話ができるバランス感も良い。それぞれのキャラが一言では説明できないややこしさを持っているというのは、当たり前のことだけどちゃんと描かれると嬉しくなる部分だ。 1クール目はあくまでも世界観の紹介と人間関係の構築までと言えるかもしれない。2期目でどういう方向に話が広がっていくのか、今から楽しみです。あとは結さんがどんな風に幸せになっていくかも楽しみです。頭のおかしな上田麗奈はなんぼあってもいいですからね。
「ツルネ -つながりの一射-」 ―→5 相変わらず綺麗な景色でございました。青春の悲喜交々が巻き起こるドラマだったはずなんだけど、途中から人間関係とか青春の葛藤とかはすっ飛ばして、単に綺麗な画面で弓道場の空気が感じられるアニメとして観てたかもしれません。 基本的な評価は1期と変わらずかな。京アニクオリティでがっつり画面を描き込んでくれるので視聴時のストレスは一切無い。美しい画面、美しいモーション。京都アニメーションここにありという微動だにしない究極品質である。ただ、問題はその作画で持って何を描くかという部分であり、やはりドラマとしてはそこまでグイグイくるような訴求力は無い。まぁ、どうしても画面に映るキャラが野郎ばかりというのはビハインドにはなっちゃうのでね。「男子高校生の弓道も女子高生の吹奏楽も大して変わらんやろがい!」と言われたら「そうかもしれんけど、それを飲んだら俺は負けなのだ!」と強く主張していきたい所存。 いや、今作もドラマに寄り添った細かい描写が光る部分は相変わらず秀逸で、本当に弓道の拾うべき要素というか、ドラマになりそうな部分は漏らすことなくやってくれてると思うのよ。本当に、ここまでかつての記憶を蘇らせてくれる作劇は生半可な覚悟では作れないでしょう。ただそれだけに、「これ、弓道経験ない人からしたら全然ピンと来ないんじゃねぇかな」というのも心配ではあるわけで。客観的に見れば弓道なんて「弓引いて的に当たるかどうかだけ」のすげぇシンプルな競技で、そこにどれだけの情動があるかなんて、十全に伝えるのは土台無理な話なのよ。そう考えると、「弓引いて的に当てるだけ」とか「プールでただ速く泳ぐだけ」とか、京アニの女性向け作品はとにかくストイックなテーマを選びがちだな。まぁ、そこで勝負できる自信があるってことなんだろうけども。 とりあえず、昔を懐かしみながらの追憶体験はどっぷりと浸ることが出来ました。さぁ、次はさっさと音楽室に向かおうじゃないか。え? 滝センがスキャンダル起こして干されてるって? そいつぁこまったなぁ……滝昇、作中では愛妻家っていうのが最大のキャラ付けなんだよな……。 「便利屋斎藤さん、異世界に行く」 6→6 また最終回感想で満足して総評残し忘れるところだった。まぁ、履歴は残ってるんだから別に構わないんですけどね。 というわけで、毎週楽しかったので当然こういう評価になります。きちんと1話目で持った期待に応えてくれるだけの放送を続けてくれていたし、いい意味で予想を裏切られる部分もしっかりあって、1話たりとも油断することなく観ることを強いられるというのは幸せな体験でした。こうも本数が増えると本当に義務的にアニメを見るようになってしまい、世に溢れる「倍速で視聴する勢」なんて連中の気持ちもどこかわかってしまう気もするが(やったことはないよ)、こういう作品ばかりなら、そうしてなおざりな視聴ではダメだからね、という戒めを肌に伝えてくれるので本当に助かりますね。 よかった点はもう毎回書いているので別にいいと思うのだが、常にどこかで予想を裏切ってやろうとするヒネたシナリオラインがまず良いですよね。改めて全体像を思い出してみればその筋立ての多くはやっぱりなろう的な「ファンタジー世界のお約束」からはみ出さないものが多かったはずなのに、要所でちょっとした「ズラし」みたいなものを混ぜ込んで「あれ? そっち行くの!?」と驚かせてくれる。もちろん、その前提としてファンタジー世界の基盤の確かさみたいなものも保証されているのが重要で、最終話で初めて気づいたんだけど、どうやらこの世界って斎藤と言語が通じている代わりに、斎藤が「英語」と認識してる言葉は通じてないみたいなのよね。斎藤はカタカナ語を口にした時「あ、違う」って別な言葉を選んでたのはそういう意味だよね。もしかしたら1話目からずっと、こっちの世界の人間はいわゆる英語由来の言葉を使ってない、なんて制限があったりする? だとしたら面白いなぁ(確かめてないので見当違いかもしれんが)。 最初から続く「ショートストーリー仕立て」の切れ目の細かさも、目先をサクサク変えて常に新鮮な感覚を提供するのに一役買ってくれている。後半になってから気づいたのだが、後の方の話はサブタイが出てくる回数も減ってるし、サブタイであんまりお話が区切られてない場合も多いのよ。それでも、あのゆるいフォントのサブタイがひょこっと出てくるだけで「ここまでやってた重たいお話は一旦リセットね」みたいな不思議な「暗黙の了解」が得られてる気になるのよ。あとはテンポを調整して「あくまでギャグでやってますからね〜」っていうユルい雰囲気を維持する意味もあったかな。ちゃんと細部まで考えて12話の構成ができているのだ。 制作のC2Cはそこまで強力なイメージがあったスタジオではないのだが、「魔女の旅々」でも突如覚醒したような謎の神作画を繰り出したりしてたし、視聴者の度肝を抜いて見せつけるのが好きなのかもしれません。毎回神作品なんてのは土台無理な話なのだから、こうしてピンポイントで面白い仕事を見せてくれるスタジオってのはそれはそれで良いんじゃないかしら。 ギラプールの守護者/Guardian of Ghirapur レアなのでしれっと3マナ3/3飛行な天使。その時点で色々ずるいので無問題だが、そこに内包されているのはいわゆる明滅効果。若干の差はあるが、「天使+明滅」という組み合わせは一世を風靡した「修復の天使」と同じパッケージなので、色々と期待は高そうだ。ただ、明滅ってことは今回のギミック的に賛助能力との組み合わせを期待してのことだと思うが、すぐに戻すんじゃなくてターン終了時に戻ってくるので微妙に使いにくかったりする。まぁ、カウンターさえもらえれば文句言うな、っていう姿勢なのだろうが。
ドミナリアへの侵攻/Invasion of Dominaria セラの信仰守り/Serra Faithkeeper アンコモンのバトルはお手軽な入門編。3マナキャントリップで4ライフゲインのソーサリーはそこまで使いたいカードではないが、うまくいけばそこから「セラの天使」を雇うことができる。ただ、バトルの5点っていう数値は案外馬鹿にできない手間ではあるんだよね。これまでの経験からイメージするに、忠誠度5のPWを倒そうとしたらかなり骨が折れたわけでなぁ。その5点を本体に叩き込めば、セラ天を雇う前にゲームが決められる可能性もあるし、戦争に興じるか、さっさとゲームを終わらせるかの判断はなかなか難しそう。
「文豪ストレイドッグス(第4期)」 ―→6 4期目ってのにテンション落ちないのは偉いよねぇ。そして今期はこれまでと比べても割と鬱要素が強くて激しいお話が多くて絶望感に溢れていたのは、なんか「ヒロアカ」に近いものを感じましたな。どっちも問題が一切解決してないから更なる続編をとっとと作れって思うところまでおんなじ。そして、絶対作られるだろうと思えるのもおんなじだ。 以前は「文豪要素ないやんけ!」って噛み付いてた作品なのだが、今となっちゃぁ「文豪要素? なにそれこの漫画と関係ないやろ」と思えている。そりゃそうだよな。ここまでこの世界観を追っかけてて名前がどうこうなんて細かいこと気にしてたらそっちの方がヤバいやつだよ。まぁ、今回に限って言えば小栗・横溝間の関係なんかは一応何か匂わせがなくもないかもしれんけど。まぁ、とにかくどっかで聞いたことがある名前のキャラが活躍する、文字通りの「異能力バトル」アニメですよ。 能力バトルものってぇとお話が進むにつれてその能力はどんどんインフレしていくのが常であり、今作もご多分に漏れず、今期登場した連中は大方ヤバい。というかページの能力が強すぎたせいでどう足掻いてもひっくり返せるとは思えない苦境ががっつり用意されてしまっている。こうなると主人公が「虎に変身する」だけじゃぁ説得力が無さすぎるわけだが、そこを無理くり理由をつけて活躍させるのではなく、「もう、世界をひっくり返すレベルのバトルにしてしまえば、中島敦以外の連中も相対的に雑魚になるから別にええやろ」という斜め上の処理で片付けた。いや、片付いてないけど、因果をどうこうする話にしてしまえば、もう細かい異能力のことは気にしなくていいから楽なんだよな。結局は太宰・乱歩の2人さえどうにかなれば探偵社はなんとかなるしな。 冒頭の乱歩をめぐる無茶な推理劇パートもそれなりに説得力があり、「異能力+ミステリ」というあり得ない組み合わせの処理としては文句がつけられなかったし、後半の抗争は理屈抜きでボンズの全力を見守るだけ。シリーズを通じてずっと五十嵐拓哉・榎戸洋司ペアに監督してもらえてるのは本当に恵まれた作品だよなぁ。考えてみりゃ「ヒロアカ」もボンズか。そう考えると贅沢なシーズンではあったんだよな。
まぁ、これも致し方ない……。作画クオリティを考えるともうちょい下げてもいいぐらいのクオリティだったけどな。 というわけで、最大の減点要素は作画です。元々こってりと濃いめのキャラデザなので違和感なく動かすのは結構大変。わざわざ茨の道を進んでしまった作品だが、まぁ、女の子どうしのイチャイチャをメインに据えた作品なので、キャラデザで妥協はしたくなかったのだろう。一番の持ち味である「美少女」を突き詰め、最後まで描き切れたら高得点が狙えると、そういうコンセプトの作品だったはず。しかし残念ながら維持できなかった。スタジオコメットの地力ではこれくらいが限度だったということで……まぁ、しょうがない。わたしゃチャレンジしようとしての失敗はそこまで責めようとは思わんよ。いや、自社のキャパを見誤って自爆してるんだから自業自得の極みなのだが……。 でもまぁ、いい時もあったじゃん? そんでいい時のキャラデザは割と好みだったので、そこは下駄を履かせているよ。今期はたまたま「転天」というあまりに露骨で優秀な対抗馬が存在してしまったせいで殊更に低く見えてしまったと、そう言い訳しておこう。バトル描写の作画にもっとがっつり人手が割けていれば、もうちょい評価も変わったかもしれないのがとても残念である。 作画のことばかり触れて内容に言及してないってことは不満はないのかと言われると、もちろんそんなこともない。結局どこまで行ってもなろうテイストに味の繊細な変化を感じ取るのは難しく、いろんなところで辟易はした。ただ、こちらの主人公・クリスも「異世界おじさん」のおじさん同様、チートが突き抜けちゃって変な方向に自意識が拡大しちゃったタイプのキャラなのでそこまでヘイトはたまらなかったかな。「俺、何かしちゃいました?」じゃなくて「何かしちゃいたいのでとにかく殴り合いましょう」というヒロインは割と新鮮。まぁ、相方のラニと一緒に食いしん坊キャラまで突き抜けてしまい、作中最大の見せ場が全部食事シーンばっかりだったのはどうかと思うが。まぁ、いっぱい食べる女の子は可愛いので、そこは多少ね? あとはまぁ、ハイランダーをめぐる世界設定はすげぇシンプルに「いいやつ」と「悪いやつ」を二分できる簡単な方法で、安易ではあるが余計なことを考えずに勧善懲悪として見ることもできるようになったのでストレス低減の一助となった。もう、どうせ余計な小細工したってウザくしかならないのがなろうワールドなのだから、そこも開き直って「悪いやつには拳で語れ、殴り倒せば夢は叶う」という潔すぎる設定はあながち間違いじゃない。「とりあえずバトろうぜ」というクリスのキャラはどう考えても行き過ぎだしアホにしか見えないのだが、まぁ、少年漫画の主人公って少なからずそういうとこあるしな。 別に続きが見たいと思うような作品ではないが、これくらいなら1クール見ても耐えられる、というそこそこボーダーな作品。 「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」 3→2 「異世界放浪メシ」の方は、映像部分がちゃんとしていることに加えて、「狙ってる楽しさが全く想像できない」ことが低評価の理由だが、もしかしたら俺の受容体のどこかが鈍い可能性もあるってんで多少躊躇いながらも駄目なろう認定をした。でも、こちらは大丈夫、もう、どこに出しても恥ずかしい盤石のなろうです。クソアニメです。 先に弁解しておかなきゃいけないのは、何故この作品は最後まで観て、「冰剣」や「30代暗黒騎士」は切ってしまったのかという問題について。これはまぁ、単に順番というか巡り合わせの問題で、見切りをつけやすい順番でやってったらたまたまこうなってしまったのだ。また、今作は何か異質さがあるのも事実で、クソっぷりを確信するまでに多少の時間を必要とした。「ダメじゃん」と判断した時点で半分くらい通過していたため、「ほな観とこか」となったわけである。ダメなものをダメなものだと分かった上で摂取するのも、大事な行程ですからね。 さて、ダメだのクソだのと散々に言ってるわけだが、具体的に何がダメだったのか。もちろん、映像部分でのダメさは1話目時点から際立っていた部分で、もともとショートアニメ専門だった布陣で普通のシリーズをやろうとしたらダメだった、という分かりやすい結果が見えている。こればかりは作者や関係者の皆さんには不幸としか言いようがない。ただ、どちらかというと今作の画のグダグダさはむしろ大きな問題ではない。なろうにしては珍しい事態かもしれないが、はっきりくっきりと「ストーリーテリングそのものがダメ」なのだ。なろうを観ていると「既存の要素を切り貼りしてるだけでなーんも考えないで次の話を適当に垂れ流してるようにしか見えんな」と思うことが多いわけだが、今作の場合、多分ちゃんと何か大きな物語をやろうとしている。そのために面白くなりそうな伏線を仕込んだり、独自の感性で生み出した新しい概念を作品世界に持ち込もうとしている。そう、姿勢は前向きなのだ。ただ、そうしてもたらされたあらゆる要素が、とにかく滑り散らかしているのである。 分かりやすい事例でいえば、なんと言っても今作の印象を決定づけた「算数ベアナックル」。最初に言われた時にはギャグだと思ったし、もしかしたら作者もギャグとして扱いたくて生み出した概念なのかもしれないが、それが他の冒険要素と全く同じ純度で作品に割って入ろうとする。まるで小学生が休み時間に自由帳に書いたプロットをそのまま拾ってきたかのような、精神年齢が低すぎる概念が、この世界では「普通のこと」としてまかり通っている。そのほかにもネーミングセンスや話している言葉の端々の語彙が明らかに足りていなかったり、「文筆とはなんなのだろう」と考えさせられる深刻な「思考の欠如」、いや、もうここまできたら「学力の欠如」と言ってしまってもいいかもしれない。とにかく致命的な要素の欠如がまざまざと見せつけられるのだ。 「何故視聴を辞めなかったのか」という冒頭の問いに「タイミングの問題」と答えたわけだが、もしかしたら、この未曾有のクソアニメに私は恐怖心を覚え、怖いもの見たさが勝ってしまったのかもしれない。どこまで酷くなるんだろう、途中で作品として空中分解するところまで観ていこう、そんな邪な感情が無かったと言えば嘘になるかもしれない。そして最後まで観終わって、ようやく「あぁ、クソアニメだった」と嘆息するのである。そういう性癖の人なんです。 ほんと、アニメ業界はそろそろ作品の選考について考え直して。
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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