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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「とんでもスキルで異世界放浪メシ」 4→4

 なろうをいっぱい観ていっぱい新番チェックを書いたってことは、いっぱい評価もしなきゃいけないってことで……いい加減この辺もしんどくなってきた。最終的にいっぱい切ったはずなのになぁ……。

 MAPPAによる映像部分の努力点があるので一応評価は下げずにおいたが、個人的には下手したら今期で一番嫌いな……別な言い方をすれば「分からない」なろう作品になった。他の作品は作画の崩壊とかを別にしても、悪目立ちというかなんというか、クセの強さみたいなものを発揮している部分があるのに対し、今作は本当にそれが何もない。既存作品の悪いところをつぎはぎした人造人間みたいな構造で、とにかく味がしない。噛むとニチャッとした不快感だけは感じる、そんな作品になっている。

 本当に作者が何をやりたいのかが分からないのよね……分類としては「スロー系」ということで、バトルの激しさや世界を救う冒険譚とは縁がなく、ただ飼い犬と飼いスライムに餌を与えるだけの日々。スロー系といえば今期は「のんびり農家」が代表で、あちらは(成功したとは言えないが)一応マイクラ的な試行錯誤からの成長過程を見せる作品という目的意識ははっきり感じられる。しかし今作は料理がメインということでそうした楽しみ方は出来そうもない。

 異世界料理系のアニメというのも狙う方向性は大きく2つあり、1つは「ダンジョン飯」を筆頭とする「現実には無いものを料理すること」に意味を見出す方向。こちらは普通のファンタジー作品では使わない脳を使って世界をより繊細に描写する必要があるので難度が高く、ぶっちゃけ「ダンジョン飯」くらいしか観たことがない。最近だと「不徳のギルド」の世界の作り方も似てなくもないが。そしてもう1つの方向は、料理自体の中身はぶっちゃけなんでもよくて、飯を食うことにかこつけてエピソードを広げるタイプ。その代表は「異世界食堂」であり、抜け抜けと現代マウントをとって家庭料理でドヤ顔しつつも、異世界の住民たちがそれをどう捉えるか、その料理からどんなドラマが展開するかを見せる方向性。ファンタジー世界の道具立てを使える幅が広いので、基本的になろうにおける料理作品はこちらの方向性が多いと思われる。

 今作は当然前者には該当しない。何しろ「ネットスーパー」というのを最大の特徴にしており、もう、料理に関しては自宅の台所で晩飯作ってるのと同じ行程しかない。冷静に考えて、その辺の地味男がハンバーグ作ってるのを見ててもなんも面白くないだろう。であれば後者のデザインを目指しているのかというと、今作はそうじゃないのだ。何しろ飯を食ってリアクションするのが基本的に飼い犬と飼いスライムのみ。そこに料理ごとのバリエーションなどなく、その辺のグルメロケ番組で木っ端芸人が漏らす程度の中身のない食レポでおしまい。牛丼やら生姜焼きやら、なんの変哲もない料理にそこまでのバリエーションを望むべくもないが、それを食ってる様子を見て何が面白いものか。作品の構造自体に、発展性が無いのである。ほんと、なんでこんだけ続く作品になっているのか理解に苦しむ。

 一応の売りとして「木野日菜ちゃんスイが可愛いじゃん」くらいはあるかもしれないが、「特殊個体スライム」も既存作品からのベタ中のベタ。当然「ダ女神の適当なリクエスト」もそう。ほんで現代人は現地人相手にも神相手にも必ずシャンプーとリンスでマウントとろうとするのなんなの? 日本経済の全てがリンスとマヨネーズで回ってるとでも思ってるんだろうか? 今後のなろう作品、「シャンプーとマヨネーズが出てこなかった」だけで加点要素になっちゃいそうな勢いである。なろう作品のキツさは他の作品からも色々と感じてはいるが、今期はここが一番きつかったです。

 

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Call Star-ボクは本当にダメな星?-」 ―→6

 あのね、気になっちゃった。もう、これは気にさせた側の勝ちよ。中国産ショートアニメってんでどこまで受け入れられるかと心配だったが、受け入れるとかそういう以前の問題だった。まず理解ができないんだから。そして、理解できないのに、楽しいんだから。

 今期はこれと「齢5000年の草食ドラゴン」で中国産ショートが2本という不思議なシーズンだったのだが、「草食ドラゴン」の方でも感じた「ちんまいものを愛でる感覚はかなり両国間で近いんじゃないか?」というムードは今作のおかげでより一層強くなった。今作も(諸々のノイズを見ないことにすれば)デフォルメの効いたちんまいキャラがコロコロと飛び回る様子が楽しい作品。こういう動画の扱いは、もう中国オリジナルで新しい魅力を発信してる気がしますね。そして、そんなお為ごかしの前提を全て無に帰すように、今作は意味が分からん。ほんとにどういう頭からこんな作品が出てくるのかと感心してしまう、想像を絶するオリジナリティである。

 スタート時点で「気絶してる時に頭の上を回ってる星が主人公」っていう設定から「???」となっていたわけだが、そこから展開される物語は一応スターの特性を活用している部分こそあれ、本質的には「まぁ、それは割とどうでもいいからこの世界全体のヤク中患者が作ったみたいな自由さを見てくれ」というぶっ飛んだデザイン性が本当に不安になるくらいの独自性。確かに「なんか丸っこくて可愛い」要素もありつつ、そこかしこには可愛いを度外視したクレイジーのタネもちらほらと見えるし、油断するとクレイジーの原液が平然と垂れ流されたりしている。キャラクター間の関係性や物語の展開もハートフルとは程遠いエグいものが多く、「この画面で何見せられとんじゃ」とトリップ気味。いや、エグいだけならまだいい。シュールを通り越してマジで何言ってるか分からんレベルの話もほいほい出てくる。マジで「気持ちよくなる葉っぱでもやってるんか?」の領域。いったいどんなクリエイターが、どんなコンセプトでこの12話の物語を作り出したのだろう。残念ながらスタッフ情報とかがなかなか調べられないので、中国国内でどんな評判が巻き起こっているのかも分からずじまいだ。無理やり既存の国内作品で例えるなら、この困惑度合いは初めて「ミルキィホームズ」に触れた時の感覚にも似ているし、「可愛い」と「キモい」「エグい」の狭間を行き来する感覚は「47都道府犬」に熱狂していた時の感覚にも似ている。デザインの独自性、気持ちよくなる葉っぱの存在を想起させるのは、我が心のベストアニメ「空中ブランコ」に通じるものもあるかもしれない。「空中ブランコ」はテーマそのものが「精神病」だったのでサイケな世界を展開した意味がわかるのだが、今作は別に精神の疾患を見せたいわけじゃない。……いや、どうだろう、もうこの世界自体が箱庭療法の成れの果てなのかも……。

 いやはやとにかく凄まじかった。なんであんまり日本国内で話題になってないんだろう。まぁ、理解が及ばないから近づきたくないという気持ちも分かるけども……これ、もう1回みたらちゃんと理解できるんかな? トテモキモチイイ、アブナイ、ナイヨ。

 

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 公式カードプレビューがスタートしました。以前、時期的に全部追いかけるのは無理だからパスって書いてたんだけど、やっぱりこのお祭り騒ぎのトンデモセットを完全スルーは無理だったので、日程的に許す範囲で見ていきたいと思ってます。正直言うとフルでの公開まで一応身体は空いてるんで、死ぬ気でやれば全部扱うこともできるんだろうけど……最終回・新番期とも完全に重なるのでそれはやめようと思ってます。今後は一応「カードの性能的、物語的に気になるやつをいじる」感じで、どうでもいいコモン・アンコモンレベルにまで全部は触れないくらいでバランスを取りたいですね。まぁ、いざ始めたらどうなるか分からんので途中リタイアの可能性もあるが。
 
 
というわけで、まずは発表されたメカニズムについて。全部説明書くのは手間なので、各人公式サイトをチェックしてくれ。
 
 
○新メカニズム
・バトル/Battle
 アトラクサさんのせいで公開前から色々と憶測を呼んでいたバトルがいよいよお目見え。ギミックの説明は面倒臭いので各人で確認しておくように。新たなカードタイプの登場は久しぶり! って思ったけど「ダンジョン」が追加されたのはそこまで前じゃないな。制作チームは以前ほどカードタイプを増やすことに抵抗がなくなっているのかも。ただ、基本的に領域が交わらないダンジョンと違い、バトルはまごうことなくパーマネントではあるので、既存の色々なカードとも相互に影響を及ぼす可能性はある。その端的な一例が、いよいよもって日本語訳のテンプレが限界になったこと。すでにアリーナではしれっと「any target」を「1つを対象とする」という文言に書き換えて修正を試みていたのだが、以前のように「any target」を「クリーチャーかプレインズウォーカーかプレイヤーを1つ対象とする」では明らかに誤訳になってしまった。前からこの件に関しては「あんまり良い処置じゃないよなぁ」と思ってて、まだ私自身が私訳を書いてた時期には「any target」は「任意の対象」という訳で代用していた。いよいよ、日本語チームもそういう対応をする時が来たのだ。とりあえず公式に「日本語の以前のテンプレにバトルも含まれてると思って処理してね」というアナウンスが出るところからだな。面倒なら最初から英語版使ってね。
 さておき、新たなパーマネントということで世に初めてPWが出た時と同じくらいの衝撃ではある。面白いのは、ベースとなる構造はPWを踏襲しているのに、「自分が攻撃して壊すことを目的とする」という発想の転換。あくまでオーナーもコントローラーも自分なので、史上初(厳密には違うとかいうなよ!)の「自分で攻撃できる自分のパーマネント」である。今回は全てのバトルの設計は「包囲戦」という分かりやすいものにまとめられているが、今後サブタイプも広がりを見せる可能性があるという。そして基本構造は「場に出した時にまず最低保証としてソーサリー的な効果を解決、その後、打破すればボーナスとして変身した姿で更なる恩恵」という時限式の2段構造になっている。裏面はクリーチャー・エンチャント・PWとバリエーションが多いが、それぞれ「この戦争で勝利すると何が得られるのか」はフレーバー的にわかりやすくもなっている。場にあるだけなら特に影響は及ぼさないので、場に出た時の効果だけをソーサリーとして味わって、その後はガン無視という使い方も可能と言えば可能。まぁ、流石にそれだけのために入れるのはコスパが悪い気もするが。場に出た時の効果は明滅やバウンスで再利用を狙うこともできるので、既存のカードが「パーマネント全般」を対象にしているかどうかは改めて確認しておくと良いだろう。
 対戦相手に一方的に「はい、あんたここ守って」と指示を出せるのは割と理不尽で、盤面が整っていれば、出したターンにさっさと殴って戦勝実績を稼ぐ最短コースもあり得る。兎にも角にも今までになかった選択肢なので、しばらくは最善の使い方を模索する必要がありそうだ。
 
・賛助/Backup
 クリーチャー戦闘を支援する能力。基本的に製作チームは戦闘こそがMagicの根幹だという理念を持っているので、必ずこうして戦闘がらみの能力が1つはセットに入るようになっている。今回の能力は「支援」や「鼓舞」などとほぼ同じ+1/+1カウンター配布能力。微差として、「自分以外が対象なら能力の一時貸与可」というおまけつき。増強ソーサリーのような性格が強くなることに加え、クリーチャーを複数展開することを推奨するため、より一層クリーチャー戦闘にスポットを当てられるというわけだ。リミテでは色々お世話になるだろうし、ビートデッキではクリーチャーの数を増しながら選択幅を増やす有能なカードが現れるかもしれない。ちなみに、フレーバー的にはどう考えても団結してファイレクシアと対抗する様々な次元の戦力を表したものだろうが、その性質上エリシュノーンや増殖などのファイレクシア側ギミックと相性がいいのはご愛嬌。
 
・培養/Incubate
 劣勢に立たされた(というか負け確な)ファイレクシア側の頑張りを描いた能力。単なるトークンを生み出すだけじゃなく、その前段階としてマナを払っての育成期間が必要という、やや面倒ながらも強力な人材確保能力だ。公式解説によれば「2マナ払って起動するアーティファクトトークンは今のところ全部成功してるからね」とのこと。まぁ、言われてみりゃそうかもしれん。こちらも+1/+1カウンターがらみの能力なので、やっぱり増殖との相性がいい。緑白の毒殺デッキあたりが強化されるかもね。
 

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「虚構推理 Season2」 ―→4

 シーズン2も基本的な評価は変わらず。やっぱりどこまで行っても「ミステリ作品をアニメにするのはとても難しい」という結論は変わらない。逆に考えると、もしかしたらなろう文化などが今後の技術発展により全てアニメにパイを取り込まれてしまう可能性はゼロではないが、ミステリというジャンルは文字媒体による発信がなくなることはなさそうである(まぁ、ミステリというジャンルそのものが死滅する可能性は無いではないが)。

 改めて確認したら2期の総括も1期の終わりの印象とほとんど同じだったので、普段はあまりやらない禁断の技として、1期の時の感想リンクを貼っておこう。うだうだと面倒臭いことは2期を見ながらも考えていたし、あまり変更はなされていない。リンク先を踏むのも面倒臭いという人のためにかいつまんで要素を拾っておくと、「新しいことをやろうとしていることは分かるが、そのための前提条件がすこぶるめんどい」「新しいこと自体がミステリの構造問題に直結するリスクがあり、面白さにつながっているかどうかが危うい」「ミステリは画面の変化が乏しいので、そもそもアニメにする旨みが薄い」「おひいさまは可愛い」くらいのことを3年前にも書いているのである。

 今回新たに付け足すとするなら、1期よりは「ルールの説明」をする手間が省けていたのでつまみやすくなったというのはややプラス要素。1期でお目見えとなった鋼人七瀬のお話は他のストーリーと並べてみてもトンチキ具合が強かったせいで、いきなり初手で食べるのはしんどかったというのもあるだろう。今期で言えば雪女の話なんかは琴子の性格の悪さが端的に出ているのでみやすかった部分もある。「スリーピング・マーダー」は推理を重ねていく部分の動機づけがそれなりに説得力を持っていたし、結末の後味の悪さなんかはドラマとして単体で受け入れられたので嫌いじゃない。他方、島のピノキオ話なんかはとっかかりを探してるうちにぬるっと終わってしまったのでもやっと度合いが強め。まぁ、個々のエピソードで良し悪しはあれど、やはりず〜っと話を聞いてるだけの展開はアニメに求めてるものじゃないという感想は変わらない。

 あと、総じて「面倒臭い設定」が必要になる作品の性質上、どうしても「そのまま流れてしまう」というアニメの構造自体があまり相性が良くないというのもあることに気づいた。小説や漫画だったら「ん? どういうこと?」ってなった時にすぐに戻って反芻できるのだが、アニメだとよく分からん説明がなされてもそのままスルーしがちで、最終的な納得度合いが大きく低減してしまうことになる。「いや、巻き戻したらええやん」と思われるかもしれないが、アニメでわざわざ「よく分からんかったぞ?」ってなった時に、どこまで戻っていいかもよく分からない状態でわざわざリモコンのボタン押さないのよね。その辺のメディアの違いってのも、やはり考える必要はあるだろう。

 まぁ、おひいさまは可愛い。そしてエロいはずなのにいかんせんエロくない。まぁ、そこはそういう高度なプレイということにしておこう。

 

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「吸血鬼すぐ死ぬ2」 ―→7

 理屈じゃ……ねーんだな……。←「HUNTER×HUNTER」のハンター試験の時にハンゾーがゴンに対して言った台詞(当ブログでの使用は2回目、私これが好きすぎる)。そんな風にハンゾーさんも諦めてしまうくらい、よく分かんないけどこの作品が好きなんです。理屈は……ヌーンだな……。

 毎週感想とか書けない作品でもうしわけなかったですが、2期になっても一切パワーダウンすることなく、むしろカオスとカオスの乗算でどんどん勢いが増していくのが新横浜クオリティ。確認したら1期が7点だったし、じゃぁ2期も同じ点数でいいや、って太鼓判ですわ。しっかし、なんで俺これが好きなんだろうなぁ……客観的に見ようとすればするほどしょーもないギャグばっかのはずなのに……やっぱり何事もやり切ることが大切ってことなのかなぁ。でも、色々と細かいセールスポイントはあるよね。特にぶっ飛んだキャスティングはアニメで破壊力が2倍も3倍も高まる理由になってて、変態吸血鬼どもが1期でほぼ出きってるおかげで頭のおかしい連中がなんの注釈も無しにレギュラー面してしれっと出てくるのがすごい。野球拳大好きがこんだけ大活躍してくれると千葉繁パワーで幸せ成分マックスになるし、なんでマナー違反みたいなクッソどうでもいいキャラが活き活きできる世界があるんだと頭を抱えちゃう。アホなネタばっかりだと思ってたら意外とハートフル方向での攻め手もあったりするし、ドラルクの幼少期のCVが田村少年なの、全く意味はないんだけどなんかいいよね。沁みる。

 最終回の締め方がさ、ノースディン騒動でラストだったらそれなりに「最終話っぽい盛り上がり」だったはずなのに、あえてそこから温泉話入れて、挙句ほんとに最後が事務所内でのどーでもいい会話劇なんだよ。そんでそれで笑っちゃうんだよ。ジョンが「オシリ」って発言したタイミングで最高瞬間視聴率が80%超えたらしいですよ。

 とりあえず秋田書店は全力で3期作ってもろて。

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HIGH CARD」 5→5

 およそ予想通りくらいのところに着地しましたな。メディアミックスプロジェクトの一発目ってんなら、これくらいの匂わせというか、今後に期待を持たせる展開はOKなんじゃないでしょうか。できれば2期目がそう遠くない未来であることを願っていますが。

 4話目時点の感想で「あ、これ1クールのアニメとしてまとめる気は一切ないんだな」という覚悟を決められたので後のことは適当に、気楽に見ることができた。1話目時点での「カード52枚(53枚?)分の能力なんて考えるだけでも大変だし、それを組み合わせる方法まで視野に入れたら……とてもじゃないけど統制できないだろ」という懸念についても、「せやで、だからこの世界をゆっくりじっくり広げて楽しもうや」と答えられたら「しょうがないにゃぁ」というしかない。たまにゃ大きなプロジェクトをゆっくり育てる様子を見るのもいいじゃありませんか。ただ、今作がそこまでどハマりするような性質のものではなく、果たして今後このプロジェクトが伸びるだけの時間的猶予が与えられたかどうかは定かじゃないのだが。

 個人的には、4話あたりからのトンチキ能力バトル展開がもっと伸びてくれることを願っており、ある程度はそっち方向にも欲を見せた展開にはなったと思う。ただ、「52枚もカードがある」とは言ったものの、これが長期のプロジェクトになるのであれば、逆に「52枚しかカードが無い」と考えることもできるわけで、そのうち1枚を「身体が固くなるよ」で使っちゃっていいのかどうかはむしろ不安になってくる。明確な数は数えてないけど、今回のアニメで多分13枚分くらいは能力が出たはずで、ほかのメディアでの展開も考えるならそこまで野放図に思いつきで広げるのも問題がある。さて、どういう方向に持っていきたいんでしょうね。

 将来とか展開とか余計なことを考えないなら、本作は1クールでフィンとクリスのお話に焦点を絞ってまとめあげたのは無難な選択。正直言えばもうちょい「チームもの」としての性質が強めに出るかと思っていたけど最終的に「バディもの」くらいで落ち着いちゃったのでやや視野は狭いな、とは思ったけど、そのおかげでまとまりは良くなっているので特に不満はない。ラブピちゃんの活躍がほとんど見られなかったのが心残りではあるが……でもまぁ、最終話での暴れっぷりを見てると、こいつを毎週出してたらお話成立しないだろうししょうがないよな……。他にも傍でちょいちょい気になるキャラは出てきているし、クロンダイク周りのエグい展開とかを存分に描いていくなんて方向性も考えられる。あくまでも「はじめの一歩」と考えれば、まだまだ可能性を残した状態なんじゃなかろうか。

 映像部分も今期作品の中ではかなり上位に入れる品質は保っていたし、是非とも製作陣の皆さんには大切に扱って丁寧に育てていただきたいコンテンツである。

 

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「コタローは1人暮らし」 5→5

 だいぶ想定を超えたアニメ。なんの想定かと言えば、「事態の重さの想定」。「一人暮らしの幼児のお話」っていうスタート時点で「現実感のない設定やなぁ」って思ってたのに、まさかそこの肉付けが鬱々とした方向からどんどん盤石になっていくとは……。掲載誌とか、バックグラウンドを知らんでアニメを観始めると変なとこで想定外のとこにぶつけられてショックを受けるな……。

 というわけで、描きたいテーマがある漫画だったのだということを思い知らされたら、ちゃんとそれは受け止めなきゃいけない。そして、受け止めようと思った時にわたしゃ「家族の問題」というテーマにすこぶる弱い。別に私は両親の問題なんて何も無かったし、むしろ幸せな家庭でぬくぬくと育った人間だとは思うが、それだけに「生まれながらに大変なご家庭」に想いを馳せた時に恐怖感が一際心にキてしまう。そりゃまぁ、「幼児の一人暮らし」なんて実際にはあり得ない状況だろうし、コタローみたいな幼稚園児なんているはずもないのだろうが、「もしかしたら現代社会はこういう子供を生み出してしまう可能性もあるんだよな……」というだけで怖いのである。こんな変なギャグ(?)漫画で恐怖を覚えてしまう私がおかしいんだろうか? でも、ちゃんとそういう問題を考えさせるのも間違いなくこの漫画の狙いではあるよなぁ。

 正面から受け止めたら重すぎるような設定を、一応はギャグのヴェールで覆ってそこそこ愉快に描いてくれているというデザインは救いにもなるし、独自の味わいである。コタローのキャラを見て楽しむ「キャラもの」ではあるのだが、設定の重さのおかげでコタローという幼児を一言で説明するのは難しい。「子供のやる事だから」と大人は単純なキャラ付けで済まそうとするが、よく考えて初めてその真意が見えたり、はたまた考えてもさっぱり分からなかったり、子供だって1人の人間であり、単純なキャラ付けで片付けられないだけの「人格」を持っていることを訴えかけてくるようだ。どこまでいってもリアリティのない設定のくせして、コタローを見ているとどこかで奇妙な実体感というか、「あったら嫌だけど、あるかもしれない社会」を想起させる。こうしてちょっとブルーな気持ちになり、「コタローってなんなんだろう」と考えさせた時点でこの作品の勝ちよ。

 まぁ、だからとてアニメとして強烈な印象を残したってわけではないので作品の評価は難しいところだが……まぁ、こうして色んなジャンルの色んな作品に触れられることに感謝するに止めておこう。そして定期的に「釘宮爆弾」みたいなものを叩きつけてくれる業界の皆さんにも感謝である。

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REVENGER」 5→5

 ありそうで無かった「利便事」という日本語を当たり前のように定着させたことが一番面白い功績かもしれない。作中では「Revenge」の隠語としての「利便事」を使ってるわけだが、現代から聞いてる視聴者からすると間違いなく江戸時代の連中が「リベンジが云々」とか言ってるの、ちょっと面白い。

 初見の時に「時代劇アニメの成功作ってほぼないよね……」という話をしており、今作に関しても残念ながら大成功の面白アニメとはいかなかった。最初に挙げていた不安要素はそのままで、どうにも薄暗い画面にハネきらない脚本と、正直、3ヶ月後には綺麗さっぱり忘れてしまうタイプのオリジナルアニメになってしまった。まぁ、1クールアニメでとんでもねぇインパクトを残すなんてことはそうそう簡単なことではないので、しょうがないと言えばしょうがない。雷蔵の最期についてちょい議論の余地があるくらいかねぇ。まぁ、「ダークヒーローもの」って銘打っちゃってるので。あと虚淵なので。

 まぁ、大きくハネなかったことは残念ではあるが、特に失点もなく無難に物語をまとめたというのも事実だと思う。メインテーマである「revenge」は考えてみりゃ「仕事人」などの伝統的な時代劇の定番テーマであり、フォーマットはすでに完成している。変に奇をてらったことをせず、時代劇フォーマットでやるべきことを、ちょいと現代アニメ風に遊び心を加えてシンプルにまとめ上げる。こういうお仕事もオリジナルアニメの作り方と言えるのかもしれない。もうちょい、時代劇ならではの「時事」ネタなんかを深く踏み込んでも面白かったかもしれないけどね。まぁ、こちらが江戸期の長崎について無知なだけで、もしかしたら色んなネタが仕込まれてたのかもしれんが。

 強いて惜しい点をあげるなら、利便事屋の面々、主人公の雷蔵以外にももうちょい掘り下げがあると「続編も見たいな」と思えたかもしれないということ。惣二はいろんなところに振り回されてたもんだからいい具合にキャラは立ってたと思うんだけど、当初期待してた鳰があんまり魅力を発揮しきれてなかった気がするんだよね。あれだけイロモノ臭を漂わせてたんだから、もっと吹っ切れたエピソードも作れたと思うんだけど……まぁ、人殺しを生業にしている静かな狂気みたいなものは見え隠れしてたので、それくらいの「匂わせ」がちょうどいいのかしらね。

 とりあえず、個人的には「今後時代劇アニメを作るならこれを超えてほしいな」と思えるボーダーくらいの認識になった。異世界ファンタジーがあんだけ量産されるんだから、時代劇が1クールに10本あるシーズンがあってもいいと思うんだ(いや、思わんけど)。

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 最後までわちゃわちゃ、最終話! この雑多な感じこそがまさに「斎藤さん」ワールド。いいんですよこれで。彼らの人生はずっと続いていくんだし。

 風呂敷をたたむべきタイミングが最終回なわけだが、そんなこと一切気にせずにじゃんじゃん情報を垂れ流していく姿勢、本当に節操がない。いや、「その尺度で言ったらアルスの巨獣と同じ最終回になるんだが?」という考え方も出来なくはないが、まぁ、そうじゃないってことはわざわざ説明せんでもいいでしょ。前回時点ですでに最大の難敵である双子の悪魔は掃討しており、あとはジジイが生きてて、斎藤がこの世界の日常に溶け込んでいければそれでOK。そうして斎藤の新たな「日常」がここにあるってことが分かれば、それ即ち大団円なわけだ。

 いや、それにしたって最終回でまでジジイがダイレクトすぎるちんこネタぶっ込んできたのはどうかと思うが……最終回でシワシワのジジイが特大のイチモツをいきり立たせるアニメ、放送禁止になってもおかしくないのでは? またねぇ、このジジイの「きたねー裸」っていうのを容赦無く見せつけてくれるんですわ……そりゃ肝心な部分は隠れてるけど(窓突き破った時点では黒塗りだが)、それを容易に想像させるよう、ジジイはいとも容易く全裸になる。もう、ゾンビと犬耳を通ってんだから今更何が起きても怖いものないよね。そのイチモツだっていっぺん犬に食われてるしな。

 汚ねぇものを見せるお詫びといっちゃぁなんだが、今回のサービス要員はなんとラファンパンの方。ビッグラファがあまりに美少女すぎて最高の癒しタイムでしたね。さらにここに来てラファにまで斎藤向きの矢印を追加するとかいう刺激を重ねてきて、なんかもう、ここから先のラエルザたちの道行きが心配でしょうがないよ。まぁ、ラファはラエルザが悲しむようなことは絶対にしないだろうから大丈夫だろうけどさ。妖精は「同じ種族」と一緒になるしかないんだろうが、果たして相手妖精とかこの先見つかるんでしょうか。

 その後はまぁ、嘘みたいな「全員集合」エンドで斎藤の騒がしい異世界ライフも強引に締め。よく見るとさ、全員集まってるタイミングで多分店の外にパワーウィザードも来てるんだよね(でかい棍棒がチラチラしてる)。あいつ、何しに来たんだよ。そのほかの連中も、みんなして全然違う用事で斎藤のところに来てるってのが「便利屋」の面目躍如で、ここまで求められたら、斎藤だってこの地での生活にハリが出るに違いない。そりゃどこぞのリーマンばりのアームロックも綺麗に決められますわ。

 そしてエンディングはドリフばりに全員のダンスで綺麗なエンディングを演出。ラファはあそこで陣形組むために大きくなったまである。こういうところでちゃんと特別感出してくれるアニメっていいよね。最後の最後、お人形みたいな4人がグルっと回るカットでのギブングルいじりも悔しいがちょっと笑う。常にギャグの精神を忘れない、それこそが今作の絶対理念である。ちなみに最終回のコンテ担当が石平信司なんだよ。あー。

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