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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「この素晴らしい世界に爆焔を!」 5→5

 最後は文字通り、実家のような安心感へ。3期、楽しみにしてます。

 「やっぱカジュマさんと駄女神がいないとおもんないな!」という風潮があることは知っている。そんで、多分その指摘は事実であり、今作は本家「このすば」ほどの切れ味があるわけではなく、どこか穏当な空気が漂い、非常に無難な作品なのは事実だ。でもまぁ、ほら、俺このすば本編は確か7点とか付けてたしさ。それに比べて劣るからって、そこまで点数下げんでもいいかな、とは思ったのよ。好きな定食屋で定食じゃなくてスープだけ出されたみたいな感覚で、「絶対に物足りないけど……まぁ、事前に『スープだけ出しますから』って言われてたしなぁ」みたいな。スープ自体も別に不味いわけじゃないしね。あとは一品料理として成立するかどうか、もしくは、成立しないことを許せるかどうか。

 一本立ちしているかどうかは割と微妙なラインだとは思う。特に前半の紅魔の里は、やっぱり展開はどうにもワンパタすぎて退屈にすらなる。めぐみんは単体でめぐみんだからこそ面白いのであって、周りの連中まで全員頭がおかしかったら、それはもうそういう世界の話なのだ。もちろんゆんゆんという制御装置がコントロールしてくれるわけだが、そうした生育環境におけるゆんゆんの不憫さを考えるとあんまり笑えないという……。ゆんゆんの必死さを見てると、もうぼっち要素はギャグじゃないのよ、ガチなのよ……。

 というわけで紅魔の里の間は正直「流石に点数を下げざるをえないかなぁ」とか思ってたけど、幸いにしてめぐみんが里を離れてからは今作独自のクソみてぇな理不尽さがいい具合に加速し始めてテンションが多少は盛り返した。普段、「メインキャラたちが面白いからな!」と褒めていた「このすば」だが、こうしてみるとモブの皆さんとか、周りで盛り立ててくれるキャラたちの適切なフリやツッコミがあってこその芸風なのかもしれない。紅魔族という頭のおかしい主人公に対し、より頭のおかしいアクシズ教徒をぶつけてくる構図は、本編の地獄絵図を思い出させてくれる良いものだし、めぐみんと絡んだアクシズ教徒2名、どちらも強烈で女神の恩寵に恥じないクズなのが良かったですね。

 欲を言えば、ゆんゆんの立ち位置がもうちょい美味しいところにいてくれて友情物語をちゃかさずやるチャンスがあれば別方向でも伸びが期待できたかもなー、とは思うが、まーどこまで行ってもギャグに徹し、余計な感動を求めないスタイルを貫くなら、ここでゆんゆんにだけ情けをかけるわけにもいかないか。あくまでこのすばは約束されし運命の4人の物語。出会う前から散々に運命が交錯しまくって互いの足を引っ張ったり、知らないところで助け合ったりしてる4人のすれ違い模様が楽しかったですね。ことに駄女神は画面の奥とか見えないところでギャーギャーやってるくらいの音量がちょうどいいのかもしれません。

 本編3期の制作スタイルはどうなるかなぁ……。

 

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「勇者が死んだ!」 5→5

 正直に白状すると、時間帯の関係か、機材トラブルで何話か録画できずに飛ばしちゃったんですよね……抜けたところの筋書きは何となく想像して誤魔化したつもりになってるんですが、まぁ、その程度の視聴姿勢で何とかなった作品。

 まずもって映像部分はお察しレベル。ほんとにヘロヘロの回も少なくなかったし、一応はバトルアニメだってのにバトル描写はかなり適当。エロ方面の押し込みの方がそれなりに説得力があり、多分そっち方向でのニーズを満たすことが最優先されたのだろう。位置付けとしては「ちょっと豪華になった『ピーターグリル』」程度のもの(1話目時点で言及したが、なぜか山村・竹達というキャストが被っているせいもある)。どっちかってぇとクソアニメの位置付けになる作品だろう。

 でもまぁ、身の丈にあった視聴姿勢ってのはあるもんで、なろう漬けのアニメ視聴の中、「なんかなろうっぽいけど微妙に違う」作品はむしろいい具合にリフレッシュさせる「ずらし」が感じられてホッとする部分もあった。「似たような設定だけど、ちゃんと最低限の物語を作ろうとしてれば視聴には耐えるものになるよな」という至極当たり前の事実を確認できるからだ。タイトル通りに「勇者の死」からスタートし、死体が主人公になってのド腐れ太もも冒険譚。ギャグの全部がかっちりハマっていたとも思わないが、出来ることを何とか面白く見せようという意気込みも感じられたし、気づけばファンタジー冒険譚としても、幼馴染が一番大事なラブコメとしても、ヘタレ勇者の成長譚としてもそれなりにまとまりはあったんじゃなかろうか。

 ちなみに今作で一番好きな部分は何かと聞かれたら多分「オープニング」と答える。やっぱオーイシマサヨシの曲作りって不思議と気持ちのいいところに刺さるよね。

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「魔法使いの嫁 SEASON2」 ―→―

 こちらも「Dr. STONE」と同じく一旦休止して10月帰還とのことなので、もう面倒なので最終話感想とか採点とかも省略。「あんまりすっきりした切れ目じゃないからもやもやする……」っていうところまでDr. STONEと同じである。分割2クール、以前よりもずっと気楽に選べる選択肢になったけど、その分ほんとに切り方を気にしなくなったよな……。

 一応、今回の顛末でどうやらフィロメラんところの怖いばあちゃんとカレッジ側が対立姿勢を明示してちょっとした抗争状態みたいになったので、そこが節目といえば節目なのだろうか。学園長が「学園封鎖」を宣言したけど、もうこの世界での「封鎖」がどの程度の信頼性を置けるかがさっぱり分からないので引き続き油断ならない。というか、真の敵はカレッジ内部にいるはずなので封鎖したところであまり意味はないはず……まぁ、そこはエリアスをはじめとしておっかない教師陣が内偵を進めていくことになるのだろうけど。

 ついでに、チセたちがよく分からんまま流れで参加した廃棄棟探索も微妙に遺恨だけを残す形で終了。一番の収穫は「もう、このカレッジがまともな場所だとは思えねぇよ」という不信感が確信に変わったことくらいかな。あんなヤベェ奴らがゴミ捨て場みたいなところにたむろしてる学校、怖すぎだろ。まぁ、今回は偶然が重なって正規の引率の先生がついてこなかったせいというのもあるのかもしれないが……自分たちが学び、生活してる建物のすぐそこに危険因子が多すぎるってのはどうなのだろう。魔術師としての進路選択って、そこまでの覚悟が必要ってことなんでしょうかね。

 幸か不幸か、チセさんも襲われこそしたが、なんと発動したのはカルタフィルス式防護システム。あれはご本人が何らかの呪印めいたものを施したと考えるべきなのか、あくまでチセの内部に潜む何者かが一番禍々しい形をとって具現化したと考えるべきなのか……いや、どっちにしてもろくなもんじゃないが。少なくとも襲ってきた彼の言う通り、エリアスも含めてチセを囲んでいる有象無象は全部が全部きな臭いものには違いない。もう、チセは自身の判断でその危険な道にどっぷり浸かることを選択しちゃっているので、今更引き返すこともないのだろうけど。

 ただ、代えの人生がありえないチセが一本道を選ぶのは仕方ないことだが、周りのクラスメイトたちはどうなのだろう。ルーシー、フィロメラ、それにゾーイも。いざこざに関わる学生の数が多すぎるよぅ。先生たち、ちゃんと責任持って可愛い学生さんたちを監督してくれよ。

 

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Dr.STONE NEW WORLD」 ―→―

 なんか前もこの作品であった気がするんですが、もう2週間くらい前に放送終わってました。でもほんとに半端なとこでしれっと終わったもんだから全然気づいてなかったし、さして重要視してる作品でもなかったので、日々流れゆくアニメの中で、この作品の放送がないことに全然気づいてなかったのです。今日、終わった作品の編集のためにレコーダーをいじってて、「あれ、そういや最近観てないな……」ってんで確認したら、「第2クールは10月から放送です!」っていうテロップに気づいた次第で。

 そんなわけで、開始時も中断時もとりあえず点数つける必要もないかな、と判断しました。つけても多分平凡な点になるだけだし。どこも悪いところはないアニメで、特段話題になることもなく、粛々と最後まで製作してくれるだろうという安心感があります。前にも書いたかもしれないけど「食戟のソーマ」と同じ扱いですね。こうして休憩を挟みながらもコンスタントに筋が進んでいくのは、現代アニメ製作事情の中では正しい方法の1つなのかもしれません。

 一応視聴していたことの証明に軽く内容に触れておくと、「科学の進歩」がテーマに作品なので、流石にアニメも3クール目となってずいぶん科学レベルのインフレが進んできました。まぁ、基本は拡大再生産なので進歩が加速度的なことはおかしくないんだけど、その分、千空の解説がだんだん雑になってきて「こんなんできるの当たり前〜」みたいな感じになってるのはどうかという気もする。いや、でも真面目な読者・視聴者なら過去に千空が説明したことはちゃんと覚えてるから、おんなじ工程を繰り返し説明するのは邪魔なのかな。あと、石化光線が普通に敵サイドの武器として使われたのは素直に驚きましたね。こっからどうやって話の風呂敷を畳んでいくんだろう。

 こうして完結してしまった作品についても、今更ドキドキできるのはアニメ組の強みですね(?)。

 

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「私の百合はお仕事です!」 5→5

 最終話のせいで、あらゆる今作の印象がおっぱいに塗り替えらえてしまった。これは俺悪くないよね!? 私の乳はお仕事です! だと途端に年齢制限がががが。

 などという下世話な話は置いといて、まぁ、無難な結末に落ち着いたかな、と。「あれ、お前百合とかテーマだったら手放しで褒める人間じゃねぇの?」と思われるかもしれないがそんなこたぁない。私にだって好きな百合とそうじゃない百合はあるのだ(多分)。今作は別に嫌いな百合というほどでもないが、少なくとも現時点ではあまり琴線に触れない百合。正確に言うと「もうちょっとしたら琴線に触れるかもしれない百合」。原作はどうなってるか知らないが、アニメ放送終了時点でようやくヒメ周りの下地が整った状態なので、ここからもう1混ぜ2混ぜしたら刺激が増えてくる、そんなタイミングなんじゃなかろうか。

 いやいや1クール分やったんだからそれなりに刺激も多かったやろ、という意見も出そうだし、実際に果乃子に関してはフル回転してくれてたと思う。大方の予想通りに(?)私の性癖からすると果乃子はどストライクなキャラ設計になっており、拗らせたサイコ気味のレズからの愛情のねじれ、病的なまでの思慕がまさかの方向に転換する流れなどは割と満足である。ただ、今作の中心はあくまでヒメ×ヤノのペアであり、その2人の関係性はまだ響くところまでは至ってない。というか、どうにも巡り合わせが破天荒すぎて、どういう感情になるのか想像できなかったのかもしれない。

 多分最大の引っ掛かりはヒメというメインヒロインがあんまり応援したい性格じゃないところなんじゃないかな。あいつ、基本的に性格悪いやろ。応援したくない主人公の恋愛事情(?)はそりゃ応援したくない……果乃子は応援したい。その上で果乃子は「ヒメの後ばっかり追いかけてても幸せにはなれねぇぞ、もっといい恋愛を探しな」って肩叩かれて絶賛奮闘中なので、いっそ果乃子が主人公の作品だったら評価は上がっていたかもしれない。

 でもまぁ、繰り返す通りに「まだ途上」なのでこれでヒメちゃんのキャラに結論を出すのもまだ早いとは思う。「仕事というお題目を与えることでそもそもノンケだった人間を百合に巻き込む」というコンセプトは色々といじりがいのあるデザインだし、「公私の別が分からなくなってきた! 私の心はお仕事? それとも本心?」っていう引っ掻き回しがもっと賑やかになれば、タイトル通りの独自路線を切り開けるんじゃなかろうか。そういう意味では、もうちょい続きまで見てみたかったが……どうしようかな、原作追いかけるか否か……。絵はねぇ、そこまで得手じゃないのよねぇ……。やっぱCVがついてくれないとなぁ……。

(最終話のアフレコ、すみぺはどんなテンションで望んでいたのでしょう。そしてそれを小倉唯はどんな目で見ていたのでしょう。え? 田村ゆかり? 彼女の視線はいつだって菩薩みたいなものだよ)

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 最後、B小町の面々がステージに上がってメフィスト歌うのかと思ってドキドキしちゃったよ、第10話。それはそれでめちゃめちゃ面白いが……PVのアヴちゃんみたいなとんでもねぇ展開になったらどうしよう。

 基本的にルビーたちのアイドル活動の描写がメインになってからはあんまり触れるところないのよね。「みんな、頑張ってます」って言うだけの話だし、今回もぐう聖の有馬かなという人物をひたすらモノローグで掘り下げるお話だし。いちいち画面が美少女すぎるのでどんどんかなの株が上がっていき、いい加減ストップ高だから他の2人もそのぐう聖成分を分けて欲しいくらいである。

 一応ぴえヨンとの入れ替えなんてものが挟まっているので事件があったといえばあったんだけど、なんか不必要に事態をごちゃらせるだけのギミックだったし、かなが余計に思い悩む以外はあんまり今後に関わってこない気もするし、単に「アクアがひよこ声出してんの草」っていうくらいかね。あのキャラ作り、結構簡単にできそうだもんな……どっちかってぇと体型で全然気づかなかった周りの3人に問題があるわ。

 まぁ、とりあえずこれでルビーに続いてかなにもアイドル活動を行う確固たるモチベーションが成立した。あとは3人で勝手に盛り上げてくれることだろう。唯一の懸念は「いかにセンターじゃなかったとて、3人中2人が音痴のアイドルユニットって成立しないのでは……」というくらいである。現代技術を総動員して、どれくらい誤魔化せるもんなんでしょうね?

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 少年よ、コアリクイを抱け、最終話! 想像以上にハッピーエンド、これがアオハルかぁ……。

 というわけで、恐れていたような修羅場はほぼ訪れなかった。それどころか、今回美津未が積極的に介入した行動はコアリクイのみ。まー、美津未の立ち位置を考えればそれだけでもだいぶブレイブな行為ではあるのだが、今回の問題はあくまでも聡介のもの。彼自身が気づき、向き合い、乗り越える必要があった。そこに関わった聡介の母親、そして梨々華など、聡介が一回り大きくなることで関わり合う人たちにも変化を与えていくことになる。そして、そんな聡介が変化したのは、やっぱり美津未のおかげ。何か直接の働きかけがあるわけじゃなくても、そうして少しずつ影響を与え合い、良い方向に成長していける。これこそが人と人との繋がりってことなのだろうなぁ。

 梨々華との問題は、聡介が自分自身と対話することでブレイクスルー。自身が本当に「他人のことしか気にしていなかった」という何とも破滅的な状況にあったことに気づいた聡介。これまでの人生は、ただ周りに合わせることだけを目的として、そこに居心地の良さを覚えてすらいた。まぁ、そうして合わせようと思えば何でも合わせられる万能選手の聡介だからこそ選べた道であり、ずいぶんと贅沢な話ではあるのだが、高校に進学して岩倉美津未という見たこともない珍奇な生き物と出会ったことにより、そうして「合わせる」だけの人生への疑問が浮かぶようになった。そこにあるのは間違いなく「自分」であり、生きている意味、友達と関わり合う意味を考えていたら、聡介は素直に「そっちの方が良くない?」と思えたのである。そこには大きな目標を達成した兼近部長の影響もあったし、やはり「見たことのない人たち」との交流が嫌でも聡介を変質させたのだろう。

 「他人が羨ましい」。そんな当たり前の感情が初めて芽生える聡介。合わせる対象としてではなく、憧れる対象としての他者に出会ったことで、初めて自分の意思でやりたいことが出来た男の子。そりゃま、一度決めたら強い子だから。梨々華との関係性は、別にここでバチっと切れるわけでもないし、切る必要もない。互いに足を引っ張り合う関係も、かつての聡介には心地よい部分もあっただろうが、今はもう不要のものだ。どうやら梨々華さんも決して単なる下衆ではなかったようだし、1つの拠り所を失ったとて、また改めて前を向く努力はできるのだろう。ハンカチは洗って返せよ。

 聡介の成長、それは高校生男子としてはごく普通の、何の変哲もない日常の1ページ。そして、そんなたくさんの代えの効かない日常が詰まっているのが、青春時代なのでしょうね。美津未の学園生活もここからが本番だ。さぞかし刺激に満ちた、楽しい2年間になるに違いない。

 

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 人生を賭した、一人舞台の果ての果て、第11話。役者のエゴとは、斯くも罪深く。

 恥ずかしながら、前回は全くもって見当違いの解釈をしてしまっていたようだ。でもまぁ、これは私が悪いわけじゃなくてスタッフがズルいんですよ。というのも、ここなと静香の出会いが塗り替えられるのは唐突じゃないですか。これまで「静香が生成されたのはここながワールドダイスターを志してしばらくしてから」だと思っていたわけで、それ以前に消された記憶があったとなれば、また静香の存在意義が変わってきて、前回のファントムを巡る一連の解釈も変わってくるのだ。だから僕は間違ってなかった……って思いたいけど、どうだろ。もしかしたらこれまでのエピソードを遡ればちゃんと静香誕生の伏線はどっかにあったかもしれん。そこまで追いきれてなかった私の責任かも。

 まぁ、別にいい悪いの話じゃないので開き直って方向修正をしておくと、まず、静香の誕生理由はほんとのほんとに模範的な「イマジナリーフレンド」だったという。言われてみりゃ、「オーディション落ちまくったここなが悔しさのあまりに超絶演技が上手い写し身を具現化した」よりも「舞台に憧れた少女が相手役を求めて分離した」の方が流れとしては自然といえば自然か。そうして幼いここなはすでに「静香生成」のセンスを開花させたが、いかんせん幼い子供である。センスも不安定だったもので、当時発現させていた頃の記憶は、どこかで失われていた。そして、オーディションを受けられる年齢になったのち、現実に打ちのめされたタイミングで、センスに溢れたイマジナリーフレンドがここなの下に再び帰還したという流れ。

 「幼い頃にすでに出会っていたかどうか」はそこまで重要な情報ではない。どちらかというと重要なのは、静香という存在が「生成」ではなく「分離」だということがこれで強く確認できたことであろう。前回のエピソードを見て、私は「静香という自我を持った存在が、ここなとは別個に舞台への憧れを持ってしまったら2人の関係はどうなるものか」と戦慄したわけだが、冷静に考えりゃ、「静香の持つ自我」という前提が(今更ながら)トンデモな話なわけで、結局その感情はここな自身へと帰結する。幼少期に分たれた自我(ego)である静香は、言うなればalter-egoと呼ばれる存在なわけだが、この「ego」という概念が「自我」という意味を持ち、そしてまたカタカナ語でいうところの「エゴイズム」の象徴でもありえる。現在の鳳ここなは、役者として不可欠である、他人を蹴落としてでも舞台の中心に立ちたいというエゴイズムを切り分け、一時的に失っている状態だった。静香自身が「役者に不可欠なもの」と言っていた通り、それは本来なら分け隔ててはならないもの。それくらいの代償を支払わなければ、人格をまるまる1つ生成するなんてとんでもないセンスは発揮できなかったのだろう。

 そうしてエゴイズムを抱え、エゴの塊となった静香。彼女自身は自分がどのように生まれ、何故存在しているかを十全に理解している。そしてこの度演じる役がエゴとは切ってもきれないファントムであることがきっかけとなり、静香は「自分が舞台に立たなければならない」ことを理解する。何よりも強い舞台への執念。その独善的なエゴイズムを、鳳ここなという1人の役者に統合せねばならないことを理解する。長きにわたり分たれていた「鳳ここな」が、今一つに重なり合う時である。

 こうして、ここなはダイスターへの最後の階段を登り始めた。もう、こうなっちゃったらカトリナちゃんのオーディション風景が描かれなかったのも致し方ない……うん、そこはとても残念だけど……もう尺がないし、流石にどんだけ頭を捻っても「カトリナが超絶ファントムを披露しても、その上をいく鳳ここな」っていう説得力のある見せ方は思いつかねぇや。カトリナの名誉のためにも、彼女の完全敗北のシーンは視聴者のご想像にお任せするしかなかったのだろう。もし万が一これを説得力のある形で描けていたら、今作は伝説になったかもしれないのだが……まぁ、高望みが過ぎるか。

 とにかく、これにて最後の舞台への布石は整った。しかしまだ、終わらないのである。「ここなは静香と一体となり、完成を見た」で終わっても物語としては成立するのだが……今作はさ、ほら、ゴールがソシャゲになるはずなのよね。ほんで間違いなくソシャゲには静香もいるので……最後に三度目、静香の復活が必要なのですよ(だから先週ここなと静香の統合を想定してなかったというのはある)。さて、どのようにして、イマジナリーフレンドを本当のフレンドにするんでしょうかね。

 

 

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「久保さんは僕を許さない」 5→5

 今期数多ある「爆発しろ」系作品の1つ。いや、厳密にいうと今期の作品ですらないけども……。途中で制作延期が決定され、足掛け2クールでの完結。基本的にこういうトラブルがあると途中で冷めちゃうもんで評価は下がりがちなのだが、今作の場合、ぶっちゃけ「そこまで真剣に見守るもんでもないし、筋立てが思い出せなくて困るなんてこともないのでどうでもよかった」という理由でそこまで悪い影響とはならなかった。

 まぁ、何から何まで「どうでもよかった」というのが正直なところで、点を維持しているのもあまり積極的な意味はないのだが、「○○さん」系の作品の中では比較的見やすかった作品だとは思う。理由はいくつかあるが、まずは主人公の配置がいっそ嫌味じゃなかったということ。最初は白石のステルス能力について「こいつ、完全に異能力者じゃん」と処理に困ったものだが、しばらく見てると「まぁ、漫画なんだからそれくらいのヘンテコ設定は受け入れるべきだよな。他の作品のキャラ設定と比べても程度問題だし」とある程度ポジティブに受け入れることができた。そして、白石がそうした能力持ちであることを自覚しており、それに見合った行動原理を持っていることで、この手の作品にありがちな「男の方のキャラのノリが受け付けない」というネガティブ感情も出てこなかった。「高木さん」の西片は流石に幼稚すぎて受け入れがたく、「長瀞さん」の先輩も無駄に自意識の強い部分が男目線で応援しにくい。その点、白石は押しも引きも本当に「モブ並」で押し付けがない。無味乾燥なくせに異能力持ちというある意味で矛盾した主人公の特性が、今作最大の見せ場だったのかもしれない。

 あとはまぁ、純粋にキャラデザが可愛いとか、そういう部分ですよね。制作延期したくらいなので映像クオリティは(大して動くようなもんでもないが)保持されており、特に久保さんの溶けたみたいなへちょ絵での可愛らしさが、通常モードとシームレスにつながっているのがなんか好感触。丸っこさが単なるデフォルメの可愛らしさ以上のものにつながっているのは好きでしたね。そんでCVが花澤香菜ですからね。やっぱり、花澤ボイスは何もかもを突き抜けてヒロインに正義を付与するのだな。あと、最近じゃもうスタンダードになってきたがママンのCVが能登麻美子。世界には大沢事務所さえあれば何とかなる。

 

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