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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「パリピ孔明」 5→6

 やぁみんな、今作に関してはどういう出かたにしたらいいか悩んでるP.A.WORKS大好きおじさんだよ! いや、別に好きなもんは好きだって言っとけばええやんけ。

 話題性もあったしきっちり結果を出した作品だと思う。唯一問題になるとしたら、今作について、世間的にチラホラと「失速」というワードと共に話題になっていたこと。「最初のうちは面白かったのに、途中からつまらんくなった」という話だ。これについて、私は共感半分、不満半分である。まず、実際に中盤以降のシナリオが多少の間延びを伴っていたのは事実だろう。ただ、こればかりはシナリオの構造上どうしようもないところで、序盤のように毎回毎回「孔明の計略」が結果を出し続けるわけにもいかないし、大きな舞台を用意し、そこに向かって溜めを作るのもまた正しい構成であろう。そりゃぁ欲を言えば毎週毎週底抜けに楽しい方がいいだろうし、世の中には恐ろしいことにそれを実現している作品もあるのだが、シリーズアニメなんだからある程度長期的な視点に立って「着地点」を決めに行くのも間違った選択肢ではない。原作ありで動かせない部分がある作品であればこそ、覚悟を決めて「12話で1つの作品」と定めるのは、アニメ作品ではずっと昔から採られてきた方策なのだ。

 あとはまぁ、それが言い訳に聞こえるかどうかって話でね。すごく真っ当なシンデレラストーリー、そしてマガジン漫画なんかではよく見られる「一見すると無茶苦茶に見えるが実は有能な軍師」構造、これらはどっちもあんまり短期的に結論を出すデザインじゃないのでねぇ。わたしゃ最終話できちんと晴れやかな気持ちになれたのだから、これで成功だったと思ってますよ。

 あとはもう、「P.A.WORKSは今作できちんと頑張れたのか」というのが個人的な関心事でして。音楽を扱ったアニメは昨今掃いて捨てるほどあるが、実はP.A.がこっち方面に真正面から取り組むのは久しぶり(ある意味「TARI TARI」以来?)。アイドルアニメっぽくしすぎても浮いちゃうし、かと言って地味すぎてもアニメ化の意味を問われるし、というので何をもって正解とするのかが難しい作風だったと思うのだが、あまり奇策に走らず、真っ当に「歌姫」を描くという方向性が結局はP.A.の持つ作画力をフルに発揮でる方向性だったのだろう。正直、あんまり「P.A.っぽさ」が強く出なかったので粘着ファンからすると物足りなさはあるのだが……そりゃファンだって「天晴爛漫!」や「天狼」ばっかり作れよ! と思ってるわけではないので……。まー、今後スタジオがどういう方向で業界を切り拓いていくのかはじっくりと見極めさせてもらおうじゃないか。あ、とりあえずチキチキバンバン好き。

 

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「理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ」 ー→5

 このアニメでリケクマ見た後に「妖怪ウォッチ」でうんちく魔にも出てこられると笑っちまうんだよな。「なんで俺は週に2回も変なクマに解説されなきゃいけないんだ……」ってなる。

 想定の斜め上か斜め下かよく分からん方向に落としてきたなぁ。まー、1期目の時点でメインカップルがほぼくっついてる状態だったわけで、そこをどんだけ引っ張ったところで話は続かない。あとは脇のカップルをいじってやるくらいしかやることないのは当たり前か。クライマックスとして用意されたのが奏ちゃんの恋愛観だったのは真っ向から雪村・氷室ペアと対抗できる位置だったためだろうか。明確な「彼氏」を設定せずにこの世界の常識を問うというスタンスも、最終的にどう落としたところでメインカップルの邪魔にならないよう、無難にまとめ上げるための配慮と言える。最終回前に一度「事実上の最終回」を用意してメインをまとめておき、残った話数は「当たり障りはないけど波風は立つ」といういい具合のサブエピソードでまとめ上げる、よく考えると苦肉の策ではあるのだが、別に違和感も無いので案外うまい構成だったんじゃなかろうか。

 個人的にはどっちかというと棘田・トラスケカップルが見てて楽しかったので、雑多なエピソードだらけだったけど最終的には「まぁ、これだけ見せてもらえればまずまず満足かな」というくらいの感想。映像部分にあんまり見るべき点が無いのは残念だし、やっぱり1期から引き続いて「理系……とは?」みたいなところが釈然としなかったりするのだが、「ギャグ」からはみ出さないようにしなきゃいけないし、あんまり綺麗にまとまりすぎても良さが失われてしまうのだろう。そう考えると、いろんなところで結構アクロバティックなバランスを保持していたのかもしれない。

 この作品を機に、理系を目指す若人が増えるといいですね(あまりに適当なまとめ)。

 

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 最近やたらと劇場に足を運んでますね。ここ1週間で3回目ですよ。それもそのはず、先週末に劇場にライブビューイングを見に行った時に「そういや映画観ないとなぁ」って思い出したから観に行ったのです。夏休みに向けてアニメ映画も色々と発表されるようですし、気になる作品は早めに処理しておきましょう。

 それにしても……なんとまぁ、Funny & Eccentric Filmであることよ。なんも知らんでうっかり劇場に足を運んだ人はぽかんとして口開けたまんまになるやろな。まぁ、かく言う私もほとんど事前知識無しで観に行ったもんだからしばらくはぽかーんでしたけどね。いや、でもFunnyには違いないがinterestingでもあり、excitingでもあり。ぼかぁ好きですねぇ、これ。ま、それこそほんとにたまたま先週末がRASのライブで、加えて昨日がスカパーでそのライブの最速放送だったもんで、魂がやたらとロックなライブに引き寄せられていたというのもあるのかもしれないけども。もし京都の六条河原でライブをやってくれるんなら、わざわざ河口湖のコニファーフォレストまで行かなくていいから楽でしょうしねぇ。

 

 

<以下、ネタバレ注意だが……ネタというなら今作は全編ネタなのでは?>

 


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「ヒーラー・ガール」 6→7

 今期、お別れが寂しい作品文句なしのNO.1。もうかな達のアホみたいな顔を見ることもないのか……。

 毎度の感想で言いたいことはだいたい言ってたので改めて書くこともあまり無いが、とにかく常に挑戦をやめない貪欲な姿勢がお見事な作品だった。普通に考えれば、「どこぞから誕生した歌手のユニットを起点にしてアニメを作りましょう」なんてプロジェクトは大コケの温床でしかないと思うのだが、今作は意外なほどにプロジェクトの縛りが無く、「ヒーラーガールズ」というユニットを売り込みたいという商売っ気が匂うわけでもないし、無難な落とし所を探して形だけの青春ドラマに終わるなどということもない。常に「歌いながら治すアニメとはなんぞや?」という自己言及を怠らず、結果的に毎回が刺激の連続となっていた。いや、この方向性を「刺激」と感じるのは一部の人間だけなのかもしれないが……でもさ、生半可な覚悟で「音声医療」とかいうよく分からない概念を渡されたら、ふつーのクリエイターはもてあますでしょ。「どういうこと? ちゃんと説明しないとダメなの? 命のドラマをやればいいの?」とあたふたしてどこかで見たような安っぽい御涙頂戴で終わっていた可能性だって大いにあったはず。しかしそうはならなかった。それが奇跡なのだ。

 申し訳ない話だが、監督の入江泰浩氏については、これまでちょいちょい名前は見てきたがあまり印象に残っていなかった気がする。今作では半数以上の話数でコンテを担当しており、おそらく方向性を決定づけるデザインワークの大部分を務め上げたであろうことが想像できる。一見してコケる要素しかない素材をパスされて「これ」を出してくることができるクリエイターはそう多くはないだろう。私の中の監督ランクが一気に上昇し、今後は気を付けてお名前を追いかけようという気になりました。よくもまぁ、2話3話とアクセルを踏み続ける決断ができたよなぁ。また、毎回のミュージカル演出をどう使うかというのも自由度があまりに高いせいで非常に判断の難しい要素。安易な萌え、安易なアイドル的要素、逃げようと思えばいくらでも逃げる手段(そしてコケる手段)はあったと思う。しかし、決して妥協を許さずに「このアニメで描きたいヒーラーってのはこれなんじゃい」という主張を崩さなかったことで、最後までごんぶとの芯を貫き通すことになったのだ。いやはやお見事。スタジオ3Hzも良いお仕事をしてくれました。

 まぁ、おかげでこのアニメがこんだけ面白かったというのに現実のユニットとしてのヒーラーガールズについては特に興味も湧かずに終わってしまったわけだが……アニメ単品で成功したならそれでいいよネ! 

 

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「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL」 5→6

 ノリトくんの声50年で渋くなりすぎワロタァ! まぁ、そりゃあんな激動の時代を生き抜けば、海千山千で声も渋くなるってもんでしょうが……。

 いろんなところが「腑に落ちる」作品になったと思う。SFアニメとして見た時にあまり破天荒なことはしてないし、筋立てだけを見たらSFファンからしたら陳腐なものかもしれないが、1クールという尺の中でそれなりのスケールとそれなりの落とし前を見せてくれる展開は、本当に身の程にあっており、試聴後に「あぁ、大きな物語を見られたのだな」という満足感がある。オリジナル企画として始まった時には「どっから出てきて、何がやりたい作品なんだ!?」と困惑したものだが、なるほど既存のIPを使ってやる単発作品としては非常にソツのない仕上がり。減点がほとんど無いので、あとは面白かった部分を素直に加点要素と捉えてしまっていいんじゃなかろうか。

 筋立てが陳腐かどうかは分からないが、ドラマ冒頭からいきなり地球が終わりかけてる末法末世であり、何故そうなってしまったのか、解決策はあるのかといった根本的な問題にきちんと解を出している。厳密に言えば最終回の出した答えは「俺たた」ではあるのだが、少なくともメインヒロイン・エンプレスの物語としては収束したはずだし、この世界に生きる人類に対し、ご都合主義に堕すことなく希望を与えてくれる気持ちのいい終わり方。唯一、大佐の扱いだけはすごく寂しかったので「そんなことせんでも……」と思ったのだが、まー、あそこで大佐が生き延びるとエピローグとの時間関係もあって処理が面倒くさかったのだろう。その辺はやたらドライ。

 ヒロイン(?)勢の関係性もそれなりに楽しめるものになっており、個人的に外せないのはやっぱりデッドマスターの純愛(??)でしょうかね。トチ狂った百合展開に早見沙織を絡めるナイス采配で、たまたま時期的にこれが「ヒロインたるもの」のクソメガネと被ったもんだから味わいもひとしおである。ストレングスの絵に描いたようなツンデレっぷりも可愛いですね。最終的にCGバリバリのキャラクターデザインもうまいこと世界観に落とし込めて愛せるようになったし、やはり技術というのは適材適所だなぁ。

 そしてラストのあの曲の入り方は予想できてもよかったはずなのに全く警戒してなかったもんだからいい具合に不意打ちを食らってちょっとグッときてしまった。そこに落とし込むための、溜めに溜めての前振り12話分だったってことだよなー。よくもまぁ、このタイミングで作品を展開しようと思ったもんである。過去の遺物みたいに思われてるコンテンツも全ては製作者のセンスと使い方次第。あまり後世まで語り継がれるような作品でもなかろうが、ちょっとでもノスタルジーが得られて、新しい思い出になったならそれで良いのではなかろうか。

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 いい最終回だった…………最終話!(1週間ぶり・2度目) なんかねぇ、別に泣き所もなかった話なのに泣いてしまったわよ。おっちゃんほんとに涙腺弱くてねぇ……この歳になると、もう「若者は未来があるなぁ」と思っちゃうだけで泣ける。若者たちよ、おっちゃんみたいな人生を歩まないでおくれよ。

 本当に、何があったわけでもなくエピローグ。前回C級試験が終わった時点で彼女らの人生の節目は終えているわけで、今回の1ヶ月研修なんてのはそのおまけみたいなもんですよ。でも、その1ヶ月が描かれることによって(まぁ、そこですらほぼ描かれずにスキップしたが)、かな達3人がヒーラーデビューしてからどんな進路を目指し、どんな人生を歩んでいくかも想像させるようになっている。3人の未来がきっと明るいだろうことが示唆されている。それだけでもう、とても晴れがましいエピローグになるのです。

 個別に観ていくと、まずは響。彼女は病院で音声医療の研究チームとしての研修。座学にも優れ、3人の中では最も音声医療の発展に実利面で貢献してくれそうな響こそが、ポスト烏丸として日本の医療を引っ張っていくにふさわしい。おそらくわずか1ヶ月の研修においても、病院側にもたらした貢献は大きかったことだろう。かなのメールを受けてとっととアメリカに行っちゃうアグレッシブさも、彼女が修行の中で得られた最大の成長の表れ。悩んだのなら動いてみろ、そんな教えを師匠から授かり、もう引っ込み思案の響はいない。

 玲美の研修先はソーニャちゃんのところ。これまで生まれた境遇のせいで「見識の狭さ」がコンプレックスだった彼女は、烏丸医院以外の環境でさらに実地での学びを得ることになった。ソーニャちゃんを育てていることから、しのぶのばーちゃんの教えは保証済み。そして他の2人と違ってソーニャという歳の近い「先輩」にしごいてもらえたのも大きかったんじゃなかろうか。「ヒロインの髪型が変わるアニメは名作」の法則、ここでもまた維持されていますね。やんわりとソーニャ×玲美の関係性の匂わせがあるのでそっち方面での何かも期待できますからね!(ソーニャちゃんはしのぶも大事にしてやれよ)

 そしてかな。一番語学力に不安がありそうな奴が真っ先にアメリカに飛ばされるという奇跡。それでも大して物おじせず、あっさりとアメリカの地を踏んじゃうかな。そしてすぐに結果が出せるかな。やっぱりこの子が一番強い。留学云々で葵さんがあれだけ揉めてたのに、一切意に介さずに1話で「留学→帰還」までできちゃう図太さよ。ちょうど同じタイミングでラブライブの侑ぽむコンビが留学するのなんだのでちょっとナイーヴになってるのを観た直後だったので、「ほならアメリカ行ってくるわー」ってスパッとアメリカに行けるかなと、「そりゃ行くわ〜」ってんで再会を1ミリも疑ってなかった玲美・響の関係性ってのもまた特別なものよね。まぁ、玲美は最後にちょっとだけ「かな、帰ってこないんじゃ……」って心配してたけども。まぁ、まだC級ですからね。資格が安定するまではもうちょい日本で活動した方がいいんじゃないかな。

 最後の最後までとにかくあっけらかんと明るく朗らかに。エンディングテーマの映像とか、冷静に考えれば意味はよく分からんというか、多分意味はあんまりないのだが、これまでの集大成としてあらゆるキャラクターが笑顔で過ごしている様子が確認できれば、この作品はそれでいいのだ。

 世界を癒す歌がある。

 

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「乙女ゲーの世界はモブに厳しい世界です」 4→3

 今作のよかった点:サークラな佐倉さんをボコボコにいじめることができる点。今作の悪かった点:それ以外だいたい全部。

 まぁ、なろうだしね……。ほんとに出てくる要素がいちいちイラっとする、なろう界隈の中でも特に「癇に障る」ことが多い作品だった。虚無のようにして何一つ引っかからずに通り過ぎるだけのなろうよりも存在感があるという意味ではマシなのかもしれないが、受容している身には、やっぱり毒にも薬にもならない方がまだマシで、毒にしかならない作品ってのはキツいもんである。

 最大の難点はやはり映像部分なのだろう。とにかく省エネに省エネを重ねた作画スタイルは、なんでメカやら空中戦やらと作画コストの重そうな作品をこの方向で受けてしまったのだろうと甚だ疑問。キャラ作画に関しては(完全に好みから外れてはいるが)描き込みも多くて何か爪痕を残そうという意識が見て取れるものだったはず。その選択をしたなら、ちゃんと動かしてみせることで責任を取れよ。動かしづらいキャラデザという茨の道にわざわざ踏み込み、できませんでしたってんでヘナヘナの作画を見せられたら、そりゃ心象が悪くなるのもしょうがないだろう。こんだけ生理的な「不気味」を体現できたキャラデザもなかなか無いんじゃなかろうか。

 シナリオラインに関しては途中から適当にしか観てなかったのであまりいうこともないのだが、やっぱ主人公のキャラの鼻につく様子がとにかくマイナスで気分が悪い。設定上「モブとしての自分」を甘受したいのか乗り越えたのいのかもよく分からず、場面によって「モブであり続けたい、余計なことしたくない」という消極的な姿勢が出るのに、基本理念は「モブだから生きにくいこの世界はなんなんだ」という憤りを動力としている。そしてどう考えてもそんな世界を2、3回は塗り替えられるくらいのチート能力を有しているはずなのに、それを使う工夫も見せず、ただ流れに任せて、目の前の出来事にマウントをとってドヤることしか考えていない。この主人公のどこに魅力を感じろというのだろうか。そしてそんな主人公をageるための手段が「とにかく周りのIQを下げる」というなろう的お約束の所作である。せめてバカ王子5人衆にもっと魅力があれば「主人公サイドとモブ」という対比が活きて面白いシナリオも構築できたかもしれないのに、「主人公」という要素を「ただのバカ」と同義にしてしまった時点で、この設定はもう破綻してしまっている。スタート時点での設定はそれなりに面白そうなのに、やってることはいつも通りのなろうへの急降下なので、結局見どころは残っていないのである。

 まー、ヘナヘナロボットバトルなんかは「一周回って」でクソアニメとして需要がありそうなのだが……いつも言ってるけど、「一周回って」はダメなんだって。ほんとに。

 

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「処刑少女の生きる道」 6→5

 画面の賑やかな作品だった。あと女の子は満遍なく可愛い。メインカップルも悪くないけど、私の推しはモモと殿下の方です。

 評点を下げた理由は、正直にいうと「途中で仕組みがよく分からんようになって雰囲気だけで観るようになってしまったから」。なんだろ、この大仰な世界設定と、バトルの際の雰囲気重視な展開。開始時には「なろうっぽいけどなろうじゃない」と言っていたが、筋立てだけを見ると1クールでなんかでかいことがやりたいという欲求が先走ったソシャゲアニメみたいな感じにも見えた。「Deep Insanity」とか「SCARLET NEXUS」とかね。世界の作り込みが独りよがりになっちゃうと、どうしてもついていくのが大変にはなるよね。しかも主人公級のメイン能力が時間と因果を司ってるもんだから、設定次第でどうにでも都合の良い展開になるし、逆にどうにでも都合が悪い状態にもできるので真面目に追いかけようとすると各所で負担がでかいのである。

 ただ、多分これを「負担」に感じてるのはこっちの責任もあるんだろう。今作の世界の大仰さとか、主人公たちの置かれたチートも振り切った概念能力バトルの雰囲気を見てて思い出したのは昔懐かしい「戦う司書」だった。あれも世界のデザインは無茶苦茶だし、能力設定もどうとでも解釈できるものだったのだが、ある種の童話的な理屈の丸め込み方が面白くて、作画がショボかったくせにやたら印象に残る作品になった。今作はそうした好き勝手世界設定についていくことはままならなかったが、その分はキャラ作画が肌にあったし、エロもグロも思い切りやってくれた部分は見てるだけで楽しいものであった。多分、作者の制作意図をきちんと理解した上で改めて最初から見直せば、設定もすんなりはいってきてもうちょい評価が上がるんじゃなかろうか。

 あとは女の子だらけの作品なのでやっぱり中の人の話。メインカップルを担当した佐伯伊織、佳原萌枝という名前は初めて認識したが、きっちり任された仕事をこなしてくれていたと思う。あとはラストバトルで絡んだマノン役に石見舞菜香、そしてパンデモニウム役の春野杏あたりも良いですね。石見舞菜香みたいな役者にどんどん目が濁る役をやってもらいたいですね。クレイジーやってる声優を見るのはやっぱり楽しい。

 

 

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「阿波連さんははかれない」 5→6

 最後までブレずに何かを貫き通す、その意気や良し。ただ、何を貫き通したのかはよく分かんないけど。

 第一印象の「○○さん系作品の類型なんだろ?」というイメージは割とあっさりと破壊された。いや、元々は多分そういう作品と同じスタート地点で、ちょっとしたシチュエーションコメディとかシチュエーション萌えを膨らませていった結果の作品だとは思うのだが、例えば高木さんや長瀞さんが最終的に女の子の可愛いを主体としていちゃいちゃする部分を見せたいという動機を持つのに対し、今作は徹頭徹尾、「それはそれとしてギャグ漫画でもある」という矜持を守っている。単にいちゃいちゃさせるだけで良しとはせず、きちんと阿波連さんもライドウもコワレ要素は残して、油断するとすぐに不条理の異次元へと放り投げられるような足元のおぼつかない感じは、今作ならではのものだろう。そうして「どっかで笑わせにくるぞ」という刺激があればこそ、日常系作品でも油断せずに見守らねばならぬのだ。

 振り返ってみれば、1話目のあの設定からよくもまぁこんだけ真っ当な(?)ラブコメに仕立て上げようと思ったものだ。出会って数秒でゴリゴリにスキンシップを取ってる高校生の男女なんて、冷静に考えれば恋も愛もあったもんじゃないだろ、と思うのだが、そんな無茶苦茶なキャラに真っ当な恋愛をさせるべく、「お互いに無茶苦茶なら、無茶苦茶なりにピュアな恋愛も育めるだろうよ」という斜め上の解法を見せつけてくれている。2人の関係は常人には理解の及ばぬところではあるのだが、それを表す言葉はきっと「萌え」とか「尊い」とかではなく、「あはれ」なのであろう。概念に名前がないなら、自分から名前をつけてやればいい。これ、妖怪とか怪異の対処法なんですわ。

 そうして一見すると無茶でしかないシチュエーションラブコメがきっちり12話で積み重ねられていく。新キャラ投入のタイミングなども適宜噛み合っており、個人的には先生投入の際の刺激が一番大きかったが、それ以外にも阿波連ファミリーの登場など、とりあえず極まった新キャラをぶっ込んどけば回せるというギャグ漫画の強みを存分に活かしている。個々のキャラもセンター2人に負けないようにゴリゴリに尖っており、不条理に不条理がぶつかり続ける様は画のテイストからは想像できないくらいに危険な味わいである。この「なんかほわほわしてるくせにやってることが案外エグいし意味わからん」というテイスト、思い返せば同作者の「デンキ街の本屋さん」から繋がってる部分もあるかも。

 アニメとしても終始安定したクオリティを維持しており、徹底して阿波連さんの「可愛い」が保証されていたのはありがたい部分。動きの少ない画面でも、ライドウの謎妄想とかでわけ分からん刺激には満ちているために案外退屈せずに済むのはでかかったかね。あとはまぁ、やはり中の人のお仕事で。ここまで研ぎ澄まされた水瀬キャラは久しぶりかも。声を張らず、聞こえるか聞こえないかのギリギリの音域で勝負するお仕事っぷりは、もう職人を超えて匠の領域だ。

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