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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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MARS RED」 6→6

 人外石田彰が最後まで楽しげに生きてる作品って珍しいね。そうでもない?

 なんとも風変わりな空気をまとった作品。1話目時点で「舞台を意識してるからかな?」と思って観ていたクセのある演出が最後まで貫き通されていて、本当に今作の標榜する「人生の舞台」を見せられていたような感覚。舞台で上演される「吸血鬼のお話」はその筋立てだけを見れば陳腐なものかもしれないが、作品世界にひっそりと息づいたヴァンパイアについて、単なるモンスターと見るのではなく彼らなりの生き方を描くことによって見える善悪の間の苦悩。「生きること」「死ぬこと」に加え「死なないこと」「死ねないこと」にまで及ぶ生死感の物語は、どこか物悲しくもあり、「大正ロマン」を描いた作風にマッチしている。

 正直、作画コストだけで見たらそこまでご大層なものではないだろう。バトルシーンなんかは話数によってはショボいことすらあったし、かなり意図的に省エネに走って画を取り回していたは事実。しかし、作画の結果だけが問題なのではなく、そうした方向性を可能にした「舞台風」のデザイン自体が見るべき点だったのだろう。「大正時代」という時代背景そのものを、光と闇を行き来するヴァンパイアたちの持つ妖艶さみたいなものと噛み合わせて、過去とも現代とも言い難い逢魔時のような時代に丸め込む。そこには新しい時代に向かって生きようとする人々のエネルギーも感じるし、変わる時代の波に飲まれて苦しむ姿もある。そこにさらに「人ならざるもの」が加わり、「変わらないことと変わってしまうこと」が相容れない悲劇を刻んでいく。色々と観念的な物言いではあったが、全体的な製作理念は非常に端正。「吸血鬼もの」と括られる創作物は多いが、性急な答えが求められがちなアニメ媒体において、こうした「物事は白と黒だけじゃないんだ」という描き方を貫くデザインは新鮮で、ドラマとしても面白かった。

 あとはまぁ、やっぱりキャストの話になってしまうのだが……私としちゃ折笠富美子ヒロインっていうだけで加点要素になるもんでね。葵ちゃんはちゃんと大正モダンガール可愛かった。そして1話で用済みかと思っていた彩陽も存外重要な役どころで絡んでくれて、メインヒロイン(???)のみゆきちとの連携でゴールデンエイジの別格の存在感を見せつけてくれている。そりゃね、受ける男性主演陣が山寺・諏訪部・石田とかなのでね。これくらいの重量級の打線で迎えうたないとドラマのバランスが取れないよ。畠中祐は本当にいいお仕事するようになったなぁ。なんかもう、この世界に生きてたキャラは大体好きになった。

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「フルーツバスケットThe Final」 ー→7

 とにもかくにもお疲れ様。まずはそれを。

 全5クールという長尺でのリメイク。そして足掛け2年の長期戦。こうしてたっぷり時間を使ってくれたことにまずは感謝せねばなるまい。ご存知の通り、昨今のアニメはとにかくリメイクラッシュで、そのほとんどが新規の客層を広げるでもなく、オールドファンには見放され、ただ無為に消えていくばかりである。時代に即した映像化ってのはやはりあるものかと、うまくいかないこの業界の常に寂しさを覚える。そんなことばかりである。

 しかし今作は違った。20年越しのリメイクということで様々な意見が出たのは間違いなかろうが、「前作は前作、今作は今作」という区別を明確にし、その上で、きちんと「1から」アニメを作ろうとしてくれた作品だった。よくあるカットカットでの尺調整などもほとんど無く、多少の調整についてもきちんと意義の伺えるものなので納得できた。そして、1作目では成し得なかった結末までの完走。これだけでも充分に価値のある作品だったと思う。

 前作との大きな区別として、はっきり最終回を見据えた舞台構築があった。前作の大地版は原作もまだまだ完結には程遠い状態からスタートしたため、どうしたってアニメスタッフが考えるオリジナルの要素でまとめ上げるしかなかった。まぁ、それがむしろ功を奏してあのような独自のワールドを展開できたのだからラッキーとすら言えるのだが、やはり原作ファンからしたら慊人の存在などは気になった部分だろう。今回は、そうしたオリジナル要素を入れ込む余地が無い代わりに、全体像を把握した上での作劇を1話目から落とし込むことが可能だった。これはもしかしたら原作者ですら叶わなかったかもしれないアドバンテージである。個人的には紅葉のキャスティングなんかに「あぁ、それでかぁ」という納得感があったのが面白かった。

 そうして最後まで見えている状態で作られた「新生フルバ」は、前作に比べて圧倒的に「少女漫画」になっていたんじゃなかろうか。前作はイメージとしては「童話」とか「おとぎ話」に近いイメージだった作品なのだが、今回はキャラクターデザインなんかも合わせて中心に「少女漫画」を置けていたように思うのだ。まぁ、久しぶりに見るとやっぱり後半の展開はエグい部分が多いのだが、そういうドロドロを描いてこそだと思うし、必要以上にドロドロしすぎないように配慮しつつ、しっかり中心人物たちの内面まで抉っていく作劇になっている。個人的には、今作を観たおかげで原作読了時よりも慊人のことがずっと好きになった気がする。改めて、彼女が主人公だったんじゃないかと思えるくらいに。

 そうした際どいバランスを成立させるのは多数登場するキャラクターがちゃんと「個」として成立した上で物語に絡めていたおかげだと思うのだが、やはりその中でも透くんの善性ってのは異常だなぁ、というのも感じた部分。こんなキャラクター、どう考えてもあり得ないので下手したら浮きまくるはずなのに、周りのキャラクターが一丸となって「本田透」を作りに来ているので、彼女を中心としてフルバワールドが広がっているのがよく分かる。その上で、「透くんを通した世界」からそれぞれのキャラクターに善性が還元されていく配置も見事である。みんなが苦しんで、みんなが戦って、みんなで幸せになる。そんな虫の良すぎるお話が、こんなにも綺麗に見えてしまうだなんて。

 改めて、スタッフのみなさまには本当に感謝したい。今後も、名作のリメイクに挑もうという業界関係者には本作を参考にしてもらえばいいと思う。

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「髭を剃る。そして女子高生を拾う。」 5→5

 女の子が可愛ければそれでいい。そういうアニメである。ということは、沙優ちゃんがかわいいのは間違い無いのだから、それはそれでよかったんじゃなかろうか。一ノ瀬ボイスで貞操観念のユルい女子高生が可愛く無いわけがない(今期2度目)。

 「そもそも犯罪じゃねーか」と言われればもちろんそうだし、それを擁護するような展開になるならそりゃ恋と呼ぶには気持ち悪かろうが、考えてみりゃ世に溢れる娯楽の中の空想ファンタジーには犯罪行為など溢れかえっている。人は罪を犯してはならぬと知っているからこそ、フィクションの中にその代償行為を求めるのだ。ミステリだってそうかもしれないし(まぁ、別に人を殺したいわけではなかろうが)、エロもグロも、現実ではお目にかかれないものをフィクションで見るからこその刺激である。本作はそんな「やっちゃいけない行為」を焦らしプレイのごときエロ方向にチラつかせて展開するお話であり、いわば「超薄めて気を持たせるエロ漫画」である。18禁マークがついたエロ漫画だったらあんなことやこんなこと、それこそ犯罪にも異常行為にも平気で手を伸ばせるが、そこまで行かずとも充分に「代償行為」は行えるだろう、ってんで寸止め状態にし、「女子高生、拾えたらいいのにな」を実現してみせた吉田さんのお話なのである。そりゃ、俺だって家に帰ったら可愛い一ノ瀬ボイスの女子高生が味噌汁作って待っててくれたら嬉しいよ。当たり前だよ。そんな可愛い子を家に置いときながら、「順法精神にしたがって手をださない俺かっけー」って悦に入りたいよ。性欲よりも何よりも、優しさを見せるお前カッケーって言われたいよ。……まぁ、多分そんな願望よりも「女子高生に手を出したい」の方が勝つとは思うけども。そんな絶対に現実には起こりえないタラレバを満たしてくれる作品。別に、それは他の娯楽と大差ないではないか。

 あとはまぁ、そうしたタラレバにどれくらいニーズがあるかって話でね。今作の場合、禁忌であるという感覚を強めるために吉田さんが「真っ当な社会人」であることをことさらに打ち出し、そのせいで「真っ当な刺激」として追加ヒロインが2名も登場する。そして、こっちの2名の方がよっぽど「手ェ出しときゃいいのにね」っていうキャラになっているのである。結局吉田ハーレムやんけ。マウントの取り方が雑だなヲイ。まぁ、この尺、この中身で3人っていうのはヒロインの濃度としてはバランスが取れてるほうじゃないんでしょうかね。それにしてもキャリさん可愛かった。なんか、どのアニメを観てもだいたいキャリさんは不憫ポジになるな。

 ちなみに、個人的に今作で一番業が深いな、って思ったのは「市ノ瀬加那が傷心の旅に出る理由を作った自殺少女が石見舞菜香」っていう点。なんだその世界線。

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「さよなら私のクラマー」 4→2

 個人的には、文句なしで今期ワーストを争う作品。一応対抗馬が存在しているが、総合的なポテンシャルを考えると、今作の絶望がナンバーワンでいいんじゃないかと思う。

 罪状は無数にあるが、個人的にどうしようもないと思っている点を3つあげよう。1つは、あの「四月は君の嘘」の作者の作品とは思えない扱い。「君嘘」が名作であることは論を待たないが、同じポテンシャルを持つはずの漫画原作を、よくもまぁここまで魅力のないアニメーションとして世に送り出せたな、というのが大きな欠落の1つ目である。まぁ、原作を読んでいないので(君嘘も読んでない)もしかしたら「原作漫画のクオリティがめっちゃ落ちてたからアニメもそれに準じた」という可能性もゼロではないが、それにしたって取り戻せる部分はいくらでもあったはずだ。とにかく作画がひどいことは大前提として、貧弱な作画リソースで埋め立てるためなのか、それとも元来その程度のものだったのか、コンテ演出も含めてまったく魅力を感じさせない。脚本部分についても、ただ淡々と試合が経過していくだけで今作からサッカーの面白さを感じ取るのは無理だ。そもそもサッカーアニメってのはハードルの高いジャンルで、瞬間瞬間を切り取って描くアニメーションの技法をもって、90分の長丁場を常に緊張感を持って動かし続けるサッカーという競技を描くのは難しい。過去にもたくさんのサッカーアニメが作られたが、「キャプテン翼」みたいな別方向にかっ飛ばした作品でなければ、なかなかアニメの面白みに結びつかないのだ。そんな難題を、よくもまぁ、こんな脆弱な製作体制で受けようと思ったものだ。

 2つ目の罪状は、言うに事欠いてここからさらに劇場版につなぐとか抜かしてる部分である。私は絶対見に行かないので関係ないが、マジでどの程度の勝算のあるメディアプロジェクトだったのだろう。完全に主観だが、私のように原作を知らなかった人間で、このアニメを観た結果として「おっ、劇場も気になるから観に行ったろ」と思う人間はゼロだと思ってる。こんな形でアニメ制作のリソースが浪費されていくことは、アニメを愛するものとしては義憤に駆られる事態である。もしかしたら劇場版の方はがっつりリソースが割かれて格段にクオリティが上がっている可能性もあるかもしれないが、それならなおのこと、地上波アニメでその魅力を発信しなければならなかっただろう。こんな片手間仕事で受けていい案件じゃない。

 そして最後の3つ目は完全に私怨だが、「黒沢ともよ・悠木碧・島袋美由利の3大ヒロイン」とかいう夢のようなキャスティングを、よりによってこんな形で浪費したことである。それぞれに爆発物と言っていいポテンシャルを持つ3つの才能。その共演がようやく実現し、それぞれが個性をぶつけ合う最高の舞台だと思ったのに、役者の演技が全て上滑りするような映像と脚本。何もかもが台無しだ。最高の素材を用意しておきながら、それを無下にした罪は万死に値する。

 やっぱり個人的には最後の一件の恨み節が一番大きいのだが、まー、各方面にひどかったのは間違いなく事実である。現代アニメは、まだこんな所業が許されるもんかね。

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「ゾンビランドサガR」 6→6

 きっちり仕上げてきましたね。毎週感想書いてたので改めて触れる必要もないが、「2期もののプレッシャー」をしっかり受け止めた作品になったんじゃなかろうか。

 1期の際には、やはり「ゾンビ+アイドル+佐賀」という全く意味の分からない足し算の物珍しさから始まった作品だったと思う。「なんでそれを足すんや」という興味を引いて視聴者をつなぎとめ、1クールの中で「なるほどこれはゾンビだ」「なるほどこれは佐賀だ」「なるほどこれはアイドルだ!」という落とし前をつけ、それぞれの要素で責任を果たした。今回も同じように3つの要素に責任を持つ必要があったわけだが、その上で、今度は物珍しさによる補正が使えない。そんな状況で何を見せるべきだったのか。それがきちんと活きた。

 一番強く押し出されたのが「アイドル」で、要所で展開されるライブシーンは間違いなくこの作品の看板。結局、「死してなおアイドル」というのが一番のフックの強さなので、そこで異次元の気迫を見せてもらえれば、それだけでおよそ必要条件を満たすことができる。そして今回は「ゾンビ」要素をシリアスめにするシナリオラインに盛り込み、程よいアクセントとした。個人的にはやっぱりゆうぎりエピソードをがっつりやってくれたことでそのあたりに広がりが見えたのは嬉しいところだ。まぁ、冷静に考えると最後まで核心の説明はなされていないわけだが、今後ともフランシュシュが活動を続ける上で、やはり「可能性」は残しておいた方がいいだろう。その部分に関して、投げっぱなしだとかいう不満は特に無い。まぁ、「物珍しさ」という武器がなくなって何か物足りないと感じる視聴者もあったかもしれないが、2期ものでここまで破綻なくニーズを押さえにくる配慮は、充分に評価に値するんじゃなかろうか。

 まぁ、もちろんそうなっちゃったからには3期が無いとみんな納得しないわけだけどね……次は何年後かなぁ。その時まで佐賀が残っていることを祈りましょう(なんの心配だ)。

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「イジらないで、長瀞さん」 5→5

 当初の想定の上にも下にもほとんどブレなかったという意味では安心の作品だが……もうちょい冒険要素があっても良かった気はする。

 エロのクオリティは安心してたし、作画部分は安定していたので雑多なラブコメとして必要な要素は満たしていたはず。長瀞は動きの愛らしさで魅せる部分もあるので、アニメ化されたことにも意味はある。ことに3人娘あたりは声がついてうるさくなってることで存在感が増し、ただでさえ登場人物の少ない作品に彩りを添えていた。

 ただまぁ、「結局ラブコメとして普通になっちゃったなぁ」という肩透かし感があるのも事実。長瀞、デレが多くなりすぎるとアイデンティティが崩壊しちゃって作品の意味がなくなっちゃうんだよね。最後の展開がよりにもよって「ライバル登場!」なので、あんまりツン要素というか長瀞要素を出す余裕すらなくなっちゃうのよね。猫目モードになると「マジな長瀞」になるわけだが、後半は長瀞がキレ散らかすシーンが多くなって、「あの長瀞がマジになっちゃってるよ」というギャップ部分の旨味が薄くなるし。まー、あんまり長期化することを想定していなかった作風ではあるよなぁ。

 しかし、部長と長瀞をキャスト表と合わせて並べた時の胸囲の格差社会がどうにも……。

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「美少年探偵団」 4→4

 あいも変わらず。この芸風でこれだけの数の作品を打ち出し続けられるのはすごいとは思うけども。

 久しぶりの「西尾維新×シャフト」の黄金タッグ。ひたすらネームの多い西尾維新脚本をアニメにするというのはいってしまえば無茶振りで、常識的な画作りは成立しない。しかし、それを圧倒的文字情報のコラージュという形のウルトラCでクリアし、さらに独自に美術性からオリジナルの作品にまで昇華したのが「化物語」シリーズであった。クセがすごいものがもう1つのクセと出会い、奇跡的なマリアージュを見せたわけだ。しかし、如何せんこの奇跡的な噛み合わせはマニュアルにまとめられるようなものではない。「化物語」の時には尾石達也というこれまた際立った才能が強引に全てを丸め込み、新房演出という道具立てに異次元の活用法を見出した。そして、こればっかりは個人の裁量。なんらかの勝利の方程式は完成していない。

 今作は、そうしてシャフトが蓄積してきた西尾維新の御し方マニュアルをなんとかまとめあげてアウトプットしたもの。映像部分に関してはかなり頑張っているし、「美少年」がテーマとなったお耽美なデザイン性はなかなかの際立ち。そういう意味では、狙った通りの作劇には成功しているだろう。シャフト的な空気を味わいたい、という目的は達成されたと思う。そして、私はそれなりに「シャフト的な空気を味わいたい」という欲求もあったので、それはそれで満足している。ただ、残念ながらそうして彩られたお話が、あんまり面白くないのである。西尾維新のいつも通りの手管で、本当に意味のない文言を垂れ流してとにかく盤面を埋め尽くそうとする筆致。いわばこけおどしでしかないこの作風で「日常の謎」に属する諸々のミステリを解明していく筋立ては、やっぱり実入りが少ない。謎に魅力が乏しく、解決にも魅力が乏しい。全体的に「どうでもいいやん」という謎に対して、「どうでもよかったじゃん」という解法を見せる。その間、あーでもないこーでもないと謎を転がす手つきも、本当にいつも通りの西尾維新なのでとにかく無駄口の連続。歩いて3分で着く目的地にセグウェイで1時間かけて移動しているような、そんな作りである。

 まぁ、そうしてひたすら回り道をしている間を独特のビジュアルで彩る展示会みたいなものだと思えば、その無駄な長さにも意味はあるのだろうが……ちょっと惹かれないよなぁ。一番残念なのは、美少年探偵団の団員のキャラの魅力があまり感じられないところ。団長と眉美は良いのだが、残りの連中がおまけみたいにしてくっついてるだけで主張が足りないのが勿体無い。本当にクドいキャラ設定を盛るだけ盛っておいて別に使わない。この辺も西尾維新の悪癖だよなぁ。まぁ、そうしてクドくなった罵詈雑言幼女とかは割と好きなキャラだったけども。

 まー、観ていてしんどくなることは多いのだが、それでもどこかでこれを求めている部分もあるのは事実だったりする。続編作って、とは言わないが、また別な形でこの座組みを進めてもらうのは構わないのである。是非、シャフトはシャフトスピリットを忘れずに持ち続けて欲しい。

 

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「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」 4→2

 今期ワーストを争う作品。一応、強力な対抗馬がいるので(もう少しあとで登場)優勝は惜しくも逃したかもしれないが、こちらもがっかり感というか、視聴時に沸々と湧き上がる虚無感では負けず劣らず。何故、こうしたアニメは作られ続けるのだろうか。

 とにかく「見るべき点がない」という、取りつく島もない作品。わざわざ20年以上もの時を超えてリブートしたコンテンツだったはずなのだが、何のために帰ってきたのかがよくわからない。「うしおととら」や「封神演義」がリブートする価値がある作品だったというのは間違いなかろうが、今作の場合、もともとのタイトルが20年の時を超えて改めて作り直す価値を持っていると判断されたのだろうか? まぁ、私はあまり知らないのでその判断を責めることはできないが(知ってても出来る立場じゃないが)、プロジェクトとして立ち上げたからには、せめて令和の時代に放送する意味のある作品にして欲しかった。内容はスカスカ、作画はボロボロ、何を見せたい作品なのかが全く分からないという完璧なダメアニメである。

 作画のへなへなさに関しては、最悪「まぁ、企画立てた人はそこまで責任持てなかったかもしれないし……」と言い訳が出来るかもしれないが(いや、それはそれで問題だが)、そもそもシナリオ部分で何がやりたかったのかが分からんのが凄まじい。あまりにもふわっとしすぎる「大宇宙の運動会」の設定、何一つ魅力が無いのである。競技の中での機微など無いし、「宇宙の女の子」にやらせる意味がない。競技があまりに突飛だったらその部分をギャグとして受け入れる手段もあったのだろうが、単なる長距離走とか、単なるSASUKEとか、数人の女の子が「適当に体力の多寡で勝負が決まるよ」というフィールドを走っている姿を延々見せ続けられて、どんな盛り上がりを感じろというのだろう。スポーツアニメをなんだと思っているのだろう。

 オリンピックの裏でうごめく政争や国際紛争(今作の場合は星間紛争)の方をメインテーマだとみなせば「運動」会の方は雑でもごまかせるかもしれないが、残念ながら政争の方はもっと適当である。個人的には、序盤の「何回も車に爆弾おじさん」のくだりで1クール分は笑ってしまったので、そのあとはただ虚無の表情で見守るしかなかった。イメージする「宇宙時代」の設計がガバガバすぎる。この内容で「大運動会」を名乗られてもどうしようもない。

 こうなると、あとは中の人の話題とかで盛り上がるしかなくて、「わぁい、ここにもイカれた種さんがいる」という部分だけが慰め。精神的に早見沙織を責め続ける種﨑敦美の図、実にカルマ値が高くて良い。あとはまぁ、諸星すみれ・富田美憂という激烈若手同世代コンビのコラボを見守ったりとか……この座組みを無駄遣いしてる時点で罪状が重い。

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「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」 4→4

 今作で改めて思い知らされるのは、「田村ゆかりという存在は、何か概念的な極へと至ろうとしているのだろう」ということ。「井上喜久子」も概念に成り果てた役者の1人だと思うが、全く別ベクトルで、「田村ゆかり」という概念は未来永劫変わらないんじゃないかと思えるようになってきた。ちなみに、奇しくも同じような畏怖は「堀江由衣」にも感じる。

 全くもって毒にも薬にもならないアニメ。ただ、冷静に考えれば世に溢れる娯楽なんて、ほとんどのものは毒にも薬にもならないのである。本作は突き詰めた娯楽性に迷いがなく、「異世界もの」というジャンルにおいてはある意味で新しい作品になっていた気がする。多少ズレはあるが、「異世界+きらら系日常世界」って感じだろうか。わざわざいつも通りの適当設定で主人公にドヤ顔チート能力を与えておいて、それを使う方法がハーレム構築のみというのは潔い。なろう作品の匂いがキツくなる要因の1つに「ドヤ顔がキツすぎて見てらんない」というのがあるが、今作のように「そもそもドヤろうにも戦闘自体が無い」という作風なら、そこまできつい匂いのもとにはならない。まぁ、それでもやっぱり変なところで最強設定がうざったいことは多いが。

 最終的に「女の子しかいないハーレム設定」を突き詰めようという姿勢は正しいものだったし、アニメのクオリティもそこそこのレベルが維持されており、「愛でる」という目的ならば最低限のラインをクリアしている。惜しむらくは、どうにも生き急ぎすぎているというか、ヒロインの逐次投入が幾ら何でも性急すぎて展開が薄っぺらいというのが性に合わなかった。「ヒロインを追加することでのみ話が進む」というのはなんとも刹那的で、せめて既存のキャラをもうちょい掘り下げる見せ方があってもいいのに、と思ってしまった。最終回を見る限りは正妻ポジションはライカだと思うのだが、それなら「ライカ+アズサ」の段階でもう2、3本エピソードを入れておくとか、もっと情愛のこもるお話を見せて欲しかったのだ。まー、こればかりは本当に刹那的に展開して行くなろう媒体の宿命みたいなものなのだろうが……。どうしたってこの構成では視聴者目線でもキャラに愛着が湧きにくいのよね。

 ヤイヤイ文句は言ったが、なろう的導入を前提としつつも、そこに与えられる道具立てで何を描きたいのか、という部分に関しては有意義な部分もあった作品かもしれない。多分、2期があったら観てしまうと思う。いや、どんなアニメだって大抵は観るけども。

 

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