忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[305] [306] [307] [308] [309] [310] [311] [312] [313] [314] [315]

「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」 4→4

 結局何がやりたいのかよく分からんアニメだったなぁ。いや、やりたいことは分かるけどさ。和風ファンタジーの中でじっとりとひりつくようなドラマを展開するという、海外視聴者にも色目を使ったデザインを狙ってるのは間違いない。ただ、そのあたりの訴求力ってどれくらい意味があるんでしょうね。

 悪くない部分もあったと思う。個人的にはラス前に出てきた凛子さんのファイティングスタイルなんかは画面で見ていて面白いし、彼女の激闘っぷりは動画部分でも映えていたと思う。雪村が刀一本(と傘?)で戦うストロングスタイルなので、なかなか殺陣だけでバリエーションを作るのが難しい中、時代背景もシステムもガン無視したような凛子さんの兵器っぷりは見ていて楽しかったですね。翻って、中盤までに出てきたモンスター連中はどうかというと……なんか安っぽいCG臭がどうにも鼻について……せっかく画面に濁しを入れた「墨絵風」というか「エセ和風」の雰囲気を見せていたのに、なんでそこは異世界ファンタジーしちゃったんだよ、っていう。ミスマッチを狙ったものなのかもしれないが、噛み合わせの悪さが気になるばかりであった。

 お話の方は、明るい要素ゼロで陰謀と宿命に翻弄されまくるヒロインのお話だし、あんまりどんでん返しの要素も無いので、基本的にはお話が進めば進むほどダウナーになっていくという見ていて辛い状況。悲劇の中にも色々とバリエーションがあればいいのだが、基本的には雪村が「死にてぇなぁ! 殺すけど!」みたいなことを言いながら暴れまわり、殺してくれる人が出てきたら今度は「死にたくねぇなぁ!」って言い始めるっていうわがままなお話なので、どこに共感するべきかも悩む部分が多い。時代背景が嘘江戸(明治)で、生死を巡る社会通念が現代とどれくらいずれているのかもよく分からず、悲劇の尺度が見えにくいのもやや難。諜報組織が舞台になっているおかげで虚々実々の駆け引きが展開されるってのも見せ場の1つだったはずだが、「死んでたと思っていたけど生きてました」は1作品で1回までにした方がいいと思うよ。全体的に、「コンセプトを先に決めたけど、まぁ、シナリオラインは後からそれっぽいものをつけとけばええやろ」みたいな雰囲気が入り込めない原因だった気がする。映像部分も総体で見たらやや低調だったしなぁ。なお、今作を面白く見る裏技として「事前にジビなんとかを見る」っていう方法があり、あれと比べれば格段に面白いということはフォローしておこう(なんのフォローにもなっていない)。

 でもまぁ、シナリオ部分については「なんだかなぁ」と思っていたのは事実だが、例えば浅陽は最初から最後まで可愛かったと思うし、かっちりと強い意志を持った幼女が頑張っていたのは好印象。そういう意味で結末部分は割と好き。エレーナの身も蓋もないキャラも、終わってみれば案外愛着はある。1話目からずっと言ってることだけど、やっぱり中の人の謎の器用さがすげぇ気になるな。そして一番悔しかったのは、此の期に及んで凛子さんの登場時に「へぇ、この名古屋弁のキャストはいい仕事するな、いったい誰だろ?」と思ったら種さんだったっていう。なんでこの大分県民は名古屋弁のキャラが達者なんだよ。今期の種﨑キャラ、使命のために人を殺そうとする悲劇の殺戮マシーンばっかりだな。

 

拍手

PR

「七つの大罪 憤怒の審判」 ー→4

 とりあえず、最初にかけるべき言葉は「お疲れ様でした」なんだろうね。アニメにして全8クール、放送開始から数えて足掛け7年ほどのプロジェクト。とにかくゴールまでたどり着けたということは、明日も分からぬこの業界ではなかなかに立派なことなのではなかろうか。まー、まだ劇場版が残ってるらしいので完全に終了ではないのだけど。

 この第4期のスタート時点でもう私はさっぱり追いかけられておらず、「途中でやめるかもしれない」と予防線を張っていたのだが、なんやかんやで録画行為は最後まで持続することができた。今期分は想像以上に凄まじい展開になっており、いってしまえば「2クールの間、毎回最終回」みたいなとんでもない脚本だった。いやマジで、ラスボス多すぎね? ってぽかんとしながら見続けてましたからね。1クールでラストになると思ったら2クール目に突入した時には「どゆこと?!」ってマジで困ったからね。分からないなりに追いかけているつもりだったけど、やっぱり最後まで分からない作品だった。でも、こんだけ潔く少年漫画的エッセンスだけで埋め尽くして走り抜けられたんだから、考えようによってはすごく偉い作品である。

 そうしてこれまでの全ての関係者にお疲れ様、という意味では良い幕引きだったとは思うのだが、それでもやっぱり、3期4期あたりで顕著になった作品クオリティの低さはどうしようもない残念さだった。夕方アニメだから低予算でもいい、とかいう免罪符はないと思うんだけどなぁ。曲がりなりにもマガジンの看板を勤め上げた作品なのだから、アニメ製作にもっと予算と気を使ってあげればよかったのに。同時期に放送されていたからどうしても比べてしまうのはジャンプで長年看板を任されている「ヒロアカ」。放送枠の違いもあるけど、あちらは看板の名にふさわしいクオリティで毎回がっつり見せてくれる良質なアニメ作品になっている。雑誌での立ち位置は似たようなもんだと思うのだが、ジャンプとマガジンというだけでこれだけの差になってしまうのはなんともかんとも……これが資本主義の姿なのか(予算規模がどんだけ違うかは知らんけどな)。

 まぁ、そんな風にくさしてはみたけど、最後までやりきることの重要性は改めて訴えていきたい所存。途中で終わってるあの作品もあの作品も、ぜひ2期3期とやって走りきって欲しいところである。なんの作品について言ってるかは、各人勝手に脳内補完すること。

 

拍手

「聖女の魔力は万能です」 4→4

 ほんとに万能にする奴があるかバカ! というわかりやすいなろうアニメでしたね。女性主人公作品のなろうアニメも増えてきたけど、この辺りがスタンダードな1本なのかなぁ、という印象。性別が変わろうとも、なろう的な立ち回りが腹に据えかねるのは同じよね。

 1話目の時点でなんとなく鼻についていた「効果1.5倍」みたいなわかりやすい物言いが、どうにも世界設定に噛み合ってない感のある作品。「聖女」という主題があるんだから、もうちょい宗教色を強めにすればいいというか、ふわっとした「霊験」だけで威光を示す手段もあったと思うのだが、結局なろう的ステータス地獄から抜け出すことはせず、「ポーションがめっちゃ効く」とか「付与魔法属性がやたら多い」とか、目に見える恩恵ばかりを追ってしまうのでどうにも「強さ」の度合いが即物的なものになってしまう。まー、そうしないとせっかく呼んでくれた異世界人がすぐに恩恵に与れないからイライラするだろうし、「ステータスが色々高い」ということを示せばお話もサクサク進むわけだが、結局チートじみたステータスの高さで殴るだけの構図は変わらないので、それを少女漫画的サムシングに混ぜたところで飲み込んだ時の味わいはあんまり変わらないのよね。そういう意味では、「よくある定食メニュー」くらいの受け取り方でいい作品だったとは思うのだが……せめてアイラちゃんの扱い辺りで何かミラクルを見せて欲しかった。聖女2人設定、完全にこけおどしだったもんなぁ……。まぁ、だからこそ可愛かったと言えなくもないけども……結論:一ノ瀬ボイスのおどおど少女が可愛くないわけがない。

拍手

「ドラゴン、家を買う。」 4→4

 ま、こんなもんじゃろ。基本的に出オチ設定の作品なので、1話目を見た時点で「うーん」と思ったらそのまんまで走りきるしかないのである。

 別に嫌いな作品ではない。異世界設定に「住居探し」というネタを組み合わせるアイディア自体は決して悪いものではないし、キャラの立て方も決して通り一遍のものではない。1クールアニメとして「こういうネタもありだよね」と思えるくらいには楽しい作品だった。ただ、やっぱり出オチになるようなネタの置き方をするなら、もうちょい思い切ったオリジナリティの出し方はなかったもんかな、とは思ってしまう。もともと、ファンタジー世界で所帯じみたことをやるってのは「みんなが知ってるあの設定をそのまま使える」っていうのが武器になっていたわけだが、異世界ものがこれだけ増えてしまうと、ちょっとやそっとのいじり方では新鮮さにつながらず、陳腐さが目立つようになってしまっている。

 比較対象にするなら、アニメではないけど「ダンジョン飯」なんじゃなかろうか。あれはファンタジー世界に基盤をおいた時に「食の事情」がどのように変わるかというifの世界をしつこいくらいに掘り下げて描いた作品。今作はその「食」の部分を「住」に切り替えたものなのだから、同じくらいのディティールで描けば、充分に替えの効かない武器になったと思うのだ。それこそ建築の専門家の意見をがっつり取り上げたり、リアルの不動産屋と細かく打ち合わせして我々も知らないようなリアルな不動産事情を膨らませて描いたり、そういう方向性だ。ただ、今作はそこまでディープな「住」の物語になるのを良しとせず、「なんちゃってファンタジー」のおかしみを優先した。まぁ、それはそれで作品づくりとして正しい方向性だろうから文句をつけるようなものでもないのだろうが、アニメ化した際にはちょいヘタった作画の影響もあり、ライトなテイストが優先されて扱いは軽くなってしまった。

 でもまぁ、多分今作が辿り着くべきはこの辺りでよかったんじゃないかな。ピーちゃんは可愛かった。あと、ちょっと森本レオの滑舌が心配。

拍手

 オギャァン! 助けて! 第12話! もう、何もかもが繋がっちゃう……。私、嬉しかったり悲しかったりしてアニメ観て泣くことはしょっちゅうなんですが、悲しくもねぇのに訳も分からず涙出たの初めてかもしれん。

 どこがやばかったかって、そりゃもう、田中よ。どのキャラも際立ちまくる今作において、やっぱり俺の中のオンリーワンは田中。こいつだけキャラの造形がおかしくて、彼が動くだけでなんか俺の中の情動がヤバい。今回、いよいよ10億を巡る策謀が幕を開け、ヤノが先手、そしてドブが後の先を取る白熱の攻防。全てが狙い通りに進行して、軍配はやはりドブ側にあがる。そりゃそうだ、情報量も人数も完全にドブが上をいっていたのだから、どれだけヤノがしたたかだとて、この状況をひっくり返すのは難しい。大門兄の登場から、ヤノの化けの皮が剥がれるところの勢いがなんとも痛快で、登場から数週が経っているというのに、初めてヤノが韻を踏み忘れて取り乱してしまう様子が実に生々しい。いや、「普段から韻を踏み続ける奴」の時点で生っぽさはないはずなのだが……こんな無茶苦茶なキャラ造形が、この場面のためにあったのかよ、っていうだけで爆笑してしまった。どうせだったら関口の「韻踏めてません!」の台詞もいらなかったと思うんだけどね。視聴者目線からも「韻踏まなくなってる!」っていうのはかなりの衝撃だったから。こんな簡単に、「あ、ヤノは負けたんだ!」って分かる造形、意味わからない。

 そうしてドブが勝ちを確信し、小戸川の必死の「他人のふり」もさらりとかわして勝利宣言をあげる。しかし、そこで出てくるのが田中! そう、このシーンで待ち構える田中を見て「ここでの田中かぁ!」と飛び跳ねてしまう。そうだね、あのGPSは田中のものだね(入れた時にはすっかり忘れてた)。もう、田中が出てきて錯乱状態でものを言うだけでも緊迫感がヤバい。ドブが冷静に残弾数をカウントしていたというのがドブの狡猾さを下支えしている(彼にとって、銃の所在とその扱いは誰よりも重要なファクターだったのだろう)のに、我々視聴者は「埠頭での狙撃は田中じゃなかったこと」を知っているので、「ドブ! 違うねん! 撃てるねん!」とハラハラしながら見守る。

 その後の丁々発止のやり取りで、どうやら田中は錯乱しながらも自分の置き所が分からなくなっている様子が描かれ、ここまで「なんか半端に小戸川を付けねらってた割に致命的な行動とってなかったなぁ」という謎の答えがさらりと明かされている。小戸川もヤベェ奴の扱いは常識的に心得ており、「とりあえず謝ればなんとかなりそう」ってんでそれっぽい謝罪に臨み、「これで田中もおとなしく銃を収められる……」と思ったところでの呑楽消しゴムである。

 「ここで田中かぁ!」の上をいく「ここで消しゴムかいぃぃぃ!!!」という怒涛の連鎖。多分、私この辺で泣いてる。もう、何もかもが綺麗に並びすぎて泣いてる。その後の丁々発止のやり取り、流れるように進むせいでスルーしそうになるんだけど、ドブがけろっとした顔で「ゲームとかやってないし」って誤魔化そうとする手管とかあまりにもドブっぽくてエグいし、そのドブのばっくれをキャンセルしちゃったのが例の小戸川の能力っていうのも「どこまで伏線繋げてくんだ!」って気持ち悪すぎて気持ちよくなってくる。ドブさん、そんな昔から小銭稼ぐ商売してなければこんなことにならなかったのに……。今更ながら英語の「ditch」を調べたらまんま「溝・どぶ」って出てきて絶望したわ。

 全ての感情が煮詰まって文字通りに「引き金を引いた」田中。そしてドブも退場することになり、最後の一幕は小戸川とヤノの後始末となるか。いやいや、まだ小戸川についての謎は一切解決してないもんな。剛力先生がここにきて何を伝えてくれるのだろう。白川さんの未来はどうなるのだろう。そして今回急転直下、あまりに切実なホモサピエンスの行く末、それに連なるミステリーキッスの将来、そして大門兄弟の未来……。次回のタイトルは「どちらまで?」。ねぇ、このタクシーはちゃんとお客を目的地まで連れて行ってくれるかい?

 

 

拍手

Vivy -Fluorite Eye’s Song-」 6→8

 良いアニメになりましたね。僕はとても満足している。また1つ、種﨑敦美ヒストリーが人類の規格の外へ飛び出していくのである。

 毎週感想を書いていたので今更何かを追加するものでもないが、こうしてアニメオリジナル作品がかっちりとした手堅い出来になったのはなんだか久しぶりな気もするので、それだけで割と嬉しい。しかもかなり滑りやすいジャンルである「アンドロイドと人間の関係性を描いたSF」で、いい具合に落とし所を見つけてくれたというのは渋いながらも評価されるべき点なのではなかろうか。今作の最初の感想で「プラスティック・メモリーズ」の話とか「仮面ライダーゼロワン」の話とかを出して「AIの心のお話、絶対すっきりしない説」みたいなことを提唱していたのだが、なるほど、「心の有る無し」を問題にしない一番手っ取り早い手段は、アンドロイド自体を主人公にしてしまえばよかったのか。今作のヴィヴィの苦悩と葛藤を見て、「心があるかないか」なんて問題は全く意味をなさないものね。

 タイムトラベルを巡るSF設定についてもうまいこと「ごまかして」いるのでそこまで気にならなかった。まぁ、最後に「泣きのもう1回!」みたいなことになった部分に関しては「脚本原作者が死に戻ることに抵抗なさすぎるのでは?」なんてことも考えたが、まぁ、理屈の上では別に問題ないんだよな。100年飛んでる全体があるんだから、そりゃ数日戻すくらいの猶予があっても構わんだろう。そうした部分がとってつけたような展開になっちゃ減点要素にもなるが、今作はそうした「時代の繋がり」に関するあれこれをうやむやにするために、わざわざ100年という時間の幅を設けたのだろう。こんだけ長い期間を戦い続けるタイムリープものというのはこれまで見たことがなくて(トータルの経過時間じゃなくてループ1回分の話ね)、ここまで長いとバタフライなエフェクトがどうこうとかいう部分もあまり気にならなくなる(もうそういう尺度の問題じゃなくなる)し、事件が起こるタイミングを10年単位で区切っていくことにより、いちいちステージが変わるので伏線の仕込みが大雑把でも気にならなくなり、経過時間の長さのおかげで勝手に壮大さまで感じられるというおまけ付き。なるほど、かなりおいしい設定になったもんだ。作中で描かれた事件なんて最初の旅客機墜落をカウントしても5つくらいしかなくて、それぞれの事件に設定される要素も多くはないので全体像が見やすくなっていたのは脚本構成の手柄だろう。1クールアニメという、普通なら縛りになる尺を、うまいこと「強制的に視点を改める区切り」として機能させている。こんな時代だからこそ、まだまだ地上波アニメのデザインというのは可能性が残されていることを感じさせてくれる作品だ。

 映像部分に関しても気合が入っており、はっちゃけアンドロイドアクションがダイナミックなのはもちろんだし、それぞれのキャラの表情の作り方も丁寧。特に、今作で最も特徴的だったので個人的に「ヴィヴィ的カット」と名前をつけたいとすら思っている「眼球部分のズーム」の使い方が抜群にうまい。必ず1話に1回は入るあのデザイン、想像以上に様々な効果を発揮していて、1番の効果はあのカットの止め絵だけでもとにかく筆の数を増やしてディティールにこだわることで、なんとなく作品全体の作画がすごく高品質に思えるということ。いってしまえば看板詐欺みたいな手法で、実はよく見ると今作は不必要なところでの作画枚数はそれなりに省エネな部分もあるのだが、必ず要所で「おっ」と思えるあのカットが入ってくるので、その度に「やっぱ綺麗な作画だなぁ」と思ってしまい、他のカットで「休む」余地が生まれるという。また、ヴィヴィの眼球アップは彼女が機械であるということを嫌という程思い出させるという効果もあり、冒頭で書いた通りに「もう、こんだけ感情を持って動いてたら人間と一緒やんけ」というツッコミに対し、「いやいや、それでもやっぱり彼女は機械だから」という念押しを挟み込み、本作の中枢部分をブレさせないのである。もちろん、そんな彼女の目に見える世界を反映することで、次々に歴史のバージョンアップを重ねていくという意味も含まれているだろう。とにかく、細かい部分で心情に訴えかける作劇がいちいち理にかなっている。

 改めて、お手本として提示されるべき1クールアニメだったと思う。こういう可能性を提示されると、今後もオリジナルアニメは全部触っていかないとダメってことになるので大変だけども……嬉しい悲鳴だと思っておきましょうね。

 

拍手

「恋と呼ぶには気持ち悪い」 5→5

 ちゃんと気持ち悪かったですね。最後には丸め込まれることは分かってるんだから、その間、どこまで「イケメンだけど気持ち悪い」を維持できるかって勝負だったと思うのだが、なかなかどうして、気持ち悪かった。

 正直、特筆すべきことはない少女漫画展開である。イケメンだったら何をやっても大丈夫、というか、少女漫画世界のイケメンはイケメンな上に誠実なので基本的に外野は太刀打ちできない。これにさらに稼ぐ能力まで持ち合わせた完璧超人が主人公とあっては、そりゃどんだけ頑張ってもクラスメイトの男子高校生が太刀打ちできるわけもない。半端にいい奴で理解力が高いだけにさっさと手を引く選択をした彼があまりに不憫であった。

 ただ、そうした「誰がどう見てもそうなるやん」と分かっている展開の中にあっても、「気持ち悪い」というタイトル要素がかなり頑張って維持されてるってのはわざわざ今作を視聴するための大きなモチベーションになる。女性目線で今作をどのように見ているのかはどうあがいてもわからないのだが、男目線では、「気持ち悪いと罵りながらも少しずつ陥落していく女子高生」を楽しむものであり、「気持ち悪さもいつかは美徳になるのかもしれない」というよく分からない儚い希望を持って、冷たい視線にドキドキすれば良いのである。うん、一花ちゃんは空気を読んできちんと拒否できる良い子。そして今作の場合、周りの人間にもすごく恵まれているというのが大切なポイント。人格に難を抱えているキャラクターって、強いてあげるなら有馬家の親父さんくらいだと思うのだが、あの親父さんも決して単なる悪役ではなくて、「人の親ならしょうがないかな」という範疇に収まった敵キャラだからね。気づけば周りの人間はそれまでの亮の遍歴も忘れるわけではなく、それを踏まえた上で「女子高生とよろしくやればいいじゃん」というスタンス。そこに至るまでに、ちゃんと必要な手順は踏まえていただろう。結局、恋愛ってのは根気の勝負なのだなぁ。

 女子高生は拾わずに、きちんと正面からのお付き合いから始めましょう。

 

拍手

「戦闘員、派遣します!」 5→5

 お気楽ファニー作品。後を引く部分も特にないが、さっぱりと終わってくれると切り替えは楽でいいですな。

 点数で見れば「このすば」には及ばないが、まぁ、作品の立ち位置が違うので当然といえば当然か。作者の中でどういう扱いなのかは分からないが、今作に見え隠れする特性がうまいこと一点突破型で突き抜けた上で、アニメ製作にも恵まれて一気にブレイクしたのが「このすば」であり、今作はその習作みたいな扱いだったんじゃなかろうか。あんまり比較しても意味ないのかもしれないが、やっぱりこの順番で見せられた視聴者はどうしたって比べてしまい、そこになんらかの理由を見出したくなるもの。見当はずれなのかもしれないが、やっぱりその辺りのポイントをいくつか確認してみたい。

 本作で一番勿体無いと思ったのは、それぞれのヒロインの際立ちである。私は1話目視聴後に「ヒロインが美味しいポジションなのは相変わらずだな」と書いているのだが、その時に「ヒロイン」と名指ししているのがスノウなのである。まぁ、そりゃ素直に見たら駄女神ポジションはスノウに決まってるからね。ただ、実際にはスノウはあくまで「数多のヒロインの1人」であり、ウェイトで言えばロゼやグリムと大差ないし、盤外にはアスタロト様みたいな特別な存在もいる。6号と誰の関係を中心にいじるかというのをはっきり定めずに「悪行ハーレム」を構築していったため、良い言い方をすれば満遍なくいろんなキャラを楽しめるようになっているが、嫌な言い方をすれば浅く広くで止まっている。このすばのあの濃度と練度はやはりアクア・めぐみん・ダクネスという3人のヒロインにあらゆる残念要素を詰め込んでネタ化している部分にあると思うので、その分だけ鮮烈さでは劣る。もしかしたら今作でのスノウの立ち位置に磨きをかけて先鋭化させたのがアクア(&ダクネス)なんじゃないかと勝手に思ってるんだけど、実際の製作理念はどうなんでしょうね?

 また、これも状況としては裏表の関係だが、6号の主人公設定にはまだまっすぐさが残っている。普通に戦闘力が高く、紳士的な部分での格好よさが案外見え隠れしたりする。すけべで無責任で怠惰であるというクズ要素はたっぷり持ちながらも、一応、ハーレムを形成するにたる魅力を持った人物として描かれているわけだが。その辺りは純正クズニートのかじゅま様とは一線を画すだろう。まぁ、カズマはカズマで格好いいところを見せたりもするのだが、やはり彼には3大ヒロインと渡り合うだけのゴミクズっぷりが不可欠。6号の見せる男前ポイントは、まだまだなろう的なニュアンスを残した部分だったと見ることができるだろう。

 もちろん、そんな6号もクズであるという部分は疑いようがなく、それこそこのすばで爆発するギャグリソースの根幹はここで築き上げられたのだとも言える。6号が持っていた「悪」という便利な免罪符すら奪い去り、全ての要素を人格に還元させたが故に逃げ道を失った純正クズのカズマは、悪行ポイントの代わりに人並み外れたラックという武器を与えられた。もう、ネタにするなら余計な理由などつけず、理不尽なくらいに勢いに任せてしまおうってことだ。そう考えると、6号が加速した最後の弾丸が、もしかしたらカズマという天性の英雄を生み出したのかもしれない。そう考えると、やはり興味深い作品であった。

 なお、最終的に私が一番好きなヒロインはリリス様。

 

 

拍手

「セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-」 5→5

 今作最大の難点は、タイトルを声に出して読もうとするとどうしてもイントネーションがゴー☆ジャスっぽくなってしまう部分である。そォれ!

 えっとね、案外嫌いじゃなかった。そこまで奇をてらったデザインでもないし、「まぁ、そういう感じやろな」くらいのお話ではあるのだが、要所要所でしっかり視聴者を手放さないような展開を用意してくれていたおかげで、ソシャゲアニメで陥りがちな「もうこれ、観なくてもいいじゃね?」というトーンダウンが発生せずに済んだ。いちいち「へぇ、そういう展開になるのか」となんとなく気にさせてくれるバランスはソシャゲやらなんやらを抜きにして、ファンタジーアニメとしては模範的な構成だったと思う。具体的にはありがちな「敵キャラ3人衆」的展開が嬉しいレダの扱いとか、毎度おなじみ(?)ソフィーティアさんの逆転劇とか、満を辞して前に出てくる主体性のない女とか、きちんと「一本のお話を作るよ」という責任感が感じられる。そりゃまぁ、全編通して「どっかで見たことはあるわ」と言われたらそれまでだが、別にどっかで見たことがあることは減点要素にはならないのである。「見たことある気がするけど気になるからやっぱり見るわ」になれば勝ちだ。個人的には「オルタンシアサーガ」と似たような立ち位置ではあるが、全体的な均整を考えるとこちらの方が評価は高いかもしれない。

 作画もそれなりのラインで安定していたし、女の子が可愛らしい部分は積極的に打ち出せていたというのも評価を支えるポイントになるだろうか。推しはレダさん(キャラデザのやけっぱち感が好き)だが、やっぱエレンさんの美味しい立ち位置も見逃せないだろう。最初は百合キャラまっしぐらっていう意思表明なのかと思っていたが、まさかそんなバックグラウンドを抱えていたとはね(そして綺麗に百合的ゴールインに帰結するという)。あと、これは完全に中の人の評価になりそうだが、ソフィーティアさんは登場時からそこはかとなく「私、怪しいキャラですけどね」って雰囲気を匂わせているさじ加減はうまい。包容力のキャラに振るか、腹黒ラスボスに振るか、そのあたりの変幻自在のプランは圧巻の17歳である。人として生まれたからには、定期的に悪い井上喜久子を摂取したくなるもんですからね。まぁ、今期はどこぞのピエロもいたのでやや過剰摂取気味ではあったけど。ちなみに私が初めて摂取した「悪い井上喜久子」は「キディ・グレイド」です。なんで今作の感想が最終的に17歳トークになってるのかは謎。

 

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[02/11 NONAME]
[02/06 NONAME]
[01/30 NONAME]
[01/27 デュッセル]
[01/21 デュッセル]
バーコード