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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 矢野さん……第12話……。1キャラのちょっとした回想にこんだけのクソデカ感情抱えたキャラクター生み出すの勘弁して。ちなCVはたかみな。考えてみりゃこいつもクソデカ感情生成装置みたいなところあるのよ。

 なんというか、本当に当たり前のことなのだけど、「キャラクターが複雑な感情を持ってるのっていいな」って思っちゃうの。普段からアニメの大量消費でその辺りに一片のこだわりもないなろうとかをじゃぶじゃぶ浴びてるせいなのかもしれないけど、「人間って、属性1つでなんて表せるわけがないし、いろんな面を持ってるから難しいんだよね」みたいな当たり前の造形を見るだけで、すごく考えさせられてしまう。今作はその辺りの「当たり前の」造形がとても丁寧に作られていて、今回掘り下げられたのは山田彩子・渡辺さらさの2名と、その記憶に付随する「2人の人格形成に関与した人たち」である。ことに彩ちゃんの吹っ切れポイントを生み出した矢野さんのキャラクターが強烈。クラスメイトからビッチ扱いされてるんだけど本人は実は全くそんなことなくて、噂が一人歩きしているのを彩ちゃんだけは知っている。そしてそんな矢野さんが周りに流されるままにいろんな男との噂を作っているのにぼんやりと日々を送っていたというのに、その根底には隠された感情が眠っていたというお話。この関係性だけでも丸々1話分、下手したら3話分くらいの話が作れる内容だったと思うのだが、この「山田・過去編」をわずか10分足らずで描ききってしまった。おっそろしく贅沢な配置だし、それを10分でまとめあげた構造が恐ろしい。屋上のシーンでのジェットコースターのような感情、マジでキツいんすよ。矢野さん、その涙はエグいし、1つ1つの台詞回しの意図が辛いんすよ。山田ァ……いや、せめてお前は矢野さんの感情を糧に強くなってくれ……。

 そして、そんな覚醒山田を受けての杉本さんはこれまで培ってきたキャラを真正面から使いきっての王道勝負。こちらは素直な強さが光る。ちなみにどうでもいい話だが、杉本さん(の中の人)が山田を相手にして「彩ちゃん」じゃなくて「彩」って呼ぶのがすごく新鮮で、私の本当に罪作りな脳はまた別次元での勝手な妄想を掻き立てる。これは新しい○○○○像が確立できるのだが……まぁ、それは本当に無粋の極みなので今作視聴中にはなるべく脳内から抹消しよう。

 閑話休題、最後を飾るのはさらさの物語。渡辺さらさという女が単なる能天気パワー型主人公でないことはこれまでのエピソードからも証明済みだし、彼女の強さ、彼女の弱さが見事にこの作品に彩を添えているのは論を待たないが、今回もそんな彼女の繊細な葛藤がドラマを作った。彼女がいうように、まだまだ大人ではないけど子供とも言えない微妙なお年頃における暁也との関係性。暁也は暁也で悩みを抱えており、彼がさらさのことを思ってなかなか言い出せない秘密があることをさらさは知っている。それを良いことだとは思っていないが、さらさも別に暁也が嫌いな訳ではないし、彼の今後の人生がうまくいってほしいと思っている。自分のせいで彼が苦しむのはまっぴらごめんだと思っている。だからこそ、さらさは暁也に歩み寄る。勇気を持った一歩を、この機会に踏み出す。この「悩んだら行ける」一歩がさらさの強みよなぁ。きっと、彼女がこれまでの人生で抱えてきたもやもやは、ティボルトに力を与えてくれるに違いない。次回がひとまずの最終回ですかね。

 

 

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「カノジョも彼女」 6→5

 点数は下げたけど、初見の頃から印象はあんまり変わってないです。よくもまぁ、このネタだけで1クール走りきったな、と。原作はもっと走ってるんだろうからそれはそれで立派だし、ちゃんと成立してる作品です。

 最初に見た印象からの加点要素がなかったので、どうしてもマンネリ化というか、飽きがきてしまうのはしょうがないところなのだが、なんやかんやで毎回のやりとりはどこかクスッとさせられるところがあるし、基本的に不快な部分というのがあんまり無い作品なのでネガティブな感情は湧いてこない。あ、いや、理香の押しかけゴタゴタとかのタイミングは流石にちょっと心は離れたかもしれないけど。ただでさえアホが3人集まって始まった奇跡に、輪をかけたアホが入ってきちゃうとちょっとクド過ぎたというか。でもまぁ、その後の理香の着地したポイントも悪くないし、最終的には良いまとまり方になってると思う。

 あとは結局「二股ネタ」というのをどこまで忌憚なく楽しめるかっていう問題でね。前提条件として、アホ過ぎる直也のことをこれだけたくさんの女性が好きになっちゃうっていう状況をどれくらい認められるかなんだよな。「んなアホな」で冷めてしまっちゃうと結局全部茶番に見えるだろうし、「まぁ、一応男らしいところはあるから、そこをめちゃめちゃ拡大解釈してそこは良いことにしましょう」と認められれば、あとは狙った通りにギャグが進行するので飲み込みやすい。別に倫理面で悩む必要はあんまり無いんだよな。一夫多妻なんて人類の歴史の中では割と普通の形態なんだし。そこで悩んじゃうのは当たり前だが、結論として「アリ」に落ち着くのは特段無茶でもない。むしろこのまま3人なら3人で人生を歩むプランをがっちりしっかりと練り上げて、未来がどのように築かれていくのかを見てみたい気もする。これって渚ちゃんがずっとこのままの性格でいてくれるなら、直也は最終的に咲と籍を入れて、その上で渚ちゃんとの間の子供も認知して共同生活するみたいな形態になるんかなぁ。多分最大の問題は親御さんとの関係なんだろうけど、咲の母ちゃんはそのあたり柔軟そうだし、渚ちゃんちが通れば案外いけそう。まぁ、この世界でそんなん真面目に考えてもしょうがないんだけど。

 そうなるとやっぱり理香が邪魔なんだよな……「二股から三股へ(下手したら四股へ)」というのはギャグ漫画の流れとしては自然なのだが、がっつり真面目に考えていくと、流石にどこかで切らないと現実感が消滅してしまう。今作がどのような最終回を迎えるのかは気になるところだ。アニメ2期とかはなさそうだしなぁ。

 

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「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X」 ー→4

 映画化ねぇ……劇場版って、どんな中身やるんだろう。ただでさえ2期の時点でやること無くなった感が強かったのに……。

 「悪役令嬢もの」というジャンルを体現したわかりやすいタイトルについて、1期で全てを回収してしまったために2期では何をやるのかというのが分からない作品だった。新番チェックの時点でそのことは懸念していて、3ヶ月前の言葉を借りるなら「単にカタリナ・クラエスという1人の女性の人生の記録」でしかなくなった。タイトルから「乙女ゲーム」要素が用をなさなくなり、「破滅フラグ」も存在しない。さらに、誰一人としてカタリナを悪役だなんて解釈していないのだから、2期のタイトルは「令嬢に転生しました」になる。いや、転生要素もほとんど顧みられないのだからタイトルは「令嬢」かもしれない……逆に面白そうなタイトルだけども。いや、カタリナ自身が令嬢である自分を受け入れられてないし、もしかしたらタイトルは「無」かも。なんだかなぁ。

 別に「単なる都合のいいお嬢様ハーレム」が決して悪いわけではない。いわゆる逆ハーレムの状態だけが残り、脳死で見られるいちゃいちゃがあるなら「女神寮の寮母くん」と大差ないデザインと言えるはずだ。ただ、如何せん女性向けがベースなのでエロは無い。少女漫画の文法なんだけど、そんな中に逆ハーレムを形成する難聴系主人公を放り込むと、繊細な恋愛の駆け引きとかは無くなってしまうために少女漫画としての据わりが悪い。そう、結局タイトルが「令嬢」であるなら勝負どころはカタリナのキャラクターのみということになるのだ。そして残念なことに、1期は破天荒なキャラがそれなりに楽しめたカタリナも、こうして破滅フラグに悩まされることがなくなると単なる「なんかやっちゃいました?」系主人公に成り下がってしまった。鈍感っぷりが常軌を逸していて、必死に破滅フラグと戦っていたゲームプレイヤーとしての主人公像と完全にずれちゃったのよな。そんな「ズレた」主人公と、その周りを取り囲む賛美するだけの取り巻き。なかなか楽しむのにはハードルが高い。キャラデザとかは可愛い部分が維持されたままだったので、素材が活かしきれてないみたいで勿体無かったな。

 一番楽しめた部分はもう一迅社のCMなんじゃなかろうか。土おじさんフォーエヴァー。

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9月19日 ドラフト模様(MID×3)

ピック順 【Sangriter】→【Alessi】→【Chrolony】→【Mei】→【Tanaka】→【Logical】→【Thraxi】→

 

 諸君! 我々は帰ってきた!!!!

 最後のドラフト通信から早1年半。前回が2020年の3月21日って書いてあるから、マジでちょうど1年半。その間に数多の環境が我々の前を過ぎさり、惜しみつつも、主に「アリーナクソゲー」などと叫びながら日々を過ごしていた。しかし、そんなコンピューター頼みの年月を乗り越えて、帰ってきました紙のドラフト! リアルの対面!! 巻き起こる濃厚接触!!!(当イベントは政府の指導に基づき、感染対策に万全の注意を払いながら行われております)

 というわけで、この文面を書くのも1年半ぶりかぁ……俺、何書いてたんだったかなぁ……。残念ながら、今日からまた新しいドラフトの歴史が始まるというわけではない突発イベント。たまたま声をかけてもらい、たまたま集まることが出来た面々。どのように集まったかはあまり詳しくは書かないが、久しぶりのドラフトで7人はキツいっていうのが正直な感想ですね! よりによって初体験の環境だったしね! おじいちゃんが久しぶりにパックを開けての第一声が「カードの字ってこんなちっちゃかったっけ!?」だったのがワロタ。アリーナだと拡大表示が出来るからね……。あとピックの途中で言われた「サイドボードって概念があるんですよ」っていう衝撃の事実。……知ってたし。わかってたし。あれだろ、講義カード置いとくところだろ。

 さてもさても、久しぶりにピックに狂喜してみんなテンションが変だったので正直デッキのこととかあんまり覚えてないですよ。ガチでみんなして1年半以上の時を経てのリアル対面(中にはたまにつるんでた連中もいたみたいだが)。旧交を温めつつ、互いを蹴落とし合うドラフトのスタートだ。ただ、今回は会場の使用時間がリミットに達してしまったため、最後に数試合が行えず、順位が決定しない状態で解散してしまいました。そのため、一部の順位は不確定でお送りしております。

 

 


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「ピーチボーイリバーサイド」 4→4

 ピンとこんなぁ……結局何がしたいのかよく分からん作品だった。

 映像部分は悪くない品質。女の子はそれなりに可愛い子もいるし、エロい部分はエロい。ただ、今作はあんまりそこは問題にならないかな。不思議な構造になっているので謎が謎を呼ぶ展開だったのだが、これって結局、「ふつーのファンタジー作品だけど時系列をごちゃごちゃにしてみた」ってことでいいんだろうか。なんかお話が飛び飛びになっちゃうので、まず1話1話始まった時点で「今、何してるん?」というところから始めなきゃいけないのが大変。時系列シャッフルといえばその嚆矢ともいえる「ハルヒ」があり、さらに面白い事例として「プリンセス・プリンシパル」があったが、今作の場合、オムニバスで構成されているわけではないのでまずぶつ切りにしてつなぎ直すという手法自体があまりそぐわない。おそらく、山場となるバトルシーンを「いいところ」に持ってくるため、そして「人と鬼の関係」というのを色々な角度、色々な時点から俯瞰して最終的にサリーやミコトの存在がどのように着地するかを探るため、というのがシャッフルの目的だったと思うのだが、正直、「労力の割にペイせず、なんかひっかかる要素になっちゃった」という感じ。まぁ、構成した人が「普通に進めたらいまいちおもんない作品やなぁ」と思ったのだったらしょうがないのだが……。

 問題は、結局そうして下地にある作品「いまいちおもんない」からなのかもしれない。ダークファンタジーとしては興味を引く部分もあって、特にサリーの存在ってのは扱い方次第では結構オリジナル要素として目を引くものになったと思うのだが、着地点はやっぱり「鬼も人も仲良くできるんじゃない」というふつーのもので、サリーがそこに至るまでの心情を追うのがシャッフルも相まってぐちゃぐちゃになっちゃうと「もしかして、まだ間に何かあったのでは?」という勘ぐりが発生してしまう。視聴者目線で、まっすぐなラインが引かれたストーリーなら様々な要素の変遷を全て一本で処理できるが、今作みたいな構造だと、「つなぎ目」ができてしまうために、最終的に見えたラインはどうしても強度が弱くなってしまうのだ。そうなると、やはりドラマはぼやける。

 今期は「クール教信者クール」という謎のシーズンになったわけだが、今のところ3本の中では「あんまり興味が湧かない方」の作品になってしまった。残念。

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 あき先生のおっぱい……第10話。それしか呟かない朝風、逆にリアリティある。結局、付き合ってるだのなんだのと言われてるが、多分朝風はおっぱいに顔を埋める以外にはやってないんだろうな。それだけで満足してるわ。

 相変わらずどこから何が飛び出してくるか想像もつかない世界だが、今回はこれまでモブとしか思われていなかった1人の女の子を起点に話が進んだ。彼女の名は「骨折」。……いきなりすごい名前だが、ずっと骨折用のギプスをつけているので、そこからきたあだ名なんだろうな。いや、だとしてもすごいけども。とにかくそんな物騒な名前の彼女は、持ってる能力も、その運用方法も割と物騒であった。「他人の心が読める」なんてのは割とよくある(?)能力なのだが、彼女の場合は引っ込み思案な性格のせいもあり、それを一切他人には漏らさず、自分の中だけで使っていた。

 彼女の恐ろしいところは、そうして得た情報を特に活用するでもなく、それでいて能力を全否定するでもなく、あくまで日常的な感覚器官として平然と使用していたということである。これだけの能力があると、どうしたって他人との軋轢を生んでしまうので自然に心情が漏れ出て能力がバレてしまったりするものだが、彼女は自分だけが得られるその特別な情報に慢心もせず、恐れもせず、ただ淡々とそれを受け入れ続けた。たとえ目の前に片思いの相手がおり、そいつが何を好き放題にしゃべろうとも。本人は自分を大したことない人間だと言っていたが、この胆力はなかなか大したものだし、一歩間違えばクレイジーの領域である。

 そう考えると、今回も朝風は不憫ポジションだ。どういう巡り合わせか、骨折の能力はあき先生に看破されてしまい、これまでの骨折の他者との付き合い方がよりによって朝風にバレてしまった。当然朝風も我々と同じような感想を持つだろう。「こいつ、そんな状態で自分たちをいったいどんなふうに見てやがったんだ? 怖くね?」と。自分の情けない心の声も聞かれているし、必死に虚勢を張っていた矮小さが全て見られていたなんて、そりゃ朝風が死にたくなるのもわかる。負けず嫌いで必死に取り繕おうとする朝風だが、今回ばかりはもう、何を言っても無駄。大人しく折れるしかなくなってしまった。自分のみっともなさを認め、やけっぱちになったかに思われたが、そこに希がいたのは幸か不幸か。彼女の強い言葉で、朝風のこれまではギリギリで救われた……のかな。まぁ、これから先、少しは素直になれるかもしれないね。

 そうして朝風の精神的成長がちょいと見られた「断崖の世界」の謎を解決し、これで終わりと思われたが……落下する希、能力が発動せず、何かが切り取られたかのような朝風。この世界を巡る真理は、まだ先がありそうだ。

 一方で、長良たちはニャマゾンの設定から真理を追求している。やまびこ先輩がバラしちゃったのでニャマゾンのディティールが明らかになったようだが、その先にあるのは、「じゃぁ、瑞穂の能力ってなんだったん?」ということ。言われてみれば、ニャマゾンが3匹の猫それぞれの能力だとするなら、果たして瑞穂本人は……すっかり見落としていて、今までそんなこと考えたことなかったな。そこに何かもう1つのピースがあるのか……いや、でも流石にそれは都合が良すぎるんじゃないか?

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 なんとなく、夏休みが終わってしまったことの寂しさに耐えかね、「アニメ映画を観に行こう」ってんで観てきた作品。選択肢としてはこれと「なんちゃらそばかす」の2択だったのだが、まぁ、私が観るべきはこっちかな、と。私は細田守と川面真也だったら川面さんの方を信頼しているので。あと、某キャストが勧めていたことも理由の1つ。誰とは言わないが、舞台となっている岩手の文化大使を務めていて、Twitterでほぼ岩手情報しか流さない人。

 

<ネタバレとかは……あんまり気にしないでいい気もする>

 


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 ラストカット良いなぁ……良い……第11話。次回が最終回ということで、きっちり締めのエピソードに入りました。今回が最終回でも文句ないくらいなのだが、来週何するんでしょうかね。

 Aパート、小林の腰痛。奇しくも、私も先週あたりから謎の腰痛に悩まされていたので妙に気持ちがリンクしてしまった。ありがたいことに、私はこの歳になるまであんまり腰痛というものに悩まされたことがなくて、こないだ突然寝てるのもしんどいくらいの腰痛が来たのでたいそう狼狽したものである。生まれて初めて整体なるものに行っても見たのだが、散々にありえない部位を蹂躙されてさめざめと泣きながら帰ってきた。なんであんなに腹筋をちねられまくらなきゃいかんのよ。関節痛とも筋肉痛とも違う、単なる「ひたすら捻って揉まれた痛み」がずっと残ってたわ。結局最近治ってきたんだけども、単に少し前にスポイラ含む諸々の文筆でデスマ的なことやってたのが悪かったのかもしれん。長時間椅子に座ることすらあまりない人生なので。

 閑話休題、俺の話はどうでもいいんだ。とにかく小林が腰を痛めた話だが、その痛み自体は本質ではなくて、それを見たトールが「私だったらあっさり治せるのにな、どこまでやってあげたらいいんだろうな」と悩むお話である。途中で滝谷にアドバイスを求めたのはいいタイミングだったようで、滝谷のさりげない指摘でトールはだいぶ思い悩むことになった。「出来ることをやるとは言っても、本人が喜ばないなら押し付けにしかならない」とのこと。いや、別に腰痛が治るなら小林は喜ぶとは思うのだけど、問題はヨモツヘグイの例えの通り、トールの採用する方法が「普通の人間」の小林にとって良いことなのか悪いことなのか、それは人間では判断できないということ。そしてトール自身だって、少なくとも善悪での判断はできない。そこにどうしたって、世界の、そして種族の壁は感じてしまう。

 奇しくも同じタイミングで、小林は終焉帝という予想外のルートからトールのこれまでの生い立ちを聞く機会を得た。ちょっと翔太くんの親父さんが便利すぎる人物な気もするが……あいつ、いったい何者なんだろう。まぁ、とにかくそこでゆっくりとお父さんの娘談義を聞くことになる。話の概要は父親から、そして、その時の心理的な動きについては娘本人から。小林の丁寧なリサーチによって、トール自身もはっきりと理解していなかった「ドラゴンの人化」の謎に迫る。まぁ、トールは出自が複雑だったもんだから色々難しく考えちゃったけども、割と他のドラゴンたちは答えにたどり着いてはいたのよね。面白いのは、トールが付き合っているドラゴン3体(カンナを除く)は、それぞれ調和・傍観・混沌と名義上の派閥は分かれているのだが、選択したのは「自由意思の尊重」なんだよね。その結果、ルコアとファフははたから見れば「怠惰」に見えてしまう状態に陥ったわけだが、これって結局、トールが言っていた「自由」の孤独さを体現した存在とも言える。ただ、ルコアもファフも、周りに自分と何かを分かち合う者がいないという状態を気にしなかっただけで。ただ、ファフが言っていた「枠組みを嫌った混沌勢が、なぜ自分たちの派閥という枠組みに囚われているのか」というのは本当にド直球な真理だったんじゃなかろうか。

 そして、やはり思い悩んだトールにもっとも影響を与えたのはエルマだったのだと思われる。彼女との長い付き合いが、トールに他者といる時間の尊さを教えた。エルマは冗談めかすと「うまいものが食えるから」ってんで人間と関わっているように見えてしまいがちだが、結局どのドラゴンも認める通りに、「人間はドラゴンがやらないことをやってくれる」という興味があるのだ。それを最も平和的な形で享受するのがエルマ、若干ヒネてるのがファフ、そして認めないのが混沌勢。トールは自分の意思で自由を選択したわけだが、枠を外れた後に「面白いこと」を用意するのを忘れてしまった。エルマにとっての食い物、ファフにとっての財宝が、トールにはなかった。そこに、たまたま小林が入り込んだ。

 身も蓋もない言い方をすれば、改めて「生まれ直した」無垢な状態のトールに小林が「刷り込み」をしちゃったみたいな状態なのだが、まぁ、トールだって悠久の時を生きたドラゴンである。そこで洗脳されてしまうような阿呆でもないだろう。自分で考えた結果、今のライフスタイルが最も願望に近いものだったからこそ、こうして小林との共同生活を満喫している。たまたまその願望を最も近い言葉で表現したのが、「メイド」だったのだ。……うん、まぁ、そこはどうかと思うが……でも、幼少期のトールを見てれば、もともと人と交わるのが好きで、やんちゃな性格だったんだよね。仲間を得られる場所があれば、トールは自然に救われていくのだ。そして、小林はそうした場所を分け隔てなく提供できる「器」があったというだけの話。破れ鍋に綴じ蓋の例えじゃないが、はぐれドラゴンにヒキオタクが噛み合った。そんな異種間コミュニケーション。よろしきことです。

 

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「女神寮の寮母くん。」 4→5

 いや終わるんかい。ちょっと油断してたわ。最近少なかったからすっかり忘れてたけど、これってあの懐かしの角川枠か(確認したら前クールの「異世界魔王」もそうやったっけ)。どの作品よりも遅く始まり、どの作品よりも早く終わる、それが角川流の10話構成……。

 あれ、何故か点数あがってんな。まぁ、ほら、やっぱり僕、「長屋もの」の雰囲気って好きなんですよ……今作の場合は全く長屋ではなくて完全に一つ屋根の下の同居話ではあったが、「いろんな人が集まってきて、ドタバタ共同生活をする」っていう構成は不思議と惹かれるものがある。自分自身は絶対に他人との共同生活とかお断りなのに、何故そうなるのかは永遠の謎である。まぁ、そういうお話だったおかげで、単なるエロバカアニメではあるのだが、案外空気感に馴染んで、「楽しむというほどではないけど、特に嫌でも無いし環境音楽としては無難だった」というくらいに評価を繰り上げた。ちなみに視聴してたのはAT-Xの無修正バージョンなので、環境音楽だと言いながら乳首だの尻だのパンツだのはフルオープンである。まぁ、流石にこんなもんでいちいち興奮するほど若くないので……(でも修正が入っているとムカつく勢)。

 エロバカだし、設定は本当に「ハーレムもの」のテンプレートを綺麗になぞっている話でしかないのだが、まず映像部分がそれなりに安定していたというのが評価の1点目。こういう作品の常として、とにかく乳首やパンツに全力を注げばいいという風潮はあるが、最近のアニメなら10話全体でキャラ作画などの崩れが少ないというだけでも上々ではなかろうか。その上できちんと「エロ」は貫いているのだし、集まってくるヒロイン勢は(すてあを除いて)全員痴女という状態ながらもそれなりに可愛いと思える部分もあった。あと、やっぱりこういう作品でがっつりと女装回が導入されるあたりは最近の作品なんだよなーという感じがする。男性性を通り越して、主人公はハーレムを安全に切り盛りするために(ショタだけでは属性として足りず)女性にすらなるのである。

 今後の社会を考えると、こういうシンプルなエロバカもいつまで楽しめるか分かったもんじゃない。たくさんのおっぱいを拝める日常に感謝しつつ、ありがとうという感謝の気持ちは忘れないでいよう。ところで、あのヒロイン勢がPVとかになると実写で出てくる試みはなんだったんだろう……。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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