最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「舞妓さんちのまかないさん」 ー ショート枠なのでわざわざ記事立てんでもいいのだが、せっかくレコーダーが仕事してくれたので記録ついでに。 実は何故か原作はちょっと読んでる。多分いつものように漫画喫茶でなんとなく手に取ったのだろう。一時期、適当な料理漫画っぽいタイトルを手にしてた時期があったのだ。その時に「まぁ、特にこれといって特徴もないな」と思って1巻でやめてしまったのだと思う。まぁ、あんまりこういう日常系の食い物漫画に「他作との違い」を求めるもんでもないな。Eテレで放送するショートアニメとしてならば雰囲気もちょうどいいし、案外豆知識以上のちゃんとした京都知識・食べ物知識も教えてくれるので教育的にも良いのではなかろうか。 原作のぼんやりした記憶だと主人公はあんまり花澤ボイスのイメージがなかったのでそこだけがちょっと意外かな。相棒の京都弁は大阪人が担当しているのでそれなりに大丈夫です。そして何より嬉しいのはナレーションですね。そう、京都を愛し、京都検定まで受けている自他共に認める京都大好き声優がいよいよ京都文化をテーマとしたアニメでナレーションを請け負った。いいですな、のんびりふわっとした作画、食べ物メインのユルい雰囲気、そして大原ボイスで紡いでいくショートアニメ。平和です。
PR ○「終末のワルキューレ」 4 すでにネット配信は完了しているらしい作品。一応1クール分くらい遅れての地上波放送なので新番組といえば新番組。 なんか、やたらネットで画像を見かけることがある作品。まぁ、設定があまりにもバカバカしくていじるのにちょうどいいためだろう。おかげでどうにも先入観を抱えた状態での視聴になってしまっている気がするが、こればっかりはいくら目を塞いだところでどうしようもないや。 多分誰しもが思うだろう気になる点を真っ先にあげるなら、結局「神々」ってどういう存在なんだよ、ってことである。「人類を作った」と言われていたが、それが本当だとして、この作中に登場している神は我々のリアル宗教の神と同一と捉えて問題ないのだろうか? そうなると複数の宗教が同時に存在することになり、絶対に国作り神話とかでバッティングが起こると思うんだけど、「大量の神がなんかよく分からんところに集まって合議制で人類の未来を決めてる」っていう設定は後からちゃんと説明がつけられるのだろうか? また、そうして存在している神が人類と「ステゴロタイマンバトルをやる」という設定なのだが、果たして神ってのはどれくらいのスペックを持っているものなのだろう。「神側の有名人と人類側の有名人をぶつけたら面白くね?」という発想の起点はわかるのだが、それって「ドラゴンボールのキャラと北斗の拳のキャラをぶつけたら誰が勝つの?」と言ってるようなもんで、世界がずれてしまってるのだから、それを同じ皿の上に置いて比較する意味は無いはずなのだ。もしそこに意味があるんだとすると、そもそもの「神」の設定に破綻が生じてしまうだろう。そういうディティールを気にし始めると、そもそも今作の醍醐味となりそうな部分を楽しめるかどうかが疑問である。 また、残念ながらアニメーションの方もお世辞にも質がいいとは言えない。1話目はなんと第1試合の入場まででほぼ終わり。露骨な尺稼ぎ展開が非常にイライラする間延び感を助長しており、入場の時の名前コールなんて何故か互いに2回ずつ行われている。1つ1つのカットに特に盛り上がりが感じられないため、本当に「引き伸ばしたくて引き伸ばしてるんやろなぁ」という感想しか出てこない。似たような設定でサクサク試合が展開していた「ケンガンアシュラ」を見習ってほしい。まぁ、原作のストック状況が違いすぎるのだろうけど。 結局「神と人間ってどれくらい何が違うの?」という部分が分からず、それぞれのキャラクターがただただ別の物語から別個に切り取られて出てくるだけなので、統一感はスマブラ以下だろう。そこにバトルものとしての楽しさを見いだすのも難しそう。トータルでいうと1話目から期待感は得られなかった。やっぱネトフリアニメ、どっかずれてることが多いよ。
○「結城友奈は勇者である -大満開の章-」 6 おかえり勇者部。とりあえず友奈ちゃんたちの元気そうな姿がみられるだけでも眼福ものです。もう、ずっとこのまま日常ものでも一向に構わんのだがね。 とはいいつつも、勇者部シリーズと私の接点はあまり多くない。結局ソシャゲをやらなかった時点である程度切れてしまっており、今日までの接続は劇場アニメと「勇者の章」だった。幸いそれらは文句なしの秀作であり、きちんと「鷲尾須美」の物語も理解した上で、改めての「ゆゆゆ」ということに。まぁ、単に園子が増えただけの勇者部ではあるのだが。本当にどのキャラも振り切れてて元気一杯なのが素晴らしい。私は元来風先輩推しだが、声が戻って「最近じゃむしろ貴重かもしれない妹なともよ」とか、「わっしーなのか東郷さんなのかはよくわからないけど最終的に単なる友奈ちゃんのストーカー」とか、いろんなところが眩しくてしょうがない。冒頭のバンド演奏の流れで無駄にみんなしてスキルが高いの笑ってしまうわ。このまま大ガールズバンド時代に風穴を開ければいいのにね。いや、開けたからこそ引退したのかもしれんけど。こんだけ盛り上がって完成度の高いわちゃわちゃを見せられると、やっぱりたった1つの欠けたピースである三ノ輪銀の存在が……彼女がいてくれたらキャンプはもっと盛り上がっただろうになぁ(なでしこの中の人)。 とにかく勝手知ったる香川の地。今回もまた、劇的な物語が展開していくことになるのでしょう。ただ、タイトルからすると、もしかしたらソシャゲ出自のよく分からんキャラとかも追加されるかもしれないってのがちょいと懸念点ではあるけどね。1話からサブとかモブでやたらとそれっぽいキャストが身構えてて怖かった。
○「ブルーピリオド」 6 おい「ぐらんぶる」! なにしてくれてんねん! ……いやぁ、あの雰囲気で突入したCMでぶっこんで来たのはさすがですわ……。観てない人はこちら参照。 ま冗談はさておき、いろんなところで名前は見たことがあったけど中身は全然知らなかった作品。書店で平積みされてるのを見たり、なんか受賞したみたいな話題を聞いたりはしたんだけど特に触れる機会が無かったな。その上で何故か、なんも知らんもんだから「サッカー漫画かなんかじゃね?」って勝手に思ってた(多分表紙の主人公の顔のイメージだけだ)。その上でこの1話目冒頭もサッカーから始まったので、そこからあれよあれよと別方向に行ったのでちょっと面食らった。どんな驚き方やねん。 なんかね、とても肌に合う作品という気がしますね。一番大きいのは、主人公のキャラクター設定じゃないかな。彼の気持ちはすごく共感できるというか、彼と「美術」との出会いがすごく羨ましく見える。自分語りをする必要もないのだろうが、私という人間はおっそろしく「言語」に依存している人間で、物を考えるときに言語に依存する傾向が人より強い。とにかく文字としてアウトプットしたいと思うし、説明するなら言葉を尽くせと思いながら人生を生きてきた。そんな人間だからこそ、作中の言葉を借りるなら「言語以外の表現手段」というものに憧れることがある。絵心が全く無いから絵を描ける人間は羨ましいし、絵画美術なんて理解できないから理解してる風の人種が妬ましい。これまでの人生で何度か、「美術を理解してやろ」とか思って入門書とか解説書とか、そういうのを読んでみたこともあるのだが、結局そこに並んでいる「文字」を理解したとて、絵への理解には及ばない。そんな悔しさってあるじゃないですか。そういう歪んだ羨望が、もしかしたら私をアニメに縛り付けているのかもしれませんね。 閑話休題、そんな目線で見て、今作の主人公の心の動きというのは、羨ましくもあるけど、不思議と理解も及ぶ気がするんだ。「これまで人と対話できてた気がしない」という思春期丸出しの厭世的な物の見方からスタートしたおかげというのもあるが、偶然にも見えた景色、偶然描いた景色から世界に接続し、今まで想像もしなかった手段での自己表現が実現した。それがあまりに衝撃的なパラダイムシフトであったために、参考書を投げ出してでも美大に行きたいと思ってしまった。その無謀すぎる心の動きは、充分に主人公として格好いい。タバコは吸うけど別に悪い連中というわけではない取り巻きとか、主人公と関係根深そうな花守ボイスの子(結局あれって男の娘なんだろうか、単なる変な名前の子なんだろうか)、控えめながらも美術愛に満ちた丸っこい先輩、そして声の力もあって存在感と説得力に満ちたオーラを感じさせる美術のおばちゃん。キャラの配置がよくて嘘みたいな出会いの物語がすんなり入ってくる。きちんと合間に美術知識を絡めたオリジナリティもあるし、「続きが見てみたい」と思わせるだけの1話目になっていたんじゃなかろうか。 アニメーションとしても色々と気が利いており、何と言っても1話目で見るべきは作品タイトルにもなっている「青」の見せ方。「美術」をテーマにした作品ということで他作品よりも画面の説得力が重要になってくるわけで、コンテ1つで台無しになるリスクも存分に孕んでいる。1話目コンテはなんと「総監督」としてクレジットされている舛成さんではないか。1話目の制作理念がきちんとスタッフで共有されていれば、今後も楽しい画を見せてくれるんじゃなかろうか。唯一懸念点があるとすれば、製作スタジオがセブンアークという部分だけだが……。確認したら「Seven Arcs」名義になってからは「アルテ」「トニカクカワイイ」の2作品だけで、そこまで悪い仕事ぶりじゃないのか。「アルテ」とこれって、何故か美術関連の作品に縁があるのは面白い偶然だな。
○「メガトン級ムサシ」 4 すさまじいタイトルやな、と思ったらレベルファイブ作品なのか。確認したらプロジェクトのスタートが5年前とのことだが、名前すら聞いたことなかった。まぁ、あんまり興味がないジャンルではあるからな。 タイトルはすさまじいし、オープニングもなかなか愉快なので笑ってしまったのだが、そこから始まったお話はおっっっそろしくベタなもの。いわゆる「搭乗するまでの第1話」であり、敵対勢力の設定とか、主人公チームのキャラクターとか、本当に「古き良(いか分からな)きロボットアニメ」という印象だ。このある種の古臭さみたいなものはきっとプロデュース側が狙って打ち出しているものだろう。ロボットアニメになかなか成功作が生まれなくなって久しいが、やはり尖らせすぎてお話が観念的な方向にばかり振り切れてしまうと視聴者はついてこない。あえてそこはロボットものの原点回帰を目指し、巨大で重厚な何かがズシンドシンと動く要素を全面に押し出すことにしたんじゃなかろうか。まぁ、ぶっちゃけ1話目ではそのロボットすらろくに出てこないのだが……オープニング映像とかから察するにそんな感じ。 そう考えると、決して悪い要素があるというわけではないのだが……やっぱレベルファイブ作品のこの雰囲気はどうしても腰が引けてしまうよなぁ。考えてみりゃ「妖怪ウォッチ」だって「イナズマイレブン」だって(あと「レントン教授」だって)アニメはそれなりに楽しんで観ていたはずなのだから身構える必要もないとは思うのだが、どれもこれも「まぁ、お子さん向けのもんだと思えばねぇ」っていうので受け入れられていた部分が大きく、今作のように真正面から「アニメとして受け止める」って経験は無い。いや、「二ノ国」はあるけど……うん、だから身構えてるのかもしれんな。特有のキャラクターデザインから徹底してシリアスな世界が描かれた時、それが見るに値するものになるのかどうか、現時点ではやや懐疑的。だって、1話目の導入が眠かったんだもの。 まぁ、常に常識を打ち壊すセンスで見せてくれている企業なのだから、ここからもしかしたら「ベタとか言ってごめんなさい!」っていう展開もあるかもしれない。無かったら……そういうもんや。
○「SELECTION PROJECT」 5 年々歳々俺同じ、年々歳々アニメ同じからず。まだ終了していない番組もある中、容赦無く新番は始まっていくのである。今期我が家で先陣を切ったのは、こちらのアイドルプロジェクトである。 この世には早見沙織は1人しか存在しないと言うのに、どうにも早見ボイスのアイドルってのは世の中に偏在しているようである。ただ、今作における早見ボイスはすでに過去のもの。亡くなったアイドルを目指して戦い抜く女の子たちのアイドルバトルを描く……ということは、当然その幽霊が出てきて幼馴染のプロデューサーに取り憑いているはずなので、まずは霊媒体質の仲間を見つけるところからスタートすれば良いだろう。 とまぁ、どうしたって他のアイドルアニメと比較されてしまうのがこのジャンルの宿命。なかなかシナリオラインから他と差別化を図るのも難しく、全体的な作画クオリティや、アイドルたちのキャラ勝負になりがちなフィールドであるが、さて今作はどんなもんじゃろ。初見での印象は「優良可」でいえば「良」に食い込めるかな、くらい。動画工房は最近何故か以前よりも作画品質が落ちていることが問題になっているが、今作に限っていえば少なくとも1話目は割と可愛い方の動画工房が出ていたように思う。監督は「わたてん」「こいあす」と担当した平牧大輔氏。別に監督で作画クオリティが決まるわけでもなかろうが、安定していた頃の動画工房の人員が確保出来ていることを期待しよう。 画面の安定感が保証されればあとはシナリオ次第。1話目は「全選手入場ッッ!」を延々やっている状態なのであんまり個性が出ない切り出し方だったとは思うのだが、流石に最後のオーディション結果には顎が外れた。今まで見たことがない展開だよ。このままだと主人公だと思ってた子が単なるアイドルファンとしての人生を終えてしまいかねない。中の人が私ちゃんということもあり、「こいつ、常にアイドルを傍から見てるな……」みたいになっちゃったらどうしよう。いや、なるわけないけど。でもここからどうやって逆転させるんだろうな。もし逆転しちゃったら、せっかく勝ち抜いたと思うあのパツキンが可哀想やんけ。 とりあえず、1話目でがっつり興味を引く展開には成功しているので、今後、あの9人がどのようにしのぎを削りあうかが要注目である。グループアイドルを描いたアニメは山ほどあるが、ここから「生き残るのはただ1人」っていうバトルロワイヤルになるとしたらそれは斬新だ。……最終的にバターサンドが残ったら笑うんだけどな……1話目で一番インパクトあったのあいつやろ。
「ひぐらしのなく頃に卒」 ー→5 最終的に何を見せられてんのかよく分からなくなる作品だったが、まぁ、楽しかったから別にいいかな。これ以上ないくらいに「同人でやれ」な世界だったけど、考えてみりゃ、ひぐらしって元々同人なわけだし……。 前半シリーズの時期に「いくらなんでも赤坂にL5発症だけはショック。やって欲しくなかった」みたいな感想をどっかで見たことがあり、「ひぐらしファンでそういうピュアな人もいるものか」とちょっと感心した記憶があるのだが、そういうピュアなファン層からするとこの「公式同人」はなかなかキツい作品だったのかもしれない。これまで積み上げてきたひぐらし文化をある意味で根底から覆しての筋立てだし、正直、ひぐらしが元来持っていた魅力とは違う方向性への切り出し。いわば「雰囲気ホラーの実質ファニー」をここまで真面目にやられてしまっては、「おもてたんと違う」という感想が出てくるのは避けられないことだろう。ただ、すでに完結してしまった「完成品」である作品に無理くり続編を繋いだのだから、多少なりともそうなっちゃうことは予想の範囲内だったはず。むしろ、中途半端な改変でベータ版みたいな扱いにするのではなく、ちゃぶ台どころか畳からひっくり返して「なんじゃそりゃ雛見沢」を作り上げてくれた今作は、ある意味でとても誠意ある作品だったんじゃなかろうか。 少なくとも私はある程度楽しめたと言える。沙都子の物語という軸を決めることでこれまでのひぐらしフォーマットを守りながらも世界の見え方がガラリと変わり、これまで培ってきた雛見沢というアトラクションをフル回転させてアホの物語をどんどん肥大化させていく。どうせバカなことやるならここまでやってくれた方が諦めがついて楽しいんじゃないかと思うのだ。幸いにして渡辺明夫デザインを尖らせた作画部分が非常に安定しており、アニメーションとしてのクオリティだけを考えれば旧作と比べるべくもない。「止まった世界」たるひぐらしワールドを令和の時代まで「進めた」結果がこれってのは、構造的にもなんだか皮肉が効いていて、今の時代に作った意味もあったんじゃないかしらね。 個人的には、北条鉄平という今期屈指の萌えキャラを生み出したというだけでも充分だよ。あの面白さは、なかなか狙って出せるもんじゃねぇよ。
「出会って5秒でバトル」 5→3 ある知り合いがどうやら原作のファンだったらしく、(そいつはアニメを観ないので)「この作品のアニメ、どんな感じですかね?」と気にしていた。聞かれた時点ではまだ3話目くらいだったので「まぁ、特に良くもなく悪くもなく」と当たり障りのない答えしか出てこなかったのだが、残念ながらそこから下がらざるを得なかった。 まだまだコロナの影響の根強い今年のアニメ作品。しかし夏クールは意外にも大きく作画が崩れた作品というのはそんなに多くはなく、生産本数に比してのクオリティで言えば「日本もまだ持ちこたえているな」という印象だ。しかし、いくらなんでも全ての作品がそのような安定した体制を維持できるわけではない。不幸にもその煽りを受けた数少ない作品の1つが、これだった。割と早い段階で「なんか粗の見える作画だなぁ」とは思っていたが、それがはっきりと「ダメな作画」になってしまったのは中盤くらいだろうか。もともとどういう制作体制だったのかよく分からん変なクレジットだったのだが、いつの間にか監督の名義が抜け、スタッフが欠けたという。真相のほどはよく分からないが、スタッフが安定して最後まで仕事が出来ないという状態が正常とはとても思えないのよね。 ことに能力バトル漫画ってことでいかにして「能力の強さ」を見せるかという部分が成否を分ける性質上、この瑕疵は致命的だ。バトル作画だけCGで逃げる手法も取られたが、あくまで生身VS生身のバトルしかない作品。わかりやすく「下手なCGの使い方」に終わっている。どうにも逃げようとした方向が全部まずい影響を与える方向だったようだ。能力の見せ方、例えば大砲であったり、「なんでも切れる剣」であったり、そういう非現実的なオブジェクトをたくさん積んだバトルが鬼滅ばりのハイパー作画で作られていれば評価も大きく変わったかもしれない。例えばすごく近いジャンルでは「ダーウィンズゲーム」なんかは最低限の工夫でバトル描写が出来ていたのでそこだけでも評価出来たのだ。今作だってそういう未来はあったはずだ。でも、そうはならなかった。ならなかったんだよ、ロック。だからこの話はここでお終いなんだ。 まー、正直バトルものとしても筋書きが面白いかと言われると……なぁ。主人公の能力、最初に観たときは「どうやって使うんだろう」と思わせたのに、結局一番都合のいい「強すぎる」設定だったからチートにしかならなかったし、他の連中の能力があまりにもやっつけすぎるものばかりで性能差が激しすぎるし。頭脳戦っぽく見せてた終盤も「お前がそう読んでくることは読んでいた」って言うばっかりで「んな無茶な」ってなるだけだし。結局、後付けでルールがどうとでもなるからあんまり緊張感がないんだよなぁ。
「平穏世代の韋駄天達」 5→6 いやー、好きな作品でしたね。アニメーションとしての画像処理もそうだし、能力バトル漫画としての内容もそうでした。キーワードは「ドM」。 「圧倒的絶望を前にした苦闘を描く物語」ってのは昨今割と数があって、パッと思い浮かぶのは何と言っても「進撃の巨人」。圧倒的な暴力に蹂躙され、じわじわと壁を狭め続ける人類がどうやったらその状況から抜け出せるかという絶望的状況を、多大な犠牲を伴うトライアル&エラーでもって少しずつ解体していくというお話。もちろん最終的には「打開」が待っているはずなのだが、そこまでにどれほどの絶望感が描けるかっていうのが腕の見せどころで、個人的には何故か知らんけど「馬を先に潰された屋根の上のおっさんが巨人に嬲り殺されるシーン」がやたら印象に残っている(ディティール全く覚えてないんだけど)。とにかく、希望があると思っているところを打ち砕かれて、あまりに惨めに負けていく姿、そういうのを見るのって、ゾクゾクするんですよね。この感情ってドMなんだろうか、それともドSなんだろうか。個人的には、NTR好きと同じ神経回路な気がしているのでドMの感覚なんですよ。 そして今作も、そんな「絶望的状況を作ってからのブレイクスルー」というシチュエーションに徹底的にこだわっている。しかも、何が面白いって絶望してるのが相手側だってこと。アニメが始まり、最初に韋駄天の設定が説明された時点では「結局なろうとかと同じでオレツエーやるだけの話になるのでは?」と思っており、実際に魔王軍討伐までの動きではイースリイを筆頭とした韋駄天サイドにほぼピンチなどありはしない。リンも含めた圧倒的な性能でもって絶望する魔王軍を叩き潰していく。オレツエーの極みだが、そこで蹂躙される魔王軍を中心に描くことで、次への布石が作られている。そう、ミクの存在である。 このミクっていう蟻の一穴が今作の全て。完膚なきまでに策を練り、戦後のことまで考え抜いたイースリイが魔王軍を叩き潰したはずが、たった1人、「ありえない洞察力」を持つミクだけは取り逃がした。これが「進撃の巨人」で言えば序盤におけるエレンのポジションになるわけで、「絶滅の危機に瀕した側が持つ最後の反則兵器」である。しかもミクは肉体を使っての戦闘はからきしという完璧な参謀キャラであり、とにかくイカレた「洞察」だけでひたすらに先手先手をうち、針の穴を通すように魔族生存ルートを作り出す。イースリイに落ち度があったとも思えないがミクは見事に策を成し、今度は韋駄天側を「絶望」へとひっくり返すのである。この時に1つ目の「絶望の物語」が収束し、立て続けに「二つ目の絶望」へと繋がっていく。絶望好きの視聴者からすれば、実に贅沢ないいとこどりパッケージというわけだ。 「人類の存在自体にあんまり興味がない韋駄天」という設定も絶妙で、彼らの「こだわりの薄さ」というか、生きることへの関心の低さみたいなものが、きちんと「オレツエーなんだけどどこかにぽっかりと穴が空いてる」雰囲気につながっており、ミクのようにただ快楽だけを求めて生き残ることに執念を燃やした魔族との対比が出来上がっている。また、韋駄天の持つ現実感の薄さはバトル要素としても不思議な効果を生み出しており、「死なないから何してもいい」という刹那的な戦いっぷりはあまりに珍妙で、それだけで面白みにつながっている。そうして圧倒的「ボスキャラ」として世界を蹂躙しながら、最後にはミクというたった一人のエロ魔族の手に落ちて転げていく「最強」たち。これこそ、少年漫画的な王道展開(の綺麗な裏返し)ではないか。あまりに捻くれた設定だが、いちいちやってることは理知的なので妙に納得してしまうという。この見せ方は、純粋にストーリーテリングの旨さが出ていると思う。 惜しむらくはすげぇいいところ(?)で終わってしまったのでどうにも続きが気になるということだけだが……これ、絶対に原作ストックないよね。ここからどう落とし前をつけるんだろう……。ここまでの筋立てが作れてるなら、この後もとんでもない展開を見せてくれそうな期待はあるんだけど。……天原ってこんな作家だったのか……。
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Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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