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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 突然知らない人からスタートして困った、第7話。アッパー気味の種さん見るとなんか知らんけど不安な気持ちになることがあるんだよな……今期はフルバとか異世界魔王とか、それなりにアッパー(?)役もあるはずなんだけども。

 というわけで、残念ながらグレイス事件があまりにもあまりにもな状況だったため、ヴィヴィは壊れてしまっていた。自己防衛のために一度落ちて、フリーズから再起動したら一部重要な記憶データが欠落していたようだが、それでも使命は失われず、ついでに道すがら色々と便利なアプリをダウンロードしてる履歴だけは残ってたもんだから、思いの外再起動後の人生がうまくいってトントン拍子でシンガーとしては成功していたと、そういうことなんだろうか。「正史」のヴィヴィは鳴かず飛ばずで博物館に押し込められていたわけで、まさかの珍道中のおかげでシンガーとして成功しちゃったこの世界線も……なんだか複雑なもんである。今回の「このヴィヴィ」が歴史的に正しい姿なのかどうかはよく分からんけども……これもまた歴史家か。こうも正史から離れてしまうと、どこまでがマツモトの計画通りで、どこからが狂ってしまった結果なのやら。

 少なくとも、記憶デリートで一旦リセットしちゃった時点でマツモトの計画はいっぺん白紙になったんじゃなかろうか。当初の計画では最後に遂行する部分までをヴィヴィと共同でやるつもりだったと思うのだが、予定がいろんなところで狂った結果のメガフロート事件。そこでついにヴィヴィにも限界がきちゃったもんだから、「あとはもう、ヴィヴィは放っておいて自分だけでなんとかしたろ」ってのがマツモトの修正後の案だったと思われる。まぁ、それで任務が遂行できるならヴィヴィの人生の邪魔にもならないのでWin-Winだったと思うのだが……まぁ、話はそんな簡単じゃないわな。未だ因縁があるんだか無いんだかよく分からない例の男の面影を見つけて、ヴィヴィは埋もれた記憶の端緒を見出してしまった。「歌を歌うためには失われた記憶をなんとかしなきゃならん」っていう目的意識はいかにもヴィヴィではあるのだが、そうして使命に対してまっすぐなのも良し悪しということだろう。

 運命のいたずらで再会しちゃった、互いに顔を合わせたくもなかった2人。しかし、記憶がなくなり当時のひでぇ扱いも忘れてしまったヴィヴィはぐいぐい来る。行かなきゃいいのにガンガン行く。おかげでマツモトもしぶしぶ関係性を認める羽目に。まぁ、ヴィヴィのピンチを放っておけばよかったのに無視しなかったあたり、マツモトだって悪いやつじゃないのだろうけど。結局腐れ縁は続き、再び事実上のバディとなってしまう2人(マツモトさん、こないだよりもボディの材質が随分柔らかくなってません?)。そして次のミッションはオフィーリアの自殺防止とかいう、これまた斜め上のタスクであった。今回、まるでその名前に呪われているかのように何度も水を浴びせかけられるオフィーリア。普通に考えれば、使命を絶対遵守するAIが自殺など選ぶはずもないのだが……シンギュラリティのエックスデイまで、おそらくあと3040年といったところ。さて、歴史は今どこにいるのやら。

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 なんかキターーーーー!! 第6話。いやまぁ、第2作なんだから「そういう」展開もアリかもな、とは思ってたけど……まさかお前が来んのかい、とは思ったね。まぁ、誰が来たところで世界の拡張&崩壊は待った無しなんですけどね。さぁ、ようやく全容が見え隠れして、エンジンかかってきた。

 しかし、そんなラストシーンに至るまでの展開はやはりいつも通りに、いつも以上に「らしい」作劇である。ほんと、今作の世界はグリッドマン時代から隠キャの隠キャらしい描写がうまいというか、何気ない人と人とのすれ違いのストレスみたいなものをつっつくのが上手い。もしかして初代グリッドマンの武からの系譜なんだろうか? 今回、おっちゃん目線で特に刺さるのは暦の経験したあれこれである。暦がここまでの人生をどのように歩んできたのかは仔細には語られていないのだが、とりあえず現時点での立ち位置がもうほんとに他人事に見えなくて……一番気になるのは、稲本さんとの飲み会、どういう風に会計してるかなのよ。普通に考えて、相手はパートやってる主婦だからそこまで金回りがいいとはいえないはずで、「中学時代の同級生」って関係性を考えると、よくて割り勘なんだよ。そこは男のプライドで、幾ら何でも奢ってもらうってことはないはず。そして暦は現在稼ぎがないはずで、そんなにしょっちゅう飲みに誘われると経済的な打撃がでかい……はず。世の中の33歳はちょっとした飲み代くらいでそこまで動じないだろうが、無職は動じるよ? 1円でもケチりたいし、「必要もねぇ飲みとかに誘うなよ」って思うよ? それでも暦がホイホイ飲みについてったのは、稲本さんに対して「何か」をぼんやり期待していたというか、貴重な女の子との接点を失いたくないための措置だったと思うのだが、そこに3人目となる「旦那」が現れ、しかも隠キャが一番接しにくいタイプのキャラだったことで暦さんの安寧は完全崩壊だよ。あれでさ、旦那がわかりやすくウェイだったりしたらむしろ諦めもつくし、相手のせいにできるから楽なんだけど、旦那が「普通にコミュニケーション取ろうとするそれなりの社会人」なのがタチが悪い。どう考えても隠キャ人生送ってきた自分の方に責任があると思っちゃうし、稲本さんに文句をいうわけにもいかない。ただひたすら自己嫌悪の渦に飲まれ、世間に対する不満ばかりが募っていくのである。

 そんな暦も、なぜか周りは女の子ばかり。偶然の出会いは敵サイドの紅一点・ムジナさん。またこの人もいい女っぽくてね……どうしたらええねん。さらに稲本さん・ムジナさんといい女に囲まれてるセンパイをじっとりと見つめるちせちゃんの感情も処理しきれるもんじゃなく……ちせちゃん本人に聞いたらその感情は完全否定されるものだが、やっぱり無視できないものがあるんだろうなぁ……ちせちゃんの過去にはおそらく学校での人間関係のトラブルが関わってて、今の生活スタイルを考えるとそんな彼女を受け入れてくれたのがセンパイ。だから2人の関係性も無視できないもので……あぁもう、どしたらいいのさ。

 さらに、ユメのお姉ちゃん調査も次第にそのどす黒い全貌が見え始めている。今回提示された動画、また丁寧に「それっぽい」内容になってるのが残虐でね……隠キャいじめて何が楽しいんだよ。いや、そもそもユメのねぇちゃんは隠キャってほどでもないだろうに(妹の性格考えると人間づきあいに難があった可能性はあるが)。塞ぎ込んじゃうユメさんに対し、ヨモギはクラスの女子といつも通りの(?)接し方。あっちもこっちも、いわく言いがたい微妙な感情が渦巻いておるわ。今回何かが吹っ切れてすっきりしたのってムジナさんだけじゃん。

 そうして、どこもかしこも感情迷路な地獄絵図には、怪獣だってパワーアップするよ。ダイナゼノンチームの連携がガタガタになっているところに登場する、これまでの倍強そうな巨大怪獣。街の破壊規模はこれまでの比ではなく、もう間違いなく「この街は単なる街じゃないんだろうな……」ということを予感させる崩壊ぶり。そして、そんな「街の設定」を裏打ちするかのように飛来する突然の巨影。そう、グリッドナイトさんだ。いや、アンチくんだ! ……まぁ、中身がアンチかどうかはまだ確定しないけども。とりあえず世界が接続し、この世界も「何かの中」であることは保証が得られた形になるだろうか。だとして、前作との接続はまだ分からないのだが……是非とも神様を登場させましょう。巨乳で、性格の悪い、神様をさ。

 

 

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 まだまだ知らないルールはあるよ、第6話。こうして視聴者に無理のない範囲でのルール説明だけをこなしつつ少しずつ教えてくれるのはありがたいのだが、練習試合とはいえ実戦に加わってる宵越がろくにしらねぇでプレイしてるのは流石に問題がある気がするな。宵越、別にバカなキャラじゃないんだから簡単に全部のルール教えておけばいいのに(まぁ、視聴者に対する配慮なんだろうけどさ)。

 今回新たに追加されたルールは「ローナ」。ただ、追加されたってのは語弊のある言い方で、前回「ストラグルされた選手は退場だよ」と言われた時点で、「えっ、じゃぁ全員が退場になったらどうなっちゃうの?」というのは当然の疑問として立ち上がってくるものだった(実際俺も思った)。その答えが、「全員退場したら相手が2点ボーナスの上で仕切り直し」というもの。なるほど、言われてみりゃさほど難しいものでもない。ただ、こうして色々とルールが加わっていくのを見ていると、なんだか当初のカバディのイメージからどんどん離れているように感じる。そりゃま、何にも知らない素人が漠然と持っていたイメージがアップデートされるのだから差が生まれて当然なのだが、単なる鬼ごっこがベースのくせして、確かにこれは考える要素が多い難しいスポーツだ。

 「ストラグルで退場」というルールがあることで、防御側プレイヤーは次のレイダーを保持するためにもどのように相手を捕まえにいくのかを考えなければいけない。例えば攻守に渡って優秀な選手が1人いたとして、その選手が万一ディフェンス時にストラグルされてしまうと、次の攻撃で出すことができなくなる。そうなれば陣内でもなるべく触られにくい位置に置きたくなるが、ただでさえ狭いコートの中、守備側が陣形に縛りを設ければますますやれることが制限されてしまうだろう。ノウキンの場合はレイダータイプとディフェンスタイプの選手がはっきり分かれているのでまだ見やすいが、現実にはそんな明確な区分なんてなかろうし、どのようなフォーメーションで攻守をやりくりするのかはかなり考える要素が多そう。こうしてみると、攻守がはっきり分かれる野球みたいな競技性は意外と日本人向きなのかもしれない(そしてスポーツ漫画向きなのかもしれない)。

 今回はそんな攻守の妙をお互いに展開しつつも、それらのしがらみを打ち払う強豪プレイヤーである高谷が振り回すという格好。高谷は攻守で満遍なく活躍するが、両校の部長という化け物レベルのプレイヤーでも、やはり攻め向きとか、守り向きとか、特性があるために常にやりたい放題とはいかないのが面白いところだ。いや、まぁ、やっぱり部長の能力はおかしいとは思うが……流石に実際の競技イメージで近い選手ってのは実在していると思うのだが(そうであってほしい)、部長のプレイスタイルを現実で見たらどんな印象になるんだろうな。

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 エターナルの重み、第5話。特にまさおの場合、「永遠性」というものが死因にも直結しているテーマになっているので……なんか、泣ける話だよな。

 リリィお当番回。1期でも良いお当番話をもらっていたリリィだが、その出自の特異性もあり、今回はまた色々と考えさせられるような、良いエピソードをもらっている。しかし、そんなリリィの話に絡めて盛り込まれた中の人要素が気になってしょうがなかったりもする。そう、今回のテーマは「永遠の子役」。まさおはその永遠を否定されたことによって死んでしまったわけだが、皮肉にもそれが故にゾンビとなり、改めて永遠を手に入れた。決して歳を取らずに子役であり続ける星川リリィ。「彼女」の手に入れたものは、まさおが望むものだったのか。まぁ、幸太郎の様子からみるに、このゾンビの身体も決して「永遠」と接続しているわけではなさそうだが……。

 そんなリリィと対峙したのは、天才子役大空ライト。そして中の人は高山みなみであった。決して永遠とまではいかぬが、すでに30年近くもず〜〜〜っと「体は子供」を続けている彼女こそがまさに「永遠の子役」にふさわしいのは間違いないだろう。どれだけ頑張っても戻れない「子供」の檻に縛られた彼女の声が、リリィにとってどのような意味を持つものか。輪廻の輪から外れてしまったゾンビたち、フランシュシュ。そして永遠に歳をとらない1年の中で大人に戻る道を模索し続ける名探偵、江戸川コナン。そんな対決が今回の目玉……だったのかどうかはよく分からない。

 ちなみに、コナンがらみで埋もれがちではあるが、ライトが演技を披露した際に見せた「計画通り」も大胆なネタだったことはきちんとお気づきだろうか。最近はもうネットミームとしても昇華されたおかげで誰が使っても定型として処理されがちだが、元を正せばこの台詞は「DEATH NOTE」夜神月のものである。そう、「ライト」である。そして、そのCVは巽幸太郎その人だ。今回幸太郎は全くいいとこ無しで消えていったが、今回ライトが披露した「計画通り」は、そこから派生して幸太郎のところまで接続している可能性があるのだ。現在のフランシュシュは、彼の「計画通り」にことが進んでいないようであるが……。

 そのほか拾う要素は全部リリィがらみになるが、個人的に推したいポイントは、彼女が高座にかけた(高座ではないが)演目がよりにもよって「子はかすがい(子別れ)」だったことだろうか。もちろんこれは幼少期のまさおの記憶と結びついた「家族愛」の物語であるというのも重要なポイントだが、この演目、落語の中では難度が高く、真打クラスで初めて演じられる大ネタであるということが大切だ。およそ素人がちょっとした演芸会でかけられるようなネタではないのである。あの番組で1人頭何分くらいの枠をもらえているかは分からないが、これをきっちり形にして演じきった時点で、どれだけリリィが本気で仕事に取り組んでいたかが分かるというもの。純愛コンビに隠れて目立たないが、実は芸能人としての意識を常に高く持ち続けるという意味では、リリィこそが本当のプロアイドルだったりする。

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 ゴールデンウィークが明けての再開。緊急事態下でも滞りなく、情報と狂気が密です。

 


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 そろそろまとめサイトとかが欲しくなってきた、第5話。悔しいなぁ、1話目時点ではまさかこんな方向性の作品だとは思ってなかったってのもあって、序盤に出てきた伏線がすでに記憶から消えてるんだよなぁ……樺沢とか、1話限りのゲストキャラだと思うじゃんよ。

 こうしてみると、そもそも「タクシー運転手」っていう小戸川の設定がおいしいというか、上手いというか。タクシーの運ちゃんって、放っておいてもたくさんの関係ない人と接することになるし、距離感が絶妙なのでそれぞれの乗客と近づくのも近づかないのも自由自在。小戸川みたいなタイプの運転手は基本的にそこまで乗客に絡みに行かないとは思うのが、だからと言って完全に無干渉かっていうと、そうでもない絶妙な下世話さとか、変なところでの面倒見の良さみたいなものがあり、付かず離れずの距離感で様々な厄介ごとに巻き込まれていってしまう。いや、「様々な」っていってるけど、最終的にはそれが1つのラインで繋がることになるんだろうけども。

 前回登場した田中のおっそろしい復讐計画は、なんとよりによって今回お預け。しかも田中が小戸川の自宅を確認するところまで進めておいて、だ。もしかしたら当日の夜に何かあるかもと思ったが、すぐあとのシーンで小戸川は剛力の病院を訪れていて無事だった。剛力もこないだ面倒に巻き込まれたみたいな話だったはずだが……その面倒は病院の薬の話だけだったんだろうか。結局白川がドブとつながっているというラインがはっきりしてしまえば、そのあたりの厄介ごとは全部ドブのヤクザ業にまとめられる……といいな。多分ドブが言ってた「カシラの大切なもの」って、以前白川が握ってた消しゴムのことなんじゃなかろうか。これでまた奇妙なつながりが広がってしまう。

 そして今回サブタイトルで扱われている「アイドル」が一応中心的存在となっているだろうか。特に垣花と何やらよろしくない関係になってしまった市村しほはかなり危険な存在。垣花が完全に入れ込んでしまって破滅に一直線なのも怖いけど、彼女自身の野心がどこまでのものかわからないのも恐ろしい。アイドルなんて面倒だからやめたいって言ってるわけで、そこまで自己顕示欲の強い子でもない気がするのだが、これで垣花の正体がバレたり、垣花との関係が世間にバレたり、いろんな方向から火種を持ち込みそう。さらに、そんな市村のチームメンバーである三矢の動向も何やら怪しい。小戸川のタクシーの座席にスマホをねじ込んでいたようなのだが……あれはいったいなんなんだろう? この世界、スマホとか動画サイトとかSNSとか、そういうツールがバッチリ事件に絡みまくっているのがいかにも現代劇らしくてとてもめまぐるしいのよね。新しいものに疎いってのは小戸川だけじゃなくておっちゃんみたいな人間も同じなのだが、さて、今後の事件の早さと大きさについていけるだろうか……。

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 「仲間が増えていく過程」はやっぱ見てて楽しいよね、第4話。こういうくだりでなんとなくワクワクしちゃうの、やっぱジャンプ漫画の血筋なのかしら。まぁ、これも一応「ジャンプ漫画」ではあるからね。

 原作読んでる時に感じたかどうかは覚えてないんだけど、こうしてアニメを見ていると不安になってくるのが、「このハウスの設定、最終的に全部辻褄が合う形で回収されるんやろか……」ということ。例えば今回はエミリコが地図を広げており、ぼんやりとではあるが確実に館の見取り図が確認できる。「メモした大まかな地図」であるという言い訳はできるけど、将来的にこのハウスの全貌が明らかになった時にそのデザインに整合性が取れるかどうか不安になるのだ。玄関歩こうとしたら突然トラップが発動するところとか、「流石にそんな設備が常在してるのはおかしくね?」と訝しんでしまうのだ。矢が射出されるトラップってことは自動巻き直しとかじゃないし、あれって設備を管理してる係の者がいて、定期的にメンテしてるってことなんだよね。生き人形対策でそこまでしてるってことだけど、お影様があれに引っかかることはないんだろうか……。

 まぁ、今の段階でそんなこと不安がってもしょうがないんだけど、とにかくこの黒く、暗い空間をなんとなく盛り上げるために出し惜しみせずにいろんな設定をぶっこんでるなぁ、という印象。少なくとも現段階で見ていて楽しいのは間違いないので、話作りの方向性としては正しいんだろうな。個人的にお気に入りなのは、これだけホラー寄りのテイストになってるのに1ミリも空気を読まずにすっとぼけるエミリコの底抜けの明るさ。壁ダッシュの後にショーンに指摘された時の「ほんとうにその通りですね」は不覚にも爆笑してしまった。こいつ、本当になんも考えてないな……可愛くて大変良い。

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 全方位に切ない、第6話。本当に、全てのパーツがハマるべきところに(ハマって欲しくなくても)カチリカチリと収まっていく端正さ。この筋立ては……上手い。

 結局元を正せば「人間が悪いやんけ」というところに帰結してしまうのはこの手のお話のお約束で、グレイスと冴木博士の悲恋は、人間の浅はかな行動が原因だった。そして、その原因となったのはさらに元を正すとヴィヴィがサンライズでとった行動であり、ここまで気にしていた「バタフライエフェクトがどれくらい働くデザインなのだろう?」という懸念をいくらか解消してくれる展開にもなっている。バタフライエフェクトってのは「蝶が羽ばたけば云々」の言葉の通り「些細な変化から大事件」の喩えなので、今回のように「大事件から大事件へ」ではあまりそこのフォローにはなっていないのであるが、それでも今作の基盤となった「未来から来たメッセンジャーによる過去改変」という構造をきちんと使っていることの表れにはなっている。「ディーバ」が最初にあった女の子の妹がサンライズにいたことでサンライズの事件に影響を及ぼし、最初の事件でとっさに救助したテロリストとは末永いお付き合いになり、負の影響を止めるために行ったサンライズの計画が今度は別な角度から新たな悲劇の引き金を引く。こうした因果の絡み合いが見えてこその時間跳躍ものである。

 やはりどう考えても、人間の考えの浅はかさは救いようがない。ヴィヴィ・シスターズはどうやら想定以上に優秀だったようで、サンライズ事件以降、自立思考型AIの展開が「正史」よりも急速に早まることになったという。そこで「じゃぁ量産しようぜ」にするなら話はわかるのだが、そういう体勢が取りづらい製品だったのだろうか、「すでにある製品の用途を変えて流用しようぜ」というとんでもない提案があっさりと通ってしまったという。その辺の病院で地味に仕事をしていたグレイスに白羽の矢が立ち、誰もお上の決定に逆らえないままに、彼女はAIの発展の犠牲となって消えた。冴木博士が止められなかったのはやむなしであるが、「1つのAIに1つの使命」が絶対原則であったとするなら、こんなにも酷い横紙破りが人間の手で率先して行われるのはとんでもないことである。願わくは、今回のメガフロートの事件を受けて、少なくとも「使命の改変」に対しての問題意識だけは後世に残ってほしいものだ。

 そうしてAIへの勝手な期待のために「殺されて」しまったグレイス。そしてそんな彼女が「生きているかどうか」という問いのために今回のお話はグルグルとどうしようもないことを考えながら回り続ける。博士の中で、グレイスは「生きている」(もしくは生きていて欲しい)。AIなのだから姿形を変えるのは問題ないが、その「意識」がメガフロートで生きているかどうかに関しては、(少なくともこの世界においては)おそらくマツモトの説明が真なのだろう。拡散し、粉微塵になったグレイスの意識はもう、集まって元に戻ることはない。この問題を描写するために扱われたのが「歌」であるというのも首尾一貫した演出姿勢になっており、小型ロボット・Mたちを通じてそれぞれの「残滓」は歌を通じて確認できるのだが、逆説的に、そこまで分散し、そこかしこに散らばってしまった「歌」では、もうそれを「歌」と認めるわけにはいかなかった。マツモトがヴィヴィに問うた「それは歌と呼べるものなのか」という問いかけは、歌うことを生業とし、そこから幾多のシスターズを生み出してきたヴィヴィにはあまりに残酷なものである。エステラとエリザベスは、歌で救われた。しかし、グレイスの歌は、救いにならなかった。この対比がヴィヴィに与える影響は、想像することも叶わない。

 「グレイスは死んだ」とみなしたあとのアクションパートも、劇場版もかくやという力の入った描写で嫌でも惹きつけられる。メガフロートの特性を活かして作っちゃったマツモトのマインクラフト飛行機も愉快なアイディアだし、ヴィヴィが「歌」の呪縛から使命を一段上に引き上げ、マツモトと息のあった連携を見せる展開も圧巻。しまいにはマツモトの意気すら超えて、「AIを滅ぼすAI」として動き始めるヴィヴィ。すでに亡骸に等しいグレイスのコアに一撃を加えた際にも、そこに迷いはない。いや、同情や葛藤はあったのかもしれないが、その拳を止めるまでには至らない。「グレイス」は最後まで何も語らない。バックに流れる音楽は、彼女が好きだった歌のアレンジバージョンになっており、歌が終わり、書き換えられることで、その「音階」は意味を消失していく。声もなく停止したグレイスが最後に「意識」を持っていたのか。彼女は停止させられたことをどう感じたのか。それはヴィヴィにも、誰にもわからない。

 AIの命を奪った青い右手。人の命が消えるのを止められなかった赤い左手。ヴィヴィの手には何も残らない。人とAIの未来は、交ることがあるのだろうか。

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 無職が休みたくて何が悪いッッ!!! 第5話! 無職にだって無職の事情があるんだよォ! そっとしといてくれよォ! ……全く本筋と関係ないところでキレてしまった……まぁ、私は残念ながら旦那持ちの女性と二人きりで飲みに行く予定ができたことはありませんでしたが……。

 相変わらず色々クセがすごいまま。もう、どっち方面に振り切れたギャグなのかもわからなくなってきた。今回個人的に推したいシーンは何といってもチュロスのシーン。画面動かさずは当然として、ヨモギの台詞回しとか、2人の声の音量とか、もう、本当に「空気をお届けします」という製作側の姿勢がダイレクトに伝わってくるカット割りである。今回はヨモギとユメがこうして微妙すぎる距離感で絡むシーンが多かったおかげで、今作のこだわり溢れる音響部分が何度も味わえたのはとても良かったね。相変わらずアフレコ現場は全員での収録は出来ていないと思うのだけど、これだけ絶妙な空気芝居を演者たちはどのように共有しているんだろう。メインの掛け合いくらいは一応リアルでやらせてもらってるのかしら。

 前回・今回とちせの活躍シーン(?)も色々と増えていて楽しくなってきた。このままダイナシリーズの乗り手として定着してくれると嬉しいのだが、何故かヨモギと入れ替わるっていう案は出ていないようだ。コントロールの技術でちせが追い抜いてるって可能性はないんだろうか? 流石にそこは男の子に任せた方がいいという判断だろうか? ガウマがそんなことを気にするとも思えないのだが……あくまでちせは補欠要員。そこは変わらず。

 しかし、今回は一応水着回ということもあり、(あんまりエロくはならなかったが)さらにちせに食い込んでいく展開も見られた。彼女の左手を覆うカバーはいったいなんなのか。ユメは気になっても踏み込まないタイプなので聞かなかったようだが、普通に考えてあの部分を隠すとしたら、まぁ、線が入っていると考えるべき。ちせさんの過去にももうちょい掘り下げ部分があり、そこでセンパイとの関係性も見えてくるってことなんでしょうかね。ガウマと優生思想、ヨモギとユメ、ちせとセンパイ、そしてユメとその姉。いろんな関係性がただひたすらに「空気」で伝達され、気づけば5話目も終わったのである。そろそろ大きな変化があるところで……ほんとに気になる引っ張り方だけは心得てやがる……。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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