最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
なんかここ数ヶ月はかなり劇場頻度が高い期間になってますね。まぁ、いわゆる夏休みの間は封切り作品も増えるってことなんだろうけど。おかげでおんなじ劇場に何度も足を運んでて忍たまコラボの土井先生のワーニングを何度も観てるわ。 今作について折り返し前に書いておくと「特に不満はないけど、例によって地上波で数話に分けて放送する形でもよかったのでは」くらいの印象です。まー、地上波用に分けると尺の調整が難しかったのかしらね。ちなみに「地上波でも良かったのでは」っていう感想はテレビシリーズ時点で最低限のクオリティが保証されてる作品に対して抱く感想なので、割と恵まれてる作品ってのは事実です。
<一応ネタバレ注意だけど、多分あんまり長い感想にはならないです>
PR 「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」 6→5 なんとまぁ、2クールやって更に2期まで決定しているとは。……よっぽど気合の入ったプロジェクトなのかもしれないが……なんか、作品自体からそうした気合はあんまし感じられなかったのが残念。 元の作品は好きだったし、総監督名義で高橋丈夫もクレジットされている。名義貸しみたいな状態だったらヤだな、とも不安になったが、割とコンテ作業にも参加してくれており、ちゃんと旧スタッフから関わりがある人間が出てることも分かった。そうしてみれば制作姿勢に文句はないはずなのだが……旧作の方が身が入ったのは単なる思い出補正なのかしら。正直、あんまりそうは思ってないのだけど……。 こっちに責任がある部分を先に挙げておくと、さすがに「2回目」となると本筋を追う意欲は低下する。何しろ10年越しとはいえ筋立ては知ってるわけで、ドキドキしながら先を見守るなんてことにはならないだろう。前作アニメとは映像化された範囲が違ったり、一応今回だけの見どころもあるにはあるのだが、そこは今度はコミック版が押さえている。途中で放り投げてしまったとはいえ、漫画である程度知ってる状態なのでやっぱり新鮮味には欠ける。いや、そんなこと言ったらキン肉マンなんて細部まで全部知ってて楽しんでるやんけ、と言われるかもしれないが、そこはまぁ、原作への思い入れの差だよね……。「ページやコマ単位まで読み込んでる漫画」と、「数年前に読んだけどあんま覚えてない漫画」では、リメイクを追うにしてもモチベに差が出るのは申し訳なくもしょうがない。 そうしてこちらの視聴体制に責任があることは認めつつも、やっぱりアニメ自体のクオリティにも難はあったと思う。旧作の映像部分がしっかりしていただけに、現代技術でふわっとリメイクされただけの画面だと、「作品作って魂入れず」みたいな手応えのなさを感じてしまう。実際問題、今作は作画に関しては相当外注でばら撒いてるっぽいし、どこか工業製品じみたそっけなさが出てしまっている。まぁ、単純にCG処理が増えたからそう見えるだけなのかもしれないが……でもキャラの表情のディティールとか、やっぱり力がなかったよね。そういう部分でじっとりと執拗に見せるのが高橋丈夫監督の真骨頂だと思っているので、上っ面だけを流れていくような作劇はご不満である。 第2期は多分漫画でも読んでないようなところが映像化される可能性が高いためにちょっとは新しい楽しみが出てくることを願っているが……どうなるだろう。でもまだ前作のエーブ編とかもアニメになってないのか……さて、どういう切り口で出てくるものか。
ちょいとビターな大団円、最終話! すいも甘いも噛み締めて、ヒーローの明日は続いていく。 まずもって、最終話らしい素晴らしい作画クオリティだったのが嬉しいですね。元々1枚絵の使い方が印象的な作品だけど、そこにさらに原作のテイストも混ぜ込んだイラストレーションを採用したり、全力で世界を美しく彩ってくれていたことがとにかくありがたい。総括はまた後でやるけど、ほんとに恵まれた作品だった。 さて、そうはいっても因果はめぐる。前回時点で「そっか、昧も赦されてハッピーエンドやね。ツィベタちゃんの時とは様子が違うけど、それくらいの返礼があってもいいのかな」と思っていたが、残念ながらそこまでムシのいい話は無かった。アマラリルクに加担した時点で昧の罪を全て払拭することは出来ず、自らの手で落とし前をつけたとはいえ、闇に迷った妹は、後の世界を姉たちに託すことしかできなかった。しかし、この悲劇的な結末にもきちんと一抹の希望を残していってくれるのが本作の良いところ。ツィベタちゃんは元々亡くなっていた身でありながら、その想いを改めて娘に託すことができた。そして昧も、本来なら絶望の底で世界を憎みながら果てていくところを、此度の騒動でなんとか引き留めてもらえた。死が救いだなんてことは絶対に思わないが、それでも彼女の道行きに、希望と感謝が残されたことは幸福だったのではなかろうか。 そしてここに来ていきなりぶっ込んでくる朱鷺丸。なんか今期は鳥類の恩返しが多いな……まぁ、鳥ばっかりが人間に変身して文明作ってたところもあるしな……。かつての昧の優しさが、ここに来て改めて彼女に還る。そうした世界の構造は、どこでも変わらずにあるものだ。もちろんそれは正の感情だけではないのかもしれない。アマラリルクが次にどんな手を打ってくるかはまだ分からない。ラストカットでまた知らん幹部みたいなのが出てきてたのでスティグマの今後の動きも気になりますよね。いったいどれだけのメンバーを蓄えているんだろう。 そんなアマラリルクより、ついに最大の手がかりとしてクフフさんの身柄が押さえられた。以前は指輪1つだけでもそれなりに分析が進んだわけだが、クフフさんという中核的存在がユニロードとの接触を持ち、いよいよ世界は核心へと迫ることができるのか。ただ、クフフさんの内面が今どうなっているのかもよく分かってないんだよな……彼女はどこまでアマラリルクに心を寄せているのか。すでにスピリッツとの対話でその辺りの精神性は揺らいでいるように見えたが、それでもクフフさんはクフフさん。どこまでもトリックスターな彼女の動向が、今後の世界の有り様を大きく左右する予感。 そしてここに来て登場したもう1つの要素、それがシャイの先代ヒーローである「シャイン」の存在。なるほど、SHYの前のヒーローがSHINEだったわけか。これまたうまい設定である。そして多分シャインってのはシャイのお姉さんか何かなのよね……闇と光の対立ってのはどこから始まってるものなのかしらね……。 まぁ、気になることはてんこ盛りながら、ひとまず綺麗な幕引きでありました。改めて、俺たちの戦いはここからだ! 突然のアイナナ!! 第11話! まぁ、TORYCA繋がりですけどね。流石にいきなりぶっ込んでくるのはいくらなんでも不自然やろがい、と思ったが、あそこに写ってたキャラのCVが夏生と同じなのか。ほなしょうがないかぁ(そんなことないやろ)。 残り話数も少なくなったけど、前回のドタバタでアトリ周りの問題は全部解決したし、もうイチャイチャするくらいしかやることないやろ、と思ってたら最後にスナック感覚で大問題が浮上。元々「低電圧」だったアトリが日常的に動作不良を起こすようになり、さらには停止まで。俺の前のPCもバッテリーに問題をかかえてたもんで、突然落ちたりするようになってヒヤヒヤしたことがあったっけ。そりゃいくら高性能ヒューマノイドとはいえ、この世界のロボも日常的に肉じゃがやハンバーグから栄養を摂取してエネルギーに変えることはできないようだ(歯磨きまでさせるくせに)。体内に原子炉を内蔵してどら焼きすらエネルギーに変えていたタヌキ型ロボットがいかに優秀だったかがよく分かる話だが、とりあえず現実的なエネルギー問題の解決法は、「定期的にメーカーに出して充電処理をしてください」というものだったらしい。現代の電気自動車だって公共の充電ステーションとかあるんだから、もうちょいサポートしやすい形にはならなかったもんだろうか。まぁ、自動車と違って半年に1回とかならしょうがないかって気にもなるが……アトリのこれまでの駆動期間ってどれくらいだったんだろう。ずっと椎菜を見守ってる時代もバッテリーの補充なしで見守っていたのだとしたら数年単位で稼働できる可能性すらあるが、あの時代は自分から定期的にカプセルインしてたんでしょうかね。 とにかく電力が足りない。これまで島では電気をめぐるあーだこーだはあったが、所詮子供達の浅知恵にも限界はあり、メーカー専任の充電ポートなど再現できるはずもない。挙句「このまま充電しなかったら一時的メモリに保管してたはずの夏生との記憶まで失われちまうぞ」という、アンドロイドロマンスのお約束がここに来て突然浮上。ラストタスクとはいえ、ちょっと取ってつけた感は否めない感じもするし、このまま来週まで解決せずに悲しいお別れエンドとかになったら「その御涙頂戴はさすがにダメ」って言おうと思ってたんだけど、よかった、ちゃんと解決策はあった。まぁ、あのカプセルとて無限のエネルギー源ではないわけだからこのまま放置したらいつかは底をつく問題ではあるはずだが……まぁ、ばあちゃんの技術力はとんでもないものだったらしいので、しばらくはこれで大丈夫なのだろう(それにしても急速充電すぎる)。そして、電力をもらったついでに余計な記憶までさらにインポート。さて、アトリに託された最後のミッションとは? ってなところで次がラストか? 現状、もはや問題は残ってない気がするのだが……何するんでしょうね。流石に海面上昇問題の解決とかは無理やんな? 「真夜中ぱんチ」 6→5 毎度! P.A.WORKS大好きおじさんだよ! ただ、今期は過去に例を見ないP.A.作品3本同時放送という稀有なシーズンだってのに、あんまり最大火力が出てないことにはちょっと悩んでいるよ。 というわけで、あんまハネなかった完全オリジナル作品がこちら。まー、P.A.的映像部分に落ち度はないんですよ。キャラデザも立ってるし、作画には減点要素が無い。ただ、いかんせんシナリオがパッとしない。はちゃめちゃ怪物コメディを狙ったのか、P.A.名物「お仕事」アニメの一環として処理するのか。せっかく「吸血鬼」と「動画配信者」という2つの要素をレッツラまざまぜしたおかしみを狙っていたはずなのに、どちら方向にも振り切れた印象がなく、なーんか小利口にまとまってしまった感がある。 これが1つ前の「アキバ冥土戦争」なら脚本自体もぶっ飛んでて最高にクレイジーでクールな作品だったんですよ。「メイド」と「極道」というハイブリッドが見事に唯一無二のネタに昇華されていて、そこにP.A.にしかなしえないような無駄に真面目な映像を載せることで各方面に不協和音を生み出して際立ちを発揮していた。それに比して今作は割とポップなデザインで万人受けを狙ったせいか、なんかJ.C.STAFF味があるというか、平均点やや上あたりに「置きに来た」ように見えるというか……最初にキャラの配置を説明された時に想像していた救いようの無いはちゃめちゃとは程遠い、「そこそこギャグでそこそこ人情」くらいに収めてしまったのはとても勿体無い。ハナからこれくらいの着地点を狙っていたというならその「安全策」に文句を言うものでもないが、「もっとできたんじゃない?」という印象は絶対に拭えない。 一応フォロー……というか「乗り切れなかった理由」の掘り下げをしておくと、最大の要因として「配信者」という職種自体がまだモチーフとして完成系が見出せていないというのは大きかったかもしれない。これがアイドルアニメであれば「アイドルがたどり着く頂点」というのはなんとなく作り手側にも視聴者側にもコンセンサスがあり、「すごいライブをすれば盛り上がる」みたいなルートが作りやすい。それに対し、「配信者」は何をやったらすごいのかが分からないし、「面白い配信者」ってのがなんなのかも、人によって認識が大きく異なる部分。そのせいで作中でまさ吉が繰り出す「動画のアイディア」みたいなものがすげぇぼんやりしたものになってしまっているし、どっかで見たような動画を雑多に繰り出しているようにしか見えず、「すごい力を持つ配信者」にはなりえなかった。今のところ「配信者の力」を見せつける基準が「登録者数」と「視聴者数」しかなく、画面上の数字で状況の遷移を伝える以外の方法が無いってのも、画的に、シナリオ的に盛り上がりにくい部分だろう。もしバトル漫画でスカウターに表示される戦闘力の大小だけで次々勝負が決まったら面白いわけないものね。 もちろん本作もそんなことは分かっているから「非常識で無茶を連発するヴァンパイア」というキャラ設定にして枠組みを壊そうと思っていたのだろうが、結果的に壊れなかった。動画配信者って、結局どこまで行っても無難と万人受けの極致を狙うしかない現状で、そこに際立ったドラマは作りにくいよね……そう言う意味では、VTuberという存在そのもののグロテスクさやミステリアスさを取り扱った「Vでん」の方が将来的な可能性に繋がった作品だったのかもしれない。 あとはまぁ、結局最後までなんでりぶがそこまで真咲にぞっこんなんだよ、みたいな部分へのエクスキューズが不足してて、キャラだけで観るにも足りない部分が多かったのは単純にマイナス点。今期は「茅野愛衣ボイスの動画配信者」が同時に2人出現するという変なクールになったわけだが、しげゆきと赤ちゃんカエルでどっちのキャラの方がエグいかを比べたらその差は歴然。いや、あの汚ねぇVTuberの方がいいかどうかは分からんが……。かやのんは適当に飲んだくれてる動画を垂れ流してくれればそれでええで。 「しかのこのこのここしたんたん」 6→4 このアニメ、あれだな、鹿が邪魔だな……(真理)。 世間的には「オープニング(のイントロ)が公開された時点がピーク」みたいな扱いを受けているアニメだが、すまん、だいたい異論はない。新番チェック時の点数もオープニング効果に引っ張られた感はある。人間はかくもチョロいのである。 シカし、そっから1話目時点で「なーんかもっさりしてんな」という印象はあったわけで、どこか底が割れてた感はあったのかもしれない。ギャグアニメの難しさを改めて確認させてもらいましたね。基本的にわたしゃ太田雅彦&あおしまたかしのコンビは信頼しているし、それなりに波長は合うと思っている。しかし、本作は既存の創作法から大きくズレたものではなかったはずなのになんか刺さらないものになっている。「可愛い」によせたデザインも作劇も加点要素になってシカるべきだったのだが、やはり常に「もっさり」感が付きまとう。なんだろうね、もう「原作が悪い」っていうことにして逃げちゃダメ? あんまりアニメにして旨みのあるデザインじゃなかったとシカ……いや、もシカしたら単にこの作劇法に飽きたっていうだけなのかもしれんけど。シュール系の笑いって、依って立つところが定まらずにただ野放図にネタをばら撒くだけだと回収のしようがないんだよなぁ。そこまで密度が高いわけでもなく、「数打ちゃ当たる」みたいな対処にもなってなかった気がするのでシカたない。 でも「可愛い」は維持してたとは思うんだよな。やっぱ鹿がいらなかったとシカ……。いや、だったら「何が要るんだよ」って話だけど。日本国民の「鹿感」に決して消えない変なインパクトだけ残して去っていった歴史上唯一の鹿作品として年表の隅にこっそり残しておけばいいのではなかろうか。 シカらば。 「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」 5→5 おっさんにはついていけない新しい文化を反映するアニメ。……だったのかどうかは良くわかりませんが、少なくとも「絆のアリル」よりかは視聴するモチベは圧倒的に維持できてましたね。「馬鹿だなぁ」という突き抜けたギャグの免罪符を手に入れた時点で、作中のシュワちゃん同様、無敵の人のポジションを手に入れた感はある。 「Vの話なんてどうせ分からんしおもんないやろ」というおっさんの諦めだか僻みだかよく分からない感情は割と序盤で無くなった。いや、そりゃまどこまでいっても共感とかは無いんだけど、今作は「VTuberを楽しむ方法」とはまた違った部分でVの側面を切り出しており、アニメとして別次元でちゃんと成立してたとは思うのよね。もちろん細かいネタ回しはVへの理解がないとついていけない部分はあるはずなんだけど、そういうならではの「あるある」みたいな部分と、そこまでマニアックでもない番人向けのネタ回しのバランスは悪くなかったと思う。まぁ、下ネタに振る部分とか、ネットミーム前提のパロディとかがてんこ盛りだからどう頑張っても人は選ぶわけだけど……元々Youtuberなんてそんなもんだしな。 個人的に無視できない要素だったのは制作のティーエヌケーと監督の浅岡卓矢という「不徳のギルド」の座組みで、前作が怪作に仕上がったことを考えれば何か革新的な部分もあるんじゃないかと期待していた。そして、今作においては「Vの存在感とアニメならではの見せ方」という部分できちんと爪痕を残す作劇になっていたと思う。特にVの表層の描き方が一工夫あって面白かったですね。1話目を見た時点で「あれ、Vのガワと中の人ってビジュアル的に変えずに描写するのか」と疑問に思ったが、今作におけるビジュアルってのは全て「認識」の表れであり、時に視聴者が、時に作中のキャラが対象を「VTuberだ」と認識した時にその姿が立ち現れるっていう、きちんと意味のある設定になっている。そしてV以外の人間は全て顔の無いピクトグラムで描かれ、Vとしての存在感が得られた時に鮮やかなキャラクター像を手にいれるという演出はまさに「仮想現実」としてのVの危うさや、自由さを表現したものになっている。晴先輩が声だけではずっとモブだったのに「あれが先輩の中身だったのか!」と気づいたとたんに姿を得る演出とか、してやられたもんね。中心にいるのが「ガワも中の人も同一化してしまったおかげで伝説になった淡雪だった」という設定自体が一種のミスリードになっているのも心憎い。多分、今作の「アニメ化」として出来そうなことは全部実現してくれていたんじゃないだろうか。 まぁ、アニメ的に色々とみるべき点があったとはいえどこまで行っても内輪ネタだとは思うので、バズることもバズらないことも全てネタ扱いになるという、落とし前のつけ方がよく分からん作品ではあったのだが……ぼかぁ「Vそのものの存在よりはアニメの方がよっぽど受け入れられる」という結論です。単に佐倉×日笠のヨゴレ先輩後輩コンビが楽しかったという話は置いとくとして。汚ねぇAfterglowありがてぇ。またどこかで伝説の佐倉さん泥酔ラジオが見たいなぁ。 「烏は主を選ばない」 6→7 最近のNHKはほんとにいいアニメばっかり立て続けに展開してくれてて助かる。我々国民の受信料が良質なアニメになるなら言うことなしやで……(私は波風立てるのが好きじゃない人間なので当然文句も言わずにせっせと受信料は払い続けてますよ)。 繰り返しになりますがいいアニメでしたね。常々私は「ミステリとアニメという媒体は根本的に相性が悪い」というスタンスを取り続けているわけですが、振り返ると過去に成功したアニメもゼロではなく、個人的には12話、13話の感想で言及した通りに「六花の勇者」が大好きな作品だった。そして今作の謎解きクライマックスは、「六花の勇者」最終回に負けないだけのパワフルなものだった。 さて、この2作が他のミステリアニメと一線を画すことになる共通する要素はなんだったのか。単純に考えると「ファンタジー活劇との組み合わせ」ってことになりますかね。「六花の勇者」は魔王討伐を目指す勇者たちのパーティという設定に「人狼」の要素を組み合わせたコンセプトで、今作は閉鎖された和風ファンタジー世界での権謀術数をめぐる政争に犯人当ての要素を盛り込んだ。そうして単なる謎解き一辺倒ではない構造があるおかげでアニメにした時に画面も賑やかになり、それなりの尺を退屈せずに見られる、というのは間違った分析ではないだろう。ちなみにここに肉薄したのが最近では「アンデッドガール・マーダーファルス」であった。 しかし、実際は「アニメ映えする要素と混ぜ合わせればいいんですね!」ってんで解決するほど簡単な話ではない。例えば「虚構推理」は怪異譚と組み合わせた上に「虚構」といういかにもアニメ向きなギミックまで盛り込んでいたのに、どうにも中だるみ感が否めなかったし、ミステリアニメの殻を破った感はなかった。ファンタジーとの組み合わせというなら「薬屋のひとりごと」だって似たようなデザインだったはずなのに、あちらの謎解きに心躍ることはなかった。はてさて何が違うものやら。 答えは、……分からん! そんなん俺は知らん。ただ、今作はとにかく肌に合ったというだけの話なのだ。マジで何が違うかを言語化はできないのだが、振り返ってみれば、私は3話目時点ですでにこの作品の感想を書いているし、そこから毎週毎週ちゃんと書くことがあったおかげで休まず更新し続けている。この「序盤から興味を惹かれる作劇」というのはとても重要で、ミステリの楽しさってのは、それまで蓄積してきた諸々(つまりは伏線)が最後に一気にバッと解放され、繋がれていく部分が快楽物質を生み出す。それってつまり、「貯める」だけの意識がなきゃダメなのだ。そして、えてして失敗したミステリアニメってのは、この「貯める」段階がどうしても作業的になってしまい、そこで興味が途切れて解決までモチベーションが維持できないことが多い。まぁ、要するに「捜査シーンやそれまでの筋立てが全部面白ければいいんだね」という話になるのだが、これだけじゃ「とにかくいっぱいおもしろかったです」というアホの感想でしかないのでなんも言ってないのと同じなのである。ほら、言語化できない。 でもマジでなんなんだろね。ざっと感想を読み返してみると、序盤の興味はこの世界そのものの構造についてだったのかな。「どういう世界なんだ?」「なんで烏?」「四家ってどういう存在?」みたいな個々の要素が全部「気にさせる」パワーを持って描かれていたんだろう。実際、こちとらネタバレには細心の注意を払いながらも、作中でよく分からなくなった人間関係とか名前なんかは公式ページで確認しながら見続けていたのである。退屈なアニメなら、そうまでして調べて視聴を続けようというモチベーションも起こらないわけで、「気にさせた」時点で今作の勝ちである。 まぁ、最低条件としては毎週見たいと思わせるだけの画面のクオリティ、それに謎は孕みつつも最低限何が起こっているかが理解できるだけの描写力が必要なのは間違いない。さらっと書いたけどこの2つが揃ってるアニメっていうだけでも相当なもんですよ。改めて、今作で京極義昭監督の評価は揺るぎないものになったんじゃないでしょうかね。 さて、続編は作られるんでしょうか? ダメ? 原作読まないとダメ? とても正しい意味で俺たちの戦いはこれからだ! 最終話! Season2は1月スタートということで、1クールくらいの休止期間は品質保持のためなら喜んで待ちますのでね。 さて、一旦中休みということだが原作ではとにかく盛り上がりまくる一番いいところでの容赦ない休止。まー、でも止めるとしたらここに挟むしかないものね。あとはマジで一気に走り抜けるしかないだろうし。今確認したらピラミッドリングの試合がコミックで45巻までなので、話数は多少変わるかもしれないが、尺でいうと今シーズンと大きな差はない。今回11話とちょい短く終わったことを考えると、次は多分1クールでピラミッドのラストまではいけるんじゃなかろうか。 ま、後のことはスタッフに任せるとしていつも通りに今回分だけ切り取って見ていくが、やはり衝撃なのは一番しゃべってたネメシスの存在でしょうかね。原作読んでない人からしたらその名の通りに絵に描いたような「宿敵」キン肉族。我々だって彼の正体についてはあーでもないこーでもないと色んな憶測を飛ばして楽しんだもんです。ま、王位争奪編の時点でキン肉マスクの敵5人と戦ってるからそこまでびっくりするような展開でもないはずなのだが、ちゃんとネメシスの設定を固めて、そこに余計なまでにドラマを盛り込んでくれているのは現代ゆでたまごの才ですよ。まぁ、ベタといえばこれもベタではあるんだが……いい男だよね、ネメシス。 そしてその傍らにはファンが最も気にしていた男、グリムリパーの姿も。いやぁ、べーさん、割とはっきり「ニャガニャガ」って発音しとったな。多分もっと笑い声っぽく発音してお茶を濁す選択肢もあったんだろうが、やはりニャガさんの代名詞はこの笑い声なので、そこを誤魔化すのはよろしくないというディレクションでああいう発声になったのだろう。もう、1回やっちゃえば変だろうがなんだろうがキャラとして成立しますので、あとは好き放題のニャガさん像を作っていってほしいですね。ちなみに他の追加メンバーも一通り笑い声は披露しているんだけど、割と「それっぽく」ぼかしているのがマーベラスの「ギュガ」ですね。これはこれで匠の技。ポーラマンの「パギャ」についても割と笑い声っぽいアレンジが効いている。まー、みんなして色々と大変そうではあったな。多分アフレコ現場でジャックチーに対して「お前のジャジャジャはまだ楽でずるくね?」みたいな会話があったに違いない。ジャックチー、ギミック超人だからデザインが間抜けなはずなのに、なんかスマートなの不思議だよなぁ。 そして個人的に今回のハイライトはなんと言ってもスプリングバズーカ! いやぁ、これが令和の世に拝めただけでも感謝感激なんですが、あの無茶なフォルムをなんとかアニメで実現させるため、結構原作絵と構図とか2人のサイズ比とかが調整されてるんですよ。そんな中で最大の萌えポイントはバッファローマンの拳をしっかりと握りしめてるスプリングのおてて。原作絵でも握ってはいるんだけど、画面構成の関係か、アニメ版はより仲が良さそうに(?)、きゅっと握っててとてもプリチー。まさかこんなヘンテコなネタ技が30年の時を超えて格好良くキマるシーンに使われるとは……。 他にもジェロニモが離脱前にブロッケンに託していく台詞がカットされてたり、細かい修正はちょこちょこ入っているのだが、注目したいのは正義超人4人衆の登場シーンでの台詞の順番。原作ではラーメンマンが(何故か中国語で)締めてるんだけど、今回アニメでは登場順が変わり、「ブロッケン→ウォーズ→ラーメンマン」ときて、最後にロビンが登場して彼の台詞で締めている。やはりこのグループにおける参謀役、一番の上位がロビンだという判断での変更なのだろう。こういう細かいところでのこだわりも良いですよね。まぁ、この後のロビンの戦績とかやりたい放題っぷりを考えるとやっぱ笑えるのだが。いやぁ、でも立ち姿がほんとに絵になるロビン。来年からの活躍が楽しみだぜ! |
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HN:
Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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