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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「メガトン級ムサシ」 4

 すさまじいタイトルやな、と思ったらレベルファイブ作品なのか。確認したらプロジェクトのスタートが5年前とのことだが、名前すら聞いたことなかった。まぁ、あんまり興味がないジャンルではあるからな。

 タイトルはすさまじいし、オープニングもなかなか愉快なので笑ってしまったのだが、そこから始まったお話はおっっっそろしくベタなもの。いわゆる「搭乗するまでの第1話」であり、敵対勢力の設定とか、主人公チームのキャラクターとか、本当に「古き良(いか分からな)きロボットアニメ」という印象だ。このある種の古臭さみたいなものはきっとプロデュース側が狙って打ち出しているものだろう。ロボットアニメになかなか成功作が生まれなくなって久しいが、やはり尖らせすぎてお話が観念的な方向にばかり振り切れてしまうと視聴者はついてこない。あえてそこはロボットものの原点回帰を目指し、巨大で重厚な何かがズシンドシンと動く要素を全面に押し出すことにしたんじゃなかろうか。まぁ、ぶっちゃけ1話目ではそのロボットすらろくに出てこないのだが……オープニング映像とかから察するにそんな感じ。

 そう考えると、決して悪い要素があるというわけではないのだが……やっぱレベルファイブ作品のこの雰囲気はどうしても腰が引けてしまうよなぁ。考えてみりゃ「妖怪ウォッチ」だって「イナズマイレブン」だって(あと「レントン教授」だって)アニメはそれなりに楽しんで観ていたはずなのだから身構える必要もないとは思うのだが、どれもこれも「まぁ、お子さん向けのもんだと思えばねぇ」っていうので受け入れられていた部分が大きく、今作のように真正面から「アニメとして受け止める」って経験は無い。いや、「二ノ国」はあるけど……うん、だから身構えてるのかもしれんな。特有のキャラクターデザインから徹底してシリアスな世界が描かれた時、それが見るに値するものになるのかどうか、現時点ではやや懐疑的。だって、1話目の導入が眠かったんだもの。

 まぁ、常に常識を打ち壊すセンスで見せてくれている企業なのだから、ここからもしかしたら「ベタとか言ってごめんなさい!」っていう展開もあるかもしれない。無かったら……そういうもんや。

 

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○「SELECTION PROJECT」 5

 年々歳々俺同じ、年々歳々アニメ同じからず。まだ終了していない番組もある中、容赦無く新番は始まっていくのである。今期我が家で先陣を切ったのは、こちらのアイドルプロジェクトである。

 この世には早見沙織は1人しか存在しないと言うのに、どうにも早見ボイスのアイドルってのは世の中に偏在しているようである。ただ、今作における早見ボイスはすでに過去のもの。亡くなったアイドルを目指して戦い抜く女の子たちのアイドルバトルを描く……ということは、当然その幽霊が出てきて幼馴染のプロデューサーに取り憑いているはずなので、まずは霊媒体質の仲間を見つけるところからスタートすれば良いだろう。

 とまぁ、どうしたって他のアイドルアニメと比較されてしまうのがこのジャンルの宿命。なかなかシナリオラインから他と差別化を図るのも難しく、全体的な作画クオリティや、アイドルたちのキャラ勝負になりがちなフィールドであるが、さて今作はどんなもんじゃろ。初見での印象は「優良可」でいえば「良」に食い込めるかな、くらい。動画工房は最近何故か以前よりも作画品質が落ちていることが問題になっているが、今作に限っていえば少なくとも1話目は割と可愛い方の動画工房が出ていたように思う。監督は「わたてん」「こいあす」と担当した平牧大輔氏。別に監督で作画クオリティが決まるわけでもなかろうが、安定していた頃の動画工房の人員が確保出来ていることを期待しよう。

 画面の安定感が保証されればあとはシナリオ次第。1話目は「全選手入場ッッ!」を延々やっている状態なのであんまり個性が出ない切り出し方だったとは思うのだが、流石に最後のオーディション結果には顎が外れた。今まで見たことがない展開だよ。このままだと主人公だと思ってた子が単なるアイドルファンとしての人生を終えてしまいかねない。中の人が私ちゃんということもあり、「こいつ、常にアイドルを傍から見てるな……」みたいになっちゃったらどうしよう。いや、なるわけないけど。でもここからどうやって逆転させるんだろうな。もし逆転しちゃったら、せっかく勝ち抜いたと思うあのパツキンが可哀想やんけ。

 とりあえず、1話目でがっつり興味を引く展開には成功しているので、今後、あの9人がどのようにしのぎを削りあうかが要注目である。グループアイドルを描いたアニメは山ほどあるが、ここから「生き残るのはただ1人」っていうバトルロワイヤルになるとしたらそれは斬新だ。……最終的にバターサンドが残ったら笑うんだけどな……1話目で一番インパクトあったのあいつやろ。

 

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「ひぐらしのなく頃に卒」 ー→5

 最終的に何を見せられてんのかよく分からなくなる作品だったが、まぁ、楽しかったから別にいいかな。これ以上ないくらいに「同人でやれ」な世界だったけど、考えてみりゃ、ひぐらしって元々同人なわけだし……。

 前半シリーズの時期に「いくらなんでも赤坂にL5発症だけはショック。やって欲しくなかった」みたいな感想をどっかで見たことがあり、「ひぐらしファンでそういうピュアな人もいるものか」とちょっと感心した記憶があるのだが、そういうピュアなファン層からするとこの「公式同人」はなかなかキツい作品だったのかもしれない。これまで積み上げてきたひぐらし文化をある意味で根底から覆しての筋立てだし、正直、ひぐらしが元来持っていた魅力とは違う方向性への切り出し。いわば「雰囲気ホラーの実質ファニー」をここまで真面目にやられてしまっては、「おもてたんと違う」という感想が出てくるのは避けられないことだろう。ただ、すでに完結してしまった「完成品」である作品に無理くり続編を繋いだのだから、多少なりともそうなっちゃうことは予想の範囲内だったはず。むしろ、中途半端な改変でベータ版みたいな扱いにするのではなく、ちゃぶ台どころか畳からひっくり返して「なんじゃそりゃ雛見沢」を作り上げてくれた今作は、ある意味でとても誠意ある作品だったんじゃなかろうか。

 少なくとも私はある程度楽しめたと言える。沙都子の物語という軸を決めることでこれまでのひぐらしフォーマットを守りながらも世界の見え方がガラリと変わり、これまで培ってきた雛見沢というアトラクションをフル回転させてアホの物語をどんどん肥大化させていく。どうせバカなことやるならここまでやってくれた方が諦めがついて楽しいんじゃないかと思うのだ。幸いにして渡辺明夫デザインを尖らせた作画部分が非常に安定しており、アニメーションとしてのクオリティだけを考えれば旧作と比べるべくもない。「止まった世界」たるひぐらしワールドを令和の時代まで「進めた」結果がこれってのは、構造的にもなんだか皮肉が効いていて、今の時代に作った意味もあったんじゃないかしらね。

 個人的には、北条鉄平という今期屈指の萌えキャラを生み出したというだけでも充分だよ。あの面白さは、なかなか狙って出せるもんじゃねぇよ。

 

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「出会って5秒でバトル」 5→3

 ある知り合いがどうやら原作のファンだったらしく、(そいつはアニメを観ないので)「この作品のアニメ、どんな感じですかね?」と気にしていた。聞かれた時点ではまだ3話目くらいだったので「まぁ、特に良くもなく悪くもなく」と当たり障りのない答えしか出てこなかったのだが、残念ながらそこから下がらざるを得なかった。

 まだまだコロナの影響の根強い今年のアニメ作品。しかし夏クールは意外にも大きく作画が崩れた作品というのはそんなに多くはなく、生産本数に比してのクオリティで言えば「日本もまだ持ちこたえているな」という印象だ。しかし、いくらなんでも全ての作品がそのような安定した体制を維持できるわけではない。不幸にもその煽りを受けた数少ない作品の1つが、これだった。割と早い段階で「なんか粗の見える作画だなぁ」とは思っていたが、それがはっきりと「ダメな作画」になってしまったのは中盤くらいだろうか。もともとどういう制作体制だったのかよく分からん変なクレジットだったのだが、いつの間にか監督の名義が抜け、スタッフが欠けたという。真相のほどはよく分からないが、スタッフが安定して最後まで仕事が出来ないという状態が正常とはとても思えないのよね。

 ことに能力バトル漫画ってことでいかにして「能力の強さ」を見せるかという部分が成否を分ける性質上、この瑕疵は致命的だ。バトル作画だけCGで逃げる手法も取られたが、あくまで生身VS生身のバトルしかない作品。わかりやすく「下手なCGの使い方」に終わっている。どうにも逃げようとした方向が全部まずい影響を与える方向だったようだ。能力の見せ方、例えば大砲であったり、「なんでも切れる剣」であったり、そういう非現実的なオブジェクトをたくさん積んだバトルが鬼滅ばりのハイパー作画で作られていれば評価も大きく変わったかもしれない。例えばすごく近いジャンルでは「ダーウィンズゲーム」なんかは最低限の工夫でバトル描写が出来ていたのでそこだけでも評価出来たのだ。今作だってそういう未来はあったはずだ。でも、そうはならなかった。ならなかったんだよ、ロック。だからこの話はここでお終いなんだ。

 まー、正直バトルものとしても筋書きが面白いかと言われると……なぁ。主人公の能力、最初に観たときは「どうやって使うんだろう」と思わせたのに、結局一番都合のいい「強すぎる」設定だったからチートにしかならなかったし、他の連中の能力があまりにもやっつけすぎるものばかりで性能差が激しすぎるし。頭脳戦っぽく見せてた終盤も「お前がそう読んでくることは読んでいた」って言うばっかりで「んな無茶な」ってなるだけだし。結局、後付けでルールがどうとでもなるからあんまり緊張感がないんだよなぁ。

 

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「平穏世代の韋駄天達」 5→6

 いやー、好きな作品でしたね。アニメーションとしての画像処理もそうだし、能力バトル漫画としての内容もそうでした。キーワードは「ドM」。

 「圧倒的絶望を前にした苦闘を描く物語」ってのは昨今割と数があって、パッと思い浮かぶのは何と言っても「進撃の巨人」。圧倒的な暴力に蹂躙され、じわじわと壁を狭め続ける人類がどうやったらその状況から抜け出せるかという絶望的状況を、多大な犠牲を伴うトライアル&エラーでもって少しずつ解体していくというお話。もちろん最終的には「打開」が待っているはずなのだが、そこまでにどれほどの絶望感が描けるかっていうのが腕の見せどころで、個人的には何故か知らんけど「馬を先に潰された屋根の上のおっさんが巨人に嬲り殺されるシーン」がやたら印象に残っている(ディティール全く覚えてないんだけど)。とにかく、希望があると思っているところを打ち砕かれて、あまりに惨めに負けていく姿、そういうのを見るのって、ゾクゾクするんですよね。この感情ってドMなんだろうか、それともドSなんだろうか。個人的には、NTR好きと同じ神経回路な気がしているのでドMの感覚なんですよ。

 そして今作も、そんな「絶望的状況を作ってからのブレイクスルー」というシチュエーションに徹底的にこだわっている。しかも、何が面白いって絶望してるのが相手側だってこと。アニメが始まり、最初に韋駄天の設定が説明された時点では「結局なろうとかと同じでオレツエーやるだけの話になるのでは?」と思っており、実際に魔王軍討伐までの動きではイースリイを筆頭とした韋駄天サイドにほぼピンチなどありはしない。リンも含めた圧倒的な性能でもって絶望する魔王軍を叩き潰していく。オレツエーの極みだが、そこで蹂躙される魔王軍を中心に描くことで、次への布石が作られている。そう、ミクの存在である。

 このミクっていう蟻の一穴が今作の全て。完膚なきまでに策を練り、戦後のことまで考え抜いたイースリイが魔王軍を叩き潰したはずが、たった1人、「ありえない洞察力」を持つミクだけは取り逃がした。これが「進撃の巨人」で言えば序盤におけるエレンのポジションになるわけで、「絶滅の危機に瀕した側が持つ最後の反則兵器」である。しかもミクは肉体を使っての戦闘はからきしという完璧な参謀キャラであり、とにかくイカレた「洞察」だけでひたすらに先手先手をうち、針の穴を通すように魔族生存ルートを作り出す。イースリイに落ち度があったとも思えないがミクは見事に策を成し、今度は韋駄天側を「絶望」へとひっくり返すのである。この時に1つ目の「絶望の物語」が収束し、立て続けに「二つ目の絶望」へと繋がっていく。絶望好きの視聴者からすれば、実に贅沢ないいとこどりパッケージというわけだ。

 「人類の存在自体にあんまり興味がない韋駄天」という設定も絶妙で、彼らの「こだわりの薄さ」というか、生きることへの関心の低さみたいなものが、きちんと「オレツエーなんだけどどこかにぽっかりと穴が空いてる」雰囲気につながっており、ミクのようにただ快楽だけを求めて生き残ることに執念を燃やした魔族との対比が出来上がっている。また、韋駄天の持つ現実感の薄さはバトル要素としても不思議な効果を生み出しており、「死なないから何してもいい」という刹那的な戦いっぷりはあまりに珍妙で、それだけで面白みにつながっている。そうして圧倒的「ボスキャラ」として世界を蹂躙しながら、最後にはミクというたった一人のエロ魔族の手に落ちて転げていく「最強」たち。これこそ、少年漫画的な王道展開(の綺麗な裏返し)ではないか。あまりに捻くれた設定だが、いちいちやってることは理知的なので妙に納得してしまうという。この見せ方は、純粋にストーリーテリングの旨さが出ていると思う。

 惜しむらくはすげぇいいところ(?)で終わってしまったのでどうにも続きが気になるということだけだが……これ、絶対に原作ストックないよね。ここからどう落とし前をつけるんだろう……。ここまでの筋立てが作れてるなら、この後もとんでもない展開を見せてくれそうな期待はあるんだけど。……天原ってこんな作家だったのか……。

 

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NIGHT HEAD 2041」 5→5

 結構思い切った筋立てのドラマだったと思うんだけど、どうでしょ? いや、どういう目的で聞きたいのかはよく分からんが。

 今となってはこういう「異次元」とか「パラレル」とかいう関係性って珍しくもないし、なんならSF的設定としてはベタとすら言えるかもしれない存在になっているが、本作はもともとの原作が90年代のドラマ作品だったと言われていたので、まさかそういう展開に終始するとは思ってなかった。もうちょっとシンプルで脳筋な超能力ドッカンバトルになるもんだと思っていたのだが……「結構思い切った」ってのはそういう意味だ。まぁ、どこまで原作ドラマから引き継いだ要素なのか分からんので、アニメ化に際して思い切り改変されてる可能性もあるのだが……まぁ、それなら現代版としてはちゃんと説得力を持たせられたということなのでどちらにしても結果オーライである。

 割と早い段階で「世界がヤバい!」という危機レベルにまで到達していて、序盤のディストピア設定に「そんな世の中あるか?」と疑問に思っていた身にも「まぁ、そんな瑣末な部分はどうでもいいぐらいの世界だったんだな」と力技でねじ伏せられた。あとはだって、もう2組の兄弟の観念の話になってくるしね。世界の危機か、自分たちの存在か。どこまでいったって結局視点人物次第なので答えが出る問いでもなく、いかに4人の人生に納得できるかというだけの話。途中、思いつきで動いちゃった部分が無いでもないが、映像部分にブレがなかったおかげで視聴していて引っかかる部分は案外少なかった。こうしてとんでもねーサイズ感の話になっちゃうと、むしろ現実感がどうこうっていう視点は吹き飛んでしまうのでCGバリバリの作画とは割と相性がいいのかもしれない。結局、どんな道具も使い方次第だ。今期は似たようなテイスト(?)の作品として「SCARLET NEXUS」があるが、似たような第一印象から、ちゃんと全然違う方向に振り切れたので安心だった。まぁ、初見の印象なんてそれくらい頼りにならんという話だわな。

 あんまり後世まで語り継がれるような作品でもなかろうし、多分私も半年後には忘れてる気もするが、観てる間は退屈しない作品でしたよ。もうちょい尺に余裕があって1つ1つのパーツに説得力を持たせられれば、もしかしたらもう少し印象に残る結果にもなったかも。

 

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「うらみちお兄さん」 5→4

 なんか……思ってた以上にベタな作品だったのね。まー、完全に出オチ設定だし、ある程度長くやっていくためには穏当なネタ回しでベタに徹するのが無難だとは思うけども。

 結局、1話目で出てきたインパクト以上のものは特に無く、1話目時点で「あー、ネットでたまに見るやつだー」くらいの印象しかなかったらそこから上がる余地は残されていない。もっと多方面に毒を吐いていくものかと期待してた部分があったのだけど、キャラがすぐに固まっちゃったから、そこからあんまりはみ出すところはないのよね。まぁ、中盤から「キャラを追加する」っていう方向性での広げ方になってたけども……出オチキャラたちに追加でパワーアップするほどかと言われるとなぁ。一応、今作最大の特徴である「あまりに無駄すぎるキングレコード全力キャスティング」という部分はあるので、キャスト面の贅沢さだけなんとなく楽しんではいたけれども。杉田がツッコミキャラにまわっちゃったのはなんか勿体無かったな(宮野の宮野っぷりは評価する)。あと、水樹奈々が未婚のうちにやれてればもうちょいなんかあったかも。

 まー、穏当ではあったけれども映像クオリティは大崩れすることなくやれたのでファンにとってはそれなりのサービスになったんじゃなかろうか。今作の熱心なファンってのが全然イメージできないのだが。

 

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「アイドリッシュセブン Third BEAT!」 ー→6

 やっぱ面白いわ。なかなか視聴がおっつかない男性アイドルものの中で、私が一番好きなのは多分これだと思う。

 とにかくエグくて容赦ない展開が売りの作品。アイドルなんて夢を届ける存在のはずなのに、その裏側にはとにかく薄汚い芸能界の闇とか、エゴとエゴのぶつかり合いが隠れ潜んでいる。血縁のしがらみにファンとの関係性の揉め事、事務所の圧力にハニートラップじみた女性アイドルとの確執まで。とにかくパッと思いつくような「アイドルの醜い部分」を遠慮なくぶっこんでドロドロの昼ドラに仕上げている。ここまで容赦無いニヒリズムを貫き最後の最後で「でも、やっぱりアイドルって素敵な商売だよね!」みたいな終わり方になればアニメとしては妥協点も見つかるのだが、少なくとも今期に関してはそんなフォローなど一切なく、残されたのは新たなライバルプロジェクトと「つづく」の3文字だけ。こんだけ放送を続けて、関係者が誰一人幸せになっていないという恐ろしい作品である。前期に登場したツダケンもマジモンのヤバい奴だったわけだが、今期はそれに加えてもっと明確な敵キャラとなる高橋広樹が本格参戦。みんなしてヤベェ奴だってわかってるからなんとかそれを制御しようと悪戦苦闘しているのに、ふつーにその上を行くダイレクトなヤバさで軽々とそれを乗り越えてしまうという、アイドルアニメに出てきちゃいけないタイプのキャラクターだ。こんだけ引っ掻き回されたら、ここからどんな展開になったとしても関係者の中にわだかまりは残り続ける気がするのだが……もしかして芸能界ってそういう世界なの? ……コワァ……近づかんとこ。夜叉丸さんなんてまだかわいいもんやで。

 さぁ、次の放送はいつかな? どこまで地獄が続くかな?

 

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 帰ってきたよ、最終話。あれだけのトンチキな世界を駆け抜けて、戻ってきた最終話がこの日常。これもまたこの作品らしさか。

 「二年間」というサブタイトルに首をかしげる。長良自身も「2年間の漂流」と言っており、前回までの話に出てきた「2000年」とかの感覚はどこいったんや、と思いかけたが、あんまりそこは問題じゃないのだろう。あの世界に飛んだ時点で、既に時間が意味をなさなくなっている。彼らが何年間に感じたとしても、長良の中ではそれは「二年間」だ。確認したら「十五少年漂流記」の原題訳が「二年間の漂流」なのね。ここまでちょこちょこ有名な文学作品などをサブタイトルに使ってきた本作の締めはまさに「漂流記」そのものであった。

 今更、今回の長良たちの「帰還」に野暮はいうまい。戻ってきた世界。しかしそれは本当に「元の世界」なのか。戻ってきた長良自身、本当に長良なのか、それすらふわふわした状態に思えてくる。全ての世界は漂流などと無関係に存在しており、一番の支えだったように思えた希の存在さえ、漂流をまたぐ前と後で何が変わったということもない、ただの「2人の学生」でしかなかった。それでも、長良の中で間違いなくあの「二年間」はあったことになっており、そのわずかばかりの記憶のカケラは、一緒に帰還した瑞穂の中にだけ残っている。瑞穂は瑞穂でなんだかドライに現状を受け止めているようにも見えるが、この距離感が彼女なりの接し方。間違いなく、漂流したことによる「蓄積」はあるはずだ。

 面白かったのは、ロケットやら観覧車やら、あの手この手を使ってようやくたどり着いた果ての希の「光」。満を辞して最後のひと駆けに躍り出た長良たちの前に立ちふさがったのが朝風だったこと。あんだけ頑張ってたどり着かなきゃいけなかった「ゴールポイント」に、あっさりと割って入る朝風ってどないやねんと。一瞬「そういう幻影」とか、「長良が勝手に後ろ髪引かれる思いを朝風に具現化した存在」とか色々考えたが、多分、あれはやっぱり朝風本人だったのだろう。彼の能力を使えば、きっと「光」の手元に近づくことはそれほど難しくはなかったのだ。思い返せば、漂流当初に世界の真実に一番近いと言われていたのは朝風だった。しかしそこから次第に彼は株を落とし、いつしか長良たちの後塵を拝する形になっていた。それって結局、朝風の気の持ち方次第だった気がするのだ。彼が長良や希たちと心の底から理解しあって手を取れていれば、案外「脱出」はものの数日でかなっていたのかもしれない。そんな妙な納得を見せてくれる朝風の最後のお別れ。それもまた一つの選択であり、若者たちは、いつしか道を違えていくのである。朝風がしれっといってた「ラジダニは森になって」があまりにもそれっぽくて笑ってしまった。そうか、死を超越するって、そういう方法もあるのか……。

 戻ってきた長良の生活に、何も潤いはない。漂流世界より辛いかどうかは分からないが、刺激の量は段違いだし、長良は心の中で「戻ってこない方がよかったかも」と思ったこともあるだろう。しかし、間違いなくこの世界には「実感」がある。地を這いずるように、べしゃりとした存在感がある。そしてその存在感の先に瑞穂がいて、溌剌と笑う希がいる。それだけで、きっと長良の選択には意味があったのだ。成長は選択の繰り返し。少年はまた1つ、大人になっていく。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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