最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「アサルトリリィ BOUQUET」 5 直訳すると「暴行百合」。怖い。 今期も、最終回が終わってない番組があるのに新番組は始まっていく。そして、久しぶりに「うひー、押し寄せる新番の処理が終わらねー!」というしんどさが蘇ってくるシーズンになりそうで、嬉しいのか辛いのかよく分からない。 そんなわけで記念すべき新番組一発目がこちらのタイトル。ぶっちゃけタイトルだけならよく見かけますね。そりゃブシロードコンテンツは相互連携が著しいので、どっか片っぽの端だけ握ってても芋づる式にそれが繋がりますので。今作については、例えば先日のRASのライブでオープニングが演奏されたし、先日のバンドリチャンネルでおっかないお化けの人が必死に宣伝していた。そう、基本的に私とこの作品をつなぐ中心にはRASのやべー奴がいるのである(あとTwitterでいうと花林ちゃんもフォローしてるので、その辺からも流れてくる)。おかげでなんとなくどういう作品かは見聞きしていたが、「これ以上チェックするコンテンツが増えたら時間も予算もなくなっちまう」という護身の心意気で今作の舞台なんかをおっかけるのはやめにしている。おかげで中身については今回がファーストコンタクト。まぁ、ぶっちゃけ可もなく不可もないスタートなのではなかろうか。 アニメの品質は中の上か上の下くらいのレベルだろうか。シャフトにしちゃぁ素直な画面構成だな、と思ってたけど、よく考えたらシャフトアニメでどこにも新房さんが名前を出していない作品って、めちゃくちゃ珍しいのではなかろうか。試しにシャフトのWikiで確認してみたが、新房名義が登場しない作品は2006年にアニメ化された「REC」ぶりのようだ。そうしてようやく新房テイストから切り離された作品として登場したこのシャフト新作の監督は佐伯昭志氏。最近だと「めだかボックス」とかの監督。過去には「この醜くも美しい世界」というシャフト作品で監督をやったことがある。ずいぶん遠い繋がりではあるが、目新しい座組みというわけでもないか。 ついでにブシロード作品というと最近はバンドリ関係でCGアニメの印象が強くなっていたので、通常のアニメーションで世界が描かれるのは久しぶりかもしれない(バディファイトとかみてないからだけど)。女の子しか登場しない、名前の通りの百合の園で、百合めいた女の子たちが百合百合しく化け物と戦っていく。まぁ、ありがちといえばありがちな設計。ラノベデザインから男だけ間引いたような感じだろうか。持ってる武器がやたらとヴェルカ式なのが気になるが、多分リンカーコアは持ってないから大丈夫。最近の作品で近いのは何だろう、と思って考えてみると「刀使ノ巫女」あたりが近いかも。あれもソシャゲ由来でメディアミックス前提なので、性格はかなり似ている。「とじみこ」は今作同様にキャラが一気に押し寄せてくるお約束の辟易ポイントがありつつも、最終的にはなかなか悪くない作品になっていたので、今作もそれくらいのゴールが目指せればいいかな。中の人的にも若手が躍動している様が見守れるので青田買いにはちょうどいい。ちなみに1話ではやべー奴は喋ってなかった。代わりに「魔王学院」の時にも触れた夏吉ゆうこがメインで出てきている方に期待しとく。あと花林ちゃん。やっぱりあの声が聞こえるだけで全部持ってくなぁ。
PR 「恋とプロデューサー EVOL×LOVE」 5→5 とりあえず赤の女王仮説は覚えた。使い方がアレで合ってんのかどうかは知らんけども。(大体あってるんじゃね?) なかなかファニーな作品であった。乙女ゲー原作のイケメンパラダイスなんてどうせNot for meやんけ、と思っていたのだが、そうした予断は割と早い段階でキャンセルされた。各々のイケメンが突飛な超能力を保持した状態でゲームスタート。主人公が小さな制作会社でプロデューサーを務めるうら若き少女であるが、そこかしこで出会うイケメンたちは異能を手にした「進化の先の存在」であり、それらの「種」を巡り人類の進化と存亡をかけた大きな渦の中に少女は呑み込まれていく。そして、いつしか彼女自身が「女王」と呼ばれる特別な存在であることがわかり……。 もう、イケメンパラダイスどうでもいいやんけ。設定だけで見たら立派なジャンプ漫画。イケメン異能バトルは乙女ゲーの中で。アホみたいな黒の組織の存在とか、その都度余計なことに首を突っ込みながらよくわからん理由でイケメンに救助される主人公とか、いちいち展開が大掛かりで笑えるものが多い。そして、イケメンパラダイスとは言いつつもその人数はきっちり4人で固定されており、あまり筋立てが野放図に広がりすぎることもない。ハーレム作品の場合でも、攻略対象3〜4人くらいが1クールアニメだとちょうどいいね。いや、多分4人でもちょっと多いんだけどさ。 でも、今作のイケメンとの関係性は、行きずりやんけ、というほど捨て鉢なものでもなく、割とそれぞれの男どもが主人公のサポートに回りたくなる気持ちは分からなくはない。みんなして異能力者なのでハイパースペックのヒーローが寄ってたかって護りに来てくれる設定もそこまでおかしなものにはなっていないし、何より主人公ちゃんが頑張り屋でまっすぐ目標に向かって戦うことができる人間なので、そのナイトたちにもきちんと大義名分が与えられる。まぁ、結局「選ばれし血統」だから一種のチートものと言えなくもないわけだが、「結局血統で決まるやんけ」っていう文句もジャンプ漫画と同じと考えると、これは立派なバトルアニメだったのである。異能の見せ方も大仰で面白いし、個人的には救いようのない設定だった割に関係性に恵まれてたシモンがオススメ。このCV平川大輔の「すげぇいい人そうなんだけどちょっとタガが外れた時のガチキチっぷり」は実に良いバランスだ。 唯一文句があるとするなら、この内容だったらもうちょいタイトルなんとかせぇよ、という部分だろうか。こんな露骨に乙女乙女してる感じより、もっと厨二パワーを込めたタイトルの方がしっくりくる内容だと思うんだけど。いや、多分ゲーム本編はもうちょいプロデューサー業が大事なんだろうけどね。最近は僧侶やらなんやら、放っておくと職業名が全部エロのメタファーになるから……(メタファーではない)。 「ジビエート」 4→1 歴史に残る作品だと思います。私が温めて温めて、最後の切り札にとっておいた「1」の栄誉を与えるにふさわしい作品だと思う。この数字を与えることによって、むしろこの作品の絶対性を強調したい。現代アニメにおける奇跡と言ってしまっていいのではなかろうか。 何が奇跡かって、興味が湧いた人はなんとかして1本でいいから見てほしい。序盤はまだ救いの要素があるため、オススメは私が感想を書いた3話目以降。多分、それ以降ならどの話数から見てもさして問題ない(問題がありすぎてどうでもよくなる)。とにかく、褒めるべき点が1つも無いのだ。常々私は「一周回って面白い」はよくないと言っているのだが、すまん、今作に関しては、もうトリプルアクセルして面白い。全ての筋立て、全てのシーケンスで、「そうなるべき姿」を絶対に見せないという、クソアニメのイデアを煮詰めたような作品である。 作画はもうメチャクチャで、多分代々木アニメーション学院の在学生の卒業制作の方がはるかにクオリティが高い(かつて代アニが作ったアニメもありましたね)。しかしまぁ、作画がボロカスの作品なんてものはこれまでもたくさんあった。今作の場合は、まずもって作画チームに渡る以前のコンテの時点で壊滅してるだろうと思われるのが素晴らしい。およそ映像作劇を学んでいないんじゃないかと思うような、視聴者の「快」を追い求めない演出姿勢。とにかく分かりにくい画角を取り、絶対に矛盾するようなカットのつなぎを目指している。シナリオの要請には従わないことを良しとし、「間違い探しの間違ってる方の映像」みたいな仕上がりだ。 そうして作られた映像について、それならコンテをあげた人間が全て悪いのかと言われるとそうでもなくて、そもそも脚本時点で真面目にやる気があるのかかなり怪しい。おそらく企画会議の時点で「Oh! SAMURAI! NINJA! YAKUZA! ZOMBIE!」という盛り上がりを見せたのだろう。まぁ、トンチキな設定も笑い話に出来るなら問題ないし、恥ずかしげもなく全力でやってくれればエセジャポネスクは面白くなる可能性も充分あっただろう。しかし、脚本家はこの設定を投げられた時点で「こんなんクソにしかならんやろ……」と匙を投げたのではなかろうか。山もなければオチもなく、まるで「ネットに上がってる怪しい漫画の広告の文章を繋げた」みたいな脚本になっている。もしかしたらあんまり時間をかけずにAIに出力させた結果なのかもしれない。個人的には、ラス前で誰に聞かれたわけでもないのにシャアがいきなり事の真相を全部丁寧に、ゆっくり説明した後に突然キレて暴れ出すくだりはホントに無理だった。ヤクをキメてもこの脚本は書かない。 こんだけ書いてるけど、別に個々のクリエイターをくさす意図はない。正直、この企画が通って作品として世に出ている時点で疑問があるのだし、製作を依頼されたクリエイターにどれほどの時間や資源が与えられたのかも疑問だからだ。「何故、このような作品が2020年の日本で生み出されたのか」というのは実に興味深い問題である。世の中には、この作品を生み出すことで利益を得た人間がいるのだろうか。刑務所で穴を掘る仕事と似たようなものを感じる。 何が悲しいって、こんな作品でもキャストの皆さんは全力で演技をしてくれているということだ。もちろん画なんてない状態でアフレコしているのだろう。生き死にを賭けた壮絶な演技で魂を吹き込んでくれたアニメが、まさかほとんど静止画だったり、めっちゃ叫んでるのに半笑いの映像だったり、そもそも映ってなかったりするなんて思いもしなかっただろうよ。声優さんたちには「どんな作品であれ、仕事をするなら愛を持って接してほしい」とは思っているが、今作に関しては狸に化かされたのだとでも思って、スッキリ忘れてほしいと思う。池田秀一はもう忘れてるんじゃねぇかな。
「A.I.C.O. Incarnation」 5→4 なんというか……すごく内容に乏しいアニメだったのよね。いや、この表現も間違ってんな。うーん、なんて言ったらいいんだろう。このアニメに対する不満点を上手いこと表現する言葉が見つからない。 映像はちゃんとしている。ハナハル絵の再現度は非常に高く、ハナハルデザインが好きな人(まぁ、私だ)にとってはそれだけでプラス判定を出しても良い。ただ、それなら「かみちゅ!」や「翠星のガルガンティア」に肩を並べるかというと、決してそうは思えないのである。残念ながらキャラデザだけでアニメの質は決定しないのである(当たり前だ)。 すごく端的な部分から触れていくと、例えば用語の取り回しが非常に不親切。別に名前をつけなくてもいいじゃん、と思うような要素にも片っ端から専門用語をつけており、初見の人間からすると何を言っているかわからない。毎回ちゃんと見ていれば各々の単語が何を表しているかは一応わかるわけだが、全ての用語を1週間後まで覚えているわけでもないし、途中から対応関係があやふやになると「えっと、こいつら何言ってるんだっけ?」みたいな状態になってくる。ついでに人名がややこしい(どこに誰の人格がいるんだ、みたいな話になってくるし、同じ名前を持つ概念の人格までいる)。これらの情報を処理しながら見ていく場合、そこに「謎の奥が知りたい」というモチベーションがあれば問題ない、というかむしろ謎めいた雰囲気は好奇心を刺激する要素にもなりうるのだが、今作は何故かそういう刺激を与えられた気がしない。結局1クールのドラマを通してやっていることは「とにかくプライマリーポイントに行くんや」というだけの話で、どうにもメリハリに乏しい。そう、これだけややこしくて情報量が多いようなふりをしているが、やっていることはかなりシンプルで、物足りないくらいなのである。おかげで途中で興味が途切れ、「こいつら、いっつもウニョウニョしたやつと追っかけっこしてんな」くらいの印象になってしまうのである。 多分、マターとのドンパチを見せる派手なアクションシーンと、主人公・アイコの人格と発生を巡っての「バイオ実験ドラマ」のプロットをバランスよくまぜこめばそれぞれを引き立てて面白いものになるという予定だったのだろうが、残念ながらどちらにしても殻を破るほどのインパクトが無くて、「面白そうな要素はいっぱいあるんだけど」というくらいで終わってしまった。これで2クールあったらもっとよくなるかと言われたら疑問だし、もっとコンパクトにサクサク行ったら今度は煩雑になりすぎる気もするし……うーむ、どうやったら正解が出るんだろう。結局「何が引っかかったのか」がよく分かってないんで、上手いこと評することができない……。 1つアイディアがあるとするなら、これってもしかしたらネトフリで一気に12話観てもらうことが前提の作劇になっているんじゃなかろうか。もし休日に一気に見るなら、上述のような「専門用語わかりにくい問題」も解決するし、物足りないようなボリュームだって、一気に見たら充分な物量に感じるだろう。まるで2時間の劇場アニメみたいな感じで、起承転結のわかりやすい「なんとなくSFドラマ」として成立した可能性はある。地上波で1クールをのんびりやる前提で作られていないが故の引っかかりだと仮定すると、ある程度説明できる部分があるのだ。いや、本当にそうなのかはわからんけども……。今後のアニメ制作は、もしかしたら「ネトフリか、そうじゃないか」によって中身を調整する必要があるのかもしれない。まぁ、そんなこたぁプロの脚本家の方が嫌という程考えてるんだろうけどさ。
「異常生物見聞録」 3→3 クセの強い作品であった。訳のわからない断り書きをしておくと、「3点」って書いてるけど3点だと思うほど嫌いではない。……私の点数付けはもうボロボロよ! いや、聞いてくださいよ。そりゃね、このクオリティは3点ですよ。アニメーションとしてみるべき点は全く無いし、絵のショボさは現代アニメとして割と致命的なレベル。今期は「ジビエート」という遥か高みに至ってしまったクソアニメと並んだので印象が緩和されたが、平時ならば「こりゃぁダメだぁ」と匙を投げられるレベル。んで実際に匙は投げたんだ。その結果の3点である。 ただ、そうしてとにかく低クオリティなのは認めつつも、他にはないテイストがあった部分はフォローしてもいいかな、とはちょっと思うんだ。結局「ゴッドオブハイスクール」と同じ「面白くはないが興味深くはある」というのが最大要因ではあるのだが、それ以外にもそもそも私が好きな「ドタバタ長屋もの」の要素を含んでいるため、「個性的なキャラが集まって仲良く喧嘩する」みたいな部分の楽しみはあった。主にわんことコウモリの2キャラのみの掛け合いだけど、その後に入ってきたデーモンの存在感とか、要素としては面白い部分もあったのだ。あとは、なんでこの設定で半端にバトル要素を盛り込んじゃったんだろう、という部分を飲み込むかどうかで、私としては「もっとゆっくり楽しめる舞台設定にすれば作画も楽になっただろうし、別な方向に楽しめたのになぁ」というので点数を維持した。わんこがもっと可愛いところを見せつける展開になればよかったのに。 改めて確認するが、今作は中国原産アニメである。そして、脚本構成部分もがっつりと現地スタッフが食い込んだ中国度合いの高い作品である。台詞回しにやたら違和感があるところとか、ネタ回しが微妙に日本人の感覚からずれているところとか、どうしてもアニメを楽しむ時のハードルになる要素があったのは間違いない事実だ。ただ、これって結局慣れの問題には違いない。コテコテの洋物ドラマだって、おそらく始めてみたら違和感はバリバリだろうが、我々日本人は数をこなして「洋物の味」を覚えた。きっと中国センスのアニメだって、いつか楽しめるようになる日がくるはずだ。 サンプル数が少ないので完全に予断だし余談なのだが、私は今中国パブリッシャーのソシャゲをぽちぽちしていて、なんだかそのゲームと今作は通底するセンスがあるように感じている。その端的なサンプルの1つに「ゆるキャラの概念がズレてる」っていうのがある。いわゆるへちょ絵的な「崩したデザイン」って、日本の萌えキャラ・ゆるキャラの文脈で確実に培われてきた文化の1つなのだが、中国デザインだと、これが本当に「手抜き」とか「ぐちゃぐちゃ」につながるところが微妙にズレになっている。本作の次回予告で出てきたようなミニキャラデザインって、なんか独自文化で発展したもののように見えて、その違いがどこからきているのかがちょっと気になるのである。オタクはオタクなりの文化交流の方法がありますよね。 「あひるの空」 5→4 とりあえず1年間の長丁場お疲れ様でした。夕方枠で放送できる健全バスケ漫画……というにはだいぶ教育に悪そうだったけども、そこはマガジンのヤンキー文化なのでしょうがない。まぁ、考えてみりゃスラムダンクだってヤンキーバスケだしな。 1年間でそれなりに真っ当にドラマを展開してくれたのだから一定の評価は出来るとは思うのだが、「夕方アニメ」「長期シリーズ」というのが作画の質の低下の免罪符にはなりはしない。コロナの影響もダイレクトに受けたのだろう、各所で見せる「スポーツアニメなのになぁ」みたいな残念作画は、バスケに目覚める少年少女があんまり増えないんじゃないかなぁレベルでとどまってしまったため、「ファンの喜ぶアニメ」にはなっていなかった。ただでさえ「どうやって動きを見せるか」という部分に大きなウェイトが置かれるスポーツアニメで、1年間の通し営業は無謀だったのだろう。「黒子のバスケ」にしろ「ハイキュー」にしろ、高品質を保つために適宜分割にしてるわけで、このアニメだけがその制限を飛び越えて成立させられるわけなかったのである。 でもまぁ、やっぱり「夕方アニメ」は免罪符かなぁ、という気もする(手のひらマッハスピン)。多分、この枠であんまり真面目に見続けてるファンもいないだろうしなぁ……ヤンキー更生物語としての筋立てさえ追えればそれでいいや、という私程度のニーズだったらそれなりに応えてたからね。まぁ、だいたいアリーナプレイしながら横目で見てる程度だったからあんまり突っ込んだ理解は無いんだけども。そう考えると、このアニメを真面目に見てた層って、どこにいるんだろうな。やっぱり少年少女でいいのかな。今時の少年少女、夕方の決まった時間にテレビの前でアニメ見る文化あるんかな。
「魔王学院の不適合者」 4→4 結局なんなんだよこの世界。何度も何度も2000年っていう時間の流れに言及してるんだけど、この人類が(魔族も)2000年もの間全く進歩することなく停滞し続ける世界ってなんなんだろう。まぁ、数字の置き方とかすげぇ適当なんだろうな。 映像部分のクオリティは悪くない。SILVER LINKは最近は一定の評価を得られるスタジオになっているが、このご時世に作ったなろう作品にしてはかなりリソースが割かれていたと思うし、アクションパートの作劇なんかも平均値以上は取れていたんじゃなかろうか。まぁ、元になるデザインにオリジナリティが無いので、「ちゃんとした絵」で描かれても他のなろう系と区別する要素があんまり無いんだけども。そう、結局他の作品と区別するだけのパワーは無いんだよな。なんか、なろう系の白色矮星みたいなイマジナリーオブジェクトがあって、その重力圏から抜け出すためにはそれなりのエネルギーが必要、っていう第二宇宙速度みたいな状態がある気がする。 最初にヒロイン姉妹のところのおねーちゃんが「おもねる→やっぱり違った!」っていう展開の時にちょっとだけ「おっ、これは見たことない展開」って思ったんだけど、まぁ、それも本当にわずかな時間だけの話で、結局はチーレム設定に転げ落ちていくだけ。というか、今作の場合は取り巻きの女の子たちが明確に「後援者」としての地位を示しているので、まさにチーレムがチーレムになっているので匂いがキツい。なかなか主人公キャラにファンクラブがある作品ってないだろ。いや、まぁ、地上最強の生物に女の子がくっついてくるのはものの道理としては納得できるんだけどさぁ。やっぱり気持ち悪いんだよな……。行き過ぎて振り切ったチート設定はためらいがなくて見やすい部分もあったのでいっそプラス要素と捉えてもよいのだが、なんだかギャグとして笑うのは違う感じの見せ方だったしなぁ……大真面目にやってるとしたら……やっぱりついていこうとは思わないなぁ。 個人的に見るべき点があるとしたら、今期2つのヒロイン枠を獲得した夏吉ゆうこの今後の活躍であろう。おなつは歌唱もなかなか良いので、今後伸びてほしい若手の1人ですね。 「THE GOD OF HIGH SCHOOL」 5→5 世界は邪悪なツダケンを倒すことで回っていく……今期だけで一体どれほどのツダケンが倒されたのだろう、って思ったけど、悪役として倒されたのはそこまで多くなかった。「天晴爛漫」と「妖怪学園Y」が一応その枠。「無限の住人」も倒されたといえば倒されてる(何回も)。あ、「食戟のソーマ」でも一応倒されてる。「炎炎」では……倒されてはいない。 さておき、なんとも不思議な手触りを持つ作品だった。面白かったかと聞かれたら私はあんまり楽しんではいないのだが、「韓国アニメ」という新しいデザインが「興味深い」というのが一番正しい表現か。製作は一応MAPPAが担当しているはずなのだが、スタジオが国産でもおそらく韓国スタッフの影響がかなり色濃く出ているのだと思う。今まで見たことがないような要素が散りばめられていて、それを違和感と捉えてちょっとムズムズする部分もあったし、新しさと捉えて感心する部分もあった。 新鮮な要素で一番端的なのはシナリオラインそのものだ。肉体言語で語り合う硬派な格闘モノとしてスタートしたかと思ったら、ちょっとずつ変な要素が混ざり始め、「え? スタンドバトルが始まるの?」と思ってると、あれよあれよと神話バトルにまで格が上がっていく。「神話」ってのも日本のものとは違うので(何故か中華風だったけど)絶対に日本では作れないだろうと思うデザインになっていたし、ここまで思い切ってジャンル跨ぎしながらとんでもバトルに飛ぶ展開は、今の日本で臆面もなく描けるクリエイターは少ないんじゃなかろうか。良くも悪くも、日本のアニメーション文化というのが「熟してる」と思う部分である。このどこか荒削りな部分はありつつも、「こんなことやっちゃうんだ」と驚かされる要素は、もしかしたら韓流ドラマが日本で流行った一時期の要素がアニメにも取り入れられたような現象なのかもしれない。いや、韓流ドラマ見たことないからすげぇ適当なこと言ってるけど。 そうしてなんだか収拾がつかないヘンテコドラマになってはいるが、別にそれが支離滅裂だとは思わないし、つまらないとも思わない。破天荒なバトルを好き放題やってやろうというクリエイティビティは素直に評価できる部分だと思う。そして、そんなダイナミックな(そして無茶な)展開を下支えするのがこれまた特徴的なアクション作劇だ。こちらも、多分コンテ時点で日本人以外の手が入っている部分が多いのだろう。迫力のある打撃シーンでは見たことのない構図やモーションもたくさん使われており、「こういう要素が伸びてくれば、ジャパニメーションとは完全に別物になった韓国アニメが醸成されるのかなぁ」と思ったり思わなかったり。まだ完成形が見えないのでなんとも言い難いが、今後もこういう座組みで目新しいプロジェクトが生み出されたら楽しいだろうな。 しかし、最後の最後まで「鼻」だけは慣れんかったなぁ……これも絶対に日本のアニメじゃやらない描き方よね。まー、日本の萌えアニメも肩やら膝やらが無駄にテッカテカなのは気になる部分だし、こういう「文化」なのだと思えば尊重すべき部分でもあるんだろう。あと、最初から言ってる部分だけど、本当にキャラの名前が覚えられない……これまたどうしようもないところだが……多分海外のアニメファンって、日本のアニメを見るときに同じハードルをちゃんと飛び越えてきてるんだろうね。偉いなぁ。 「バキ 大擂台賽編」 5→5 久しぶりにそのストーリーを見返して、やっぱりギャグ漫画としては秀逸なコンテンツだよなぁ、と改めて感じさせられた。どれだけページをめくってもネットでスクショされる系の名(迷)シーンに溢れている。これでジョジョと同列と言っていいのかはよく分からないが、多分ジョジョの場合は私のように「いや、ネタ要素とかじゃなくて、普通に面白いやろ」というファンが一定数いるだろうが、おそらくバキの場合、ほとんどのファンが「まぁ、バキだから……」って思ってそう。 擂台賽は私が原作を追えていたかなりギリギリのところ。一応ピクルだって武蔵だって読んでたはずなのだが、その辺になるとマジでわけが分からなくなっておさらば状態だった。最後にギリギリ楽しめていたゾーンであるこの擂台賽、まぁ、アニメはシーズンの半分くらいしか中国にいなかったのでタイトル詐欺な気もするのだが、とにかくその「アライJr編」は、「こんなシーンあったな!」っていうインパクトの連続なのでやっぱり楽しいのは間違いない。そして、改めて見終わっての感想は「いやぁ、やっぱりヒデぇストーリーだな」と。こんなもん、週刊連載で見せられる方は地獄ですよね(毎週割と楽しかったです)。 映像部分に関しては、この微妙に物足りないようなCGの使い方にも慣れてしまったので気にならなくなったが、ネトフリマネーってのはもうちょっと有効な使い方をしてほしいなぁ、とは思う。いや、このテイストだからこそバキギャグが成立してるのかもしれないけどさ。CMでも「復活ゥ!」使ってしつこくアピールしてくるのずるいわ。烈さん、本当に理想のリアクションキャラなんだよなぁ。 いっそのこと低予算アニメの方にどんどん傾けて、「ギャグマンガ日和」とかと同じラインに並べてしまう方が正しい生き方なのかもしれません。それはそれでファンに怒られるだろうけどさ。
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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