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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「BEASTARS(第2期)」 7

 出し惜しみゼロ。帰ってきていきなりのフルスロットル、平然とこのクオリティを叩きつけてくれることへの絶対的安心感。地上波で、ただでこんだけのアニメが見放題のこの時代には感謝しかない。

 まぁ、この作品に関しては何の心配もせずに1話目で太鼓判を押してしまっても問題ないだろう。1年半ぶりの再開だが特に振り返りなどはなく(エンディング映像がその役割だったかも)、あの壮絶な事件から2ヶ月が過ぎた日常からのスタート。視聴者側としてもリハビリというか、この世界に馴染むための時間がちょっと欲しいかな、と思うくらいのスパンだと思うのだが、この画面を見たら一気に世界にたちもどることができる。一分の隙もない映像美に、CGだのなんだのという手垢のついた議論が馬鹿馬鹿しくなるモーション作画。これだけでも現代アニメの技術の粋を集めたものだ。さらに、今回改めて認識させられたのは映像をも上回るリアリティで迫ってくる芝居のテンポだ。確認したわけじゃないんだけど、これって間違いなくプレスコ収録だよね? このご時世なのでもしかしたら同じ部屋での同時収録は実現していないかもしれないが、それでも画の枠にとらわれない「芝居優先の芝居」が、今作のどうしようもないくらい卑近で地続きの世界観をより際立たせている。これだけ珍奇なケモの世界の物語だというのに、どんな作品よりも生きている実感が湧くというのは本当にどうしたことだろうか。わずか30分の時間の中で、クタクタになるほどの実在があるというのに、描かれているのはあくまで少年少女の青春譚。本当に頭のおかしな作品である。

 久しぶりに見たこの世界、レゴシは全くブレずにレゴシのままで安心しちゃうし、ハルはなんだかその色気にますますの罪悪を伴うかのよう。そしてジュノさんのちょっと危険なそのハートも今後の動向が楽しみだ。映像・芝居といった部分に何一つ心配がないので、あとは脚本部分がどう広がるかだけど……多分、今作はそこも心配いらないんじゃないかな。今期も精魂尽き果てるまでお付き合いさせていただきます。

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○「装甲娘戦機」 4

 タイトル、デザイン、コンセプト、その全てから「ソシャゲでござい」って感じの匂いがする作品。やっぱこういうの多いよなぁ、「お前ら女の子が好きだろ? メカも好きなんだろ? だったら2つ合わせたらもっと好きだろ?」みたいなデザイン。それが戦艦だったり戦闘機だったり色々とあるけど、今回はいったい?

 と思って確認しに行って驚いた。「ダンボール戦機」の派生作品? うーむ、分からんなぁ、「ダンボール戦機」って1ミリたりともフォローしたことない作品だから何一つピンとこないや。見てて「あんまり格好良くないメカのデザインだけやたらこなれてんな」とは思ったが、既存の作品のメカニックをそのまま女の子に転用してるってことなのね。いわばウルトラマンから怪獣娘を生み出すような流れなわけか。まぁ、そのコンセプト自体は理解できるものだが……そもそも「ダンボール戦機」のフォロワーがどれくらい存在していて、そういう年齢層、顧客層がどれくらいソシャゲでの女の子を望んでるんだろうね?

 バックグラウンドはさっぱり知らないのでアニメ単品として観るしかないんだけど、映像部分については評価できる要素も多い。CGベースでシームレスに戦闘と通常パートを描くメカニック描写は昨今のCG技術の発展の1つの形だろう。メカと女の子の共存をどのように描くかってのは永遠の課題なわけで、数々のソシャゲアニメで失敗したり成功したりしてる中で、また1つ新しい試みが行われているということ。わざわざ変身バンク(?)をがっつり全員分描いたり、「メカと女の子の合わせ技が俺たちの売りなんだぜ」ということがよくわかる作劇になっているし、なるほどこなれているので不自然さはかなり低減されている。今のご時世、CGだから固いだの何だのと文句をいうのは時代遅れになりつつあるということがよくわかる。

 ただ、そこから新しい萌えのデザインが開かれているかというと……うーむ、やっぱり私は古い人間なのだろうか、どうにも女の子のキャラデザがハマらない。こればかりは慣れの問題と切り捨ててしまっても良いのだが……考えてみりゃわたしゃメカっていう要素もそこまで刺さらない人間なのだった。だとすると、あんまりこの作品には独自の良さを見出せないということになってしまうんだよなぁ。

 まぁ、過去には「フレームアームズガール」みたいな意外な方向から株をあげた作品もあるし、今作も何が出てくるか分からないブラックボックスだと思って見てれば思わぬ収穫があるのかもしれない。何となく薄目で見守っていこう。

 

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 新年一発目。一週間お休みをいただいたので、みんな気力が充溢して良い新年たほ初めになったのではないでしょうか。ないですか? ……ないか……。

 


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○「SHOW BY ROCK!! STARS!!」 6

 (以下の記事には、いちショウバイロッカーとしての非常に偏った思い入れが加算されています、ご了承ください)

 という断り書きを入れとかにゃならない程度には好きなコンテンツ、SHOW BY ROCK。いや、元々そこまで熱心なサポーターでもなかったんですけどね。アニメ2期はそこまで刺さらなかったし、当時はまだソシャゲやる習慣が無かったからゲーム1作目もプレイしてなかったし。しかし、前作「ましゅまいれっしゅ」で愛着が再燃、そこから見事にアプリゲームのショバフェスへと誘導されて、少なくとも1日最低1回は起動し続けている、そんなプレイヤーにはなっています。ゲーム自体がそこまで面白いとも思ってないんだけど、やっぱりキャラクターコンテンツとして強いのよ。がっつり1つの世界を絞り込んで練度を高めているバンドリ世界線とは一線を画す、ゆるく節操なく各種コンテンツを取り込むSB69世界線。多分、最後までプレイし続けるソシャゲはこの2本(+シンフォギア)になることでしょう。

 というわけで、私としては「デルミンがアニメで動いてるよぅ」というだけで満足なんです。ましゅましゅから再燃したこの熱は、やはりましゅましゅの面々を見ることで燃えたぎる。デルミンが、ルフユが、ヒメコが、そしてほわんが。彼女たちの掛け合いを見ているだけで私はこの上なく満足です。そこに今作からはプラズマジカの絡みが加わってますますぴゅるぴゅるしてきた。こんな形でのクロスオーバーが実現し、果たして世界はどんな広がりを見せるのか。挙句、ラストに登場したのはなんとリカオさんじゃございませんか。いいね、ヨカゼはショバフェスプレイして初めてフォローしたバンドだけど、男性ユニットの中ではどこ指と並んで好きなチームなんです。ましゅましゅ収監展開には「どないやねん!」とツッコミを入れるしかなかったが、そこから強引にリカオさんに接続するなら大歓迎。ASAPでコミットしてあげて。

 というわけで、アニメ1話の良いところは「本当にましゅましゅが可愛い」「特にデルミンが可愛い」「いきなりビーム撃った」「しゅびっ」「(ポジション的に)おいしいやつです」というのがファイナルアンサーである。ここからさらに彼女たちの物語が野放図に広がっていくなら予測がつかないので期待感は高い。一応ジーペの存在を全然知らないみたいなのでアニメはゲームとは違う世界線っていう処理でいいんだよね。まぁ、その辺りのパラレル展開が多くても気にしなくていいのがSB69の良いところだ。ガルパじゃそういう緩みが許されないからな。

 と、一通り持ち上げておいてアレなのだが、アニメ自体は正直割ともっさり気味。カーチェイスシーンのところとか、微妙にテンポが悪くて「これ、初見さんはあまり引き込まれないんじゃ……」という懸念も大きい。出来ればここからさらなる顧客を取り込んで、コンテンツ全体を盛り上げる流れを作って欲しいところなんだけども……みんなショバフェスをやろう。推しバンドを作ろう。曲数が多いから刺さる部分はあるはずだ。1話目の1発目が「檸檬と蜂蜜」だったあたりにこだわりが感じられるじゃないか。

 私からは以上です。

 

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 メカニズム解説については、もう面倒なので公式記事参照。
 
 
 
 
神に愛された者、シグリッド Sigrid, God-Favored (1)(W)(W) R
伝説のクリーチャー・人間、戦士
2/2 瞬速 先制攻撃 プロテクション(神・クリーチャー)
〜が戦場に出た時、最大1体までの攻撃かブロックしているクリーチャーを、〜が戦場を離れるまで追放する。
 北欧神話に疎い僕でも流石にこれは名前から連想できる、竜殺しの英雄・ジークフリートだ。ただまぁ、名前は知ってるけど具体的に何してるかはやっぱり分からないんだけど。ほら、背中の葉っぱのせいで弱点作っちゃった人……なんだろ、キャラがテーロスのアキレスとかぶるやん。今回は残念ながら弱点設定までは再現されず、とにかくいろいろ便利な英雄としてデザインされている。流石にプロテクション(神)はネタ要素として処理していいと思うのだが、それ以外の部分もそつなく強い。瞬速で戦闘に参加しているクリーチャーを監禁するデザインはギデオンのお師匠さんである「牢獄の管理人、ヒクサス」に近いが、ダメージ発生時に現行犯逮捕するヒクサスと違い、こちらは暴力が起こる前に逮捕できるのが優秀。ただ、その分本人は割とひ弱なのであっさり退場して釈放してしまう可能性も多々。あくまで一時しのぎと割り切った方が良いだろう。全体的に「あんまりレジェンド感ねぇな」くらいの手堅いデザインにまとまっているが、問題は開けたパックにいた時に1引きするかどうか。それなりの戦闘力なのに、除去として使いたい場合には温存しなきゃいけないのが痛し痒し。うまく瞬速コンバットでアタッカーを屠ってアドを確定させる使い方をしたいところだ。
 
 
星界の神、アールンド Alrund, God of the Cosmos (3)(U)(U) M
伝説のクリーチャー・神
1/1
〜は、あなたの手札と、あなたがオーナーである予顕された追放領域のカード1枚につき+1/+1の修正を受ける。
あなたの終了ステップの開始時に、カードタイプを1つ選ぶ。その後、あなたのライブラリのトップを2枚公開する。その中から選んだタイプを持つカードを全て手札に加え、残りをライブラリの下に任意の順番で置く。

囁く鴉、ハーカ Hakka, Whispering Raven (1)(U) M
伝説のクリーチャー・鳥
2/3 飛行
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、これをオーナーの手札に戻す。その後、占術2を行う。
 こちらはあの大神オーディンをモデルにしているとかしていないとか。オーディンには配下となるワタリガラスがおり、それが世界中から情報を集めてくることでオーディンの偉大さを支えている。今回の両面カードは「オーディンの別の姿」というよりも、関連する2つの事象を1枚のカードにまとめているっていう印象になるのかしら。伝承どおり、カラスが戦闘に出れば情報(占術)が集まる。その度に手札に戻ってくるのはバランス調整の結果だろうが、2マナ2/3飛行の時点ですでにおかしいし、戻って来れば次に神としてリキャストできるわけで、「2マナでさっさと戦闘に送り出せるパワーカード」という実にいやらしいデザインにまとまっている。神として顕現した場合には除去耐性が皆無なのは気になるところだが、とりあえずターンエンドまで場に残ればアドを稼げる可能性が高い。人間力に自信のない人は「土地」と宣言しておけば良いし、事前にカラスで殴り、戻し、出していればライブラリの上2枚は確定しているのだ。予言でもなんでもないマッチポンプの極みで手札が増え、サイズももりもり増える。酷い話である。雑にアドとるマンでデッキの構成もそこまで制限しないので、今のカードプールだと「老いたる者、ガドウィック」なんかと争うポジションになるのかな? ガドウィックと違って、レジェンドのくせに2枚まで場に出せる(1枚はカラス)というのはやっぱりずるいな。
 
 

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○「ゆるキャン△ SEASON2」 6

 あいも変わらぬ癒しの空間、かくもありがたき、ゆるさの世界。

 前シーズンが2018年とのことなのでまる3年のブランクは空いたのだが、その間にも「へやキャン」の放送なんかがあったのでそこまで隔たっていた印象もない作品。さらに私個人としては、前クールとの最大の違いとして「原作コミック普通に全巻買って読んでるわ」というのがあり、さらに親しみが増してありがたい作品に成り上がっている。この独自の空気感はやっぱりなかなか出せるもんじゃないよねぇ。「ユルい」作品には違いないのだが、その空気を生み出すためには作り込みまでもがユルいわけにもいかない。きちんと意識して、その上でその意識があまり表面に出ないように、さりげないラインで提供しないと鼻につく部分もあるかもしれない。そんな贅沢で厄介なオファーを満たしつつ、再びのキャンプスタートなのである。

 2期になったからといって何かが大きく変わることもない。原作読んだから知ってるけど、2期のメインは伊豆キャンになるだろうし、多少「長めのキャンプイベント」がメインにはなるだろうが、だからと言って劇的なドラマが待ち構えているわけでもないし、今まで以上の「いつも通り」が待っているだけ。それだけのことなのに、なぜか不思議とうまそうなカップ麺。まさかの中学生リンちゃんの登場で、不覚にもただそれだけで泣きそうになってしまったおじさんちょっと危ないかもしれない。だって、あのしまりんが四苦八苦しながら火起こししてるんだよ? かわいいやん。他にも本当に細かいところで「リンとなでしこが生きてるんだよなぁ」っていうだけでしみじみできてしまう世界。これこそヒーリングですわね。ちなみに何故か知らないけど個人的に一番刺さったシーンは、ラストでなでしこと別れる時にしまりんがちゃんと後方確認してからスクーターで発進したところ。そういう描写が1つ入るだけで、「あぁ、リンちゃんはリンちゃんだな……」ってすごく納得できるんですよ。

 ステイホームでもソロキャンは出来るのかもしれない。おうちでお手軽アウトドアな今作を、厳しい時代の清涼剤としましょう。

 

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○「ウマ娘 Season 2」 5

 お久しぶりの人外たち。確認したら1期の放送は2018年の4月。約3年のブランクということになるが、なんだろ、もっとしばらく見てないような気がしてたわ。

 「事前登録開始からN周年記念」などと散々揶揄されていたアプリゲームの方もようやく正式に配信が決定するなど、あまりにも長かった潜伏期間がようやく終わりを告げるウマ娘。1期アニメはあれだけ盛り上がったわけで、当然アプリのスタートに合わせてアニメも始まる。ただ、この3年で当然いろんなところの情勢も変わっており、特に今作は製作がP.A.WORKSから変更になってしまっているのが一番大きなポイントだろうか。だいすきおじさんとしてはまずそこが残念なところ。ただでさえ最近パッとしないP.A.からキラーコンテンツが1つ無くなってしまったのはもったいない限り。代わりに製作を任されたのはスタジオKAI(櫂)という聞きなれないプロダクションで、確認したところP.A.とはあんまり関係なさそうである。完全に業務が移管してしまったということなのだろう。まぁ、監督はじめとしてスタッフはほぼ引き継がれているのでディレクションに問題はないと思うが……1話目時点では、特に出走シーンでのランの作劇なんかはやや単調になってしまったかなぁ、という印象。いや、1期を美化しすぎてる可能性はあるけどね。

 スペちゃんの物語だった1期と違い、今回の主役はトウカイテイオー。こちらはもう、私みたいに競馬に疎い人間でも聞き覚えのある大看板だが、もちろんそんな競走馬がどんな戦績を叩き出したか、なんてディティールは知らない。つまり、1期と同じ「史実を再構築したフィクション」構造でも問題なく楽しむことはできる。ただ、スタッフが1期と同じデザインをもう一回繰り返すのかってのは微妙なところ。どこかで変化球を投げたくなっちゃった場合にどこにいくのかは誰も分からない。また、1話目時点ではあまり目立った見せ場がなく、本当にテイオーが勝つと言われていたレースに勝ったよ、というだけで終わってしまったので、正直久しぶりの再会にそこまでの感慨はない。今後の展開で改めて盛り上がれるかどうか。

 まぁ、あたしゃソシャゲはやらないと思うので、このアニメだけで完結してくれる物語になることを祈るしかないなぁ。

 

 

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○「裏世界ピクニック」 5

 なんと、2枠続けての花守ゆみり&茅野愛衣コンビ。同じクールで主演がかぶることはままあるが、2枠続けての放送(AT-Xの場合)ってのは経験がない。いや、「ラスダン」の方のかやのんがどの程度のメインキャラなのかは分からないけど。こっちは確実に2人で回していくデザインだろうなぁ。

 そして、作品の中身は1話目だけではさっぱり分からない。「世界」という響きだけで「これもなろう系か?」と身構えて見始めたが、流石にこれは全然違う世界のようだ。「異世界」と「裏世界」は違うし、「ピクニック」と言いながらも常に命の危機に陥ってる様子も現代なろう小説とは全然違う。何か近い雰囲気のものがあるかと思ったが、イメージとしては「少女終末旅行」あたりが当たらずといえども遠からずだろうか。あとなぜか知らないけど「異常生物見聞録」もちょっと思い出した。あれは全然違うけど。

 本当に何も分からずに「裏側」をさまよう2人の様子だけを追いかけているのでなんの引っかかりもないし、今後どのように話が広がるのかも見当がつかないのだが、不思議と見ていられるだけの画面になっている。こうした登場キャラが絞られたデザインはモノローグがうるさくなって主人公のキャラがやたら押し付けられることも多いが、本作の主人公であるソラヲ(確認したら「空魚」と書いて「そらを」名義らしい)は割とありがちな達観っぷりを見せるのかと思ったら、そこまで余計なやれやれ感を押し付けるわけでもなく、あくまで自然に「そこにいる」だけ。そこにかやのんボイスのちょっとお騒がせなキャラが食い込んできてかき混ぜるデザインなので、「この二人は今後どうなるんだろう?」と思いながら見ていたらいつの間にやら1話が終わっていた。なんとも不可思議な世界観である。監督は佐藤卓哉で案外この手の雰囲気を重視したデザインならうまい取り回しができるんじゃないかとちょっと期待もしてみる。

 しかし、ゆみりはすっかりこういう中性的なデザインにハマるようになったなぁ。考えてみりゃ今期は「ゆるキャン」もあるし、ハイパーゆみりクールになるのな。出来るところに仕事がくるのは大歓迎やで。

 

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○「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」 4

 「たとえば」じゃないやん、単なる事実やん。

 さぁ元気になろう作品だ! って思ったら、別になろうとは縁もゆかりもないラノベだったっていう。まぁ、確認したら2017年からの作品らしいので、すでになろう文化定着後の世界である。こうなってしまうとラノベもなろうもあまり差は無いかな。一応、単行本の体裁を取っているならなろうよりも収拾がついているお話なのだと期待したいところではあるけども。

 ぶっちゃけ、出落ちの設定には違いない。そして、あまり良い設定だとも思わない。もともとこうした「ラスダン格差問題」というのはRPGの典型的な設定の矛盾をついたメタあるあるとして出てきたもので、「序盤の街と最後の街で宿屋の値段違いすぎるよな」みたいな話が、システム的にどうしようもないけど、実際の世界として考えると変だよね、というネタだったわけだ。それを実際の世界に当てはめて物語を作ってしまうと、「ゲームだからしょうがない」という言い訳の部分が捨象されて「異常な世界」だけが残される。作中でそうした異常を解決することなしに設定だけを借りてきたら、そりゃ世界は破綻するに決まっている。「そんな村があったらもっと世界秩序が変わってるやろ」とか、「同じ人類種でそこまで差がつく時点で理屈も何もないやろ」とか、文句を言おうと思えばいくらでも出てくるし、気にし始めたらお話が成立しないので観てられなくなるはずだ。

 ただ、そうした矛盾について目くじらを立てるような時代も終わってしまっている。ここはもう、「そういうもんなんだ」という前提を飲み込んだところからスタートするしかない。後に残るのは、これまたなろう的文脈でありがちな「最強気づいてない系主人公」の残滓だけである。その設定でどんだけ面白い話を作れるかは、純粋に作者の技量次第になるだろう。ジョジョで例えるなら(何故?)「この世界にはスタンドっていう概念があります」という部分が紹介されただけの状態であり、「はいはい、そういうものなのは分かった。あとはそれでどうバトルするの?」という話。まぁ、掘り下げにくい内容ではあると思うけど……。

 今作の第一印象はなかなか難しくて、たとえば街中でいきなり巨大バッタが出てくるくだりなんてあまりにも唐突だし「いや、そうはならんやろ」という適当さが目に余る。「古代ルーン文字」を煽るセリフ回しもくどくて説明的過ぎるし、「あんまり面白くないだろうなぁ」という気もする。ただ、転じてギャグに回した時には何か惹かれるものもあって、特にベルト姫が1発でコロリと落ちた後の彼女の飛ばしっぷりは割と楽しげに見える。どう考えてもシリアス方向に展開する物語ではなかろうし、この手の主人公なんて舞台装置みたいにそこに置いとくだけでいいのだから、あとはアクの強い周りのキャラがどれだけ賑やかに盛り上げてくれるかの勝負だろう。一応「このすば」という似たような(??)設計の大成功作品もあることだし、案外ここからの伸びは期待できるのかもしれません。

 ちなみに、個人的には「かやのんが普段なら絶対出さない声でぎゃんぎゃん喚く」っていうのが新鮮で楽しかったですね。茅野キャラはどうしても方向性が偏るが、今回の魔女の人は割とタガが外れてる感じが出ていて今までにないものが見られそう。かやのんのキレ芸、花澤ブランドを参考にしてる疑惑があるな。

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