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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「神之塔 -Tower of God-」 4→6

 結局、男として生まれたからには早見沙織ボイスの女の子をなんとしても守ってあげたいし、そんな女の子に人生を狂わされ続けるだけなのだなぁ、ということが確認できる作品。そんな作品たくさんあるわ。

 正直、最終話だけの評価なら7点でもいい。それくらいに満足するし、「続き気になるぅ!」と思わせるエンディングになっていた。とにもかくにもラヘルだ。何もかもが不確定のこの世界の中で、ただ彼女の存在が、それこそ天を衝く塔のごとく、一本の筋を貫き通した。ここに来ての大逆転現象。彼女の目から見た全く異なる「塔」の景色。うーむ、この構成には文句は言えない。まぁ、純粋にこういう女の子の設定が大好きすぎるっていうのがあるんだけどね。早見沙織ボイスはもちろんなのだが、そんな声で囁いてくれる「守ってあげたくなる系女子」が、こんなにも愚かで、こんなにもしたたかな女になるなんて。騙されてもいい。彼女の汚い笑顔が見られれば、僕はそれで満たされる。それがM気質の役得である。

 まぁ、ラヘル万歳は差し置いても、実は中盤あたりから割と面白く見られていた作品である。個人的には注目しだしたのはアナクが暴れ始めたあたりかな。トカゲ姫はビジュアルも強烈だったが、悪辣な敵サイドのキャラなのかと思っていたらエンドロシとの関係性でどんどん背景が見えて可愛くもおかしくもなっていくし。エンドロシはまっすぐにかっこかわいいし。不思議と、キャラクターの配置に無駄がない。

 今作は海外の作家さんの作品ということで、同様に日本原産ではない「凹凸世界」とイメージがかぶる部分があった。訳のわからないゲーム世界がいきなり幕を開け、個々のステージのルールもガバガバのまま、なんとなく「ゲームだよ」と言われてる状態で進行していく。クリアするのに特に知力が求められているのでもないのでハンター試験みたいな妙味があるわけでもないし、何よりも世界観がよく分からないのでとにかく最初の方はお話に没入できない。そう、「凹凸世界」も今作も、「ゲーム会場の外」がどうなっているのか全く分からないというのが共通しているのが面白いのだ。最終話を迎えてなお、ラヘルとヨルがなんであんなところであんな状態だったのかは分からないし、外の世界から「塔」がどう見えてるのかも分からない。かろうじてザハードの血筋についての背景はそれなりに語られたが、それだって本当に概形をなぞっただけで、この塔との関係性も、世界の構造も規模も、さっぱり分からないのだ。

 そんな状態で丁寧な物語など進行できるものか、と訝しんで序盤は流し見していたのだけど、今作の場合、試験開始時に大量にいた人員が減りだし、モブに「顔がつき始める」ことで次第に視界がクリアになっていく。シビスなんてその最たるもんだろうが、「どのモブも区別つかねぇよ」と思っていたところから、気づけば雑多なヘンテコキャラたちに少しずつ表情がついていくのである。かわいそうなホー、何かと気になるレロロー、それに最初から謎は抱えっぱなしのクン。登場時に「これ、絶対モブやん」って思ってたワニ(ラーク)が、こんなにも愛すべきキャラになるなんて誰が思うだろうか。最終話で彼のあげた雄叫びに、思わず泣きそうになってしまった。

 こうして「何も分からない場面に放りだしておいて、さらに進行内容もすげぇいい加減なのに、少しずつキャラが絞られてドラマが見えてくる」という構図は、多分日本の漫画・アニメではなかなか見られない構造なんじゃなかろうか。理由はよく分からないが、多分ジャンプ漫画的な「漫画のセオリー」「アニメのフォーマット」に当てはまらないからだ。確かに今作のスタイルだと、最初に訳がわからなくて切られる可能性が高いのでリスクは非常に高い。しかし、そこを耐えられると判断すればこその見せ方なのだとすれば、色々と学ぶべき点も多いのではなかろうか。「なんかふわっとしてんなぁ」という印象も、実際は最終話の「裏面」との合わせ技一本の効果を狙った演出だったわけでなぁ。こういうアニメを取りこぼしなく、きちんと見られるようなシーズンになったことを感謝せねばなるまい(倍近い数を処理しなきゃいけない例年通りのスケジュールだとスルーしてた可能性があるわ)。

 海外資本が入ったおかげなのか、アニメーションも悪くない水準で最後まで完成していた本作。独自の風合いが胡散臭い世界観を際立たせるのに役に立っていたし、キャラ絵も慣れてくるとなかなか魅力的。是非とも、この続きをアニメで見たいとは思うのだが……これ、2期の予定はあるのかしら? そして2期が始まったとして、ラヘルは今後どんな人生をあゆむのかしら? ……原作買うかぁ……。(今期多いな)

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「アルテ」 5→5

 今期はカタリ(ー)ナっていうヒロインが同時に2作品で活躍するという微妙な被りが発生していたのだな。まぁ、向こうではメジャーな女性名なだけかもしれないけど(向こうつっても、旧世紀のイタリアとなろう的乙女ゲー世界の常識が同じかどうかは知らんが)。

 実に真っ当に、望まれたものを提供してくれた作品だったと思う。こちらもコロナなど何処吹く風で安定感のある作品で、映像部分に大きな不満はない。中世ヨーロッパの街並みがどこまで華やかなものに見えるかと期待していた部分はそこまで華々しいものではなかったが、冷静に考えて、この時代の平均的な街並みがそんなにびっくりするような綺麗なものな訳ないよね。「美術品」というメインテーマがあるため、そちらの方に作画リソースがそれなりに割かれているし、見栄えはバランスの良い画面展開になっている。キャラ絵もちゃんと可愛いところは可愛くかけており、アルテ、カタリーナ、そしてヴェロニカさん(個人的な趣味です)あたりが個々にタイプの違う色気を見せてくれているのはありがたい部分。まぁ、アルテのおっぱいはもう少し平均サイズでも良かった気もするが……そういう設定ならしょうがないよな。あんまり作中でその辺は触れられてないんだけど、別に巨乳キャラが巨乳であることに触れなきゃいけないルールはないからな(そらそうよ)。

 そうして画面はかっちりと安定していて、お話の方もそれに見合うようにかっちり。意外性のある展開は何一つなく、こちらも世界名作劇場みたいなシナリオラインだな。一応チェックすべきなのは、純正の「頑張る女の子」な流れではあるものの、アルテ自身は「女性であること」をビハインドと捉えて極力性差を消そうと努力している部分だろうか。割と早い段階でレオに対して特別な感情を持っていることを認識してしまうのもむしろ興味深い部分で、性差を乗り越えようとしつつも、どこかで決定的な違いを認めなければいけないという意識もある。ジェンダー論なんてのは今のご時世では非常にセンシティブな内容ではあるが、今作の場合は「まぁ、中世の価値観なので」という免罪符があることに加え、アルテが「性差別なんぼのもんじゃい」と非常に前向きな性格になっていることで重たくなりすぎずにその辺りの問題を取り扱っているのでとっつきやすい。特別大きな達成感のある作品でもなかろうが、アニメ化されただけの意味はあったと思うし、観て損するアニメではなかろう。

 個人的には、ベネツィアにいったあとのユーリの邸宅でのキャストの謎の充実っぷりが好き。カタリーナは文句なしで可愛いし、母親・田中理恵、お付きのもの・戸松とかいうよく分からない固め方。これ観てて気づいたけど、最近の戸松、妖怪ウォッチの専属声優みたいになってんな。

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「A3!」 5→5

 だいぶ時間はかかってしまったが、なんとかゴールまでたどり着くことが出来た作品。まぁ、それだけでもとりあえずおめでとうと言えるんじゃなかろうか。

 そして、存外嫌いじゃなかった作品である。「ソシャゲアニメに成功なし」かつ「乙女ゲームはNot for me」という2つものハードルがあったおかげでそこまで大きくハマるようなこともなかったのだが、今作の場合にはこの2つのハードルを飛び越えるだけのものがあった。まず「ソシャゲアニメ」という大きめのハードルだが、最大の難点である「キャラ多すぎ問題」に関しては、「前半と後半を分ける」というありそうであんまり無かった構成によって打破してみせた。ソシャゲアニメがどうしても一見さんお断りになる最大の理由に「人気キャラを全部出そうとして収拾がつかなくなる」というのがあるわけだが、初見で困らない程度の人数、つまり春組と夏組の数人だけで半分ずつ回すという構成にすることで初見の人間でも大きな負担を与えることなくキャラを伝えることができる。アイドルもののアニメはこれくらいの人数になることもあるのでそこまで新しい手法ではないのかもしれないが、ゲームの設定に「春〜冬の4チームがあるよ」と書かれているなら、どうしても先に全員出してしまいたいという欲求は出てくるだろう。そこをぐっと抑えて、文字通りに四季が巡るようにしてゆっくりと1つ1つの舞台を描いていくという構成自体が、「ありがたい」見せ方になっていたのである。それぞれが完全に独立しているわけではなく、適宜接続してバトンタッチが描かれるのも良いね。

 こうしてキャラが頭に入ってくる状態さえ作ってもらえば、「舞台演劇アニメ」ってのはなかなか新鮮。まぁ、私の心に致命傷を残した「少年ハリウッド」に勝るものではないが、ちゃんと「舞台俳優とはなんぞ」「何故、舞台を大事にするの?」といった今作ならではの要素は無視していないし、舞台人がこだわりを持つ独自の面白みなんかも一応は形として見えている。また、「乙女ゲーである」というハードルは、あんまり男同士の関係性をベタベタものにしすぎず、あくまでも「同業者」からの「舞台仲間」というところで節度を守って描いているので余計な匂いがせずに心おだやかに見られるレベルになっていた。まぁ、いくらかキャラが強すぎる奴もいたので、その辺はちょっと目を逸らしながらの視聴にはなるのだが……三角星人とか、流石に見ててキツいからな……いや、でもこの程度のキャラ造形って、女の子のアイドルアニメなら割と普通(?)かもしれんな……頭のネジ外れたキャラって普通に出てくるし……。いやいや、でも流石に不法侵入から不法占拠して一切悪びれない社会人は見たことない……かな? いやいやいや、弦巻こころのイカれ具合とか、女性目線からだとどう見えるんでしょうね?(男目線でもどう見てもイカれてはいるな)

 まぁ、そんなわけで完全に世界観を飲み込んだとは言わないが、「受け入れられるレベルに留まっているし、キャラさえ受容できればお話は割と真っ当」ということで不満はありません。これ、また次に秋組と冬組がくるんだよね? 正直いうと、「いっそバンドリアニメもこの形式で全部のバンドストーリーやってくれないかなぁ」とは思ってるよ。

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「邪神ちゃんドロップキック」 5→6

 相変わらずのフリーダムっぷり。ファンが求めているものには間違いなく応えてくれるアニメになっていた。まぁ、クラウドファンディングに投資したツワモノどもなら、何が出てこようが邪神ちゃんが邪神ちゃんである限り満足してるとは思うけども。

 これだけ破天荒なアニメであるし、鳴り物入り(?)での2期目にはよっぽど刺激的なことをしなけりゃ満足できねぇぞ、と思っていたが、なかなかどうして、しっかりタガを外した展開で我々の意表をつくことを忘れない。もともとが無いはずのところから復活を遂げた「ゾンビアニメ」であるからコロナの影響などみじんも受けない完パケ状態だったというのも今期アニメの中で他作品と差を広げる要因となり、なんかよく分からないけど邪神ちゃんラッキーである。まぁ、おかげでオリンピックネタとか、奇跡のネタ潰しがあったのもらしいといえばらしいのである。

 中でも唖然としたのは、なんのためらいもなく全12話のくせに10話目に最終回を持ってきたこと。「どないやねん」と思いながら何が出てくるかと11話、12話を見たら、なんと11話は全部終わってからの総集編というよく分からないセッティングに邪神ちゃん(鈴木愛奈の別称)の熱唱で枠の半分を埋めるというとんでもない構成で呆然とさせ、最終話に持ってきたのは謎の聖地巡礼アニメで完全なる「金の匂い」を残していった。確認したら、千歳市がふるさと納税でアニメを作ったという、冗談みたいな本当の話があったらしく、これまた邪神ちゃんでもなければ出来ないとんでもない展開だ。いや、でもちゃんと千歳編が面白かったんだよ。その上できちんと「まぁ、気が向いたらちょっと行ってみたい……かも?」と思わせる程度には「聖地アニメ」としても成立しており、このコロナ下でなければ案外経済効果も出ていたんじゃないかと思わせてくれるものだ。これだけ愛に満ちたアニメ作りが実現されたファン密着型の作品もなかなか無いのではなかろうか。

 そして、やっぱり邪神ちゃん(鈴木愛奈の別称)はすげぇなぁ、と思う。なんで聖地が千歳市なんだよ、と思ったら、彼女の出身地なのね。普通、「主演声優の出身地だから」っていう理由が巡り巡って税金でオリジナルアニメは作られねぇだろ。これで彼女は沼津に続いて千歳まで救った英雄になるかもしれないのだ(どちらの都市も、救われたという実績を保証するものではありません)。2週連続で謎の歌謡曲まで熱唱してくれるし、骨までしゃぶり尽くしたアニメだ。ほんと、神保町哀歌は良い歌だなぁ(そしてこの民謡歌手うめぇなぁ)。

 

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 深淵から古きものどもを呼び覚ましそうな不安定なオクラホマミキサやめろ、第8話。先週のお話が割と常識的なテンポだったので「流石に毎回毎回あんなイカれたパワーが持続するはずがなかったな!」と安心しきっていたが、今週はすぐに、狂気に近いスピードが戻ってきた。やっぱり今作はこっちがデフォだよな……。

 生き急ぎすぎなんじゃないかというくらいにいろんな内容を詰め込んでいるので本当に大忙し。バンクの時だけ突然テンポが戻って一息つけるわけだが、そのバンクがある程度時間とってるせいで他のところがあの調子なのだったら、もうバンクの時間もシナリオ部分に回せばいいのではないか、と思ってしまう。まぁ、無くなったらその尺まで狂気にあてがわれるだけだろうけども……だってさ、最初のまいらがあくびしてるだけのシーンとか、マジでいらないはずのとこだからね。ぺこがパートナー自慢したいがために無理やりぶっこんできただけのシーンだからね? カット割りもあえて視聴者を不安定にさせるような見せ方を選んでいるようなところがあり、あくびをするまいら、何故か原画縮尺が変わって「あれ? 今場面転換した?」って思わせておいて別に何も変わってなかったり、なんかもう、とにかく振り回される。

 問題となる林間学校も当然のイベントラッシュであり、ようやく本格的にゆめの周りに配置されていた三人娘がフィーチャーされるお話になり、そこにも遠慮なく恋愛要素を混ぜ込んでどこからでも爆発物を仕掛けられるように準備が進められている。今回はメンバーの中で一番普通っぽい緑野わかばがメインになっていたが、夢世界でのプロレス展開とか、まだまだこの子だって何を抱えているかわかったもんじゃないだろう。個人的には朝陽に呼ばれた時の「緑野わかばー」「はい、緑野わかばですー」のところがいい具合に狂気が感じられて良い。ミルキィホームズみたいなやりとりしてんじゃねぇよ。

 そしてこんなエピソードで絡んで来なくてもいいだろ、と思うのに強引にぶっこんで来た「4人目」と思しき謎の少女。単なる「地元の子」でないことは演出から想像できたわけだが、まだパートナーには出会っていない普通の女の子だったのだね。なんの前触れもなくただどんぶらこしてくる真顔ドリーミー、シュールすぎてどう反応していいかわからない。なんで先生の長靴が伏線扱いになってるのかもわからない。もう、この世界は何もわからない。ただ、みんな満遍なくかわいいのでよしとする。

 それにしても、相変わらずまいらがどんどん明後日の方向に極まっているのは楽しみなような、不安なような。そもそもお笑いナンバーワンを目指しているはずなのに、相手モンスターを凍りつかせてドヤ顔してるぺこはいいんだろうか? まいらもまいらで、ゆめが「小さい頃からずっと幼馴染だったじゃない」とか言ってるところに「せやせや」って食い込んでたけど、おめぇだけ幼馴染じゃねぇだろ、って突っ込むのは野暮なんだろうか。距離感のおかしさがこいつらの最大の武器だな。ほんと、あやさ&シカコの京奈コンビの掛け合いは聴いてるだけで幸せになれるなぁ(精神衛生上の安全は保証しかねます)。

 

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「継つぐもも」 5→6

 ここで終わりって、それはないでしょう!? いやぁ、でもここで切らないと多分次のシリーズが長いんだろうなぁ……ねぇ、これアニメ3期無いの? 無いとしたら本当にモヤモヤしちゃうんだけど?(だから原作読めよ)

 1期と同様に「やっぱなんか好きなんだよなぁ」という感想。今回は1期とはだいぶ違う方向で研ぎ澄まされたストーリーになったが、これもまた純正の少年漫画展開だと思えば悪くない。というか、むしろバトル描写が昨今のアニメの中でも際立っていたので、ガンガン殴り合ってくれる展開の方がよかった可能性すらある。まぁ、その結果が感情をどこにも投げつけられない終わり方になってしまったのは良し悪しだが、一也の成長物語の途中経過としては真っ当なものであるし。これ、流石に桐葉さんが帰ってこないってことはないよね。あ、でもくくりちゃんは帰ってこない可能性はあるか……うがー。

 本作独自の良さといえば、もともとシリアスなバトル展開よりもあけすけなエロ要素の方にあった。2期になった今回はさらにあけすけ度合いが増し、もう事実上のAVじゃねぇか、っていうレベルにまで研ぎ澄まされていた部分もあったし、相変わらずフェティシズム溢れる謎の官能成分は満足度が高い。付喪神との関係性上、現代アニメとは思えないくらいにババアが多いのが懸念材料ではあるのだが、今作のババアどもは下手な萌えキャラよりも可愛いので特に問題もない。最終決戦が井上喜久子VS三石琴乃というスーパーババア大戦になったところで、ちゃんと2人ともエロいなら問題はないのである。まぁ、作中屈指のエロさはすなおさんの同衾回でしたけどね。

 しかしまさかのお姉ちゃん展開がこんな風に待ってるとは思わなんだなぁ……。刀付き矢折れたあとでどんな救済が与えられるかと思っていたら、最後の一手がお姉ちゃんもびっくりしたし、打開できずに修行パート突入もさらにびっくり。長期連載を続ける漫画だからこそできる展開よなぁ。素直に続きが見たいと思える内容になっているので、アニメスタッフの皆さんには是非頑張っていただきたい。

 

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「ケンガンアシュラ」 5→6

 すでに配信の方では1年近く前に終わってるわけだが、地上波放送はこのタイミングで最終回。今後はこうして1年くらい時間が前後することは平気で起こりうるんだろうなぁ。

 個人的には、実は凄まじくエポックメイクな作品だったと思ってる。ここまでCGのウェイトを増した作品が、まさかゴリゴリの格闘漫画のアニメ化として実現するなんて思ってもみなかった。たとえば「蒼天の拳」なんて同様に格闘要素がメインでゴリゴリのCGアニメだったわけだが、あちらは本当に「浮いてんなぁ、軽いなぁ」というのでハマる要素が無い作品になってしまったのだが、今作のCG処理はほんとにうまい。細かい技術的なところはさっぱり分からないのだが、モーションの取り込みが、派手な格闘性と喧嘩せずにかみ合っていて、見事な“こけおどし”を実現しているのだ。多分テクスチャの使い方なんだろうけど、「肉感」とは別の「モーション感」みたいな部分で、本来なら相性が悪いはずのCGデザインがトンデモ格闘バトルを描くためのツールとして的確に活用されているのを見ると、今後のアニメ制作の1つの方向性として勝負に出て、成功したんじゃないかと思うのだ。

 間に挟まっているダンガンロンパパート(?)のインパクトも面白い。台所事情で言えば絶対に「止め絵で説得力を持たせるシーンが増えれば楽」っていう理由での演出だと思うのだが、今作のように「試合と、そのバックグラウンドの回想」というシーン分割がはっきりしている作品なら、ここまで思い切って演出を変えても不自然ではないし、えも言われぬ迫力を出すための「絵の説得力」が上乗せされている。若干ホラー寄りのイメージにはなるが、まぁ、今作の場合は大体のキャラがホラーみたいなもんなので問題ないだろう。普通、「アニメ化します」と言われたら「どんな風に動かしたらいいんだろう」と考えてしまいそうなものだが、こうして大胆に「一番いいカットで止めておこう」という判断ができるのは、その1枚絵の説得力に相当な自信があるということだ。これ、制作がラルケなんだよね。岸監督の下で着実に多方面に力をつけてるなぁ。

 そしてもちろん、濃すぎるキャラたちに魂を吹き込む贅沢なキャスト陣がたまらない。ゲップが出るくらいの密度なので毎回クライマックスみたいになっているアニメの展開にも一切怯まず戦える。女性キャラは少ないのだが、ゆーみんとかともよちゃんとか、場所を選ばずに暴れられるメンツが濃いおっさん連中の中で活き活きしてたので不満はない。まぁ、女性キャラで一番かっとんでたのは間違いなく司会進行の子だったけども……。

 そして最後になるが、どうしても二虎の登場シーンでは悲しくなってしまうのはしょうがないところであった。役回りがあまりにも……。改めて、ご冥福をお祈りします。

 

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「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢の転生してしまった…」 5→5

 そんな……もう土おじさんに会えないなんて……え? 帰ってくんの? いや、土おじさんが帰ってくるかどうかは分からないの? 頑張れ! 一迅社!

 色々と新鮮な作品でございました。前にも書いた通りに、こうした「悪役令嬢もの」はすでになろうではテンプレートの1つとして定着しているという話なのだが、今作はアニメとして最初に生み出された作品であり、私からすればほぼファーストコンタクトである。そのため、このジャンルの1つの指針として見させてもらったわけだが、なるほど人気が出た理由はよくわかる。まずもって女性主人公のなろうアニメ自体が少なかったというのもあるのだが、やっぱりお約束のなろう太郎(大抵黒い)が剣を振り回してドヤ顔してる画面に飽き飽きしているので、ただでさえ「脇役」と言われていたちょいキツめのルックスの女性主人公がフル回転で暴れまわっているというだけでも面白い。今作の場合は内田真礼の功績もかなりでかいだろうが、アニメ全体の歴史を考えても、こういうシャープでややキツめの女主人公って意外と少ない気がするのよね(あくまでマリアみたいな純正タイプと比較して、という話だが)。

 そして、異世界(ゲーム世界)に転生しての目的が「成り上がり」というプラス方向ではなく「破滅からの脱却」というマイナスをゼロに戻すモチベーションなのが見るべき点で、特に「乙女ゲーム」なのでとにかく内容が恋愛に特化している(最後の会長編だけ突然魔法ファンタジー要素が多めにはなったが)。「自らが恋愛ゲームの1要素である」と認識してる主人公ってのは立ち回りに有利な点が多く、特に「何がなんでも相手の好感度をあげようとしゃにむに頑張る」という行為が外部から裏付けられているのはおいしい設定だ。他のなろう系、ラノベ系の場合、「主人公が何かをすると知らずに好感度が上がる」というデザイン自体が匂い立ってしまうものだが、今作の場合、カタリナはもともと嫌われまいとして愛想を振りまいたり、相手のことを考えたりしているわけで、好感度を上げること自体がストーリーの根幹。彼女がこれだけ頑張っていたのだから、そりゃ逆ハーレムが形成されることも致し方なしである。そこに明確な「理由」が見えるというだけで、食傷気味だったハーレム設定も随分気が楽になるものである。

 ただまぁ、だからって全部が全部丸く収まるかというとそうもいかず、やはり最後まで気になったのは、「そこまでゲーム世界という設定に自覚的なくせに、致命的に察しが悪いカタリナ」という配置がどうしても浮いてしまっている。ハーレムを形成する要請上、彼女が鈍感難聴になっていくのはしょうがないことではあるのだが、全てが「恋愛フラグ」でデザインされているはずの世界で、何故ここまで察しの悪いことになるのだろうか。一応「自分は破滅すると思っているため、他人に好意を寄せられていることに全く気づくことができない」という理屈づけはあるのだが、カタリナだってゲームの1キャラだったわけで、そちらに好意のベクトルが向いていることを客観的に分析できても良さそうなものなのだが。その辺りに生前の「リアル恋愛に興味ない女子」が残っているあたりに、なんだか妙なバランスの悪さを感じてしまった。

 まぁ、とりあえず百合を含むハーレムエンドという万事丸く収まる大団円を迎えたのだから、これはこれでよしと……思ってたら、2期あるの? いや、綺麗に終わってたやん? これ以上何かやる要素あるか? 蛇足以外の何ものでもなくないか? いっそのことマリア視点の純正百合ギャルゲー編が展開されたら見てみたい気もするのだが……。

 

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「本好きの下剋上(第2期)」 5→6

 適宜神官長に萌えていくタイプのアニメ。最後の最後まで冷静だったのに、突然感応ヘッドギアを装備して一気に真相に迫ったのはちょっと笑った。色々と見るべき点が多い作品だってのは認めるところなんだけど、たまに魔法の設定がガバいのはしょうがないな。

 1度感想は書いたが、他のなろう系とは一線を画す、見どころのある作品だった。やっぱり食傷気味になっているのは圧倒的チート設定からの頭空っぽ展開なのであって、「異世界転生からの前世記憶無双」というテーマ1つとっても、調理の仕方でちゃんと普通に食べられるストーリーになるのである。今作のマインの場合、フィジカルはむしろビハインドを背負った状態での戦いになったおかげでどこまでいってもチートはチートになりきらず、さらに「身食い」の制約が明確化することで、そのビハインドが直接生存目標になり、物語の大上段のモチベーションに成り上がった。マイン自身もそのことは重く受け止めて必死に生きようともがく姿が描かれるし、その途上で出会う人々との繋がりは素直に心惹かれるものになっている。

 1期の頃にまだ引っかかっていた映像部分も2期目にはすっかり慣れ、むしろ感想で書いた23話のように独特なデザイン性を研ぎ澄ませて見せ場に転化させるまでになった。こちらとしてはキャラデザがどうこうってのはあくまでも第一印象でしかないわけで、そのデザインを使って何を見せるか、どう見せるかの部分が最大の眼目。今作においては、しっかりと「このデザインだからよかったんや」という理由を明示してくれたので文句の出るところではない。不思議と最後まで「かわいいなぁ」と思うような女の子は出てこなかったのだが、むしろ野郎キャラの細かい表情に見どころが多かった気がしますね。この世界、性根の悪い人間がわかりやすく「悪い」顔になってくれるので道徳的な部分がとても見やすいのである。ほんと、「世界名作劇場」みたいな作劇だね。

 「本」という1つのテーマを掲げて始まった本作が、2クールという決して短くない時間を経て、無事に「本が作れる」ゴールまで到達。原作はここからもさらに続いているらしいのだが、まぁ、ここで終わっても別に物足りないとは思わないくらいのレベルだ。紙ができて、本ができて、それが製品化されて、さらに図書館の管理権限も事実上ゲット。これより上もあるかもしれないが、あとは拡大生産なので話の刺激は似たり寄ったりだろう。ちょっと早い段階で本を作っちゃったもんだから(?)、最後に謎のファンタジー強化週間に入って突然騎士と一緒に魔物討伐に出向いちゃったのは必要な行程だったのかはよくわからない。まぁ、戦うのがドラゴンとかじゃなくてトロンベだってのも今作らしいこだわりで面白い部分だったけどね。魔力があるってことは、多分あれ以外にも魔術的な驚異はその辺に転がってるんだよね。さすがにあんだけ仰々しい「騎士」の文化があるってことは、まだまだ上の敵がいて、今後はそういうのと戦う展開になる可能性もゼロではないのだけど……ルッツは冒険者じゃなくて商人の魂を貫き通してほしいなぁ(勝手な心配)。

 とりあえず、「これくらいならなろう展開も悪くないな」という1つの試金石として貴重な作品になっている。いや、なろう系に「なろう」という名前が着く前には、普通にこういうジャンルも受け入れて見ていた気もするのだが……人間の認識って、不思議なものですね。

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