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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ジンジャエール、第20話。考えてみりゃこんだけ世知辛い話してる割に今作は未成年が多いんだよな……。かなさん、何でも酔えるのはとても都合がいい設定ですよ(?)。

 さて、2.5次元舞台編はここで一段落ということになるだろうか。封切り初日の熱量がとんでもなかったんで、かなが言ってたように「この熱量で1ヶ月公演とかできるんか?」と心配していたが、それをこなすのが役者というお仕事なのだろう。堂々たる終幕シーンが描かれていたので「これが千秋楽の様子かぁ」と思ってたが、どうやらまだ全日程が終了したというわけではないみたいですね。単に監督を飲みに連れ出せた日のことがクローズアップされただけか。

 その前に、初日舞台におけるあかねとかなの関係性だけとても良かったので確認しておこう。前回のエピソードからかなのことを「太陽」、あかねのことを「月」と評したが、まぁ大筋でその感覚は間違っていないだろう。自分の人生を強引に切り拓くためのかなのまっすぐなモチベーションは、天才子役を天才役者にまで育て上げた。そんなかなの演技を見せつけられ、憧れにまだまだ届かぬと悔し涙を流したあかねの心情も察することができる。

 しかし、今回の一件でかな>あかねという上下関係が固まったかというとそうでもないってのが面白いところで。そう、別に月と太陽に上下関係が無いように、2人の役者道にはそれぞれの生き様があり、それぞれの良さがある。果たしてどれだけの人が気付いたかは定かでないが、天才有馬かなの目にはあかねの持つ特異性がはっきり認識できていた。それはあかねの演技自体ではなく、そのプランが相手役だったアクアに与えた影響。アクアは舞台後半に「苦しむ演技」を選択した。それは舞台のシチュエーションと過去の自分を重ね合わせ、無理やり地獄のような感情を呼び起こしてそれを舞台上でぶつけるというもの。彼の生きる意味を根元から奮い立たせることはできるが、その度にあの記憶がフラッシュバックするのだからまさに魂を削るような作業だ。そして、そんなアクアの選択した苦難の道に寄り添うのが黒川あかねだった。彼女はアクアのやろうとしていることを見抜き、それならばとばかりに自分の役である「鞘姫」に加えて「星野アイ」をも内包させる。かつて徹底的にアイをラーニングしたからこそ出来るこの荒技により、より舞台上がアクアの記憶と重なることになり、アクアの演技をブーストすることに成功したのだ。なるほどこれはかなには真似できないプランである。自分自身から発揮される役者としての「天性」より、他者から学び、真似びとったものを映し出すことで相手に影響を及ぼす演技。まさに光を反射する月のような存在。互いが互いを認め合い、今回の女の対決は痛み分けといったところか。

 こうして舞台の上でのあれこれが一旦片付き、本気でぶつかりあった「舞台役者」たちはさまざまな感情へと波及していく。ルビーはかなの演技を見せつけられて何を思ったか。兄の目に黒い光が宿り続けていることを、妹は気づいているだろうか。

 個人的に嬉しかったのは原作のアビ子先生と脚本のGOA氏の関係性。2人して隣り合った席に座ったりはしていないのがニクらしいが、それでも間に挟まった「原作コミック」と「台本」が寄り添うことで2人の融和がこれ以上ない形で示されたし、ひいては「原作と舞台」の最高レベルでの統合も示唆されている。世の中のメディアミックスがみんなこんなふうに幸せに終わればいいのにね。

 そして舞台は次のステップへ。アイの復讐のために舞台監督に狙いを定めていたように見えたアクアだったが、何とその視線の先にいたのは姫川だった。施設育ちだという姫川と、幼くして母を失ったアクア。2人は「足りない者どうしで似ている」というのが舞台監督の弁であったが、何とまぁ、その裏には血縁があったという。アクアもなんでそこ調べる気になったんや……。予想外すぎる展開から、果たしてアクアの野望は前進するのだろうか。次回は……総集編かい!

 
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 社畜ダンサーの呼び出しにより1ヶ月ぶりに実現したたほいや会。やっぱちょっと油断するだけで期間空いてしまうなー。とりあえず今回は何故彼が人を呼び集めたのかというところから話が始まり、いつも通り、世知辛い人生が赤裸々に語られたのであった。……ほんと、身近で昼ドラみたいな人生送ってる奴っているんだなー。現実の悩みも苦しみも、辞書を開けば忘れられるんでしょうか。

 


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 あれがデネブアルタイルベガ、第7話。夏の大三角は割と目視でも分かりやすいですよね。なお、夏の大三角には四角直線などのバリエーションが存在します。

 焼塩編、完全決着。ハッピーエンドの向こう側とは題されているが、さてこれはハッピーなのか。もしハッピーだとしたら誰にとってのハッピーだったのか、惚れた腫れたの問題ってのは、なかなか一筋縄ではいかないものであります。

 事態が丸く収まったのは、ほんとにただ「関係者全員いいやつだったから」の一言に尽きる。中でも渦中の焼塩本人が突き抜けてイイ奴だったのでこんな素敵な「負け」エピソードになっているわけだが、綾野、焼塩、朝雲、温水、あと多分八奈見という人間模様の中に、ちょっとでもはみ出してしまうやつがいたらドロドロの愛憎劇にまで発展していた可能性があり、全ては綱渡り。前回の事件は、そんな綱を踏み外して一気に奈落へ落下しかけたその過程だっただけの話だ。結局そのまましがみついて渡りきれたのは、焼塩本人の人間性によるところが大きい。

 強いて一番「悪い」人間をあげるとしたら八奈見になるだろう(まぁ、法的な悪で言えば朝雲だろうが)。彼女はことの顛末を外野で(なんか食いながら)見守りつつ、焼塩の友人というポジションから彼女を応援しようとしていた。当然自分と重なる部分は意識していただろうが、それでも他人事だったら好き放題に言える。八奈見はまるで自分の失恋の鬱憤を晴らそうとするかのように、焼塩を焚き付けて略奪愛に走らせるプランもあったに違いない。でもまぁ、そこで踏みとどまって言わなかったあたりは八奈見も決して「悪い子」じゃないことの表れ。外付け倫理装置の温水が頑張ったこともあり、文芸部と焼塩の関係性はただ「慰めに来てくれた頼れる仲間」の範疇にとどまった。

 そうしてみんなから力をもらった焼塩は彼女らしくきちんとケリをつけることを決意する。そのまままっすぐ綾野にぶつかっても結果は変わらなかっただろうが、事前に朝雲が単身乗り込んできたおかげで女子2人で膝を突き合わせて対話できたのも結果的にいい方向に働いたんじゃなかろうか。朝雲が悪い子じゃないというのは焼塩ならずともすぐに分かる部分だろうし、焼塩が「綾野の最大幸福」を優先する場合、「今カノ」の人となりを知るのは重要な行程だ(別に焼塩は元カノでもなんでもないが)。焼塩と2人で対話しようとしたその姿勢自体も評価対象となり、彼女の中で「もう綾野のことは全部朝雲に任せる」という決心がつけられたのではなかろうか。

 そうして迎える決戦の日、舞台は出会いの場所、夜の小学校。とっくりと語らう幼馴染2人の光景はどうにも甘酸っぱく、どこまでもいじらしい。ほんとこの距離感・この関係性で付き合わないとかいう選択肢があるのかよ、とすら思ってしまうが、どうやら今作において1対多というお付き合いの構図は存在しないらしい(そりゃまぁ)。焼塩はあくまで「幼馴染の親友」として一歩引き、「かつて綾野に惚れられていた」という歴史を誇りに、変わらず隣を歩き続けることだろう。もちろん、朝雲とも「親友」としての関係性を深めながら。……ほんと、2人同時に付き合っちゃえばいいのにね。最近のアニメを見てればそれくらい余裕でOKっていう脳になってしまうよな……。これがアニメ脳……。

 というわけでハッピーだったのは実は焼塩だったかもしれない、という晴れやかな「負け」でめでたしめでたし。まぁ、男と女の関係なんて、こんなシーンは現実にもいくらもありますのでね。どちらかというと現実感がなさそうなのは、エピローグ部分の八奈見の方かもしれない。「代理彼氏」って、アニメではよく見る役割だけど実際そんなことやる人間いるのかしら……。そしてラブコメなら鉄板のシチュエーションなのにきっちりとした前振りからフラグをバキバキにへし折ってくれる八奈見の剛腕。さすがでございます。自分の立場が分かってんなー。ほぼギャグ無しで進行した今回のお話、やっぱ最後は八奈見節を拝まないと終われませんからね。

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 ミキシンソロ歌唱のエンディングとかいう珍しい展開、第20話。そりゃ流すなら今回しかないんだが、ラストの引きと噛み合ってないんよね。

 というわけでAパートとBパートでは全く別軸の物語が進んだ今回。まずはAパートのスターダストVSスティグマ(クァバラ)戦。平気な面して人前に現れたスティグマ。スターダストは「わざわざ出てきてくれて」と敵の大将との接触を喜んだが、スティグマの狙いはアマラリルクという存在を世に知らしめ、さらに直接スターダストという希望の星を叩くことによって「恐怖」という感情を植え付けることだったという。元々人の心に眠った負の感情を呼び起こすことを得意としているスティグマのこと、全世界の不安感をまとめて煽ることで、何かしら今後の展開に拍車をかけるのが狙いだったのかもしれない。

 そうと分かっても出撃せざるを得ないのがヒーローの辛いところで、ラスボスと対峙したスターダストにぶつけられたのは、謎のアマラリルク幹部(?)のクァバラちゃん。黒木智子以来のがっつり橘田ボイスな挙動不審キャラだが、「喜」のクフフさん、「怒」のドキ、「愛」のイノリ同様、彼女も「恐」という感情を中心に構成されたキャラのようである。ただ、普通なら「恐怖」をモチーフにしたキャラならすげぇおっかないやつになる気がするのだが、一筋縄ではいかないのがアマラリルク。なんと「自分が一番ビビり」というよく分からん性格設定に、きちんと「恐ろしい」固有能力を持ったクセのあるデザインである。そもそもアマラリルクの構成員ってヒトなのかなんなのかもよく分からない状態なのよね。ツィベタちゃんはいわばお化けみたいなものだったわけだが、クァバラちゃんはダイレクトにデザインがお化け。もしかしたら彼女もすでに故人だったりするのかしら。

 「取り憑いて自分が受けたダメージだけ相手に返すのに、相手には平気でナイフを突き立てられる」というなかなかチートな技を披露したクァバラちゃんだったが、流石に最強ヒーローが相手では小細工は通用しない。以前より人間としても一回り大きくなったスターダストは、クァバラちゃんなど眼中になく、大技でもってスティグマに確かにダメージを与えた。ただ、くらったスティグマ自身はケロッとしたもんで、思い切り顔がぶっ壊れてもどこ吹く風。単なる強がりには見えないので、あのボディは代用が効くってことなのかしら。まだまだ謎多き存在である。

 一矢報いたことに意味があったのか、とりあえずスティグマは一時退場。しかし、どうやら黒球の外で起こった出来事は中にも何かしら心理的影響を与えたのかもしれない。曖さんVSウツロの悲しき姉妹対決は、下馬評通りに武力で秀でた妹が一方的に攻める展開。曖さんはシャイとタッグを組んではいるものの、説得を試みる姉と殺す気満々の妹では試合にもならない。忍びの里でのドロドロとした「穢れ」を一身に背負ったウツロの心が晴れるなどということはありえず、現実を突きつけることでじわじわと姉を追い詰めていく。そしてシャイを傷つけられたことでついに曖さんも正面から戦うことを決意するが、それこそがウツロの、いや、昧の真の狙いだった。

 妹を害する敵意を抱いてしまった曖。これにより姉にも「穢れ」が生じ、悪の側面を持つ妖刀が怪しく煌めく。蟻の穴から心は崩れる。一気に姉に雪崩れ込んだウツロにより、なんと「曖昧」だった存在がついに1つに。……いや、何が起こってるかさっぱり分からないが、とにかく曖さんはアマラリルク側に取り込まれてしまった。元々中に曖を取りこむことが狙いだったとしたら、「ウツロ」なんて名前はよくつけたものである。

 負の感情を取り込み、増幅させるアマラリルクの術中にハマってしまった曖さんとシャイ。この絶望的な状況でのキーパーソンは……朱鷺丸?

 
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 心の在り方、第7話。本気でそっち方向に切り込んでいくなら、もう止められまいよ。

 前回夏生の過去エピソードが明かされ、「憧れのあの人」がアトリ本人なのかどうかが話題になっていたが、あまりに状況証拠が揃いすぎているせいで、夏生も認める以外になくなってしまった。もうちょい粘って違う可能性を出すと思ってたんだが、よりによって竜司にあんだけ綺麗に詰められたら言い逃れもできそうにないしな。小市民シリーズだったら30分かけてやる論破劇を開始10秒で終わらせてしまった竜司氏、なかなか優秀。

 そうして「憧れの人」が目の前のポンコツヒューマノイドであるというヤな事実を突きつけられてしまった夏生はどういう方向でバランスをとりにいくかというと、「自分の人生を変えたあの人がアトリだというなら、アトリにはそれなりの人格を持ってもらわなきゃいけない」という考え方の転換。いや、夏生本人がそこまで意識的に思考を向けたかどうかは分からないが、今回の彼の振る舞いを見るに、「もういっそアトリを完全に人間として扱えれば楽なのにな」という方向に考え方をシフトさせたのは間違いないように見える。それはもちろん日常生活のいざこざを回避するためでもあるし、「ロボットの心」というものがあればあったで興味深いという学術的な興味関心もあるだろう。問題は、そこに「心のあるヒューマノイドだったら愛せる」という思惑があるのかどうか。

 LIKELOVEの問題。まぁ、話はそれだけで片付けられるようなものでもないのであくまで夏生とアトリの関係性のいち側面を切り出すだけの行為だが、キャサリンが言ってるように「知識がないよりあった方がいい」のは間違いないだろう。夏生が過去のあの女性に未だ憧れを持ち続けたいならば、その関係性をLOVEにまで引き上げてやるのが周りの世話焼きババアなりの気の使い方。どう考えても性教育にしかならない導入で保健体育を行なったキャサリンだったが、はてさてどんな授業をしたものやら。とりあえずアトリには「恋愛感情」という特別な「感情」が存在することを外的知識として付与した。

 ただ、こっからがヒューマノイドの難しいところでね……まず、夏生からアトリに向けての感情は今回大幅に方向修正して以前よりもかなり柔和なものになっている。それはもう、恋愛感情を向けてもいいかもしれない、というくらいに思い切ったシフトである。まぁ、これまでのアトリの言動を見れば不可能とまでは言い切れないのでその判断は一旦良しとしよう。

 こうなってくると、問題はアトリ側である。彼女はこれまでずっと「夏生のため」と言って動いてきたわけだが、さぁそれはLOVEという「感情」にまで成熟するものなのだろうか? 知識は入れてもらった。「感情のようなもの」を表現するだけのスペックもある。そこまでの条件は揃っているのだが、さぁそこから「恋」が生み出せるのかといったら、これはまた一段上の問題である。夏生は何度も「アトリは本当に人間同等の感情を発生しうるのか」と検討を重ね、最終的には「その可能性もある。そうあってくれれば嬉しい」に帰着した。そして、「そうあってほしい」という夏生の「望み」を受け、アトリは「夏生の願いを叶える」方向に動くように設定されているのだから、次なる目標は「夏生の望む通りに感情を身につける」ことである。しかし、夏生の希望に従うような動きを見せれば見せるほどに、それはあくまで反応としてのプログラムの範疇に収まってしまうようにも見える。結局感情なんてものは他者との関係性の中で自己に内在しているものを認識する以外にないわけで、今のアトリにそれを認める機能があるのかどうかは分からない。どこまで行っても「あるかもしれない心」であり、夏生が認めれば認めるほどに、アトリの中でそれは未解決のままで残されることになってしまう。……意外に厄介な問題ではないか?

 今回はサブタイ通りにデートしてるだけで終わってしまったが、まだまだ荒事を起こそうとしている連中は控えている様子。ここからもう一波乱起こった後に、夏生の目にはアトリがどう映るんだろう。

 
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 今回ロンドンの男の子ポール役を演じた声優さんは将来Wikiに「キン肉マン 完璧超人始祖編:ポール」って書かれるんだよな……第7話。後から見て「誰やねん」ってなる。まぁ、新人さんらしいのでポールを足がかりに頑張ってください。(いきなり何の話?)

 でもポール君が今作の中で果たした役割はとても大きい。キン肉マン名物「友情パワーの大切さを伝えてくれる無垢な少年」であり、テリーにぶん殴られてキン肉マンに火をつけたり、幸福の青い鳥ブルーサンダーを連れてきてくれたり、過去にも困った時にはぽっと出の少年にお世話になっているのだ。今回そんな少年が示してくれたのは、今作における悪魔超人の立ち位置、というか上手い使われ方。原作ではすでにステカセがウォーズマンリスペクトを匂わせてその辺を示してくれていたが、アニメではそこがカットされていたのでこのアトランティスが明確に示してくれた「昔戦った正義超人たちのことは尊敬してるんだぜ」というムーブ。カーメン・BHにその要素が1ミリもなかったのでここまで原作を読んできた読者もちょっと意識の外に出ていたことだったが、そこをよりにもよってアトランティスが示してくれたことにより、おっちゃんたちはすっかり悪魔超人にキュンキュンしてしまったのである。

 だってさぁ、アトランティスだよ? どっかでインタビュー受けた安元も言ってたけど、ロビンのマスク握りしめての「ケケケ〜!」は当時数々の少年少女にトラウマを植え付けたに違いない。悪を自称する悪魔超人の中でもとびきりの汚れ役、それがアトランティスだったのだ。そんな彼がさ、曲がりなりにも自分が倒した相手にきちんと敬意を払っていることがわかり、かつての因縁を思わせるリングで次々にエモを展開してくれるわけじゃん。この展開を読まされたら、もう「そうか、この新しいキン肉マンはこういうシナリオ作りができる作品なんだ……」って全面降伏するしかないじゃん。アトランティスの一番上手い使い方は間違いなくこれだよ。

 冷静に考えりゃ変な試合なんだよ。そもそも「水棲超人って何?」って話で、多分アトランティスもマーリンマンも日常生活はふつーに地上で送ってるんじゃねぇのか? 肌が乾くと死んだりするんだろうか? そんなよく分からん、ふつーの漫画だったら噛ませポジにしか見えない変な「水中専用キャラ」がさ、よりによって水上リングでぶつかって互いに水中での強さを主張しあう。これだけ聞いたらどんだけしょっぱい試合だよって思うよ。ほんとなら一番かわいそうなのはアトランティス当人で、今まで独占してたはずの「水の中で強そうな超人」っていうアイデンティティを完全に奪われてオリジナル要素を全剥奪されかねないんだから。マーリンマンの方も、露骨なキャラ被りの中で完璧超人らしい強さを見せつけなきゃいけないとかいう無理難題を押し付けられ、最終的にはヒレを回すくらいしかやることないわけですよ(キン肉マンの超人、とりあえずパーツ回転させすぎ問題)。

 しかし、この試合が6つの試合の中でもトップレベルの激おも感情増し増し試合になってるのは全てアトランティスの動きのおかげ。ロビンへの敬意、ロビンの思い出語り。「そうか、お前にとってあの一戦ってそんなに大切なものだったんだな……」っていうだけでおっちゃんたちは「朝まで呑もか!」ってなるじゃない。いいやつだなぁ、アトランティス。

 そんなアトランティスの特訓シーン、アニメではちょい追加されており、ステカセにも蹴られたり、なぜかカーメンがのどの上に乗ったりしてた。原作だと全然気づいてなかったけど、アトランティスが「岩のような皮膚に変化して……」って言ってるシーンでアトランティス殴ってるのがよりによって魔雲天だったからちょっと笑ってしまった。その後のアトランティスが感慨深く喉を触ってるカットは原作コミックでは連載版から描き直しが入っている特別なシーンだったし、ほんとにいいアニメとして描いてもらっています。ところで、原作時点で思ってたんですが、「ウィークポイントをストロングポイントに変える」ってのが悪魔超人的発想だってのはいいんですが、アトランティスがこんだけ苦労したってことは、キーパーツを無効化して呪いのローラーまで取り付けたサンシャインってどんだけ努力を重ねた結果だったんだろうね。

 閑話休題、こうしてアトランティスばっかり持ち上げるとマーリンマンが不憫な気もするが、彼は彼で「こやつ受け身が巧みすぎる」というアトランティスの変な台詞でフィーチャーされた「受け身のうまさ」がしっかりアイキャッチネタで活かされてたり、ちゃんとリスペクトのある描かれ方にはなってるんですよ。説明がないとどう考えても「魚が口の中から浮袋を出したなんて一瞬でわかんねぇだろうなぁ」っていう必殺技も含めてね。多分、今後「キン肉マンカルトクイズ」とかが作られた時に難問になるであろう必殺技第1位、ピラニアン・シュート。

 原作3話区切りが基本なのでよもやのところで今回はおしまい。いい見せ場作ってもらったなぁ……。

 
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 浜木綿さまぁ……第16話。いやぁ、似たもの夫婦とはよくいうけど、そんなに似なくてもいいじゃんね。

 謎が謎呼ぶ展開。この世界は未だ謎に満ちているんですが、みんなしてとにかく雪哉くんに不親切すぎやしませんかね。宮中の人間は色々とこの世界の理を知ってるみたいなのに、何故かそこそこいいとこの出身である雪哉はそういうことにとにかく疎い。それが本人が嫌悪してるいいとこのボンボンであるが故なのか、それとも周りにいる人間の世界が違いすぎるだけなのか……まぁ、やたら身分の高すぎる連中とばっかり接点があるせいで、どっか常識レベルがズレてる感覚はありますけどね。

 そんな雪哉が庶民オブ庶民とつるむことになったのが小梅という存在である。彼女もまだ「何か隠している」らしいのだが、それでも生まれ育ちが宮中の人間とは天地の差があるのは間違いなさそう。でも、そっちと話をしようとしてもやっぱり雪哉は「何も分かってないくせに!」みたいに言われちゃうのが不憫。中間管理職じゃないんだから。まー、小梅の生い立ちについては庶民の中でもだいぶ異色の存在な気はするけども……。結局彼女が何を隠しているかは分からずじまいなので、あとは浜木綿さんに託すしかないみたいです。まぁ、彼女ならうまいことやってくれるだろ。現状、小梅が宮中に憧れ、連れ込まれた煌びやかな世界にドキワクしてるのは間違いないように見えるのだが……少なくともお上に仇なすつもりはない……よね? ね?

 小梅とその父親、あまりに模範的な毒親のおかげで新たな突破口として提示されたのが「地下街」というとんでもない世界。一度谷間の世界は描かれてはいたが、単なる色街ではなくてもうちょいディープな場所だった模様。そんでその世界を牛耳る裏ボスみたいな存在がいるとのことで、まー、Magicでよく見る統治傾向である(だいたい表の統治者が白にいて、裏に黒とか青の支配者がいるパターン)。かつて表と裏のトップどうしで締結されていた不可侵条約があったらしいが、今回の小梅をめぐる騒動でそこに不和が生じたとかなんとか。いや、今回の話だけ見たら別にそこまでおっきな問題があったようには見えないけどね。そりゃ小梅の親父が何かしら裏社会に対して不義理を働いたってんならそこに責任は追求すべきだが、その追求の手から娘を守るのは、普通の警察機構だってやらなきゃいけない程度の治安維持だろう。たまたまそこに若宮直属の従者がいたからって、それが「不可侵条約の破綻」にはつながらないと思うのだが……まぁ、地下街にもっと密接な裏があるってんならそりゃ分からん。少なくとも若宮は手応えを感じてるみたいだし、何かしら猿事件と関係はあるのだろうか。

 若宮・浜木綿のコンビに加えて長束・路近も加わった最強首脳陣で善後策を講じるも、いつも通りに若宮が独断専行を提案。流石に馬鹿の一つ覚えすぎる、こないだの事件で少しは懲りろ、ってんでお兄ちゃんが口出し(刀出し)。もうこれ以上弟の無茶は看過できぬと、立場がまだ軽い自分が雪哉を引き連れていくことを提案したようだ。長束様もだいぶ過保護ではあるのだが、あの弟の振る舞いに毎日胃が痛くて大変だろうなぁ……。次回予告を見る限り、今回ばかりは若宮も折れたようなので、とりあえず雪哉の肩身が狭そうなチーム編成で地下街へ行ってらっしゃい。

 そういえば途中で若宮がよく分からない儀式に興じていたが、あれはいったい何だったんだろう。「外界との結界を補強する」とのことだったが、あれは山内とそれ以外を隔てる結界……ではないんだよな。「猿が外界から入ってきた可能性」って言ってたってことは、山内以外にもこの世界の全てをあの結界は包んでいると考えられ、ほんとに結界の外は「なんか分かんないけどやべぇとこ」みたいな扱いなんだろうか。なんか最近どっかで感じた感覚だなぁ、って思ったけど多分「バック・アロウ」だな。壁の向こうに何かがある。……この世界、やっぱり分からんことが多すぎるな。

 
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 そして仲間がまた1人、第8話。ちなみに冒頭の文言は「るろ剣」で左之助が加入するエピソードのサブタイトルですね。……最近気づいたけど、俺るろ剣大好きだな(今更か)。

 さて、無事に島の仲間が1人増えましたよ、という戦力増強エピソードだったわけだが……想像以上にあっさり終わったな? 事件の規模を考えればもっとすったもんだがあってもおかしくない話だったのだが……まさかの1話であっさり収束。まー、結局ココロワさんが悪いやつじゃなかったって話ですかね。

 サブタイトルだけ見れば「現代日本の話かな?」と思うくらいにタイムリーな展開かと思われたが、現代日本はちょっとした米不足による騒動だが、こちらの世界は何と異物混入事件。普通に考えたらマジで「国を揺るがす」レベルの大事件だし、犯人が逮捕されたら極刑も免れぬ罪状だと思うのだが、カムヒツキ様は米が大好きとかいうてる割にその辺は寛容だったのだろうか。いや、処分だけ考えれば決して寛容にはなってないのか? よく分からん。少なくとも現代日本で不特定多数の場所に出回る米の発注元が有害薬物を混入させたりしたら、とんでもないことになるはずだ。しかも今回の異物混入、なんかよく分からんところで手が込んでいて、単なる毒とかじゃなくて「後味が強烈すぎて魅惑されてしまい、他のものを口にできなくなる」という遠回しな麻薬みたいな薬物。普通に人を害するものよりもかえっておっかない。そんなものがホイホイ手に入る世界も怖いし、割とあっさり流通して大ダメージを与えるまで発覚しなかったという事実も怖い。……やっぱ極刑だよなぁ。

 というわけで、せっかく丹精込めて作った米をキズモノにされた上、親友に容疑がかかっていると聞いて矢も盾もたまらず密航してくるサクナ。神様だというのに相変わらず扱いが悪いが、なんかもう、すっかり密航とか隠密にも慣れたもんだしこれくらいの扱いで構わないのかもしれない。侵入した都の宮殿、いろんな神様が歩いててなんか「千と千尋」みたいでちょっと面白い空間。あの神様の1人1人もちゃんとキャラがあるんでしょうかね。

 潜入自体は意外にあっさり、そんでそっからココロワを問い詰めたらCOもずいぶんあっさり。途中で戦闘を展開した謎の武士ロボット3体がやけに具体的な能力を駆使して苦しめてきたあたりは「まぁ、これがボス戦闘になってるんやろなぁ」というイメージは湧きやすい。これまでずっと鬼を相手にしてきたのに、多分この辺のステージはココロワお手製のロボとの戦闘が続くんでしょうね。やたらと兵器が現代的なもんで下手な鬼よりよっぽど強そうである。

 そうしてココロワに再度アタックし、あっさりと語られる親友の胸中。まー、分かりやすいすれ違いというか、シンプルなやっかみ具合だったのであんまり掘り下げる余地もなかったですわね。どちらかというとあっさりゲロったココロワの心情よりも、そんな親友の迷走を全てごくんと飲み込んで引き受けちゃったサクナの成長の方が注目ポイントだったのかも。最終的にココロワさんはサクナに許され、お上にも許されてる状態ですからね。万事解決丸く収まった……はずなんだけど、ココロワさんはあの怪しげな毒米を渡してきた謎の存在については言及しなかったんでしょうか。都の今後を考えるなら、あの連中の存在が一番の問題だと思うのだが……。ココロワが鬼島にわたってしまったため、現状都はノーガードなのでは?

 まぁ、さっさとココロワたちが帰還すれば済む話ですけどね。名参謀が加わり、島の鬼調査はここから一気に進む……かなぁ。

 
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 せっかくのいい話、重要な話だったのに次回予告で全部ぶっとんだ……第30話……。生まれてしまう……承認欲求モンスターがッッッ!!

 というわけで今週まではTVer視聴です(まぁ、関西でも放送日は明日なんだけど)。中盤のクライマックス、リアタイしてなんぼじゃい。今回は強化フォームお披露目回ということで(セールス的にも)重要なお話でしたが、色々と膝を打つ展開も、胸を打つ展開もあっていうことなしでしたね。まぁ、「にゃん」が「わん」に統合されてしまったのは若干口惜しくはあるが……そこはタイトルにもなってる主人公サイドに花を持たせてあげましょう。脇に控えても無視できない存在感のサブポジション、それこそがユキの本領だろうし、まゆはセンターに立ちたくないだろうしな。

 さて、当然メインシナリオがどう展開されていくのかというのが一番の焦点になってくるだろう。前回時点でガオウ一味が登場し、そのあまりの存在意義の重さに「これ、どう足掻いてもハッピーな結論なんて見つけられないやつなのでは」と不安にもなったが、そこはそれ。わんだふるなこの世界なりの解決法を模索していくことになる。分かりやすくいろはが曇ってしまう展開を、あっさりと掬い上げたのは当然こむぎである。こういう深刻な問題を抱えてしまう展開ってのは主人公サイドはどうしても理想を振り翳しがちで、どれだけ詭弁を弄したところで「青臭い理想論」という評判がつきまとう。解決し得ない問題に対し、正面から論破しようとしたところで感情をぶつけるしかなければ、それは結局感情論のフィールドに上がらざるを得ず、平行線を辿る結果となる。

 しかし、こむぎの生き様は理想論ですらない。だってバカ犬だから。「青臭い理想論」ならぬ「犬臭い本能論」である。現状、狼がどうなってるかもよく分からん。人と獣の過去の歴史なんてさっぱり知らん。でも、こむぎはいろはと自分の歴史を知っている。辛かった自分がいろはに救われたという「事実」だけを知っている。であれば、その事実を他者の関係に演繹して何が悪いのか。もちろん、本来ならそんな理屈は通らない。うちはうち、よそはよそであり、こむぎがどう思おうとガオウは知ったこっちゃない。しかし、考えてみればこの「知ったこっちゃない」だってお互い様なのだ。こむぎはわんだふるな未来を実現する方法を知っているという。ガオウは自分たちの歴史からそれを否定しようとする。結局お互いの身勝手を振り回し続けるだけならば、あとは殴り合えばいいだけである。犬と狼が、やりたいようにやればいいだけである。なんとシンプルな答えなんだろう。

 そしてこの世界は、現実とは大きく異なる点が1つある。それは、狼が絶滅したとはいいつつも、目の前にはガオウたちという「分かり合える」対象がいるということ。現実ならばいくら狼に謝ったとて人間側の自己満足でしかないが、アニマルタウンには間違いなくガオウが「いる」のだ。であれば、いろはの願う「分かりあうこと」がまだ選択肢として残っている。ガオウ側からしたら言語道断だろうが、いろはにとってはこれ以上ない僥倖。敵がいてくれること、そのこと自体が救いになるという、この世界でしか成し得ない解決策である。もう、あとはこの路線で突っ走ってくれれば余計な迷いはなくていいね。

 ほんでまた敵サイドもこうした融和の物語のための準備を着々と進めてくれている。後半3クール目から登場したくせして、もうずっとお馴染みだったかのようにわちゃわちゃ芸を披露してくれる敵組織、ありがたみしかない。トラメきゅんもザクロさんもたった2話で「ほんとはいい子たちなんだろうなぁ」ってのが分かるキャラになってるのすごいよね。ザクロさんはガオウ様との「結婚」まで視野に入れてましたが、2人で結婚・繁殖すれば絶滅を免れるので、もうそのことだけを考えて愛に生きてくれればいいんですがね……。

 対する勢力に「ニコ様」というこれまた面倒な存在もいる。彼女がアニマルタウンに鏡石をおいた張本人であり、その鏡石すらも人間の負の歴史の語り部だったと言われたらそりゃ凹むし、プリキュアの力も返納した上でニコ様が戦うって言われたら人間サイドに反対する余地もないのだが、現状、すでにニコ×ガオウという関係性が「対立」以外の何物でもないため、いろは達はニコ様の介入による解決は望まないだろう。かつての歴史のように2つの勢力がぶつかり合うのではなく、融和による解決を望む。それこそが、いろは達が戦い続ける理由なのだから。そのことがちゃんと分かってニコ様を止めてくれたメエメエは立派な理解者ですね。まぁ、今まで散々タダ働きさせてたプリキュアに対し、「もっと彼女達を働かせましょう」って言ってるっていう事実だけ見ると単なる鬼畜ではあるのだが。

 さぁ、構図ははっきりした。あとは個々人のモチベーションの問題だ。こむぎが一番シンプルにわんだふるを目指している。そしてそんなこむぎに力をもらったいろははもう迷わないだろう。今回の最大の見どころはやっぱりこの2人の絡みだったんじゃないでしょうか。ベッドで戯れる飼い主とペット、そう思えば微笑ましいシーンなんですが、冷静に見るとめちゃめちゃ攻めた画になってるんですよ。こりゃぁこむいろ派も大満足だぁ。

 そして我らがにゃん組は今回サブに徹してはいたが、それでも隠しきれぬ存在感がお見事。まゆちゃん、困った時はシーツ被って丸まっちゃうんですね。さすが猫組。そしてそんなまゆに常に寄り添って力を与えるのはユキの役割だったし、2人の背中を押す最大の立役者が相変わらずのすみれさんだったという……猫屋敷家、強すぎるんよ。そしてそんなユキがついに「団結」を謳い、初の合同変身シーン、合同必殺技へと繋がるきっかけを作る。もう、ユキの成長譚だけでどれだけお話を盛ってくれるのよ。やりすぎですのよ。

 そうして立派にステージを1段上がったプリキュアを支える影の立役者はもちろん兎山悟その人(と大福さん)である。「僕にもっと力があれば」と苦悩する男の子。頑張れ悟。君の努力の全てを、いろははちゃんと見てくれているぞ。大福さん、その貫禄はどこからくるんですかね。引き続き兎組の動向は注視する必要がありますが、今週の展開を見てると、マジで追加戦士はもういらない気がする。この4人と参謀役の兎組という構成で最後まで走り抜けても構わんよ。一瞬ニコ様の人間態のシルエットだけ見えたけど、あれはプリキュアではなさそうだもんね。

 ほんでこのテンションからの来週の話な……。ザクロさん、いい具合に介入してください。グーを出して確実に猫組にちょっかい出しに来てください、お願いします。

 
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