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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」 4

 「たとえば」じゃないやん、単なる事実やん。

 さぁ元気になろう作品だ! って思ったら、別になろうとは縁もゆかりもないラノベだったっていう。まぁ、確認したら2017年からの作品らしいので、すでになろう文化定着後の世界である。こうなってしまうとラノベもなろうもあまり差は無いかな。一応、単行本の体裁を取っているならなろうよりも収拾がついているお話なのだと期待したいところではあるけども。

 ぶっちゃけ、出落ちの設定には違いない。そして、あまり良い設定だとも思わない。もともとこうした「ラスダン格差問題」というのはRPGの典型的な設定の矛盾をついたメタあるあるとして出てきたもので、「序盤の街と最後の街で宿屋の値段違いすぎるよな」みたいな話が、システム的にどうしようもないけど、実際の世界として考えると変だよね、というネタだったわけだ。それを実際の世界に当てはめて物語を作ってしまうと、「ゲームだからしょうがない」という言い訳の部分が捨象されて「異常な世界」だけが残される。作中でそうした異常を解決することなしに設定だけを借りてきたら、そりゃ世界は破綻するに決まっている。「そんな村があったらもっと世界秩序が変わってるやろ」とか、「同じ人類種でそこまで差がつく時点で理屈も何もないやろ」とか、文句を言おうと思えばいくらでも出てくるし、気にし始めたらお話が成立しないので観てられなくなるはずだ。

 ただ、そうした矛盾について目くじらを立てるような時代も終わってしまっている。ここはもう、「そういうもんなんだ」という前提を飲み込んだところからスタートするしかない。後に残るのは、これまたなろう的文脈でありがちな「最強気づいてない系主人公」の残滓だけである。その設定でどんだけ面白い話を作れるかは、純粋に作者の技量次第になるだろう。ジョジョで例えるなら(何故?)「この世界にはスタンドっていう概念があります」という部分が紹介されただけの状態であり、「はいはい、そういうものなのは分かった。あとはそれでどうバトルするの?」という話。まぁ、掘り下げにくい内容ではあると思うけど……。

 今作の第一印象はなかなか難しくて、たとえば街中でいきなり巨大バッタが出てくるくだりなんてあまりにも唐突だし「いや、そうはならんやろ」という適当さが目に余る。「古代ルーン文字」を煽るセリフ回しもくどくて説明的過ぎるし、「あんまり面白くないだろうなぁ」という気もする。ただ、転じてギャグに回した時には何か惹かれるものもあって、特にベルト姫が1発でコロリと落ちた後の彼女の飛ばしっぷりは割と楽しげに見える。どう考えてもシリアス方向に展開する物語ではなかろうし、この手の主人公なんて舞台装置みたいにそこに置いとくだけでいいのだから、あとはアクの強い周りのキャラがどれだけ賑やかに盛り上げてくれるかの勝負だろう。一応「このすば」という似たような(??)設計の大成功作品もあることだし、案外ここからの伸びは期待できるのかもしれません。

 ちなみに、個人的には「かやのんが普段なら絶対出さない声でぎゃんぎゃん喚く」っていうのが新鮮で楽しかったですね。茅野キャラはどうしても方向性が偏るが、今回の魔女の人は割とタガが外れてる感じが出ていて今までにないものが見られそう。かやのんのキレ芸、花澤ブランドを参考にしてる疑惑があるな。

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○「ゲキドル」 5

 年も明け、容赦なく新番組はやってくる。我々に休息は無いのである。そして1発目がこれだったんだけど、なんかいきなり変化球を食らってしまったな。

 別に内容が変化球というわけではない(いや、変なことは変だけど)。何が変だって、1話目に放送された特番が「アニメ1話目+劇中作」という謎パッケージだったのだ。加えて、その「劇中作」の中身まで謎だった。これは作品として両方を加味して評価した方がいいものかどうか……。よくわからんので、とりあえず後半の劇中作パートはあんまり考えないようにしておこう。

 タイトルに「ドル」なのでアイドルものというのはすぐに分かるのだが、いわゆる歌って踊れるなんちゃらではなく、どっちかっていうと舞台女優の概念。そしてその舞台ってのが普通の舞台ではなく、近未来(?)の先端技術をバリバリに駆使したちょっと不思議な舞台。さらに、世界はそんな近未来なんだけど、いっぺん滅びかけているというおまけ付き。なんやその舞台設定。前半と後半が一切噛み合ってない気がするんだけど、今後、主人公たちの舞台活動に世界設定は影響を与えるのだろうか。謎である。

 メディアミックスプロジェクトらしいので(そうじゃなきゃこんな珍妙な構成にしないだろう)すでに色々とこなれている感があり、多分このままいくと現実でも「舞台」をやる予定とかあるのかしら? でも、メインキャストがどう見ても梨璃さんなんだが、アサルトリリィの舞台と両立させるのかしら? もう何がなんだかよくわからないわね。「梨璃さんが別なレギオンでシュッツエンゲルを!」みたいな流れになっちゃうと思うけど楓さんのメンタルは大丈夫だろうか。

 かてて加えて、「関谷あさみみてぇなキャラデザだな」って思ったら普通に関谷あさみだったキャラ。絵描きとしては嫌いじゃないんだけど、アニメにした時にちょっとパンチが弱いかな、という気はする。丸っこいパーツに汎用性がありすぎて、いまひとつキャラの識別がしづらい部分があり、このキャラデザで今後芝居の核心に踏み込んだときに説得力が出るのかどうかという懸念もある。いや、今後どういう方向性になるのかもさっぱり分からんけど。一切芝居せずに人類の敵と戦い始める可能性だってあるけど。アカン、やっぱり後半の作中作パートのおかげで頭がシェイクされてしまっている……。何が面白いって、作中作の方はまた別なスタッフが担当してて、監督が山内重保氏だったのよね……山内さん、めちゃめちゃ久しぶりに名前見た気がするわ。相変わらずの間の取り方なもんだから、どうにも作劇の意図が読めなくってなぁ……。

 うーむ、こんなにも「よう分からんわ」というので終わってしまう1話目も珍しいな。今後は余計な混乱もなくなるから普通の女の子可愛い作品として観られれば良いのだけど……。

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 さて、カルドハイムである。もう1年近くも紙のドラフトをやっておらず、私の中でもMagic熱は史上もっとも低い状態にある。まぁ、アリーナで1日2回のドラフトとかやってる気もするけど、もう、アリーナとこれまでのドラフトは別なゲームとして割り切る必要があるため、何か満たされない欲求があるのは確かだ。加えて、昨今の禁止ラッシュや様々なカードバリエーションなど、どうにも最近のWizardsは商業主義に走りすぎており、製品全体のクオリティの低下が懸念される状態にもあり、私の中でMagicというゲームをどう扱ったら良いのかという迷いが生じているのも事実だ。そんな中での新次元。私はこれをどう処理すればいいのか……。
 まぁ、いつも通りでいいかぁ……。ただ、今まで通りのモチベでスポイラを書くかどうかはまだ決めあぐねている部分はあるので、今後どうなるかはわかりません。頼むよWizards、信頼回復してくれよ。そしてコロナを吹き飛ばしてくれよ。まぁ、コロナが無くなったところで、一度消えてしまったドラフト習慣は戻ってこないと思うんですけどね……もう、メンバーもいなくなっちゃうしね……(流石に年貢の納め時である)。
 
 
 さて、正式なプレビューは間も無くのスタートであるが、現時点でリークも含めて出ている情報をまとめておこう。カルドハイムは北欧神話をモチーフとした新次元であり、それっぽい道具立てがわんさか出てきているのでトップダウンの次元と見て間違いないだろう。作り方のニュアンスはテーロスに似ている気がするが、今回はどうやらかなりがっちりめの部族環境になりそう。最近は各色のアーキタイプに部族が細かくブレンドされることも多かったので、例えばゼンディカーのパーティとかイコリアの「人間/非人間」、エルドレインにも「騎士」がテーマとして登場していたが、がっつり部族環境になりそうなのはイクサラン以来だろうか。すでに多相の再録が報告されていることから、ドラフトではかなり強めの部族シナジーを狙うような環境になりそう。オンスロートで産湯をがぶ飲みしていた身としては部族環境というだけでもワクワクする部分はあるが、その後のローウィン、イニストラードなど、部族環境はピックが単調になりがち、という欠点も指摘されている。その辺りを製作チームがどのようにアップデートしてくれるのかも見どころとなるだろう。
 以下、現時点で判明しているメカニズムである(リークも含むため、フェイクの可能性は残っています)。

 

 


・「多相/Changeling
 ローウィン生まれの便利能力。「すべてのクリーチャータイプを持つ」という特性を表したもの。ローウィン次元ではこれに加えてカードタイプ「部族」が存在したためにインスタントやソーサリーにまで多相が与えられていたが、今回は大人しくクリーチャーにのみ与えられることになるだろう。ゼンディカーに多相ならぬ「多パーティ」クリーチャーも存在していたため、特に説明を付さずとも接続できるんじゃなかろうか。多分、パーティ環境との地続きで登場しているのは構築レベルでの刺激を狙ってのものだと思われる。ちなみに今回は「天使・クレリック」や「デーモン・狂戦士」のように、いわゆる「部族」と「職業」の両方にスポットを当てることで、多相に加えてより柔軟な受け皿が用意されている。この辺りもローウィンでの失敗を経ての改善点なのだろう。
 
・「Boast
 「この能力は、このクリーチャーがこのターン攻撃している場合にのみ、各ターンに1回だけ起動できる」というクリーチャーの起動型能力。Wizards社の理念として「クリーチャーで殴り合う環境こそが正しいMagic」という考えがあるので、アタックをトリガーとする能力は数多い(督励・教導・大隊 etc.)。過去にもこうして「攻撃時に起動できる能力」は数多くあったが、それを能力語としてまとめた上で、「1ターン1回制限」を盛り込むことでバランス調整が行いやすいように設計されている。まぁ、そこまで目新しいものでもないかな。

 

 


・「Foretell
「あなたのターンの間、あなたは(2)を支払ってこのカードを手札から裏向きに追放しても良い。後のターンに、foretellコストを支払うことでこのカードを唱える」という能力。カードを唱えるタイミングをずらすもので、「待機」の亜種というのが一番近い気もするが、出来事クリーチャーのようでもあり、過去の失敗作であるエコーの再チャレンジのようにも見える。固定コストでの裏向きの処理は変異のニュアンスもあるだろうか。当然foretellコストは通常のマナコストよりも軽いため、基本的には「分割払い」のニュアンスになる(だからエコーが近い気がするのだ)。その他、手札破壊の防止になるとかのちょっとした違いはあるが序盤のターンの選択肢を増やすので、純粋に利便性の高い能力と言えそうだ。ちなみに手札からしか予約が出来ないので赤の「衝動的ドロー」とは噛み合わない。また、手札以外から呪文が唱えられる機会が増えるので「ドラニスの判事」の価値がちょっと上がった。相棒クリーチャーが「ゲーム外」→「手札」とやってくるので2つが重なると微妙にややこしい。

 

 

 


以下個別のカード。
 
戦闘の神、ハルヴァール Halvar, God of Battle (2)(W)(W) M
伝説のクリーチャー・神
4/4
あなたのコントロールする、エンチャントされているか装備しているクリーチャーは二段攻撃を持つ。
各戦闘の開始時に、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーにつけられたオーラか装備品を、対象のあなたのコントロールするクリーチャーに付けてもよい。

領界の剣 Sword of the Realms (1)(W) 
伝説のアーティファクト・装備品
装備したクリーチャーは+2/+0の修正を受けるとともに警戒を持つ。
装備したクリーチャーが死亡するたび、それをオーナーの手札に戻す。
装備(1)(W)
 今回の神は両面カードなのか。「モードを持つ両面カード」はゼンディカーで初登場した概念だが、ホント、「単に選択肢が多い」っていうだけで強いのであんまり面白味が無いのに強いのでズルい。まぁ、「片面が土地」という圧倒的な存在意義があったゼンディカーと違い、今回は安定感のある運用につながるかどうかは微妙だけども。さらに、これまで作られてきた「神」は、必ずなんらかの方法で「不死性」を表現するという縛りがあったのだが、どうやらカルドハイムの神様はそこまで崇高な存在では無いらしく、クリーチャーとして出てきたら普通に殺せる。まぁ、「死なない」縛りって神をデザインする上では枷でしかなかったので、どこかで解放される必要はあったのだろう。そんで、こちらは雑にパワフルな攻め気の神様だが、必ず装備品やオーラと併用する必要があり、自身も4マナと決して軽くはないのでデッキの幅は割と狭い。ただ、「伝説だからいっぱい積めない」という弱点を両面カードで解決しつつ、「2枚目を引いたら装備品として出せば自己完結する」というデザインは実にずるい。装備すればめでたく「不死性」にたどり着いちゃうわけで、やっぱりひでぇデザインなのは間違いない。リミテッドでもとりあえず装備品として出しておけば無駄はないわけで、相手から怒られるのはいつも通りである。
 
 
Resplendent Marshal (1)(W)(W) R
クリーチャー・天使、戦士
3/3 飛行
〜が戦場に出るか死亡した時、あなたの墓地にある他のクリーチャー・カードを1枚追放しても良い。そうしたなら、あなたがコントロールする〜以外の、そのカードと共通のクリーチャー・タイプを持つ各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 種族デッキを作ろう、の一環。墓にある死体をエネルギーに変えてしまうのはなんだか黒っぽい能力な気がするのだが、おそらく「死んだ仲間を英霊に変える」みたいなニュアンスなのだろう。うまいこと部族が固まっていれば、戦場に出た時点で全軍+1、さらに死亡時にも+1とかいうふざけたことをやってくれる可能性があるわけだ。まぁ、そのためには戦場に加えて墓地にもそれなりの枚数の味方を用意しておく必要があるので、前提条件はやや多いか。もちろん、その分自身が3マナ3/3フライヤーと普通に殴れるので、リミテッドならどちらの側面からでも理不尽を演出できるはず。構築だと、カルドハイムにはどうやら軽量の天使も数多く存在しているようなので、いよいよ構築レベルの天使部族デッキが出てくるかどうかに注目が集まる。我が身内の誰かさんの動向と財布の限界にも注目が集まる。

 


 
Righteous Valkyrie (2)(W) R
クリーチャー・天使、クレリック
2/4 飛行
他の天使かクレリックが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、そのタフネスに等しい値のライフを得る。
あなたのライフがゲーム開始時のライフの総量よりも7点以上多い限り、あなたのコントロールするクリーチャーは+2/+2の修正を受ける。
 ヴァルキリーって言葉は北欧神話由来なので、いよいよMagicにもこの単語が上陸してきた。ちなみに過去に「Valkyrie」という単語が使われたカードは、似たような極寒の世界であるコールドスナップの「アダーカーの戦乙女」のみである。そしてこちらのカード、あまりにも戦慣れし過ぎていてエグい。3マナ2/4フライヤーの時点で硬いが、なんとそこに内蔵されているのは5マナのエンチャントである「天使の合唱」(天使クレリック限定)と、ライフ回復を利用した「勇気の道」に似た増強ギミック。自分のライフをぐいぐい増やしつつ、相手のライフがゴリゴリ減らせる。ちょっと1枚のカードに盛り込みすぎじゃなかろうか。リミテッドでも置いとくだけでほいほいライフが回復してしまうだろうし、ちょっとでも放っておいて閾値を超えてしまったら祭りってレベルじゃない。何が恐ろしいって、同じ「27点」ラインを持つ「天界の語り部」との噛み合わせがあまりに良すぎること。27点になったところで「語り部」の能力を起動すると6/6の天使トークンが出るのでそれで6ライフゲイン。なめとんのか。

 


 
Dragonkin Verserker (1)(R) R
クリーチャー・人間、狂戦士
2/2 先制攻撃
あなたがBoast能力を起動するためのコストは、あなたのコントロールするドラゴン1体につき(1)少なくなる。
Boast - (4)(R):5/5で飛行を持つ、赤のドラゴン・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 こちらはBoast能力持ちのバーサーカー。boastは「豪語する、鼻にかける」といった自慢げな様子を表す単語なので、多分その辺の荒くれ冒険者の武勇伝を語る能力ってことだろう。ちなみに「狂戦士」がクリーチャータイプとしてスポットを浴びるのは今回が初めてだが、これも北欧神話のテイストを考えてのことだろう。「戦士」と「狂戦士」が分かれてるあたりがややこしいな。さておき、こちらの狂戦士のご自慢はドラゴンとのマブダチ関係。危ないドラゴンだいたい友達、と豪語するこいつが攻撃すれば、どこからともなくドラゴンが駆けつけてくれる。まぁ、多分5マナ払えるような状態の戦場でこいつが殴りに行ったら多分ご当人は死ぬだろうが、生まれ変わってドラゴンになるなら僕らの心のサルカンさんも納得してくれることだろう。また、ドラゴンてんこ盛りデッキを作ればもしかしたら周りの連中のBoastサポーターとしても活躍できるかもしれない。周りにドラゴン侍らせると満足して聞き上手になってくれるんだろうか。やっぱこいつサルカンじゃね?(違います)
 
 
厚顔の無法者、マグダ Magida, Brazen Outlaw (1)(R) R
伝説のクリーチャー・ドワーフ、狂戦士
2/1
あなたのコントロールする他のドワーフは+1/+0の修正を受ける。
あなたのコントロールするドワーフ1体がタップ状態になるたび、宝物トークンを1つ生成する。
宝物を5個生贄に捧げる:あなたのライブラリからアーティファクトかドラゴン・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。
 名前入力時に真っ先に「睾丸の無法者」って変換されたのは公然の秘密。全部たほいや譜が悪い。北欧神話ってのはどうやらドワーフの本拠地のようで、この次元ではボロスカラーで装備品推しのドワーフ軍団が活躍しているのはカラディシュと同じ。さらに今回は「坑夫」「鍛冶屋」などの特性から宝物とも関係が深いようで、こちらのロードはそんなギミックとの組み合わせ。パワーだけを増強するあたりは赤っぽい遠慮深さがあるが、2マナで全体増強ってんだからそれだけですでに強い。そして仲間が多ければそこから宝物を使った万能サーチ能力を発揮し始めるので単なるウィニーで終わらない汎用性を持ち合わせる。こうしてみるとドラゴンも北欧神話では縁が深いのだろうなぁ。ほんと、全然知らないからその辺のピンとこない感じが口惜しい。
 
 
Battle Mammoth (3)(G)(G) M
クリーチャー・象
6/5 トランプル Foretell(2)(G)(G)
あなたのコントロールするパーマネント1つが対戦相手のコントロールする呪文や能力の対象になるたび、カードを1枚引いても良い。
 foretell持ちの節操なさすぎ象さん。だからこういうなんの変哲も無いただ強生物を神話にするのやめロッテ。5マナ6/5トランプルだけならガーガロスさんと比べて「まぁ、普通じゃね?」くらいだが、事前予約ができるので特にマナソースとかを用意せずとも4ターン目に出てきちゃうのがせっかち象さん。一度着地すれば、相手の除去にさらされてもカード1枚は確定で引けるのでアド的にも実に堅実なクリーチャーである。まぁ、その分派手さは無いのだけども。相手が2ターン目に予告した時に「何が出てくるんだろう?」って悩めるような環境になればいいよね。「どうせ象だろ」みたいに使われるカードが少ないと興ざめだ。

 


 
領界渡り Realmwalker (2)(G) R
クリーチャー・多相の戦士
2/3 多相
〜が戦場に出るに際し、クリーチャータイプを1つ選ぶ。
あなたは、いつでも自分のライブラリのトップを見てもよい。
あなたは、選んだタイプのクリーチャー呪文を、ライブラリのトップから唱えてもよい。
 ローウィン世界の多相クリーチャー群はとある洞窟で生まれるスピリットのような個体群だったが、この世界ではどういう存在なんだろう。多分全部の色にいるんだろうなぁ。さて、こちらは適当な部族に溶け込んで、そのデッキの中だけならアドを稼ぎまくれるようになるというシンプルなデザイン。「トップからクリーチャー唱え放題」は「ガラクの大軍」から搭載されたものだが、最近では同じことをゴブリンがやって一定の成功を収めている。こいつは緑ってことを考えるなら、ゴブリン同様にわらわら出てくることが多いエルフなんかから声がかかることが期待できるだろう。盤面への影響力は低いが、構築レベルでも活躍できるポテンシャルを持つ1枚。ここで「神」って宣言できるような人間になれば、あなたの魂のステージも1つあがります。
 
 
秘密を知るもの、トスキ Toski, Bearer of Secrets (3)(G) R
伝説のクリーチャー・リス
1/1 破壊不能 この呪文は打ち消されない。
〜は可能ならば各戦闘で攻撃する。
あなたのコントロールするクリーチャー1体がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、カードを1枚引く。
 とりあえずものを知らないので「北欧神話 リス」でググったら「ラタトスク」ってのがヒットしました。関係あるのかどうかはよくわからんけど、厄介なやつなのは間違いなさそうだ。下の効果だけを見れば完全に「沿岸の海賊行為」。元のカードが4マナなので、まず「打ち消されない」分だけこちらが上位種といえるだろう。そして、一応こいつ自身がクリーチャーであり、毎回ちっちゃな身体をものともせずに攻撃への強制出勤。ほとんどの場合には何かにブロックされておしまいだが、相手がノンクリーチャーのコントロールデッキだったりすると刺さる刺さる。まー、最近は「絶滅の契機」のような追放系の除去もそれなりにあるので完全無敵とはいかないかもしれないが、嫌がる相手は本当に嫌なクリーチャーであろう。接死カウンターなんかが置けるとそれだけで小さな悪魔と化す可能性も。難点を挙げるとすれば、多分リスは種族ボーナスがほぼ無いこと。

 


 
The Bloodsky Massacre (1)(B)(R) R
エンチャント・英雄譚
2/3で威迫を持つ、赤のデーモン・狂戦士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
このターン、狂戦士1体が攻撃するたび、あなたはカードを1枚引き、 1点のライフを失う。
あなたのコントロールする狂戦士1体につき(R)を加える。ターン終了時まで、あなたはステップやフェイズの終了時にこのマナを失わない。
 程よく赤要素と黒要素がブレンドされた英雄譚で、順番に「頭数」→「手札」→「それを使うためのマナ」と欲しいところが供給されるので1本のストーリーとしてはまとまっている。ただ、1章で登場したデーモンが即除去されてしまうと2章3章が空回りする可能性もあるので、運用するなら「狂戦士デッキ」を用意するべきだ。おそらくこの世界ならラクドスカラーでそれを成立させることができるんだろう。まぁ、3マナで損しないなら悪い相談ではない。ちなみにカードとしては多色だが、1章で登場するデーモンはなんと赤単色。「赤単のデーモンって史上初じゃね?」と思ったが、「鬼」がデーモンだと解釈されていた神河次元に「野蛮な血の鬼」と「血塗られしもの、死祭」がいたのであった。鬼で紅蓮、強くなれる意味を知ってそう。
 
 

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「戦翼のシグルドリーヴァ」 6→5

 以下に明細を納入しますのでご査収ください。

 作画はそこそこだがムラが多い → −1

 シナリオラインが扁平 → −1

 結局空戦要素に意味が薄い → −1

 野郎どもがしつこい → −2

 アズズが可愛い → +1

 ミコちゃんが可愛い → +1

 ミコちゃんマジ女神 → +2

 以上です。

 まぁ、ぶっちゃけ言うほど悪感情を抱いているわけではないです。最大の難をあげるなら、「これ、どうみても主人公はミコちゃんだったね」というくらいで。最後にアズズが友情を叫んで飛び出してきた時点で、どうみてもヒーローはミコちゃんだよ。

 シナリオが扁平であることに関しては、1クールアニメならこれくらいになっちゃうかな、という諦めみたいなものはある。一応オーディンの存在がひねりとして設定されているわけだが冒頭の見せ方の時点で「まぁ、こいつやろ」くらいのことは分かっているのでサプライズにはならない(おそらく描いている方もそうと分かるように描いてるので、別に隠そうという意識はなかったと思われる)。普通の怪物退治のお話になってしまうわけだが、例えば天塚さんとおソノの話なんかは悪くなかったし、序盤から中盤にかけてのミコちゃんマジエンジェル回なんかは標準以上の仕上がりだったのだから、トータルで「なーんか肩透かし」くらいの終わり方になっても大きな問題にはならない。

 最大の難点は、やはり良いものを持っていながらもそれを活かす方向にもっていけなかったことだろう。中でもやはりシールド隊の存在は常に引っかかる要素になっており、特にまるまる1話をシールド隊に使っちゃったあたりは誰得展開だったし、あれだけ暴れておきながら最後は特に爪痕を残す様子もなく退場していい奴っぽさだけ演出しようとしているあたり、何もかもが「そうじゃないなぁ」という歯がゆさがある。どうせだったら散り際までネタに特化してくれた方が潔かったかも。そうして見たくもない野郎どもの茶番に時間を使われると、せっかくのミコちゃんたちの勇姿を見る機会が減ってしまうのも忌々しい。

 あとはやっぱり「戦闘機もの」というアニメの鬼門をブレイクスルーするまでには至らなかったかなぁ。案外悪くはないとは思うのだけど、体感だと「まぁ、つまらないというほどでもない」くらいに落ち着いてしまい、未だ「戦闘機であるからこその盛り上がり」みたいなものを感じることはできない。特に今作はわざわざ旧型の戦闘機をモデルにしているのに、その部分は本当にどうでもよくて、ヴァルキリーたちの道具の1つという面しかなかったので、外見はなんであっても同じである。そのあたりの使い方に「あんまり戦闘機を見せたいっていう欲求は無いのかな?」と思ってしまった。まぁ、こちらが勝手にハードルをあげてるだけって気もするけどね。何もかも、戦車で大成功してしまったアニメがあるのが悪い。

 でもまぁ、やっぱり「ミコちゃん可愛い」でファイナルアンサーだと思います。ほんと、そこだけは自信を持っていい。ミコアズだけで一週間くらいは飢えをしのげそうです。あとは「花守ゆみりボイスのラスボス」っていうのも個人的には割と大事なファクター。彼女は硬軟織り交ぜられる幅の広い役者だと思うのだけど、「硬めの声」での1つの振り切れパターンが今作のオーディンでみられたんじゃないかと思う。今作で私は「ゆゆゆ」との接点について何度か書いていたけど、勇者サイドからバーテックスサイド(ピラーサイド)へ回ったキャストっていうのも新鮮だね。

 

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「まえせつ!」 3→3

 まー、想定してたラインよりは無難な出来に収まった気はするけども……やっぱり応援する理由が見当たらない作品なんだよなぁ。

 いい部分があるとしたら、多分「キャラは可愛いかもしれない」。ただ、ほんとにそこだけ。別に動画部分に光るものがあるとかでもないし(この内容で光らせるのも難しかろうが)、キャラが露骨に「可愛らしさ」を前に出すようなこともない。「1枚絵で見てたらなんか面白そうに見える可能性がゼロでないかもしれない気がするような感じっぽいみたいな」くらいである。そして、1話視聴時点でのネガティブ要素は基本的に解消されずにそのまま持ち越される。「漫才ってアニメにして面白いもんじゃないやろ」「吉本が加担して実在の芸人を作中およびキャストにぶっこんできてるのがデメリットにしかなってない」。何故この形でアニメ化しようと思ったのかはよくわからない。

 ただまぁ、それならどうしたら正解が出るのかと言われてもやっぱりわからない。唯一今作が成立する可能性がある改変は「本当にシナリオラインに沿った感情を視聴者に抱かせるだけのネタを書く」ことだろう。つまり、作中で「全然ウケなかった」と言われたネタは本当にクスリとも笑えないようになっており、作中で爆笑をさらったネタは観ている視聴者も爆笑できる。そうして感情が寄り添えば、ベタな友情努力勝利のシナリオも成立はする。しかし、どう考えてもアニメのキャラがしゃべってる漫才の時点でそうしたリンクを形成するのはほぼ不可能であり、結局今作が「本当の漫才ドラマ」として成立することはない。そもそもの立脚点が絶望的なのだ。

 だからまぁ、特にスタッフが悪いとかいう話にはならず、「なんでアニメにしようとしたんだよ」という部分だけが疑問として残る。もしかしてもしかして、「昭和元禄落語心中」があれだけの傑作になったことに気を良くして二匹目のドジョウを狙ったとか? ……いや、そこに決定的な違いがあることは誰にでもわかることだしなぁ……アニメ業界ってのは、業界全体での蓄積がどのように活かされる世界なんでしょうね。謎は深まるばかりです。

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「おちこぼれフルーツタルト」 5→5

 史上もっとも放尿したアイドルアニメ。いや、誰調べでもないけども。多分間違いないやろ。

 しかしこれはアイドルアニメと言ってよかったものか……アイドルアニメの基軸って、キャラクターが演じるアイドルが3次元にはみ出して、実際のライブや音楽で稼ごうっていうデザインだと思うのだが、今作にはそうした目的意識はない。「たまたま萌え漫画をアニメ化したらそのテーマがアイドルだった」というだけの話だ。そのため、既存のアイドルアニメとは全く異なる、別次元でのセールスポイントを平気で作ることができる。それが「脳が破壊されたキャラたちのエロとレズ」である。今作における同性間の感情は「百合」ではなく「レズ」というしかない(違いは特に定義されていない)。なんかね、これはボクの求めてるものじゃないんだよな……みんなして「情愛」じゃなくて「肉欲」で動くってのは……ここまで潔いと完全にネタ扱いだから嫌らしさにつながるわけでもないのだが、あまりにも行動指針がおっさん過ぎるので……。これで「漫画書いてるのがおっさんだから」とかだと全力でキモいだけなので話は簡単なのだが、これ、作者も女性なんだよな……女性の思う「男が喜ぶレズ」ってこれなんだろうか……いや、すごく喜ぶ層もいるのかもしれないけども……。

 というわけで、他人の下着にhshsする女子高生はあまり僕の受け皿には収まりませんでした。とはいえ、それは単に性癖からそれたというだけなので、「そういうクドいキャラがフル回転するギャグアニメ」としては割と満足はしている。とにかく勢いで走りきるデザインに、スパッと明快で見やすい画面構成。きららアニメといえば「ほんわかまったり」みたいな方向性で魅せる傾向が強いと思うのだが、今作にはそうしたやすらぎ要素は皆無で、とにかく同じテイストのギャグを重ね続ける一点突破型。この方向性でご当地ものとはいえ「アイドル」を描こうとした作者の肝の太さは大したものである。キャラが可愛いのはまちがいないからねぇ。特徴的な三角形ボディもいい具合に画面を賑やかしたしねぇ。これで常に瞳孔にハートマークがなければねぇ……。

 中の人的にはあまり見慣れないキャストが多かったのでどうなるものかと思って見ていたのだが、メインの面々はしっかり仕事を全うしていてよろしかったですね。こういうところからきらら枠で次に繋がったりするのかも。新田ひより、「人生」から5年以上を経ての主演返り咲きって、結構劇的だよなぁ……え?「ぱすてるメモリーズ」? 知らない子ですね。

 

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「A3!(第2期)」 5→5

 「アイナナ」と同様、「1期目はあんまり真面目に観てなかったんだけど2期目になったら割と観ちゃった」枠。内容に関しては、もしかしたらアイナナ以上に楽しんで観られていたような気もするので加点もありだったのだが、いかんせんこちらは作画状態がへなへなだったもんで流石に加点には至らなかった。P.A.WORKS大好きおじさんとしては遺憾ではあるのだが、今作って結局どれくらいの純度でP.A.だったんでしょうね?

 「舞台」をテーマにした作品といえばやはり真っ先に出てくるのは「スタァライト」なのだが、今作は本当に「大衆演劇」をテーマにして地を這うように「劇団員」を描くという方法なのでファンタジーごりごりのスタァライトとは比べる意味がない。どっちかっていうと「大衆」要素を考えると「少年ハリウッド」が近い気もするが、あっちはあくまで「アイドル」なのでやっぱり違う。大道具やら衣装やら、必要な機材を頑張って用意して、役者として舞台の上でいかに自分を輝かせるかを考えて努力する物語というのは、今作が初めてかもしれない。そうした「舞台役者あれこれ」が素直に「それっぽく」できていたので、一つのお仕事作品として興味深くみることができた。まぁ、ソシャゲ原作なのでもちろん「スタァライト」とは違った次元でのファンタジーではあるのだが、現実と空想を行き来する「演劇」という世界の中では、このくらいのファンタジー要素は必要経費だろう。いや、冬組になってからいきなりマジックアイテムが連打されたのはびっくりしたけども……多分、そういうテーマ配分だったんだろうね。冬組のイメージは、どこかふわふわした現実感の無さにあったんだろう。その辺のカラーの違いもうまいことアクセントとして効いてたよね。「将来的に、秋組の連中と冬組の連中が同じ舞台に立ったりするんだよな……」って思うと楽しくなってくる。まぁ、最終的には借金取りが誰か他の団員に気を使ってステージに立ってたらだいたい面白い。私、多分秋組が一番好き。

 放送中にキャストから逮捕者が出てしまったり、なんだか逆風の多い作品だったの残念ではあったが、そんなことにめげずに、今後も独自の世界を作ってほしいとは思いますね。アニメの続編、あるかなぁ。

 

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「アイドリッシュセブン Second BEAT!」 5→6

 いつの間にか珍妙な世界観に適合していた。なんやこいつら。変なところが癖になりそう。

 「男性アイドルものだし、1期は気力が持続しなかった作品だもんなー、最後までみるのかなー」とか思ってたのに、いつの間にか「これ、次回どうしたらええねん」っていう頓狂な興味で引っ張られるようになってしまった。4月期新番として始まり、コロナの影響でこんだけ延長した時点でもうダメだと思っていたのだが、延長した甲斐があったという。

 何がハマるってこともないと思うんだよね。ぶっちゃけ、まだメインのメンバーの名前すらろくに覚えてないし。こんだけ数が多いと男性キャラの顔を識別できる自信がなくて、はなから把握することを諦めている(だいたい中の人の名前で呼ぶことになる)。しかし、本作の場合はそうして「どんなキャラがいるかよくワカンねぇや」っていう状態であるにも関わらず、作中で起こる事件があまりに殺伐すぎて、純粋に「事件の真相は?」っていう興味だけで引っ張られてしまった。それぞれのキャラクターについて、「お前らアイドルやってる場合じゃねぇだろ」ってくらいにとんでもないトラブルを抱えているもんだから、アイドルものっていうよりもサスペンスものみたいな楽しみ方になってしまったのである。途中から絶対にブリタニアの息がかかってたし。ゼロ・レクイエムはインパクト絶大。

 さらに、今作のツダケンはとても悪いツダケン。今期は(今期も)あらゆるアニメでツダケンが出すぎていたもんだから「こっちのツダケンってまだ生きてるんだっけ?」みたいな状態になっていたくらいなのに、その中でも突出して悪いツダケンだったもんでインパクト抜群でる。妹ちゃん捜索エピソードでの妹ちゃんの扱い、完全にNTRものの脚本になってて、ツダケンに寝取られた結果があんな風になっちゃったかと思うと変な性癖を刺激されまくって大変。そのほかにも「そんな救いのない展開にせんでも……」みたいなトラブルがガンガン押し寄せてきて、そんな状態でも最終的にアイドルパワーで打ち破ってしまえるという勢いも良い。TROYCAのアニメーションはやっぱり綺麗よなぁ。ライブシーンもうまいことはめ込まれていたし、それ以外のシーンも「そりゃ延期もするよな」っていうクオリティを維持している。今後とも、このレベルでの作品を提供してもらえるなら続編も追いかけられるだろう。

 あとはやっぱりマネージャーちゃん可愛い。全然意識してなかったのに、途中で「私まだ未成年ですよ!」って言われて「ファッ!?」ってなったわ。

 

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「無能なナナ」 6→7

 とりあえず原作全巻買いました(報告)。まだ読んでないんですが、これからゆっくり読もうと思います。

 こちらも毎週感想を寄せていたので改めて書くこともない作品ではあるのだが、実は私の高配点アニメの中ではかなり珍しい部類に入る。何故かというと、「別に映像部分がそこまで頑張ってないから」である。ブリッジによる作画は特段悪いものではないが、アニメーションとして目を見張るような部分も無い。原作の絵柄からしてあんまり「綺麗な絵だなぁ」と思ってみるような作品でもないので、アニメは原作の普通感も含めてそのまま映像に乗せている。普通、私がアニメを見るときにはやはり「何故アニメにしたんだろう」という部分を重要視したくなるので、脚本・構成に加えて映像作劇の部分も加点要素としてみていくことになる。つまり、映像が平板な作品はトータルで高得点になりにくい。

 しかし今作の場合は、本当にプロットというかギミックというか、原作脚本の時点でもうこれだけの点数をつけてしまえるだけのポテンシャルがあった。度肝を抜かれた1話目で「出オチっぽいけど1話目だけでも面白かったから6点」と判断したわけだけど、そこからきちんと「1話目のギミック」に意味を残し、純粋に延長線上に面白さを上乗せしていった。まさかこの設定、このキャラクターで特殊設定本格推理ものを展開するなんて誰も思わないやん。

 もちろん、純正のミステリとして見た場合には穴もある。特殊設定ミステリってのは設定を盛り込んだ上で全ての別解を排除しつつ推理の整合性を持たせるために尋常ならざる手間が必要になるので、今作がその部分を全てフォローできているとは全く思わない。ただ、ある程度はそうした「特殊設定のハードル」を理解した上で、多少のこけおどしとおもねりを活用しつつ、「そこはそれとして、能力ものとして楽しんで欲しい」というサービス精神に満ち溢れている。読者が求めているものは「完璧なロジック」ではなく「完璧風ロジック」なのである。今作においては、その「風」の見せ方が非常にコスパの良い主軸となっているのだ。

 もちろん、映像部分においてみるべき点が全く無いとも思わない。今のご時世、作画が崩れないというだけでも一定の価値はあるのだし、シリアスと虚飾(ナナから見たら「コメディ」とは呼べないだろう)の緩急はきちんと見せ場になっているし、台詞が多くて冗長になりがちな推理要素についても、ナナとキョウヤのひりつくような駆け引きを中心に、終始緊張感を維持しながら展開できている。この辺りは石平監督の熟練の技というか、普段見せないものを見せられるだけの理解の深さみたいなものが出ている部分なのではなかろうか。改めて、この人が「ログホラ」と「ヘボット」という2作の監督だと言われたら「うへぇ」と天を仰ぐしかない(ログホラ・ヘボット・今作と、全部最終評価が7点なの怖い)。

 あとはまぁ、繰り返しになりますが「大久保瑠美主演・中原麻衣助演」という天地開闢以来の完成度を誇る布陣への感謝ですね。中原麻衣に関しては今更説明不要かと思いますが、私の中の「声優十二神将」の1人であり、不動の神格を持つ声優。彼女は「サイコ」と「レズ」という2本の柱を持つのだが、今回は「レズ」を感じさせずにただただ「女の子どうしの友情」を掘り下げるためだけにその全てを捧げる贅沢なキャスティングである。前にもどこかで書いたが、私の中で百合営業の金字塔はすでに「秘密ドールズ」で確立してしまっているのでね。

 そしてもう1柱の神格である大久保瑠美。彼女の代表役が「直球表題ロボットアニメ」のモリであることは論を俟たないが(ですよね?)、モリにしろ「ゆるゆり」のちなつにしろ、彼女は何故かツインテールと縁が深い。「ピンク髪腹黒ツインテール」は大久保瑠美のイデアとしてまるで誂えたかのようなフィット感があり、今作の大看板を打ち立てるのにこれ以上のキャスティングはなかった。あとはまぁ、彼女の如才なさというか、非常にクールで頭の切れる一面もこの役にはいい具合に落とし込まれているし、今作を放送する上でついでに作られていたおまけ番組「ナナチャレ」でも彼女の勇姿を楽しむことができる。ほんと、なんでこんなにトーク回しがキレるんだろ。今作をもって、私は彼女を神のステージにあげることにしました。それくらいに、尊さが満ちている。

 よし、いい具合にキモい声優語りが出来たので満足です。とりあえずお約束のように「2期はマダカナー」って書いとくけど、原作読んでから言わないとだな?

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