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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 約束されし大団円、最終話!! 余計な言葉は必要ない。ここに終わる以上の選択肢などありはしない。

 年末年始がゴタゴタしてたので、ゆっくり見たいと思ってたらこの時期になってしまったのだが、やはりゆっくり観てよかったと思えるだけの最終回。何も意外なことなど起こっていないのだが、全てが収まるべき場所へ収まり、物語が終りを告げる。これこそが最終話に求められた役割である。しっかりとエピローグを取ってくれるのは傑作の条件の1つだ。今作の場合、第1クールのラストがアレだったから特にね。

 強いて意外だった点を挙げるならば、思いの外しっかりと「勝った」という事実以上に「負けた」という側面にも光が当たっていたことだろうか。審査員のおっちゃんが言っていた通り、熾烈を極めた三つ巴の戦いはどこが勝ってもおかしくない大会。時瀬が勝ったとは言ったものの、他の2校の優勝も充分にあり得たことは、審査員3人で分かれた意見に如実に表れている。感情を揺り動かした時瀬、古典音楽をこれ以上ない形で魅せた珀音、そして完璧な調和を生み出した姫坂。前回言われていた通り、ここまできたら評価は審査員の「好み」のレベルで分かれてしまう。今までの展開からして、時瀬が勝ったのはそうした「運」があったというだけでも説得力はあったはずだ。

 その上で、今作は「負けの美学」を提示する。姫坂は負けた。かずさは自分たちの音を「揃えることだけしか考えていなかった」と卑下した。仲間との結束を信じきれなかったかずさが打ちひしがれ、チカに志の差を見せつけられた。姫坂の敗因は、きっとかずさが一番よくわかっている。その上で、きちんと穂積さんからのフォローも入っており、「弱いから負けた」というネガティブなニュアンスは極力感じられないようにもまとめ上げている。最後に雄叫びをあげたかずさの姿は、立派だった。

 珀音も負けた。神崎は自分が本気を出すのがあまりに遅すぎたことを悔やみ、これまでの慢心が、完成形を時瀬に譲ってしまったことを悔いた。珀音が勝っていたならその勝因はもちろん神崎だったはずだが、負けてしまった今、敗因も間違いなく神崎にあるのだ。しかし、だからと言って彼を責めるなんて見当違いのことは部活内で起こるはずもなく、終わったことへの悔しさは、おそらく来年以降への大きな糧になる。先生は今年で最後だったが、神崎の部活はまだ終わらないのだ。新たな誓いを胸に、珀音はまだ強くなれる。

 勝ったのは時瀬だ。そして、その勝利を支えたのがチカ、引っ張ったのはさとわちゃん。母親との雪解けは、今作が間違いなくハッピーエンドで終わったことを告げるものである。光太のせいであんな風にはなっちゃったけど……耳まで真っ赤のさとわちゃんがほんと可愛かったから万事OK。そしてチカはもう、お母様からの公認をもらっちゃったような形になる気がするんですが、今後の2人の関係性ってどうなっていくんでしょうね。さとわちゃんは、今までの人生でどれだけ苦労したかを考えれば、あとは幸せになるしかないと思うんだけども。もののついでのように晶さんちの家庭までハッピーにしちゃうあたり、時瀬高校箏曲部の陽のエネルギーは圧倒的であるな。

 物語は終わらない。原作は3年生編へと続いているのだろう。ただ、こうしてアニメが完璧な形で終りを迎えた今、正直原作を追いかけるかどうかは悩んでいる。ぜひ、この続きもこの度のような素晴らしいアニメーションで見せて欲しいからね。

 

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○「妖怪学園Y 〜Nとの遭遇〜」 4

 今期新番組のくくりでいうと、実は年またぎで早々にスタートしていた作品があったのよね。年末年始はゴタゴタしててアニメの処理がなかなかできなかったので、結局年明けてからの視聴。今期は何本くらい新番組が出てくるんでしょうかね。

 さて、こちらは「妖怪ウォッチ」シリーズの新作である。基本タイトル「ウォッチ」が一旦幕を降ろして別な切り口の作品が始まるってのは「シャドウサイド」の時と同じ展開だし、劇場作品で先んじて宣伝してるってのも同じ。かてて加えて主演が田村少年ってのも「シャドウサイド」と同じ(?)なので色々と嫌な記憶を刺激されるが、今回はまだ「シャドウサイド」ほどアクが強くないので見にくいこともない。まぁ、やっぱり無印の「ウォッチ」に求めてる要素は何一つ無いので、あんまり面白そうとは思えないのだが……。こうなると「妖怪」っていうか「なんか人ならざるもの」っていうやんわりとしたくくりだけで接続される作品群ってことになってしまうので、タイトル自体の統一感も感じられなくなってるのがなぁ。

 劇場版でも推してた要素として「Youtuberいっぱい出てるよ」みたいなノリがそのままアニメシリーズとしても残ってる感があり(OPアーティストがそうらしい)、現代の子供に受けるための方策をあれこれ考えてるんだなぁ、という部分には感心したり、ついていけないことを寂しく思ったり。本当に子供たちってYoutuberに夢中なんですかね。子供文化に接するチャンスがないおっさんには理解できない領分ですよ。

 結局、「妖怪」っていう題材をコミカルな「あるあるネタ」みたいな部分に落とし込んだことが「妖怪ウォッチ」のエポックメイキングな部分だったわけで、その妖怪を「単なる不気味な敵キャラ」に設定してしまうと、あんまり「ならでは」の要素が出てこないので楽しみは減ってしまう気がするんだよね。「シャドウサイド」はその路線でピンとこないものになってたし、今作は「変身ヒーロー」という要素を導入していることもあって、ますます他の子供向けアニメとの差別化が難しくなっている気がする。まぁ、細かいことに目くじら立てるようなジャンルでもないし、いつも通りにヌルく見守っていけばいいかと思うわ。

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「警視庁特務部特殊凶悪犯対策室第七課 -トクナナ-」 5→4

 面白くなかったです(直球)。なんでこれをオリジナルでやろうと思ったのか、そのモチベーションというか、最終的に制作・完成にいたるまでの力の動きがよくわからない。

 別に「とんでもないクソアニメ」というわけではない。ドラマの内容も素直といえば素直だし、総集編を1回挟んだ上で各所に作画がしょぼかったとはいえ、一応最後までアニメーションとしての完成形は見せてくれている。一応「成立」している作品である。だからこそ、「なんでこれで成立させたかった?」という部分がわからない。アニメオリジナルの刑事バディものといえば、代表作としては「タイバニ」があるわけだが、あちらの作品は制作側のモチベーションも理解できるし、面白い部分も、引き込まれる部分も多々あった。続編(?)となる「ダグ&キリル」に至っては、制作理念がタイバニ以上に痛々しいほどに感じられたし、見事な完成形で我々をねじ伏せてくれた。アニメオリジナルってのは、そういう熱意の下で作られるものだと思っている。でも、今作はそれがよくわからない。生産者さんの顔がちっとも思い浮かばへんねん。コーンフレークやないか!

 いや、まぁ、実際は世に出るオリジナルアニメの何割かはこういう作品なのも事実なんだけどね。何がやりたかったのかは本当にわからない。「刑事物」がやりたかったのだとしたら終盤のあの展開はどう考えても嘘だし、「ドラゴンスレイヤーもの」がやりたいのだとしたらなんで刑事物のガワを被せたのかがわからない。「刑事物だから」という理由だけでやったような気がする誘拐、爆弾処理、潜入捜査etc. 最終的にそれがウォーロックの悪行に収斂するようにデザインされてればいいのに、基本的にどれも単発の事件として処理され、最後に「ナインは困った組織だね」で終わる。最大の眼目となったルカを巡る一連の顛末も、結局ルカが大きな理由もなしに洗脳されてたし、特にドラマもなしに解除されてたからNTR、闇落ちとしても消化不良。いろんなところが掘り下げ不足だと思うのだが、やっぱり一番足りないのはメイン2人の掘り下げかなぁ。特に七月の方がさ、単なる「熱血漢」っていう描写以上のものではないんだよね。他のトクナナメンバーの日常描写とか、そういうキャラの造形は悪くなかったと思うのに、肝心の「竜の力」たる七月が最後まで見えないキャラだったのよね。全体的に「バカでもなんとかなっちゃう」世界なのが消化不良の理由なのかなぁ。

 まぁ、忍者は好きですけどね。中の人とか特にね。忍者ですからー。あ、あと結局巡り巡って「最後はやっぱり禎丞と信長がくっついて終わるんやんけ!!」ってのは笑った。あれはなんだったんだろね、傍に信長置いとかないと松岡くんの精神が不安定になるから配慮したのかしら。

 

 

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「食戟のソーマ 神ノ皿」 ー→5

 このまま最後まで作るのか。なんだかんだでジャンプの人気作品だったんだなぁ……。ただ、ラスト前の田所エピソード思いっきり省略は流石にかわいそうすぎる気もした。あれを次クールの1話目に持ってきたらダメだったんかな。朝陽をどうしても登場させたかったってことか。

 ぶっちゃけ、相変わらず今作のあまり好きじゃない部分「全然料理の中身がイメージできないから食戟の結果が全然ピンとこない」は改善されていないというか、この辺りの時期からはもう気にする様子すらなくなってしまったのだが(そもそも竜胆の料理の設定時点で無理だが)、それでもはっきりと食戟がバトル形式として成立しており、バチバチに敵味方がぶつかり合うというジャンプの王道展開をもっとも盛り上げたのがこのパートだったのは間違いない事実。そういう意味では、作中でも面白い方のエピソードだったといえるのではなかろうか。出された料理の中身さえ気にしなければ、個人的には竜胆と司の関係性なんてのは大好きなパートだったし、アルディーニが叡山を叩きのめす展開なんてのもいかにも少年漫画的で盛り上がる部分。こういうギミックをもっと露骨な形で押し出してもらえていれば、僕の好きな料理漫画になったと思うのだが。

 そして、何と言ってもこの試合はえりなと創真の関係性が完成したシーンでもある。ツンデレクイーンのえりな姫が唯一畏怖すべき存在である父親を乗り越え、いろいろな友情を手にして正ヒロインとして頂点に君臨する様子は、ラブコメものとしてもバトルものとしてもきっちりはまっているので見ていて気持ちの良いエンディング。返す返すも、「ここで作品が終わっておけばよかったのでは……」と思わずにいられない。この後の展開、本当に「これまで頑張ってきたキャラたちのイメージを悪くする」ばっかりなんだもんなぁ。

 今後で気になることといえば、せいぜい「朝陽のCVは誰になるかしら?」っていうことくらいだろうか。もう、ここまでのシリーズでも無茶な人数のキャストがひしめきあってる作品なのでね。勝手なイメージでは福山潤なんだけど、どうでしょう。

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メレティス誕生 (Birth of Meletis) (1)(W) U
エンチャント・英雄譚
Ⅰ− あなたのライブラリから基本平地・カードを1枚探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。
Ⅱ− 0/4で防衛を持つ、無色の壁・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
Ⅲ− あなたは2点のライフを得る。
 メレティスというと、あのダクソスがいた街という印象があるが、イラストに描かれているのは小神の1柱であるエファラさん。調べてみると彼女がこの街の守護神であり、かつて暴君によって支配されていたメレティスで、人々に力を与えて解放に尽力したのがエファラだったらしい。それ以来エファラが「都市国家の神」と言われるようになったのだろうか。そんな彼女の成り立ちの物語が英雄譚になったわけだが、白単色ということもあってとても柔和な1枚。最終的に2マナで「1枚の平地と0/4の壁と2ライフ」というパッケージが得られる。少なくともアドは失っていないわけで1枚のカードの効果としては不満はないのだが、これがすごく欲しいデッキがあるのかと言われると疑問は残る。まー、2ターン目に置けると壁任務のおかげで実は結構な量のライフを稼いでくれるという話はあるけど。サーチできるのが基本土地だけじゃなかったら色マナサポートとしての仕事ができたのだが、白単色でそれは無理か。リミテッドならエンチャントカウントを増やす良いアクセントだが、構築では流石に無理かなぁ。
 
 
(太陽冠のヘリオッド)Heliod, Sun-Crowned (2)(W) M
伝説のエンチャント クリーチャー・神
5/5 破壊不能
あなたの白への信心が5未満である限り、〜はクリーチャーではない。
あなたがライフを得るたび、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーかエンチャントの上に+1/+1カウンターを1つ置く。
(1)(W):対象の他のクリーチャーは、ターン終了時まで絆魂を得る。
 テーロスに来たらやっぱりこいつらの顔をみないわけにはいかない。今回もお元気でやっている主神5柱である。今回、それぞれの色の神は「破壊不能で、信心5以上で顕現」「常在型能力1つと起動型能力1つ」という設定はそのまま維持し、能力の中身をマイナーチェンジさせている。前回のヘリオッドは人員派遣に優れたいかにも白らしい神デザインだったが、今回は別方向から白っぽさをアピールし、よりによってアジャニと仕事が被るという。3マナという軽さと、クリーチャーを利用してのクリーチャー育成術。絆魂を経由せずに直接ライフゲインからクリーチャー育てる方法もあり、いわば全軍が「アジャニの群れ仲間」みたいなもんである。それこそ「群れ仲間」なんかとライフゲインデッキに組み込むのも良いかもしれない。前回ほど質実剛健ではなくなった感はあるが、エルズペスはこの神に対して今やどんな感情を抱いているものだろうか。

 


 
牧歌的な教示者/Idyllic Tutor(MOR)」 R
 エンチャント環境ってことで満を辞しての再録を果たしたエンチャント専用チューター。ぶっちゃけ初出のモーニングタイドは「エンチャント? 何それ」みたいな全然関係ない世界だったので影が薄く、主に統率者などで見かけるカードの印象だったのだが、この度改めてふさわしい環境に投入されることにより、再評価の流れがくるかどうか。直接アドにつながるわけではないが、堅実なデッキ構築に一役買う1枚。リミテッドでも、ボムレアなどへのアクセスが増えるので案外バカにできないニーズがあるのかも。
 
 
(潮水の巨人)Brine Giant (6)(U) C
クリーチャー・巨人
5/6
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのコントロールするエンチャント1つにつき(1)少なくなる。
 親和(エンチャント)を持つ巨人。アーティファクト世界の親和で考えれば無色4/4の「マイアの処罰者」が7マナ、青なら5/4飛行の「クムラックス」が8マナだった。それを考えれば7マナでこのステータスならなかなか悪くない設定か。まぁ、アーティファクトとエンチャントでは展開力に差があるので一概に比べられないけども。青であることを考えれば5/6は素でも6マナ以上の価値があり、エンチャント1つでもそれなりにペイする性能。この環境のリミテッドなら5マナくらいは現実路線になるわけで、マナカーブの締めにはちょうど良い1枚だろう。あとはまぁ、そのマナ域のバニラが欲しいかって話ではあるけど。他の色に押し負けないためにも、これくらいは嗜みとして採用しても良いのでは。

 

 


(星々との融和)Commune with the Stars
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャーかエンチャント)
エンチャントされたパーマネントはエンチャントになり、その他の全てのカードタイプを失う。
 「お空の星になったんだよ……」を体現するエンチャント。これによりエンチャントになったカードはクリーチャーというタイプを失うのでクリーチャーとして機能しなくなる。注目すべきは、あくまで剥奪するのはカードタイプだけであり、能力などは特に制限されていないということ。つまり何か能力を持っていればそれはそのまま世界に影響を及ぼし続けるので、まさに「お星様になって見守ってくれている」状態。除去として考えると実は結構半端なのである。でもまぁ、この世界での除去エンチャントは貴重なのでこれくらいの制限でも使われるのは間違いないだろう。
 
 
Nadir Kraken (1)(U)(U) R
クリーチャー・クラーケン
2/3
あなたがカードを1枚引くたび、あなたは(1)を支払っても良い。そうしたなら、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置き、1/1で青の触手・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
 3マナという超軽量のクラーケン。過去の例を調べると、この条件を満たすのは1マナ0/4の「クラーケンの幼子」のみなので特異な存在であることは間違いない。それならこれは「幼子」に続く少年期のクラーケンなのかというと、どうやらそうではない様子。デザインとイラストから考えるに、海の底に潜っていた巨大なクラーケンが、じわじわと海面に姿を現してくるイメージなのだろう。毎ターンマナを払えば1本ずつ触手が増え、少しずつ敵のサイズの全容が明らかになっていくのだ。頭を完全に出す前に潰されるとしょぼんだが、一度火力圏外に脱してしまえば、あとは無制限にそのサイズを増すばかりである。まぁ、リミテッドおばけ。1枚で質と数の両方から勝負できるのは強いな。ちなみにこの「ドローするとでかくなる」能力は過去に「地割れ潜み」や「夢吸いイカ」も持っていたもので、あちらのタイプは「イカ」である。こういう海洋生物ってドローが好きなイメージがあるのかしら。
 
 
(意味の渇望)Thrist for Meaning (2)(U) C
インスタント
カードを3枚引く。その後、あなたがエンチャント・カードを1枚捨てない限り、カードを2枚捨てる。
 過去の名作カードである「知識の渇望」のリメイク。「知識の渇望」はミラディン生まれで「アーティファクトを捨てるか2枚捨てるか」を選ぶ呪文、そして今回は当然それがエンチャントに改題されているわけだ。インスタントの3ドローはたとえアドバンテージ0でもそれなりに意味があり、特に今回は脱出能力と同じ環境に配備されたために余計に捨てたい可能性すらあるってのがすごい。しかも「知識の渇望」ってアンコだったのに、これはコモンで手に入るっていう……。リミテッドではこれが使えるっていうだけでも青に行きたくなっちゃう人が多数。今後の環境次第では構築だって。

 

 


Towering-Wave Mystic (1)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
2/1
〜がダメージを与えるたび、対象のプレイヤーはそれに等しい数だけライブラリを上から墓地に置く。
 ライブラリ削りマーフォーク。かつてプレイヤーに与えた戦闘ダメージ分だけライブラリを削る「都市内の急使」というクリーチャーがおり、このマーフォークは2マナ2/1というステータスまで同じ。ただ、「急使」の方は「いや、ダメージ与えてる時点でライブラリじゃなくてライフ削った方が早いやん」というツッコミが入りほとんど出番のないカードだった。こちらのクリーチャーはその反省を活かしていくつかパワーアップしており、まず、ダメージを与えるのがプレイヤーでなくてもよくなった。クリーチャー戦闘の結果としてもライブラリを削れる。さらにそのダメージが戦闘ダメージ以外でもよくなった。格闘呪文を使ってもいいし、ダメージを飛ばすエンチャントなんかでちょこちょこライブラリを削ったりもできる。そして何より、破壊するライブラリが選べるようになった。正直この環境で相手のライブラリを削ってやる意味はほとんどないため、この変更は当たり前のものだ。相手としても放っておくとやばいので、大体は2ターン目に出せば相手クリーチャーと相打ちになって自分のライブラリを2枚削ってくれるクリーチャー。そういう意味ではイニストラードにおける「金切り声のスカーブ」と大体同じ立ち位置なのかも。環境を踏まえた妥当なコモンだろう。え? それでもお前は相手のライブラリを削るんだろうって? いやぁ、どうですかねぇ……。え? その「高潔のあかし」は何かって? いやいや……。
 
 
Aphemia the Cacoph (1)(B) R
伝説のエンチャント クリーチャー・ハーピー
2/1 飛行
あなたの終了ステップの開始時に、あなたの墓地にあるエンチャント・カードを1枚追放しても良い。そうしたなら、2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 ふらりと現れた伝説のハーピー。当然、伝説のハーピーは史上初のキャラである。2マナ2/1とそれなりのフライヤーステータスであり、黒なことを考えればこれだけでもコスト以上の設定。そしてレアなのでもう1つの能力がついており、どっちかっていうとこれがメインの強みといえるだろうか。墓地の状況さえ整えられれば、毎ターンノーコストでのゾンビは歴代トップクラスの効率である。まぁ、墓地に大量のエンチャントを眠らせるのはそれなりに骨の折れる仕事だろうが……こいつ自身もエンチャントなので、最悪、レジェンドルールで1体目を潰して燃料にしたりも。どんな自作自演やねん。

 


 
Cling to Dust (B) U
インスタント
対象の、墓地にあるカードを追放する。それがクリーチャーカードであるなら、あなたは3点のライフを得る。そうでないならば、あなたはカードを1枚引く。
脱出・(3)(B),あなたの墓地から他のカードを5枚追放する。
 墓地を追放して墓地を追放する変な呪文。一番近いのは単なるキャントリップの墓地掃除呪文だった「死体焼却」だろうか。あちらは問答無用でカードが引けたが、このカードはクリーチャーを追放するとカードじゃなくてライフのボーナス。往々にしてライフの方が価値は低いので、ちょっとした弱体化といえるわけだが、その分は脱出をつけて補っている。コストはべらぼうに高いが、この環境には何としても追放しなきゃいけないカードだって存在しているはず。そして、このカードなら1枚である程度はそうした墓地からの脅威に構えることができるし、試合序盤では適当なカードを潰してキャントリップとして運用できるのだ。そう考えればなかなか便利だし、アンコなのも納得といえるか? コモンでいっぱい出てくると、多分リミテッドで脱出が機能しなくなるんだわ。
 
 
荒涼とした心のエレボス Erebos, Bleak-Hearted (3)(B) M
伝説のエンチャント クリーチャー・神
5/6 破壊不能
あなたの黒への信心が5未満であるなら、〜はクリーチャーではない。
あなたのコントロールする他のクリーチャーが1体死亡するたび、あなたは2点のライフを支払っても良い。そうしたなら、カードを1枚引く。
(1)(B)、他のクリーチャーを1体生贄に捧げる:対象のクリーチャーは、ターン終了時まで−2/−1の修正を受ける。
 なんやねんその名前は。今回のエレボス様。エルズペスの死の国脱出劇がメインテーマであることを考えれば今回もストーリーに大きく絡むのは必至だと思われるエレボス様だが、お元気でやってるんだろうか。前回のエレボスは「2マナ+2ライフでドロー」という設計だったが、今回はそこにクリーチャーをの命を捧げる条件が追加された。その分、単なる死亡だけならマナを使わずドローできるようになったし、マナを払う場合は相手に除去まで撃てるようになっている。前回よりもちょいおこ気味なんでしょうかね。ただ、特定デッキに刺さった常在型能力の「相手はライフを得られない」が消えてしまい、より純粋に戦闘特化の性能になった。前提条件が多いので使えるデッキは絞られるが、クリーチャーを並べるデッキを使うならサービス要素多めだし、現在の「アヤーラ」率いる黒単にあまりにもドンピシャで噛み合い過ぎている部分がある。次元を超えた黒の御当主タッグが暴れまわることになるだろうか。いわゆる「猫かまど」に絡めるだけでドローエンジンが生まれるのは軽くやばい気もするんですがね。
 
 
アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel(THS)」 U
 信心の化身、黒単の権化がついに現世に帰還。これが戻ってきたということは、環境開始時の注目デッキの1つは間違いなく黒単になることだろう。しかも現在は御誂え向きに「アヤーラ」がいる。かつての定番が必ず通用する保証などないが、やはり必勝パターンが確約されているのは強い。かつての盟友は「夜帳の死霊」だったが、これを機に「揺るぎない騎士」あたりが環境に顔を出したら笑える。ちなみに、当然のことながらレアリティはアンコに格上げされているため、リミテッドでかき集める戦術は難しくなってしまったわけだが、当時を懐かしみたい諸兄は嗜み程度に押さえておきたいところだ。
 
 
(ぬかるみのトリトン)Mire Triton (1)(B) U
クリーチャー・ゾンビ、マーフォーク
2/1 接死
〜が戦場に出た時、あなたのライブラリを上から2枚墓地に置き、あなたは2点のライフを得る。
 基本種族であるゾンビとマーフォークの肩書きを持つが、実はこの2つの特性を持ち合わせているクリーチャーはほとんどおらず、過去には謎の種族ブレンドが起こったインベイジョン時代に「ヴォーデイリアのマーフォーク」が生み出されただけ(ちなみに同じ次元には唯一のエルフ・マーフォークもいる。どんな世界だ)。テーロスにはトリトンと呼ばれるマーフォーク族が住んでおり、「死者がいく国」が明示されているのだから、もっとこういうマーフォークゾンビがいて然るべきなのだが、カード化されたのはこれが初めてである。普通のステータス、普通に接死、そしてちょっとしたボーナスが2種。全部合わせると2マナとしてはオーバースペックか。戦闘でも仕事があり、さらに各種デッキの潤滑油にもなるため、ゾンビデッキならそのまま出番があってもおかしくないレベルだ(残念ながらマーフォークデッキに黒は無い)。

 


 
Tymaret Calls the Dead (2)(B) R
エンチャント・英雄譚
Ⅰ・Ⅱ− あなたのライブラリを上から3枚墓地に置く。その後、あなたは自分の墓地からクリーチャーかエンチャントカードを1枚追放しても良い。そうしたなら、2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
Ⅲ− あなたはX点のライフを得て、占術Xを行う。Xは、あなたのコントロールするゾンビの数である。
 ゾンビの親玉、「殺人王、ティマレット」さんが地獄の亡者を集めて合体超獣を作ってしまった、というやたらファニーな場面を描いた英雄譚。「ゾンビを集めた」ところまでは再現性があるけど最後の合体超獣が出てこないのは英雄譚としては微妙だな……。X/Xのゾンビトークンを出せばよかったんだろうけど、それだと2種類のゾンビトークンが混ざってややこしくなっちゃうんだろうな。一応、黒くなった「ベナリア史」と言えないこともない1枚。トークンの生成効率は全く同じだが、3章の効果が攻め一辺倒ではなく地味なので神話レアではなくレア止まり。3マナで2/2が2体ならそれなりなわけだし、様々な環境で組むことができるゾンビデッキで運用すれば、墓地を肥やしつつの大きなライフゲイン&占術狙いも可能だろう。まぁ、下の環境のゾンビデッキの場合、多分これよりも優先して採用すべきゾンビがもっとたくさんいるだろうけども。
 
 
Woe Strider (2)(B) R
クリーチャー・ホラー
3/2
〜が戦場に出た時、0/1で白のヤギ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
脱出・(3)(B)(B)、あなたの墓地にある他のカードを4枚追放する。
〜は+1/+1カウンターが2つ置かれた状態で脱出する。
 これは元ネタありそうなホラーだな。ヤギを連れてやってくるけど、そのヤギを生贄に捧げて未来を占うっていう。多分、どこからともなく現れた化け物にヤギを捧げることで逃げるっていう、まさにスケープゴートなクリーチャー。カード1枚でパーマネントが2つ作れることは紛れもない事実であり、3マナ3/2の方は普通のクリーチャー、そしてヤギはブロック1回分に加えて占術のおまけ。地味地味なクリーチャーだが、それでもアンコモンクラスの働きとはいえるんじゃなかろうか。そしてそこに成長型の脱出を加えてレアの完成。再登場時は5/4だし、もちろんヤギも一緒。繰り返し運用できるくらい脱出リソースがあれば、1枚で盤面を制圧できるだけのプレッシャーを持っているはずだ。生贄要素があるので赤黒サクリファイスのアクセントにいかがか。
 
 
Escape Velocity (R) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは+1/+0の修正を受けるとともに速攻を持つ。
脱出・(1)(R)、あなたの墓地にある他のカードを2枚追放する。
 死の国からめっちゃダッシュで逃げてる死人の図。フレーバーでは「死でも俺を捕まえられねぇ!」と叫んでおり、もしかして死者の国からの脱出って一番大事なのはダッシュ力なんじゃないか疑惑がある。そうして「速さ」を追求しているので、当然速攻がつくカード。パワーを上げて速攻がついて、さらに墓地から再利用できるといえば思いつくのは「無謀なる突進」だろうか。あちらはパワーの修正値が大きかったが、この呪文は再利用時のマナコストが軽くて恒常性があり、2回目3回目でも速攻を活かせる可能性はそれなりに高い。また、同じような設計には「最大速度」なんてカードもあり、そちらとの関係でいえば「何度もエンチャントを手軽に唱えられる」というデザインが狙いと見ることもできる。今回は当然エンチャント呪文による誘発が色々あるわけで、そのトリガーとしての運用は案外現実的かもしれない。まぁ、色々書いてみても「あんまアンコっぽくないな……」とは思うんだけども。

 


 
Ox of Agonas (3)(R)(R) M
クリーチャー・雄牛
4/2
〜が戦場に出た時、あなたの手札を捨て、その後カードを3枚引く。
脱出・(R)(R)、あなたの墓地にある他のカードを8枚追放する。
〜は+1/+1カウンターが1つ置かれた状態で脱出する。
 神話の雄牛。当然これも史上初である。なんやねんテーロス、自由すぎる次元か。まぁ、なんだって神になれる次元だから、多少はね……。さておき、5マナ4/2という普通すぎる能力に、一部デッキで人気の「リックス・マーディの歓楽者」能力(「騒乱の歓楽者」能力)を携えた牛。この流れからするに、さぞかし歓楽的な牛に違いない。「確かに3ドローは魅力だけど、5マナ4/2でそれはちょっときつくない?」というのが正直なところだが、この牛の本領はそんなところにはない。さっさと捨てて、墓地のカードを根こそぎむしゃむしゃして行う脱出の方が神話的展開。何しろ2マナで5/3が出てきて最大3枚のアド。1ターン目に手札を全部捨てることも厭わないホロウ系、ヴァイン系のデッキに混ぜておくと、手札を使い潰した後の新たなジェネレーターとして活躍できる可能性があるのだ。そういう意味では、今のところはスタン向けというよりも下の環境向けのデザインだろう。あとはこの「墓地8枚」という大食漢なコストが現実的かどうかだけが問題である。「信仰なき物あさり」なき今、そのあたりのデッキってどうなってるんでしょうね……。
 
 
Purphoros, Bronze-Blooded (4)(R) M
伝説のエンチャント クリーチャー・神
7/6 破壊不能
あなたの赤への信心が5未満である限り、〜はクリーチャーではない。
あなたのコントロールする他のクリーチャーは速攻を持つ。
(2)(R):あなたの手札にある、赤のクリーチャー・カードかアーティファクト・クリーチャー・カードを戦場に出しても良い。次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを生贄に捧げる。
 今回のパーフォロス様。旧作パーフォロスは赤の信心系デッキではちょいちょい見かけるレベルのカードに仕上がり、クリーチャーを出すだけでダメージソースになる部分が評価されて統率者なんかでも人気の1枚。しかし今回はガラリとその姿を変え、なんと5マナ7/6という神々最大サイズで登場。流石にこれはでかい。雑に展開して雑に殴り勝つことも不可能ではない1枚である。そして、起動型能力にはなんと「だまし討ち」が採用されている。起動コストはちょい重いが、それでも2枚くらい展開するのはそこまで難しくはないだろう。能力を起動することで強引に信心を満たして本人も殴りに行く「キレパーフォロス」が流行る予感。ちなみに相手にした場合の対処法として、能力起動で変なクリーチャーを展開されてからパーフォロスを追放するなりバウンスするなりしてしまうのがいい。「だまし討ち」と違ってパーフォロスの常在型能力で速攻がついているので、パーフォロスさえ盤面から消してしまえば出てきたクリーチャーは何もできずに生贄に消えていく。ちなみに個人的オススメはパーフォロス→イルハグと繋ぐキレキレ神コンビ。もしくは「ドラクセス」による3マナお手軽抹消コンボ。ドラクセスは信心たっぷりなのでキレ芸にぴったりだ。
 
 
Storm Herald (2)(R) R
クリーチャー・人間、シャーマン
3/2 速攻
〜が戦場に出た時、あなたの墓地にある好きな数のオーラ・カードを、あなたのコントロールするクリーチャーについた状態で戦場に戻す。それらのオーラを、次の終了ステップの開始時に追放する。それらのオーラが戦場を離れるなら、それらが他の領域に置かれる代わりに追放する。
 テキストがやたら長いので読む気が失せるが、「出すとそのターンだけ墓地にあるオーラを張り放題だよ」という能力。悪用できないように、一回使ったオーラは亜空間に消し飛んでしまうので「雷族の呼び覚まし」のように何度も同じカードを出したり戻したりの嫌がらせはできない。自身に速攻があるので、墓地に大量の強化オーラをあらかじめ埋めておき、一気に引っ張り上げてワンキルを狙うことも不可能ではない。どうしても刹那的になってしまうので、場に出た時ドローできるオーラがあればそうしたものを多めに採用するのがコツ。ない場合は最低限リソースが残る「狼族の絆」あたりとのシナジーを狙いたい。まー、あんまり赤っぽいシナジーはなさそうだけどなぁ。
 
 

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「ぼくたちは勉強ができない!(第2期)」 5→5

 あれ? 完結した? 原作ってまだ終わってないよね? アニメはアニメなりのエンディングってことなんだろうか。なんか不思議な終わり方だったなぁ。武本エンドっぽく見えたけど、まー、これだけじゃなんともいえないか。とりあえず、理系エンドじゃないことだけはわかる(最終的に単なるうどん屋やんけ)。

 最後まで求められるものを提供してくれた2期目。1期目は一応「出会いから関係構築まで」を描く必要上、「進行に必要な要素」の占める割合がそこそこあったわけだが、2期目になり、すでに全ヒロインがスタートラインに並んだ状態で始まると、あとはもうやりたい放題である。各々が得意なシチュエーションを用意し、ギャグありエロありの中でも程よくラブ。これくらいの軽めのテイストがジャンプのラブコメには似合っているが、今作の場合はヒロイン勢の横のつながりがたいそう強く、単に「→成幸」だけじゃなくてヒロイン相互での矢印もぽんぽん飛び交っているのが見どころだ。特に中心となる古橋・武本の2名はそれぞれに余計に気が利く娘たちなのでそうした「周りとの距離の測り方」もドラマ作りの大きな要素となっている。緒方もそういう要素はきちんと考えている子ではあるのだが……いかんせんマイウェイを進みすぎてるのでなぁ。接しやすい子ではあるのだが、どうにも恋愛ごととなると接近戦に向かない仕様が残念である。なお、個人的に理系推しである理由が「ボドゲ好き」「ロリ巨乳」であるため、前者の要素は「これ、下手したらさいころ倶楽部よりきちっとボドゲが楽しそうなアニメやんけ」ってなってたし、後者の要素も特定の話数でふんだんに盛り込まれていてので特に不満はありません。

 そして後半戦で一気に古橋の存在感が増してからの怒涛のラッシュは「もうまとめに入ったか」と思って観ていたのだが、最終回の演出だとまだ答えを出す段階ではなさそうだ。まぁ、流石に原作に先んじてゴールさせるわけにもいかんけど、3期は作りにくいよ、っていうことをほのめかしているのだろう。これはこれでなかなか面白い趣向ではあるな。

 さて、次にボドゲを推してくれるアニメはどこにあるかな……。

 

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「本好きの下剋上」 5→6

 原初、なろうは本当はこういう作品を出すレーベルだったんじゃね? という気がした不思議な光明。異世界マウントのやり方、工夫次第でいくらでも心象はよくなると思うんだよなぁ。

 先にあげつらっておくと、そりゃまぁマウントである。かんざし一本でそりゃねーだろ、とは思うし、洗髪剤で一財産稼ぐのだって、どこぞのマヨネーズと同じといえば同じ。そういう要素だけを切り取って「結局異世界文化マウントじゃねぇか」っていう切り捨て方もあることはある。ただ、今作の眼目はそこにはなくて、「理由も何もなく、ただ本が読みたいし、なんなら作りてェんだよ!」という大願を抱え、それを成し遂げるまでのトライアル&エラーの物語。主人公・マインは確かに異次元の知識を持ち合わせてはいるものの、一介の女子高生に過ぎないのでそこまで専門知識が豊富なわけではなく、なんとなく常識程度に抱えていた「知識のタネ」みたいなものから少しずつ成長を繰り返していく様子は、きちんと成長譚として成立している。さらに他のなろうにはあり得ない「身体能力がずば抜けて弱い」という大きなハンデを抱えており、特大ボーナスありきで始まるなろうテンプレとは真逆の設定。現地民のサポートつきでようやくフルスペックで戦えるようになるため、家族や親友との関係性の構築が必須になり、それが故に人間ドラマもきちんと描かれている。特にルッツとの正体論議については「そりゃそうなるよな」という不思議な納得感があり、1つ1つの展開がちゃんと世界を、社会を作ろうという意識を持っている。ぶっちゃけ、一昔前の児童文学みたいなノリではあるのだが、世界名作劇場のような舞台設定になろうの風味をすんなり混ぜ合わせ、マウントストーリーとしても成立させているのはなかなかの手管ではなかろうか。

 シナリオ部分に嫌味な要素が薄く、あとはどんな物語を中心にアニメとして売り込んでいくか。萌えやエロとは無縁のキャラクターデザインは現代アニメでは異質の存在であるが、むしろこれが異質に感じられる現代アニメの方が病んでいるとすら言える。必要最低限の映像素材でもって必要充分な情報が提供できるのは、古来より伝わる日本にアニメのスタンダードなフォーマット。余計な装飾なしで、ストレートにドラマ部分を見せてくれる味付けはむしろ好印象だ。まぁ、あらを探せばいくらでも出てくるくらいの品質ではあるのだろうが、それを気にさせない見せ方というのも、純粋にテクニックであろう。コロコロしたデフォルメキャラの使い方もリズムを作るのに一役買っており、井口裕香演じるウザキャラ(?)マインの話運びが「鬱陶しさ6:可愛さ4」くらいのバランスで進んでいたのはよいあんばいであった。これはとても良い井口である。

 まぁ、結局現時点では本を作るところまで全然届いていないのが惜しいところではあるが……これだけゆっくり丁寧に進んでいるのだし、2期目3期目とつないでゴールまで引っ張ってくれることを期待してもよいのかもしれない。成長したマインの姿が見られるのを楽しみに待とう。

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「SAO アリシゼーション War of Underworld」 ー→4

 まぁ、終わりでもなんでもないのであくまで小休止、途中経過として。

 本当に長いシリーズになったもんだが、それでもきちんと尺を費やしてアニメ化されているというのは愛されている証拠なのだろう。残念ながら私はその愛情を全く持ち合わせていないのだが、アニメとして放送されているからには摂取することにはなる。そして、ここまで続いてきたら色々と馴染み深くもなるものである。

 しかし、本作はそうしたなじみ深さとは縁遠い作品。何しろ主人公のキリトが今期は一切起きてこないというとんでもない展開なのだから。バトルの中心となるのは前シーズンで出てきた騎士団の面々であり、前シリーズを真面目に追いかけてこなかった身には「その辺にいるモブ」と大差ない。実際、大戦が始まってから個々の兵団にスポットが当たる話が続いていたが、どこまでも「お前誰?」の連続でなかなか蓄積されるものがない。せめて前シリーズをもうちょっと真剣に観ていれば「敵にすると面倒だったが味方になったらこんなに頼りになるやつはおらんわい!」という少年漫画的王道展開がもっと楽しめたとは思うのだが。いかんせんバトルの方は「とにかく大技どかーん! 敵も味方もすっごーい!」っていう展開しかないのでなんともメリハリに欠ける。映像部分で頑張ってる作品なのは間違いないのだが。

 そうして、とってつけたような戦闘シーンの連続を中心に展開していく上に、「外の世界」で起こってることが「中の世界」にどういう因果関係で関わってるのかがいまいち飲み込めてないのでシナリオラインにもピンとこないところが多く、クライマックスとなった「昔の仲間も大集合するよスペシャル」の展開も愛着がなければそこまで盛り上がるもんでもない。「やっぱ微妙かなぁ」と思ってはいたが、1つだけ興味を惹かれた点があるとすれば、それはいわゆる「外から中」の方向ではなく、「中から外」の展開である。なろう系世界のご多分にもれず、「外から来た人間が中を見て、あとついでにオレツエーする」っていうのは見飽きた構図なのだが、今作の場合は「中の世界」があくまでAIでありつつも、完全にそこに人格や心の存在を認めた上で進行してる。それが釈然としないという向きもあるが、いっそそこは完全に「第2の世界」として飲み込んでしまうことにすると、今度は「全部分かった上で中に入ってきた外の連中」を「中」から見る視点が生まれてくる。こうした認識は、なろう作品ではあんまり無かったポイントだ。「神」とか「転生者」という言葉だけを使えば簡単だが、AI側から見て人間というのが理不尽で理知の外にある存在と受け取られている構図は、1つの創世神話の切り方としては案外面白いものになっているのかもしれない。

 さて、次は4月ですか。もう、いっそこのままキリトが車椅子のままシリーズを終える展開とかだと楽しいんだけどな。

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12月27日 ドラフト模様(CHAOS

ピック順 【Alessi】→【Tanaka】→【Chrolony】→【Thraxi】→【Serra】→【Sea-chcken

 

 すみません、ちょっと開催から間が空いてしまいましたが、先日年末特別企画を行いました。それが長年(?)目論んでいたカオスドラフト。ただ、どう考えても「普通のドラフトよりも面白くない」という欠点を抱えているだろうことは理解していたので、いかに誘致したものかと考えていたわけですね。そこに、Wizardsが公式に「カオスなドラフトを推奨するセット」としてのミステリアスブースターを発表。それなら、練習がてら(?)やるならここしかないかと思っての投入です。シーズンも終盤なので、もうエルドレインにこだわる必要もなさそうだったし。

 そんなわけで年末に有志を集めて開催されたイベント。本当はもっと大人数でやりたい気持ちもあったのだが、後から遅れてきた阿呆などもいて人数はいつも通りの6人。まぁ、この人数でも充分カオス感が出たからよしとするか。ルールは、それぞれが開封するパックが完全にランダム。くじ引き形式で本当に「福袋」からパックを毎回取り出していたので、次にどのパックを開封するかも知らない状態でピックするっていう形式だった。基本セットを引いちゃうと拍手喝采。

 反省があるとしたら、「マスターズ」タイプのパックはそれ自体が総集編なので、あんまりノスタルジーをかきたてないのはよろしくなかったかな、という部分。弱いパック、役に立たないカードが多くあるパックはそれはそれで味わいやねん。まぁ、そんなんばっかだとやっぱりデッキがくそみたいになりそうだし、バランスはなかなか難しいのだが。ミステリアスブースターはどうなるかなー。

 

 次回のドラフト日程はまだ未定ですが、流石に3日とか4日は開催されないんじゃないかと思われます。まぁ、普段こないような人間が突然大量のパックを抱えて降臨する可能性もゼロではないが……。順当に行けば翌週(11日)がエルドレイン最終回になりそうなので、調整はまたメールで連絡します。

 

 


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