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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE」 5

 気づけば1年ぶりか。あのビルドダイバーズの続編。これまでのように地上波での放送がなくなってしまい、今回からはバンダイの公式チャンネルでの配信とBSでの放送のみとなってしまった。ネット配信番組は追わない主義なのだが(録画して保管できないため)、1局でもBSで放送してくれれば一応キャッチできる番組になります。それにしても扱いが悪くなったな……。

 「ビルド」シリーズの中ではいまいちパッとしない印象だった「ダイバーズ」。結局「ファイターズ」として誕生したガンプラバトルシリーズも目新しさが無くなるとなかなか連作で勝負しづらくなり、いくら頑張ってガンプラの格好よさを描いてもマンネリ感や子供騙し感を払拭できないフィールドになってしまっていた。いや、多分純粋に「ファイターズ」の方が筋立てが面白かったのは間違いないと思うんだけども。ダイバーズになってからガンプラバトルの扱いが完全に「単なるネトゲ」になってしまったからなぁ。実際のガンプラで殴り合ってるっていう印象が希薄なのよね。まぁ、あとはラルさんの不在とかも関係しているかもしれん(それはどうだろう)。

 今回はそんな「ダイバーズ」の続編なわけだが、ぶっちゃけ「ダイバーズ」自体にあんまり思い入れもなく、詳細はうろ覚えなので続編と言われても困る。ただ、1話目時点では「ダイバーズは伝説的なチームになったよ」くらいの扱いだけだったのであまり前作との接続を意識して困るような部分もなく、それなりに引き込まれる導入だったので印象は悪くない。何より、やっぱりこうして余計なことを考えずにひたすら「大張的ガンプラの見得」だけをひたすら垂れ流すバトル展開ってのは、お話以前にデザインとして割と格好いいのでな。久しぶりにこのフィールドに戻ってきたという懐かしさもありますわ。きちんとガンプラのバラエティで勝負しようという方向性も維持されており、1話目から「正統派ガンダム」「SD要素のあるチビガンダム」「まさかの量産機臭い無骨なMS」などなど、それぞれの個性を出した機体選択で画面も賑やかである。今後はネトゲ設定をフル活用し、もういっそどんどん怪しげな方向に世界が広がっていけば、無印の時よりも掴みが多くなるかもしれないと期待しよう。

 まぁ、一応続編だから前作からの引き継ぎ要素も盛り上げ要員として出てくる気はするんだけどね。どんなキャラがいて、何してたっけなぁ……なんかちょろくてエロいくノ一がいたことだけは覚えている。あっちのCVがぬーさんで、今回似たようなポジションを担当するのは渕上舞である。つまりタカオからイオナに引き継がれたわけだな。ずっと待ってたらヨタロウも出てくるかもしれん(雑な期待)。

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 深夜3時からの後半戦。だからさ、散々脳が死んだ後にやるゲームじゃねぇんだって。機会が少なくなったのだからこそ、1回1回にきちんと命を燃やせる環境を整えたいものである。

 


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○「真・中華一番」 4

 フェイさん何しにきててん……あれ、原作だったらこんなとこにフェイさんいなかったよね?

 「あひるの空」「七つの大罪」に続き、一応今期3つ目のマガジンアニメ。そして「何でこのタイミングで?」と首をひねった「あひるの空」以上に「なんでこのタイミングで??www」と謎が謎を呼ぶアニメ化が今作である。原作は当然のように既読だし、なんならファンだったわけだが(現在進行中の「極」については漫画喫茶の単行本で読んでおります)、流石にこんだけの時代が流れてしまうとディティールを覚えているとまでは言えない。まぁ、ジョジョやキン肉マンとは流石にレベルが違う程度のファンではあった。ついでに言うと旧作アニメも見たことはないので比較はしようがない(当時はアニメなんて見てませんのでね)。いや、20年前のアニメと比較する意味もなかろうが……。確認したら旧作も一応「真」の中身までやってるから今回の1話の話だってばっちりアニメ化されてるんだよな。

 一応なんとなく感じられるアニメ化の理由としては、「チャイナマネー強そう」が挙げられる。スタッフロールを見ると、制作スタッフ(実際の現場ではなくオープニングにクレジットされる方の人材である)に中国人らしき名前が多く見られる。本作は日本屈指の中国漫画(??)という立ち位置であり、中国にも密かにファンが多いという話を聞いたことがある。アニメという産業で中国の発展が著しい昨今、いよいよもってこの作品の再アニメ化の機運が大陸から高まったとしてもおかしくはないだろう(もしかしたら「封神演義」もそういう理由だったんだろうか……)。

 というわけで、あんまり日本国内にこのアニメのニーズがあるようには感じられないし、ついでに言えば「封神演義」のとき同様、あんまりアニメ自体にもやる気は感じられない。いや、尺の厳しさっていう縛りがないだけあっちよりもずいぶん楽だとは思うのだが、監督に川崎逸朗という時点で「んー、そっかー」くらいの感想しか出てこないし、実際に画にも取り立ててパワーは感じられない。むしろ旧作アニメの雰囲気さえ感じられるようで懐かしさ優先みたいなとこまである。

 そして何より意味不明なのは、何故よりによって「真」からスタートなのかということ。これ、もし原作知らない人がいたらちんぷんかんぷんやんけ。一応ちょいと説明する目的で特級厨師試験の回想なんかも挟まれているのだが(そしてフェイもいるのだが)、あんな半端な挟み方では何があったのかよくわからんし、キャラの立て方も今ひとつ。大人しく無印の1話目からやった方が絶対に親切だと思うのだが、コミック5巻分を飛ばさなきゃいけない理由があったのだろうか? 特級厨師試験だってちゃんと面白い内容なのだから、最初からやってチンゲンサイを炒めてくれればよかったのに(何故かそのくだりはオープニング映像で流れる)。どうにも目的意識のわかりづらい、雑なアニメ化の印象である。これ、現行作品の「極」に接続するのが目的なのかなぁ。

 1話目で面白かったのは岩崎ひろしのテンション芸くらいかな。このおっちゃん、出てくると本当に強烈な個性で引き込んでくれるので好きなのよね。あとナレーション&チョウユ担当の下山吉光。彼の声が入るだけで銀河のきらめきが感じられるのだから不思議なもんである。

 

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「ありふれた職業で世界最強」 3→4

 最終話の録画をミスったせいで、ずいぶん視聴が後ろにずれ込んでしまったためになんだか変なタイミングで終了。

 いや、別に面白くはないねん。ただ、1話の特殊構成がだいぶ酷かっただけで、作品全体としては割と頑張ってる部分もあったんや。甘いですかね?

 「なろう系」と言われてパッと思い浮かぶ基準値がこの辺かな、という気がする。世界設定に創意が感じられない点、最初のおっきな山場が終わると、それ以上特に書きたいこともなかったみたいでマンネリズムの極致へと流されていく点など。本作の場合、おそらく作者が「他のなろう系との差別化を図れる部分は何なのか」を必死に考えた上で作劇したんだろう、ということは感じられるし、そこからやりたいプロットがあったのも何となく察することができるのだが、結局その部分の匂いが一番キツくて足を引っ張る結果にしかなっていなかったのが本当に残酷だった。尖ろうとすれば尖ろうとするほどに無理が出て、足元がおろそかになっていくような印象。もしかしたら、アニメスタッフはその痛々しさを和らげるために、あんな変な構成からの作劇を思いついたのかもしれない。

 まぁ、これらはアニメだけを見て感じた純然たる予断でしかないのだが、とにかく最初の一山を超えるまでの展開はどこまでもなろう的で、厳しいものだった。そして、その一山を超えて残されるのは惰性で展開するなろうの残滓。過去の作品を見るに、こういう展開になったらあとは落ちていく方向しかない。「転スラ」なんてのはその最たるものだったし、もしかしたら「OVERLORD」あたりも方向性が迷子になって落とし所がわからなくなっているかも。発想の切り出しが一発勝負のなろう文化において、「作品を継続していく」ってのは創発ではなく単なる延命になることがほとんどである。

 本作もそうした「延命」による勝負が始まるわけだが、発端がキツすぎたせいだろうか、むしろ惰性による延命の方が見やすいという稀有な状態になっている。「もう、消失における長門以上に繰り返された展開だけど、もう、これでいいんじゃないかな」みたいな諦観を受け入れれば、苦痛を伴わない安楽死を迎えられる。たかみなウサギも日笠ドラゴンも、キャストのパワープレイのおかげでネタに昇華されているが、本当に「どっかで見たキワモノキャラのコピー」でしかないので全く新鮮味はない。それでも、「まぁ、こういう展開ならこうなるよね」というお約束をなぞるだけなので余計なストレスにならない。結局、なろう系が突き詰めるのはこのストレスフリーな安楽死のシステムなのかもしれない。そして、スタッフの頑張りを考えると、この安楽死の方が飲み込みやすいものに仕上がっているのは望まれた姿だったのかもしれないのだ。

 アニメ業界も終末医療を考える時代なのかもしれない。安楽死は合法化されるのだろうか(そもそも産むな)。えっ、続編があるの? まじで?!(苦悶の死に顔)

 

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○「歌舞伎町シャーロック」 5

 「ノーガンズライフ」の後にこれを観ると諏訪部順一の温度差に酔いそうになるな。こうしてイロモノやらせてもらえる枠ってのは面白くてよいよねぇ。まぁ、今作の場合は全員がイロモノだけど。

 こらまたエラくクセの強いのが出てきたもんである。いかにもアニメオリジナルで出てきそうな企画だなぁ、という気はするが、果たして面白くなるかどうか。現時点ではやや懐疑的。似たような「捜査官もの」として今期は「トクナナ」もオリジナル作品であるが(相当毛色が違うので並べる意味もあまりなさそうだが)、あちらが「何で今時こんなベタな筋でオリジナルをやろうとしたんだろう?」という疑問が湧くのに対して、こちらはなるほど企画会議が踊りそうなデザインである。もっとも端的に今作のイカれ具合を表す「推理落語」という言葉を皮切りに、設定にしろビジュアルデザインにしろ、かなり攻めた方向性でとにかくオリジナリティを際立たせている。単なる探偵物だったらたくさんあるだろうし、最近なら「落語アニメ」だってそこまで目新しいものではない。ドタバタ下町コメディだってお約束の中身だろうし、ちょっとずれた異世界新宿区なんて設定も、今じゃやり尽くされたデザインと言える。しかし、それらを全部組み合わせたら? 「探偵が推理して、それを落語で聞かせるミステリとか面白くないですか?」と、そりゃぁ企画会議でネタ出ししてる時には「そいつぁ新しい!」と盛り上がることもあるだろう。

 ただ、そうして出てきた「奇抜なアイディア」が、果たして面白くなるかどうかは全く別問題。先人たちがやっていないことは冒険なのか無謀なのか、はたまた徒労なのかもわからない。それを企画が発進する前に先読みし、本当の「新しい」をお届けできればこそクリエイター冥利に尽きるというものだ。まぁ、世の中どれだけ頑張ったところで企画が百発百中なんてことはあり得ないわけで、ある程度は下手な鉄砲で明後日を狙うことも必要になるわけだ。さて、今作がぶっ放した弾丸は、何処かの誰かに当たるものだろうか。

 個人的には「まー、確かに斬新ではあるが……」と判断に困ったのが正直なところ。一番気になるのは、せっかくオリジナル企画でこんだけ意味不明なごった煮状態を生み出したというのに、中心人物たちがなぜか「シャーロックホームズ」からの借り物になっているという部分だ。そりゃまぁ、タイトルもそうだし「一発で推理物(?)だとわかる方がいいよね」ってんで骨子となる部分をホームズから借りてくる意味はわかるのだが、これ、生粋のシャーロキアンには怒られそうな設定である。あんまりホームズ要素が無いというか、ホームズリスペクトがあまり感じられないというか。まぁ、古今東西ホームズの二次創作なんてものは溢れかえっているのでホームズファンもこうしたヘンテコ改造ホームズにもなれてしまっているとは思うのだが、今作は「捻って笑いに繋げよう」という方向性が、なんかバカにしてるように見えるのが気になる。「細かい手がかりを瞬時に発見・分析して全てを見抜いてしまう」というホームズのお約束の技能も、なんだかこちらのホームズにかかると地味だし見栄えのしないものになってしまっている。まー、「見た目に大したことなさそうな昼行灯ホームズ」っていうデザインは狙ってやっている部分だろうし、そのほかの部分で彼の異常性を表すガジェットは散りばめられているので、今後まだまだキャラを研ぎ澄ませるチャンスはあると思うのだが。あとはやっぱりハドソン夫人だよなぁ……流石にここまでどぎついハドソン夫人って過去に例が無いと思う……いや、ほかの連中も大概なんだろうけど。

 1話の時点ではあんまり「推理対決」の要素が描かれておらず、単にホームズがホームズらしく一瞬で謎を解決してしまったので物足りなさが先に立つ。今後も1話完結ばかりだとちょっと物足りなくもなりそうな気がする。何かこのどぎついアクの強さを武器にする展開があれば良いのだが……。

 

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○「ノー・ガンズ・ライフ」 5

 現実だとタバコって害悪以外に感じないのだけど、こうしてドラマ演出の1パーツとして見せられるとやたら格好いいよね。自分が生まれてこのかた吸ったことがないから憧れみたいなもんもあるのかしら。もしくは長年様々なメディアで磨き上げられてきたイメージ戦略の勝利よね。

 そんなわけでがっつりハードボイルドの今作。原作は未読。一応連載開始時にウルトラジャンプは読んでたわけだが、もうあんまり真面目に読んでなかったし、元々全連載を追うような読み方してなかったので「まーたウルジャンっぽい連載が始まったなぁ」くらいの認識でスルーしていた(月刊誌って作品を追うの大変じゃない?)。おかげで今回のアニメ化で初めてきちんと接する機会を得られたわけだ。まぁ、だいたいイメージ通りの作品で、主人公・十三の見た目の異質さをとっかかりに、鉄と血と煙の匂いのするハードボイルド世界が展開されていくお話。予想通りといえば予想通りなので特別引き込まれる部分があるわけではないが、お手本のような第1話で引きも気になるように作られているし、まずまずの滑り出しではなかろうか。

 監督は「OVERLORD」の伊藤尚住。当然スタジオはマッドハウスという組み合わせなのである程度の品質は保証されている(オバロはシーズンによってちょっと作画が怪しいことはあったが)。伊藤監督の演出手腕はそれなりに信頼できるし、今回もとにかくドスを効かせて「重さ」とか「冷徹さ」みたいなものを効果的に見せられる方向性になればこの先面白みも増していくんじゃなかろうか。一応無難なスタートだったので平均点の判断だが、先行きへの期待はそれなりにありますよ。

 あとはまぁ、上田麗奈ボイスの悪役っていうだけで2兆点くらい加算したい気持ちもありますのでね。サイコな役回りもいい具合にキャラを発揮できるうえしゃま。声のトーンを落とすと普段の涼やかな声に不思議なノイズが混ざるようになってこれまた魅力的である。「何やってても魅力的っていうだけやろ」と言われたら、そりゃもちろんイエスである。

 

 

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○「BEASTARS」 7

 こらまたすげぇもんが出てきたぞ。視聴中、ずっと口開けっ放しだった。1話目で過度に判断しちゃうのは危険なんだけど、オレンジ製作陣への期待も込めて勝負の加点。

 原作はやや既読。これが始まった頃にはチャンピオン読んでたし、だらだらとではあるがそれなりの期間は読んでいたように思う。まぁ、あんまりはっきり覚えてはいないのだが……流石にこの筋立てだとなんとなく読んで全部忘れるってこともあるまいよ。ただ、どうしてもこの作品みたいに「ごちゃついた画風」の作品が苦手なもんで、ちょいちょい飛ばして読んでた感はあるんだよな。板垣恵介の娘だって知った時には流石に笑ったが(個性が研ぎ澄まされる遺伝子どうにかしろ)。

 さておき、そんな作品がアニメになると聞いて「まー、割と話題にもなってたしなー」と軽い気持ちで視聴を始めたのだが、なんとまぁ、制作がオレンジではないか。「宝石の国」で歴史的偉業を成し遂げたストイックすぎるCG製作スタジオ・オレンジ。その功績は素晴らしいものだが、どうしたってあれだけのクオリティを発揮するのには時間も予算も人手も何もかもがかかる。そんなにそんなに作品を連発できるわけもなく、2年前に「宝石の国」を発表して以降、表立った活動は見られなかった。しかし、どうやら埋伏していたその期間には、この作品のために文字通りに牙を研いでいたようである。

 「宝石の国」とは全く違う方向性の作品であるが、「現実ならざるもの」を描くというアニメーションの基本理念は同様である。まずは世界を組み上げるところから。今作ではずっと霧がかかったような薄暗い街並みと異質な風景が、一発目からガツンと世界観を打ち出している。そして、しゃらしゃらと現実感の乏しい宝石たちの生態に対し、こちらの作品はいわゆるケモノ作品。多種多様な生物種が全て人間と同じように二足歩行で服を着て生活している世界で、これまた現実感の乏しさでは負けていない設定であるにも関わらず、今度は出来るだけ「人間に近く」寄せることが求められている。これを思い切りモッフモフな方向性で「動物っぽさ」に持っていく方向というのが1つ考えられて、例えば「ズートピア」におけるヤベェレベルの毛並みの描写なんかは、「動物の動物らしさ」を前面に押し出した作り込みだったと言えるだろう。

 それに対し、「汚ねぇズートピア」と称される本作の場合はどんな見せ方でいくのか。正直なところ、オレンジの持つCG技術をもってしても、海外資本のCGメイキングには太刀打ちできるものではなく、気が遠くなるような毛並みの微細な描写なんかで対抗する方向には進めない。しかし、今作における「ケモノらしさ」はそうした部分ではなく、むしろ人間的なリアルさに寄せることによって新たな描写の可能性を切り開いている。例えばごちゃごちゃとあらゆる動物がごった返している中にひょろりと伸びたキリンの首。彼女が喋るたびにぐいっと首も曲がるのだが、そのありようは確かにキリンだ。キリンの動きを丁寧に観察して再現している部分だろうが、しかしこれがまた人間的にも見える。そんな「あり得ない生態」が画面の中に所狭しとひしめいている。この偏執的な空気は、確かにオレンジの手のものだ。

 他にも、「CGで高品質な動きを可能にした」というだけでは満足せず、徹底的に情景をドラマティックに描こうとする阿漕なまでの演出のこだわり。一言で表すなら「全編劇場クオリティ」であり、ベタだったり王道だったり、とにかくドラマ的な演出要素がてんこ盛り。もしかしたら本作が「舞台演劇」を1つのテーマに持っていることの表れなのかもしれないが、例えば冒頭の食殺シーンにおける光源と暗闇の使い方など、「なんかどっかの映画とかで見たことあるな!」みたいな定番の演出ではあるものの、1シーン1シーンの見せ方に意味が読み取れるために、非常にハイカロリーな画面が実現している。ラストのレゴシが本能に負ける演出なんて「風邪薬のCMかよ」って笑ってしまったが、こういうところで臆面もなくバリバリのCG演出に移行してそれまでの雰囲気を払拭してしまうあたり、本当に節操のない振り切り方が愉快だ。

 こうして作り込まれた世界で展開される物語も、ズートピアでは流石にそこまで突っ込まなかった「食欲&性欲」という身も蓋もないものになっている。容赦ないビッチうさぎの造形とか、誤解を恐れずに書くならやはり「女性原作者の筆致って怖いよな」と思わされる切り込み。これだけのクオリティの画面で、今後あんな話やこんな話が進んでいくのかと思うと、「なんだこのリソースの無駄遣いは! いいぞもっとやれ!」と今からボルテージがあがるのである。ほんと、チャンピオンってのはよくわからないところで振り切れる方向性が凄まじい……。

 さて、今後はどれくらいの没入度で見守っていくことになるかしらね……ちなみに中の人についても色々と書ける気もするが、個人的に1話目で気に入っちゃったのがレゴシだったことだけ書くにとどめておこう。誰かと思ったら杉元役だった小林親弘か。この人の味わいは在りし日の細谷のニュアンスを感じさせるなぁ。

 

 

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 文字通り、台風なんてどこ吹く風か。不要不急の外出はお控えくださいと言われたが、どうやらこれは必要必急の要件であったようだ。さぁ、メンタルヘルスの治療を始めよう。

 


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○「アサシンズプライド」 4

 「暗殺者の慈悲、アサシンズプライドだ……」っていうセリフ回し、なんかMagicのカード名が載ってる記事をそのまま読み上げたみたいな感じになるよね。「暗殺者の慈悲/Assasin’s Pride(ATX)」。対象のクリーチャーを破壊する。そのコントローラーは食物トークンを1つ生成する。

 さておき、なんとも判断に迷う作品だ。印象を直感的に述べるなら、「なんか、狙ってることは想像できるし、頑張ってるのもなんとなく伝わってくるけど惜しい作品」。どう表現すればいいのだろう、少なくとも今作が最近の他のアニメが持っている粗製乱造感というか、やっつけ感が薄いのは事実で、過度に飾り立てない筋立ての「薄さ」みたいなものや、一歩止まって考えさせるテンポのもどかしさみたいなものは、絶対に狙っての演出だ。サクサクとインスタントに中身のみを味わうのではなく、きちんとこのアニメ独自の世界を感じて欲しくて、華美になりすぎない程度にトッピングをまぶしてデコレートし、高貴さとか、優美さといったニュアンスをなんとか醸し出そうとしている。そして、一定の違和感を覚えるということは、なんらかの形で凡百のアニメと差別化を図ろうという試みは一応成功しているといっていい。

 ただ、残念ながら1話目時点でそうして個性を打ち出した演出方向があまりプラスに働いていない。「ん? 何かあるのか?」と思わせるきっかけにこそなっているものの、「その先」がないためにこけおどしで終わってしまっているわけだ。舞い散る花びらの細やかな演出や、町の持つ独特の雰囲気、BGMを減らして訥々と語るような無骨なシナリオ進行など、「多分手癖で全部描いちゃうのを嫌がってるんだろうな」という気概が見て取れる部分なのだが、「じゃぁ、そこに何を乗せているのか」は現時点では見えてこない。まぁ、中身は割とわかりやすいラノベに収束するようなものであろうから、なかなか奇をてらう方向にアニメばかりが攻めすぎても原作読者に受け入れられない恐れがあるわけだが……。この「外すようで外さない、少し外した演出」が今作全体を通して見た時、果たして吉と出るか凶と出るか。個人的には、「何かをやろうとしている」という制作意識を尊重し、こうした試みはうまくいってくれることを願うばかりだが……。

 まぁ、そうして「全体に漂うまだよくわからないこだわり」をノイズレベルだと処理してしまえば、あとは「アサシンって一体なんなんだろう」という哲学みたいな問題を抱えながら見るちょっと懐かしいような雰囲気のラノベである。出来ることなら、このまま不思議な「一線」を守り抜き、なろう系やその他ラノベに埋もれてしまわないことを願いたい。

 あ、久しぶりに「根性の悪いツインテドリルの佐倉綾音キャラがぴーちく言ってるところ」が見られたのは大変喜ばしいです。ちんこもいじゃうぞ。

 

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