最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「凹凸世界」 4→4 7月からシーズン2って、全然休みないやんけ! 何が最終回やねん! これも全然真面目に見てなかった作品なんだけど、多分「中国原産アニメ」という限られたジャンルの中では、そこまで嫌いな作品ではなかった。まぁ、比較対象が「霊剣山」と「悪偶」くらいしかないんだけど。 ただ、「霊剣山」にしろ「悪偶」にしろ実際のアニメ製作は日本人スタッフが行なっていたわけで、純正中国産というのはもしかしたら初めての経験だったかもしれない。その割にはあんまり「らしさ」をみるのにふさわしい作品デザインじゃなかったのは残念だけど、イメージが違うだけに、かえって良い意味での違和感みたいなものが味わえる作品でもあった。 外側だけをみると、やっぱりアニメーション文化に日本の影響ってのは色濃く出てると思うんですよ。画面作りの方法論についてはこれがジャパニメーション由来のものか、アメリカンアニメからくるものなのかは簡単に分類できないけど、筋立ての根源は絶対に日本の漫画・アニメから来ていると思う。いわゆる「能力バトルアニメ」のフォーマットで、細かく能力の説明をしたり、「いかに能力を使いこなすか」という部分を視覚的な要素で見せようとしたり。人によっては「山田風太郎オリジナル」というようなジャンル感。こうしたデザインは確実に、日本のアニメが向こうの人に受け入れられた結果生じたものだろう。映像部分についても、最初に受けた印象が「PS2かゲームキューブくらいの時代のCGアニメ」というものだったので、一応日本のアニメーションの一部のデザインと考えてもいいはず。 そうなれば、この作品は日本のアニメのコピー品に見えるはずなのだが……何故かそうは見えないっていうね。この辺りが中国アニメの面白いところでね。なんだろう、本当にちょっとしたところのキャラクターの行動様式とか、倫理観とか、そうした部分に「日本だとこういう展開にはならないなぁ」みたいな違和感が感じられるんだよ。今作ではクライマックスに至る流れとして「個と群」の話が出てきて、おそらく日本のアニメなら割とわかりやすい「悪の組織と戦う主人公」の構図を作る部分だと思うんだけど、今作では鬼天盟サイドの描写も色々と掘り下げているので、「体制」の切り取り方が一筋縄ではいかない。いや、別に日本の作品でもそういう視点はあるんだろうけど、どこかで「正義の見せ方」みたいなものがちょっとズレてる気がするんだよね。そういう絶妙な「あれ?」っていう感覚がなんだか癖になるんだよね。「霊剣山」はそのあたりの感覚がありつつも映像レベルがお察しだったのでモチベーションが上がらなかったが、今作は映像部分に関しては少しずつ馴染んでいって見やすくなっていたので、後になるにつれて興味は増していった印象なんだ。 次クールも追いかけるかどうかはわかんないけど、多分観るとは思う。もしこれから観るという人がいるなら、「観てみると、案外新しい発見があるかもよ」とだけ言っておきたい。 PR <その他> 高山の犬師 Alpine Houndmaster (R)(W) U クリーチャー・人間、戦士 2/2 〜が戦場に出た時、あなたのライブラリから「高山の番犬」という名前のカードと「炎血の野犬」という名前のカードを1枚ずつ探し、それらを公開して手札に加えても良い。その後、あなたのライブラリを切り直す。 〜が攻撃するたび、これはターン終了時まで+X/+0の修正を受ける。Xは、他の攻撃クリーチャーの数である。 すでに2回名前が登場している、噂の犬使い。ボロスの戦術なんてもんはいつでも横並べしてドーンなわけで、今回もトークン出したり、全軍増強したりする類のやつだろ、と思ってたら斜め上のキャラが飛び出してきた。こうして具体的なカード名に言及してダイレクトシナジーを謳うクリーチャーがアンコモン以下で出てくるのはなんだか久しぶりな気がする(「名高い武器職人」がいたか)。リミテッドでこいつを早めに引いっちゃったなら、あとは目を皿のようにして相棒を探すだけ。ただ、そこまでして相棒2頭を見つけたからってそこまでの恩恵があるのかどうかは謎だ。少なくともデッキに2マナ域が3枚は確保されるわけだが、どれを最初に引くかで展開は全然違ってくるだろうし。一応、自身が攻撃クリーチャー分のパワーを得る能力があるので犬など連れていなくても最低限のお仕事はできるが、どうせ相打ち止まりだろうから本当に最低限。さて、犬ボロスは実現するアーキタイプなのかどうか……多分、セット全体で他の犬が頑張ってくれるんじゃないかな。 議事会の導師 Conclave Mentor (G)(W) U クリーチャー・ケンタウルス、クレリック 2/2 あなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターが1つ以上置かれるなら、代わりにそれよりも1つ多い数の+1/+1カウンターを置く。 〜が死亡した時、あなたはこのパワーに等しい値のライフを得る。 「議事会/Conclave」という名前とイラストから分かる通り、ラヴニカはセレズニアからやってきたケンタウルス。しかしそのギミックはラヴニカにあらず、なんとあの(カラデシュの)「巻きつき蛇」の持っていたギミックである。蛇と違ってアーティファクトはチェックしないし、適用対象が+1/+1カウンターだけなので仕事は限定されるが、その分珍妙なライフ回復能力も備えているので、一応ライフゲインギミックにもちょいと色目を見せることが可能。まぁ、そうでなくても「巻きつき蛇」は強いクリーチャーだったのだから、色が変わったこちらのセレズニア蛇だって時代を席巻するデッキが生まれる可能性はあるだろう。短い間ではあるが灯争大戦の「増殖」ギミックと共闘できる期間が狙い目かも。 凶兆艦隊の戦争屋 Dire Fleet Warmonger (1)(B)(R) U クリーチャー・オーク、海賊 3/3 あなたのターンの戦闘開始時に、他のクリーチャーを1体生贄に捧げても良い。そうしたなら、〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受けるとともにトランプルを得る。 「凶兆艦隊」はイクサランで暴れていた海賊の一派。特性としては赤黒に所属する連中で、比較的ストレートで刹那的な戦術を好む。こちらのオークはまさにそんな脳筋戦術の申し子といえる存在で、デザインの元になっているのは2年前の先輩である「殴りつけるオーガ」だろう。オーガ先輩はこいつと同じようにサクって+2の能力を持ち、4マナ3/3の威迫持ちだった。一応サクり戦術とのシナジーが見込まれていたわけだが、素体の4マナ3/3というデザインがそこまで魅力的でなかったため、多色アンコモンの中では地味な方で終わってしまった。今回は反省してそんなコストの問題を大胆にシェイプアップ。素でも充分戦える3マナ3/3に仕上げ、4ターン目に5/5トランプルでどつきにいくことを可能にした。ここまで身がしまっていればラクドスカラーのビートからのニーズが出てくるんじゃなかろうか。それこそラクドスサクリファイスのデザインにすればトークンなんかを燃料にガンガン殴れるメインアタッカーの役割が果たせるだろう。改めて、オーガ先輩の雪辱戦だ。 実験的過負荷 Experimental Overload (2)(U)(R) U ソーサリー X/Xで青赤の、奇魔・クリーチャー・トークンを1体生成する。Xはあなたの墓地にあるインスタントとソーサリーカードの総数である。その後、あなたの墓地にあるインスタントかソーサリーカードを1枚手札に戻しても良い。〜を追放する。 イゼット頑張れカードの新作。使い心地は灯争大戦にあった「都市侵略」とほぼ同じと見ていいだろう。あちらは動員だが、トークンのサイズは大体同じはず。となると、1マナ追加で得られた回収効果がどれだけ役立つかにかかっている。きっちり組めたイゼットならトークン+手札なのでアドバンテージは確実に稼げている。さらにここからドローや除去などが使いまわせるならプランとしては悪くない。「都市侵略」は3マナと軽かったが、「そんな序盤に墓地溜まってないし」ってんでそこまで慌てて使うような呪文でもなかったので、こちらの方がトータルでは上だと考えていいんじゃなかろうか。フレーバーテキストも実にイゼットらしくて良い。こいつらいっつも爆発してんな。 耽溺する貴族階級 Indulging Patrician (1)(W)(B) U クリーチャー・吸血鬼、貴族 1/4 飛行 絆魂 あなたの終了ステップの開始時に、このターンあなたが3点以上のライフを得ていたなら、各対戦相手は3点のライフを失う。 秀麗なイラストが良い吸血鬼のお嬢様。この雰囲気はイクサラン・ヴァンパイアではなくてイニストラードのご令嬢でしょうね。吸血鬼の推すライフゲイン戦術を示唆する多色アンコであり、デザインとしては「吸血鬼の特使」あたりが近いだろうか。チクチク絆魂で殴るだけでもそれなりの性能だが、やはり狙うは爆裂ライフゲイン。こいつ自身のパワーをオーラなんかで2上げてやればアタックだけで自己完結してかなりのクロックに育て上げることが可能。もしくはやっぱりリンデン女王を呼んでくるとかだろうか。自前の絆魂がヘリカスと噛み合っているのも要注目。単体では「そこそこ」レベルなので、やはりリミテッドで早めに引いての決め打ち推奨だろう。 枝葉族の報復者 Leafkin Avenger (2)(R)(G) U クリーチャー・エレメンタル、ドルイド 4/3 (T):あなたのコントロールするパワー4以上のクリーチャー1体につき(G)を加える。 (7)(R):〜は対象のプレイヤーかPWに、自身のパワーに等しい値のダメージを与える。 M20では青赤緑のティムールカラーがエレメンタルを応援しており、リミテッドでも「発現する浅瀬」からの有無を言わさぬエレメンタル一直線ルートはハマった時の理不尽さが尋常ではなかった。赤緑にも「這い絡む火跡」がおり、この路線を下支えしていたものである。今回はエレメンタルシナジーがなくなってしまったが、間も無く環境を去る大量のエレメンタルへの手向けのような、謎の骨太エレメンタルが登場した。自身がパワー4なので最低でも1マナは出せて、サポート次第では単体から2マナ3マナと増産が狙える。そして8マナを捻出すれば理不尽すぎる本体火力でジエンドだ。マナソースを兼ねたダメージ源なので、「オムナス」を軸にしたエレメンタルデッキの最後の1ピースとして、何か悪さが出来ないもんだろうか。リミテッドだと、余計な事考えずに「まぁ、4/3なら充分だよね、パワー4大事だしね」くらいで使われる模様。 「知識鱗のコアトル/Lorescale Coatl (ARB)」 U リミテッドの基本戦術を示唆してアーキタイプを教えてくれるのが多色アンコモンに与えられた役割なのだが、その枠に再録カードがおさまるのはすごく珍しい。しかも、なんとまぁ渋いところからの再録……「アラーラ再誕」は収録カードの全てが多色というイかれたセットで、さらにラストエキスパンションだったせいで開封数が多くなかったこともあり、このカードが印象に残ってるってプレイヤーもあまりいないんじゃなかろうか(まぁ、その後ちょいちょいサプライセットで再録されてるが)。カードを引くと強くなるという、特にシミック独自とも言えないギミック。でもまぁ、ちょっと放っておくだけで手がつけられなくなるのは事実なので決して弱いわけではない。むしろ強い。でもなんだろう、多色アンコモンに求めてるワクワクって、そういうところじゃない気がするんだ……。やっぱりスタッフが言ってた「シミックのデザインは難しい」ってのはマジなのかしらね。 尊敬される語り手、ニアンビ Niambi, Esteemed Speaker (W)(U) R 伝説のクリーチャー・人間、クレリック 2/1 瞬速 〜が戦場に出た時、あなたは他の対象の、あなたのコントロールするクリーチャーをそのオーナーの手札に戻しても良い。そうしたなら、あなたはそのクリーチャーの手数で見たマナコストに等しい値のライフを得る。 (1)(W)(U)(T)、伝説のカードを1枚捨てる:カードを1枚引く。 ここでテフェリーの娘さん、ニアンビも登場。ニアンビについてもちょっと前までは知らない名前だったのだが、「ドミナリア」でテフェリーのPWデッキの中に入っていた「忠実な癒し手、ニアンビ」としてカード化されてその名前を知ることになった。せっかくレジェンドクリーチャーになったのに、「パパを呼んでくる」以外の能力が与えられないというひどい扱いだったのだが、今回改めてちゃんとしたカードになった。2マナ2/1瞬速というのはそれだけでも一応武器になるが、やはり見せ場となるのはインスタントタイミングを利用したバウンス効果だろう。自軍クリーチャーが除去に狙われた際にニアンビを出撃させれば、そいつを避難させた上でいくばくかのライフも得られる。防御機構としては悪くない性能だ。そして戦場に出れば、今度は「ウルザの秘本」に近いニュアンスで、伝説を活用したアドバンテージエンジンの役割をこなす。それこそドミナリアにでもいれば効率の良いジェネレーターになったが、残念ながらそこまで伝説てんこ盛りにするのは簡単じゃないので、まぁ、これはおまけ程度に考えたおいた方がいいかも。一応、レジェンドってのは複数枚手札にきてもだぶつく性質があるので、昨今の相棒クリーチャーのようにレジェンドを4枚積んでいるデッキなら、無駄を無くしたスムーズな運用が可能になるだろう。もちろん、真っ先に捨てるのが2枚目にきたニアンビ自身というのもあり得る話だ(まぁ、2枚目のニアンビも救出呪文として使えるので軽々に捨てたくはないが)。 偏執的な縫い師 Obsessive Stitcher (1)(U)(B) U クリーチャー・人間、ウィザード 0/3 (T):カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。 (2)(U)(B)(T)、〜を生贄に捧げる:対象の、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを戦場に戻す。 かなり攻めたクリーチャー。まず、今のご時世では珍しい、マナコスト無しのルーター。この時点でリミテッドでは破格の設定。3マナというコストも「セファリッドの物あさり」と同じわけだし、タフネス3でソコソコの耐久力を持つのも魅力だ。さらに、下に付いている能力は「宿命のネクロマンサー」と同じもの。現在のリアニ呪文の基準で考えれば4マナで1枚釣れるだけでも強いが、これがインスタントタイミングで起動できるってのはでかい。相手からすると、こいつがターンエンドにルーティングするだけでも鬱陶しいのに、マナが残っていたらとんでもない化け物に変身する可能性を常に警戒しなければならないのだ。その性質上、真っ先に除去が飛んでくるのは間違いないだろう。召喚酔いさえ解けてしまえば、相手の除去に対応して「サイクリングで墓地にデカブツを置く→釣る」なんてアクションが一気に取れる。下手したら構築クラスで使われてもおかしくないスペックじゃなかろうか。 ケルドの心胆、ラーダ Radha, Heart of Keld (1)(R)(G) R 伝説のクリーチャー・エルフ、戦士 3/3 あなたのターンである限り、〜は先制攻撃を持つ。 あなたは、いつでも自分のライブラリのトップを確認して良く、ライブラリのトップから土地をプレイしても良い。 (4)(R)(G):〜はターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xは、あなたのコントロールする土地の総数である。 史上3体目のラーダさん。以前「ドミナリア」で復活した時にはあまりにビルドアップしてゴツくなっていたのでびびったものだが、今回はまぁ、まだ許容できるゴツさなので「間の時代かしら?」くらいの印象。マナコストを見ても、初出ラーダが2マナ、こないだのラーダが4マナなのでつじつまが合うだろう(そうか?)。2マナ2/2と4マナ3/4の間なので3マナ3/3。そして、血気盛んなグルールっぽさを出すための先制攻撃と、これまでの彼女の能力を受け継いでマナ加速ができるようにする力を「クルフィックスの狩猟者」能力で表現。まぁ、土地プレイが増えるわけではないのでマナ加速という役割からは外れてしまったが、その分大きなアドバンテージが狙えるようになった。初代の「ムル・ダヤの巫女」に始まり、今のところ「トップから土地」能力者に外れはいないので、嫌でも期待は高まろうというものだ。そうして並べた土地は最終的に彼女のハイパーマッスルへと置換され、おそらくこの時に得た筋肉がドミナリア版への布石になっていくに違いない。いや、多分違うけど。 万物の聖域 Sanctum of All (W)(U)(B)(R)(G) R 伝説のエンチャント・祭殿 あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリや墓地から祭殿カードを1枚探し、それを戦場に出してもよい。その後、あなたのライブラリを切り直す。 あなたが祭殿を6個以上コントロールしている状態であなたのコントロールする他の祭殿の能力が誘発するなら、それは追加でもう1度誘発する。 祭殿サイクルの親玉。なるほどそうきたか。こうなれば確かに緑の色マナ祭殿も重要にはなってくるのだが……あれ、1色しか出せないんだよね……。祭殿デッキでこれがおけたなら、それはつまりグッドゲームである(はず)。ご丁寧に今回の祭殿のうち3枚はメインフェイズ誘発なので、こちらはアップキープにサーチしてくれるという気配りがあり、まずは黒祭殿を持ってきてライフゲインして一息つくといいだろう。その後は順次祭殿が集まり、スタンダード環境なら6枚、レガシー以下なら11枚まで増やすことができる。全部揃うと1ターンの間に66点のライフを得て各対戦相手が22ライフルーズするのでゲームにはならない。まぁ、多分6枚でも大差ない。さぁ、デッキを作ってみよう。できるかな、じゃねぇ、やるんだよ。現環境なら「牧歌的な教示者」もあるし、テーロスの星座支援系カードを使えば案外なんとかなりそうな気がする。 双刃の暗殺者 Twinblade Assasins (3)(B)(G) U クリーチャー・エルフ、暗殺者 5/4 あなたの終了ステップの開始時に、このターンにクリーチャーが死亡しているなら、カードを1枚引く。 カード名からして二刀流なのだろうと思ったら、実際は二人組だったっていう。まぁ、確かにツインだけども。ちなみに、同様にtwinbladeを名乗りながらも刀を一本しか持っていなかったのが「双刃の斬鬼」。えっ、そういうこと?ってなる。さておき、こちらがゴルガリの多色アンコモンだ。見ての通り、「さぁ、クリーチャーは死ぬものだ」と言っているので、実にわかりやすいゴルガリイズム。ただし、前作「腐れ蔦の再生」と違って1ターンにどれだけ死んでも提供されるのは1枚こっきり。その分5/4というボディを得ているのだから文句の出るところではないが、ギミックの推し方としてはやや弱め。せめて暗殺者を名乗るなら接死くらい持ってても良かったのに。 天球の見張り Watcher of the Spheres (W)(U) U クリーチャー・鳥、ウィザード 2/2 飛行 あなたが飛行を持つクリーチャー呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。 他の飛行を持つクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。 案の定、露骨な飛行推しを打ち出してきた青白の多色アンコ枠。元になっているのは「イーヴォ島の管理人」で、2/2フライヤーという素体と軽減能力は全く一緒。その上で、多色とはいえ1マナ軽くなり、さらに自身のパワーをあげる能力までついているのだから見上げたもの。「イーヴォ島の管理人」だって稀に構築デッキでも見かける程度の実力者だったのだから、それが2段階も強化されたこいつなら、何かデッキを見つける可能性は低くない。ちょうど全く同じ色に「猫空の君主」という飛行の王様がいるのも気になるところだ(まぁ、コストが軽くならんけど)。やはり「天穹の鷲」がいなくなるまでの期間が勝負な気はするが、今一度飛行ビートの栄華を見せることはできるだろうか。 「ふたばにめ!」 初見では「超可動ガール」だけに注目してたけど最終的に3本ちゃんと全部見てるよ。いや、他にも観てるショートアニメはちょいちょいあるけど。こうして出版社が「アニメシリーズとして一本にまとめにくい奴をまとめて消化する」枠ってのは、身の丈に合った尺でちょこちょこ作品作りできるから案外悪くないのかも。
・「超可動ガール1/6」 5→5 ひとまず無事に終わりましたな。思ってたよりも良い出来になっていたような気がします。まぁ「思っていた出来」がどの程度かって話なんだけど。最初のうちはやっぱりフィギュアを動かすCG描写に違和感が先立ったんだけど、省エネ目的もありつつ、今作ではやっぱり「超可動ガール」という特殊な存在をCGで描き、サイズ感とか「作り物感」を切り出すことに意味を与えていたのが良かった。彼女たちが異質な存在であることが画面で常に意識されれば、単なる「小人漫画」にプラスアルファで今作のオタク根性みたいなものが浮き彫りになるみたいでちょっと面白い。あとはまぁ、もうちょいオイスター節みたいなものが強く出れば最高だったんだけど、やっぱり今作は設定が先走ってちょっと生臭い方向に出すぎているので、アニメにした時には適宜薄味にした方が無難なのは致し方なしか。惜しむらくは、本当にノーナの声がな……。 改めて、いつの日か「男爵校長」がアニメ化されますように。
・「女子かう生」 *→4 まぁ、5分アニメだから特にいうこともないんだけど、とりあえず最終回のラストシーンで「ええええぇ?!」ってなっちゃったから俺の負け。1クール使った壮大すぎるネタ仕込みであった。いや、確かにアニメにするときはそういう演出が一番「終わった感じ」があって良いのかもしれないけど。「貫き通せよ」という気持ちもなくはないが、まぁ、そこを貫き通す意味はないからな。というか、やっぱりサイレント作品ってアニメにする意味薄いよな……。音声情報がほとんどないので、「ながら見」すると何一つわからないっていう(ながら見するなよ)。
・「ノブナガ先生の幼な妻」 *→5 ストレートエロ。今期はこれと「なんでここに先生が」で「エロアニメでやれ」枠が2作並んでいたが、なかなかに甲乙つけがたい。映像クオリティでは明らかに「なんここ」に軍配があがるのだが、こちらは生粋のエロ漫画家が描いているおかげでエロに迷いがなく、シチュエーションのこだわりというか、よりダイレクトに性的な部分へ訴えかける要素がわかりやすいのが強みである。俺は何が言いたいんだ。まぁ、つまり、「紺野あずれのキャラクター、割と好きなんだよね」という話です。 6月23日 ドラフト模様(MH1×3) ピック順 【Serra】→【Thraxi】→【Chrolony】→【Alessi】→【Tanaka】→
モダホラ2回戦。どんどん剥くよ、パックを剥くよ。他の環境と違って短期決戦になるのであまり戦況分析をする意味もないのだが、やっぱり難しいよこの環境。今回(も)やいのやいの五月蝿い某奴が「シールドデッキの方が出来いいわー! ドラフトデッキ弱いわー!」って前回と全く同じセリフを言っていたんだが、この傾向は多分本当。この環境、クセの強いカードが多いので、本当に一方向にハマったらモダン水準の効果を発揮するのだろうが、合わないカードは本当に合わないので、純粋にパーツが足りないことでデッキが成立しないことがあり得る。そのキャパをピック中に見定めるのは事実上不可能に近く、最初に目した方向が間違っていた場合、後のピックはただの破滅への一方通行になってしまう。まぁ、どんな環境だってそういう傾向はあるのだろうが、今回は特にそれが顕著な気がする。例えば前回は「青黒忍者」と「赤緑土地」が優秀な成績を残したが、今回のカードプールで全力でそっちに走ったプレイヤーがいた場合、果たして強くなっていたかというと大いに疑問。「穏当な落とし所」みたいなデッキって成立しうるのだろうか。
さぁ、そんな風に悩んでいますが、次回ドラフトをどんなパックでプレイするのか……は未定! とりあえず開催日程はいつも通りに土曜の14時で決定しているのですが、開封するパックはモダホラになるのか、灯争大戦に戻るのか。前回も書きました通り、どちらもまだ丸々一箱残ってるのでね……。決定を下すのは、当日全員が集まったタイミング、民主的な決定を行うのです。希望がある人は、強めのアピールをお願いします。
<緑> 「迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking(CHK)」 R 神河! こんな人まで突然再録されるとは……一応「25周年マスターズ」にもいたのでそこまで懐かしいというわけでもないのだが、やっぱり神河を思い出させてくれるだけで日本人プレイヤーはちょっと嬉しいものである。現時点でどんな使い道があるかは分からないが、こういうピーキーなカードが再録されて可能性が刺激されるのは良い傾向である。僕の「創造の歌」デッキに……別にいらんなぁ……。 節くれ拳の樫 Burlfist Oak (2)(G)(G) U クリーチャー・ツリーフォーク 2/3 あなたがカードを1枚引くたび、〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 青緑に配置された、カード引きまくり応援団の1体。その性能はかなりデンジャラスで、自ターン中なら必ず1枚ひいてるので4/5。相手ターンに隙があるとはいっても4マナ4/5がアンコで手に入るのは魅力的。そしてここに追加のドローを絡めることでどんどんサイズは膨れ上がっていく。青や赤ならルーターがいるし、黒だってすでに2枚引ける1マナインスタントが発表されている。どんな方向性から爆裂巨大化するかが分からないので、相手にする方はとにかく大変である。結局、人間ってカードさえ引いてれば無限に楽しいのでね。 梢の忍び寄り Canopy Stalker (3)(G) U クリーチャー・猫 4/2 〜は可能ならばブロックされなければならない。 〜が死亡した時、あなたはこのターンに死亡したクリーチャー1体につき1点のライフを得る。 ドミナリア環境で登場し、特に人気もなくグルグル回っていたコモンに「ガイアの守護者」があり、この猫はそんな守護者にちょっとしたライフ回復機構を加えたもの。「守護者」の問題点は、ブロック強制という擬似除去能力を売りにしているにも関わらず、タフネスが2なので適当な2マナ域とでも相打ちになってしまうという脆弱さだった。この猫はその問題を解決していないのであまり品質向上に繋がったとは思わないが、最低でも自分と相打ちしたクリーチャーの2体は死んでるだろうから、攻撃時に2ライフが手に入る計算になる。……まぁ、最低限……。猫デッキになったときの穴埋めくらいに考えておけばいいんじゃないかな。 「巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(M19)」 C フル回転やなぁ! 初登場が「イクサラン」で、そこから2年半でなんと4度目の再録。実に半年に1回は新しいこいつが印刷されているということになる。それだけデザインが「ちょうどよかった」ということなんだろう。実際、使ってて感じるのはコストの重さと、それに見合った強さの「ちょうど良さ」。ぜひ、この環境でもちょうどいい活躍をしてほしい。 「耕作/Cultivate(M11)」 U 定番みたいなイメージがあったけど、再録はなんとM11以来、10年ぶりってことかよ。まぁ、最近は土地サーチ呪文も色々と気を使うようになってるから……とは思うものの、「豆の木の巨人」や「成長のらせん」、それに「ウーロ」さんなどなど、現代はかなり土地加速呪文が花盛りだったりする。もちろん、こうしたツワモノ揃いのプールの中でも、決して見劣りしない「耕作」も充分強い。どさくさに紛れてアンコモンになってしまっているが、それくらい強いんだぞ、っていう存在感を今後もがっつりアピールしていこう。正直、私みたいな多色スキーからすると垂涎ものの再録なんですよ。秋のローテでギルドランドが全部落ちるからなぁ。 うたた寝するティラノドン Dozing Tyrannosaurus (1)(G) クリーチャー・恐竜 3/3 防衛 あなたがパワー4以上のクリーチャーをコントロールしている限り、〜は防衛を持たないかのように攻撃できる。 かつては「恐竜の王様」扱いされていたティラノサウルスも、研究が進んでスカベンジャー説が濃厚になったせいで今はあんまり人気がないとかなんとか。まぁ、まだ戦隊レッドはティラノだったし、看板としてのバリューは保持されているんだろうか。Magicの開発チームがどれくらい最新の学説を追っているかはしらないが、イクサランの恐竜は羽毛なども多く確認できて「現代的」な恐竜が多かった。そんな中でのティラノなので、あんまりやる気がないキャラになっちゃうのもしょうがないかもしれない。周りに仲間がいれば目をさまして攻撃に移ってくれるし、ブロッカーとしては何の問題もないのだから悪いやつではないのである。パワー4以上を真っ正直に準備するのが大変なら、オーラや+1/+1カウンターでこいつ自体のパワーを4以上にしてやれば完結するが、せっかくなので「怒り狂うクロンチ」なんかと手を組ませるとバランスがいいかもしれない。どこのフォーマットだ。 長老ガーガロス Elder Garganoth (3)(G)(G) M クリーチャー・ビースト 6/6 警戒 到達 トランプル 〜が攻撃するたび、次のうちから1つを選ぶ。 「3/3で緑の、ビースト・クリーチャー・トークンを1体生成する」 「あなたは3点のライフを得る」 「カードを1枚引く」 もう、クリーチャーなら何書いても問題ないと思ってるシリーズ。「探索する獣」の時点でアホかとは思ったが、あっちは一応レジェンドという慎み(?)があった。今回は枷を外してさらにもうひと押し。速攻が付いてないだけでも随分丸い印象になるものだが……いや、バカだなぁ……。さらにすげぇのは、ここまでむちゃくちゃやっても活躍するかどうかはまだわからないって部分でね。「除去耐性ないやん」の一言で役立たず認定される可能性だって充分あるのだ。さぁ、長老の明日はどっちだ。僕としては、大人しく僕のパックからだけ出てこいとは思いますね。実際に使われたら「いくらなんでも警戒余計じゃね?」「到達だけでも外してよくね?」「カード引くなし」などのご意見が多数寄せられることだろう。 猫の君主 Feline Sovereign (2)(G) R クリーチャー・猫 2/3 あなたのコントロールする他の猫は+1/+1の修正を受け、プロテクション(犬)を持つ。 あなたのコントロールする1体以上の猫がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、最大1つまでの対象の、そのプレイヤーがコントロールするアーティファクトかエンチャントを破壊する。 犬さんサイドからは「ニャンカス最低だワン」と続々抗議の声が寄せられている、実に猫らしい猫。ロード能力で味方を鼓舞しつつ、天敵である犬の行いには素知らぬ顔。そして家の中では好き放題に暴れてカーテンはボロボロにするし、段ボールなんてみるも無残に解体される。しょうがない、それが猫なんだもの。この気ままな振る舞いが好きだからこそ、ネコ派は一生をネコに捧げているのである。さぁ、ネコデッキを作るのだ。今の時代ならイコリアにたくさんの猫がいる。みるみる数が増える「幼獣守り」なんかはオススメだぞ。まぁ、その中心が白なのでスナップダックスさんを入れようとすると4色になったりするけども……。 「激情の共感者/Fierce Empath(SCG)」 U これまた懐かしい。統率者やマスターズなどで何度か再録されているが、リーガルセットでの再録は実は初めて。収録セットだったスカージは「マナコストのでかい呪文」がフィーチャーされるという謎ギミックがあったのでもっさりしながらも楽しいカードではあったが、改めて見ると、フィニッシャーを手堅くサーチできるチューターが3マナで、おまけに1/1がついてくるのって結構デンジャラスな1枚である。そりゃアンコモンに格上げなのもしょうがないか? 菌類の再誕 Fungal Rebirth (2)(G) U インスタント 対象の、あなたの墓地にあるパーマネントカードを手札に戻す。このターンにクリーチャーが死亡していたなら、1/1で緑の苗木・クリーチャー・トークンを2体生成する。 2つの効果があり、実際には接続されていないはずなのにフレーバーでなんとなく繋がっているように見せているのが面白い呪文だ。基本は「自然のらせん」で、インスタントになった分、1マナ重くなっている。調整としてはそれだけでも充分実用レベルのカードになっているはずだが、それだけじゃ面白くないってんで「このターンにクリーチャーが死んでればトークンがもらえる」という変なボーナスがついた。ものが1/1トークンとはいえ、インスタントで2体出せるなら「急報」クラスなのだから2マナ相当。最高効率で言えば2マナ+2マナの4マナ分の効果を3マナインスタントで実現できるのである。もちろんこれはタイミングの制限のおかげで、クリーチャーの死亡が条件になる「陰鬱」呪文なので、「急報」のように相手のアタックに合わせて突然ブロッカーを出す使い方は難しい。トークンを目当てにタイミングを計っていても、なかなか使えるタイミングがなくてやきもきすることもあるだろう。おまけはかなり魅力的だが、ダメな時はさっさと相手ターンエンドに使ってしまうのが無難ではある。 解き放たれた者、ガラク Garruk, Unleashed (2)(G)(G) M 伝説のPW・ガラク <+1>: 最大1体までの対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+3/+3の修正を受けるとともにトランプルを得る。 <-2>: 3/3で緑の、ビースト・クリーチャー・トークンを1体生成する。その後、いずれかの対戦相手があなたよりも多くのクリーチャーをコントロールしているなら、〜の上に忠誠カウンターを1つ置く。 <-7>: あなたは「あなたの終了ステップの開始時に、あなたのライブラリからクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出しても良い。その後、ライブラリを切り直す」という紋章を得る。 【4】 さぁ、ガラクさんだ。鎖の呪いがスッキリ解消し、ケンリス姉弟相手にはピュアで頼れる先輩ムーブまで見せてくれたおかげで随分印象が変わったガラクさん。最近はビビアンなんてキャラ被りも発生しているが、何とか独自性を出して頑張って欲しいところだ。今回のガラクの注目ポイントは4マナというコスト。初代ガラクもこの4マナ設計だったが、それ以降はちょっと体が弱くて黒が混じった時以外は5マナ以上でばかり出ていたので、このコストは久しぶり。その割に初期忠誠度が4とそれなりだし、攻めている状況ならば荒ぶる性能は確かにビビアン以上だ。マイナス能力も初代ガラクを踏襲するものになっているが、時代を重ねたことで「不利なときには忠誠度がちょいキャッシュバック」というよく分からない優しさをプラス。まぁ、初代こそ−1でトークン出してたんだけどさ。そうして満遍なく仕事をこなしていき、うまく奥義までたどり着けるかどうかが勝負。真正面からでも狙えない数字ではないが、そこまで貯めるのにプラスのアクションが守りに貢献しないのが悩ましい。さて、どんなデッキで出番があるだろう。器用さではビビアンに及ばないのがなぁ……。 ガラクの血まみれ角 Garruk’s Gorehorn (4)(G) C クリーチャー・ビースト 7/3 ガラクの垂直サイクルのコモンは何とバニラクリーチャー。今回赤緑が推してるのは「パワー4以上」。4あればいいっつってんのに「どうせだったらこんだけ持っていきなよ」ってんで5マナパワー7という余計なまでの数字を押し付けてくる、田舎のおばあちゃんみたいな心遣いが悩ましいビーストである。まぁ、ガラクの能力を起動すれば10/6トランプルっていうわけのわからないサイズになるのでね……ちなみに、このステータスも「いろんな数字のバニラを作ろうプロジェクト」の新作なのかと期待したが、7/3は一足先に「ニクス生まれの粗暴者」が実現していた。いたな、そんなやつ。あいつは全然使われなかったけど、つまりこいつも……。 ガラクの先触れ Garruk’s Harbinger (1)(G)(G) R クリーチャー・ビースト 4/3 黒からの呪禁 〜がプレイヤーかPWに戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリを、上からそのダメージに等しい数だけ見る。あなたはその中から、クリーチャーかガラク・PWカードを1枚公開し、手札に加えても良い。残りをライブラリの下に無作為に置く。 ガラクの垂直サイクルのレア担当。鎖の呪いでよっぽど懲りたのか、前もって呪禁を持ってるのはちょっと笑ってしまうが、黒を使ってる側からしたら本当に大きなお世話である。プロテクションじゃないだけまだマシなのかもしれないが、この一文だけでも除去耐性はそれなり。そしてダメージ誘発でのサーチ能力も文句なしで強力。普通に殴っても4枚見られるわけで、毎ターンビビアンを使っているようなものである。もちろん、ここからガラクを呼びに行く選択肢があるのも大きく、今回の4マナガラクならコストも綺麗に噛み合ってサーチできるのがよい(まぁ、その場合プラス能力が無駄になるけど)。レアの割にステータスがやや地味ではあるが、それこそ「ガラク置いて7/6トランプルで殴れば多分勝てるやろ」というデザインなのだろう。うまくいけばいいのだけど……デッキにガラクって何枚いれるんだ? ガラクの蜂起 Garruk’s Uprising (2)(G) U エンチャント 〜が戦場に出た時、あなたがパワー4以上のクリーチャーをコントロールしているなら、カードを1枚引く。 あなたのコントロールするクリーチャーはトランプルを持つ。 パワー4以上のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、カードを1枚引く。 ガラクの垂直サイクル、アンコモン担当は、緑が今回強めに推している獰猛条件でのボーナスカード。近いのは「巨大な威厳」や「ティムールの隆盛」あたりだが、これらの先輩カードはあんまり使われなかったため、コストは3マナに据え置きでさらに痒いところに手が届くボーナスをてんこ盛りにして再挑戦。トランプルを付与するだけだったらわざわざカード1枚費やしてまでやることでもないが、「パワー4以上がたくさん出せそうなデッキ」を組んでいるというならついでの効果としてはありがたい。さらに事前に出しておいたクリーチャーでも条件を満たしてドローしてくれるなんて心配りもあり、OMOTENASHI精神を理解してくれている感がある。ここまでやってくれれば、何か専用デッキが組まれる可能性も……あるかなぁ。 節くれの賢者 Gnarled Sage (3)(G)(G) C クリーチャー・ツリーフォーク、ドルイド 4/4 到達 あなたがこのターンに2枚以上のカードを引いている限り、〜は+0/+2の修正を受けるとともに警戒を持つ。 がっちりにがっちりを重ねようとするツリーフォークの鑑のようなクリーチャー。5マナ4/4はいまとなっちゃぁちょっと物足りないくらいのステータスだが、到達があれば「歩哨蜘蛛」に迫る。そしてカードをまとめて引ければそれこそ「歩哨蜘蛛」同様の警戒が加わり、4/6と全ての面で上回る。「ドローすれば超強い」じゃなくて「ドローするとさらに安心」というバランスなのでメインから入れておいても問題ないのはありがたい。まぁ、あんまり前を向いていない気もするので使ってる方に爽快感はなさそうだが、このサイズで殴る隙がない警戒持ちは、相手側からすると割とどうしようもない。 「英雄的介入/Heroic Intervention(AER)」 R 鉄壁の防御呪文が再録。書いてあることは雑に強く、とにかく相手の攻撃に対するリアクションとしては完璧なのだが、あくまで受けの呪文であり、緑にはあまり求められなかったのか、そこまで支配的な呪文にはならなかった。さて、今回はどうなるだろう。「空の粉砕」のような全体除去が猛威を振るう環境なら出番は増えそうだが。これが流行ったおかげで「スナップダックスの神話」に注目が当たったりしたら面白いな。 狩人の刃 Hunter’s Edge (3)(G) C ソーサリー 対象の、あなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。その後、そのクリーチャーは対象の、あなたのコントロールしないクリーチャーに、自身のパワーに等しい値のダメージを与える。 手を替え品を替え作られる緑の除去シリーズ。今回は白緑のカウンターギミックに色目を見せつつ、さらに過去の呪文のアップグレードを図ろうってんで、何度も再録された名作「弱者狩り」の格闘部分を、一方的ダメージに仕立て上げたものである。こうして格闘の上位概念である一方的格闘のカードが増えてきているので、こっちがキーワード化される日も遠くないのかもしれない。 活性化のうねり Invigorating Surge (2)(G) U インスタント 対象の、あなたのコントロールするクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1つ置き、その後、その上の+1/+1カウンターの数を2倍にする。 カウンター倍々計画。この手の呪文は緑が少しずつチャレンジしている分野で、一昔前なら単に倍加するだけの「英雄たちの結束」があり、直近ではこれの3倍の効果がある「生体性改造」がリミテッドの決め技としてそこそこ活躍した。今回は小回り優先の3マナインスタントという設計だが、とりあえず+2のトリックとして使える他、元からカウンターが多めのクリーチャーを採用して一撃死を狙うアクションにも使えるようになっている。おすすめはカウンター生物の筆頭である「石とぐろの海蛇」や「ハイドロイド混成体」、そして元から倍々の「大食のハイドラ」といったあたりか。 ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル Jolrael, Mwonvuli Recluse (1)(G) R 伝説のクリーチャー・人間、ドルイド 1/2 あなたが各ターンに2枚目のカードを引くたび、2/2で緑の猫・クリーチャー・トークンを1体生成する。 (4)(G)(G):ターン終了時まで、あなたのコントロールするクリーチャーの基本のパワーとタフネスはX/Xになる。Xは、あなたの手札の枚数である。 ジョルレイルさん! なるほど、彼女もテフェリーとは縁の深いキャラクターだったのだね。その辺りのストーリーはあんまり知らなかったので、知りたい方はWiki参照ね。ざっと見た感じ、彼女ってばジャングル育ちの獣っ子ぽさもあるので世が世ならそれなりの萌えキャラだったのでは。いや、絶対そんなビジュアルじゃないけどさ(しかしナイスバディである)。個人的には、よりによって収録されていたセットがプロフェシーだったもんだからあんまり良い印象はないのよね。あんまり強くなかったしさ。今回はなんと、2マナ1/2という破格の軽さで登場。そして何故か「1ターン2ドロー」というエルドレインではイゼットが担当していたギミックを背負っている。カードを引きまくれば彼女の周りは猫まみれになり、さらに手札を溜めたまま6マナにたどり着けば、その猫たちがみんな大ハッスルして相手を蹂躙してくれる。猫好きにとってはかなり夢のあるカードだ。ただ、ギミックの癖が強く、特に下の能力をうまく使おうと思うと手札の調整はかなり大変。リミテッドで引いたとしても、さてうまいこと使いこなせるかどうか。 「人生は続く/Life Goes On(HOU)」 C アモンケットでのボーラス騒乱のエピローグとなった1枚。この時点ではとりあえず厄介な神を倒して一安心していたアモンケットだが、その後はいったいどうなってるんでしょうね。今回の新PWであるバスリさんはちゃんと里帰りしたのかなぁ。とりあえず、1マナ8点というアホみたいなライフが得られるので、使ってみると意外とシャレにならない呪文ではある。ギミックとして陰鬱を推している気もするが、素で使っても4ライフが確約されているので、緑黒で陰鬱をメインにおきながらライフゲインにもちょっかいを出す感じのデッキにするといいのかしら? ゲインライフ分を相手に叩き込む「ヴィト」さんが取れた場合には、もうこれをかき集めるだけで勝てる気がする。3マナで24点やで? ラノワールの幻想家 Llanowar Visionary (2)(G) C クリーチャー・エルフ、ドルイド 2/2 〜が戦場に出た時、カードを1枚引く。 (T):(G)を加える。 ちょっと笑ってしまった1枚。カード名をみて「再録? ……ではないかぁ」ってなる絶妙な配分で、その名前から分かる通りに「ラノワールのエルフ」と「エルフの幻想家」をガッチャンコしたカードである。名前もそのまま繋いで「ラノワールのエルフの幻想家」の間を詰めただけ。ラノエルが1マナ1/1でマナを出す、ビジョナリーが2マナ1/1でカードを引く。足したら3マナ2/2でマナを出してカードを引く。何一つおかしなところはない。マナクリとしての能力は大幅ダウンであるが、3マナ2/2キャントリップの時点で実はめちゃめちゃ有能。単体で見れば「発現する浅瀬」を超えているのだから、これがコモンなのはおかしいはずなのだ。適当に並べるだけでアドが取れて、さらに後続クリーチャーの展開がどんどん楽になっていく。リミテッドなら引けるだけ引いてしまって問題ないカードであるし、下手したら下の環境のエルフでもワンチャンありそう。節操なさすぎるけど、大丈夫か? <赤> 「戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman(ROE)」 U 賑やかしに帰ってきた古参ゴブリン。リーガルセットでの再録は初だが、当初の思惑よりもずいぶん能力が強かったため、いくつかのサプライセットでは再録されて活躍している。おかげで、今回は「バトルボンド」の時と同様にアンコモンに格上げしての収録になっている。これ、単体でも強いし、2枚3枚と並ぶとかなり殺意が高めになるので、平凡な見た目に騙されると痛い目をみることになるのよね。 雷光の猟犬 Bolt Hound (2)(R) U クリーチャー・エレメンタル、犬 2/2 速攻 〜が攻撃するたび、あなたのコントロールする他のクリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。 赤なら嗜みで1枚くらいは用意しとかなきゃいけない速攻クリーチャー枠。これまでの基本セットは例えば「稲妻の精霊」のようにコストあたりのパワーが大きくて「速攻でいきなりくるとびっくり!」みたいなデザインが多かった気がするが、今回のデザインはちょっと方向性が違う。キーワードこそ使われていないが、そこに内蔵されているのは「喊声」能力(ミラディンで赤白に与えられたキーワード)。あからさまに横並べの戦術を応援するものになっており、この世界でもボロスカラーはそういう色なのだと示唆している。単体で攻撃してもたかだか2/2なので特に魅力はない。3マナではあるが、充分に数が並んだ後にたたみこむためのソーサリー支援呪文なのだと割り切った方が使いやすいのではなかろうか。あと、犬だワン。 骨穴の粗暴者 Bone Pit Brute (4)(R)(R) C クリーチャー・サイクロプス 4/5 威迫 〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーはターン終了時まで+4/+0の修正を受ける。 なかなか良いフレーバー。日本語だと「クラブへようこそ」だけなのでわかりにくいが、英語のClubはいわゆる部活動とか社交場の意味の「クラブ」以外に、「棍棒」の意があり、このサイクロプスさんが棍棒を振り回してぶん殴ってくることを歓迎の言葉で伝えているわけである。さておき、今回の赤コモンのヘビー枠がジャイアントじゃなくてサイクロプス。まぁ、そこに大した差はなく、赤らしく威迫を持ち、そこそこのサイズのファッティというだけである。現在の基準でいうと、6マナ4/5は威迫持ちとはいえちょいと物足りないサイズなのだが、そこは当然、187能力がごっついから。突如降って湧く+4は人が死ぬのに充分な修正値。適当に通るクリーチャーが確保できていればこのクリーチャーは場に出た時に4ダメージを叩き込む能力者ということになるのだ。他にも一応獰猛条件のサポートが確実にこなせるなんて利点もあるが、まぁ、こいつ自身が4あるからそこはあんまり意味ないかな。何枚も入るカードじゃないのでたくさんパックから出るとげんなりしてしまうが、1枚くらいなら入れてもいい、真っ当な部活動である。 無作法な挑発者 Brash Taunter (4)(R) R クリーチャー・ゴブリン 1/1 破壊不能 〜にダメージが与えられるたび、〜は対象の対戦相手にそれに等しい値のダメージを与える。 (2)(R)(T):〜は他の対象のクリーチャーと格闘する。 なんやこいつ。ナチュラルに破壊不能を持っているという特級ゴブリン。こんなもん、あの伝説の不死身ゴブリン・スクイーですらもってなかったものだ。5マナ1/1というクソ雑魚サイズだが、ここに与えられたダメージは全て対戦相手に跳ね返る。つまり、こいつでデカブツをブロックしたら全部跳ね返る。この設定は「ぬいぐるみ人形」からもらってきたものだと思うが、さらに加えて、なんと自分から喧嘩を売りに行く格闘能力まで持ってとにかく異次元からのダメージを叩き出すという。正直、リミテッドでこれを出されたらどうしようもない気がする。クリーチャーで攻めるしかない緑、そして火力以外で処理できない赤が特にキツいだろう。構築クラスでも、クリーチャーのパワーを利用した風車の理論によるミラクルは何かとんでもないサプライズを起こす可能性もある気がするのだが……どうだろうね。5マナは流石に嘘かなぁ。 「燃えさかる炎/Burn Bright(RNA)」 C 「ラヴニカの献身」ではラクドスが速度をあげるためにたまに採用されていた増強呪文。一応「ラッパの一吹き」の強化版で、コストと効果が見合っているので使いやすい。今回はボロスが露骨な横並べを推奨しており、なおかつ白にはこうした全体増強呪文が用意されていないため、これまでよりも明確なニーズがあるんじゃないかと期待される。グルールで使えば獰猛の支援にもなるため案外受けの広いカードなのかも。 炎の心、チャンドラ Chandra, Heart of Fire (3)(R)(R) M 伝説のPW・チャンドラ <+1>: 手札を全て捨て、その後、あなたのライブラリを上から3枚追放する。ターン終了時まで、あなたはこうして追放されたカードをプレイしても良い。 <+1>: 〜は任意の対象に2点のダメージを与える。 <-9>: あなたのライブラリや墓地から、好きな数の赤のインスタントやソーサリーカードを探し、それらを追放する。その後、あなたのライブラリを切り直す。あなたはこのターン、それらのカードを唱えてもよい。(R)を6点加える。 【5】 チャンドラさんである。前作のM20で3枚も印刷されたくせに今回も出張ってくるとは、欲しがりさんにもほどがあるな。赤単のPWは新たにルーカさんも加わったのでかなり競争が激しくなっており、過去に単色で印刷されたものに限ってもサルカン、ヤヤ、それにダレッティやコスなんかも存在してる(なんかの血脈を忘れてる気もするけどまぁいいや)。そんな中でも、やはり看板を背負えるのは彼女だという判断なのだろう。現時点でPW最多の枚数が制作されているチャンドラの快進撃はまだまだ続く。 しかし、そんな数の多さは「うまいチャンドラって作るのが難しい」という苦心の歴史でもある。最近は構築レベルで活躍できるカードも多く定番になったが、単に火力を飛ばすだけの元来のチャンドラはなかなか強化しづらいジャンルだった。今回も「プラス能力で火力」という露骨なアピールはしつつも、やはり気になるのは一番目の衝動的ドローというか、衝動的ディスカード能力だろう。手札を空にするというリスクを負いつつ得られる3枚分の可能性は、5マナ忠誠5のPWとしてはかなり思い切ったデザイン。これで忠誠度が6に上がったうえで、最大3枚ものアドバンテージがいきなり手に入るのである。うまく使いこなすデッキをデザインするのは確かに難しいが、赤はすでに「実験の狂乱」のようなカードが成功を収めているわけで、その変形とも言えるこのデザインが悪用されないという保証はない。バーンデッキや新たな形の赤単を生み出すきっかけになりうる潜在能力は秘めているはずだ。反面、デメリットがあるので全く使われないという可能性もあるわけだが……いや、でもこれはさすがに……。 チャンドラの焼却者 Chandra’s Incinerator (5)(R) R クリーチャー・エレメンタル 6/6 トランプル この呪文を唱えるためのコストは(X)少なくなる。Xは、このターンにあなたの対戦相手が受けた戦闘ダメージでないダメージの総量である。 あなたのコントロールする発生源が戦闘ダメージでないダメージを対戦相手に与えるたび、〜はそれに等しい値のダメージを、そのプレイヤーのコントロールする対象のクリーチャーかPWに与える。 チャンドラの垂直サイクルのレア枠。今回の(今回も)チャンドラは「非戦闘ダメージ」というトリガーに注目しており、なんと垂直サイクル全てがそっち方面でのシナジーを打ち出しているのに、全てクリーチャーであるというのが面白い部分だ。まず、こちらの大ボスは懐かしい「暴動の長、ラクドス」のようなコスト軽減能力を持っている。非戦闘ダメージを叩き出すためには普通マナがかかるだろうからトータルコストはそこまで安くならないだろうが、それこそラクドス方向に寄せて「槍播き」とか「騒乱の落とし子」のようなカードと合わせることで自然に着地が可能になる。ちなみに「対戦相手が受けた全ダメージ」なので、例えば対戦相手全員に1ダメージをばらまく呪文何かを使えば、多人数戦だと驚きの安さになったりも。そして着地後もそうしたダメージソースを有効活用できるため、デッキのコンセプトを一貫させやすいのも魅力だ。もちろん、今回のチャンドラと一緒に使ってやるのがベストなのは言うまでもない。さぁ、レッツ本体火力。 チャンドラのマグムット Chandra’s Magmutt (1)(R) C クリーチャー・エレメンタル、犬 2/2 (T):〜は対象のプレイヤーかPWに1点のダメージを与える。 チャンドラ垂直サイクルのコモン。実にシンプルに「非戦闘ダメージ」の応援団。「槍播き」に比べると1マナ重いが、自分に被害がなくなったうえでPWも狙えるようになり、何よりも2/2と普通のクリーチャーサイズを獲得した。チャンドラがらみのシナジーを狙わないなら普通にパンチして序盤を構成するクリーチャーとして使えるのが強みだ。まぁ、あくまでリミテッド用のコモンなのでそこまで過度な期待を抱くものではないが、程よい順目で引いて多めに集めておくと、こいつの遠隔砲撃だけで相手を焼き切るようなゲームもあるかもしれない。そして犬。 チャンドラの紅蓮獣 Chandra’s Pyreling (1)(R) U クリーチャー・エレメンタル、トカゲ 1/3 あなたのコントロールする発生源が対戦相手に戦闘ダメージでないダメージを与えるたび、〜はターン終了時まで+1/+0の修正を受けるとともに二段攻撃を得る。 チャンドラ垂直サイクルのアンコモン。これまたわかりやすいデザインで、例えるなら「地上に降りた『チャンドラの吐火』」である。「吐火」は開発された当初はそこまで注目されなかったものの、M20で再録された現在、「焦がし吐き」や「災厄の行進」との圧倒的な相性の良さで赤単デッキの定番となり、今でもたまにワンパン二桁パワーで人の命を焼き尽くしている。こちらのトカゲはそんな先輩クリーチャーの最大の売りである飛行を外された代わりに、レアな能力である二段攻撃を併せ持つことになった。チャンプブロックを許すせいで確実性がなくなったが、1マナ軽いので専用のデッキでのプレッシャーは「吐火」に負けず劣らず。リミテッドではチャンドラ方向を推す堅実な選択肢として活躍できるだろう。エレメンタルなので一応カヒーラさんの恩恵に与れるのも注意すべき点か。 人目を引く詮索者 Conspicuous Snoop (R)(R) R クリーチャー・ゴブリン、ならず者 2/2 あなたはライブラリのトップを公開したままプレイする。 あなたはライブラリのトップからゴブリン呪文を唱えても良い。 あなたのライブラリのトップがゴブリンカードである限り、〜はそのカードの持つ全ての起動型能力を持つ。 ゴブリン好きのためのゴブリンなゴブリン。ゴブリン限定での「未来予知」効果は、とにかく数に物を言わせたいデッキタイプにがっちり噛み合っている面白いギミックだ。まぁ、その分性能は2マナ2/2とごく普通だが、後のことは仲間に任せてしまえばいい。現在の環境ではそこまでの爆発力はなさそうだが、下の環境などのゴブリン愛好家たちの手によっていい具合に地雷になってくれることを祈ろう。ただ、あんまり「起動型能力を持つゴブリン」ってイメージできないんだけどね。そうか、「火花鍛治」か。 「突破/Crash Through(M19)」 C こちらは2度目の再録で、割とすんなり赤の定番っぽくなってる感がある。トランプルと書かれているのでアグロ向けのカードと思いきや、基本的には軽いソーサリーでとにかく呪文を唱えたいというイゼット向け。「破滅の刻」の環境下では果敢デッキの貴重な燃料として、1マナソーサリーとは思えない人気を博した。今回も狙ったように果敢クリーチャーが用意されているので、イゼットスペルならある程度早めのピックを心がけてもよいのではなかろうか。 「破壊的細工/Destructive Tampering(AER)」 C アーティファクト華やかなりしカラデシュで生まれたアーティファクト対策カード。次元の都合上、あんまりアーティファクト破壊として万能すぎると困るし、かといって弱すぎても使ってもらえないし、ってんで悩んだ末に生み出された「他の効果でも使えるパッケージ」である。アーティファクト破壊単体で見ればしょうもないのだが、幸か不幸か、今回の環境ではメインからアーティファクト破壊が求められることはほとんどなく、むしろ2つ目の効果のほうで積極的に使うチャンスがあるデッキで出番があるかもしれない。突然のブロック不可は、速い赤白系はもちろんだが、重量級のグルールでも決め技として機能させやすい。 複視 Double Vision (3)(R)(R) R エンチャント あなたが各ターンに最初にインスタントかソーサリーである呪文を唱えるたび、その呪文をコピーする。あなたは、そのコピーの新たな対象を選んでも良い。 マローが大好きといってはばからない「倍にする」アクションの最新作。どんな呪文でも自動でコピーしてしまうというのはなかなかデンジャラスで、これをおいた後に根本原理の1つも打てば世界は吹き飛ぶことになるだろう。まぁ、置かなくても吹き飛ぶけど。当然真っ先に思いつくのは追加ターンの倍加。ただ、現在の環境にはそこまでフィットする呪文が無いのでちょい難しいかも。個人的には「迂回路」なんかをコピーして爆裂マナ加速してからの根本原理デッキはやってみたい気もするんだけど、迂遠すぎるのがなぁ。 焦熱の解放 Fiery Emancipation (3)(R)(R)(R) M エンチャント あなたのコントロールする発生源がパーマネントやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりにそれは3倍のダメージを与える。 「倍にする」ことが大好きだったマロー。そんな彼が「倍なんてもんじゃなくてもいいんじゃないか?」と気づいて訳のわからないカードを作った結果生まれたのが「ニクス咲きの古きもの」である。「倍で足りないなら3倍だ!」というその発想は実にバカバカしく、カードとしても実際に「こんなにマナ出して何がしたいねんwww」というネタ程度ですんだ訳だが……今度は「ラースの灼熱洞」の3倍バージョン……。確かにトリプルシンボルの6マナは割とネタ枠ではあるんだが、最近はこのくらいのコスト域でも普通に使われるわけでさぁ……怖くない? 何が起こってもおかしくなくない? なくなくなくない? これ、下手したら「創案の火」と同じ環境で使われてたんだよなぁ……こんなバランスで大丈夫か? 「猛然たる顕現/Furious Rise(THB)」 U テーロスに収録されていた獰猛応援カードが早くも再録。テーロスではサブテーマ程度の扱いで赤緑にちょいちょい入っていた「パワー4以上」だが、どうやら今回はガラクとの絡みもあり、赤緑でかなり大きくフィーチャーしているようだ。機能させる条件はそこまできつくなく、一度置いてしまえば継続的に恩恵が得られるので狙いすましたデッキなら悪くないアドバンテージソースになってくれる縁の下の力持ち。できることなら遅めで引けるのを待ちたいところだが。 「噛み傷への興奮/Furor of the Bitten(ISD)」 C 今になってみるとこれも変な日本語かもしれん。フレーバーを読む限りでは「俺、狼男に噛まれちゃったから狼男になっちゃうぅ!」とトチ狂ってる様子なので別に間違いじゃないとは思うのだが、the bittenなら単に「噛まれた人間」という解釈で「噛まれたものの狂乱」みたいな訳の方がいい気がする。まぁ、とにかくそうしてお手軽にテンション爆アゲしちゃった人はステータスが上がるというオーラ。1マナと軽い割には結構な影響力があり、テーロス環境における「さし迫った破滅」のように、かき集めておくと強襲型のビートが成立しちゃうかも。 冠滅ぼしのガドラク Gadrak, the Crown-Scourge (2)(R) R 伝説のクリーチャー・ドラゴン 5/4 飛行 〜はあなたがアーティファクトを4つ以上コントロールしていない限り攻撃できない。 あなたの終了ステップの開始時に、このターンに死亡したトークンでないクリーチャー1体につき、宝物トークンを1つ生成する。 古き良き「欲深きドラゴン」の系譜を継ぐ、アーティファクト大好きドラゴン。ちなみに「溜め込むドラゴン」はいとこ。「炉のドラゴン」は親父が不倫先のミラディンでこさえた忌み子。3マナ5/4という爆裂ボディは問答無用だが、攻撃までの道のりはなかなか遠い。「ギルド球」みたいなアーティファクトを並べて積極的にゴールを目指してもいいかもしれないが、現在の赤にはそこまで熱心にアーティファクトを推すギミックも無いので、与えられた宝物強奪能力で自給自足するのを待つ方が楽だろう。自軍クリーチャーをぶっ殺してもいいので、実はサクリファイス系のデッキだと宝物も噛み合って面白い動きを見せそうな気がする。ちなみに終了ステップ誘発なので、いっぱいクリーチャーをサクってもメインで除去されると宝物はお預けになるので注意。 「ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M13)」 C これまた可愛いところが再録。頭に被っている面晶体の破片がチャーミングで、今のところこのイラストは一度も変更されていない。やっぱり人気なんじゃなかろうか。現在は同じ能力の「脚光の悪鬼」が活躍している訳だが、これで秋まではやろうと思えば8枚体制で挑めるようになる。突き詰めてやればいいじゃない。 「ひとりぼっちの○○生活」 5→4 これってタイトルの読み方次第ではなろう系作品に見えなくもないな。まぁ、今のなろう系のスタンダードなタイトルがどうなってるか知らんけど。 こちらも初見の印象からほとんど変わらなかった作品ではあるのだが、変わらない分、最初に感じた「なんかあんまり好きじゃない」と感じた印象がそのまま引きずられてしまったので点数を下げた。改めて書くと「ギャグとはいえ、やっぱりコミュ障の人間をネタっぽく描くのは好きじゃない」のである。今作のぼっちの場合、コミュ障と言っても完全に「アニメ的に振り切れた」レベルでありえない描写の連発にはなっているのだが、それでギャグに振り切れるかというとそういうわけでもなく、間には真っ当な方向性での友情物語っぽいものも挟んでおり、いわゆる「萌え系女の子漫画」としてのあたりも狙っている。つまり、ぼっちと周りの子たちの間に「普通の友情形成」も期待しろということだ。しかし、そもそも中心にいるぼっちが理解の範疇を超えた存在であるのに、そんなヒューマンドラマが見られるだろうか。私にはあまりその辺りの食い合わせがよくないように感じられた。 多分、周りにいる子はいい子たちが多い。っつうかなこが本当に「普通にいい子」なんだよな。なこ・アルの2人くらいのバランスなら、本当に「ゆるふわ系オフビートコミック」の範疇でのんびりゆっくり楽しめたと思う(作中で見ていて一番落ち着くキャラはアルだ)。ソトカはやや怪しい、倉井さんも微妙なレベルだが、まぁ、このくらいのキャラ造形なら漫画ならよく見かけるレベル。やっぱり、ぼっちが一人飛び抜けておかしいのだ。周りの友達は完全に「友達づきあい」じゃなくて「介護」のレベルだったので、ぼっちを応援すべきなのか、憐れむべきなのかも決めきれなかったのが辛い。あれだけ周りの人に支えられてるのに、時たま暴走して恩を仇で返してる感があるのがなぁ。いや、普段は本当に頑張り屋っていうのもわかるんだけどさ。 全体的にゆるい作品だったおかげで作画リソースはそこまで重くなく、映像部分については今期作品の中では悪くないレベル。多分続編があったら問題なく見られるくらいの評価ではあるが、別になくても困らない、そんなとこ。
「川柳少女/みだらな青ちゃんは勉強ができない」 だらだら観てたのであんまり書く感想もないんだけど、一応。
・「川柳少女」 4→4 当初の印象からほとんどブレずにゴールした作品。結局主人公ナナコのキャラはあのまんまだったな。一応、主人公のキャラはシンプルで観やすくはなった気もするが、全体的にギャグというか、シチュエーションコメディにおけるシチュエーションの部分が古臭く、アニメにした時もあんまりテンポがよろしくなかったので大きなプラス要素は感じられなかった。個人的にみるべき点があったとするなら、両家の親御さんたちのキャストが割と面白かったことだろうか。やっぱり岩田光央はああいう役が似合うんだよなぁ。実子との関係性ってどんな感じなんだろう。あの夫婦の子って、それだけでエキサイティングな人生だよな……。
・「みだらな青ちゃんは勉強ができない」 5→5 個人的にはこっちの方が観やすかったかな。まぁ、ギャグというかシチュエーションがベタベタってのはこっちも一緒ではあるんだが、遠慮なくエロい方向で下ネタの笑いを取っていく狙いもあって、こっちの方がギャグのテンポはよかった気がするし、ラブコメとしても成立してる気はする。まぁ、「川柳少女」は女の子メインの視点がそこまで多くなかったのに対し、こっちは基本的にヒロインが出ずっぱりなので観てて楽しいってのはあっただろうけど。野郎の方が終身名誉童貞なのであんまり感情移入する余地がなかったんだが、その分青ちゃんは割と厨二男子みたいなメンタリティで突っ走ってくれるのでむしろわかりやすかったし。考え方がいちいち男の子マインドなので、これはこれですごく都合のいい「理想の彼女」像ではあるんだよな。青ちゃんと仙狐さんのCVが同じってのがいまだにピンときてないんだが、今期は和氣ちゃんにいろんなところでお世話になってたんだな、と。 「さらざんまい」 6→7 今期最終回の口火を切るのはこの作品。惜しむらくは、作業の繁忙期を迎えてしまったため、最終話の個別感想を書く余裕がなさそうなことである。まぁ、総体の評価としてはここでまとめさせてもらうので良しとしよう。 とにもかくにも、凄まじい作品であった。いつも通りのイクニ作品と言ってしまえば話も早いのだが、そうしてしまうと「いつも通りにイクニってなに?」という話をサボることになる。そして、多分今回は「いつも通り」というのとも話が違う気もする。描こうとしているテーマの共通性はある。「つながり」という言葉があまりにあけすけに使われていて、いつにも増して露骨なシンボライズが多かったことを考えると、今回はかなりわかりやすい方向で、シンプルな娯楽的作品作ろうと意図していたのではないかと思う。「ピングドラム」のように絡まったものをゆっくり解きほぐすような煩雑さも無いし、「ユリ熊」のようにひたすらに抽象化を重ねて折り重なった意味の蓄積も薄い。そう考えると、イクニ作品の中ではとっつきやすく、「さらっと」食べられる作品になったとも言える。 ただ、それじゃ今回は安易な作品性なのかと言われるとそれもまた違う。むしろ表面的に安易なように見えるという分だけ、今回の枠組みはより病的に、全体像をひたすら研ぎ澄ませて創られた「髄」みたいなものだったんじゃないかという気もする。本当に怖気が走るような凄まじさがわかりやすいのは、やはり最終回の構成だろう。1話ではなんの説明もなしに垂れ流された「さらざんまい」をめぐる一連のバンク。それこそイクニワールドでおなじみの「過度な装飾が施された舞台演出」のプリミティブな姿であるが、この「パターン」が、最終回に至るまで、ほぼ全てのシーンでひたすら繰り返され、最後の最後も、とにかくパターンの連続で構成されている。いわば、12話の作品要素のほとんどが、1話目の時点で我々の前に開示されていたということになる。そしてそれを少しずつ変質させ、要素の配置をエピソードごとにずらしていくことで、作品を前に進めて新たな意味を付与していく。例えるなら「今日はフルコースを出しますが、全ての材料がタピオカです」みたいなもんである。我々は1話目で大粒のタピオカを喉の奥にねじ込まれ、最終話ではタピオカの漬物をねじ込まれた。そんな感覚である。 しかし、全ての展開は最後に迎えるべき「いつも通りのさらざんまい」のために用意されていたものであり、最小限の変化が常に最大限の効果を生み出すように全てがセットされている。最後に流されたのが「いつも通りのオープニング」というのも非常に象徴的な構成であり、我々は最初に見ていたオープニングを最後に見ることで、この作品で描かれたものを全て回収して理解することができる。オープニング映像を使った演出技法で白眉だった作品には「まどかマギカ」があるが、あれは10話までの展開を物語るためのオープニング。今回は作品世界全てがオープニングやバンクに最初から全部盛り込まれている。「つながり」を持った作品世界はぐるりと円を描いて1話に戻ってくる。これこそが「皿」の作品構造だったというわけだ。 こうしてみると「毎回同じようなことばっかりやっている」というのは事実のはずなのだが、リアルタイムで視聴していた時にはワンパターンであると感じるどころか、毎回「ぶっ飛びすぎてて話についていけんわ!」と思うぐらいに縦横無尽に振り回されていた感覚の方が強いのも恐ろしいところ。ほぼ説明など投げ捨てたような状態で展開されるカッパとカワウソの戦いの物語。最後にはカワウソがひたすら「概念」という言葉を振り回して消えるためのお膳立てを整え、何事もなかったかのように世界が収束していく様子は本当に「どないやねん!」と叫びたくなるくらいの茶番っぷりなのだが、その周囲を取り巻く「3人の少年の物語」と「2人の警官の物語」には血肉が存在している。ただひたすら概念の世界で遊びまわっていただけの少年たちの未来はまだ何も決まっていないし、「漏洩」されたものになるかどうかもわからないのに、確実に1つの山を越えて成長したことを感じさせる。我々は騙されているのかもしれない。しかし、このペテンと詐術は、やるせない満足感を伴ったものだ。 どこまでもパターンを突き詰め、「重なる部分」と最小限の変化だけで物語を紡ぎ続けるという信じられない挑戦に挑み、予想を超える結果を叩き出した今作。考えてみれば、「パターンによる認識」ってのは我々がドラマを受容する時には欠かせないものであり、構造自体に切り込み、「パターン演出の物語」というテーマ設定にしてしまうあたりはいつも以上にしたたかなイクニスピリッツと言えるのかもしれない。飽くなき探究心には、まだまだ終わりが見えない。その欲望を、手放すな。 |
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