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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「W‘z(ウィズ)」 4→5

 うむ、嫌いじゃなかったやで。なんだかんだ言って、やっぱり2シーズン目になるっていうだけで1期目の蓄積がある分思い入れも増えてしまうんや。

 いや、やっぱりどう考えても「ハンドシェイカー」に思い入れはなかったはずなのだが、「まさかあの作品からこういう方向に話を転がすのかよ」っていうのがちょっと意外で、なんだか笑ってしまった。やはり最大のサプライズはSMコンビの大出世だろう。どう考えても1期のときは単なるネタキャラ、いろんなニムロデの可能性を示すだけのかませ犬だったと思うのだが、それが時を経て精神的にも大成長し、今や主人公のご両親。血のつながりこそ無いものの、立派に父親を、母親を、そして夫婦を務め上げている。なんかもう、その様子をみているだけで満足してしまった。若い頃にやんちゃしてるカップルも、それ相応に成長して、あの頃揉まれた荒波を立派に乗りこなしているのですね。こういう年輪の重ね方ってとても良い。ブレイクさん、本当にいいキャラになったもんだよ。

 まぁ、そんな懐古要素に一番の満足感を得たので現代の若者バトルはぶっちゃけ二の次ではあるのだが、1期の時には基本的に男女ペアのみが手を繋いでいたのに対し、今回は同性ペアが多く出揃い、それぞれにホモとか百合とか言われそうな、そうでもないような、絶妙な距離感で文字通りに「手に手を取り合って」いる。それぞれのペアの生き様に、きちんと信念とつながりが見えるからね。全体的に比べると、2期キャラの方が1期のキャラよりも芯が強くて、うじうじした悩みが少なくなったからカラッとみやすくなったってのはあるかもしれない。別にうじうじ悩むのが悪いわけではないのだが、ただでさえ現実感がなくてふわふわした世界観なのに、その中でちっちゃいことに悩まれても「細かい部分がぴんとこねぇや」っていう印象になりがちだからね。神になるとかならないとか、全体的にレジェンド要素を強めにして大雑把な話にした方が、作品の作りに噛み合ってたんじゃなかろうか。

 あとはまぁ、GoHandsがその無体な作画技術をコントロールできるようになってきた、という部分もある……のかな、そこは正直よくわからんな。今後もこのデザイン性は変えることはないんでしょうかね。まぁ、このままのスタイルで行けるところまで行ってしまえばいいと思うよ。

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「かぐや様は告らせたい」 5→6

 うむ、よろしかったのではないでしょうかね。原作をちょっと読んだところで「これ、そんなにネタが長続きしないタイプのやつや」と思って2巻以降は読まなかった作品だったのだが、少なくともアニメ1クール分では全く失速することなく、満ち溢れる謎パワーをほとばしらせながらゴールすることができた。こういう変則的な設定のアニメを映像的に魅力ある作品に仕上げるのは難しいと思っていただけに、きちんと「アニメ作品」になったのはありがたいことである。

 視聴前の想像と違っていた部分は大きく3つ、1つは想像以上に縦糸になるシナリオ部分での成長はあったということ。ずっと同じような状況を重ねるだけのシチュエーションラブコメだと思っていたけど、ちゃんとかぐやも白銀も経験値を重ね、蓄積を踏まえた上での関係性が続くという。現在も連載が続いているということなのでおそらくそうした蓄積が本当に積み上がって煮詰まっている状態なのだろうが、単なるギャグに終わらずにラブコメとしての成長譚が縦に伸びていれば、そりゃぁ飽きずに観やすくなるのは当たり前の話である。

 2つ目は、メインヒロイン四宮かぐやを大切にする作品なのだろうと思っていたのだが、制作側も一切そんなことを気にせずに藤原書記にステ全振りしてきたこと。普通、こういう作品を預けられて「これ絶対サブヒロインの方がキャラたってるし人気出てるやつですよね……」と思ってもメインヒロインに気を使ってしまうものだが、今作はギャグのエッジを研ぎ澄ませているのは基本的に藤原書記だったりするので、適材適所で遠慮なくキャラのウェイトをいじって一番重い部分を打ち込めるようにしている。それが例のチカ千花ダンスだろうし、アイキャッチ部分などで挟む小ネタでの重用である。もちろんかぐやもきちんと可愛く描けているのは大前提だが、そこにばかりこだわらず、一番見栄えのする部分を毎回きっちり炙り出してくれるっていう制作スタイルは実に正しいと言える。そのわかりやすい発現が、藤原書記大暴れだったということだ。

 そして最も肝要な3つ目、監督の畠山守氏がこうした作品の舵取りでも充分個性を発揮して暴れてくれたということ。まぁ、こちとら素人だしクリエイターの向き不向きなんてさっぱりわからないので印象でしか物が書けないのだが、ここまでの氏の経歴を見ると、「さんかれあ」や「ローゼンメイデン」、そして「昭和元禄落語心中」みたいなじっとりと絡みつくような作品で真価を発揮していたため、「こういう勢い任せのギャグはギアを合わせづらいんじゃないかなぁ」と勝手に思い込んでいたのだが、そうだよね、アニメ作りの個性なんてそういう部分で制限されるもんじゃないよね。結局キャラの心情をどうやったら一番効率的に視聴者に叩きつけられるかを考えた結果としてのアニメなわけで、そこにギャグとかシリアスとかいう区切りはないのだよな。なかなか触れるべきポイントが定まらなかったので個別感想が書けなかったのが情けない話だが、今後は先入観抜きで、氏の作品作りを堪能することができそうである。

 いや、まぁ、最終的にやっぱり藤原書記が可愛いんですけどね。

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「不機嫌なモノノケ庵 續」 5→5

 特に大きな印象の変化もなく。まぁ、これくらいの内容かな、というお話。

 2期に入って芦屋についてのパーソナルな話が増え、あんまりキャラに思い入れが無い身としては「ふーん」っていう話も増えたのだけど、1人の人間を巡って、妖怪にしろ関係者にしろ、一枚岩ではないいろんな「もののけ感」というか「かくりよ感」みたいなものが見え隠れする設定は独特で面白い。ユルい雰囲気は醸し出してるくせしてちょいちょい命の危険に晒されたり、もののけたちのデザインがさっぱり可愛くなかったり、結構エグい話になっているのも1期から続く傾向で、単なるハートフル妖怪アニメだと思って油断していると思わぬダメージが飛んできたりするのもアクセントだろう。まぁ、「夏目友人帳」も同じような不可思議な緊張感のある設定なのだけど。本来、人と人ならざるものの関係って、そういう微妙なラインの上に成り立ってるんだろうね。

 ちなみに個人的に一番印象が残ってるのは、司法の絶妙なキモさである。あの見た目であの性格であの声……なんか、あらゆるミスマッチが組み合わさって作り上げられた、まさに「もののけ」である。

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「五等分の花嫁」 4→4

 やっぱこういうタイプの作品でどのヒロイン候補よりも妹が可愛かったらアウトだと思うんですけどね。世話焼き妹タイプが多いため、ヒステリーを起こす面倒な連中よりもよっぽど妹の方が癒しになるっていう……。

 結局スタートから終わりまで、1ミリも予想を裏切らずに終わるタイプのやつ。最近だと「ニセコイ」みたいなやつが近いのだが、複数のヒロインの中から最終目的地を決めてしまったらお話が終わるってんで無理なプロットでひたすら同じようなところをフラフラする。まぁ、マガジンもラブひなの伝統がありますのでね。伝統芸能として粛々と受け継いでいけばいいとは思いますが、別にそこまで求めてるもんでもないっていう。ハーレムものっていう区切りをすれば今期でも「デートアライブ」みたいな作品はあるんだけど、事前に「1人のゴールが決まっているよ」って事前に提示しているのが明確に違うんだよな。そこで一応、何がしかの推察というか、下馬評みたいなものが現れるわけで。まぁ、結局結論がわからないんだったらその描写に意味はないだろ、と思うんだけど。最終回の描写なんて単なる尺の無駄やんけ。

 正直、「誰がゴールなのか」っていう部分にあんまり興味はわかないんだよ。どうせ恋心の芽生え方もなおざりなので、5人それぞれの心情に寄り添ってドラマを観たいとも思わないのだし。そもそも「それなりに美人で巨乳の5つ子」とゼロ距離であれだけのコミュニケーションを取っているのに、男としての情動をほとんど見せることがない風太郎に感情移入できるわけもないしな。現時点で「恋心」みたいなものが芽生えるのは5人からの一方通行であり、風太郎はそれなりにイケメンムーブを見せてはいるのだが、それらが大体義務感とか経済観念から生まれるものであり、純粋に5人のいずれかに「思慕」を見せているシーンというのはほとんど無いのじゃなかろうか。そんな状態で「くっついてほしいな」と思うような感情もわかず……。単に5人の「顔は似ているけども性格が全然違う女の子とのギャルゲの序盤戦」を延々観ているだけ。攻略のモチベーションが主人公にない状態で、何を応援したものやら。

 本作はおそらく風太郎は単なる舞台装置というか、文字通りの当て馬でしかなく、それで何らかの感情を刺激された5つ子の中でのすったもんだを観て楽しむのが正しい鑑賞法なのだろうが、まずもって作画がショボいので5人に「かわいい」という感情がまず起こらない。とっかかりとなる性格の差も非常に紋切り型であり、「なんでそんな感情になるんや」とわからないことが多いのでついていくことができない。「5人そろってバカ」っていう時点で横並び一線、なかなか魅力も感じにくいのだが……次女みたいなごくごくシンプルなツンデレ設定とか、イラっとする要素しかないんだよなぁ。強いて順位をつけるなら……どれかなぁ、多分今後のムーブで一番個性が見せられそうな長女に期待を寄せるのが正しいのかしら。五番目とか、普段何してるのかもよくわからんしな(一番は妹でいいと思っている)。

 まぁ、そんなこんなでさらっと流して終わっていいと思う。個人的に加点要素があるとしたら、コテコテキャストの5人がそれぞれに「役を入れ替えて真似しようとするシーン」がいくつかあったこと。花澤的発声をする水瀬とか、そういう要素の楽しさは我々の業界では割とわかりやすいご褒美です。

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「バミューダトライアングル〜カラフル・バストラーレ〜」 4→3

 視聴動機の9割がオープニングで「るるるるんっ」することだった作品。いや、マジで。それって曲だけ再生すればいいんじゃね? って話だが、まったくもってその通りである。

 まー、お話の筋だけを追えば「よくあるいい話」で終わる内容だったのかな。途中からろくすっぽ観てなかったのでシナリオに関してはもしかしたら何か大きなフックがあった可能性はゼロではないが……流し見してた感じではそんなご大層な作品ではない。まぁ、ちょっとしたおとぎ話に少女の成長譚を加えて、「夢を持って独り立ちするのって大変だよね」っていう物語だったはずである。そしてそれを人魚という謎媒体を使って繰り広げていくだけ……。うん、やっぱりなんで人魚だったのかさっぱりわからんな。慣れないことするから画がおかしくなるんじゃないのか?

 本作で何がダメだったかと聞かれたら、もうそれはキャラデザである。作画が全体的に低調だったのは間違い無いのだが、前提としてのキャラデザが、まー受け付けない。こればっかりはなんでだかわからないのだが……どうなんだろ、生理的に不安になる作画ばっかりじゃなかった? 目の焦点があってないし、なんだか抽象画みたいなぼんやりとした輪郭に、生気を宿さない視線……もう、萌えアニメのはずなのにちょっとした恐怖すら覚えましたよ。今期は「理屈抜きでキャラデザが好きすぎるアニメ」も2本ほどあったのですが(1本は「わたてん」でしたな)、今作はそれとは対象的に「観ているだけでなんか怖くなる」というので本当に無理でした。お話がどうとかいう以前の問題だ。そしてまた、そんな不安定で直視しにくい作画でよくわからない魚系のモーションがつくでしょ? 名状しがたい何かだよ。いったいどこの層を狙ったマーケティングだったんだよ。

 まぁ、ラッコはちょっと可愛いとは思ったので、そこだけ救いにしておこう。なんであんな深海にラッコが生息してるかとか、そんなことは考えずに。「わからないからこそ分かり合えない、だからこそ面白いんだよ」とどこぞの天才双子妹が言ってますが、いや、無理。わからない。

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「逆転裁判 Season2」 4→5

 気づいたら2クール終わってるタイプの作品。まぁ、毎週「ピック表書きながら見るアニメ」という特殊カテゴリなので、どうしてもなおざりになりがちではあるのだが。

 しかし今回はちょっと点数が上がっている。あまりアニメ向きのゲームじゃないので最低限のクオリティでアニメ化されても全然ピンとこんよなぁ、というので4クールも見続けていた作品で評点が上がったのは初めてのこと。どのあたりが加点ポイントになったのかは大きく2つの要因がある。

 一つ目は、やはりシリーズが長く続いているおかげで厚みが出ているという部分。わかりやすい話だが、ゲームだって2作3作と繰り返し発表されていればマンネリを避けるために色々と凝った作りにしていく必要がある。第1作の時にはチャレンジングな作品作りのデザインそのものに視聴者が慣れる必要があるため、あまり無茶なプロットを組むことができず、全体的に幼稚な作りになりがちだ。作品全体を覆うコメディタッチの空気もあり、全体的にチープなイメージになりやすかった。しかし2期目にもなると色々とひねる必要が出てくるため、事件の構造、裁判の構造、そして解決の構造が複雑化してくる。そうなると、もうお約束だけの安易な作品作りでは成立しなくなってくる。事件の細部まで注意して伏線を置いて、ある程度筆を割いて書く必要に迫られる。人間関係や感情を含むドラマもまた然りだ。そのためにある程度尺も長めに取り、際どいプロットを成立させるための描写にも神経を使うようになる。おかげで、全体的に刺激の多いプロットが見られるようになったのではなかろうか。ちゃんと「法廷もの」というか「逆転裁判という作品世界そのもの」でなければ描きようのないオリジナリティ溢れるドラマ(言い換えればマジで無茶苦茶なドラマ)を臆面もなく描いているのは、作品の持ち味として評価すべきだろう。

 そして最も大事な2点目……美柳ちなみの存在である。うん、中の人なんだ。すまない。基本的に犯人サイド、悪人サイドにはわかりやすいクズを配置することが多い今作だが、単なるチンピラ枠ではなく、時代や生死まで飛び越えて数多の事件で暗躍するとんでもない悪女。そんなキャラがついに今作にも現れ、型破りな方法で事件と人間関係をかき回してくれた。その活躍だけでも「クズ女好き」としてはなかなかの高得点になるのだが、何しろそのCVが佐藤利奈なのである。最近は低音でのお仕事も増えて円熟味をましたサトリナワールド。今回のちなみ(あやめ)役は、そんな旨味を髄まで楽しめる本当に最高の配役。高飛車令嬢、狡猾魔女、クズ系悪霊、清楚系聖職者、ひっくるめてたった一作で幕の内弁当のごとく。もう、それだけでも満足ですわ。

 好きな要素は多い方がいい。楽しい人生を歩むための秘訣ですね。

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 カンセイダァ! 最終話! まさかの展開だよ、そこでルーイは予想してなかった。まぁ、あんまり必然性の無い展開にはなってしまったが……「圧倒的な強さを誇る敵になすすべないピンチ、そこで主人公に宿った未知の力が発現!」ってのは王道パターンではあるので、ここで創造主が初登場するのは様式美といえるのかもしれない。

 というわけで、アリスの想区も色々と急ピッチで話が進んだけどなんとか形の上でケリをつけた感じですかね。考えてみりゃ想区の住人がほとんどハッタ&ウサギだけでまかなわれてしまい、鏡の国に至っては赤白の女王すら姿を見せずに終わってしまったのは残念無念。まー、クライマックスに持ってきた時点で想区独自のギミックをいじる余裕は無いわなぁ。

 その代わりと言ってはなんだが、わかりやすいラスボスとして登場したのはロキさんご本人。「そのまさかですよ!」なんて人生で一度は言ってみたいセリフとともに(アニメでは)初めてのコネクトを行い、接続したのは何故かわからないけど初登場となるカオス・アラジン。なんでやねん、とは思うが、まぁ、これまでの想区と一応の繋がりがあって、ぱっと見で悪役ってわかるキャラってことでお鉢が回ってきたんでしょうかね。わざわざアラジンがらみのキャラにしたのは、多分ロキさんなりの心遣い。「意地でもあの巫女が嫌がることをやってやろう」っていういじめっ子の精神性が素晴らしいですね。カオスアラジンはリリースのタイミングが(無印の中では)割と遅めのヒーローなので、多分エクスたち一行のコネクトしてたヒーローよりはステータス部分が強い……はず。だからエクスたちは1対4でも太刀打ちできなかったと、そういうことにしておく。

 しかし、そんなカオスヒーローすら片手で消しとばしてしまうのが創造主って連中でね。流石に最近は闘技場でもみなくなったが、一時期はその顔をみただけで逃げ出したくなった最強キャラの一角であるルートヴィッヒですよ。実は僕、無印はまだ持ってないんですよね……ヴィルヘルムも持ってない。プニキだけで足りてる。流石に今後はもう創造主ガチャでリリースする機会も少ないだろうし、結局彼は手に入らないままになりそうな気がします。まぁ、とにかく「カンセイダァ」の一言で瞬殺されていたあの苦い日々。それをロキさんにも是非味わってもらいたい。そしてエクスはついに創造主というこの世界の1つの真理に触れることになったわけだ。ここから創造主やその他の仲間たちともあれこれあり、そしてさらにタオとの一件も……。

 ほらぁ、どう考えてもここまでの展開は序章なんだよ! まだ始まってもいないよグリムノーツ! 2期無いの? 無いよね?! 知ってるわ!

 

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<多色>
 
屋敷の踊り Dance of the Manse (X)(W)(U) R
ソーサリー
あなたの墓地にある、最大X枚までの対象の、点数で見たマナコストがX以下であるアーティファクトカードやオーラでないエンチャントカードを戦場に戻す。Xが6以上であるなら、それらのパーマネントは他のタイプに加えて4/4のクリーチャーでもある。
 「蔵の開放」を現代風に(?)アレンジした新作。一切合切戻ってくるわけではないが、コストに見合った分だけの払い戻しが行われる。Xマナ以下をX枚っていう乗算効果は緑のサーチ系呪文で使われることが多かったが、内容がはっきりわかっている墓地を対象にしてつかうことで安定した効果が見込める。基本的に「オーラじゃないエンチャント」ってのはあんまり多く使われることはなく、アーティファクト中心のデッキで爆裂アド狙いの決め技として採用されることが多くなりそうだ。8マナを超えると勝手にクリーチャーになって踊り出すおまけがついているが、これで召喚酔いの影響を受けるようになったり、クリーチャー除去で殺されるようになったりもするので完全にメリットというわけではないのに注意。こんなんあったら、なかなかテゼレットさんが出てくるチャンスがないな。
 
予言された壊滅 Doom Foretold (2)(W)(B) R
エンチャント
各プレイヤーのアップキープの開始時、そのプレイヤーは土地でもトークンでもないパーマネントを1つ生贄に捧げる。それができない場合、そのプレイヤーは手札を1枚捨てて2点のライフを失い、あなたはカードを1枚引き2点のライフを得て、【騎士トークン】を1体生成し、あなたは〜を生贄に捧げる。
 テキストがナゲェし、そのぶん効果も長い影響力の大きなエンチャント。基本的には「毎ターン各々がパーマネントをサクりましょう」という「煙突」の流れを汲む1枚。土地とトークンは費用に充てられないので選択肢はかなり少なく、お互いに割と早めに限界を迎えることになるだろう。一応、各プレイヤーのアップキープなので、サクり始めるのは相手からっていう部分に利便性がある。そして相手が先にねをあげたら、なんとライフ4点分、カード2枚分、そしてトークン1体分の優勝商品が手に入る。これをもらうために相手がギブアップするまでひたすらサクリファイス合戦を戦い抜くのである。特に必勝法などは無いので愚直にパーマネント(カード)を展開して頑張ること。ちなみに、「自分が先にギブアップしたら騎士トークン1つもらえるだけなのかな」と思ったが、自分が負けて勝負が終わるパターンって無いんだな(少なくともこれ自体をサクる選択肢があるため)。
 
湖での水難 Drown in the Loch (U)(B) U
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。
「対象の、そのコントローラーの墓地にあるカードの枚数以下の点数で見たマナコストを持つ呪文を打ち消す」
「対象の、そのコントローラーの墓地にあるカードの枚数以下の点数で見たマナコストを持つクリーチャーを破壊する」
 青黒が押す「相手の墓地の枚数」フィーチャーの万能除去。まさに青と黒をくっつけたような効果になっており、どちらもモードでも相手の脅威を根絶するので「暴君の嘲笑」以上に決定力のある2マナ呪文。もちろんその分の仕込みは割と大変で、今回のセットではシナジーを見込まれたカードが多いからなんとかなるかもしれないが、構築レベルではガチで相手のライブラリを削りに行かないことには使いにくいだろう。とりあえず僕ぁお手製のライブラリ破壊デッキに入れて使ってみたいですけど、黒を足すかどうかは悩ましいところやなぁ。
 
僻境への脱出 Escape to the Wilds (3)(R)(G) R
ソーサリー
あなたのライブラリを上から5枚追放する。次のターンの終了時まで、あなたはこうして追放されたカードをプレイしても良い。
あなたはこのターン、追加の土地1つをプレイしても良い。
 赤の「衝動的ドロー」効果に緑の「土地プレイ増加」を組み合わせて「なるほどそんな使い方が!」と感心させられる1枚。こうして既存のカラーパイが組み合わさって綺麗な多色カードになってる完成品を見るのは本当に大好き。実際、単に組み合わせただけなのに綺麗に1枚の中にシナジーが収まっており、5枚もめくれたら最低でも土地が1枚くらいは混ざってるだろうからそれがまず置けてマナ加速呪文として機能する。さらに次のターンにも追放した土地が置ければこれだけで5枚中の2枚が活用できたことになってアド得。当然「舞台照らし」の例を見ればそこからザクザクカードを唱えられることは明白なので、これだけの「ドロー」が弱いはずもない。5マナというコストは効果の割に重たくみえるかもしれないが、衝動的ドロー呪文でこれまで印刷されてきた「衝動的な行動」なんかと比較すると、圧倒的な進歩にびっくりするだろう。ある程度腰の据わったグルールデッキなら、爆発的なアドを期待して1、2枚採用してみたいカードになっているんじゃなかろうか。土地を伸ばすことを考えると無茶多色化した「ゴロス」や「死者の原野」系のデッキもありかもしれない。
 
フェイ庄の古老 Faeburrow Elder (1)(G)(W) R
クリーチャー・ツリーフォーク、ドルイド
0/0 警戒
〜はあなたのコントロールするパーマネントの色1つにつき+1/+1の修正を受ける。
(T):あなたのコントロールするパーマネントの色1つにつき、その色のマナを1点加える。
 0/0のツリーフォークなので「ははーん、味方クリーチャーの量でサイズが変わるやつだな?」と思ったら、まさかの色参照からのマナクリーチャーだった。面倒な書き方になってしまっているが、とりあえずこいつ自身が2色なので2/2が確定、タップをすれば(G)(W)が出る。さらに多色デッキに広げているなら一気に5マナを得て「初祖スリヴァー」なんかを出すことだって可能かもしれない。マナ能力自体は「花を手入れする者」と全く同じものなので、このクリーチャーをうまく使うコツは、彼の生まれたシャドウムーアでフィーチャーされていた混成マナにある。混成はどちらの色にもカウントできるので、うまくいけば島が1枚もない状態から青マナに接続したりもできるのだ。まぁ、今回のリミテ環境はそこまで混成が多いわけでもないようだが……。複数マナを一気に生み出せるポテンシャルがあり、さらにサイズまで付いてくるので、案外無茶したデッキを組んでスタンで活躍する姿も見られるかもしれない。最近は「死者の原野」のパッケージのせいで色マナなんて気にしないデッキも多いからなぁ。あ、でもパーマネントの色しか数えないのか……ボーラス出せボーラス。
 
呪われた狩人、ガラク Garruk, Cursed Huntsman (4)(B)(G) M
伝説のPW・ガラク
<0>: 2/2で「このクリーチャーが死亡した時、あなたのコントロールする各ガラク・PWに忠誠カウンターを1つ置く」を持つ黒緑の狼・クリーチャー・トークンを2体生成する。
<-3>: 対象のクリーチャーを破壊する。カードを1枚引く。
<-6>: あなたは「あなたのコントロールするクリーチャーは+3/+3の修正を受けるとともにトランプルを持つ」という紋章を得る。
【5】
 突然のガラク!! おめぇこんなとこにおったんかい! とにかく長年音信不通でボーラスの呼び出しにすら応じなかったガラクさんがようやく元気な(?)姿を見せてくれただけでも良しとしましょうや。
 能力は相変わらずのガラク。殺伐としてるせいで能動的に忠誠度をあげる能力を持ってないあたりはまだまだクレイジーなご様子だが、一応、ゼロ能力は最大2つも忠誠度を跳ね上げる可能性があるわけで、むしろ危険度は増したといえるかもしれない。相手としてはこの時限爆弾みたいな狼は放っておくしかなくて、下手に触ってガラクの機嫌がよくなると、即座に紋章モードに突入してゲームが終わってしまう。ガラク側プレイヤーも、基本的には狼を連打して「殺してみろよ!」と挑発するプレイングになるが、どこで−3能力を使うかってのも使い手のセンスが試される部分。フライヤーだらけの戦場では諦めてマイナスして死んでいくしかないでしょうね。こうしてみるとやっぱりクセが強いので万人ウケするカードではないだろうが、書いてある能力は結構なバカ。使いこなせるデッキが出てくることを期待しよう。
 
太っ腹、グラングリー Grumgully, the Generous (1)(R)(G) U
伝説のクリーチャー・ゴブリン、シャーマン
3/3
あなたのコントロールする他の人間でないクリーチャーは、追加の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。
 人間キライキライゴブリン。いや、人間が嫌いなのかはよくわからないし、そもそも怪しげなきのこを食べさせてドーピングしているようなので人間以外が好きなのかどうかもよくわからない。とにかく人間以外が強くなる。3マナで出しておくだけで後続みんなが一回り大きく登場するってのは割と壊れ気味の効果で、特に大量のトークンをばらまくようなギミックとの相性がいい。うっかり見逃しそうだが、今回多数採用されている「騎士トークン」はあくまで「騎士」であって「人間」じゃないなんてところにも注意が必要だ。まぁ、わざわざトークンを使わなくてもリミテッドだと雑に強い。
 
型破りな協力 Improbable Alliance (U)(R) U
エンチャント
あなたが各ターンに2枚目のカードを引くたび、【フェアリートークン】を1体生成する。
(4)(U)(R):カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
 ドワーフとフェアリーの不思議な関係。ドワーフがフェアリーを守り、フェアリーがドワーフの行く道を照らす。いろんな種族がいる世界なんだし、もっとこういう変な組み合わせが観られれば面白いんだけどね。さておき、イゼットギミック「1ターン2ドロー」をダイレクトに支援するアーキタイプ推しカード。ここからドラフトを始めてきっちりギミックを集めていくのが目標になるが、その際に真っ先に押さえるべきはキャントリップやルーターの類である。「1ターン2ドローしたら」と書いてあるカードをたくさん集めたくなるが、そちらばかり集まって肝心の種火が引けなくては話にならない。最終的にピックに失敗したとしても、ドロー呪文やルーターなら最低限の仕事にはなるのだ。つまり、世界はオプトでまわっているのである。で、このカードはそうした「どっちを引けばいいんだ?!」の問題を「どっちもでしょ」という分かりやすい形で対処してくれるナイスな1枚。単なるルーターにしては激重いが、あくまでそれは保険と考え、とにかくカードを引き回すことでフェアリーによる盤面の制御を狙っていこう。このカードが「苦花」になれるかどうかは、他のパーツにかかっているのである。いや、あんなコワレにはならんでいいのだが。
 
鼓舞する古参 Inspiring Veteran (R)(W) U
クリーチャー・人間、騎士
2/2
あなたコントロールする他の騎士は+1/+1の修正を受ける。
 日本語名だけみるとどこぞの界隈で迷惑がられる老害みたいなイメージにしかならないカード。「最近の若いのは気概がない! 俺たちの若い頃は!」って鼓舞してくれる。うざい。若い頃はああはなるまいと思ってたんだけど、やっぱり歳をとると意識せずにそういう言動が増えてくるなぁ、って最近思うようになりました……あぁ老害ライフ。でも、このカード自体は娘さんの騎士ごっこに付き合ってあげるナイスパパさんだったよ。めでたしめでたし。閑話休題、ダイレクト過ぎる騎士支援装置。2マナ多色のロード能力ってことでイクサランの「軍団の副官」とか「マーフォークの霧縛り」と同じ立ち位置。これが複数枚固め取りできるならボロス騎士は結構やばい存在になりそうな気がするんですが。普通に構築レベルで騎士デッキが火を吹くことになりそう。
 
メア湖の海蛇 Lochmere Serpent (4)(U)(B) R
クリーチャー・海蛇
7/7 瞬速
(U)、島を1つ生贄に捧げる:〜はこのターンブロックされない。
(B)、沼を1つ生贄に捧げる:あなたは1点のライフを得て、カードを1枚引く。
(U)(B):5つの対象の、対戦相手の墓地にあるカードを追放する。〜をあなたの墓地から手札に戻す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。
 暗き水の淵より現れる海蛇。これもまた「なんか水に潜んでるでかい化け物」系モチーフの具現化と見ることができるだろうか。突然出てくる瞬速仕様のおかげで単なる肉としても充分強く、1枚でゲームを決められるサイズと確実なダメージ性能は構築クラスの可能性もあるデザイン。島の能力も沼の能力も、出てきた次のターンに即座に活用できるのがありがたい。そして相手の墓地を活用する謎の復活ギミック。墓地のカードを追放するのはコストではなく効果になっており、これはつまり「相手の墓地が5枚未満だと起動できないよ」ということ。もしこれが無尽蔵に起動できてしまうと、2マナでいくらでも墓地から戻ってくる新時代のホガークみたいになっちゃうので一応のデメリットとして設定されている。ただまぁ、どう考えても2マナは安すぎるわけで、これを先に墓地に埋めておけば相手の墓地利用を完封しつつ、程よいところで帰還してフィニッシャーの役割を務めることができる。あらゆる環境で活躍がきたいできる、珍しくヤバさを抱えた海蛇だ。
 
マラリーフのピクシー Maraleaf Pixie (G)(U) U
クリーチャー・フェアリー
2/2 飛行
(T)(G)(U)を加える。
 毎度おなじみ、シミックの多色アンコ枠。毎度のことながら間違い探しみたいにして微妙に違ったマナソースを繰り出してくれる。今回はそこまでマナを出すことには執着しておらず、この枠では定番となった2/2フライヤーというステータスと同時におまけのようにマナ加速。攻めて良し、展開して良しの美味しいとこ取りだが、どっちつかずの印象も。まぁ、使いやすいんだから文句の言いっこなしで。ところでマラリーフって何? 下ネタ?
 
王冠泥棒、オーコ Oko, Thief of Crowns (1)(G)(U) M
伝説のPW・オーコ
<+2>: 食物トークンを1つ生成する。
<+1>: 対象のアーティファクトかクリーチャーは、全ての能力を失い基本のパワーとタフネスが3/3の緑の大鹿・クリーチャーとなる。
<-5>: 対象の、あなたのコントロールするクリーチャーかアーティファクトと、対象の、対戦相手のコントロールするパワー3以下のクリーチャーのコントロールを交換する。
【4】
 御伽の国に突然現れた謎のパンクロッカー。いや、どうなんだろう、これはこれでメルヘンな格好と言えないことも……ないのかなぁ。とりあえず新規PWである。どうにも素性の怪しいやつだが、緑青ってぇと単に気分屋さんで悪いやつではないんだろうか。過去の青緑PWっていうとタミヨウとかキオーラと同じだが……曲者には違いないですね。
 さておき、そんなオコさんの能力はこれまた曲者揃い。3マナPWという軽量設定なのであまり無茶な能力は搭載できないわけだが、プラス能力が+2っていうだけでもかなりの厄介者なのは間違いない。効果は最低限のものだが、3ターン目に忠誠度5はやっぱりうざすぎる。さらに真ん中の能力で相手の肝心要のカードを抑え込むことも可能で、これが何故かマイナスじゃなくてプラスなのが恐ろしいところ。前のターンに出した食物を鹿に変え続けて+2、+1と起動していくのが基本の勝ちパターンということになる。マイナス能力(奥義)はちょい使いづらい設定ではあるが、どうせ交換するのは自分で出した食物になるんだろうから、最低限の出費で相手の勘所をゲットできるなら安いもの。いっそのことムー・ヤンリンと手を組み、ヤンリンでパワーを下げて誘拐するなんてのももちろん合法だ。不審者には違いないが、今後はちょこちょこお見かけしそうな厄介な事案である。
 
荒くれたちの笑い声 Outlaws’ Merriment (1)(R)(W)(W) M
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、次のうちから1つを無作為に選ぶ。選ばれた性質を持つ白赤のクリーチャー・トークンを1体生成する。
「3/1で速攻とトランプルを持つ人間・戦士」
「2/1で絆魂と速攻を持つ人間・クレリック」
「1/2で「このクリーチャーが戦場に出た時、これは任意の対象に1点のダメージを与える」を持つ人間・ならず者」
 民間から有志を募ったので、どんな人材がくるのか分からないという珍妙な人材募集エンチャント。やってくるのは「それなりの腕っぷしの戦士」「治癒魔法に長けたクレリック」「物騒なならず者」の3名。それぞれクリーチャーとしては2〜3マナくらいのイメージの連中なので、これが毎ターン無料で派遣されてくるとなればかなり効率のいいビズリーチには違いないのだが、誰がくるか分からんってのも悩ましい話。特に1点飛ばしならず者は戦力としてはあんまり期待できないので、火力が有効かどうかによってかなり評価が変わる結果である。まぁ、「頭数ならなんでもいい」っていうデッキで使うべきなんでしょうね。徴兵開始が次ターンのアップキープからなので、出した直後に割られると実入りがない。いちいちダイス振らなきゃいけない(他の方法でもいいけどさ)のは面倒だし、神話のデザインとしてはやや微妙なラインかも。そしてなにより、3種類のトークンを別々に管理しなきゃいけないのがめんどくさい。
 
王家の後継ぎ The Royal Scions (1)(U)(R) M
伝説のPW・ウィル、ローアン
<+1>: カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
<+1>: 最大1体までの対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+0の修正を受けるとともに先制攻撃とトランプルを得る。
<-8>: カードを4枚引く。そうした時、〜は任意の対象にあなたの手札の枚数に等しい値のダメージを与える。
【5】
 でました、このセットの看板キャラクター、ウィル&ローアン・ケンリス。初登場は「バトルボンド」のときなので、共闘できるPWという珍しいデザインが注目を浴びたが、共闘能力が使えない通常セットで収録されるにあたり、初の「2人で1枚のPW」というデザインが適用された(「レンと六番」は、まぁ……)。カードタイプのところにPWの名前が2つ書かれているのは史上初に違いないでしょう。そうしてわざわざ特殊な形式になったのだから能力の方もさぞかしトリッキーなものに……と思ったら、割と地味だった……まぁ、3マナで初期忠誠度5(6)っていう尋常ならざる固さこそが「2人揃ってる」感の表れなのかもしれないけど。とりあえず、クリーチャーがいないならルーター、クリーチャーで攻めてるなら増強。それだけのシンプルな支援装置。展開が早いので「自分を守る能力」が無くとも他の手数で成長を支えることは難しくないので、割とあっさり奥義の発動まで持ち込める可能性は高い。そこまで行けば、4ドロー+除去でめでたく爆アド展開に至る。立ってるだけなら大したやつじゃない割にマストで対処しなきゃいけないという、実にいやらしい設計である。もう、ナーセット置いて放っておけばいいんじゃなかろうか。それにしても、お父ちゃんが白いのに娘が赤くなって息子が青くなったのはなんか理由があるんでしょうかね。まぁ、お父ちゃんは白いっていうより「節操がない」って言った方が正しいキャラか。
 

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「魔法少女特殊戦あすか」 5→5

 最終回で突然彩陽が喘いでたのはちょっとワロタ。色々といい声が聞けるアニメでしたね。

 今となってはすっかり「スタンダードな」魔法少女ものとすら言えるあたり、現代アニメ文化のねじれを痛感せざるを得ない状態ではあるが、マジで「普通の」というしかないのがびっくりである。まどかさんが概念にまでなって守っている日本の魔法少女文化というのはかくも刹那的で、いびつなものである。

 本当に「魔法少女」である必要性は特にないんだ。全員が「フルメタル・パニック!」みたいな「超強い軍人」であれば設定上問題ないわけだし。アウトローな雰囲気を出したいなら「BALCK LAGOON」みたいな非正規の荒事屋っていう設定でもいいだろう。そうではなくてあえて「魔法少女」という看板をつけているのは、「マジカル火炎放射〜」みたいなわけのわからない単語を出して「どこが魔法やねん!」というツッコミを待ちながらミスマッチを楽しむためのもの。そう考えると本当に悪趣味な文化ではあるが、実際にこれが一定のニーズを維持しながら脈々と受け継がれる文化になっているのだから、存在価値がある面白さということなのだろう。実際、今作を見てても「なんでやねん」とか「無茶苦茶やがな」とか「やめたげて」とか随時ツッコミは出てしまうし。そういう意味では、もうすっかり伝統芸といえるジャンルなのかもしれない。

 そんなジャンルの中で今作特有の面白みというと、やはりがっつりミリタリーと絡んでいる「軍規」との合わせ技だろうか。魔法少女がマズいミリメシを食い、泥水をすすりながらのバトルというのも本当に殺伐としていて画の力が強い。それぞれのヒロインもしっかり軍人魂が叩き込まれており、不動の職業意識を持って戦い抜いているところがなかなかに凛々しい。軍人気質の中にも最低限の個性は活きるようにキャラが配置されているし、一番主張が薄いのが実はヒロインのあすかであり、彼女の葛藤を中心にして一般人と軍人仲間がそれぞれに新たな世界の闇との戦いに巻き込まれていく様子は、社会派の雰囲気も醸し出しつつ、シニカルな視点で現代社会を描いているのでどこかにリアルな空気も残している。いろんなジャンルの美味しいとこ取りなのは間違い無いのだが、それぞれのジャンルを混ぜ込んで決して食い合わせが悪くはなっていないので、作品の構造としては満足いく出来である。まぁ、良くも悪くも「どっかで見た気がする」なのでオンリーワンやナンバーワンになりにくいのは悩ましいところだが。

 あとはまぁ、中の人たちを楽しむ部分が大きいかな。喘ぎ声、悲鳴、嬌声。各方面からごちそうさまでした。手軽に拷問できる作品は良いですね(問題発言)。

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