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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「SSSS.GRIDMAN」 5

 グリッドマン! Baby DANDAN! Baby DANDAN! 本当にね、まさか25年越しでこんなところで再会するとは思ってもみなかったよ! まぁ、ついこないだ「働くお兄さん!」にカーンデジファーさんと一緒に出演してたけども(あれも本作のプロモーションの一環だったんだろうか)。兎にも角にも、オープニング曲「夢のヒーロー」は本当に名曲なので、是非世界中の全人類に知ってほしい。

 とりあえず過去話から入ろう。スーパー戦隊シリーズとの絡みで何度か書いているが、私は幼少期にあまり特撮に接しない子供だった。上に兄がいるというのが一番大きな要因だと思うのだが、家庭の中で需要する娯楽は、上の兄弟の好みが優先され、弟は大体それを追いかけるもの。兄も幼少期は戦隊やライダーを観ていたのだろうが、大きくなってそこから離れてしまうと、弟の私はテレビで「自分の世代にマッチした」番組を見るチャンスが減ってしまったのである。しかし、何故か分からないが「グリッドマン」だけは観ることができた。何故なんだろう。今にして思えばその理由もよく分からないが、兄とは関係なしに見られる夕方の番組だったことが功を奏したのかもしれない(どっちかっていうと妹と見てた)。とにかく、最初から最後まで全部見られた特撮作品は多分これが人生で初。そこから、当時はメジャーな娯楽だったレンタルビデオを経由して、少しずつ「ウルトラマン」シリーズを消化し始めることになる。さらに蛇足ついでに語っておくと、今作とアニメ「南国少年パプワくん」が同時期の作品であり、少年時代の私は、たまたまそこで「あれ? グリッドマンとシンタローのところに同じ名前が書いてある……」という事実に気づく。後に声優地獄に沈んでいく人生の端緒とも言える、そんな思い出深い作品なのである。

 閑話休題、そんななんとも懐かしい作品であるが、さて、なぜ今の時代にこれが掘り起こされてきたのかは全くの謎だ。確かに、当時は非常に斬新で、技術的にも挑戦要素をふんだんに盛り込んだ野心的な作品だったのは間違いないだろう。だからこそ子供時代の私も夢中で見ていたわけで、面白い作品をリメイクするのは真っ当な判断である。ただし、時代性を考えれば今更のグリッドマンに新奇性などあるはずがないというのが1つ目の疑問。さらに、特撮として見るべき点が多かった作品が、なぜ今になってアニメ化されるのかというのが第2の疑問。アニメにした時にグリッドマンのオリジナリティが際立つとは考えにくいし、そもそも「ゴジラ」を見ている時にも思うことだが、元が特撮だった作品をアニメにして、どこまで旨味があるのかというのは割と懐疑的である。現実と空想の間に挟まる特撮だからこそ際立つ部分も、アニメにすれば「よくある要素」でしかなくなる危険性が高く、原作ファンにとってはがっかり要素になってしまいかねない。

 もちろん、1話目を見る限りではTRIGGERもちゃんと「特撮らしさ」を維持しながらアニメ的に見せたいという意識を持って挑んでいることがわかる。多少鈍重そうなグリッドマンのモーションとか、とにかくでかさを見せたい怪獣の存在感など、まさに「特撮が得意とする部分」から逃げずに描きこんでいるのはお見事だ。舞台は一応現代だと思われるが、住宅街に張り巡らされた電線がやたら存在感を主張するなど、「怪獣と街」の関係性を演出するツールが効果的に使われているのも注目ポイント。なんだか、特撮美術で作られるはずの伝統美に対して徹底的にオマージュを重ねているような作品である。

 そうして旧作へのリスペクトがうかがえる反面、それらに集中しているので「活劇アニメの1話目」としてはなんだか消化しにくい展開でもある。非常に静的な場面が多く、止め絵やコマ送りなどで不思議な間の演出が繰り返される。癖のある演出とヒーローの掴みにくい扱いは、なんだか「ガッチャマンクラウズ」を彷彿させる。やはり、過去の名作をリメイクする時には何か大きな革新を求める傾向にあるのだろう。これからも同様の演出は続いていくと思うが、これが作風にあったものになるのかどうかはこの先を見守るしかない。

 良い方にも悪い方にも振り切れそうな作品。是非とも懐古成分以外に一本のアニメ作品としての爆発力を持って欲しいと願うばかりである。なお、今作でも上しゃまは可愛い。

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○「抱かれたい男1位に脅されています。」 5

 全盛期の五十嵐亮太ばりの火の玉ストレートをど真ん中にぶち込んでくるBL作品。あまりの直球ぶりに脳幹が損傷するこの感覚、思えばずいぶん久しぶりに味わうものである。

 実は、百合作品は多いがホモ作品でダイレクトな表現を突き詰めたアニメって、そこまで多くないんだ。前クールなら「Free」みたいな明らかにそっち狙いの作品ってのはあるんだけど、別に性的な要素を取り入れる意図はなく、あくまで「イケメンがいっぱいいてなんかイチャイチャしている」というレベルでとどまる作品の方が主流。エロまで突き詰めようとするとまだ業界的に後ろめたさがあるのか、本数自体はそこまで増えないのである。こうしてダイレクトなホモォっぷりを見せつけてくれる作品は、個人的には「世界一初恋」以来な気がする。いや、絶対その後の時代にもいっぱいあるんだけど、私の脳が積極的に記憶をデリートしてるだけだとは思うんだけどさ。

 毎度毎度「向きじゃない」というその一言で逃げることにしているジャンル。私は絶対に「男同士の肉欲」というものを理解は出来ないと確信しているし、わざわざ開発する必要もないので「受け入れないでおこう」と思っているわけだが、こうして久しぶりに見ると……やっぱ怖いが……遠慮がない分パワーに全振りしてる感はすごいな。これ、興味のない人が「citrus」を見ると同じ感覚になるんだろうか。なんかねぇ、受け入れられないのは間違いないし、心の底から「ウワァ……」っておもうんだけど、その節操のない筋運びも、頭の悪そうな恋愛脳も、「こういう世界はあるといえばあるんだなぁ」と不思議な感慨も伴うという。私という一個人もLGBTに配慮してこういう作品を楽しめるように……。

 ならないとは思いますが。映像部分、演出のテンポなどなど、アニメとしての基準値はクリアしている作品なのである。「抱かれたい男1位と2位が同じ布団にいるって、とんでもなく不毛だな……」っていうセリフ、不覚にも笑ってしまったしなぁ。いや、不毛だとか生産性だとか言い始めると、国会レベルで問題になるから気をつけた方がいいですよ。

 しかし、これってなぜか制作がCloverWorksで監督が龍輪さんなんだよな。さすがにシャフト以外での監督って初めてだよな。ただ、確認したら実は「citrus」でもチーフ演出に加わっていたようで、もしかしたらこのまま同性愛の伝道師になっていく可能性が微レ存。いや、ねぇよ。

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○「ゴブリンスレイヤー」 5

 冒険者はみんなグリムガル観て勉強してからミッションに挑もうな。まぁ、どの世界でもゴブリンが同じ存在かどうかわからんけど。考えてみりゃ神河ゴブリンとローウィンゴブリンだって別種族かよ、って思うくらいに容姿も性格も性能も違うんだから、そりゃいろんな世界にいろんなゴブリンがいてもおかしくはないんだよな。

 原作は知らんが、なんか色んなところで断片的な画像だけ見たことがあるのでなんとなく内容のイメージを持っていた作品。どんな画像が展開されているかは知っている人も多かろうが、大体は「陵辱系のキツい描写がある異世界ものもあるんやで」という形で、本作のハードな部分を取り扱う場合が多い(単にエロいシーンとして紹介される場合も多いが)。おかげで1話目の展開なんかも大体予想ができていたので、驚きも特になかったのはちょっと勿体なかった。知らない作品は完全にニュートラルな状態で見たいもんである。

 ちょっと調べてみると、別に本作は「なろう」とかは関係ない出自なのね。言われてみればファンタジー世界ではあるけど転生もしてないし、お約束のバーチャルゲームな設定もない。いわば「ロードス島戦記」みたいな純正ファンタジー作品というカテゴリに入る作品だ。そういう世界でゴブリンとの対決だけを描こうというのはなかなか潔い判断だし、少なくとも1話目の展開は割と面白かったとは思うのだが……、これ、どう考えてもこの1話目でお話は完結してるよね。調子に乗った若者が痛い目を見る寓話としては完全に成立しているし、1話目のゴブリンスレイヤーさんの立ち回りで大体この世界におけるゴブリンの存在、そしてそれを討伐する者の目的意識も理解できてしまい、あとは「ただゴブリンを殺す」っていうだけだと2話目以降に話が面白くなる展開があるのかどうか……サーチ&デストロイの物語になるのだからドラマを作るには敵を強くするしかない気がするんだが、もしかして、色んな村とか色んな設定でおんなじようにしてゴブリンをナメくさってたやつが困ってるところにスレイヤーさんが駆けつける展開を繰り返すんだろうか。「笑ゥせぇるすまん」みたいな話だな。

 そんなわけで、1話限りのお話としてはまとまりが良いのだが、「シリーズアニメとして次に何がくるねん」という部分で途方に暮れてしまったよ、というのが正直な感想。これ、構造的にすげぇ引っかかる点があって、これだけゴブリン被害が深刻な世界なんだったら、どう考えても冒頭のアホみたいに「ゴブリンでしょ、ヘーキヘーキ」とかいう奴が出てくる理由がないんだよな。冒険者ギルドがあるんだから、各地で似たようなゴブリン被害が出たのだとしたら、ちゃんと横のつながりで持って農村部などのゴブリン被害が出そうな場所には「決して野生のゴブリンに素人が手出しせず、専門家に任せましょう」みたいな常識が出来上がっていそうなものなのだが。日本で言えばスズメバチみたいなもんでさぁ。まぁ、年間何人ぐらいスズメバチを侮って死んじゃう人間がいるかは知らんけども……。その辺りが微妙に「小説媒体での我々目線の常識」と「作品世界におけるゴブリンがリアルに存在するレベルの常識」がごっちゃになってる感じがちょっと気になった。今後その辺りの理由づけは補強されるんかな。

 まぁ、良くも悪くもこの先が読めないアニメなので、黙って見守るしかないだろう。WHITE FOXの作画ということで大崩れはなさそうだし、実は倉田英之脚本という地味なセールスポイントもあったりする。今後エロくなるのかどうかも、大事な要素ですかね(そうですよね)。

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○「ラディアン」 5

 番宣見たときに絶対にキャラデザが真島ヒロだろうと勝手に思い込んでたんだけど全然関係なかった。フランス人作家の漫画原作らしいんだけど、わざわざ日本テイストに寄せて描かれているらしいので、ワンピースとかレイヴとか、その辺がモデルになったりしているのかしら。

 タイトルは「ラジアン」なのかと思ってたら「RADIANT」って書かれてたわね。Magicで言えば天使の名前なんだが、こちらでは何の名前なんだろう。とりあえず、「真島ヒロっぽくね?」って思った第一印象はそこまで間違ったものではなく、すごく真っ当な、懐かしいくらいの印象の少年漫画の第1話である。ジャンプでも新連載漫画の1話目は大体こんなんだし、読み切りでこれの雛形を作って連載に持っていく形が多いよね。本当にそんな「今まで何度も見た1話目」なので特に入り込む余地もなかったのだが、まぁ、別に悪いこともないというくらいの印象。

 制作がラルケ、監督が岸誠二といういわゆる岸ラルケ体制の作品。これがNHKで放送されるのはなんだか意外な気がするが、原作ありの作品の場合、割と手堅い作品作りをしてくるスタッフなのでNTVの5時枠には案外ちょうど良いのかもしれない。全体的なデザイン性も見やすさが優先されており、「魔法の世界」とはいっても特別ファンタジーな要素を強く押し出すわけでもなく、「ファンタジー冒険ものの入門編」としてはちょうどいい具合。まぁ、それだけに退屈な展開になってしまう恐れもあるが……この時間帯はこれでいい、とポジティブに受け止めていこう。ちゃんと毎週追いかけられればいいのだが。

 キャストに関しては、「お前どう考えても魔法使いじゃなくて錬金術師じゃん」っていうババアがいたこと以外で気になる点は、正直いうと、メインのゆみりがちょっと高音すぎるのが気になる。「ハッピーシュガーライフ」でもあさひ役を難なくこなし、「少年役もできるんだぜ」と器用なところを見せつけたゆみりだったが、今作の主人公・セトはもうちょっとやんちゃで多少年齢が上がってるような印象があるため、さすがに女声そのままだと違和感がある。もう少し低めの音域でださればいいんだろうが、快活な少年キャラだろうからあんまり抑えめにもできず、あの辺りの高さに落ち着いたんだろう。そのうち慣れるとは思うのだが、原作のキャラ設定はこんなもんでよかったのかしらね。

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○「逆転裁判 Season2」 4

 2年半のブランクを空けての2期目ということで、一応新番チェックの対象にカウント。土曜の読売枠も本当にタイトルが安定してるんだけど、どの作品が数字を出しているのかよくわからんな。個人的にはずっと「タイムボカン」やっててほしい枠。

 1期は特に作画がガタガタだったことであまり印象がなかった本作。2期目になって制作がCloverWroksになり、一瞬スタジオが変わったのかと思ったがCoverWorksってA-1の分派だから事実上同じスタッフだと思って良いんでしょうかね。だとしたらまたあの作画なのかなぁ、という不安が先に立ってしまう。幸いにして1話目はそこまで気になるもんでもなかったが、もともと動きが少ない話だったというのもあるし、だからと言って見たい作画かと言われればそうでもないし。

 前作を見ていてしみじみ思ったのは、やはり今作は徹底してアニメ向きじゃないんだ。ゲームなら捜査パートをじっくりやって、手がかりを揃えた状態でアクションゲームの要素がある法廷パートに移るという展開はメリハリが効いているのだが、アニメの場合、特に法廷パートは完全にオートで流れるだけになるわけで、単なる辻褄合わせの展開でしかなくなってしまう。ギャグのテイストを多めに入れるのでネタ部分もなんだかなぁ、という印象が強く、マジにしてもネタにしても振り切れない印象。「ダンガンロンパ」なんかもそうだけど、やっぱり自分で整合性を考えながらロジックを積み重ねていく部分に面白みがあるわけで、そこをただ説明文で流されるだけでは存在意義の多くが失われてしまうんじゃなかろうか。

 今回1話目で展開された話は、捜査パート無しでその場の手がかりから答えを探っていくというちょっと特殊な設定になっており(ゲームでは「2」の1本目のシナリオにあたり、チュートリアルの役割を兼ねた軽めの問題なので)、リアルタイムで考えるという意味では一番アニメとゲームがシームレスで接続しやすいお話だった気がするのだが、チュートリアルなので難度が低く、結局見ててもあまり満足感がないのが残念なところ。でもまぁ、「タイムボカン」と同じくらいの年齢層が対象だと考えれば案外ちょうどいい難度設定なんだろうか。でもさ、この番組の直後にやってるのが「コナン」なんだよね……コナンで推理に慣れてしまっている少年少女(そんなのおるんか?)に見せたら「なめるな」って怒られそう。バランス配分が難しいなぁ。

 過去の実績があるのであまり期待せずに流していくことになると思うが、まぁ、土曜のこの枠はおおよそ「ピック表書きながら見るアニメ」なので、あんまり負担にならないくらいでちょうどいいです(前期はヒロアカとメジャーという最高のラインナップでした)。

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○「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」 6

 イタリア人は胸筋を見せつけるような服を着なきゃいけない法律でもあるんだろうか。原作通りのデザインなのは間違いないんだが、やっぱりこうしてアニメになると相変わらず凄まじいセンスで笑ってしまうな。

 さぁ5部だ。いつだって議論の的になる「何部が一番好き?」っていう質問に対し、一応4部が好きって答えるのだが、負けないくらいに5部だって大好きだ(3部も好きだ)。個人的には3、4、5部のあまりにも自由すぎる作劇と少年漫画的バランスが一番脂の乗った荒木節だったんじゃないかと思っている。もちろんその後だって凄まじいけど、趣味に寄りすぎてブレーキ効かない部分が出てくるからな。まぁ、そっちの方が好きっていう意見も分かる(どの部もみんな違ってみんな良いっていう穏健派)。

 しかし、そんな5部だけど「アニメにしたらどうなるか」っていうのはやっぱりハラハラするもんでね。荒木先生が自由になればなるほどデザイン性が研ぎ澄まされていき、どんどん凡人ではついていけない領域に入っていく。漫画としての表現の最大値を狙っているおかげで、それがアニメになるなんてことは欠片も考えてない。そんな無茶苦茶なものをアニメにしろって言われても無理ってもんでね。ジョジョシリーズが長年アニメ化されなかった理由も、そうした孤高の存在感に到達できなかったためではないだろうか。しかし、数年前から始まったアニメ化の波は、賛否こそあれ、一定の品質で4部までのアニメ化に成功。そして2年のブランクを経て、ついにこのイタリアの地にたどり着いた。さぁ、このアニメはどこまで荒木ワールドに近づけるだろうか。

 正直、全部が全部原作通りになる必要もないとは思っている。ぶっちゃけそんなの無理だろうし、アニメ的にプラスできる要素があるならチャレンジするのも良いだろう。そうしてローカライズされた新作が今回のアニメなのだ、とある程度割り切って見た方が楽しめる。熱心な原作ファンなればこそ、旧作でもそんなことをよく感じたものである。今作が「GIOGIO」表記でなくて「JOJO」表記になっているのも、もしかしたらそんな意識の表明なのかもしれない(まぁ、単に前シリーズとの整合性を取っているだけだと思うけど)。1話目を見ると、冒頭部分にそれなりの量のオリジナル展開を加えており、ジョルノが康一との出会いの日まで、どんな生活を送っていたのかを垣間見ることができる。ジョルノの持つ「黄金の心」と「ギャングの魂」の絶妙な配分をアニメスタッフなりに解釈したパートである。こういう要素を入れて、そこまで熱心でないファンでも手軽に見られるような作品作りという方向性は、おそらくニーズに合致したものなのではなかろうか。まぁ、5部になると原作を何度読んでも分からんような話も出てくることだし……(世間ではそれを矛盾点という)。

 まぁ、とにかく始まったんだから盛り上がればいいじゃない! 1話目での評価のポイントは、相変わらずイラストレーションがちゃんと描き込まれているという安心感、「康一くんちっさ!」っていう原作と同じ衝撃。そしてスティッキーフィンガーズのジッパー空間演出などだろうか。そうか、アニメだとああいう処理になるのね。ちょっと目立ちすぎるのでかなり印象が変わってしまうが……確かにあの部分って漫画だとごまかせるけど、アニメだと黒塗りで終わらせるだけじゃまずいもんなぁ。

 ちなみに、原作でも思った最大のネタ要素としては、「DIO様って写真撮られる時いっつもあのポーズとるけど、女性声優みたいに映る時の角度にめっちゃこだわる人だったんかな」っていうこと。ジョセフに盗撮されてもあのポーズだもん。徹底してるよ。

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○「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」 ー

 基本的に森雪の声を聞いてればいいと思っている作品。

 一応劇場公開後の作品なので「新番」としてはイレギュラーなので、記事立ても控えめに。そもそもヤマトシリーズは前作「2199」もろくにフォローできなかったので、結局ヤマトについてはよくわかっていないままの情けない状態なのである。今回も当然劇場では観ておらず、せっかくテレビ放送が始まったのだから観てみよう、と思ったものの、なんかもう、展開が知らんことばかりでぽかんとしてしまった。そうなのか、ガミラスとは和平条約を結んでいたのか。他にもガトランティスっていうよくわからない敵対勢力が幅を利かせていたり、やはりちゃんと見ていないのとよく分からないことが多くて、今作も「なんとなく」で追いかけるにとどまりそうである。

 でもまぁ、やっぱりシンプルな「宇宙戦争もの」なので、メカニカルデザインや戦争演出がまとまっていれば話の筋を置いといてもそれなりに見られてしまうもの。そういう意味ではやはり小説原作で四苦八苦していた「銀英伝」なんかよりもとっつきやすい媒体ではあるな。どうせ毎回やることはそんなに変わらんのだし、とりあえず森雪の声さえ聞いていれば(略

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○「色づく世界の明日から」 6

 ヤァみんな! 今期もしゃかりき元気、P.A.WORKS大好きおじさんだよ! やっぱり作品が安定供給されるというのはありがたいことだよね!

 さぁ、泣く子も黙るP.A.作品の新作である。毎度のことながら私は全力で贔屓していくわけだが、今作もまた、P.A.の良さを出しながら、新しい方向性を探る野心的な作品である。監督の篠原さんといえばP.A.作品なら「凪のあすから」という大傑作を世に送り出している。タイトルに類似があるのは、もしかしたら「凪あす」の完成度にあやかってのものなのかもしれない。舞台設定も片田舎の風景をベースにして日本人の原体験に訴えるものに仕上げつつ、さらにそこにちょっとした(それでいて決定的な)ファンタジー要素を混ぜ込むというデザインが「凪あす」に通じるものがある。あちらは「海に住む人々」という人魚姫などをモチーフにしたファンタジーだったが、今回はシンプルに「魔法」というワードでそれが示されている。タイムトラベルものといえば昨今のアニメでも定番だし、言ってしまえば「凪あす」だって一種のタイムトラベルものではあったが、改めて、この題材をP.A.の製作陣がどのような物語に仕上げてくれるのか、期待が高まるばかりである。

 1話目の出だしはいつも通りに穏やかなものだが、そこかしこで注目に値する「らしさ」が確認できる。何と言っても見るべきはそのグラフィックの美麗さであり、「色づく」というテーマが与えられた今作では特に重要な色彩の妙、鮮やかなコントラストの作り方が実に見事。「凪あす」で見られた海の持つ神秘性、「グラスリップ」で見せた光の神秘性、そんなものを取り込んでさらに多方面に渡っての「色」の演出が冴え渡り、全て自社生産で回すという独自のスタジオ戦略の面目躍如である。ここ最近は「ウマ娘」や「サクラクエスト」など、割とスタンダードな方向性での「アニメらしい絵柄」の作品が続いていたので、こうして全力で美麗な方向性に降ったP.A.作画でどんな幻想を築き上げてくれるのか、今から楽しみである。

 脚本担当は柿原優子。こちらも安定した実績を誇る作家であり、「凪あす」で余すことなく持ち味を見せつけた岡田麿里と同様、どんな作劇になるかが気になるところ。1話目ではタイムトラベルというややこしくなりがちな設定を扱いながら、そうした設定部分でほとんどストレスを与えない筋運びがありがたい。普通、単身で過去に飛ばされた人見知りの女子高生なんて途方に暮れて絶望的な状況になりそうなものだが、「おばあちゃんが全部分かった上で過去に飛ばしてるから、なんとなく周りが助けてくれることはわかっている」という保証があるので安心して見ていられる。まぁ、あのタイミングで狙って男の部屋に飛ばしたのだとしたら、ばあちゃんもなかなか人が悪いが。結局、シュタゲのように「未来を変える」タイプの物語ではなく、あくまでばあちゃんが見てきた過去の出来事を成立させ、追体験させるためだけの時間旅行でしかないので、あんまり時間的な要素は気にする必要がないんだよな。どっちかっていうと「orange」みたいな性格の作品になりそう。あとはメインヒロインの持つ「色褪せた世界」という特性がどのようにお話に関わってくるか。「色のない世界」と「色づいた世界」の差異が物語の中心要素になることは明らかなので、その辺りを印象付けるストーリー展開、画面演出が楽しめる作品になれば良いな。

 最後は当然中の人の話。今回のメインは石原夏織が務める。「凪あす」でも実に良い仕事をして暮れたきゃりさん。久しぶりの主役だが、いつも通りの仕事を見せてもらえれば不満はないです。脇を固めるのが東山奈央と、期待の若手・市ノ瀬加那。今期も元気な奈央坊が見られて一安心だが、葵しゃんがどこぞの男子のことを「葵の奴がー」って言ってるのでちょっと笑ってしまう。そして「魔法使い」という職業のために与えられた「全日本、良い魔法使いっぽい声をしている声優大集合」みたいな贅沢な共演。島本須美、潘恵子とならびたつ存在になってきたぞ。まぁ、割と「悪い魔女」の役も多いのだけどね。

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○「寄宿学校のジュリエット」 5

 このタイトルだと確定で悲劇エンドになってしまうはずなんだけど、それは別に構わんのかな。あんまりそういうテイストの作品にも見えないんだけど。

 原作未読。なんかよく見る名前だなぁ、と思ったけど、多分講談社系のコミックはJOYTV(ジョイサウンドのカラオケで流れてる画面)でCMを打っているので、そこで聞くことが多かったのだろう。まぁ、何にせよ最近はマガジンを手に取ることも無くなってしまったので特に出会う機会もなかった。そういえば少年誌のコミックってあんまり漫画喫茶でも手に取ることがないなぁ。マガジンだと別な某漫画は割と面白くて既刊をいっき読みしたんだけど、その作品がアニメ化することはあるかなぁ(何となくここには書かないでおく)。

 さておき、個人的には「山田くんと7人の魔女」あたりからのイメージだと思うのだが、マガジンのアニメというと非常に手堅い印象があり、直近だと「七つの大罪」シリーズがそうだし、「DAYS」あたりも「まぁ、こんな作品やろな」というところからほとんど逸脱せずに、可もなく不可もなくで進んでいく印象がある。本作もまさにそんな感じで、タイトルやCMの文言から予想される通りの内容をがっつり踏襲。世界観は突然放り投げられて「何でそんな変な学校があるんだよ」という気持ちが先に立つが、前提条件にツッコミを入れてもしょうがないので特に悪い部分ではない。ただ、やはりそうした「なんかよく分からない世界」を作っている割には「ロミジュリ」と言われてそのままの発想で展開されるような筋立てになるような気がするので、これが何か付加価値を持つ作品になるかと言われると疑問ではある。

 幸い、1話目を見る限り全体的なクオリティは悪くない。1話目のクライマックスは決闘シーンだったと思われるが、アクションとしても見栄えがするものになっているし、その他の部分もライデンフィルムの最近の良い仕事ぶりがそのまま出ている。これでシナリオラインが興味を引くものになれば「可もなく」の部分が「可」になり「良」になる可能性もあるだろう。メインヒロインは(キャストの力もあり)充分可愛いし、脇から出てきたテンション高めの佐倉さんキャラの阿漕さも決して悪くない。全体的にかなりシリアスなことをやっているはずで、婦女暴行、拉致から衣服ひん剥き行為なんて相当悪どくて胸糞悪いシーンのはずなのだが、実行犯の杉田・細谷・下野トリオのテンションがギャグからはみ出ないので、どこかシリアスになり切らずに微笑ましさを残すような演出になっているのも面白い。思い切りシリアスにしたほうがいい作品もあるだろうが、本作はそっち方面に振り切ってもあまりうまみはないはず。「やばいことやってるし、ロミジュリを模倣するなら生き死にに関わる悲劇だけど、この作品ではそこまでやりたいわけじゃないから気楽に見てね」というメッセージが届けば、こちらとしても受け入れやすくなるのである。まぁ、今後どの程度のシリアスが持ち込まれるのかは分からんけども。

 あとは紋切り型で不可解な「学園」とか「戦争」設定をどの程度掘り下げ、信憑性を持たせるかでシナリオの深みも変わってくるだろう。アニメで見せる部分を取捨選択するスタッフの手腕の問われる作品になりそうである。

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