最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「うちのメイドがウザすぎる!」 6 こんなにも「知らんがな!」って思ったタイトルもなかなか無いのだが、アニメを見てみると、なるほどこのタイトルの通りだった。 まごうことなき太田雅彦作品。よくもまぁ、毎回こんだけぴったり作風のあうものを見つけてくるものだと感心させられるが、もしかしたら「作風が合う」のではなく「絶妙な取り込み方をしている」のかもしれない。実際、これまでの監督作品にはアニメで超絶面白いと思っても原作は「あ、ふーん」くらいで終わってしまう作品もあったしな。今作は、原作のテンションはどれくらいのもんでしょうね。 本当に1ネタでゴリ押しするタイプのコメディ作品で、1話目時点での話のとっかかりは過去の太田作品の中でもトップクラスの少なさ。何しろ登場人物がお父さん含みでも3人だけだからな……もう、コントとかそのレベルまで要素が凝縮されている。舞台設定としては一応「メイド」という大前提の要素を押さえながらも、どちらかというと「本当にいたんだ! 女のロリコン!」と作中でミーシャが言っていた通りの部分が最大の毒として機能している。幼女好きのキャラが無茶する流れは色んなところで見るやつではあるのだが、あの要望、そしてあの声で「初潮前の女の子が云々」と熱弁を振るわれると流石にドン引きするしかない。 そして、そんな骨太(??)な設定を徹底的にドタバタ劇として賑わせるのが、太田雅彦&動画工房の真骨頂、圧倒的な物量のコミカル動画である。もう、1話目でどれだけの労力を注ぎ込んでいるか分からない、クドいくらいの演出量。細かいカットでも隙あらばデザインをいじって変顔をぶっこんでくる。どうでもいいシーンのはずなのにカメラワークにふんだんに動きをつける。とにかく「画で笑わせる」というアニメーションの真髄とも言える要素を貪欲に狙いにいく作品。ほんと、毎度毎度よくもこれだけの熱量を提供してくれるものだ。 みつどもえ、さばげぶ、うまる、そしてガヴリール、それらの無節操ギャグの次の席次はこのメイドに託された。さぁ、その沼倉ボイスで救いのない姿を存分に見せてくれ。 PR ○「やがて君になる」 5 同性間の強い感情製造装置・寿美菜子。あぁ美菜子、またしてもお前はこんな世界に降り立つというのか。 原作はだいたい既読。例によって漫画喫茶で読んでるパターン。初めて手に取ったのは数年前だったと思うが、それからは一応新刊が漫画喫茶に置かれたら読むようにはしている。まぁ、その程度の付き合いだからあんまりディティールまで覚えている作品ではないのだが。 百合作品ということで色々と自分の内面と相談しつつ読む作品なのだが、なんとも現金な思い出が1つあり、確か1〜2巻くらいまではあんまり思い入れもなく、「まぁ、こういう作品だよな」くらいでなんとなく読んでいたのだが、2巻だか3巻だかの巻末漫画で「ドラマCMができたよ、CVは侑ちゃんが金元寿子、燈子が寿美菜子だよ」という情報がもたらされ、そこから劇的に没入度が上がったのである。我が脳内の声オタエンジンがどれほどの影響力でもって回っているかがよくわかるエピソード。そんなわけでアニメ化と聞いた時には素直に祝福したものだが、折悪しくひーちゃんがよく分からない留学云々で休業中であるため、侑の方だけは高田憂希に変更になってしまった。でもまぁ、きちんと求められてるものはこなしているから問題ないと思いますよ。あとはどれくらいがっぷり四つで寿美菜子という感情モンスターと対峙するかというお話である。 幸い、今作における美奈子(燈子)は実はそこまでお化けではない。というか、むしろお化けは侑の方なので、また新しい美奈子劇場を味わうことができる作品としても楽しみではある。私が「百合作品」を評する時、最も重要視しているのは「同性間の感情であることにどれくらい意味があるか」という部分。自分の中でも考えがまとまっていないのでその定義を明確にすることは出来ないのだが、この道を意識したバイブルが「ささめきこと」だったといえば伝わる人には何となく伝わるだろう。「ただ女の子同士がイチャイチャするだけ」では足りず(まぁ、それだけで嬉しい場合もあるが)、やはりそこには男女間の恋愛では得られないような物語性をふくんでいてほしい。そして幸いにも、今作にはそれがたっぷりと詰まっている。 やはり最も注目すべきは侑のキャラクター設定だろう。彼女が1話目でも打ち明けていた「分からない」という感情は男女という性別以前の問題として「恋愛とは何か」「好意とは何か」という部分が今作において妥協を許さない最大の問題提起であり、人を好きになるという感情を突き詰めたいという設定の表れである。彼女が見て、聞いて、考えたことをそのまま追いかけられれば「百合とは何であるか」という永久の命題の答えも垣間見ることが出来そうであり、本作独自のドラマ展開をしっかりと味わうことができる。「百合である意味」が確立している、理想的な作品なのだ。問題に対して真摯である反面、その展開は非常にゆっくりでもどかしい印象もあるのだが、まぁ、そんなところで焦っても仕方がない。アニメの尺ではおそらくそこまで踏み込んだ展開まで行けない可能性が高いが、日々の生活から様々な「ヒント」が手に入るというだけでも、今作が衆目に触れる意味はあるだろう。 制作はTROYCA。初めて発表を聞いた時には「なるほど」と思わず納得してしまったが、独特の白味を帯びた画面の傾向は、淡白な絵柄の本作を彩るのにマッチしていると思う。ともすると物寂しくなりそうなものだが、多少強引に1人称視点を入れてカメラを振ってみるなど、何だか色々と映像的な努力も見て取れる。成功しているかどうかはまだ分からないが、素材の持ち味をなるべく殺さないよう、それでいてアニメとして存在感も増すよう、というなかなか無茶な注文に応えようと頑張っている感じはするのだ。今後の展開でも妥協を許さず、しっかりと本作独自の味わいが出せるようになれば喜ばしい。 しかし、このキャスティングだと恐ろしいのはどっちかっていうと沙弥香×燈子の方なんだよなぁ……物語が沙弥香のターンに入ったあとで、立っていられるかどうか。 ○「イナズマイレブン オリオンの刻印」 ー 事実上新番組じゃないから書かなくてもいいんだけど、「アレスの天秤」でうっかり「終わり」って記録しちゃったので、一応記事立て(新番チェック・番組感想は後々のデータベースとしても必要なので)。まぁ、特に書くこともないんだけど。 いよいよ新旧雷門イレブンも出揃い、ドリームチームでの世界戦というお約束の展開。まぁ、選ばれたイレブンの中には覚えのない連中もちらほらいるが、元々の雷門イレブンだって全然知らない中からのスタートだったのだから大きな問題にはならないだろう。今作で困りがちなのは、兼ね役が多いのでキャストで誰が誰やらよく分からなくなることくらいである。ちなみに私は個人的には激戦だったキーパーの枠で雷門のキーパー子ちゃん(かやのん)がいなくなってしまったのが一番寂しい。彼女がなんとなく頑張ってる風なのに最終的に吹っ飛ばされちゃうのが好きだったのに。剛陣ですらメンバー入りしてるのになぁ(彼の場合は決勝での活躍が効いてるんだろうか)。 そして登場する世界レベルの選手。幾ら何でも強すぎるんじゃねぇかとか、なんで円堂がそんなに余裕でいられるんだとか、色々と謎も多いんだけどこれくらいの設定にしとかないとベストイレブンがこれから発奮できないだろうから仕方ないか。せいぜい国際問題にならない程度のキャラ付けで頑張って欲しい。 ○「となりの吸血鬼さん」 5 何色モザイクだよ。どこぞで「きんモザ+ガヴリール」っていう評価を見たんだけど、ガヴリール要素は中の人だけだな。新たな鬼畜こけし要素の方がかなりクローズアップされている気がする。 大宮忍さんのパワーは時代を超えても作品を超えても変わらないという真理がわかる作品だが、まぁ、第一印象としてはきんモザ同等か、それよりやや下くらいだろうか。最近はこういう表現をしてなかったので忘れがちだが、私は「日常モノにそこまで興味が湧かない」という感情を常に持ち続けていたのであったな。きんモザだろうがなんだろうが、基本的にこの手の作品が大のお気に入りになる可能性はあまり高くなく、ただやんわりと見守るだけである。「きらら系は前クールが『はるかなレシーブ』でちょっと変化球だったからなー」って思ったけど、これ、別にきららじゃないんだな(割とよくあるトラップ)。制作が五組なので、それだけでどうしてもいろんなところがきんモザと被ってしまうんだ。 まぁ、そんな「色々見たことある」作品なので第一印象は「まぁ、こんなもんやろ」だし、今後もこれが爆上げするようなことも絶対にないだろう。どちらかというと「ガヴリール」なんかに比べるとギャグの刺激は弱めなので、このままトーンダウンする可能性の方がやや高いだろうか。前クールの邪神ちゃんがあれだけの刺激物だったからどうしても比べてしまう。見るべき点があるとするなら、一応より直接的な百合描写が狙えるということくらいだが、1話目時点で吸血鬼ちゃんの方が全否定してしまっているし、そもそもこの絵柄で濃い百合が出て来て嬉しいかと言われればそうでもないので、あまり期待するもんでもないだろう。 まぁ、そういう作品があっても構わんのですよ。ちなみに、チェックしておく要素があるとしたら新たな鬼畜こけしを任されたキャストのことだろう。名前を篠原侑といい(苗字の読みはササハラらしい)、メイン役はこれが初挑戦となる。取り立てて特徴があるわけでもないが、初めての大役を無難に務めていた。声の雰囲気はむしろ向かい合う富田美憂に似てる感もあるんだが、ここから仕事を広げられるかどうか。きらら系の主人公はアイドル声優の登竜門だぞ(だからきららじゃねぇよ)。 台風に乗って誰かが来たので突発的たほいや。正確にはカラオケでのたほいや、カラほいや。以前もやった通りに「問題を提示しておき、カラオケの合間に揃った段階で出題」形式のはずだったが、結局割と普通の順番でゲームが展開した。カラオケで開放的な気分になったためか、割と自由で適当である。
Round1・「にち」 1、→ニーチェ。 2、ニーチェ。 3、にちること。 4、あの場所、例のところ。 5、統計学で、平均値と中央値の二つをあわせていう語。 6、SIMPLE2000シリーズを指す俗語。 同音語に「日」(=太陽、日輪)という語があったので、それではない、という前提での出題。 ①②その結果の見事なかぶりである。まぁ、そうなるか……そうなるのか? ちなみに、ルール上「一言一句完全に同じ」でない限りは問題はキャンセルされず、矢印があったおかげで出題は成立した。 ③なんだこれ。よくわからんけど、そういや「ゆゆ式」で「ちねる」っていうのは出てきたっけ?(関係ねぇな) ⑥今回、まだ若手の問題児が加入したんですけど、恐ろしい優柔不断ぶりを発揮する逸材で、今回も周りの人間を散々焦らした挙句にこんな答えを連発している。以下の出題で彼が書いた答えを予想してみると面白いかも(答えは載せないけど)。
Round2・「くいより」 1、(山陰地方で)神前に鱗を剥ぎ三匹をひとまとめにしたイヨリを捧げる儀式。結納の前によく行う。 2、相撲の決まらず手の一。相手の肩口に喰らいつき諸手と総牙をもって投げ打つ。元は決まり手であったが、品格に欠けるとして封じられた。 3、葬式の時などに食事のもてなしをあてにして集まってくること。 4、動物などに杭を打ち込んで行う降霊術。 5、狂言。太郎冠者が人肉食をするために寄合を開くが、かえって食べられる。 6、(クリヨリの訛)十三里。 ①イヨリってなんだ? という部分が議論に。鱗はあるらしいが「匹」と数えるということは魚ではない? ……「そんな生物は、存在いたしません!」「えぇ……」 ②「もしかしたらあるかもと思った」って言ってた奴がおったぞ。 ③「普通すぎてつまらない」と言われていたが、多分、普通のたほいやだったらそれなりにいい答えだと思うんだ。 ④杭に依ってくるんですかね。 ⑤太郎冠者ァァ〜!!!
Round3・「ぜんわんぶち」 1、食膳に空の椀を供えておけば飯が盛られるという淵。 2、伝説で、要るときに頼むと膳や椀をそろえて貸してくれるという淵。返さない人があったので、それから貸さなくなったなど伝える。 3、全ての物事は、部分部分の積み重ねによって成り立っているということ。 4、日々の椀が満たされるような、充分に与えられる扶持をたとえた語。半椀扶持に対してのもの。 5、前世が大畜生の類であったことを示す、蒙古斑の一種。 6、(ぶち犬しかいないことから)動物愛護センター。 ②完全に「わんかしでんせつ」やんけ! ③「全・ONE」。 ④全椀扶持。 ⑤これは実は出題にイレギュラーがあり、解答者は(当然)「犬畜生(いぬちくしょう)」と書いたのだが、筆記の際に字を読み違えて「大畜生(だいちくしょう)」というパワーワードが生まれてしまったのである。おかげでしばらくは盛り上がったが、途中で「もしかして、出題者が間違えたのでは?」というところまで推論が至って底が割れてしまったのである。検討会がちゃんとしすぎている。元は当然「前・ワン・斑」である。 ⑥「全・ワン・ブチ」。……そんなことないと思うよ。
Round4・「だめなし」 1、(駿州弁)山の向こう側に住む人を蛮民としてののしっていう語。 2、貞淑なさま。また、その人。 3、(囲碁で駄目が一つもない状態のこと)無駄のない完全な姿。 4、無傷であること。また、そのさま。 5、盲人を嘲って言った語。 6、浪費をするくせがある。 ①「静岡県民が、富士山の向こうの山梨県民を蔑んだ語である」というのがスタート地点なのだが、読み上げられた瞬間にそれを看破した奴がいた。「まったく同じこと考えてました」。 ②一応解説されたので書いておくが、逆から読むと『しなめだ』。しなを作る女だ。でも、その逆だからしなを作らないような女だ。……チキン点火クラスができてから出直すこと。 ④ノーダメっすわ。 ⑤駄・目無し。 ⑥よくわからないが「ためなし」と同義らしい。ちなみに「だめなし」でググるとどこぞのアイドル事務所の事務員がヒットするんだけど、彼女ってそんなに駄目だったの?
Round5・「かんてんせん」 1、間を埋めた点線。すなわち線。 2、ー・ー・ー・ーまたは+・+・+・+のように、線または十字線の間に点をはさむ線。地図などで境界線に用いる。 3、モールス符号のこと。 4、人心のさまざまに揺れ動くこと。 5、中国の小説家。過去の名作の題名を大胆に踏襲した作風で広く知られる。 6、寒天占いのこと。 「なんだか知育菓子の匂いがする……」「点も線もあるしな」「カンもありますよ」「???」 ①哲学か。 ②広辞苑、こんな書き方するんですかね……。 ④一番それっぽいので議論が重ねられたが、「転、遷かな……カンはなんだ?」などと結論は出ないまま。作成者に尋ねると「感情・テンション・センシティヴです」という上空2000メートル級に斜め上の答えが。 ⑤書けよ! 代表作を書けよ! 「四国志演義とかですかね」。 ⑥結果が見辛そう。
以上で終了。なぜ6人戦をやっているのに5問で終了しているかというと、優柔不断すぎる某氏がなかなかお題を見つけられず、かれこれ5時間以上も悩み続けた結果、カラオケボックスから出なきゃいけなくなってしまったからだ。そんな優柔不断あるかぁ?!
○「ゾンビランドサガ」 6 宇宙+漁師+尾道=ファッ?! ゾンビ+アイドル+佐賀=ファッ?! 今期こんなのばっかりかい!! いや、大変結構なことですよ、今まで見たこともないものが出てくるってのは。ちょっと脳のキャパがキツいってだけでね。 でもまぁ、立て続けに見たせいで「宇宙漁師とかゾンビアイドルとか訳わかんねぇよ!」と一緒くたに処理してしまったが、こちらの作品は、多分宇宙漁師ほどやけっぱちのネタではなく、ギャグとしては割と冷静に考えて作ってる奴だろうから、理解しやすい。ちゃんとネタをネタとみなして処理している。いや、宇宙漁師だって「ここが変だろ?」っていうことはわかってると思うんだけど、それを今後ケアして行く気がなさそうというか……。というわけで、同じ勢い任せの謎設定でも、こっちの方が気持ち評価を上に設定しました。来週には横並びになってる可能性も充分あります。 いや、でも悔しいけど笑っちまったんだよなぁ……開始2分の勢いで言えば宇宙漁師とタメ張れるレベル。そして、「こんなもん、完全に出オチやんけ!」って思ってたらその出オチレベルのネタが最後まで続き、そのまま「この作品全体で出オチやんけ!」みたいな終わり方になった。なんかね、画面見てるだけで割と楽しいよね。わたしゃホラーが苦手なタチなので「このまま『がっこうぐらし』コースだとちょっと大変だな……」と思ってたんだけど、どっちかっていうと「魔法少女俺」コースになってる。訳のわからないアイドル業。勢い任せのプロデューサー(もう、黒幕やんけ)。このノリ、嫌いじゃないわ。もう完全に宮野頼みのネタ回しになってる気もするけど、多分本人も楽しんでやってるだろうから良しとしよう(男性キャストが少なそうだが、警官役だったよっちんがブースで爆笑してそう)。まぁ、ネタ見せの会場だと思えばいいよ。 映像製作がMAPPAなのでこちらの作品もむやみに画面がしっかりしてるのが特徴で、冒頭のトラック先輩の勢いなんて見事なものだったし、女の子たちも一応「かわいい」部類にカテゴライズされるんじゃなかろうか。勝負は次週、全員のキャラが固まってからだと思いますけどね。できれば1週間に1人ずつくらいのペースで覚醒して、しばらくの間はステージ上でゾンビウォークしてる様子を見ていたかったのだけど。これ、みんなして意識取り戻したら単なるなんちゃってアイドルものになってしまうんじゃなかろうか。ゾンビ要素を活かせる展開になればいいのだが……。これはゾンビですか? しかし、製作協力にクレジットされている佐賀県も、これで納得してくれるんだろうか……「佐賀のご当地アニメって何かあるんだろうか」と思ってググったら「ユーリ!!! on ICE」ってヒットして「もう、そっちに集中しろ」って思った。いや、頑張れ佐賀。この絶望的な自虐感こそが持ち味なのかもしれんしな! なお、一応確認してみましたがメインキャストに佐賀県出身者はいませんでした。今こそ佐賀の最終兵器・吉田有里を投入するタイミングだろうが!!!
○「ソラとウミのアイダ」 5 今日も冷たい雨が降りそうなタイトル。僕は悪にでもなるよ。 すげぇ作品である。開いた口が30分開きっぱなしという稀有な体験をさせてくれた。もし今作が好きだ、という人は、今作でなければ満足感を得られない身体になってしまう危険性すらある。そんな劇物にも似た、人類には早すぎる系のアニメだ。 とにかく視聴者に一切の理解を求めてこないという潔すぎる姿勢がまずすごい。本作はソシャゲが発端であり、これまでも他のアニメの間のCMが流れていたのでちょこちょこ耳には入っていた作品なのだが、CMで観た「宇宙漁師? なんじゃそりゃ」という疑問が、第1話で一切解決しないままで話が突き進む。いや、解決はしているのか。そういうものがいる世界なのだ。もう、そう言われたら納得するしかない。だって、納得しないと続きが見られないじゃないか。冒頭部分からいきなり全力で視聴者にハードルを投げつけてくるような展開で、開始10秒でその剛腕が唸る。「世界の海から魚がいなくなったよ!→ほーん、なんかよく分からんけどそういう世界なんやな、斬新やんけ」「どうしても魚が食べたい人類は宇宙に生簀を作ったよ!→ファッ?! なんで突然宇宙に行くねん、時代はいつやねん、その魚はどこから持ってきてんねん」「尾道の漁師さんが頑張って……→急なご当地感!」「男女雇用機会均等法が強化されて……→そういう法律じゃないな! 運用間違ってるな!」「漁師を目指す6人の少女たちの物語!→漁師を目指す6人の少女たち物語やな!」。 その後の展開も「今までの話は全て前提として理解してもらったと思いますが」みたいな勢いで進み続けるので、一切ツッコミを入れるタイミングがない。もう、どう考えても制作側だって確実に確信犯(誤用)的にやってるやつや。多分、元のコンセプトを想像するに「新しいソシャゲが作りたいけど、もうあらゆるネタはやり尽くされてるからガチャでユーザーの金を搾り取るのも難しいンゴ……→よっしゃ、とにかく誰も思いつかなかった斬新な設定の話作ったろ!」という、手段が目的をも凌駕した恐ろしい作品なのだと思われる。このなりふり構わない迷走っぷり、例えていうなら、こち亀で両さんが新しい商売を初めてお金を稼ぐんだけど、同業他社がいっぱい出てきて差別化を図るために狙いが走りすぎておかしくなってきたくらいの作品。ページにして大体18ページ目くらいで作られるタイプの奴だ。あとは業界全体が迷走してなかったことにされる奴だ。また北の果て支所に流されるタイプの奴だ。両津のバカは何をしているんだ。 さぁ、本作は本当にバカなんでしょうか。それとも紙一重の方でしょうか。実際には映像部分は最低限のクオリティを維持していて「なんかそれっぽいアニメの外側」だけはきちんと形作られているため、これで斜め上方向に突き抜けたら絶対不可侵の神ネタアニメになる可能性もゼロではない。神とまではいかないが、最近でも捻り方の妙でちょっとしたブレイクを手に入れた「ラストピリオド」という事例もあるし、ネタの振り方次第ではわけのわからない世界でも1クールくらいなら視聴者を騙せる可能性はあるのだ。ワイズマンがいればなんとかなるのだ。本作は、そんな強烈な誘致要因を作ることができるだろうか。まぁ、初期配点を見て分かる通り、私はそんな「勝ちパターン」には懐疑的だが……ただ、1話目で戦慄したのは事実なので、ここからミラクルを起こしても驚きはしないぞ。ちなみに、原作のところに広井王子の名前がクレジットされているなんて事実にたった今気づいたところなのだが、これ……いい情報か? なお、ネガティブな要素を付け加えておくと「キャストがダメくさい」というのもありますね。いや、主人公の子は非常に良いです。高橋花林という名前の子ですが、どこかで聞いたと思ったら「音楽少女」で唯一インパクトを残した壊れメガネの子。主人公のテンション芸は一級品になる可能性がある。ただ、それを埋めて余りあるくらいに緑髪の棒っぷりが輝いている。新興のソシャゲだからキャストも思い切って新しい声を引っ張ってきたのだろうが……まぁ、むしろ「伸び代がある」と考えるとこちらも可能性は無限大なのか?! もう、何が正しくて何が間違っているのかもよく分かりません。古き良きクソアニメの流れと言われればそんな気もしてきた。とりあえず、宇宙に行くだけでも色々頑張ってた「キャプテン・アース」とかに謝れ(よりによってそこかよ)。 ○「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」 6 相変わらずひでぇタイトル。なんでこういう人様にお見せするときに憚られるようなタイトルを平気でつけてしまうのだろう。こっちの方が売れるのか。マジか。 タイトルから中身もお察しだろう、と舐めきった状態で視聴をスタートしたのだが、冒頭部分でいきなり意表をつかれた。よくあるクソラノベアニメのような訳のわからない変なノリがあまり無い。最初の掴みは図書館に突如現れるバニーガール先輩で、映像としての異質さ、そしてシチュエーションの不可解さでちょっと引き込まれてしまった。主人公がことさらに騒ぎ立てるわけでもなく、画で「なんか変なことになったぞ?」というインパクトを見せてくれる演出なのでかえって印象的に見える。今時第1話からヒロインがバニーガールなんて作品なかなかお目にかからない。ハルヒくらいじゃねぇかな。考えてみればバニーガールってのも変なコスチュームで、実生活の中で見かけることはまず無いし、今時見たいと思ってもどこに行ったら見られるのかよくわからない。そのくせコスプレの一大ジャンルとしてなんとなく認識されている風であり、見れば見たでしっかりとそのエロさは記憶にも残る。よりによって衣装を変える段になってバニーガールを選んだあたりで、すでに先輩のキャラクター性が現れているようだ。 その後も、熱を持たない不可思議なテンションで物語は粛々と進んでいく。主人公がイキった時の物言いがちょっとイラっとするラノベテイストだが、それ以外の部分ではそこまで鼻につく要素もなく、謎が示され、それに従ってキャラが掘り下げられる。「思春期」という言葉が重要な意味を持つことからも分かる通り、この作品世界で引き起こされている超常現象は、どうやら青少年たちの心理状態に密接に関わっているようだ。これまたやっぱり、ハルヒの内的世界の現出に近いものが感じられる。見れば原作を担当している鴨志田一という人はあの「Just Because!」の脚本担当の人だという。ああしたジリジリとした青春芝居を描いた人間がそこにラノベ的な超常現象をちょいと混ぜ込んだら、いったいどんな物語が紡がれるものか、なんだかとても気になる1話目だった。 冒頭の「図書館に突然バニーガール」の引きがとても強いことに加え、その後もそうしたエロ要素を押し出すでもなく、適宜「エロいことは間違いないよね」と性欲部分はしっかりフォローしながら話を進めるバランス感覚がとても見やすい。どうしても最近のなろう系やらなんやらの「草食系を超えた地蔵系男子」のエロスに対する接し方が本当に釈然としない勢なので、「エロいものはちゃんとエロいと認めつつ、それを踏まえた上で常識的に女性と接する」という対応ができる主人公はそれだけで加点要素だったりする。シナリオの要請上、先輩が自然に近づいてくることにもなんら違和感はないし、その他の要素も謎の成分をそこかしこに配置しながら、特に不整合も違和感も残さずに粛々と舞台装置が配置されていく。ことさらに派手な情動も起こさぬが、なんだか最近あまり感じなかった「1話目らしさ」が味わえる作品である。幸いにしてCloverWorksの映像部分は比較的良くできているし、今後同様の刺激を提供してくれるならば、それなりに楽しめる作品になるかもしれない。あと、瀬戸ちゃんやら種さんやら、がっつりはまり込んでくれるキャスト陣が魅力的である。良いお仕事を期待しています。 ○「RErideD-刻越えのデリダ-」 4 「それはひょっとしてギャグでやっているのか?」を地で行くような作品だった気がする。CVも櫻井だからちょうどいい(何が?)。 アニメオリジナル作品ということで応援したい気持ちもあるし、冒頭で表示されたのは「キャラクター原案が安倍吉俊」という事実。我が心のうんこ仙人・安倍吉俊の参加したアニメといえば傑作の印象があり、立て続けに放送された「灰羽連盟」と「NieA_7」はテイストのギャップも相まって私の中ではかなり印象の良い作品である。久しぶりにそんな作品が来ちゃうかー、と思ったんだけど、ぶっちゃけ作画が……1話目から作画が……。 最初の間は「安倍吉俊の絵だけど、アニメにすることでちょっと持ち味が失われてるかなぁ」程度の印象だったんだけど、1話を見終わる頃にはそんなキャラデザの第一印象などすっかり忘れてしまっていた。もう、単なる量産型の絵にしか見えなくなったからだ。背景担当がKUSANAGIなので周りの雰囲気は決して悪くないと思うのだが、中心となるキャラ作画にかなり怪しい部分が散見され、シリアスな雰囲気が大きく削がれてしまっている。個人的に注目してほしいパートは野郎2人が夜中に酒を飲んでるシーンのグラス握ってる手。すげぇ不安になるから。しかもその後で「ブランデーが効きすぎたな?」みたいなセリフが出てくるんだけど、ちょっと待て、お前らそんな普通のグラスにビールか酎ハイみたいに並々注いでブランデー飲むの?! そりゃおかしくなるに決まってるわ。幾ら何でも雰囲気ぶち壊しだ。他にも親父さんと喧嘩して走り去る主人公のランニングフォームがやたらとコミカルだったり、どうにも「動き」を描く人手が足りてないんじゃないかと不安になる幕開け。どうやら制作担当のGEEKTOYSというスタジオは新興の会社のようで……ねぇ、これ大丈夫? しょうがないので映像部分に目をつぶってストーリー展開だけ追いかけようと努力はしたのだが、1話目の展開もなかなかぶっ飛んでいて、特にあれよあれよと主人公が冷凍睡眠にぶち込まれるまでのピタゴラっぷりは圧巻。まぁ、さすがに後から「誰かが仕組んでいました」っていうネタばらしがあるとは思うんだけど、それにしても勢い任せで雑すぎる展開に笑ってしまう。他にも光線だか実弾だかよくわからない銃を乱射してた集団がご丁寧に人体じゃなくて車だけを集中して狙う様子とか、「なんでそんなことするの?」と首をひねるシーンが多い。脚本ちゃんと組めてるのかなぁ。一応、人型ロボットが支配する世界+タイムトラベル(冷凍睡眠)とネタになりそうな要素はてんこ盛りだし、今後の展開次第で何か面白いものが出てくる可能性はあるのだが……まさかに2クール続けて冷凍睡眠する主人公を見せられるとは思わなかったし、ついこないだ「BEATLESS」の完結編やってたばっかりだから色んなところとイメージがかぶるな。「BEATLESS」を見た後だと、主人公たちが「いちいちロボット回収してパッチ当てたいんやけど」とか言ってるところに「いや、普通ネットで接続できるんじゃないの? まさかそんだけ科学が進んだご時世の商品が全部スタンドアローンなの?」と色々余計なことを考えてしまう。手塚治虫先生が何十年も前に書いてたロビタですら機種間をネットワークでつないでたんだから、製造会社がパッチ当てるのにリコールなんて必要ないって発想はすぐ出てくると思うのだが……なんか通信制限みたいなルールでもある世界なんでしょうかね? でも電話繋がるしな。よくわからん。 というわけで、主な原因は絵の不安定さながら、色々なところに不安を抱えた1話目になってしまった。せっかくのオリジナルアニメならもうちょっと頑張ってほしい。 |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(02/25)
(02/23)
(02/21)
(02/19)
(02/18)
(02/18)
(02/17)
(02/17)
(02/17)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|