最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「ハイスコアガール」 5→5 未完!! またかよ!! うーむ、ネット配信がどんどん市民権を得る中、こういうセールス形式は今後も増えていくことになるんだろうか……。今期だけでも「殺戮の天使」に続いてのこれだしなぁ。しかも「殺戮の天使」は「もういいかな……」って見切ることも可能だったけど、今作はさすがにここで終わりと言われたら続きが気になってしまう……まぁ、配信にしろ地上波放送にしろ、来年3月まで間が空くのはさすがに長すぎる気がするんだけど。 というわけで、続きが気になって悔しいくらいの作品にはなりました。初見の時は「俺、別に押切蓮介の絵が好きじゃないから……」と若干の及び腰だった作品なのだが、やはりこのCG処理されたヌルッとデザインは元絵の雑味を消し、悪く言えば味が薄くなっているものの、私みたいな人間から見れば癖がなくて受け入れやすくなった。このデザインなら最初から超絶作画がどうこういうようなこだわりを見せる必要もなく、「このアニメはこういうもの」という割り切り方がむしろプラス方向に働いたと見ていいのではなかろうか。 デザイン部分にネガティブな要素がなくなれば、あとは本筋の方を楽しむだけである。「ゲームの思い出があんまりないから……」とシナリオ部分でも及び腰だった私だが、本作は思いっきりゲーム画面を活用した賑やかな演出が素直に楽しい。最近ではいろんなところで「あえてドット絵にしてみた」みたいな作品も目にすることが多くなり、「技術力で劣るデザイン」というのは「価値の劣るデザイン」ではないということは自明のこと。時代を映したそれぞれのゲーム画面は、アニメ本編の映像と混ざり合ってモザイクのようにシナリオを紡ぎ、独特の世界観の中で良いアクセントを生み出している。やはりゲーム本編の映像がそのまま使えるというのは純正のアドバンテージであり、権利関係をしっかり保持するのはとても大切なことだということがよくわかる作品。もちろん、単にゲーム画面を使って考えなしに切り貼りすれば面白くなるわけでもなかろうし、どういう演出意図で混ぜ込んでいくかを考えているのは製作陣の手腕。その辺りのちょっとトリッキーな構成の妙が楽しめるのは本作ならではのセールスポイントだろう。 そしてシンプルな青春絵巻というストーリー展開。原作1巻でやめてしまっていたので大野の存在くらいしか知らず、「小学生の恋愛って言われてもなぁ」と及び腰だった私だが(弱気すぎるやろ)、ちゃんと中学生・高校生まで進めばいっぱしのラブストーリーよね。まぁ、「どう考えても日高一択やんけ」って思ってしまう私もいるのだが、大野が大切だっていう気持ちもちゃんと理解できる設計になっているので何とも悩ましい。多分私が日高派に回るのは、「もともとそれなりに優等生だった日高が、男の影響でどんどん変えられて今やゲーセンのクイーン」という設計がストレートな堕ちモノ系に見えているせいだと思う。「私をこんな身体にしちゃった責任とってよね」はとても良いシチュエーションなのである。挙句にこれで捨ててしまったらハルオさんほんまに最低やで。ちなみに蛇足ではありますが、個人的には日高の中の人である広瀬ゆうきの活躍にも注目しておきたい。これまでボーイッシュな役しかまわってこなかったんだけど、ここでまっすぐな乙女役でもいい仕事を見せてくれた。次のステップアップに期待。 それにしても……うぅ、やっぱり続きが気になる……これ、普通に考えたら大野ルートで決まりなんだよな……そのくせこの作品って日高の救済先が一切用意されてないし……ウワァ……。 PR 「ぐらんぶる」 6→6 結局、人類はなぜ酒を飲むのかって話ですよね。スピリタスってよくネタ扱いされて有名になってるけど、あれって美味しいと思って飲むものなの? 俺みたいにビールですらろくに飲めない人間には想像もつかない世界なんだよなぁ。 そんな異次元の酒飲みたちのお話。昨今のアニメの傾向からは信じられないほどにパリピ感満載のクソみたいなリア充生活(?)が描かれており、(悪質な)酒飲みが嫌いな私のような人間は真っ先に嫌悪感を抱いてしまいそうな設定なのだが、まーこれが面白い。今期は「邪神ちゃん」と並んで私の中の二大ギャグ作品認定である。そして多分、何かがジワっと来ていた「邪神ちゃん」と違って、こちらは即効性でストレートに笑える、何か嫌なことがあったら頭を空っぽにして馬鹿になれる良い方向性の作品でした。 やっぱり監督の高松さんの安定感ってあるんだろうな。ギャグ作品ってテンポの取り方次第で本当に台無しになることもあるはずなんだけど、今作の場合はそういうズレをほとんど感じない。原作の絵にあるそのままで、一番気持ちよく「ボケられる」タイミングでのネタの出し入れ。それが出来ているだけで印象はぐっとよくなるものです。ネタ回しは分かりやすい下ネタと馬鹿が中心なので古臭いと思う人もいるだろうし、ピクリとも笑えない人もいるかもしれないけど、僕ぁこれでいいんですよ。あれ、そういやほんのちょっと前に「あそびあそばせ」の感想で下ネタ嫌いって書いてたっけ……。いいじゃん、こっちは単に全裸になるだけの知能ゼロのネタなんだし。夏の太陽のようにさっぱりした奴ですよ。下ネタっていうか単なる全裸芸やな。 こうしたネタ回しがすんなり入ってくる理由としては、おそらく主要キャラの造形の良さがあるのだろうと思う。特に中心となる伊織が、基本的には単なる好青年なのが良いよね。1話時点では一応常識人としての姿も見せていたので、出会い方さえ間違わなければ千紗とだって自然に付き合える単なるイケメンだった可能性もあるんだ。耕平や友達との付き合いだとクズにも見える単なる馬鹿なのだが、大事なところで人のこと考えられるし、実はバイト先なんかでは根性あるところも見せてて、まっとうな環境で見たら多分「単なるいい奴」なんだ。そんな伊織が周りの環境のせいで壊れてしまったのを楽しむ男連中と、残念がりながらも根本的な人間性の良さをちゃんと分かって適度な距離で付き合ってあげる女性陣。 そう、今作は女性陣が総じてかわいいというのが最大のポイントなのだ。もう、ぶっちゃけそれだけでもよかったのだ(ここまでの文章は何なんだ)。千紗が可愛いのは当然のこととして、百合というかレズっ気を隠そうともしないおねーちゃん、そして予想外の方向から中盤以降の物語を大きく牽引してくれた梓さんとケバ子という追加の2人。梓さんはクッソエロいはずなのに何故か下品には感じないという絶妙なポイントを攻めた理想的な「年上のおねーさん」キャラだったし、ケバ子に至っては何しても可愛いというチワワのような存在感。まぁ、単に私の中でアスミス補正が特大だった可能性もあるんですけども。阿澄ボイスの博多弁を叩きつけられるだけで無条件降伏する身体に調教されているものでね……。ちかぺ、たそも加えて今作の女性陣の完璧な布陣は何としても後世に伝えていきたい偉業である。 絶対に問題発言だと思うが、正直「あまんちゅ!」よりもこっちを見てるときの方が「なんかダイビングやってみたいなぁ」と思った回数は多い。そういう意味ではダイビング作品としても優秀。そりゃね、青い海、光る太陽にキレーなおねーさんまでいてくれたら、もう言うことなしですよね。よし、いつか沖縄に行ってダイビングをやってみよう。……1人で……。 「アンゴルモア元寇合戦記」 6→6 (だいたい)毎週感想を書いていたことからも分かる通り、非常に興味を惹かれる面白い作品だった。大前提として原作が面白そう、っていうのがあるけど、それを受けてアニメにするときにも「なんかちょっと頭の片隅に引っかかるような作品を作ってやろう」っていう意欲が見えたのが良いですね。 まず「原作時点で面白そうなところ」から(当方、原作は全くの未読)。新番チェックの時点で書いてたことだけど、元寇っていうテーマ設定自体がまず新鮮で面白い。義務教育を終えれば誰でも知っている「史実」ではあるのだけど、その中で一体どんなことが起こっていたのか。取り扱う作品がいやというほど溢れている戦国時代、歴史的にそこそこ近くて資料に当たりやすい江戸時代、そしていっそ無茶やっても許されそうな平安時代などの時代に挟まれ、さて何を描いたものかと思案する鎌倉・室町時代。そんな中での歴史的大事件を掘り下げたら、意外とみんな知らない部分で刺激が多かったよ、っていう。てつはうの使われ方なんかもそうだし、一枚岩ではない大連合軍である蒙古。それに対するは一所懸命の精神でただ戦場に生きた生粋の「武士」たち。様々な舞台設計が「言われてみれば確かに聞いたことあるかも」くらいの絶妙な「史実」として作中で存在感を発揮してくれる。こういう作品がまっすぐな漫画・アニメ作品として成立したというのはそれだけで喜ばしい。そして、この元寇というのが最近流行り(?)の逆無双系作品として非常にしっくりくるのである。「進撃の巨人」に「リゼロ」などなど、無茶だと思えるような圧倒的逆境をなんとか乗り越えようとするお話……まぁ、今作の場合は一切乗り越えられないわけだが……。そこは史実なんだからしょうがない。勝てるはずもない無謀な戦で輝きを放つ野郎どもっていうのは実に良いモチーフなのである。 そして、アニメの場合はそうした設定におんぶに抱っこというわけではない。ものすごく端的なところだと例えば終始画面を覆っていた薄膜のようなごわついた映像加工のように、「せっかくテーマの時点で異質なんだから、他のアニメと違う部分を強調してよりオリジナリティを出してやろう」という姿勢は実に貪欲。個人的には2話目あたりですでに引っかかっていた戦闘描写の不可解なもっさり感がお気に入りで、どうしてもスマートに描かれがちな「武士の戦い」が、この時代では特に泥臭く、鈍いものであるというこだわりが感じられる。大軍が押し寄せてくる部分は最近ではCG処理されそうなところだが、今作はCGを使う以外にもあえてもっさり感を狙って(ちょっと作画リソースとしては微妙なくらいの)手書きで作っている部分がある。そういう「ハンドメイドな」感覚が、曰く言い難い「隙間の時代」の空気作りに一役買っていた。それまでずっともっさりしていたおかげで、最終回での迅三郎の殺陣が短いながらもやたら際立っていたのも、もしかしたら狙ってのことだったのかもしれない。 願わくは、あの続きで原作が一体どういう風に展開していくのかを是非知りたいところ。……原作読むかねぇ。でも、読んじゃうともしアニメ2期が決まったときに勿体無い気もするし……(2期あるかなぁ)。 ねぇ、クラルヴァインさんは?! 最終話!! ちょっと待って、あれって復活フラグじゃなかったの? マジであそこで死んでたの? 彼の人生ってなんだったの? こんだけ人狼と吸血鬼にフィーチャーしといてフランケンシュタインは放ったらかしなの?! なんてことしてくれるんだ! というわけで、クラルヴァインさんファンにとってはたいそうがっかりな最終話になってしまいました。いや、世界中にそんな人間がどんだけいるか知らないけどさ……えぇ……なんか色々と釈然としなかったよ……。 まず、一番がっかりだったのはエフグラフさんの体たらくである。そりゃね、ラスト1話でラスボス戦とエピローグをやらなきゃいけないんだからボス戦なんてあっさりしたもんだけどさ。今回のエフグラフさんって、別にユーリィとミハイルが放っておいても自滅してたよね。もしかしたら近隣の村に迷惑はかけてたかもしれないけど、最終的に死んでたよね。だったらミハイルがあんなに頑張る必要もなかったような気が。何より許せんのは、本当に「なんとなく箱があれば大丈夫だって聞いた」っていう恐ろしく適当な、それこそ神頼みくらいのレベルの情報で彼が動いていたのが発覚したことである。今まであんだけ泰然とした様子を見せていたから、せめて最低限箱を使って上手いことやるプランがあると思うじゃん。入手早々喜び勇んで飲み込んじゃった時点で「へぇ、そんな風に使うものだっていう調べはついてるんだ」って信じちゃったじゃん。なんもないんかい。そりゃ滅ぶわ。「まぁ、でもクリーチャータイプが吸血鬼・狼男って斬新だから……」ってわけのわからない納得の仕方で落ち着こうとしたんだけど、そのジャンルも先にミハイルが完成させてたわ。もう、「クリーチャー・吸血鬼、狼男、ミュータント」くらいでないと納得いかんな。 結局エフグラフさんは破滅の道を止めることが出来なかったし、最後に残されたタマーラさんもやっぱり病気には抗えず、惜しまれながらも退場。吸血鬼勢はほぼ全滅だが、今後のパーフェクトユーリィの活躍次第で一応絶滅危惧種として保存される可能性がかすかに残った。まぁ、残り1匹しかいないユーリィに比べてばなんぼかマシだけども。そのユーリィも人狼だのなんだのという枠を飛び越えてアルティメットまどかみたいな状態になってしまったけど。いや、わからんな。結局箱の持つ「人知を超えた力」がなんなのかがさっぱり分からんので、彼が今後何を成し遂げるのかすら分からん。普通に電車に乗ってたってことは、別に何か超人的な能力が手に入ったわけではないんだよな……。 かてて加えて、鉄砲玉で向こう見ずなところが売りだったお嬢さんが割とさっぱりユーリィとの因縁を断ち切り、なおかつ真面目な方向に進化してしまったのも許せないポイントである。お嬢はもっとお父さんに迷惑かけないとダメ。親父さん、結局あれからヨーロッパに行って「あれ? いない?!」って思って帰ってきただけなのかしら……まぁ、日本もこれから大変な時期に入っていきますので、お嬢の希望に満ちた眼差しも今後の戦争で濁っていくことでしょう。案外ロシアとの繋がりを利用して軍需で一財産稼いだりしてな。 うーむ、なんだか色々と……でもまぁ、綺麗に終わったのは事実なのでひとまずは大団円と言っておきましょうか。多分最終感想でも書くけど、これってユーリィの人生の「プロローグ」なのでは? 「かくりよの宿飯」 4→5 「男は黙って……」「東山奈央!」「男は黙って!」「東山奈央!」 もう、そういうお話でした。放送開始時には「まーた食い物系で、しかも異世界ダロォ? もう飽き飽きですわぁ!」って身構えてたんだけど、今作は別に食い物系作品ではない。単なる奈央坊系作品である。若女将は東山奈央である。いや、まだ女将でもないけども。 単に奈央坊みたいな気丈で聡明なお嬢さんを手篭めにして、婚約を取り付けた状態で溌剌とした姿を見続ければそれだけで幸せだよね? っていう気持ちを満たしてくれる作品。そりゃま、食べ物の存在も大事ではあるのだが、別に全ての物事を食べ物で解決しようとする身勝手な作品ではなく、どちらかというと食べ物を通じて葵しゃんという素敵な女性の人となりを相手に伝え、このコネクションをどんどん周りに広げていくときに「食い物屋」という人と人との触れ合いが大きく役立っているというだけ。人間だろうがあやかしだろうが、誰でもお腹がへれば不機嫌だし、美味しいものを食べれば幸せになる。そんな世界の真理を、この作品は教えてくれるのである。 途中からは葵シンパがどんどん増えていくので都合のいい展開(コネでマウントを取りに行く状態)も増えるのだが、2クールという尺があったおかげで、視聴者側も葵がそんなポジションに落ち着くまでにそれ相応の苦労をしてきたことを知っている。コミュニケーションお化けの葵だからこそ、種族の垣根を飛び越えて無双できることを理解できる。そして、解決する問題も世界の危機とかじゃなくてわりと「ありそうな」身辺の問題だったり、単なる老舗お宿のゴタゴタだったりするので、決して分不相応なドラマにはならないのである。ちょっと奇天烈な細腕繁盛記だと思えば、こんなに素直でわかりやすいお話もなかなかあるまい。 構造上、どうしたってびっくりするような展開も出てこないし、どっちかっていうと「思った以上に庶民派だったー!」っていう方が多いのだけど、多分今作で描きたかったのはそうした庶民派のお話なのだし、2クールで少しずつ好感度が上がり、「葵しゃん、素敵でしゅ」と素直に思えるようになればそれでOKなのだろう。やはり、そうなれば「男は黙って東山奈央」なのである。 ちなみに、ここまでの文章でお分かりかと思いますが、僕がいちばん好きなのは当然チビです。途中で退屈するかと思ったけど、毎週「とりあえず次回予告を見よう」というモチベーションがあったのは本当に良かったと思います。 「ハッピーシュガーライフ」 5→6 うーむ、そうだよな、そういうエンディングになるよな……色々と考える余地があるので難しいところだが……今作が簡単に終わったらそれが一番の問題なので、これが然るべき幕引きということなのだろう。 最終話感想と総括記事は分けて書こうかとも思ったのだが、最終回ラッシュで時間と気力に限界があるので同時処理にしてしまう。論旨がとっ散らかるのは申し訳ない。最終話でしっかりと描かれているのは「必罰」の精神。確かにこれで無事に海外逃亡に成功してしまったら倫理的にどうなの、という気もするので、この落とし前のつけ方は無難なものである。ご丁寧にエピローグ部分で担任まで捕まっており、犯罪行為に加担したと言える太陽も人格崩壊でふさわしい末路へと至った。問題になるとしたら、しおちゃんの末路はそれで良かったのか、という部分に集約されるのではなかろうか。しおちゃんは作中では明確に「罪」と言える行為に手を染めておらず、関係者では唯一と言っていい「裁かれる必要のない人間」である。まぁ、いろいろな部分で教唆を疑うことはできるが、基本的には年端もいかぬ子供なのだから、彼女自身の罪を問う意味もないだろう。そうなると、ラストの彼女のあの状態は「理不尽な罰」に見えてしまうわけだ。 「彼女は不幸ではない」という解釈も可能である。というか、本作の性格を考えれば彼女が自らの内にさとうの亡霊を宿し、これからも二人だけの「ハッピーシュガーライフ」を歩んでいくという結末は、2人の愛が成就したまさに「ハッピーな」エンディングだ。ただ、それを幸福だと感じるためにはしおちゃんはあそこで完全に歩みを止めてしまう必要があるし、何よりもそれではあさひが救われない。彼も、今回の一件ではほぼ被害者サイドであり、(若干の暴力行為はありつつも)本来なら裁かれるべきではない人間。そんな彼にとって、しおがさとうに囚われてしまうのはバッドエンド以外の何物でもないはずだ。どうあがいても、彼ら兄妹の双方にハッピーエンドは訪れないのである。まぁ、純愛ってのは非常に身勝手なものでもあり、周りに迷惑をかけてこそという考え方もあるが……。うむ、やはり、しおちゃんのアレはハッピーエンドなのだろう。あれだけ頑張ったお兄ちゃんを見ていると心苦しいが、今作で描きたいのは1つの歪な愛の物語だったのだ。そのためには多少の犠牲には目をつぶろう。まぁ、考えてみりゃ犠牲どころじゃないしょうこの存在もあるしな……。 というわけで、何事も極めればドラマになるよ、というとんでもない作品でした。中盤での一捻りされたネタもあったし、何よりも作中の登場人物が全員イカれているおかげで刺激が非常に多く、なんとも不謹慎でどす黒い楽しみを得つつも、見返りを求めないただ一途なさとうの「純愛」と、それを受け入れていくしおちゃんの関係性(やはりこれを百合とは呼ぶまい)に心を掴まれる。そんなお話。甘いのとしょっぱいのは一緒に食べると味が際立つわけだが、本作はそうした甘味の混ぜ込み方が実に嫌らしく、マゾヒスティックな快楽を得るに充分な苦みばしった部分の味わいを引き立てていた。1クール作品でもとにかくプロットを詰め込んでこれだけの密度のお話を成立させることが出来るんやね。総監督を務めた草川監督は最近安定して(私の中では)ヒット作を出せているので、このまま「一筋縄ではいかない女の子」を描くクリエイターとして方々で作ってしまった汚名を返上していただきたい。 あとはやっぱり無視できないのは限界まで煮詰まったキャスト陣のお仕事。赤血球とマクロファージさんがこんなところでやっちゃいけないお仕事やってる感が尋常じゃない。おばさんなー、あの人の愛はなー。男性陣も花江くん、界人くんがどちらも「頭のおかしい役やっていいんですね?」って楽しくやってそうで実に良い。この世界でいちばんの常識人がぺっちゃんっていうのもなんだか皮肉めいていて(??)良いですしね。そして、物語の中心になり「急に自我芽生えすぎじゃね?!」と我々を困惑させてくれたしおちゃん、つまり久野ちゃん。……トレンドワードは「久野ちゃんの声帯」。そりゃな、道端で久野ちゃん捨てられてたらとりあえず拾ってくるよな。間違いないよな。 「イナズマイレブン アレスの天秤」 5→5 こっちの若林は腕が伸びるよ! 今作が「キャプテン翼」と同時期に放送されていたのは不思議な縁を感じますね。まぁ、数十年後の後輩作品を見てキャプ翼がどう感じるかは分からないけども……。 終わったわけじゃないけど一応区切りということで。シュタゲの項でも触れたが、今作もあれと同様の「人気作品の純正続編」である。「2世もの」というか、キャラを入れ替えての新作なので扱い方はだいぶ違うが、アドバンテージをいかに伸ばし、旧作と比較される時のデメリットをいかに抑えるかという問題意識は同じ。そういう部分を見ると、今作はかなりいい采配が下されていたのではないかと思う。 注目すべきは旧キャラたちのポジショニングである。伝説となった初代雷門イレブンが各地でコーチ役になっているという設定がいわゆる「レジェンド」設定になっているのだが、これが「成長して数十年後」とかじゃなくて、まだまだ連中も現役としてグラウンドをかけまわれる状態。チームではなく個人として登場させて戦力を分散させることで、レジェンドたちの強さを色褪せさせず、しっかりと新キャラたちがそれを打倒し、乗り越えられるように設定されている。一番の壁である円堂を急造の弱小チームに配することで強さのバランスをとったり、「勝てる」設計を作りながら新旧キャラが入り乱れて戦えるようにしたのがシンプルな楽しさを提供してくれている(まぁ、風丸の立ち位置は可哀想だったが……)。 あとはまぁ、超次元サッカーに説明は不要ということで。とにかくなんだか強そうなことを言って迫力がまさった方が勝ちという車田正美メソッドを徹底的に磨き上げた本作は、サッカーだかなんだか分からないけど勢いだけで物語が作れる便利システムの先駆的存在。おかげでちょっとでも「なんかサッカーっぽい」要素が出てくるだけで「おっ、今回はちゃんとサッカーやってるやん!」と印象が良くなるという謎の現象すら起こりうる。これこれ、これが初代の頃から楽しかった要素だったんだよ。結局必殺技ってなんやねん。最終話で今更「腕が伸びた?」とか「空を歩いた?」とか言ってるのは笑うわ。いや、お前ら普通に空飛べんじゃん。 灰崎や野坂といった主要キャラの置き方もそつがなく、少年漫画的な盛り上がりも充分なもの。同時期に進行したおかげで「野坂の元ネタって三杉くんかぁ」とかいうちょっとした気づきもあったし、時期的なかみ合わせの良さもあったのかも(灰崎は多分鬼道のリメイクなんだろうな)。あえて心残りがあるとしたら、結局コーチって何者だったんだろう、っていうのが分からなかったことくらいだけど、まぁ、世界編があるならそっちでまだ続きがあるんだろうね。敵軍トップと声が同じなのは何かネタがあるかと期待したんだけどね(あるわけないやろ)。さぁ、世界編も楽しみだ。 「Free! -Dive to the Future-」 5→4 ごめん、多分もうストーリー部分はあんまり追えてない。ほんとに脚本に興味がわかないんだよ……。そして、実際にその脚本は物語を終えてない……(うまいこと言った)。 真面目に追いかけていない視聴者サイドに責任があるかもしれないが、やっぱり今期分のエピソードは視点が散りすぎている気がした。1話目を見た時点で「メインの連中がこんだけ散り散りになってしまって、どうやって収拾つけるんやろ……」と不安視していたわけだが、結局収拾をつけるというよりは「あるものをそのままお届け」みたいな展開になった。各方面に新キャラを追加し、なんとか「水泳」というテーマから離れないように男と男の関係性をつないでいく。こうした個人競技の場合に戦略性も何もないのでどうしたって「泳げるか? より速く泳げるのか?」という精神性を掘り下げる物語にならざるを得ず、行くの行かないのといった筋立ては旧作2作のドラマとかぶる部分が多くなってしまう。あまり真面目に見ていない人間からすると、派手な事件やイベントがないと、どうしても興味を維持できなくなってしまうのだ。正しい対象層にとっては、新しい筋肉キャラが出てきてくれるだけでも充分惹きつける要素になったのだろうが……。 しかし、そんな「惹かれない」お話でもやっぱり最後まで見続けてしまうのが京アニクオリティである。贔屓目かもしれないが、作品を重ねるにつれて、同じ「水泳」というモチーフでもより際立ちの強い映像になっている気がする。水の描写なんてサボろうと思えばいくらでも適当にして怒られない部分なのに、本作の場合は作品全体を費やしてどこまで描ききれるかを実験しているかのような映像美を繰り広げる。とにかくその部分だけでも脱帽。これだけ透明度が高く、真に迫った「水」の存在感は、およそ他のスタジオでは望むべくもないだろう。どれだけ分からんと言いながらも、やっぱり本作は見続けるしかないのだ。2020年かぁ……。 あ、あと女性キャストの起用法が狂おしいほど好き。男性メインなのでどうしても添え物程度の印象になりがちだが、長年メインを務める江役の明乃に加えて今回はナバ、涼さん、そして妹ポジのサトリナという俺ら世代へのご褒美みたいな配置。今時貴重な贅沢ぶりは本当に最高。 「Steins;Gate Ø」 5→5 なんか終わった。ジャンプの打ち切り漫画みたいなフィニッシュだったけど、一応当初の目的は果たされてるからハッピーエンドってことでええんかな。 ぶっちゃけ、旧作も全部覚えてる訳じゃなかったので途中から事実関係がよく分からなくなって「まぁ、雰囲気で見よ」って割り切ってしまったので細かい部分には一切ツッコミを入れられなくなってしまったのだが、それでもまぁ、特に苦痛もなく見ることができた。いや、逆に色々諦めたおかげで疲れがなくなったのかな? とにかく、旧作同様、「とにかくオカリンが覚醒して格好つけると、なんだかとてもキマっているぞ?!」ということさえわかればOKなのである。 だって、正直言って1期で完全に「終わった」物語のはずなのに、その続きから純正続編をひねり出して、しかもそのテーマ設定はどこまで言っても結局世界線跳躍の話だから根本的な問題意識は変わらないっていう状態で、2クール分もの「それなりに盛り上がる話」ができるだけでも大したもんだと思うよ。普通は「蛇足だ」って言われるやつじゃん。いや、純正のファンにはそう言われてるのかもしれないけども……少なくとも私はクライマックスに進むにつれて旧作同様に「おぉ、なんか格好いい」と思えるようにはなっていたし、持ち味である「格好良く描かれる厨二」の部分は衰えていなかったはず。そして(多分)ストーリー展開にもそこまで大きな齟齬はなかったはずだ。一度は諦めた助手との関係が根底にあるとはいえ、今作で最大の見どころとなったのはやはりまゆしぃとの繋がりだったので、助手なんて放っておけ派の私としては嬉しい限りだ。まぁ、そういう意味ではわざわざ過去に戻らなくても良かった気もするんだけども。 結局、「人気が出た作品の続編」なんてものは最初からリードとハンデを同時に抱えているようなもの。あとはそれをいかに活かし、抑えるかにかかっている。本作ではハンデの方を極力抑えつつ、アドバンテージをそのまま伸ばせる純粋な「続き」として成立してたのだから、ゴールはどうあれ、要素を楽しむ雰囲気ユーザーには不満の出るものではないのだ。それでもまぁ、流し見になっちゃったのでどうしても印象は薄くなるけどねぇ。 個人的なお気に入りは未来編にすっ飛んだところでのキャストの働き。ダルがずるいのはお約束だが、ルカ子は一瞬「さすがに男性キャストに変えた?」って思ったらやっぱり画伯だったのが感心した。あ、あとレスキネン教授好き。変態外人いい味出してるわ。さすが耀司さんやで。 |
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HN:
Thraxi
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男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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