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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「プラネット・ウィズ」 5→6

 非常に程よい作品でしたね。何が良いのかを説明するのがすごく難しいタイプの作品なんだけど……ほら、なんか……程よい(語彙)。

 それなりに感想は書いていたけど、これ、毎週感想が書けるってことは毎回引きの段階で続きが気になる構成が出来てたってことなんですよね。終わってみれば「あー、王道展開だったなー」と思えるはずなのに、要所要所では意外な展開から興味を引くのを忘れない抜け目ない脚本。1話目で「ぶっ倒すのはあっちだニャー」って銀子がバラディンを指す展開なんかもびっくりだったが、その後も龍の正体とかいきなりの5年後とか、「おっ、何がどうなるんだ?」と引きつけてくれるのである。それも別に見たこともないような無茶苦茶な展開というほどでもなく、「過去に例はあるんだろうけど、この雰囲気、この展開でスッと出されると良い刺激になる」くらいの展開なのよね。過度の考察とか、余計なまでのアンチ思想を生み出すほどの劇物では無いが、原作者はちゃんとアニメ脚本として12話分の構造を心得た組み方をしている。多分、そういうところで「シリーズアニメ向きの」構成が用意できるのが、アニメオリジナルという媒体の最大の武器なんだと思う。

 映像部分もさりげない中に味わいを仕込んであり、やはりベースが先生や閣下のようなゆるふわギャグテイストになっているのが美味しい。最終話の感想でも触れたが、これがあるおかげで正統派のシリアス展開の中でもどこかにゆとりがあり、ちょっとギャグを挟んでみたり、ハートフルな展開が待っていたり、時には多少の無茶が発生するような訳の分からんことになったり。そうした時にもガッチガチのSFロボットアニメを標榜していないおかげで免罪符がある(気がする)。ロボのCG作成なんかでは手を抜いていないのだからそれこそ「スパロボ」に参戦してもおかしくないくらいの品質だったのだが、それでも今作は「ロボットもの」というよりも「ハートフル町内ヒーローもの」と言ったほうがいいような、不思議な近しさを感じることができる。行き過ぎず、ゆるすぎず、やっぱり「程よい」んですよ。

 欲を言うなら、やっぱりわざわざ用意した装甲に関して個々の特性がもうちょっとわかるようにして欲しかったかな。パラディンズの装甲は色々とギミックがあったはずなのに十把一絡げになってしまったのは勿体無い気がした。どうしてもジャンプバトル脳からすると熊は熊、ネズミはネズミ、って言う風になんらかの個性を発揮したバトルってのも見てみたかった。ただまぁ、そうなると侵略者側である封印派の攻撃にも工夫を凝らす必要があり、どうしても「ガチで人類を害しようとしている嫌な奴」っぽくなってしまう可能性があるので、今作みたいなイマジネーション主体のふわっとバトルになってしまうのはしょうがないところか。「羊谷が何故あそこまで強くなったのか」みたいな部分が戦闘スタイルから直に見えるようになったら更にバトルアニメとしての押しができた気はするんだけど。まぁ、1クールでそれをやろうとするとメインシナリオにしわ寄せが来ちゃうかな。

 とりあえず僕はこの1クールに満足しています。アニメオリジナルだからって、時代に爪痕を残そうと頑張る必要はないんですよ。どうせ誰も知らない物語なのだから、ちょっとだけでも「観ててよかったな」と思える部分があれば、それで立派に幸せな作品だと思います。

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「深夜!天才バカボン」 5→5

 ギャグって難しいよね……。(投げっぱなし) うーむ、何をどう評したらいいものか……。

 やっぱり、「面白くするぞ! 誰もやったことがないギャグをやるぞ! さぁ、笑う準備はいいか?」みたいにしてハードルを自ら爆上げしていくスタイルはあまりよろしくなかったんだろう。いや、別に作中でそういうことを言っていたわけではないのだが、なんだろう、どうしても「これが誰もやったことのない前代未聞のネタなんだぜ? すごいだろ?」みたいなニュアンスが感じられると、こちらとしても身構えてしまうもの。笑いってのはどれだけ突き詰めようと結局最終的には個々人の感性によるものであり、「さぁ、これが面白いんだよ」と取り出されると「本当にそうなの?」と疑いの目で見ることから入ってしまう。その辺の事情は、本当に時節的な運のなさというほかはない。

 「おそ松さん」の成功が今作を生み出したのは間違いのない事実であり、今作はどこまで言ってもあの六つ子と比べられてしまう。正直、明確な「笑いの基準」なんてのがあるわけはないのだからどちらが上かなんてことは判断できないが、どうしても「それはおそ松で見たわ」とか、「おそ松でやったネタを二次利用してひねったんだな?」とか、「二匹目のドジョウ」の匂いは消えない。本当なこれだけの話数をやっているのだからどこかにオリジナルで純粋に笑える要素もあったはずで、実際に笑ったところはちょいちょいあったと思うのだが、全体の雰囲気に霞んで覚えていられないのである。何か楽しかったところあったかなぁ……個人的には中盤のひたすら後輩が押し寄せてくるラッシュのあたりは嫌いじゃなかったんだが(それって原作要素では)……あ、モーションキャプチャーのためだけに遠藤憲一呼ぶくだりも好き。本当にあの人は仕事選ばずにやってくれるな。

 全体としては、最終的に全部本官さんに任せてしまう流れがちょっとクドかったんだよな。あと、キャストネタが多すぎる。これは確実にマンネリ化して飽きられたやつ。特に神谷の場合はあれだけ長い尺で引っ張られた上にネタ自体も大して面白くないという地雷みたいな現場に呼ばれてしまい、なんだか損な役回りだった。他の六つ子はそこまでひどいポジションでもなかったんだけどな。

 うーむ、いや、改めて「確かに攻めた作品ではあったんだ」ということは強調しておきたい。ただ、とにかく一周も二週も回ってしまう笑いというジャンルでは「攻め方」を更に別な攻め方に変えなければ新しい笑いには繋がらないのかもしれない。そう考えると、ピンポイントで一斉を風靡したおそ松ってやっぱりすごかったんだろうな。

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Phantom in the Twilight」 4→4

 ここ最近の女性向け作品、何故か作画リソースが維持できない。かつては「薄桜鬼」「八犬伝」とかとにかく映像はイケメンに見せ続けるよ、っていう作品が多かった気がするんだけど、今期は100人のなんちゃらもこちらも、どうにもイケメンが維持できない。業界がもたん時が来ているのだ!

 いや、どうだか知りませんけどね。でもまぁ、今作はアクション描写が多い作品なのでそれだけに負担も増したんだろうなぁ、というのはなんとなくイメージできる。加えてライデンフィルムは今期「はねバド」「カトリー」との同時展開もあり、(正確な制作時期は分からないけど)あんまり余裕もなかったんだろうなぁ、と勝手に想像もする。個人的にはこの3本ならこれにしわ寄せが来るのが一番傷が浅いのでしょうがないと諦める。いや、全部ちゃんとしてほしいけどさ。とりあえず、イケメンがイケメンでいるのにはそれなりにコストが必要なのだ。

 でもまぁ、こうして「作画が惜しいなぁ」という部分ばかり気にしているということは、それ以外の部分は案外悪くなかったということだ。典型的なナイトものではあるのだが、トンの熱情の向く先が取り巻き連中じゃなくてシンヤオに固定されてるから男性目線でも見やすいんですよね。「これは女性向けではない、百合作品なのだ」っていう見方が可能になるから。まぁ、実際にはシンヤオも色々と大変だったわけですが、「お姫様を救う騎士」みたいな展開と「従者に守られながら戦うお姫様」みたいな展開が同時に繰り広げられる構図はなかなか新鮮だったんじゃないでしょうか。

 あと、キャラ作画は難ありだったけど「イギリスっぽい世界観は維持したい」っていう意識は汲み取れる部分で、要所にブリティッシュなロマンが感じられるのも評価して良い点ではある。どこぞのスパイ百合作品の時にも書いたけど、やっぱり日本人ってイギリスに不思議な憧れみたいなものはあるよね。そこで活躍しているのが中国人の血筋の者たちで、キョンシーやら中国拳法やらが飛び交うっていう設定は新鮮。ごった煮みたいな状況なのに、意外とすんなり受け入れられたのは見るべき部分だったんじゃなかろうか。

 まぁ、そんだけ言っても「やっぱり向きじゃないから……」みたいな遠慮はあるんですけどね。ヘルシングのクッソ適当な扱いとかなぁ……あの人ってこの世界だとイケメンカテゴリに含まれるんだろうか。イケメン以外に人権がないあたりはやっぱりちょっと寂しい。ちなみに好きなキャラはバックアップです。……イケメンか?

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 狂瀾怒涛の最終話。「そうなれば、そうなるやろ」という気持ちと、「そこで終わってしまうのか」という気持ちと。

 前話からの展開はある意味必然。金田城が落ちてしまっては、もう対馬の民に拠り所は残されていない。逃げるにしても四方の海。あとは嵐のごとく蒙古軍が過ぎ去ってくれるのを頭を伏せて待つばかりだが、相手はまさかの「腕慣らし」としてこの島で暴れているというとんでもない状況。どこへ逃げようが敵にぶつかり、次々と猛者たちが打ち倒されていく。普通に考えたら(つまり史実を考えたら)全滅エンドしかないはずだが、さてどうしたものかと見てみれば、なるほどこういう終わり方。

 考えてみりゃ、これってハリウッド映画なんかではよく見るエンディングよね。パニックもの、ハザードのもののお約束として、最終回は美男美女の主人公カップルだけが生き残りエンド。なんでそうなるのかっていう過程はいろいろあるが、今回迅三郎は主人公補正というか、圧倒的なオレツエーっぷりを遺憾無く発揮し、最後は子安をねじ伏せて、堂々と敵軍の中をまかり歩いてみせた。さすがにどないやねんと思うような絵面だったが、迅三郎がこの逆境の中で生き残り、その生存をなんとなくでも「ありそうなもの」にするためには、こうして「有りえないような凄み」を出すしかないだろう。ここまで有無を言わさぬ状態なら、今後「幾ら何でもうまくいきすぎじゃね?」なんて文句も出ない。何しろ、本当に「さすがにやりすぎ」な展開を乗り越えてきたのだから。ちなみにもう一方の輝日姫の方は「味方がなんだかんだで助けてくれた」パターン。最後の最後まで「お前、足引っ張ってるやんけ」みたいな残念ポジションだったが、ラストはなんと忠臣の鹿乃が文字どおりに我が身を犠牲にして守り切ってしまった。どう考えてもあの後の鹿乃さんの展開の方が気になるのだが……まぁ、もし運が良ければ(?)どこかで薄い本が作られることもあるかもしれませんね。

 とりあえず生き残った、というエンディングはなんとか出来上がった。それもこれも「史実だと大して記述がないから」という理由で成立している(?)ものだが、さて、迅三郎の生き様として、ここで終わってしまっていいものか。今回サブタイトルが「一所懸命」であり、回想シーンで娘さんが必死で主張していたのも武士の大義である「一所」の精神。迅三郎もこれまで幾度となくこの心構えを口にしてきたわけだが、今回生き残った迅三郎にとって、結局「一所」とは何だったのか。彼は対馬に特に縁もゆかりもなく、取り立てて愛着を抱く要素もないのだが、例えば宗助国の最期を看取ったことで対馬を自分の守るべきものとして受け入れたと解釈することもできる。しかしまぁ、おそらく彼が守り抜いたものは、どちらかというと「場所」ではなく「矜持」なのであろう。島流しに会い、流人の身に果てようとも最後には戦場で戦いながら死にたい。そうして戦場に生き続けた男は、戦いに身をおき続けることを「一所」と定めた。彼はこれから先も戦うことになるのだろうか。

 確認すれば、原作はまだ続いているという。はてさてここからどんな風に続けたらいいものかは見当もつかないが、単なる虐殺エンドだけで終わってしまうのもそれはそれで寂しいものだ。できることならば、この一風変わった絵巻のごとき軍記作品、「元寇」の終局までを見届けてほしいものだ。

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 はいここでこのアニメのタイトルドン! 最終回! なるほどなぁ、確かにこの作品は「人を救う物語」ではなかったのだね、星を救い、星と共に生きてこそ。ちゃんと最後まで救われる、良き幕引きになったのではなかろうか。

 取り立てて驚くような展開があるわけではない、まっとうな最終回ではある。龍が打倒されることは分かっていただろうし、「多分最終決戦で宗矢が捨て身の行動に出るだろうなー」くらいも想像していた部分である。むしろそこからの脱出方法については「ズルくね?」と不満が出てもいいレベルで御都合主義ではあるのだが、それはしれっと「縁」で片付けてしまっても文句が出ないだけの土壌を整えて来た作品なのだ。「縁」と言ってもそんな簡単なものではなく、そこには閣下が助けに来てくれるという確定的な友情、そして実際に発見してくれる委員長との絆が不可欠。それを結びつけて来た宗矢のこれまでの頑張りが身を結んでこその結末なのである。

 そして、今作のチャームポイントはやっぱり「真面目なことやってるのにどこか抜けている」という部分だろう。広大な宇宙で最大最強の敵と戦っているというのに、決め技になるのは「落とし穴」。そしてその落とし穴に落とす方法は「強引に押す」。さらに「押しているのは全員着ぐるみ」。挙句に「最後の一撃はやっぱり鉄下駄」と、どこまでいっても「どないやねん」という絵面が続く作品である。そしてこれこそが最大のセールスポイントなのだろう。悲壮なシーンでも不思議と苦しさがないのは全体を包み込むどこかユルい雰囲気のおかげだし、本来なら龍と宗矢の関係はこんな短期間で語ったり、融和したりするものではないはずなのに、それがいつのまにか丸め込まれているのも「この宗矢だったら大丈夫なんだろう」という信頼感のなせる技。なるほど、ここまでゆっくり積み重ねてきたものが活きている。まぁ、一番嬉しい積み重ねはやっぱり「委員長との絆」なんですけどね。

 そして最大の敵となった龍に対しても、しっかりと救いのエピソードが与えられているあたりもこの作品の温かみと言えるだろう。本体となっているアズラバラクラに対し、まずは銀子から涙ながらの感謝の意。そうなんだよな、これをやらないと彼女が命がけで宗矢たちについて来た意味がないんだもんな。その辺りの処理は抜かりない。そして、それを聞いたところでなかなか自分の存在を処理しきれなかったであろうアズラバラクラの脳裏に最後によぎったのはなんとジジイたちとのささやかな家族生活の思い出。彼の波乱の人生を考えれば、ほんの数十年程度の地球生活の思い出でいくらも苦痛が埋め合わせられるとも思えないが、それでもほんの少し、宗矢が守り切った地球という星の上で、彼にも幸せな時があったのだということは、何よりも視聴者にとっての救いとなるのである。

 最後に見せてくれた先生の破顔一笑も素敵。なんかこう、ちょっと疲れた時に見直したくなるような、変なロボットアニメ(?)でした。

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「ガンダムビルドダイバーズ」 5→4

 これ、最終回だけ見たら結局「フレームアームズガールが最強」ってことになりませんかね? ガンプラとは?(哲学)

 どうしても「ビルドファイターズ」と比べてしまうせいで評価が下がり気味になるが、冷静に考えると「BF」の盛り上がりも色々と例外的な部分があり、今作のクオリティも決して低いわけではない。というか、バトルシーンだけを見ればサンライズクオリティを惜しみなくつぎ込んでいるためにかなり高い。ただ、それを盛り上げるための筋立ての揃え方、見せ場の作り方がどうしても「BF」と比べて足りなかったのは事実であろう。

 結局「だってネトゲでしょ?」がどこまでも拭えない作品で、最初に感じた「これ、別にガンプラでなくても良くない?」感が(一応作中でフォローはされていたが)拭えぬままだった。結局、ヴァーチャルでやるならあらゆる感情がヴァーチャルになってしまうんだよな。途中からは「GBNが無くなるかもしれんのだぞ!」って運営がずっと言ってたけど、世の中のネトゲがどれだけサービス終了してると思ってんねん。ネトゲ必死民の中だけの壮絶バトルだからなぁ、っていう。あと、「バグって言えばなんでも説明した感じになる」問題ってのもある。運営の手を離れて人知を超えすぎやろ。いや、少年アニメにマジレスしてもしょうがないのは分かってるんだけどさ。なまじ「それも不可能ではないネトゲ」っていう設定なので弾けきれないんだよな。いっそガンプラ粒子が飛んでる世界の方がわかりやすいんだよ。

 そして、旧作と比べるとどうしても弱かったのが主人公の存在感。リクって真っ当な少年漫画的主人公ではあるんだけど、すごく真面目なもんだから押しが弱いのよね。セイは真面目キャラだったけどガンプラ愛は壊れてたし、何よりレイジとのコンビネーションでいい舵取りができていた。今作はリク&ユッキーがコンビで大人しいせいであんまりワクワクしないのですよ。他のキャラも濃いかと思ったら割と「いい人」補正で大人しくなっちゃったしなぁ。

 何が飛び抜けて悪いということもないのだが、やっぱりガンダムの看板を背負って、ビルドシリーズの看板を背負っているならもうちょい頑張って欲しかった、ということで。あ、サラは可愛かったよ。彼女が困ってるとどうしても「また神樹様が何かやってるんだろ!」って思うよね(そうでもないわ)。

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「ルパン三世 PART5」 5→6

 わぁいレベッカさん。あかりレベッカさん大好き。いいっすね、このエンディングのおかげでなんだかシリーズ全体の印象もぐっと良くなった感じがします。

 普通に面白いシーズンだった。なんだろね、私は個人的に旧作ルパンって全然知らないし、そこまで興味もないのだが、本作は2クールの間もあまり退屈せずにきっちりまとまったシリーズとして楽しませてもらった。多分、シリーズ構成がうまかったんじゃなかろうか。まぁ、天才金庫だけは未だに意味がわからんが……。

 今回のテーマは「ネット社会」。Part4の段階で既にこうした技術革新とルパンの戦いは繰り返し描かれていたが、今回はスタート時点でアミの存在があり、「ネットの情報共有という犯罪抑止力がルパンをどのように制していくのか」が描かれている。まぁ、最終的には力技でまかり通るのでそこに明確な解答が与えられているわけではないのだが、シリーズを通して一貫したテーマ性があるおかげで随分見やすくなったのは事実だ。ざっくり確認しておくと、冒頭のアミ編でアンダーワールドとの対峙、その後ルパンゲームという大衆との対決姿勢を明示した展開があり、最後にはその純正進化形であるヒトログとの戦いになる。同じような「ネット情報との戦い」であっても、アプローチが異なることでマンネリにはならず、さらにネット社会の抱える問題を皮肉った社会派的な側面も醸し出される。一昔前なら絵空事と笑われるようなアイディア・問題意識も、急速に進化し続ける情報技術を考えればファンタジーではなくなっているこの世界。今の時代だからこそ描ける貴重なルパンの姿として、存在意義のあるストーリーである。

 さらに、そうした対決の要素に加え、今回はもう1つのテーマとして「人々にとって、ルパン三世とはなんなのか」という問いもテーマとして設定されている。Part4の時に「ルパン×銭形」の関係性が深掘りされていたが、今作はそれを膨らませる形で様々なキャラにとっての「ルパンとは何か」が描かれている。次元はもちろん、改めて銭形との関係性も描かれているし、最終幕では五右衛門、そして不二子にとってのルパンが掘り下げられる。終盤、完全に五右衛門がメインヒロインやんけ、っていう展開になっていたのに、最後の最後で一番美味しところを持っていく不二子は流石である。しかし、あのネタをラストに使うのは反則級じゃねぇか……。さらに今回はアルベールという「もう1人のルパン」を登場させることで「ルパン自身にとってのルパン」を問う展開があるのも興味深い。これまで長い歴史を紡いできたシリーズだけに、こうしてまだまだ描ける余地が残っていることが示されると作り手側の愛情が感じられて良いものである。

 その他にもショートエピソードで色々と愉快な話も見せてくれたし(ドルマ編は単に心がぴょんぴょんしただけだが)、まだまだ息の長いコンテンツであることを見せつける2クールであった。あとの展開は小林清志の頑張り次第だが……まだ数年後に新シリーズが作られたりするのかしら……。

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「ヤマノススメ サードシーズン」 5→5

 もこ歌元気! この世の真理に理由はいらぬ。

 いやー、でも今期は本当に疲れましたなー。世間でも散々言われてるみたいなんだけど、どうにもあおいとひなたのギスギス展開が長くて長くて……まぁ、15分アニメなので普通のアニメに換算したら1〜2話程度なんだろうけどさ、それでもさ、辛かったよね。「お前ら、もうちょっと精神的に大人になってくれ〜」という部分だけが切なる願いになってしまい、今作では常に感じ続けてた「女子高生にしちゃぁこいつら幼いよな」という部分が、あまり良くない方向に出てしまった感じ。

 まぁ、ギスギスしてるからってそれだけで忌み嫌うのも良くないですけどね。本作はできれば山の厳しさを教えて欲しい作品であって、人間関係の厳しさは別な作品でいくらでも補えますのでね。でもまぁ、終わりよければ(?)全てよしとしておきましょう。いつになるやら富士登山。きゅん! ふぁん! 

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「京都寺町三条のホームズ」 4→3

 逆に面白くなっていった作品。アニメ世界における京都って2つの意味で特権的なんですよ。1つは、実際に持つ特殊性のおかげで、修学旅行先としてよく登場したり、「青の祓魔師」や「ぬらりひょんの孫」みたいな世界で魔の者が狙って来て決戦場になったり。そしてもう1つは言わずもがな、京都アニメーションというたった1つのスタジオがあるおかげで「京都っぽさ」がなくても京都はアニメの中では聖地になるのです。そうして多くの作品で描かれて来た「聖地」京都は、ただそこにあるだけでアドバンテージになるような存在なんですが(身内びいき)、この作品はそうしたアドバンテージを一切活かそうとしないという意味で、むしろ潔い作品でしたね。

 この作品で感じる京都って何だったんだろう。いや、そりゃ舞台は京都だし、登場人物の多くは京都っぽい方言(京都弁とは書かないよ)を話しているのだが……なんだろ、見てて全然綺麗じゃない……もともとショートアニメ専門のスタジオ・セブンが担当している時点で訝しんではいたが、割と早い段階で作画が限界を迎え、マジでショートアニメだったら傷も浅くて済んだのに、みたいなやる気のない映像が続く。「すごいよマサルさん」のギャグみたいになってたからな。このクオリティで「ホームズさんはイケメン」とか言われてもなぁ。

 そして、当然描かれている内容にも興味は湧かない。ホームズってんだから推理しろよ、って思うんだけど、毎回真贋鑑定でも特に理由やうんちくを述べるのでなく、単にじっとみて「こっちがニセモン」って言っておしまい。この作品に骨董設定いる? 「ギャラリーフェイク」は本当にためになる良い漫画・アニメなので、そっちを見たほうがいいと思うよ。当然「推理」も同じクオリティで行われており、大体の理由は「探偵役がそう思ったから」である。こんだけガバガバの推理で探偵を気取られると、「いや、別に京都人がアホなわけじゃないんで。この世界が特殊なだけなんで!」ってせんでいい言い訳をしてしまいそうになる。こうしてみると、まだ「推理」のフォーマットに則っていた「氷菓」はまともだったんじゃないかって気もしてくる。雰囲気を出せるか否かっていう時点で、だいぶ印象は変わるものだ。

 ミステリとしては元から期待してなかったので別に良かったのだが、京都作品としても失笑もの(誤用)だったのは残念至極。ちなみに、「寺町三条ってかに道楽やんけ!」って言ってたわけですが、アニメ内の描写を見てるともしかしたら新京極通寄りなのかもしれません。その場合は……「天下一品」の可能性があります。「京都天一のホームズ」。こってりしてて面白そうやんけ。推理の味がさねを見せてくれ!

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