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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ジョルノの大胸筋突っつくアバッキオで笑ってしまう、第12話。あんなに胸ぐら掴みにくい衣装もなかなか無いよな。アバッキオもジョルノのこと敬遠してるくせに、スキンシップがいちいち近いの何なの。

 別にそういう目で見るつもりもないが、今回は色々と盛り気味だったフーゴの過去話も含めて、そっち方向のサービス過多である。IQ150、飛び級で大学に合格した天才少年を狙う変態教授か……うーむ、ああいう自分よりも賢いであろう人間に年の功だけで恐れずに挑もうとする人間って何なんだろうな。あとでどんなしっぺ返しが来るかとか考えないもんなのかな。まぁ、残念ながらフーゴのしっぺ返しは恐ろしくダイレクトなアタックだったわけだが。こうして見るとやっぱりギャング団の一員ってみんなして本当に不慮の事故みたいな残念な理由でドロップアウトしてんだよなぁ。一応自己責任が大きいのって不正を働いてしまったアバッキオくらいか。

 さておき、そんなわけでフーゴの紹介エピソード。ちゃんと他の面々と同じように過去話も展開してもらっているので、メインの戦闘がこれだけでお別れというのも何だか勿体無い気もするが、荒木先生は結局フーゴを出した時点で彼をどのように扱おうとしていたんだろうか。世間的には「能力を作ったけど扱いきれなくなったから退場させた」みたいな論調が強いが、あそこでフーゴがリタイアするのって、ギャング団の使命を表現するのに不可欠な要素だったはずなんだよね。今回のジョルノとアバッキオの言い合いにも繋がるけど、結局ダーティヒーローを描いている限り、何が正解かなんて単純な答えが出るはずがない。自分の信念に殉じて何を優先するかの問題で、ブチャラティやジョルノが描く未来は、フーゴの持つ使命感や人生観とは違うということを表現する必要があった。妄信的な「信者」ばかりでは、ブチャラティのチームの持つアンビバレンツは表現しきれないからね。チームで最もIQが高いであろうフーゴにその役割が回って来るのは、事前に決められた宿命だった気はするんだよね。

 でもまぁ、現時点では単なるブチギレ面倒ニキである。史上空前の厄介スタンド・パープルヘイズ。まぁ、この後もっと面倒なグリーンデイが出てくるので(さらにその後にはボヘミアンラプソディも出てくるので)厄介度ランクではそこまで上ではないが、少なくとも「正義のヒーロー」として出してくる能力としてはイカれてるのは間違いないだろう。少年漫画の能力バトルで即死ウィルスってなぁ……やっぱりどこまで考えて書いてたかは謎だな……。しかし、少なくともこのバトルの中に限ってはちゃんとプロットがあって描かれていたもののはず。そうでなければマンインザミラーなんてこれまた面倒な能力を敵として登場させたりはしないだろう。

 「鏡の中に引きずり込むのにほとんどのエネルギーを使っちまっているからスタンド自体のパワーは低い」というのイルーゾォ本人の弁であるが、「鏡の中に引きずり込む」ことよりも「鏡の中に世界を作る」ことの方が膨大なエネルギーを消費するはずだ。今回表示されたデータを見るとマンインザミラーの射程距離はBとのことだが、あの「世界」は果たしてどこまで続いているのだろう。少なくともイルーゾォが認識している限りは世界に終わりはないだろう。そう考えれば世界創造の能力なわけで、下手したら史上最強クラスなんだ。そしてその能力の目的も、そんだけ大層なことやってるのに「敵からスタンドを剥ぎ取る」という部分だけが主目的になっているのもすごい。まぁ、暗殺が目的ならば目撃者がいないところで確実にターゲットをなぶり殺しにできるのだから、やはり「向き」の能力には違いないが。一切他の人間と連携が取れないので、やっぱりホルマジオ同様に独立部隊だったと考えるのが自然なんだろうなぁ。

 鏡の中に世界なんてない。花京院にそう言われてから十数年後に編み出された新能力。IQ150のフーゴも、引きずり込まれるまでは謎解きができなかった。そして、そんな無茶苦茶な能力を「当てに行く」のがこのバトルの最大の見どころとなる。フーゴの戦い、アバッキオの戦い、そしてジョルノの戦い。三者三様の目的意識で、それぞれに命がけのバトルをする激アツ展開。やっぱりこのあたりのバトルはどれを取っても最高すぎるんだわ。早く仮面ライダーWみたいになったアバッキオをアニメで見たいもんである。

 

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 最終回は来年までお預けか、第12話。まぁ、残す要素は唯翔との関係性とエピローグだけだし、ちょっとムズムズしながら待つしかないでしょうね。

 正直言えば、今回のお話もすでに「エピローグ」になっている感はある。残された不確定要素は「琥珀が時間魔法を成功させられるか」という部分だけなのだが、前にも書いた通りに「琥珀にとってハッピーエンドが確定している世界」なわけで、そこにあまり心配を持ち込む余地はない。つまり、事実上この物語は「後片付け」に入っているわけだ。そんな中で瞳美以外の人間の関係性はすでに収束しており、部長とあさぎについては、「すでに2人の間ではある程度の合意はできているけど、まだあさぎは正式にゴーサインを出さないよ」というところで留まった。この辺りの押し引きに遠慮というか思慮が見られるあたりがあさぎらしいところである。単細胞な恋愛ものだったら、部長がフラれたこのタイミングで一気にあさぎを走らせてしまいそうなところだが、それではあまりに「らしく」ないのだ。文化祭のイベント内で初めて自分の作った作品が認められたあさぎは、少しずつ後ろ向きだった性格を修正し、瞳美との関係性など、いろんな物事に対して前向きになろうとしていることがわかる。ここで最後の一押しとして部長に告白してしまう展開もゼロではなかろうが、やはりあさぎさんはもう一手待つことにしたようだ。彼女の「まだ」は、部長にもう少し自分のことを知ってもらう時間的な猶予を与えるためのもの。単に怖気付いて前進できなかった唯翔のステイとはわけが違う発展的なものだ。

 胡桃と千草の関係は最後までやっぱりこのまんま。まぁ、この2人に関しては今の距離感がベストってことなんだろうな。多分高校卒業後も、なんだかんだで千草が胡桃と同じ大学に入るように追いかけて(日頃からちょっかいをかけつつ)、いつの間にか距離が縮んで互いに離れられなくなるパターンになるんだろうなぁ。何の疑いも持たずに関係性がブレない状態、これはこれで羨ましくもありますな。

 そして、最後に残された唯翔の存在。瞳美はすでに気持ちが固まってて、彼女なりの最大の勇気を持って踏み出そうとしてるんだけど、やっぱりダメだった。それは彼女の「色」の問題が最後まで完全解決されなかったことにも表れていて、唯翔に手を握られたお化け屋敷は、「色」どころか「光」すら存在しない真っ暗闇。色彩というのも大きく区分すれば光の一部、「光彩」なわけで、先の見えない暗闇の中で、彼女は自分の目が色を映しているのかどうかを知るすべはない。彼女の「幸せ」を届ける色は、お化け屋敷の中で見えていたのかどうか。そして、離れ離れになることがわかっているからこそ一歩を踏み出さないことを選んでいる唯翔。その思慮深さは、優しさなのか、臆病さなのか。

 ラスト一回、年明けに明かされる「琥珀の目的」はどんなものか。今の瞳美の姿を見ればそれは容易に想像できるものだが、60年後のおばあちゃんが孫に何を語ってくれるのか、年またぎでステイである。

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「寄宿学校のジュリエット」 5→5

 期待はずれでもないが、予想外でもない、そういう作品。「ロミジュリ」というタイトルを借りてきてはいるが、結末に至らなければ元の作品が持つどうしようもない悲劇性は踏襲せずに済む。現時点では、「これ、どうやってエンディングを迎えるつもりなんだろう」という部分は気になるところだが。

 マガジン作品にありがちな、「悪くないし、きちんとアニメ化した分の責任は取ってるんだろうけど、そこまで引きつけるような要素もないかな」という作品。CMなんかを見るに、今のマガジンってこういうラブコメというか、恋愛要素が中心になる作品が多い気がするのだが、その中でも一番ベタで、特筆すべき部分に乏しい作品がこれなのだろうか。展開はおよそ分かりきっているし、毎週見たいという欲求を駆り立てないのは残念なところ。映像部分も1話目ではそれなりだった気もするのだが、その後中盤で質が低下したことは明らかであり、決して恵まれたアニメ化とは言えない結果である。アクションあり、ギャグあり、恋愛ありで色々と見せるべき部分は多かったと思うのだが、どこか一点に振り切るわけにもいかず、どんな部分でも怒られないくらいのクオリティをとどめている。まぁ、こういう「喧嘩しない」品質というのももしかしたら求められるものなのかもしれませんけどね。原作を知らない人間がアニメ単体として摂取する場合にはあんまり盛り上がらないのがね。

 でもまぁ、この作品で「足りない」と不平を言ったらそれは贅沢というものなのだろう。おそらく今作で求められる最大の要素はペルシアの愛らしさなのだろうから、その部分がきっちり表現できていればニーズは満たしているはず。その上で軽めのギャグとしての空気は損なわずにシナリオ部分も無理なく通しているのだし、やっぱり原作ありのアニメってのは大崩れせずに話数をつないで行く分には安定した素材なのだ。欲を言えばきっちり完結している作品をアニメ化して満足行くエンディングを見たいところではあるのだが、まぁ、現代でそれを言い始めると身もふたもないしなぁ。できることなら、ちゃんと完結したらその時にはまたアニメ化でゴールまで見せてほしいところなんですけどね。それが叶わない作品が本当に多いからなぁ。

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 聖夜に向けて行われるたほいや、通称「語彙なる夜」。事前に予告した通りにコピペ作るのは毎年結構大変なので今回はパスね。まぁ、今年は日程の関係で正確さに欠ける普通の日程だし、いろんなバリエーションがあるんだと考えればいいじゃない。記念すべき日ということで、久しぶり、実に半年ぶりにあの男が降臨、堕天、襲撃、蹂躙、跋扈。今回は溜まっていたものを全部吐き出しながらのプレイなのでなかなかの純度になっており、久しぶりの暴虐にファンもアンチも大満足。暴君、うつ、アスペ、結石。ずらりと並んだ限界症状の末路をとくとご覧じろ。まずは前半、8人戦。

 

 


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「うちのメイドがウザすぎる!」 6→6

 安定安心の太田雅彦クオリティ。今作は毎回感想を書くような引っ掛かりがなかったのは口惜しいが、それでも「うまる」に負けないだけの叙情性あり、「みつどもえ」に負けないだけの爆発力あり。最終話でものの見事にマジ泣きさせられるのが本当に悔しいんだけど。光の演出とか、やっぱりずるいし上手いねん。

 1話目時点では毎度おなじみのコミカルな演出の妙に加えてハイパーな動画展開でもググッと目を引きつけてくれた今作。残念ながらそれ以降はそこまで動画部分でびっくりするようなものが出てくるわけではなく、どっか1話だけかなり作画が怪しい回があったのはちょい残念ではあったが、まぁ、普通に考えたら圧倒的な動画リソースを割くようなタイプの作品でもないからな(失礼だな)。とりあえずキャラデザをちゃんと維持して、丸っこいミーシャの愛らしさなんかをキープできればそれだけでも御の字。あとはいくらでもコンテワークだけで見せ場を作ることができる。

 太田作品のすごいところは、本当に「これ、原作読んでもそこまでハマらないんじゃないかな」と思えるような普通の内容でもがっつりアニメとして高いレベルに持ってくるところ。雪合戦回なんて、多分漫画で読んだらすげぇ普通なんじゃないかな。もしかしたらクライマックスに持ってきた両思いエピソードなんかも、漫画だったらそこまで際立った話にならない可能性もある(未読だから勝手に言ってるだけだが)。構成のメリハリもありつつ、ちゃんと見せたいセールスポイントを理解した上での話作りができるというのは、当たり前のように見えて、実はこの業界でもなかなか実現できる人材がいない難しいポイントなのですよ。

 本作の場合、設定は陳腐なのかイカレてるのかすらよくわからないギリギリのライン。「メイドもの」って言えばすでに手垢がついて時代遅れになっているジャンルであるが、そこに隻眼マッチョの元自衛官が出向してくるとなると途端に怪しくなる。「仮面のメイドガイ」みたいに「色物メイド」枠の作品とくくってしまえば理解は可能だが、そこにさらに真性ロリコンの純愛要素まで詰め込まれると、さすがに鴨居つばめの前にも後にも道はなかったのではないかという気がしてくる。わしわしや森川さんはそこまで際立った要素を加味せずに「平穏な学園生活」の舞台設定を整え、そろそろネタ的に辛いか、というところでぶち込まれる第2の核弾頭が鵜飼みどりというこれまたかっ飛んだ危険物なのである。鴨居&二尉の安定コントを見ているだけでも充分楽しく、みどりさんは誰に対しても1ミリもブレずにキャラを貫く強さだけでも惚れ惚れしますよね。本当にきれいに狙った通りの効果が出せている作品。

 そしてまた、すべての中心に位置するミーシャのキャラ造形が良い。これだけ癖の強い連中に囲まれる主人公なので色々と盛り込みたくなるものだが、あくまでミーシャは「つばめに好意を寄せられる対象」であり、絶対的に必要なのは「ロリっ子として魅力的であること」。子供に求められる無垢性を保持しつつ、きちんとメイドどもをコントロールするだけの理知も持ち合わせていなければいけない。登場時は「これ、またガヴリールみたいな引きこもり設定なの?」と思ったが、すぐにお外に飛び出して元気よく遊ぶようになったのは素晴らしい。素直で、それでいてわがままで難しいお子さん。そりゃま、つばめさんでなくても心臓を撃ち抜かれるのはしょうがないところだろう。いや、初潮云々は知らんけども……。多分アニメ史上もっとも初潮っていう単語が出てきたアニメだよな。

 そして、毎度のことながらこれだけの賑々しさを盛り立ててくれたのは間違いなく中の人の力。沼倉愛美の圧の強さが本当に良い方向に出た作品である。ぬーさんって純愛を貫くキャラがすごくしっくりくる印象があるんだけど、だいたいどこか微妙に歪んでるんだよな……。そしてみどり役のM・A・Oとの絡み。こちらも圧が強く、並べてみればタカオとヒエイのコンビ。M・A・Oの関西弁はあんまり聞く機会がないのだが、まさかこんなところで聴けると思わなかったのでちょっと嬉しい。そして、全てを受け切ったミーシャ役の白石晴香。太田作品としては切絵ちゃんからのステップアップだが、見事にその大役を果たしてみせた。地声よりもかなり上の高音域でもしっかり役に乗せられるスキルはなかなかのものだ。今後も、ドタバタと騒がしい太田作品の賑やかしとして活躍してほしいものである。

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 「誰かにならなきゃ、駄目ですか?」、第12話。動き出した世界。主人公・小糸侑がついに自らの意志で立ち上がり、最大の敵である七海燈子へと挑む。この高揚感はまさに少年漫画のバトル展開と同じものだ。克己の物語、そして、挑戦の物語。

 もう、今回はただ黙って観ていたいお話。「気が付けば息も出来ない」は今回そこかしこに漏れ出た「固唾を呑む」シーンでの各キャラクターの気持ちの代弁でもあろうが、何よりも我々視聴者の気持ちを表しているかのようである。最大のクライマックスとなった侑の部屋のシーンでは、まるで我々の忍耐を試すかのように、無音のままで2人の交流が進んでいく。音は無く、動きも最小限。聖像、イコンのように描かれる2人の関係性。そんな中で必死に回り続ける扇風機は、まるで侑の心拍を肩代わりするかのようである。

 すべての元凶はこよみだ。彼女の書いた脚本のセリフ1つ1つが、すべて七海燈子の心臓を抉っていく。これをいきなり書き上げてしまったこよみの作家としてのセンス、観察者としての力量は恐るべきものだ。そして、慣れない演劇の練習の中で少しずつキャラクターを作っていこうとする他の面々に対し、すでに入り込みすぎて戻ってこられなくなった燈子。あまりにも的確に彼女のパーソナリティを反映しすぎたため、燈子は役の感情から抜け出られなくなってしまった。もともと「仮面を付け替えて役を演じ続ける」というのは彼女の人生そのものであり、そこに更に「演じる」ことを求められたら、現実と非現実が、自己と他者が、区別できなくなってしまったのだろう。はたから見れば「凄まじく入り込んだ名演」であろうが、その異様さに気付けるのは一定距離まで燈子に近づくことができた2人だけ。沙弥香と侑だ。

 「燈子の様子がおかしい」という事態を受け、2人のとった対応は真逆のものだった。沙弥香の場合、燈子が一体何にショックを受け、どんな変調をきたしたのかもすべて理解している。その上で、「荒療治だが燈子が変わるチャンスかもしれない」と突き放す処置を選んだ。姉の幻影に囚われ続けるのはよくないと思っていたわけで、そこに外部からのノイズが混じり、燈子が現状に疑問を持つことは現状打破の第一歩だと考えたわけだ。だからこそ、侑には特に何も教えず、「全てをあるがままに」と様子見する選択をした。これはこれで、燈子の理解者、もしくは保護者としてありえる判断だ。

 しかし侑は違った。彼女の場合、燈子が「姉の幻影」に囚われているという事実を受け止めてから日が浅い。あの日の河川敷、打ちのめされてしまった燈子の発言から、尋常ならざる真実があるということには気づいたが、それをどのように扱うべきかは流石に決めかねていたはずだ。しかし、侑はそうして迷いを持ち、揺れ始めた燈子を放っておくのはよくないことだと判断した。あの七海燈子が揺れている。あの、弱くて危うい燈子が迷っている。そんな状況に手を伸ばそうと思ってしまったのは、やはり侑自身も燈子によって変えられた証なのだろう。迷いを決意に、今こそ姉の亡霊を打ち破るための一撃を。そんな願いを込めて、弱った燈子を受け止める。

 しかし、すんでのところでその一歩にまでは至らなかった。燈子が揺れて、弱さを吐き出したことは間違いない。自分の正しさに疑問を持ち、救いを求めているのは間違いない。しかし、姉の幻影を失った燈子は空っぽになるだけ。残念ながら、侑はその中身を埋めるためのものを持ち合わせていない。喉元まで出かかった「好きなのに」という言葉を持ち出す勇気がない。どうしたって、これまでの燈子の気持ちを考えれば、その言葉がもたらす影響力をコントロールする自信がないのだ。ここにきて、侑がこれまでの人生で「自分」と向き合ってこなかったことのツケが回ってきてしまったのである。

 燈子は「私の嫌いなものを好きにならないでくれ」と切に訴える。それに対し、侑は「先輩だって」と反論する。「先輩だって、私の好きなものを嫌いにならないで」。駅でひとりごちたその言葉も真実であろうが、もしかしたら、「先輩だって」の奥には、「先輩だって、私の嫌いなものを好きだというくせに」という思いもあったのかもしれない。あそこで声が出せなかった自分。未だ燈子との関係性に欺瞞を挟んでしまう自分。そんなものが、侑にはどうしても許せないのだろう。

 一歩引いた視点、自他への無頓着。これまでの人生で培われた「小糸侑」は、いよいよ終わりを告げる時が来たのかもしれない。なんとか燈子を変えるため、そして、自分自身が変わるため。侑の最後の戦いが始まるのだ。

 

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「となりの吸血鬼さん」 5→5

 今期きらら枠と見せかけてそうじゃないトラップ枠。まぁ、今期最大の血みどろ枠でもあるので、これはきららじゃないな!(どうだろう)

 基本的にこうした日常系にはそこまでドハマりすることはないので、毎週やんわり見て、やんわり終わっていくだけの印象。まぁ、特に悪い点もないので見ていて苦痛を感じず、可愛い女の子がいっぱい出てくるので何となく幸せな気持ちにもなれる理想的で典型的な日常ものである。1話目の時点で「なにいろモザイクだよ」って言っていた通り、終始きんモザと比較されるような中身だったのだが、あっちだって別にそこまでイカれた作品でもないわけで、突出して優れた部分があるわけでもないが、何かが明確に劣っている印象もない。強いていうなら、やはり鬼畜こけしの鬼畜度合いが段違いなので、明確な刺激成分ではきんモザに劣るだろうか。まぁ、こっちのアカリも別方向にネジが外れてる部分はあったけどね。吸血鬼というとどこか退廃的な印象があり、さらにインモラルなイメージもあり、ちょっと軸をずらしてやれば戻ってこられないところまで異質さが出てしまうはずの題材ではあるのだが、一切そんな際立ちを感じさせず、ひたすらダラダラと話を続けるその姿勢は潔いとさえ言える。

 ところで、個人的に気になったのはこうした作品で「特に理由もなくガチレズの友達」っていうポジションのキャラがよく出るようになったのって、先駆けになるのは一体誰なんだろう。いや、たまたま今期は「アニマエール」の宇希とこっちのひなたで奇跡的なキャラかぶりをしていたのでそう感じただけかもしれないが、きんモザのあややも近いスタンスだ。日常系における女の子たちの関係性ってのは「友情」の域を出ない描写が一般的だと思っていたのだが、あややのあたりからその様相が変わってきたのだろうか。いや、まぁ、そりゃ個人的には日常系の嚆矢と認定しているひだまりの中にはヒロ沙英というレジェンドもいるんだけど、でも、あれはガチレズともちょっと違うカップリングなんだよな……もっというとヒロ沙英の場合、お互いに完全に自分にないものを補い合う「夫婦」の関係性だったのでその関係性に疑問の余地がなかったし、あややが惚れている陽子にしても、いわゆるボーイッシュ系女子で「女の子が惚れている」という状況が理解しやすい。「アニマエール」の宇希にしても、こはねの持つ「圧倒的自己犠牲精神」という要素が惚れる要因になっていることは作中でも明示されているので理解可能だ。しかし、今作におけるひなたの「灯好き」はあまり理由がはっきりしておらず、本当に純粋にガチレズ要素だけで生み出されたキャラなのである。そのあたりも何だか不思議な歪みが感じられる部分なのだが……いや、別に嫌じゃないんだけどね。純粋に不思議だったんだ。「レズ友達」のオリジンについて、何か心当たりがある方はご一報ください。あ、大道寺知世さんはレジェンドなので除外します。

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<赤>
 
反逆の行動/Act of Treason(RNA)」 C
 今回はコモン。当然相棒となる「サクり台」をさがしてみるわけだが、今回コモンでクリーチャーをサクれるのは「骨の粉砕」のみ。あとはアンコモンの「血に染まった祭壇」があるくらいか。幸い、これらのカードはどちらも追加マナがほとんどかからずにサクれるので、かき集められれば一応シナジー形成はできないこともない。まぁ、赤黒で先に「骨の粉砕」が複数確保できた時に考えてからでも間に合うだろう。
 
 
炎の騎兵 Cavalier of Flame (2)(R)(R)(R) M
クリーチャー・エレメンタル、騎士
6/5
(1)(R):あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+0の修正を受けるとともに速攻を得る。
〜が戦場に出た時、任意の枚数の手札を捨て、その後、それに等しい枚数のカードを引く。
〜が死亡した時、〜は各対戦相手とそのプレイヤーがコントロールするPWにX点のダメージを与える。Xは、あなたの墓地にある土地カードの数である。
 神話騎兵サイクルの赤。ほんと、雑に強そうな能力をくっつけただけの雑なクリーチャーである。5マナ6/5、まぁでかい。全軍がブレス。まぁ強い。出た時に好きなだけルーター。まぁありがたい。死んだ時にダメージ、まぁ痛い。全体的に、まぁとんでもない。ただ、5マナかかるわりには主義主張が不明確なのでどんなデッキで使うかと言われると「どんなデッキでも別にええやろ」で終わりそう。一応今回大幅に強化されるエレメンタルなので、エレメンタルデッキのフィニッシャーとして活躍する……かも。

 


 
炎の侍祭、チャンドラ Chandra, Acolyte of Flame (1)(R)(R) R
伝説のPW・チャンドラ
<0>:あなたのコントロールする赤のPWに、それぞれ忠誠カウンターを1つ置く。
<0>:1/1で赤の、エレメンタル・クリーチャー・トークンを2体生成する。それらは速攻を持つ。次の終了ステップの開始時に、それらを生贄に捧げる。
<-2>:あなたは対象の、あなたの墓地にある点数で見たマナコストが3以下のインスタントかソーサリー・カードを唱えても良い。そのカードがこのターンにあなたの墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。
【4】
 さぁ、今回の主人公チャンドラさん三連発だ。カードの並びはカードナンバー(アルファベット)順なので、まずはこのレアバージョンから。3体の中では最も軽く、シーンとしては初めてプレインズウォークしたケラル僧院での修行時代を描いたものだろうか。晴れやかな顔にも表れている通りにさっぱりした能力を持っており、他のチャンドラとの共闘を促す事実上の「プラス」能力、単にエレメンタルシナジーを支えるゼロ能力と、どちらも「まぁ、3マナなら」というレベル。マイナス能力も「ただで唱えられる」みたいな無茶なことを書かないのがチャンドラ流なので、単体での性能はそこまで高くない。あくまで他のチャンドラのサポーターとして、最初に着地して露払いをするのが目的と言えるだろう。まぁ、それだけ、「次に出てくるチャンドラ」が怖くてしょうがないわけだが……。
 
 
目覚めた猛火、チャンドラ Chandra, Awakened Inferno (4)(R)(R) M
伝説のPW・チャンドラ
この呪文は打ち消されない。
<+2>:各対戦相手は、「あなたのアップキープの開始時に、これはあなたに1点のダメージを与える」という紋章を得る。
<-3>:〜はエレメンタルでない各クリーチャーに3点のダメージを与える。
<-X>:〜は対象のクリーチャーかPWにX点のダメージを与える。この方法でダメージを与えられたパーマネントがこのターンに死亡するなら、代わりにそれを追放する。
【6】
 相手の場に一番出てきて欲しくないのは、当然この神話チャンドラである。シーンとしては完全に覚醒しているので一番最後の時代とみていいだろう。「書いてあることが大体おかしい」というのが下馬評で、6マナのPWの天敵と言えるカウンターをまず受け付けない。よほどの事情がない限り、唱えたらそのまま着地するのだ。そして、着地直後にいきなり相手に火をつけて忠誠度8まで飛び上がる能力。このプラス能力がやばい。なんでチャンドラのくせにこんなにしぶといんだろう。単に相手に放火しているだけで勝てるカードがこの耐久力はあかん。もちろん、相手の陣営次第ではマイナス能力から入ることも多いだろう。エレメンタルを見逃すのは他のチャンドラとの絡み故だが、忠誠度を3残しての全体火力は6マナでも充分説得力を持つコントロール力を持つ。真面目にせっせとクリーチャーを並べるのがあほらしくなる。そしてピンポイントでのデカブツや相手のPW対策という念入りな処置を施す最後の能力。もう、とにかく邪魔者を排除して相手プレイヤーに火を付けることしか考えてない最低の奴だ。こんな危ない女を主人公にしてしまっていいのかい?
 
 
新米紅蓮術師、チャンドラ Chandra, Novice Pyromancer (3)(R) U
伝説のPW・チャンドラ
<+1>:あなたのコントロールするエレメンタルは、ターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。
<-1>: (R)(R)を加える。
<-2>:〜は任意の対象に2点のダメージを与える。
【5】
 順番は最後になってしまったが2番目のチャンドラ。機械細工が売りの次元で、何の因果か炎の魔術を宿して生まれてしまった「鬼っ子」のチャンドラ。それでも両親は彼女に愛をもって接してくれたおかげでまっすぐな娘に育つことができたが、反政府組織に所属していた両親は、ある日領事府の陰謀によりチャンドラの目の前で殺害されてしまった(ように彼女には見えた)。そのショックでPWの灯が目覚め、彼女は周りを業火に巻き込みながらプレインズウォークするのである。さておき、レアチャンドラの出したエレメンタルに重ねれば3/1速攻が2体で突っ込むことが可能になる、自分&自分の謎タッグ。もしくは出した次のターンにマナを産んで神話チャンドラにつなぐムーブでもいい。とにかく4マナで忠誠度5ってなんだよ、っていう硬さがなかなかのもので、さらにマイナス能力を使うと図らずも後に師匠となるヤヤさんの挙動と完全に同じになるっていうのも面白い。チャンドラ→チャンドラ→ヤヤ→チャンドラという夢の紅蓮術師チェーンを構築してみるのも面白いかも(権藤権藤雨権藤と同じリズムだ)。ちなみに紋章は色が無いので神話チャンドラの紋章はヤヤの力で強くならない。残念。
 
 
チャンドラの火炎猫 Chandra’s Embercat (1)(R) C
クリーチャー・エレメンタル、猫
2/2
(T)(R)を加える。このマナは、エレメンタル・呪文かチャンドラ・PW・呪文を唱えるためにのみ支払える。
 モフれない猫なんて……。まぁ、冬場にお布団の上に乗ってきたらあったかそうではあるが……(全焼)。なぜかMagicでは古くから存在する「火猫」と呼ばれるエレメンタルの一種。猫好きなら「火猫の襲撃」で大量の燃え盛るにゃんにゃんラッシュを夢見たことが一度くらいはあるはずだ。無いですか? そうですか。こちらの火猫はなんと赤には貴重なマナクリーチャー。まぁ、用途が限定的すぎるのでかなり専門性の高いデッキでないと使うのは難しそうだが、リミテッドならエレメンタルメインで組んで普通に2マナ2/2クリーチャーとマナソースの両方を兼任できる。イラストに見えるチャンドラのゴーグルが心憎い演出。「ゴーグル燃えないの?」って思ったけど、普段から彼女がつけて髪の毛も焼いてるんだから、当然難燃性の素材なんだろうな。
 
 
チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage (M14)」 C
 「チャンドラの吐火」と一緒に帰ってきた、チャンドラの名前を冠するカードの1枚。再録されるたびに「チャンドラの憤怒」とごっちゃになって「どっちだっけ?」となるのだが、これは使いやすい方である(「憤怒」はリミテでも微妙)。今回コモン火力は「ショック」、これ、「灰と化す」の3枚。ちょい重めなのでデッキバランスには要注意だ。
 
 
チャンドラの調圧機 Chandra’s Regulator (1)(R) R
伝説のアーティファクト
あなたがチャンドラ・PWの忠誠能力を起動するたび、あなたは(1)を支払っても良い。そうしたなら、その能力をコピーする。あなたはコピーのための新しい対象を選んでも良い。
(1)(T)、手札から山カードか赤のカードを1枚捨てる:カードを1枚引く。
 やたらと専門のアーティファクトが多いのはチャンドラというキャラクターの特徴で、過去にも「紅蓮術師のゴーグル」「紅蓮術師の篭手」と様々なゆかりの品がカード化されている。これもやはり、彼女がアーティファクト次元であるカラデシュ出身だからだろう。今回は「調圧機」というよくわからない備品がカード化され、なんとチャンドラ限定とはいえ「鎖のヴェール」的な倍加能力を持っている。今回チャンドラには多数の選択肢が与えられたし、どの能力をコピーするにしてもワクワクもんである。このカード自体が2マナと軽く、なおかつ単体でもルーター任務がこなせるので無駄にならず、シナジーに繋げやすいので夢が広がりやすい。ルーターできるってことは伝説なのに複数枚積んでも腐らないということである。チャンドラさん、かなり優遇されてるな……。
 
 
チャンドラの吐火/Chandra’s Spitfire (M11)」 U
 過去のセットにもチャンドラの名を冠するカードは何枚もあるが、そんな中から今回再録されたのは、エレメンタルにもフィーチャーしたこちらのカード。相手にダメージを与えていたらさらなる痛みを与える泣き面にエレメンタルなクリーチャーである。まぁ、今回のチャンドラ、あんまり本体ダメージを与える能力がないのでM11当時と比べると噛み合わせは悪いのだが。
 
 
短剣帆の飛空士 Daggersail Aeronaut (3)(R) C
クリーチャー・ゴブリン
3/2
あなたのターンであるかぎり〜は飛行を持つ。
 もしかしたら歴史的な1枚かもしれない。何しろ赤のコモンで、パワー3の(一応)フライヤーである。過去にこの条件を満たすクリーチャーは存在しておらず、若干ズルしているとはいえ、アタッカーとしての性能は紛れもなく「噛みつきドレイク」と一緒。ゴブリンもいよいよこんな時代に突入したのか。まぁ、今回は赤が飛行にボーナスをもらっているので特別措置の可能性もあるけど。アタッカーとしての性能は疑いようがないのでリミテッドならよく見かける顔になるはず。なんと今回、青コモンは4マナにフライヤーが用意されていないので、もしかしたらこいつの採用率を上げるための措置なのかもしれない。

 

 


破壊的穴掘り Demolishing Digger (2)(R) C
クリーチャー・ゴブリン
3/2
(3)(T)、土地かアーティファクトを1つ生贄に捧げる:カードを1枚引く。
 なんやねんその日本語名。なんかゴブリンらしからぬ小粋な能力を持ったやつ。まぁ基本的には得しないし、起動コストも軽いわけじゃないから「たまに起動する……かな?」くらいで終わってしまう能力ではあるのだが、それでも試合中盤以降にグダった時には土地をドローに変えられるのは悪くない。そしてなにより、3マナ3/2と普通のステータスを持っているのが悪くない。基本クリーチャーとして戦線に送り出しつつ、たまに能力を思い出したらラッキーくらいでいいんじゃなかろうか。
 
 
ドラゴン魔道士/Dragon Mage(SCG)」 U
 えっ、お前、アンコって……いや、確かにレア枠から出てくると「殺すぞ」って思ってたけど……。だからってアンコで引ければいいのかって言われると……いや、流石にアンコなら強そうだな。相変わらずよくわからない立ち位置の能力は無視して、単なるでかいフライヤーとして使いたい。まぁ、能力は強制なので嫌でもカード引くことになるんだけど。
 
 
炎の大口、ドラクセス Drakuseth, Maw of Flames (4)(R)(R)(R) R
伝説のクリーチャー・ドラゴン
7/7 飛行
〜が攻撃するたび、これは任意の対象に4点のダメージを与え、最大2つまでの他の対象に3点のダメージを与える。
 雑ドラゴン。あまりにも雑すぎて、むしろこれって強いんじゃないか疑惑すらある。ドラゴンの調整ってのはなかなか難しくて、使って欲しくても重すぎて使われないこともあるし、程よくしたつもりが環境を席巻しちゃうこともある。まぁ、だいたいが重いカードなので禁止されたりはしないのだが、フィニッシャーが一本化すると、なんだか環境が停滞しているような嫌な印象になっちゃうこともしばしば。そしてこのドラゴンだが……うーむ……7マナだからね……いや、でもこれはさすがに燃やしすぎでは……。最大3体の対象に合計10点だろ? さすがにここまではっちゃけたアタック性能を持つドラゴンは過去にも例を見ないぞ。活用の秘訣はマナ加速&速攻。「野生の律動」や「混沌をもたらす者、ドムリ」あたりがいるグルールならマジで良い仕事するんじゃないだろうか。ドラゴンフリークの人は要注目。
 
 
燃えさし運び/Ember Hauler(M11)」 U
 「火力になるゴブリン」の中ではかなりまとまった仕上がりの1枚。最近だと「ゴブリンのクレーター堀り」の印象が強いが、あれと違ってプレイヤーなんかにも飛ばせるのが売りだ。まぁ、スタックルールがなくなってからの弱体化は避けられなかったが……。

 


 
炎の精霊/Fire Elemental (M19)」 C
 まぁ、エレメンタル環境でこいつが出てこないのは嘘だよな。ちなみに、かつてこの精霊はおなじみの「大気の精霊」に加えて「水の精霊」「大地の精霊」で地水火風の4元素サイクルを形成していたらしいのだが、2体は「色特性がおかしい」「あんま強くない」などの理由で歴史の闇に葬られて火と風だけが残された。どこかで土派閥と水派閥からのリベンジがないもんだろうか。
 
 
炎の一掃 Flame Sweep (2)(R) U
インスタント
〜はあなたのコントロールする飛行を持つクリーチャー以外の各クリーチャーに2点のダメージを与える。
 恐ろしく高性能な全体火力。「紅蓮地獄」と同じダメージなので3マナならそこまで驚くべきことではなく、インスタント火力としても現スタンに「焦熱の連続砲撃」というほぼ同等の選択肢があるが、今回は割と「自軍だけ被害なし」を狙いやすい設計になっているのが秀逸。今回ジェスカイカラーで推している「飛行戦術」にがっちりかみ合いつつ、飛行デッキの課題である地上クリーチャーとのすれ違い問題を一気に解決してくれそう。うまくハマれば構築レベルでの採用も見える1枚だ。

 

 


丸焼き Fry (1)(R) U
インスタント
〜は打ち消されない。
〜は対象の、白か青のクリーチャーかPWに5点のダメージを与える。
 対抗色ヘイトサイクルの赤。こちらは元ネタになった「焼却」から大きな変化はないが、時代を鑑みてPWを対象に取れるようになった分、「軽減できない」というボーナスが失われた。まぁ、最近はそこまでこの能力が必要になることもないので、一応は上位種と見ていいのではなかろうか。「焼却」は対抗色ヘイトシリーズの中では割と活躍した方で、2マナで5点というダメージは確実に1対1交換を迫るのに充分。白や青のいやらしい連中へのサイドボードとしては問題なく採用できるだろう。とりあえずテフェリーを処分することができるというのは大きな採用理由になるのではなかろうか。他にもナーセットだのカズミナだのと除去る対象には事欠かないし、「ライラ」「シャライ」の天使コンビや相当なサイズの「ハイドロイド混成体」も射程内。こうしてみると意外と対策範囲は広いのだ。ちなみにカード名は揚げ物を表すそのまんまの「フライ」なのだが、ちょっと火力が強すぎるみたいで……。

 

 


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BANANA FISH」 5→6

 ひとまず、石塚運昇氏に哀悼の意を。最終回でちゃんと追悼メッセージが出ましたね。当時はまさかの訃報に途方にくれたのだが、ありがたいことに今作はすでにアフレコを終えていたようで、見事にゴルツィネの人生を最後まで描ききってくださいました。本当に幸せな役だったな、と思います。

 さておき、作品の質量、熱量に比してそこまで真剣にみることができなかった作品で、正直いうと最終話前までは「まぁ、こんなもんかな」というくらいに考えていたんですが、改めて最終話を見せられ、「時代を超えて愛される作品ってのは、やはりその総体を見て評価すべきだな」と考えを改めた。言葉では表しにくいのだが、この作品が持つテーマ性というか、描きたかった大きなものの正体がわかったような気がしたのだ。そうか、アッシュは、ああいう結末を迎えるしかなかったのだよな。

 全体的な構造で見れば、やはり時代性もあってか陳腐な部分の多い作品である。基本的にはアッシュとえーちゃんのどっちか(もしくは関係者)が拉致られ、それをドンパチやりながら救出し、助かったと思ったらまた同じ相手か、新たな敵キャラに誰かが拉致られ、助けに行く。基本的にはこれの繰り返し。敵キャラがどんどん面倒になっていくのは当然のことだが、だからと言って何か目の覚めるようなバトルがあるわけでなし、基本的にはドンパチの末に2人が主人公補正で弾を絶妙に回避しながら助かって逃げ回る作品だ。同じ展開が繰り返されてしまえば退屈にもなるだろう。

 もちろん、今作はそうしたドンパチの嵐を繰り返しながら、「アッシュとえーちゃんの関係性」という縦軸が少しずつ掘り下げられ、太く、強くなっていく様子を描くのが主題である。二人の関係性は、拉致られたり助けたりの関係性と同じように、どこかで近づき、どこかで離れる。お互いの違いを突きつけられて絶望し、諦めたり、恋い焦がれたりを繰り返す。そうして描かれた人間関係が、最終話でゆっくりと束ねられ、1つの形として完成する。なんだかゆっくり丁寧にバームクーヘンを焼いているような気分になる作品だ。

 基本的にわたしゃBLを受け付けない。作品によっては忌避もする。ただ、不思議なことに今作の場合には最初から最後まで一切の嫌悪感が現れず、むしろ2人の関係性はなんだか清々しいものであるかのように見ていた。もしかしたらアッシュの素性が「元々男娼として扱われていた」と最初から吹っ切れていたのが割り切りやすい要素だったのかもしれない。ことさら肉体的な関係性に意味を与えず、アッシュも周りの人間もサラリと「お前は自分の身体を使って生きてきたのだ」と唾棄するたびに、なんだかそれは本当に些細な問題であるように思えてくる。今のご時世、こうした性の問題ってのは寛容になっていたり、逆に面倒になっていたりするものだが、今作が描かれた当時は、この2人の関係性ってのは一体どんな風に受け止められていたのだろうか。

 2人の関係性には、外野が下卑た野次を挟む余地のない、絶対的な信頼と、愛情がある。それさえ伝わってしまえば、残りの部分は些事である。2人の愛情を理解しようと思いながら見ていれば、自然に2人の人間性も見えるようになり、そんなアッシュに対してゴルツィネが寄せていた想いだとか、歪んだ執着を崩さなかったユエルンの気持ちとか、はたまた絶対的な憎悪をたぎらせていたオーサーの悲壮さとか、そうしたものにも自然に理解が及ぶようになるのだ。こういう切り口の作品ばかりなら、「だってBLなんでしょ?」なんて余計な色眼鏡で作品を見る必要も無くなるのかもしれません。

 2クールの長丁場ではあったが、映像のクオリティが終始安定していたのはさすがのノイタミナ。MAPPAの映像表現としては地味な部類だが、むしろ余計な欲を出さずに必要な素材を丁寧に並べていくことで画面が見やすくなっていたのは良い判断だったと思う。内海紘子はこれで2つ目の大きな仕事を成し遂げたと考えて良いのではなかろうか。Freeの構成に戻ってくれると嬉しいんだけどなぁ……。

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