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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 あ゛〜〜〜! このラストカット! あ゛あ゛〜〜〜最終話! 本気を出して仕掛けに来た小糸侑、強すぎやしませんかね? その直前にドヤ顔の沙弥香さんが描写されてただけになぁ……ここまでくると、もういっそ沙弥香さんを全力応援したくなりません? これももしかしてNTR属性の一環なのだろうか?

 最終作戦。いよいよもって、七海燈子という牙城は崩れ、一番首を取らんとする猛将たちが名乗りをあげる。今回は2人の名将による攻めの手管が対比的に描かれていくお話だが、残念ながらこの作品は恋愛漫画である。勝者が、いるのである。それがまさかこんなにもダイレクトな形で描かれることになろうとは……強すぎるやろが。

 Aパート、「終着駅まで」。最後の最後で今作の焦点を絞るために効果的に用いられたのは、例の喫茶店という舞台設定。まずは侑が特に他意は無しにこよみとの脚本打ち合わせで利用する。あの小さいテーブルで2人してエビドリア食いながら原稿広げるのは大変やろ、とは思ったが、侑はすでにおよそ台本を頭に入れてるっぽいんだよな。どこまでもさらっと優秀。そして侑の手のひらの上で詰められて行く脚本は、まるで七海燈子包囲戦の前哨戦のようである。こよみさんは、侑の狙いについてどれくらい察しているんでしょうか。以前の「七海先輩は見たまんまの人だよ」とか言ってお茶を濁していた時とは明らかに食いつき具合が違っているのだが……多分「自分の作品がより良くなるため」という部分に目がいっちゃってる作家先生はその辺の細かいことは気にしてないんだろうなぁ。

 続いて、同じお店を利用したのは燈子&沙弥香コンビ。お互いに事情を知っている店長と沙弥香の牽制っぷりがちょっと面白い。別に店長はからかうつもりもないのだろうが、なんとなく「あ、連れて来てる」くらいの感じで突っついちゃったんだろうね。そして、いざ恋人と男の話を持ち出されると気が気じゃない店長を見て思わずニヤリの沙弥香さん。お互いになんだかんだで楽しんでるよな。今回は店長と先生のカップルもダイレクトにニヤニヤさせる描写が盛り込まれていて色々と美味しい。コーヒーとタバコ、ほんとは相性が悪いはずなんだけどね。お互いの感覚の違いをはっきり示しながら、視聴者にもその匂いに訴える感覚的な描写が興味深い。

 そして、この喫茶店で展開されたのは沙弥香の突入作戦であった。これまで「踏み込まない」ことを良しとして来た沙弥香だったが、合宿での一件もあり、いよいよ本丸に攻め上がる好機だと判断。「お姉さんはどんな人?」という核心に踏み込んだ。ここでどんな答えが返ってくるかはあまり問題ではない。燈子にとって明らかに呪縛となっている姉の話を、「自分が聞き出した」という事実が重要なのだ。「沙弥香相手に打ち明ける燈子」という既成事実があれば良いのだ。多少躊躇いがちだった燈子に対し、沙弥香はそっと手を差し出す。今までだったら、そっと肩をたたく程度の関係性。それが「踏み込まない」ことのサインであり、背後から軽くタッチするところまでが、領分を守った沙弥香なりの距離感。しかし、今回は思い切って踏み込んだ。真横からの構図だとよくわかるが、より燈子の「内側」に切り込んだ沙弥香の手は、食い込むようにして燈子の手に重なる。「追従」から「並列」への遷移。これこそが、沙弥香と燈子の関係性のレベルアップを端的に表すものだ。こうしてあれこれと姉のことを聞き出すことに成功したのだろう。沙弥香さんはそんな大きな一歩に、思わずご自宅でニンマリである。「自分は特別な存在だ」と勝ち鬨を上げるのである。

 だがしかし、あぁだがしかし。事態は沙弥香さんの思わぬところで大きく進展していたのだ。帰りがけの駅では、おそらく沙弥香に話したことで、より自分の内側で姉の存在が大きくなってしまった燈子さんが思い悩んでいた。生徒会劇を成功させれば、亡き姉の無念が晴らせる。姉の到達しなかった「終着駅」が見えて、ついに自分の人生の目標が達せられる。しかし、そのあとはどうなってしまうというのか。姉の人生という台本は途切れる。その先は白紙だ。七海燈子の路線図は、その先に何もルートがない。終着駅「まで」。だったら、終着駅「から」は? その答えを求めて途方にくれる燈子に、ここしかないタイミングで、LINEが届くんだ。

 水族館デート。サブタイトルは「灯台」。これもなんだか不思議なタイトルで、灯台とは船からしたら「終着駅」に近いニュアンスを持つもの。ただし決定的に違っているのは、灯台は明らかに、照らし、導く。これまでの燈子の人生は、姉という標を頼りにがむしゃらな航海を続けて来た人生だったのだ。また新たな「灯台」が生まれたというなら、これは大きな変化である。象徴的なのはその位置どりだ。喫茶店では、沙弥香が「肩を取ろうとしたが、それでは物足りないと思い直して手を取る」という描写がある。肩を触るよりも、手を握る方が関係性が近くなったことになる。それでは、侑さんは一体どんな接触を試みるのか。

 これがいとも簡単に肩を取る。しかし、沙弥香のように「端から寄り添って」ではない「正面から迫って」である。沙弥香がこれまでひたすら守り続けてきた「追従」と「並列」。その一線を易々と超えて、侑は「対面」からの「干渉」を選ぶ。両肩を掴み、燈子を自らに引き寄せる。そして立て続けに今度は手を握り、あからさまに導き出すのである。これまで燈子の前を歩いていたのは姉だけだった。それがいつのまにか、自分の手を引く存在として侑が前を歩いている。彼女が新たな、灯台なのだ。

 劇にかこつけて、侑は燈子に言いたいことをいう。「過去にあった人生など知らない。自分が見ているのは今の七海燈子だ。そのことになんの負い目があるのだ」と。七海燈子の人生は、すでに1つの終着駅を迎えた。そのことは喜ぶべきことだろう。尊敬する姉を追いかけ、もしかしたら追い越せたかもしれない。そうして彼女は、これまでの人生の1つを終わらせたのだ。そして、次の一歩を踏み出す時が来たのだ。

「先輩、そろそろ乗り換えですよ」

 

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「叛逆性ミリオンアーサー」 5→5

 結局なんだったんだよ。分割2クールかよ。このあと何がしたいんだよ。

 典型的なソシャゲアニメなので基本的に一見さんお断りっぽいのだが、じゃぁ一見さんじゃなければOKなのかと言われると、どうもそんな気もしないアニメ。原作ゲームのちゃんとしたファンがこのアニメを見てどんな感情を抱くのかは大いに気になるところである。まぁ、すでに数々のメディアミックスを重ねている作品らしいので、今更そのノイズが1つ増えたところで微動だにしない可能性もあるんだけど。

 初見の人間からすれば、「なんやこれ訳わからん」からスタートして好き放題しているソシャゲアニメ以外の何物でもない。ただ、設定のあまりのバカバカしさに匙を投げなければ、2話目以降は意外と親切な設計になっており、ソシャゲにありがちな「キャラが一気に溢れてきてよくわからん」という事態は起こらないようになっている。キャラが全員「アーサー」であり「閣下」とか「錬金」とかよくわからないコードネームで区別しなきゃいけないのは大変そうに見えるが、むしろ名前を覚える必要がなく、なんとなく要素に紐つけされたコードネームで認識した方が楽なのである。これがゴブリンスレイヤーみたいに「槍使い」とかになってくるとまた微妙ではあるのだが、今作ではちゃんとそれが固有名として機能しているので問題ない。そして、あとのストーリーはこの6人だけで回していくので、キャラを覚えなきゃいけないという負担が格段に軽くなる(お供妖精いるから総勢12人だけど、これも各パートナーごとに紐つけされるし、ぶっちゃけ覚えなくてもあまり問題はない)。そして何より、別に覚えようが覚えまいがあまり問題にならない1話完結ストーリーだし、そもそも中身がバカなので、真剣に事態把握に努める必要もないかな、という諦めが先にくるのである。

 そして、なんとなくユルいギャグとして本編を流していれば、最後にはよりカオスな1分間が待ち構えている。どれだけ退屈な20分を過ごしたとしても、そのあとにウィーラブおまんじゅうクラブしてしまえば何となく達成感はある(徒労感ともいう)。そしてこちらには容赦無く全然知らないキャラもぶち込まれる訳だが、知らなくても何の問題もない。むしろ知らない方がまだ幸せかもしれない。もう、あとは単に中の人が壊れていくのを見守るだけですからね。このタイトル、こんだけ好き放題やっててもブランドイメージに問題はないのか……。

 とりあえず、中の人が色々と贅沢なので好き放題やってるのを聞いてるだけで割と楽しかったですよ。やっぱり天さんの底抜けアホキャラは安心して聞いてられるし、いのすけの阿漕なキャラ造形もピカイチなんだよな。妖精チームの「お前らメインでもいいんじゃないの?」感も大したもので、実は今作の最大の見どころはエンディングだったんじゃないかとすら思っている。エンディング映像、あんなデザインなのに無駄にリップシンクとか完全に揃えて曲のために描き下ろした映像なのがわかるのが憎たらしいんだよな。

 

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○「聖闘士星矢 セインティア翔」 6

 年も明けていないのにさっさと新番組! ANIMAXで特別先行放送があって2話まで観ることができたんですよね。どうせ年明けの新番ラッシュの時は忙しくなるし(スポイラとかぶるからな!)、先に処理できるものがあるのは助かります。何より、色々と突っ込み要素が多くなるこの作品なら尚更である。

 原作はほぼ未読。正確には1巻だけ読んだんだけど、「女性版聖闘士星矢」というので想像してたのは、「男塾」の女の子版みたいな完全ギャグ漫画だったのに、なんかがっつり真面目に連載が始まってたので、当時は「おもてたんと違う」というので1巻でやめてしまった。しかし、こうしてアニメにして観るとずいぶん印象が違う。いや、そりゃ違うだろ、だってキャラデザ全然違うし。漫画版の絵柄は、アニメではアイキャッチやエンディングにちょっと確認できる。車田デザインじゃなくてどっちかっていうと手代木デザインに近い印象か。そっちで展開されても、正直あんまり私の愛した聖闘士星矢との繋がりが見えなくてね。しかし、こちらのアニメはガリッガリの東映デザイン。何故かアニメ制作がGONZOに託されているのは不安ではあるが、一応元締めは東映だと考えていいのだろう。くどくて懐かしいあのデザインは、冒頭で幼女の顔に張り付いてた時には「おかしい! 絶対に顔面のバランスおかしい!」って叫びたくなったものだが、ミロさんが出てくると俄然状況は変わってくる。その後も邪武だのアイオリアだの、男性キャラのデザインはやっぱりこれが一番しっくりくる。幸い、女性キャラも成長して頭身が上がれば不自然さも多少は解消される。こっちの画面なら、誰がどう見ても聖闘士星矢の世界だ。テンション上がってきた。

 そして、中身については全然知らなかったので初めて観ることになるわけだが(一応コミック1巻分は読んだはずなんだけどね)、これ、もしかして正史扱いになるのか??? 完全に時系列はオリジナルと並行してるよね。だとすると、本編キャラとの絡みもちょいちょい期待できるようになるんだろうか? 数年前に(私の中で)大盛り上がりだった「Ω」についても、一応アニメの上では正史扱い。おかげで刺激が強すぎるあれやこれやが多数登場し、クソみたいな新作エピソードなのにノスタルジーを刺激されまくって楽しかった。今作に関しても、「どうせ性転換してタイトルだけ借りてきた雰囲気作品だろ?」と思っていたら、なんと「最初に帰還した邪武」なんて嬉しいサプライズシーンが描かれたりしている(そしてこっちでも女王様の馬扱いされてる邪武)。なんかね、滾るね。確かに、星矢たちが世界各地で聖衣を手に入れるために激闘を繰り広げていた時に、沙織がどこで何をしていたのかっていうのはそんなに語られていない部分だった。普通に日本国内のお嬢様学校(どう考えてもグラード財団の特別施設)でごきげんようとか言いながらスカートのプリーツを直していたとしても不思議ではないのだ。一応翔子という主人公を設定しながらも、メインテーマとしてあの正史の裏で繰り広げられたアテナの戦いが描かれていくというなら、それはそれで文句なしに興味深いものではなかろうか。

 最大の問題は女性聖闘士の仮面問題だが……まぁ、なんか、ほら、セインティアっていう特別な役職があるとか言ってたし、特例なんじゃないの? よくわかんないけど……。どうせ十数年後には女性聖闘士もおおっぴらに顔だして戦える世界になってるからさ。最悪「男に見られなきゃセーフ」っていうんで女性オンリーの舞台にしてしまえば問題なしよ。一応1話の戦闘シーンも女子校の中だったわけだし。

 さらに小馬座という聖闘士、並びに聖衣の扱いも微妙な立ち位置になってしまうが……一応ググったら「表記が小馬座と子馬座で違う」なんて屁理屈みたいな説明もあり、「Ω」で登場したケレリスさん(ならびに昴)とはパラレルな関係になるのかな。多分、大本営としてもペガサスの地位を与えたかったけどさすがにそれだと歴史的に星矢と被りすぎる問題があるから、小馬座という便利な概念でお茶を濁したということなのだろう。もしかしたら、世界にはどの星座も女性用と男性用の2つの聖衣があるのかもしれません。ほら、瞬だって性転換するご時世だし、ポリコレよ。

 まぁ、そんなこんなで色々と気になる要素が多い作品で、少なくとも1話目2話目を観る限りでは「それっぽい雰囲気」はよく出ている。今後の作画面に不安は残るものの、聖闘士星矢のアニメといえば作画崩壊もセット販売みたいなところあるし。おおらかな心で見守っていきたい。ほら、エンディングの最高に格好いいサガの1枚絵だけでも満足できるじゃん。この時代はまだこいつが教皇なんだよなー。ミロもアイオリアもキャストがちゃんと出てたし、教皇は置鮎ボイスで登場してくれるんでしょうかね。個人的にはミロさんになんでこんな形でスポットが当たったのかが気になるところなんですけどね。登場直後にいきなりアンタレス突こうとしてた気がするんだが、いきなり絶命させたら蠍座のアイデンティティがなくなってしまいますがな。

 で、ようやく最後に本編オリジナルのキャラにスポットを当てる。主人公姉妹の設定は本編で言えば一輝・瞬の焼き直しみたいなところがあるかな。瞬はハーデスだったけど、こっちはエリスだってさ。よくできた姉と直情型の妹。妹の方はなんか悪い星の下に生まれてしまったみたいだけど、脳筋パワーで弾き飛ばすのは大先輩の星矢と同じ流れか(まぁ、年齢で考えたらほぼ同い年くらいだろうけど)。ちなみに、冒頭でミロから「そいつが邪神になるぞ」って言われた時に全国数十万のファンは一斉に「いや、どうもてもそいつ(の中の人)はまごうことなき邪神だし」って思ったことも付け加えておく。邪神ちゃん、本当に飛ぶ鳥を落とす勢いだなー。メインキャスト4人を並べると戦隊ヒーロー1人にプリキュア2人、それに邪神ちゃん1人だ(邪神ちゃんだけなんか違うな)。そのほか、メインキャストが全部女性になるわけで、今後もどんなキャストが盛り上げてくれるのかも期待が高まる。2話目で登場した「なんか偉い人」がサトリナ、周りのお付きのやつが男なのかと思ったらCV明乃だったのは笑ってしまった。もう、全員女性でいけ。

 時代を考えると、この時代にすでにパラドクス(インテグラ)さんたちも聖闘士修行してる時期なんだよね。多分ないとは思うけど、Ωとの絡みがあったら最高に盛り上がるんだけどなぁ……喜ぶファンが少ないだろうからなぁ……。

 

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「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま」 5→4

 17歳の人にナレーションやらせておけばだいたい作品の雰囲気は固まるとかいう風潮。一理ある。これがもし能登麻美子だと細胞が働きだす。

 ぶっちゃけると、飽きました。悪い作品ではないんだよ。本当に徹頭徹尾ふわふわもこもこを貫いており、ケセランパサランに埋まりながらなんとなく半裸の女の子を愛でるぶんにはこんなにも手っ取り早い作品はない。どう考えても舞台設定がおかしいが、これこそが今期ナンバーワンの「日常系作品」だろう。ちょっとおかしな性癖の人も数多く登場するが、まぁ、これくらいはアニメなんだから許容範囲。おかしいとは言っても頭がイカれてるレベルのキャラはいないし(多分ね、若干怪しいのが1名いたけどね)、どこまで行っても予定調和のゆったりギャグやほのかなラブコメが楽しめるという寸法だ。

 ただ、やっぱりいつも書いている通りに「日常系」はそこまでハマりこむ要素がない……。何か一つでも大きく気にかかる要素があれば良かったのだが、わざわざキャラ設定を悪魔にした意味が本当の本当に1ミリもなく、これってどこか架空の学園の生徒会とかでも問題なく機能する。むしろ「寄宿学校のジュリエット」の方がよっぽどファンタジーだった可能性すらある。設定の諸々が有機的につながっている印象がほとんどなく、あっちでこのネタ、こっちでこのネタ、という単発の仕上がり。各キャラクターは各自が別方向にちょっとずつ変なので、それが絡んでいるような、素通りしているような。「極度の頻尿」とかいうよく分からない尖り方のキャラも、本当に「単にしょっちゅうトイレに行きたがるだけの子」で終わってしまってるしな。もっとお漏らしする久野ちゃんを有効利用しなさいよ(問題発言)。

 いや、まぁ、こういう作品に「もっとひねった刺激を!」なんていうとかえって持ち味を殺してしまう結果になるのは目に見えているので、これを求めている人には素材の味をそのまま甘受してもらえば良いのだろう。実際、私も最初の2〜3話くらいは「いやし〜」ってんで楽しんでたし、エウリノームさんが登場した時の不穏な緊張感は結構好きだった。うん、だから悪い作品じゃないんだ。ただ、今期は他作品が色々と尖っていたおかげであまり日の目を見なかったというだけなんだ。いや、時期をずらしたらこれが輝いたかと言われたら責任持てないけどさ。5分アニメとかでも良かった気はするよな。

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「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」 6→6

 ラストのエンディング全員歌唱はずるいな。一枚看板クラスのキャストを惜しげも無くつぎ込んだパワープレイ。こんなハーレムがあっていいものだろうか(否、良くない)。

 終始安定した進行で、目に、耳に楽しませてくれた作品。ガッツリとラノベ文化ながら、青春小説としてきちんと地に足のついたドラマ展開があっておじさんにも優しいアニメだったと言える。いや、どうだろ、もしかしたら受け手である私の方の感性が変わってきたのかもしれないが……今見たら「俺ガイル」とかの印象も変わってくるんかなぁ。いや、変わんねぇだろうなぁ、やっぱムカつくだろうなぁ。

 じゃぁ、本作はなぜムカつかなかったんだろう。否、ムカついてはいた。1話目の感想を見直したら、やっぱり「咲太の物言いにはちょっとイラっとする」と書かれている。どうにも「ラノベ主人公」というだけで変なフィルターをかけてしまう癖があるみたいだ。幸い、そうしたイラつきはすぐになくなり、気づけば「咲太と先輩の真正面からの清く正しい男女交際は褒められこそすれ、貶される理由はないよな」という保護者目線にスイッチ。いつしか二人の関係がズブズブと深まっていくのを楽しみながら見られるようになった。やっぱり、最大のプラス要因は咲太のキャラクターなんだろうなぁ。いわゆるやれやれ系主人公的な醒めた部分はあるものの、割と青少年らしい情動には素直だし、すごくまっすぐに他人のことを考えられる子だってのは伝わるんだよ。特にかえでちゃんを大切にしている部分はシナリオとの絡みもあって繰り返し強調されている要素で、歪んだラノベ文化的な「妹萌え」とは全然違った妹への愛情が感じられるのが良い。私事だが、私もリアル妹がおり、さらに中学時代に不登校になっていたという部分も共通している。まぁ、うちは兄弟がみんなして面倒になると学校に行かなくなるような家庭だったのだが……それでも、やっぱり何か悩みを抱えて家にいるようになった妹に対し、どんな風に気を遣えばいいのかというのは兄として考えるべき部分であった。そんな不可思議な共感のおかげで、より咲太に感情移入しやすくなった部分はあるかな。

 そして、本作のメインパートである思春期症候群の扱いも個人的には注目したい部分だ。「症候群」と名付けられていることからも分かる通り、今作で起こる様々なアクシデントは、超常現象でありながら、個人に帰属する「疾患」でもある。何度も比較しているのは物語シリーズの「怪異」との違いで、おそらくどちらも「個人的な悩み、ストレスの具体化」という部分で根っこは同じなのだが、西尾維新の場合は得意なフィールドに舞台を持っていくため、少しずつ怪異がキャラから離れて「現象」として独立していった。あくまでも怪異は憑いた人間とは別存在であり、「他者」であるという区切りが存在する。それに対し、本作の「症候群」は完全に内的なものであり、中身次第では現実的な精神疾患として取り上げることすら可能なものもある。かえでの記憶喪失なんかはその最たるもので、もしも自分が同じような立場に置かれた時に、2人のかえでをどう扱ったらいいのか、なんていうのは考えさせられる部分だ。記憶が戻ったことは嬉しいはずなのに、失われた2年分の「かえで」を惜しんで泣きじゃくってしまう咲太。彼は覆しようのない現実に涙しながらも、現状を悔やんでいる己自身の不甲斐なさにも打ちのめされている。そうした「現実には無いけど、あるかもしれない痛み」を考えさせる筋立てが絶妙なリアリティを醸し出してくれる。

 後輩ちゃんのタイムリープなんかはさすがにSFに寄りすぎているし、いささかラノベ的なテイストが強すぎた感はあるが、双葉の淡い恋心からのすったもんだはキュンとさせられるし、これまでの人生の正しさを問う麻衣先輩の姉妹話も若者の将来への不安がにじみ出ていてやきもきする。そうした「人間が誰しも抱えている弱さ、脆さ」みたいなものを、中心となる咲太が強い意志でもって打破していく。やっぱり、青春小説ってのはこういう素直な骨子がありがたいと思うんですよね。

 まぁ、ぐちゃぐちゃ書いてみたけど「全般的にヒロイン勢が可愛くてありがたいな!」っていうのも素直な感想です。僕の推しは双葉さんなんですが、作品自体が先輩の強さの上に成り立っているので、やっぱり最終的には先輩がナンバーワンなのかな、とは思います。今作に関しては「やっぱりタイトルがもうちょっとまともなら……」と思わないでは無いが、先輩と咲太の小っ恥ずかしい関係性が最後まで大事であることを考えると、まぁ、これでいいのかなって気もする。ブタ野郎ですね。

 劇場版かぁ……観にいく気がするなぁ。

 

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 怒涛の伏線回収、第12話。これ、次でラストってことは結局1クールアニメだったんやな。絶対に2クールやってもいい内容があったと思うのだが……まぁ、あえてギリギリまで詰め込んだからこそのジェットコースター感が良かったとは言えるのかも。余計なソウ・シュウヘンを挟まなければ年内に綺麗に終われていたのだが……。

 惨殺された(割には生きていた)ザベルさんが退場し、いよいよ残すボスキャラはバンブーマンのみ。その正体は「B」つながりで警察署長・ブライアンクーパーへと接続する。イニシャルがおんなじなんてのは別に伏線でもなんでもないのだが(それこそブルーベリでもいいわけでな)、とりあえずバンブーマンのあの無茶苦茶な身体能力の理由づけはさらりと説明されていたホッとした。1人だけ次元が違う超絶アクションを見せつけていたわけだが、文字通り「住んでる世界が違う」人間だったのだから納得するしかない。

 それにしても、あれだけ化け物じみた性能を持つバンブーマンについて、ザベルさんはどういう認識をしていたのだろうか。一応エスペランサの組織内では「イニシャルが後の方が偉い」が通説であって、Bの位置に甘んじているバンブーマンがあれだけのチート性能であることは知らなかったってことなのかしら。先週「一応エスペランサにも崇高な目的があるんだけど、理解されなかったなんてかなC」みたいなこと言ってたので、ザベルさんもなんだかんだ言って悪いやつではなかったのかもしれませんね。だからこそ今回ダグに情報提供もしてるわけでね。

 警察サイドは社会を害するアンセムを取り締まることで大義を全うする。エスペランサは人類の希望であるアンセムを駆使することで貧民を救済して大義を抱く。どちらにもそれなりの理由があっての抗争だったが、結局その全ては「二階」と呼ばれる世界に住む先住民の掌の上だったという。「星を見捨ててコロニーに逃げた先住民」なんてのは手垢のついた陳腐な設定ではあるが、まぁ、余計な説明なしでも一発で理解できる要素なので、時間短縮のためにはしょうがないところだろうか。これがもっとややこしくこじれると「宝石の国」になる(ならない)。二階の民はアンセムの活用でもっと利益を得たいが、倫理的、人員的な問題からなかなか臨床実験ができない。それなら昔住んでたところに原住民どもが繁殖してるらしいから、そこで実験すればいいんじゃね? というのが大元の元凶。さらにそこにアンセム抗体を持つ母体が逃走し、貴重なサンプルが大量の下等民族の中に混ざっちゃったから、もし良かったらそれも探しておいて、というのがクーパーに与えられた任務だったらしい。

 こうして拉致られたキリルと、アンセムがらみの事件が収束してしまったのでお役御免のセブンオー。名目上はキリルは「軍部に召し上げられた」だけなのでここで終わっても問題はないはずなのだが、そこに一石を投じたのがミラ。彼(彼女)の情報によって、セブンオーは同僚の救出に乗り出さざるを得なくなった。最後のクーパー周りでの行動も含めて、どうにもミラはまだ何か腹に一物抱えていそうであるが。

 「地位も物資も剥奪されたアウトロー集団の大立ち回り」というのはどんな舞台でも心躍るもの。トントン拍子で必要資材を取り揃えて殴り込みをかけるまでの展開はまさに今作ならでは。デリックのバスを接収するくだりも笑ったが、なぜかそこにセットでついてきた大家のババア。あいつなんなんだ。ここにきてまだ重要人物が影に隠れてたのかよ。カチコミをかけるセブンオーを下支えするのは博士の技術力とダグの冷静な判断力。これだけ最初から最後までて徹底して「切れ者」であり続ける主人公って珍しいな。強かなダグさんは平然と作戦を実行して回るが、これこそ他の作品なら1話分のプロットになっちゃいそうなほどに大胆な作戦である。周りの連中もそんなダグの指示には素直に従い、ユリの弔い合戦の意味も含めての大暴れだ。キリルが拉致られてたおかげでほとんどのメンバーが女性というなんとも華やかな部隊になっている(1人はババアだが)。まぁ、ユリさんも無事にコアが見つかったってことは、なんだかんだで最終話に2号機が戻ってくる流れだとは思うが……。

 さて、年明けに最終回か。最後はまた、あのバカバカしさ全開の意味不明なノリでしめてほしいところですな。

 

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 これって略称はSROになるんでしょうかね。スロ。無いよぉ〜、お金無いよぉ!!(ネタバレや) まぁ、そんなわけで観に行きました。こないだのライダー映画と同じ劇場でやってたんだからまとめてみればいいやんけ、って思うんだけど、一気に観ちゃうと感想アウトプットする作業が本当に大変になるので。パンフがあれば後からでも情報が保管できるんだけど、ライダーのパンフが売り切れてて、一旦帰る以外に選択肢がなかったんや。まぁ、幸い会員クーポンがあるから一旦戻ってまた出てくると1作品500円引きで見られるし。松竹の会員になると映画3本分の値段で4本見られるからかなりお得ですね(回し者)。

 

 

 <以下、あんまり気にしないけど一応ネタバレ注意>

 


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CONCEPTION」 5→5

 で、結局何やったんや、コレ。いや、3ヶ月間も付き合ってきたんだから、「なんなのか」はよく分かってますよ。えぇ。

 ひたすら淫乱狸のマシンガントークを聞き続けるだけのアニメ。何を言ってるかわからねーと思うが、観れば分かる。観ないと分からない。あ、ごめん、やっぱり観ても分からないかも。もう、世界の何が正しいのかよく分からなくなっているよ。

 多分、アニメ化の企画が持ち込まれた時点で誰かが冷静になって「いや、これはやめましょう」って言わなかったのが最大の問題であって、そのままスタッフが集まってなんかよく分からないうちに出来上がっちゃったのが最大の功績。だって、悔しいけど毎週見ちゃうもん。その上で微妙に面白い時もあるんだもん。これって現代アニメにはびこる異世界転生を徹底的にパロディにしてバカにしてる作品だと思えば結構なメッセージ性があったのかもしれないぞ。残念ながらそんなことは微塵も考えてないと思うけど。RPGっぽいテイストをなんとなく残しつつ、「女の子とイチャイチャして(あわよくば契りを結んで)個性を掘り下げていくよ」っていうのは完全にギャルゲの文法であり、今作は一番近い理念を探せばやっぱりギャルゲには違いないのだが、女の子とイチャイチャするための道具立てが特異すぎる。なんやねん、パン屋の倉庫に監禁飼育プレイって。ちょっと楽しそうやないけ。挙句油断するとBLにまで手を伸ばそうとするし、RPG要素は適当でいいって言ったら最後はモビルスーツ出して解決しちゃうし。本当に見れば見るほど原作がどんなゲームなのかが分からなくなっていくという。え? これであってんの? 我々がアニメで見たシナリオがゲームになってるの? だとしたらすごくない? ほんと、誰か止めろよ。

 そんなわけで、やいやい文句を言いながらも、最後まで楽しんでしまいましたとさ。まぁ、功績の6割くらいは狸が持ってったと思えばいいよ。せっかく13人もヒロイン並べてるのに、単なる狸の引き立て役にしかならないってどういうことだよ。狸が確立させた芸風を振り回し続ければ、もう狸ワールドでいくらでも続編が作れるかもしれん。狸ファンは要チェックだが、なんだ狸ファンって。中の人のゆりんっていわゆるアニメ声優としてはそこまで活躍してないんだけど(名前が独特なのでどこかで見た記憶はあったが)、今作では本当に独擅場。キャスティング考えた人はすごい。本来ならメインを張るはずの巫女たちが束になっても太刀打ちできなかったのは恐ろしいことである。これだけ巫女のキャストも充実してるんだし、もっと真っ当な方向性でも作品作りはできたと思うのだが……やらなかったか、そうか。

 こんな無茶苦茶なもんを放り投げられても、なんだかんだと作品を成立(?)させてしまった元永監督&岩畑さんはやっぱりすごいわ。もしよろしければ、GONZOじゃなくてもうちょい作画リソースとか人員が割けるスタジオで活動していただけると助かります。

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「バキ」 5→5

 やっぱアニメにされてもよく分かんねぇよな。訳わかんないのになんか知らんけど丸め込まれて「まぁ、刃牙ならこれでいいや」ってなっちゃう恐ろしい漫画である。

 鳴り物入りでのアニメ化、Netflixが出資してのアニメ制作というので話題を呼んだものだが、出来上がってみると、別に既存のアニメと比べて何か凄いところがあるわけではなかった。バキらしいとんでもないモーションや誇張しすぎの表現など、ところどころ「オォ、原作をこういう風に持ってくるのか」と感心する部分もあったが、CGを使うことでのっぺりして「あれ、こんなもんか?」と思っちゃうようなところもあった。現代アニメとしてはむしろ没個性で、映像部分では原作のくどさが消えてしまっているような印象もあった。いや、それでも充分クドいのは間違い無いのだが……。もう、この絵柄だとどこまでが通常営業でどこからがギャグなのかも判定が難しいんだよな(全編ギャグ漫画やんけ、という意見は無効とします)。

 とにかくそんな「原作絵強過ぎんよ」という難題のアニメ化。2クールという尺を考えれば、いろんなところに気を遣ってくれたので努力賞といったところだろうか。少なくともファンを怒らせるようなとんでもないカットや改変はなく、台詞回しもできる限り板垣節をそのまま使ってくれていたのは良かったのではなかろうか。声に出して読めば読むほど、やっぱりおかしい板垣節。まぁ、その辺は「ジョジョ」の荒木節に通じるものがあるけど。長く人気を維持している漫画作品ってのは、なんでもないところでアクが出る個性の見せ方があるってことなんでしょうね。

 そして、それらをすべてひっくるめた上で、やっぱり死刑囚編後半からは何がやりたいのかわからない漫画になってるんだよな……。結局死刑囚ってなんだったの? とか、敗北は知りたいとかイキってたのはなんだったの? とか、最強は誰なんだよまじで、とか。ルール無用の前田光世方式だったもんだから、誰と誰が戦ってどっちが上、みたいな描写がすごくわかりにくいんだよね。そうした「真っ当な試合」を除いた部分での「バトル」をやろうというのは分かるんだけど、本当に散逸的にひどいことをやり続ける喧嘩漫画になったら、こけおどしが本当に脅かしたところで終わっちゃうっていう。

 その上で最終回とはいっておきながらシームレスでライタイサイやからな。もう、どうせだったら寂先生の活躍も見たかったわ。続きをアニメ化したら、ますますどこでどう終わっていいのかわからなくなるが……。バキって何が面白いんだろう、ということを、改めて考え直す必要があるのかもしれない。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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