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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 堕ちモノ系、第9話。私、「堕ちモノ」が好きだという話は折に触れて書いてきたんですが、なるほど、それが野郎であってもなんかグッとくるな。

 もう、「嗚呼、白石よぉ……」と思いながら見るしかないお話。本人も言っていた通り、裏切りというのは一度では終わらない。その道を進み始めたら、どれだけ悔いたところで止まることなど出来はしないのだ。何度も何度も「自分は正しかったのか」と自問することになり、その度に自分のせいで失った命のことを考えなければいけない。当然の報いとはいえ、あまりにも重たい業を背負ってしまったものである。

 結果だけ言えば、白石の裏切りは結実しなかった。間諜さえいれば簡単に攻め落とせると思われていた金田城。しかし長年この地に住み続ける刀伊祓の防衛戦術は蒙古軍から見ても、そして迅三郎から見てもなかなかのもので、女子供から老人に至るまで、その全ての知恵を使って外敵を排除しようとする。大掛かりな投石機による援護射撃、広大な敷地を利用した焼き討ち戦術。そうしたものを使って、蒙古軍の企みは1つずつ潰されていった。敵方も再三言っていたように、全ての兵を突っ込んで強攻策に出てしまえば多勢に無勢で叩き潰せる程度の戦力差があるはずなのだが、それをやってしまったら蒙古軍も無事では済まず、少なからず被害が出てしまう。そして、城の中の様子がわからない以上、それだけのコストをかけて叩き潰す意味があるかどうかもはっきりしないのである(白石の言を全て信じるわけにもいかないだろう)。

 更に、結局この城攻めは蒙古軍にとってはサブイベントでしかなく、最終的な狙いは日本の本土攻略であること、そして蒙古も一枚岩ではなく、本土侵攻の際の活躍度合いによって内部での評価を稼ごうという「競合相手」が多いことなども、攻勢の手を緩める大きな要因になっている。多くの武器を持ち、余裕のある敵であればあるほど、なるべく無駄を出したくないという意識は働くものだ。そして、迅三郎は相変わらずの特攻気質で敵前線に奇襲をかけ、敵大将・ウリヤンエデイに対して直接矢を射かけるという蛮勇に躍り出ている。結局いつの時代、どんな部隊であっても、後陣に控えている指揮官というのは戦場の生の息遣いを理解していない者が多いのだ。たった一本の矢を受けることで自分の命が無くなるかもしれないというギリギリの戦場を見せつけることによって、見事にその意気を挫くことにも成功した。「この城を攻めても得がない」。そう思わせることにより、見事迅三郎たちは勝利をものにしたのである。

 さてこうなると進退きわまるのが白石である。逆転の一手を狙い、全てをなげうって企てた裏切りだったが、彼1人の人生など知ったこっちゃない蒙古サイドはさっさとケツをまくって逃げた。残されたのは、もう味方に戻ることなどできない孤独な流人1人。今更仲間に入れてくれというのは今まで失った命を思えば許すことができなかったのであろう。突き進んだその道を全うせんと、最後の戦いに挑む。その全てを理解しているかのような迅三郎。武士の務めというのも、なんとも無情なものである。

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 何がニャーだ! 第9話! 全くだよな。しかし今回は色々と名言揃い。なんだろね、この王道ながらもブレない不思議な魅力は。

 いよいよパラディンズ最後の1人、羊谷にスポットが当たったお話。彼は紅華さんが憧れていた先輩の弟にあたり、紅華さんのトラウマはそのまま羊谷にも引き継がれていた。正確には、殉職した刑事が紅華の憧れの人。彼を失ったことで紅華は「力への恐れ」を抱えて封印派に回ったが、羊谷はそんな紅華と兄にただただ憧れていた。兄を失い、大切な紅華にただ従うだけの「腰巾着」になっていたが、そんな紅華をも失い、彼はこの地球に意味を見出せなくなっていた。これまでのパラディンズは高潔な意思を持った人物が多かった中、言い方は悪いかもしれないが羊谷の望みは非常にエゴイスティックである。自分と紅華の世界、それが失われたことで世界が無価値に見え、その結果、全人類を巻き込んでの封印に及んでしまっている。「紅華の夢の中で、僕には居場所がない」と匙を投げていたが、実際にはその紅華さんの夢の中で羊谷もちゃんと居場所があったというのもなんとも皮肉なものである。

 しかし、こうして絶望した羊谷がとにかく強い。これまで戦ったどの装甲も太刀打ちできないほどのパワーを持っており、その意思の力で封印装置を吸収、装甲と同様に扱うことで絶大な戦闘能力と高速の封印能力が行使できる。立ち向かった虎居は一蹴され、せっかく復帰した美羽&熊代組も相手にならない。結局、なすすべもなく地球は封印され、封印派からは事実上の「勝利宣言」が下された。

 しかしそこは主人公補正。宗矢だけは楽園の民の力によって封印が及ばず、さらに「意識の拡大」という謎現象から、封印の安寧を良しとしない地球人と意識を結ぶことが可能になった。最終的にあの場面でどれくらいの地球人が手をあげたのかはよく分からないし、賛同してくれた人たちも何をもって封印に抗う気が起こったのかもよくわからないのだが、まぁ、普通に考えたらやっぱり「部外者が突然そこそこ良い移住案を提案してくれたからそっちで過ごしましょう」と言われても釈然としないよな。「良い夢見せてやるから一生寝てろ」って誘いは、普通に考えたら悪夢なのである。まぁ、実際に「封印」っていう行程が物理的にどのような結果をもたらしていたのかはよくわからないけども(睡眠ではなく時間停止って解釈でよかったのかしら)。

 とにかく地球人の支持を得て宗矢は復活。さらに銀子・先生と力を合わせ、「宇宙船・バトルモード」とかいう理不尽極まりない巨大ロボも覚醒させた。なんでそれ龍造寺戦で使わなかったんだよ、って気もするが、まぁ、この大一番のためにとっておいたのかね(もしくは二日酔いがすごい)。とにかくすごいメカで最強の羊谷を迎え撃った。宗矢のモチベーションをあげてくれたのはやはり委員長で、彼女がいたおかげで、宗矢は「地球人」として新たに立ち上がる道を選ぶことができた。これまでの戦いはシリウスとしての仇討ち、そしてこれからの戦いは「地球人」黒井宗矢として愛する者を守るための戦いだ。過去にすがりついてただ沈み込むだけの羊谷に対し、新たな一歩を踏み出すことを決意した宗矢の意思がシンプルながらもグッとくるコントラストを成している。「自分の故郷を失ってしまったという事実こそが、今の俺の居場所だ」って、なかなか言えるセリフじゃないですよ。

 さぁ、いよいよ封印派との全面対決。閣下はやはりこがねさんが搭乗してあのフォルムで降臨されるのでしょうか。封印装置は全部使い切ったはずなので、やっぱり宇宙船同士の巨大メカ戦闘になるんだろうな。そして、その後には竜との一戦も残ってるんだよね。分かりやすくて良いプロットです。

 それにしても、穏やかな表情の紅華さんも美しかった。

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Back Street Girls -ゴクドルズ-」 5→5

 もう終わるんかい。今期1本目の終了作品は、意外なところで10話完結(完結してるか?)を迎えたこの作品。まぁ、アニメ業界も1クール1213本っていう制限に縛られずに作品が作れるようになればシリーズ構成の自由度が増すのでこういう展開も良いとは思いますけどね。この作品に構成もクソもあるかよ、っていうのはおいといて。

 今期様々なジャンルからしのぎを削った純正ギャグ作品の一本。個人的にはあんまり好みのタイプではなかったので点数はあげないけど、多分作品のコスパはめっちゃいいはず(作画的に)。

 ヤンマガ連載作品ということで、かなり攻めた際どいネタ、っつうかアウトなネタも色々と挟み込まれたえげつない作品。昨今は「魔法少女俺」のようにアイドルという存在をネタに振り切った作品も珍しくないが、今作は実は「アイドル」という要素は割とおまけみたいなもんで、作中でのアイドル活動自体はそこまで克明に描写されているわけではなく、まさにタイトル通りに「裏側」を描くシーンがほとんど。そんな中で「性転換」「ヤクザ」という2つのテイストが絡まり、どんどん汚い方向へと走り去ることで「アイドル」成分とのギャップが笑いにつながる。いや、もう途中から性転換っていうか魔法レベルの存在になってた気がするけども……タイってすげぇ国だなー。

 個人的にはそんなミラクルな世界を支えていた組長役の藤原啓治がやりたい放題やってた部分が一番好きな作品で、どうしても下ネタ方向に振り切っちゃうメインのネタの方はあまり得手ではなかった。「まだ若い主演の女性声優たちに何言わせてんねんwww」みたいな部分も狙ってた気もするが、それができるのが声優って存在だしなぁ。これでイメージが固まっちゃったらマズいのかもしれないけど、本作の場合はメインの男性キャストと二人三脚なのでそこまで表に出てくるイメージでもないし。でもまぁ、楽しそうで何よりでした。

 それにしても、今作における謎の今千秋への信頼感は一体なんだったんだろう。俺の中ではむしろ手堅いイメージの監督だったんだけどね。

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<黒>
 
 
アズラの煙纏い Azra Smokeshaper (3)(B) C
クリーチャー・アズラ、忍者
3/3 忍術(1)(B)
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで破壊不能を得る。
 アズラまでおるんかい……。ぶっちゃけ私もよく知らないので付け焼き刃の知識だけ書き写しておくと、アズラは数年前に発売された「バトルボンド」の中に登場した新たな種族。ちょっと鬼っぽいツノが生えた人間と悪魔の中間みたいな見た目の種族で、どうやら先祖がデーモンらしい。赤と黒に位置したこの種族は割と享楽主義らしく、唯一彼らの存在が確認されている次元「ケイレム」ではラヴニカにおけるラクドス教団みたいな立ち位置でお客さんたちに迷惑をかけている様子。で、そんなアズラが今回はなぜか忍者にジョブチェンジ。背景が見えにくいのでわかんないけど、これもケイレムの風景なんだろうか。そして、これまでにない忍術の使い方になっているのがこのクリーチャーの面白ポイント。なんと「プレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび」の能力ではなく、単に「場に出た時」の能力を持っているのだ。忍術で出た場合、どうせこいつはブロックされていないのだから破壊不能は必要ない。つまりこいつは周りの誰かが戦闘で死にそうな時に駆けつけてくれるナイス助っ人役なのだ。忍術コストの割にサイズもそこそこだし、これでコンバットの結果を書き換えつつ、後詰を次々に送っていく展開はまさに忍者の真骨頂。
 
 
陰謀団の療法士 Cabal Therapist (B) R
クリーチャー・ホラー
1/1 威迫
あなたの戦闘前メインフェイズの開始時に、クリーチャーを1体を生贄に捧げても良い。そうした時、土地でないカード名を1つ選ぶ。その後、対象のプレイヤーは自分の手札を公開し、その名前を持つカードを全て捨てる。
 セラと同様、セット発表時に公開されて話題を呼んだ1枚。あの「陰謀団式療法」がクリーチャーの姿を借りてモダンに殴り込みをかけてきたってんだから話題にならない方がおかしいだろう。しかも1マナ1/1威迫って最低限のステータスは守った上でだ。もちろん、本家「療法」に比べればセーブされている部分も多く、例えば起動タイミングが「最初のメインフェイズの開始時」に限定されているので出したターンに起動することができず次のターンまで生き残る必要がある。そしてコストはクリーチャー1体と安くはないので、そう簡単に連打できるようなものでもない。まぁ、このクリーチャーをサクることが「療法」のオマージュになっているのだろうが。おかげでハンデスとしてはそこまで信頼性が高くないのだが、逆に1マナ1/1クリーチャーになったことで考えられる悪巧みも色々とある。1マナソーサリーを墓地から戻すのは大変だが、1マナクリーチャーなら墓地から戻す方法も数多く存在している。ライブラリからのサーチだってクリーチャーの方が簡単だろう。新たなセラピーが、新たなモダンの風を起こすことがあるのかどうか、要注目である。それにしても、メンタルヘルスっておっかねぇんだなぁ。
 
 
屍肉喰らい/Carrion Feeder(SCG)」 U
 オウオウヲウ、なんだてめぇ、アンコモンとか随分エラくなったもんじゃねぇか。俺らが知ってるちっちゃい頃のお前はコモンでなぁ、そりゃ親しみやすい性格だったもんだよ。いや、小さい頃って言ってもすぐおっきくなってたけどな。ただでさえゾンビ強い環境だったせいでリミテッドではシャレにならなかったけどな。貴重な0マナサクり台として突然のモダン乱入。新しい職場でも元気にモリモリ食べられるかどうか。
 
 
変わり身ののけ者 Changeling Outcast (B) C
クリーチャー・多相の戦士
1/1 多相
〜ではブロックできず、〜はブロックされない。
 公式記事で説明がある通り、「苛まれし魂」に多相がついたクリーチャー。単にそれだけなので一応メリットともデメリットとも解釈出来るが、色々と面白いシナジーを生み出せるのは多相という特質ならではのものだ。似たようなクリーチャーとしてリミテッドで活躍した記憶があるのは「トゲだらけのボガート」。1マナでブロックされにくいだけの1/1という性質が同じで、当時の環境では「ならず者でダメージを与えたら使える」という非常に限定的な「徘徊」というキーワード能力が存在していたため、シンプルなシナジーが形成出来たのだ。このクリーチャーは「徘徊」はもちろんのこと、最近なら「絢爛」、ちょっと古ければ「狂喜」、そして記事にもある「忍術」などなど、様々なシナジーを見込みつつ、更に部族ボーナスまでカウント出来るという。まぁ、なかなかこれだけの性能ではモダンの荒波を渡りにくいかもしれないが、この使いやすさは地味さとトレードオフしても余りある。追加のマーフォークとして使えたりしないもんですかね?(黒ははいらんやろ)
 
 
親切な吸血鬼 Cordial Vampire (B)(B) R
クリーチャー・吸血鬼
1/1
〜か他のクリーチャーが死亡するたび、あなたのコントロールする各吸血鬼・クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 吸血鬼ギミックなんてのもあるのかよ。まぁ、今回多相が白黒に多く配置されているらしいので、頑張ってそこを集めろってことなんだろうが……。吸血鬼といえばファンタジー生物の定番でもあり、今となってはMagicでもすっかり一枚看板だが、実は部族として取り上げられ始めたのは割と近年になってから。具体的には基本セットが「M○○」表記になり、再録カード以外にも「なるべく初心者が直感的にわかりやすいカードを」ってんで基本らしいカードが新たに作られた際に、ゾンビに代わる黒のクリーチャー枠として登場したのがきっかけ。吸血鬼が栄えるゼンディカー次元と手を組んだ時にはバカにならない破壊力を持ち、「吸血鬼の夜侯」率いる軍団が環境を席巻したこともある。そうした時代背景を考えれば、この子も一族の使命を背負って出てきた新たな時代のホープなのかもしれない。書いてあることが強いのは間違いないが、並べて突っ込む吸血鬼がモダンで通用するかどうか。イクサラン吸血鬼からなんとかモダンレベルの連中を2つ3つつまめないもんですかね。
 
 
墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)」 U
 破滅的ネズミ。こちらも最後に再録されたのが第7版だったためにモダンでは使用できなかったが、この度めでたくエントリーされたことに。まぁ、このカードがどんな風に使われてるのかは全然知らないのだが……どうやらpauper需要があるみたいね。なるほど、確かにコモンでX火力は貴重だもんな。ちなみに、今回イラストは既存のもので再録されているが、フレーバーは「グール呼びのギサ」さんによる新作である。死体屋さんにとってはネズミは天敵だよなぁ。
 
 
真冬 Dead of Winter (2)(B) R
ソーサリー
全ての氷雪でないクリーチャーはーX/ーXの修正を受ける。Xは、あなたのコントロールする氷雪パーマネントの数である。
 氷雪じゃない奴絶対殺すマン。こうしたカードがあることで、また氷雪ファンデッキが大きくトーナメントレベルに前進することになる。まぁ、今回のリミテッドだけを考えると青緑がメインらしいのでここにタッチするのかどうかは悩ましいところだが、労せずしてワンサイド除去が手に入るのだから拾わない手はないだろう。これまでの先例を考えても、無制限の全体除去が3マナのシングルシンボルなんてのはとんでもないコスト設定なのだ。それくらい、「氷雪やってみ? 頑張ってみ?」という挑発が公式から投げかけられているということなのである。そりゃもう、チャレンジしないと。まぁ、やっぱりカードプールがほぼ今回のセットとコールドスナップだけってのは相当なハンデになってしまうのだろうが……。「何か好きなように氷雪パーマネントを増やせるカードなかったっけかなー」と考えたけど、「霧氷羽の梟」くらいしか思いつかない。お前じゃねぇなぁ。
 
 
汚涜 Defile (B) C
インスタント
対象のクリーチャーは、あなたのコントロールする沼1つにつき、ターン終了時までー1/ー1の修正を受ける。
 公式記事では「単体向けの『もぎとり』」としてデザインされたと紹介されている。実際そうなのだが、そもそも「もぎとり」が参照する沼の数って要素は黒にとって「もぎとり」以前から馴染み深いもので、「夢魔」や「堕落」のようなカードで使われてきた定番のパラメータである(あと「因果応報」もね……)。このカードはどっちかっていうと簡易版の「堕落」、つまり「堕落の触手」に近いイメージである。軽いのはありがたいが、やはり相応に制限は多いので、あくまでリミテッドが主戦場の除去になるのかしらね。
 
 
悪魔の布告/Diabolic Edict(TMP)」 C
 つい最近ほぼ上位種と呼べる「リリアナの勝利」が登場してしまったので今更感があるのは残念だが、これも実はリーガルセット再録は初である。様々な亜種が作られた黒除去の一系譜の祖とも言える名作呪文。一応、「リリアナの勝利」とは「自分にサクらせる」ことを選べる部分が違うので、もしかしたらそのあたりの差が意味を持つことが……ないだろうな。まぁ、リミテッドでどうぞ。ちなみに、カード名にちなんでか今回のフレーバーはニク様に寄せてもらっている。効果を考えるとなかなか心憎い一言である。
 
 
屑肉スリヴァー Dregscape Sliver (1)(B) U
クリーチャー・スリヴァー
2/2
あなたの墓地にあるスリヴァー・クリーチャー・カードは蘇生(2)を持つ。
 その名前から分かる通り、元ネタは「屑肉の地のゾンビ」。蘇生能力を持ち、リミテッドでは一番シンプルに蘇生能力を味わえたクリーチャーである。蘇生能力はアラーラのグリクシスを象徴する能力として開発されたもので、墓地利用の一形態として非常にまとまったものだった。よく言えば素直だが悪く言えば地味。クリーチャーが1回だけ戻ってくるというわかりやすい作用は、あまりコワレにもならず、主にリミテッドを中心にしてその生涯を終えた。そしてこの度、新たにこれがスリヴァーの能力として復活。蘇生をフル活用するポイントは、何と言っても187能力持ちに搭載すること。どんな能力でも後乗せでマシマシにできるスリヴァーにはうってつけのものだ。つかの間の生ではあるが、何か凶悪な誘発能力との合わせ技でスリヴァーのしぶとさを2倍3倍に水増しする方法があるかもしれない。蘇生コストが固定で安いのもポイントで、いっそのこと大量のスリヴァーを墓地に送り、まとめて呼び戻す瞬殺コンボなんかも面白いかも。ディティールは各自考えておいてください。
 
 
終異種 Endling (2)(B)(B) R
クリーチャー・ゾンビ、多相の戦士
3/3
(B):〜はターン終了時まで威迫を得る。
(B):〜はターン終了時まで接死を得る。
(B):〜はターン終了時まで不死を得る。
(1):〜はターン終了時まで+1/ー1か1/+1の修正を受ける。
 ついに出揃った、「異種」サイクル最後の1体。「変異種」に端を発する謎の文明は、時にコストを変え、時に収録形態を変え、少しずつその数を増やし、青、赤、緑、白と流れて最後に黒へ。これで無事にサイクルが閉じたことに……ところで「霊異種」、結局お前は何だったんだ。さておき、黒い「変異種」を作るにあたり、開発スタッフの間では相当喧々囂々の議論がなされたことだろう。コストが4マナになったくだりは公式記事を参照してもらうとして、ステータスは3/3。あとの能力は、黒というカラーパイからはみ出さない範囲で決定されることになるだろう。おそらく最も難航したのは不死の部分ではなかろうか。過去の「異種」サイクルは、何らかの方法で「生き残る」能力を持っていた。元祖は被覆、「炎異種」は呪文を曲げ、「茨異種」は破壊不能、「光異種」は手札に帰る。黒も破壊不能はつけられただろうが、他と同じじゃぁ面白みがない。そこで選ばれたのが「死ぬことは死ぬけど、ワンモアチャンス」という不死能力である。そのほかの能力がかなり攻撃的にチューンされており、威迫&接死で殴れば最低でも2体のクリーチャーを道連れにできる。そして死んだらちょっと大きくなっておかわりもう一杯。この組み合わせはかなりエグい。4/4になったら伝統芸のパワータフネス増減能力の幅も増えるのでより優位に立ち回りやすくなるはずだ。これまでのサイクルはタフネスをあげた時に脅威度が下がる部分が物足りなかったが、こいつは接死があるのでいつでもクリーチャー戦闘でアドバンテージを稼げる。なるほどこりゃ強いや。しかも何故かクリーチャータイプにゾンビのおまけ付き。ゾンビデッキの新たなフィニッシャーを任されるかもしれない。
 
 
愚者の饗宴者 Fester of Fools (4)(B)(B) U
クリーチャー・デーモン
3/3 飛行 召集 貪食2
 こういうのを見せられると、カードデザインに美を見出す人間(メルとかヴォーソスとか呼ばれる概念を持つ人たち)は本当にたまらない。「とか」と書いたのはこのカードがどちらの概念上も良いデザインだと思うからで、まずメル的には、「召集」と「貪食」というクリーチャーの数がモノを言う能力2つが組み合わされたことに美しさを感じる。召集があればこのクリーチャーを素早く召喚できて、さらにそのクリーチャーがサイズにも直結する。異なる次元の、異なるコンセプトの能力が実に端正にまとまった事例である。そして、このクリーチャーを「召喚の儀式で呼び出された悪魔」というフレーバーで彩ったことがヴォーソス的な美しさを導く。普通に考えたら白や緑が発祥で「協力することでより大きな力を得る」という召集能力と、「周りの弱者を貪り食うことで強くなる」というジャンド発祥の貪食は相容れないフレーバーを持つコンセプトのはずなのだが、この2つを併せ持つクリーチャーが、「アホな狂信者たちがなんとなく呼び出しちゃった悪魔」という背景を得ることでとたんに存在感を持つ。そりゃみんなで力を合わせて呼び出すだろうし、呼び出した端から犠牲になっていく凄惨なシーンだって当たり前に想像できる。普通のセットではなかなか収録できない、「モダンホライゾンらしい」良いデザインといえるだろう。実際に使っても、例えば3ターン目に3マナで出して9/9とかいうイカれた展開も実現可能。だれか、愚者の頂点を目指してみては?

 

 


第一球層のガルガンチュア First-Sphere Gargantua (4)(B)(B) C
クリーチャー・ホラー
5/4 蘇生(2)(B)
〜が戦場に出た時、あなたはカードを1枚引き、1点のライフを失う。
 まず気になるのは「球層/Sphere」ってなんやねん、って話だが、どうやら旧ファイレクシアの場所を表す名称らしい。ファイレクシアは第1〜第9までの層がマトリョーシカのように入れ子構造になっており、一番外から1〜9と番号がついている。つまり、このガルガンチュアはファイレクシアの表層部分にいるそこそこ雑魚ってことである。まぁ、それでもガルガンチュアを名乗っているだけあってサイズはでかい。そしてこいつの元ネタはそのものズバリ「ファイレクシアのガルガンチュア」だってのもわかりやすいところだ。元のカードは、サイクルで作られた「ファイレクシアの憤怒鬼」の方が有名になってしまったが、「憤怒鬼」が3マナ2/2で1枚カードを引いたのに対し、ガルガンチュアは全てがその倍、6マナ4/4で2枚引くクリーチャーだった。当然、リミテッドではこの2ドローは圧倒的に強く大活躍した記憶も鮮明である。今回のガルガンチュアは残念ながら1回出ただけでは1枚どまりだが、続いて蘇生で登場した時に残りの1枚が引けるように調整された。つまり、蘇生する前提なら「復活能力が付きパワーまで上がったガルガンチュア」なのだから強いに決まっている。もちろん、面倒ならば直接墓地に送ってちょっとしたドローをくれる役割だけでも文句はないだろう。できればどこかでディスカードできるようなギミックも用意しておきたい。

 

 


絶望の力 Force of Despair (1)(B)(B) R
インスタント
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナコストを支払うかわっりに、手札から黒のカードを1枚追放しても良い。
このターンに戦場に出た全てのクリーチャーを破壊する。
 「Force」サイクルの黒は全クリーチャーに「揺り籠から墓場まで」を叩き込む。なるほど、この設定ならピッチでも何でもとにかく唱えたいという強引なタイミング補正にも意味が出てくるだろうか。そもそもこのカードを自ターンに唱えるタイミングなんてほとんど無いとは思うが。トークン戦術や「双子」デッキのような瞬殺無限コンボを封殺できるので、実は案外間口は広い。最悪でも3マナインスタントの除去として運用できる上でこの設定なのだから、メタ次第ではサイド以上の扱いもあり得る話。

 

 


暴食するナメクジ Gluttonous Slug (1)(B) C
クリーチャー・ナメクジ、ホラー
0/3 威迫 進化
 進化ですってよ。進化は2回目に訪れたラヴニカでシミックが駆使していた能力で、「これよりもパワーかタフネスがでかいクリーチャーが出たら+1/+1カウンターをおいてもええで」という成長能力。後の世になって似たようなギミックがゴルガリの「生皮収集家」でリメイクされている。パワーとタフネスのどっちでもいいってのがポイントで、このナメクジのように偏ったステータスのクリーチャーは仲間が出てきたらすぐに成長できる。2マナというコストを考えれば次のターンに1体でもクリーチャーを出せば1/4になるってのはかなり頼りになる数字だ。さらに2/5まで育ってしまえば除去は難しくなるだろうし、3/6になればついに先輩の「地下墓地のナメクジ」を超えられる。特にメインとなるシナジーがあるわけではないが、雑に使ってもその攻防に優れる巨体は堪能できるはず。クソザコとはもう呼ばせない。

 


 
墓変わり Graveshifter (3)(B) U
クリーチャー・多相の戦士
2/2 多相
〜が戦場に出た時、あなたの墓地にある対象のクリーチャー・カードを手札に戻しても良い。
 もう、イラストを見ただけでその下を読まずとも全部能力まで当てられるデザインが秀逸。誰がどう見てもイラストは「グレイブディガー」のパロディ。本当は名前も寄せてあるのだが、日本語チームはそのまま「グレイブシフター」にするのは抵抗があったのだろうか。残念である。余談だが、「グレイブディガー」がもし同じようにちゃんと日本語訳されていたら「墓掘り」とかになっていたと思うのだが、「墓荒らし」や「墓暴き」なんて似たような名前のカードが多いので、むしろ良い判断だった気もする(なお、現時点ではまだ「墓掘り」という名前のカードは存在しない)。というわけで、多相を持ったグレイブディガー。確実なアドが稼げるので現代の基準ならアンコモンもやむなしか。様々な種族デッキで潤滑油兼アドソースとして幅広く活躍できる(リミテッド限定でね)。

 

 


首無し死霊 Headless Specter (1)(B)(B) C
クリーチャー・スペクター
2/2 飛行
暴勇〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは手札を1枚無作為に捨てる。
 そこそこ「惑乱の死霊」。残念ながらヒッピーがモダンリーガルなので下位種であるこいつがモダンに登場する可能性はほぼゼロだが、あまりにもスペクターが好きすぎるとか、ヒッピー4枚では足りないとか、そういうニーズがあればもしかしたら使われるのかもしれない。構築で出番が無いということは、主戦場は当然リミテッド。暴勇というマニアックな制限がついているが、3マナ2/2の普通の肉として運用しつつ、ラクドスビートみたいなデザインになれば唸るほどのアドバンテージを叩き出すこともあるかもしれない。今回様々なキーワードが1つのセットに押し込められているみたいだが、暴勇なんてマローが「失敗した」って言ってた能力でも収録されるもんなんやな。ちなみにフレーバーがちょっと面白くて、「唱えるための舌もないが、打ち捨てられた賛歌は未だその体から発せられている」とある。もちろん、ここで漏れ聞こえてくる「賛歌/hymn」ってのは効果を考えれば「トーラックへの賛歌」なんだろう。

 

 


精神の掻き寄せ Mind Rake (2)(B) C
ソーサリー
対象のプレイヤーは手札を2枚捨てる。
超過(1)(B)
 これも座布団1枚! といった感じの発想の勝利(敗北?)。一応説明しておくと、「超過」は呪文の効果を一気に拡大させるという、イゼットが編み出した大雑把な技なのだが、具体的にどういう効果かというと、文章欄にある「Target」を「each」に書き換えるというもの。そのため、普通の超過呪文のテキストは「target creature you don’t control」と書いてあることが多い。しかしこの呪文の場合は……うわぁ。3マナ払えば完全に「精神腐敗」。超普通のハンデス。そして超過すると、お互い手札をボッシュート。史上唯一の「元コストより軽い超過」はとんでもないデメリットになっているわけだ。とはいえ、2マナで手札を2枚落とせるのは紛れも無い事実。自分の2枚が痛くないデザインにしておけば何の問題もないわけで、毎度のことながらドレッジに入れてしまえばこれって別にデメリット無しになる可能性も。ただ、かつて同型の呪文に3マナで3枚捨てる「狂乱病のもつれ」があったがこちらは使われた実績がない。コストの軽さで、新たな地平を切り拓けるか。

 

 


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 顔パックしようとして眼帯外してたゆりねって貴重じゃない? 第9話。今までゆりねが眼帯外したことってあったっけ?(あったかもしれん) あの眼帯に特に意味はないんですかね。邪王真眼かな……。

 いつにも増して雑多でカオスなお話。これだけ前後の脈絡なく、下手したらオチすらない話をつないで悪びれもしないのが今作の良いところ(?)である。だって冒頭でいきなり前回のタイムリープ設定引き継ぎからスタートだからな。そんな適当な設定で何すんねん、って思ったら、マジで何もしなかった。単に邪神ちゃんが2万回近くパチンコでスるだけである。さすがに同じパチンコ屋で1万7000回スるのって難しくない?? どんだけ渋い店なのよ。邪神ちゃんもいい加減店変えろよ。そして、そのままATMと銀行に行って謎の銀行コント。最終的にメデューサが幸せそうならいいお話だったんじゃないでしょうか。

 2本目、唐突にミノスの1日。こいつ、なんで今作にいるのかよくわからないくらいシンプルで引っかかりのないキャラなのだが、改めてメインのエピソードやっても、やっぱり何もない。この適当さが良い緩衝材になってるということなのだろうか。実は単純なパワー型悪魔ってミノスしかいないからな。こんなミノスでもお風呂シーンが挟まると案外サービスになるのは意外である(人による)。なお、ちょっと出てきたぺこらが相変わらず可哀想なのは触れないことにする。最近、悪魔の世話になることにも大して抵抗がなくなってるんじゃなかろうか。そして何故かガキどもとのデュエルに挑もうとする邪神ちゃん。邪神ちゃんだってそれなりにおっぱいあると思うんだけど(何より丸出しなんだけど)、少年たちには一切響かないか。

 3本目、堕天使ぽぽろんのバイト繁盛記。ゆりねさんはなんだかんだで邪神ちゃんの食事の世話はちゃんとしてくれてるんだから優しいよね。結構食べるものが偏ってるけど。あと、指はへし折るけど。邪神ちゃんって再生能力高いくせに痛覚は人間並なのは明らかに欠点だよな。

 インターミッション、文房具。なんだこれ。ものは大事にしろよ。

 4本目、プリンと透明人間。冷蔵庫に入れるときに名前が書かれてる面を前にして置いとけよ、とは思う。邪神ちゃんも炊事は割とやるから冷蔵庫の中身の管理は2人でやってるんだろうしなぁ。アイアンメイデンって通販で買えるんですね。

 謎の5本目。夢オチだけど、そこに至るまでの迫真のバイオハザードっぷりは一体なんなんだろう。「カメラを止めるな!」が大ヒットしてるが、なんとなくつながる部分がありますね。全力で走ったり泣いたり、表情豊かなメデューサが見られる貴重なお話。ゾンビ映画ならとりあえず適当なところに斧が置いてあるのはお約束。しかし、ゾンビに怯えたり銀行強盗に従順だったり、邪神ちゃんって本当にモンスターとしてのレベルが低そう。

拍手

 人それぞれのバドミントン、第10話。今回は各方面にいい話が多かったですね。多分、綾乃が登場してないシーンは総じて心温まるシーン。

 ごめんね、モブっぽいから今まであんまり気にしてこなかったサブ部員たちの物語、ちゃんと色々あった。メインになるのは恋する少女・海老名ちゃんなのだが、彼女が一体何に惚れ込んで、何と戦っているのかも自分で分かっていなかったあたりがむしろ青春要素である。あんなエクストリームな告白されたら男の方はどう対応したらいいんだろうな。葉山の反応はあれで正解……なんでしょうなぁ。

 すでに「努力したけど相手が強けりゃやっぱり負けてしまう」という展開は理子をめぐる一件で済ませているシナリオ。今回の葉山の物語はうわべだけを浚うと理子ちゃんと同じ展開というだけで終わりなのだが、今回は彼の努力を海老名ちゃんという他者目線から描いているのがポイント。葉山の頑張りが成就せずに散って行く姿を見るのが苦しい海老名ちゃんをメインに据えることで、理子ちゃんの時とは別視点から「努力の理不尽」を見せつけられているかのようである。

 また、理子は「才能に溢れる相方」であるなぎさが決勝進出を決める活躍をしているのに対し、葉山の相方に当たる伊勢原(兄)も、惜しいところまでいったものの結局負けている。努力しようが才能があろうが、それが足りなければ負けるだけのエンディングだ。しかし、別に本作は「才能がなけりゃ何やっても無駄」という綾乃理論を売りにしたい作品ではないだろう。葉山は確かに敗れはしたが、彼の敗戦後の表情は決して暗いものではなかった。彼の熱気に当てられたのか、それともバドミントンの魔力に当てられたのか、大学進学後はバドミントンを退めるといっていた伊勢原も改めてバドを続けると宣言した。葉山にしてみれば、自分が教えたバドミントンを親友が続けてくれるといったのだから、こんなに嬉しいことはないだろう。そして、隣にはずっと見守ってくれる海老名ちゃんもいたのだ。別に女の子に褒められることが目的ではないが、これだって立派な「頑張ってきた結果」である。大会で優勝することだけが全てではない。そんな慰めにも似た新しい切り口を見せてくれる一幕であった。

 一方その頃、綾乃の魔神モードはますます磨きがかかる。帰ってきたお母ちゃんの影響下にあるので一層クサクサしている部分もあるのかもしれない。他人に興味がないだけならいいのだが、何かと言うとなぎさにちょっかいを出して「どうせ勝てねぇだろこの雑魚」と主人公とは思えない悪行の数々。もう、彼女の心はケアされることはないんじゃないかっていう絶望的な状況。ほんとにおかんが綾乃の実力以外の部分に興味がないのがまた……。

 しかし、そんな羽咲親子の独善ワールドに風穴をあけてくれそうな人間がただ一人。我らがエース・なぎささんに期待するしかないだろう。意外だったのは、そんななぎさを引き止めるコーチの過去が、ありがちな「無理して足を壊したせいで夢を打ち砕かれた先人」ではなく、「大事をとったら夢を掴み損ねた先人」というなんとも絶妙なポジションだったこと。あんまりこういうスポ根展開でそんな人間見たことない。そしてなんという奇遇であろうか、そんなコーチの過去は現在のなぎさと被るような、そうでもないような。なぎさの場合、別に決勝に出ずとも全国には行けるのだから全く無理する必要はないのだが、その上で過去に失敗したコーチの説得は考えさせられるものだろう。考えに考え抜いて、なぎさはやっぱり逃げないことを決めた。どちらの選択もギリギリまであり得たのだろうが、やはり、ここで前を向いてこそのなぎさなのだろう。彼女は「過去の自分との戦い」と表現していたが、あの時の自分を打ち破るには、どうしたって目の前の綾乃を倒さなければしょうがない。改めて正面からぶつかって、そのはるか高くまで伸びきった鼻っ柱をへし折ることができるのだろうか。頑張れなぎさ。

 それにしても、あのお母ちゃんって今いくつなんだろう。アラフォーだとしてあのリボンは無いよな……。

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 キリンさん、めっちゃユーザーフレンドリー、第8話。すげぇ、2ヶ国語対応(応対は最初ランダムになります)、さらになんとサポートセンターへの電話番号まであり、連絡すればすぐにスタッフが現場に駆けつけて対応してくれるという。すげぇぜキリン、そりゃもうわかります! ちょっと契約内容が聞いてない話だったことくらい大した問題じゃないな!

 というわけでキリンさんの繁盛記……ではなくてようやく一人称視点から語られることになったひかりさんメイン回である。今回もまたまた驚くべき事実がたくさん出てきたが、前回で「もうこの世界は何があっても不思議じゃねぇな」と腹をくくったので(1話目でくくれよ)、ひかりの過去話くらい大した問題じゃねぇや。いや、どうだろ、やっぱ慌てるけど……。

 ざっくり言ってしまえば、なんとひかりさんは「2度目」だったという。去年までは異国の地で華恋との舞台を胸に抱きながらレッスンに励んでいたひかりさん。彼女はかの地ですでにオーディションの荒波に揉まれた後だった。例によっていきなり引きずり込まれて成り行き任せで参加していたオーディションだったが、あちらの国にも天堂さんのような強キャラはいるわけで、惜しくも決勝で敗れたひかりさんは2位に甘んじ、その結果舞台の上で何かがぽっかりと失われていたことに気づいた。推定130gの「何か」には、「きらめき」という名前がつけられている。正確にそれが何かは分からない。ひかりは舞台の上で多大な喪失感を味わっていたが、それだって「トップを取られてしまった」という状況から結果的に生まれたものであり、それがキリンのせいなのかどうかもよく分からないし、そもそもどんな効果効能がある代物なのかと問われたら、誰も答えられないものだろう。それでも確実に、彼女の中から「きらめき」は失われ、キリンもそれについては「スタァを作るためにはエネルギーがいるでしょ」と悪びれもせずに言ってのけたのだから、「奪った」のは事実なのだろう。

 しかし、華恋に一方的に願いを押し付けたという責任感のなせる技か、ギリギリで踏みとどまったひかりにはきらめきの欠片でも残っていたのだろう。ユーザーサポートに問い合わせをした結果、キリンは改めてオーディションが行われることを告げ、「全ての手続きを片付けて」ひかりを日本へ送り込むのである。……やっぱすげぇぜキリン……。

 こうして、いわば「敗者復活戦」というか、経験値を蓄えた状態での戦いに挑むことになったひかり。かつての自分の不甲斐なさも懸案材料ではあるが、何よりも残酷な現実として、「レヴューで勝ってトップスタァになるのは1人だけ」という制約が重くのしかかる。バナナが勝ってるうちはそれもこれもひっくるめてのリセットだったので影響は出なかったようだが(?)、オーディション後に時間が進めば、2位以下になってしまった舞台少女は、かつてのひかりのように「何か」が奪われてしまうかもしれない。ひかりが勝ち残れば華恋から、華恋がトップに立てばひかりから。オーディション会場のランキングボードを見れば、「トップに2人」などという状況はあり得ない。

 幼い頃、あの東京タワーの見える公園で、4話と同じような構図で手を取り合った二人。かつては背中を追いかけてきた華恋の手をひかりが取り上げ、先日は滑り台側でためらうひかりの手を華恋が引き上げた。滑り台の上ならば、二人でてっぺんに立つこともできよう。互いに遥か高みを同じ目線で見上げることもできよう。しかし、それは舞台の上では叶わぬことか。ポジションゼロには、たった1人しか立てない。そのことを理解しつつも、今はただ、ひかりは目の前のライバルと戦い、勝ち続けるのみ。その後に訪れる試練も、きっと二人なら乗り越えられると信じて。

 前回暴勇とさえ言える圧倒的な力をふるったバナナ。彼女がいよいよイレギュラーであるひかりを迎え撃ち、新たな自分の「舞台」に引き込もうとした一戦、孤独のレヴュー。圧倒的な実力で他者を打ちのめさんとするバナナの獲物は鋭利な技巧に優れた日本刀。それだけでも充分強かろうが、なんと左手には小太刀まで携えての二刀流。彼女の手数の多さは、彼女の経験の多さの現れか。それに対するひかりのダガーはなんとも頼りない。一度は失った「きらめき」の損失がそこには現れている。しかし、一度敗れて立ち上がったものの強みか。何度もトップを取り続けてきたバナナを打ち倒すのが、辛酸を舐め「先の未来」を見てきたひかりだったというのも実に示唆的なものである。きらめきを取り戻したダガーはワイヤー機構が取り付けられており、ワイヤーアクションといえばこれまた舞台の「花形」でもある。一本の綱、か細い運命の撚り糸。そんなものをただ一心に掴み、すがりつき、ひかりは頂上への最大の障害を突破するのである。

 結局バナナの存在ってなんだったんだよ、って話だが、「ルール無用のクソやばいチートキャラ」でも粉砕するほどの信念が、「出戻り組」であるひかりの持つパワーだ、ということを示すことが目的だろうか。いうたらエスポワールにおける船井みたいなもんで、負けたからこそ得られるアドバンテージもあるということ。ただ、それは技巧的な部分ではなく、負けに対する恐怖心とか、2度とあそこに落ちたくないというがむしゃらさに表れるものだろうが。

 そんなひかりのジャイアントキリングに呼応するように、華恋も着実に勝ち上がって舞台を盛り上げる。残すところクロちゃんと天堂さんを上に見るのみ。ぶっちゃけ、クロちゃんは序盤から割と負けシーンが多いので強敵って感じもしないのだけど。どこかで天堂さんぶち抜いててっぺんとってほしいなぁ。

 

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<青>
 
大魔道士の魔除け Archmage’s Charm (U)(U)(U) R
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。
「対象の呪文を打ち消す」
「対象のプレイヤーはカードを2枚引く」
「対象の、点数で見たマナコストが1以下の土地でないパーマネントのコントロールを得る」
 これは何か元ネタがあるんだろうか……パッと思いつかないのだが、単に「青がよくやりたがることを組み合わせたチャーム」ってことでいいのかな。しいて言うなら「謎めいた命令」の調整版と言えるのかもしれないけども。いかにも青がやりたそうなアクションの詰め合わせで、カウンターは言わずもがな、インスタントでの2ドローは無難な選択肢としてエンドに動きやすい。この2つの組み合わせだけでもカードとしては成立しているのだが、「魔除け」の名を冠するためには効果は必ず3つ必要。最後の1つは「不忠の糸」なんかで見かける制限つきのコントロール奪取。コスト1以下なんて大したカードもなさそうだが、モダンともなればその凶悪さは充分にパクるだけの価値を持つ。この手の呪文には珍しくインスタントでのパクりなので、相手の行動を見て最後に動けるというのはやはり大きな意味がある。青系コントロールの選択肢の1つになりうるだろうか。

 


 
バザールの交易魔道士 Bazaar Trademage (2)(U) R
クリーチャー・人間、ウィザード
3/4 飛行
〜が戦場に出たとき、カードを2枚引く。その後、手札を3枚捨てる。
 戦場に出たときに「バザールの大魔術師」と同じ効果、つまりは「Bazaar of Baghdad」と同じ効果を発揮するウィザード。まぁ、それだけなら普通なのだが、何故かこのウィザード、やたらガタイがいい。3マナ3/4飛行って何だ?? なんで単なる魔術師がそのサイズに? ……一応の説明としては、場に出たときの能力が間違いなく「アドバンテージを失う能力」なので、これをデメリットとして代価分のステータスをもらっていると考えることが出来る。3マナ3/4といえば例えば対象になった時に死んでしまう「幻影の召使い」や、毎ターン1点痛い「セレンディブのイフリート」なんかがいるので、その系譜だ。しかし、この能力をデメリットだと捉える人間がはたしてどの程度いるものだろうか? 「バザールの大魔術師」は当然のように活躍しているわけで、つまりはこの能力が強いのである。だとしたらメリット+メリットというふざけた存在に……。まぁ、この2つの性質を同時に求めるデッキがどれだけあるかは定かでないのだが、なんか、「緩いミッドレンジタイプのドレッジ」みたいなデッキが組めないもんですかね? 普通にデルバーに足しても悪くない気もする。
 
 
吹雪の大梟 Blizzard Strix (4)(U) U
氷雪クリーチャー・鳥
3/2 飛行 瞬速
〜が戦場に出た時、あなたが他の氷雪パーマネントをコントロールしているなら、対象の、〜以外のパーマネントを追放する。次の終了ステップの開始時に、それをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
 平均的なリミテッド向けの飛行ステータスだが、氷雪デッキの場合は瞬速を生かした手軽なトリックとしても使用可能。緊急避難能力は戦闘を絡めて色々と活用できるし、相手の除去を回避しつつの戦力追加となればコスト以上の働きを見込めるだろう。条件付きとはいえ、こいつを使うようなデッキなら5マナも出る頃にはある程度氷雪カウントは確保できているだろうから、あまり問題にはならないはず。白と組み合わせれば「ちらつき」能力をさらにシナジーとして拡大することも狙えるだろう。まぁ、アンコとしては地味な気もするが。
 
 
凍て虫 Chillerpillar (3)(U) C
氷雪クリーチャー・昆虫
(4)(S)(S):怪物化2を行う。
〜が怪物的である限り、これは飛行を持つ。
 流石にこれは書いとかないとわかりにくいと思うんですが、(S)のシンボルは「氷雪マナ」という意味です。これは、何色のマナでもいいんだけどとにかく氷雪パーマネントから出てくるマナを表します。一番スタンダードなのは当然冠雪土地だろうが、これが導入されたコールドスナップ当時は「ボリアルのドルイド」や「冷鉄の心臓」あたりが氷雪マナソースとして重宝されました。さておき、そんなコールドスナップ限定ギミックに、さらにテーロス限定ギミックである怪物化という夢のコラボレーション。いや、誰の夢かは知らんが。複雑さをどれだけあげてもいいってのはこういうことなんでしょうね。だから「普通のリミテ向けコモンやんけ」という感想だけで次に行っても問題ないですよ。いや、リミテでも5/5フライヤーがコモンから出てくるのは割とまずいのだが。
 
 
締めつける綱/Choking Tethers(ONS)」 C
 我々が猿のようにプレイし続けた思い出の環境、オンスロートから意外な1枚が再録。一応「マスターズ25th」でも再録されていたのでむしろ懐かしさはないはずなのだが、そんなん覚えてないからやっぱり懐かしい。ちなみにこちらはイラストが更新され、どこかの世界のヴィダルケンの技になっている。今回のセットはサイクリングが1つの小テーマとして取り扱われているので、緩急織り交ぜたこのカードの使い心地を久しぶりに思い出せる日がくるかもしれない。

 

 


狡猾な回避 Cunning Evasion (1)(U) U
エンチャント
あなたのコントロールするクリーチャーがブロックされるたび、あなたはそれをオーナーの手札に戻しても良い。
 卑怯」の流れを汲むような、青の「都合が悪くなったら逃げよう」装置。Magicは基本的にブロッカーを後から決める関係上戦闘では守備側が有利なわけだが、これをおけば不都合な戦闘関係に関しては「なかったことに」できるわけだ。まぁ、その度にいちいち手札に戻ってきては話にならないという部分もあるのだが、それなら戻ってくることに意味があればいい。「大クラゲ」などの187能力持ちなら相手はブロックをためらうことになるし、何よりもこの能力が狙っているのは忍者とのシナジーだろう。一度忍術で能力を使った忍者はよっぽどのことがない限りは次のターンから普通にブロックされるわけだが、その場合には再び手札に紛れ、次の忍術チャンスを狙うことができるわけだ。相手にしたら、それこそ幻惑されて何がなんだかわからなくなるかもしれない。まぁ、全ては確実に攻撃宣言ができる前提での話なので、序盤から展開できるアタッカーの確保は必須だ。

 

 


永劫のこだまEcho of Eons (4)(U)(U) M
ソーサリー
各プレイヤーは自分の手札と墓地をライブラリに加えてくる直し、その後カードを7枚引く。
フラッシュバック(2)(U)
 まさかのフラッシュバックつき「Timetwister」。正確には、フラッシュバックするとTimetwisterか。行きの6マナは後の後継カードである「時のらせん」へのオマージュ、そして戻ってくる時の3マナがまんま元祖のコストである。こうしてみるとパワー9の復活ということでとんでもねぇ呪文のように見えるが、冷静に考えて、何に使うのかと言われたらよくわからない。パワー9とはいうものの、やっぱりTimetwisterはちょっと立ち位置が特殊なのである。面白い素材なのは間違いないが、役立たせようと思ったら相当デッキを練り込む必要があるだろう。活用したいならやはりフラッシュバックをメインに据えることになるのだろうが、そうするときっちりこいつが追放されてしまうのでぐるぐるとループを構築するのが難しい。なかなか上手い調整である。とりあえず、Terese Nielsenによる相変わらずよくわからないイラストが堪能できればそれでいいんじゃなかろうか。
 
 
常在夢境 Everdream (1)(U) U
インスタント
カードを1枚引く。
連繋(インスタントかソーサリー)(2)(U)
 あぁ〜大好きなやつ〜〜〜。もう、イラストみた瞬間に「そういうことしちゃうの!」って嬉しくなったもん。元ネタはマイナーなカードだがやたら印象に残っている「常在精神」。神河救済というラストセットのカードで、しかも実際にはほとんど使われることが無かったので本当に地味過ぎるカードなのだが、当時は「マナコストが無いカードだってぇ?!」と大層驚いたものである。コスト欄に何も書いていない空白の部分、今となってはそこそこ数が増えたが、当時はものすごく斬新だったんだ。「常在精神」は「連繋する以外に効果を使う方法は無いで」というピーキー過ぎる呪文だったのだが、こちらは一応素でも唱えられるようにコストが設定され、非常に丸い呪文に落とし込まれた。とはいえ、普通に唱えてもスペルカウントくらいしかうま味はないので、やっぱり狙うは連繋効果。あらゆるスペルが3マナでキャントリップになるのは馬鹿に出来ない効果だろう。公式が煽っている通り、連繋という特性を活かしてストーム呪文にぶら下げるっていうのがかなりおしゃれ。やり過ぎるとライブラリアウトで死ぬから気をつけなよ。
 
 
除外/Exclude (INV)」 U
 こちらも私の愛するインベイジョン環境でエース級の活躍をした思い出の呪文。これまで「25thマスターズ」で1度再録されているが、こうしてモダンでの使用が解禁になるというのはまた感慨深いものである。まぁ、3マナの呪文なのでモダンで使用に耐えるかは微妙なところだが、そのシンプルなアドバンテージ構造は純粋な強みであることは間違いない。コントロールデッキでの採用はありえるだろうか。なお、残念ながらこちらはアンコモンに格上げされている。やむなし。まぁ、リミテッドでバカスカ出てこられても困るしな。
 
 
ミルカイト Eyekite (1)(U) C
クリーチャー・ドレイク
1/2 飛行
あなたがこのターンにカードを2枚以上引いているなら、〜は+2/+0の修正を受ける。
 可愛い。いや、よく見るとキモい気もするんだけど、まぁ、多分可愛い。名前も微妙にこだわりがあり、もともとの英語名は「ヘルカイト」のもじりなのだろうが、日本語ではそのまんまの名前にしても「Eye」の特徴の部分が伝わりにくいってんでわざわざ「ヘルカイト」に寄せて似た名前に聞こえるようにしてあるわけだ。なんにしても、ちょい間抜けな感じはよく出ているんじゃなかろうか。ギミックとしては、今回青赤にちょこちょこ配置されている「1ターンに2枚以上引いたら」という条件が盛り込まれた小型のフライヤー。手っ取り早いのはルーターとの併用、さらにサイクリングデッキでの運用も効果的。安定してそうした追加ドローが可能な体制が整えば2マナ3/2フライヤーという破格の性能である。まぁ、残念ながら何もしてないデルバーの方が強いやんけ、って話なのだが……。まぁ、あれと比べるのは酷な話よね。リミテッドのアクセントとして。
 
 
嘘か真か/Fact or Fiction(INV)」 U
 立て続けにインベイジョンからの再録。こちらは数々のサプライセットで再録されているのですでに懐かしさも何もあったもんじゃないが、実は(モダンとはいえ)リーガルセットでの再録は初。またどこかで、あの悩ましい山分けクイズが繰り広げられることになるのだろうか。ちなみに今回のイラストはジェイス版
 
 
フェアリーの予見者 Faerie Seer (U) C
クリーチャー・フェアリー、ウィザード
1/1 飛行
〜が戦場に出た時、占術(2)を行う。

 シンプルであるが故にその強さが引き立つ1枚。1マナ1/1飛行の時点で世が世なら合格だが、そこに内蔵しているのは「前兆語り」や「賢者街の学者」が2マナで成し遂げた占術2である。そりゃもちろん2マナ1/3も強いが、飛行を持つ1マナのフェアリーに付けられたとなればまた格別。1ターン目からクロックを増やし、次のターンの「呪文づまりのスプライト」に備えながら、着実に盤面を固めていこう。ところで、こいつどこの次元のフェアリーだ? やたらガタイがよくて何かキモいのだが……。


 
 
否定の力 Force of Negation (1)(U)(U) R
インスタント
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナコストを支払う代わりに、手札から青のカードを1枚追放しても良い。
対象の、クリーチャーでない呪文1つを打ち消す。この方法で呪文が打ち消されるなら、そのカードを墓地に置く代わりに追放する。
 なんとも話題性に富む1枚。見ての通りにこれまでのMagicのカウンターの歴史の複合技。その大元にあるのは当然「意志の力/Force of Will」なわけだが、さすがにWillをモダンレベルにまで引き上げるわけにもいかないので、対象が非クリーチャー呪文に制限された。その分コストは大幅に軽くなったので普通にマナを払って唱える選択肢も選べるようになったし、一応ピッチコストの1ライフペイもなくなっている。さらにその代償として自ターンにはピッチで唱えられないという不思議な制限が加わり、さらにさらにその埋め合わせとして呪文の追放効果が。なんかもう、飴と鞭の雨あられで何がどう強いのかもよくわからなくなっているが、相手次第ではとにかく「モダンで使えるWill」なんだから今後は常に採用が検討される枠になるのは間違いない。制作チームが調整に調整を重ね、「このバランスでどや?!」と意気込んでいる姿が想像できる、なんとも気になる1枚ではある。これがこのセット一番の目玉とかになるのはさすがに勘弁だけどな。
 
 
未来予知/Future Sight(ONS)」 R
 数少ない「エキスパンション名と同名のカード」の1枚。他は「猛攻撃/Onslaught」や「未来視/Visions」などが存在している。さておき、エタマスなどでも再録されているのでそこまで久しぶりって感じでもないのだが、オンスロート環境当時は、出たらそりゃぁ強かったのでやたらおっかない印象がある1枚。下の環境でも採用実績があるらしいが、モダンでも活躍する余地はあるのだろうか。どっちかっていうとコンボ向けな気はするが。
 
 
氷山のカンクリックス Iceberg Cancrix (1)(U) C
氷雪クリーチャー・カニ
0/4
他の氷雪パーマネントがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは、対象のプレイヤーが自分のライブラリを上から2枚墓地に置くことを選んでも良い。
 ライブラリを、削ろうというのですか? そうですか……。元ネタは上陸を駆使してライブラリを削り各種デッキで意外な人気を見せた「面晶体のカニ」。コストは倍になってしまったが、その分タフネスも倍になったのでシステムクリーチャーとして生き残りやすくなったのは純粋にプラス。あとはどの程度掘削能力が高いかの勝負。ある程度の準備は必要になるが、総合力ならこちらのカニの方が先輩よりも高性能である可能性が高い。何しろデッキの土地を全て氷雪にしておけばとりあえず「面晶体のカニ」と同様に上陸条件でのライブラリアタックは可能だ。それに加えて毎ターン1枚でも氷雪がプレイできれば合計4枚。土地1枚から3枚を削っていたカニを上回る成果といえるだろう。まぁ、氷雪フェッチなんてものは無いのでその分割り引いて考える必要もあるかもしれないが……。そして先輩との最大の違いは、こいつがコモンであるという点。うまくいけばリミテッドならこれをかき集められるかもしれないし、集めれば2体目のカニが1体目の条件を満たす役割も果たしてくれる。とにかく前を向いてライブラリを削れば、そのうち光(ライブラリの底)は見えるんじゃなかろうか。なお、モダンではあんまりそういうことやらない方がいい。
 
 
大クラゲ/Man-o’-War(VIS)」 C
 まぁ、入るべくして入ってくるだろう、往年の名選手。今となっては似たようなカードも増えてきたのでそこまで希少価値は感じられないが、それでもやっぱり「クラゲが戻す」という部分に美点を感じる人もいるとかいないとか。普通に考えたらウィザードシナジーが見込める分「排斥する魔道士」でいい気がするが、どうしても自軍クリーチャーが戻したいとか、そういう時に。
 
 
マリット・レイジのまどろみ Marit Lage’s Slumber (1)(U) R
伝説の氷雪エンチャント
〜か他の氷雪パーマネント1つがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、占術1を行う。
あなたのアップキープの開始時に、あなたが氷雪パーマネントを10個以上コントロールしているなら、〜を生贄に捧げる。そうしたなら、2020で飛行と破壊不能を持つ黒の、マリット・レイジという名の伝説のアバター・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 出ちゃうぞ強いぞ、ぼくらのマリットレイジ。こうして同じ名前・能力を持つ同一の伝説トークンが異なるカードから登場するってのは初めてな気がするのだが……なんか例があったかしら。とにかく、みんな大好き、マリットレイジが新たな誕生ルートを確保した。これまで超速爆誕を実現していた「暗黒の深部」とは逆の設定になっており、あちらはじわじわ氷が溶けて中からマリットレイジ。今回は氷雪の力を蓄えて、閾値を超えたらマリットレイジ。どちらもそれなりに手間はかかるはずだが、パーマネント10個程度ならそこまで無理せずとも狙える数字な気もする。どうせこれを狙うデッキなら土地は全部氷雪なのだろうし、このエンチャント自体も氷雪。となれば5マナ時点であと4枚の氷雪パーマネントを工面すればめでたくレイジ。手助けのために「アズカンタ」ばりの占術まで付けてくれるのが心憎い。もちろん「暗黒の深部」だって氷雪なので一緒に使っても良い。レッツマリット。ただしどちらから出しても伝説は伝説なので1体しか維持出来ないことには注意。まぁ、2体もいらんが。先に「深部」からマリットレイジを出していた場合でも、こちらは条件を満たすと自動でサクられてしまうので注意すること。
 
 
ミラディン包囲戦 Mirrodin Besieged (2)(U) R
エンチャント
〜が戦場に出るに際し、「ミラン」か「ファイレクシア」を選ぶ。
ミランあなたがアーティファクト呪文を唱えるたび、1/1で無色の、マイア・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
ファイレクシアあなたの終了ステップの開始時に、カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。その後、あなたの墓地に15枚以上のアーティファクト・カードがあるなら、対象の対戦相手はこのゲームに敗北する。
 もう、初見で爆笑してしまった1枚。どの辺りが笑いどころかお分かりだろうか。戦場に出る際に「どちらの陣営」を選び、その選択によってガラリと効果を変える常在型エンチャント。この元ネタになったのは、タルキール次元で開発された「包囲」サイクル。カン(氏族の長)の時代から龍(ドラゴン)の時代へと移り変わる時代の変換点を描いた「運命再編」は、丁々発止でやりあう2つの勢力の激突と、どちらに転ぶかわからない手に汗握る戦いの火花を描くのにもってこいの環境だったのだ。おそらく、過去のカードファイルを漁っていてこの「包囲」サイクルを見つけた製作陣は、「このギミックも1つくらい入れようか」と話しあったはず。そして、サイクル名が「包囲/Siege」となっていることから、「どこを包囲する?」と考えたはず。そして、その瞬間に、下手したらみんなで同じ答えを思いついたんじゃなかろうか。「ミラディンだ!」と。そう、「ミラディン包囲戦/Mirrodin Besieged」は「ミラディンの傷跡」ブロックの2つ目のセットの名前。そしてまさに、旧ミラディンが一致団結したミラン軍と、新たな侵略者であるファイレクシアが一進一退の攻防を続けており、公式が「ミランが勝てば次のエキスパンションは『清純なるミラディン』に、ファイレクシアが勝てば『新たなるファイレクシア』になります!」なんて対立煽りまでやっていたのだ。もう、こんなにぴったりな歴史的シチュエーションはない。作られるべくして作られた新たな「包囲」。それは歴史の1ページを切り取った記念すべきカードなのである。そこまでの部分で満足しちゃったから効果はどうでもいいや。一応ミランを選べば「マイア鍛治」、ファイレクシアを選べばルーターからの「アーティファクト殺し尽くしたら勝つ」能力をゲット。これも高速で墓地を肥やしてファレイクシアを選らんどけば勝てる試合がある気がするな。
 
 
霧組のナーガ Mist-Clan Ninja (2)(U) R
クリーチャー・ナーガ、忍者
3/1 忍術(2)(U)
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜のコピーであるトークンを1体生成する。
 ふえーる忍者。とりあえず忍術でワンパン入れれは3マナで3/1が2体場に残る。この時点でもういろいろ得している。そして、次のターンに相手がこの両方を止める確証がない限り、連鎖は終わらない危険性がある。「殴ったらコピー出すで」のクリーチャーが、スタート時点でコピーを抱えているのは割と反則だ。過去には似たような分身の術を使う「ジェスカイの浸透者」なんてヘンテコクリーチャーも存在したが、さすがにここまで無節操にトークンは出していない。まぁ、これでようやくニンジャが正式に分身の術を使える設定になったのだし、今後もいろんな忍術を繰り広げていくことだろう。順逆自在の術とか、転所自在の術とか。
 
 
月刃の忍び Moonblade Shinobi  (3)(U) C
クリーチャー・人間、忍者
3/2 忍術(2)(U)
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、1/1で飛行を持つ、青のイリュージョン・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 どうやら忍者ってのはカタナに特殊な能力を帯びさせるようで、過去の忍者には似た名前の「霧刃の忍び」なんてのがいた。こちらの忍びのジュツはトークン錬成。ご丁寧にトークンは飛行を持っているので攻撃を通しやすく、このイリュージョンを介して次なる忍者の忍術を送り込んだりもできる。3マナで着地できる割にサイズもそこそこだし、いっぺん通せばクロックの増加が見込めるのは純粋に強み。コモンで手に入るので、青が相手の時は序盤の不用意なアタックにも注意を払おう。

 

 


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 飛田さん、途中でダヨーンになってなかった? 第8話。まぁ、クラルヴァインさんは現時点で数少ない今作の癒し(?)要素なのであのくらいのテンションでもいいわけですが……いや、癒しっていうには見てて辛すぎるよな。

 樺太編開始。と言っても、どうやらここに箱があるのはほぼ間違いなさそうなので、最終ステージといったところだろうか。結局1クール作品だからそのあたりの展開はスピーディかつ唐突である。よくわからんのは、エフグラフさんがどの時点で箱のありかを確定させていたのか、ということ。確か序盤に「日本に箱なかったなぁ」みたいなこと言ってた気がするのでその時点では探してたんだと思うんだが(もしかしたら言ってたのカーシュナーさんだったかもしれんが)、かつてドッグヴィルを襲った時点でわざわざユーリィたち兄弟を付け狙って、挙句ミハイルを従僕にしていたのだから、その時点でミハイルたちの親父さんが仕込んだ箱防衛トラップの存在も認識してたような振る舞い方なんだよね。親父さんが箱を持って樺太に向かい、そこで封印を施したのがユーリィたちの幼少期、そのあたりですでに箱のありかを知っていたなら最近までよそでうだうだしてた意味がわからんし、正確なありかを知ったのが最近だとしたら、わざわざミハイルを連れて帰った意味がわからん。まぁ、あの時点では単に「シリウスを吸血鬼にしたら面白くね?」くらいのテンションでの行動だったのかもしれないけどさ。

 今回の封印洞窟での一件で、無事にミハイルさんの立ち位置が確定。まぁ、大体これまでのユーリィとの対話から想像していた通りだが、「身体は許しても心までは許さないわ!」くらいの関係。エフグラフさんの吸血鬼レベルはかなり高いので、残念ながらコントロールされた時にそれに抗うのは不可能みたいだが、それでも脳まで侵されているわけではなく、あくまで箱のありかを知り、なんとか自分の手で確保するためにエフグラフに従っていただけだった。まぁ、かくいうエフグラフさんもその程度のミハイルの背信は織り込み済みだったようで、別に驚いたような様子もなかったですけどね。お兄ちゃんいいやつで一安心だが、このタイミングで反旗を翻して叩き潰されてしまったせいで、残る話数でのユーリィの受難が容易に想像できてしまうのがちょっとかわいそう。ミハイルが殺されずに連れて行かれたってことは、エフグラフさんがその存在に利用価値を見いだしてるってことだからなぁ。さらにヴァンパイアサイドには忠誠心に燃えるクラルヴァインさんお手製のフランケン軍団という確定イベントも待ち構えている。色々と盛りだくさんだ。

 一方その頃、ユーリィは予定通りに樺太入り。そして何故だかコンタクトが取れちゃった現地狩人のビショップさんと共闘態勢。まぁ、世界的な組織みたいだし、いろんなところに関係者がいても不思議ではないか。この人も何か影がありそうではあるが、吸血鬼関係者なんて大体そういう連中ばっかりだろうから気にしてもしょうがないだろう。さらに、日本からロンドンに向かうはずだった教授ら御一行はユーリィの動向を察しつつも、組織の命令にそむかない程度に何かを画策中。みんなしてユーリィのこと大好きすぎるよな。

 そして、何と言ってもユーリィ大好きといえばお嬢さんなわけで……この子、いっつも駅弁食ってるよな。「可愛い子には旅をさせよというが、ついて行ってはいけないとは誰も言ってない」。パパ、金言です。

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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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↑越えられない壁
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