最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
尽き果てぬ想い、第12話。言葉も無い。 正直、今回のエピソードについては、何を書こうとも野暮にしかなるまい。それくらいに全てを描き切ってしまっている。それだけに、ただ黙って受け入れればいいという気持ちと、ここまで積み上げてきたドラマ作りの技法について、貪欲に解体したいという気持ちが半々である。蛇足とは知りながらも、ある程度は覚書をしたためておこう。 正直、前回までのお話で「さて、ゴールはどこにあるのだろう」という疑問はあったのだ。まさか小淵沢貴子が生存しているわけもなく、報瀬はわざわざこれだけの苦労を重ねて南極にたどり着き、一体何を見て「終幕」を迎えればよいものかと。まさに、今回報瀬が前半でぼんやりしていた、あの感情そのままに「南極についてしまった時点で目的は終わりなのか」と思っていた。実際、彼女が南極に降り立って最初に発した言葉は「ざまあみろ」だったわけで、彼女の中で南極という目標が「母の夢の跡」という要素よりも、それまでの自分の人生を支えてきた「生きる糧」としての機能を前面に押し出し、母の面影は最小限に留める可能性もあるとすら思っていた。女の子4人の友情物語としてなら、それでも成立しないこともないのだし。 しかし、これまでたっぷりのドラマを見せてくれた本作が、その1点で手抜かりがあるはずもないのだ。今回顕著だったのは、報瀬と吟隊長が並んでいる構図。二人とも「貴子の弔い合戦」という大前提となる目的を共にしているが、かたや社会人として南極到達に確固たる目的意識を持った大人。かたやいざ自分がかの地を訪れる段になり、途方に暮れてしまった高校生。吟はまだまだゴールではなく先があることは知っている。では報瀬はどうなのか。その問いかけに、確固たる答えを見つけるのは困難だった。 そして、そんな行き詰まった報瀬に対し、一番気を揉んでいたのはキマリであった。これまで4人の中で様々な関係性が描かれ、ことに日向と報瀬の関係なんかはそれだけでも一大ジャンルを形成しそうな厚みがあったわけだが、やはり本作のスタート地点はキマリと報瀬なのである。何もなかった虚しい世界に新しい光を投げかけてくれた傍迷惑な恩人・報瀬への感謝。キマリはただ愚直に、その気持ちに報いようと奔走する(最初に報瀬の様子がおかしいことを指摘したのが日向だったのはちょっと面白い)。いまやこの4人は本当に「良い友達」である。我々視聴者なんかより、よっぽど報瀬の幸せを願い、報瀬の明日を想っている。そんな彼女たちだからこそ、わずかに残っていた3年前の記憶を掘り当てることができたのであろう。 そしてラストシーン。報瀬にとってのゴールとは何か。報瀬は何をもって、この旅の目的を果たせるのか。すでにその前のシーンに答えはあったのだ。故人は何も語らない。故人は何も思わない。ただ、その人に対して、生きている人間が何を想うかだけである。報瀬は、南極に来るためにただ一心に努力を続けてきた。様々なアルバイトに精を出し、高校生にできる限りのことをやり続けた。1つ1つ違うバイトで積み重ねた100万円。そのお札の1枚1枚に、彼女の人生が詰まっている。そして、そんな風に並べた100枚のお札にも勝る執念。10倍を超える量で押し寄せるメール。今の報瀬をねぎらうことができるのは、友達でもない、吟でもない。まして、物言わぬ故人でもない。ただひたすらに積み重ねてきた、過去の自分からの返礼。こんなにも必死に、こんなにも純粋に、戦い続けてきた歴史だった。 報瀬は間違いなく、ゴールにたどり着けた。当て所ないメールの数々は、母親の下には届かず、返礼として自分に還る。一万四千キロの旅の果て、その気持ちの届かぬ果ての果ては、「宇宙よりも遠い場所」。 PR 親父最強伝説、第11話。なんで佑河の血族なのにあいつは特殊能力が覚醒してないんだろう、と思ったら、多分あの倫理観の欠如が天賦の才だったんだろうな……。 佐河さん最後の抵抗。さすがにラスボスがあのまま終わるわけもなく、ただひたすら止界にこだわり続けた男は、あらゆる手段を講じて生き残りを図った。まずは自分の生い立ちを洗いざらいぶちまけることで樹里たちを説得しようという精神的な攻撃。もちろん、樹里が同情を持ってこの話に乗ってきたところで、返り討ちにしていたことだろう。しかし、樹里はすでに佐河という男の本性を読み切っていた。彼の哀願には耳を貸さず、容赦無く止界から吹き飛ばそうとする。最終的には物理的な死を与えることで終幕としようとしたが、それは爺さんに止められ、最終的には親父が引導を渡した。 これで終わりならばエピローグに突入するところだが、それでもまだ尽きぬ佐河の執念。持ちうる唯一の残存物は脳、そしてわずかばかりのカヌリニとしての力。タマワニを糸のように伸ばし、この世界の全てを使って復活を試みる。その挑戦は半ば上手くいったのだが、最後の最後、結局は天敵である樹里の能力の前に夢半ばで果てた。残ったのは、彼の忌まわしい人生の全てを消し去るかのような、ただ一人の赤子だけであった。 これでようやく終わりだろう。迫さんや翔子さんたちは今やすっかり佑河家とは懇意なので、戻った暁にはちゃんと事後処理をしてくれるはずだ。親父もマコトも帰ったし、あとは樹里が帰れるかどうか(そして、帰れないとしたら爺さんが残るかどうか)。帰れなかった場合、樹里はまるで佐河の意思を継ぐかのように、この止界の番人になってしまうわけか……まぁ、ここまでしっかりシナリオを紡いでいる物語で、最後の最後がバッドエンドになるとは思えないのだけども。 わき道にそれるが、今回のお話を見ていて本作のコンセプトが何かに似ているな、と思っていたことがようやくわかった。多分、ジョジョだ。いや、時間を止める云々の話ではなくて、「2つの血族の因縁」の部分とか、ラスボス戦での形式を変えた多重構造とか、全体的なお話の構造がジョジョの面白い部分と重なるのだ。佑河家は、ちょっと品格は落ちちゃうけどもジョースター家に通じる。爺さんと樹里をつなぐ「血の高潔さ」があるし、何よりも家族愛を武器に、信念を持って戦い続ける。主人公である樹里は、時の止まった世界に入門したのち、相手の天敵となるような唯一無二の能力を手に入れた(さしずめ翔子さんはポルナレフポジションか)。 となると、対する佐河は完全にDIOだ。鬱屈した少年・青年期の記憶を動機として、時を超えた無限の命で世界を渡り歩く事を望みとし、人間をやめたその力で世界へ君臨する。なんとなく「血の因縁」で佑河の存在を感知できたりもする。そして、最終盤では圧倒的なパワーで佑河を蹂躙しようと試みるも、最終的には一家の団結に敗北。しかし、それだけでは終わらずに最後の最後は異形に成り果てようとも、空前絶後の能力で命を吸収し、どこまでも貪欲な生への執着を見せる。悪い奴には違いないがどこか哀れで憎めない、そんなDIOの魅力に近いものを感じさせる男だった。DIOとジョースターの血の運命、それが、佑河と佐河の運命に通底するものを感じさせるのである。いや、別に パクりだとかいうつもりは一切なく、「面白いものになんとなく関連性を見出すとそれだけでちょっと楽しい」というお話でした。 さて、樹里さんは承太郎のようにハッピーエンドで終えることができるかどうか……(6部の承太郎がハッピーだったかどうかはさておき)。 初々しい補充兵 Fresh-Faced Recruit (1)(R/W) C クリーチャー・人間、兵士 2/1 あなたのターンである限り、〜は先制攻撃を持つ。 混成マナのクリーチャーは、「両方の色の能力を持ちながら、単色でも許容できる部分」を表現する必要があるため、純粋な重ね合わせが求められる面倒臭いジャンル。例えばこのボロスの場合、赤と白の両方が得意とする先制攻撃を持つことでその条件を満たしている。まぁ、初代混成マナのクリーチャーが「ボロスの補充兵」だったことを考えると、やはりこの辺しか落とし所がないということなのだろうが。コモンのくせに2マナパワー2の先制持ちという信じられない性能。リミテッドで先手のボロスがこれを出した場合、受け手側は対処を誤るとすげぇ速さでライフが減ってしまって完全にボロス側のゲーム展開に引き摺り込まれてしまう。堅実ながらもゲームを左右する重要なコモン。防御なんて考えずにただただアタックすればいい。それがボロスの生きる道。 ピストン拳のサイクロプス Piston-Fist Cyclops (1)(U/R)(U/R) C クリーチャー・サイクロプス 4/3 防衛 あなたがこのターンにインスタントかソーサリー・呪文を唱えている限り、〜は防衛を持たないかのように攻撃できる。 混成クリーチャーのイゼット版は、直系の先輩である「ニヴィックスのサイクロプス」にかなり似ている。あちらは使った呪文の数に応じてサイズアップする能力を持っていたが、こちらはパワー4が固定値。爆発力が無い代わりにデフォルトでこの高パワーが維持できるため、ブロック要員としても充分な仕事をこなせるのがセールスポイントである。というか、もうこれはブロッカーとして生涯を終えても何の不満もないだろう。コモンレベルでこれを乗り越えられるようなカードは、緑であっても5マナ以上が必要になるはず。赤や青が単色でこれだけのスペックのブロッカーを構えられるのは、攻めたいデッキからすれば頭痛の種になるんじゃなかろうか。 冷酷なゴルゴン Pitiless Gorgon (1)(B/G)(B/G) C クリーチャー・ゴルゴン 2/2 接死 ゴルガリの混成クリーチャーは接死担当。緑だと「短刀背のバジリスク」。黒だと意外にもこのステータスの同型は存在しておらず、おまけでサイクリングがついた「不毛地の蠍」が一番近いだろうか。まぁ、それくらいの立ち位置。攻めて良し守って良しのお利口コモンである。今回ヴラスカさんがトップに立った割に、ゴルゴンのお仲間はあんまりおらんな。 ヴァナーディーの盾仲間 Vernadi Shieldmate (1)(G/W) C クリーチャー・人間、兵士 2/2 警戒 セレズニアの混成クリーチャーは警戒担当。白なら「太陽の歩哨」、緑なら「緑林の歩哨」。歩哨っぽいスタータスですね。仕事ぶりもいつも通りのもの。一応、召集が絡むとちょっとだけ加点。 囁く工作員 Whisper Agent (1)(U/B)(U/B) C クリーチャー・人間、ならず者 3/2 瞬速 〜が戦場に出た時、諜報1を行う。 混成マナサイクルのディミーア版。ディミーア的能力である諜報はもちろんのことだが、最近黒も導入を検討している瞬速が混成能力として採用されているのは興味深い。現環境でそこそこ活躍中の「雇われ刺客」のコストが(2)(B)であることを考えれば、このクリーチャーのコストが(1)(B)(B)でも問題なく許容できる。もちろん青のクリーチャーなら言わずもがなだ。そうして「雇われ刺客」に諜報がついただけのシンプルなアッパー版が青でも黒でも使えるという便利な設計。この1枚を見るだけでも、今回のディミーアはそこまで後ろ向きなわけではなく、現代風にそこそこ戦えるデザインにアレンジされているだろうということが予想できる。 確証/確立 Assure//Assemble (G/W)(G/W)//(4)(G)(W) R インスタント 対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。そのクリーチャーはターン終了時まで破壊不能を得る。 // インスタント 2/2で警戒を持つ、緑白のエルフ・騎士・クリーチャー・トークンを3体生成する 分割サイクルのセレズニアレア版。基本設定に忠実で、左側のハイブリッドは軽量のコンバットトリック。破壊不能がつく上に恒久的な増強が可能な贅沢仕様で、これを使うだけでも「レアだなぁ」という満足感はそこそこ得られるはず。というか、リミテッドだったら多分こっちで使う回数の方が多いだろう。その理由の1つになっているのが、右側のマルチモードの渋さである。2/2が3体。うん、悪くない。悪くないんだけど、6マナでやりたい仕事かと言われると割と微妙。インスタントなのでこちらもトリックとして使えるのが優秀だが、よほど召集エンジン構築に命をかけている人でなければ、このコスト域で2/2クリーチャーはそこまで重要ではないはず。さっさとトリックとして使い捨てて+1カウンターを乗せておいた方が、トータルで見たら得られるものは多いんじゃなかろうか。ちなみに、これまで分割カードは「Aand B」という形でそれぞれのカード名を合わせるとイディオムが出てくるように名前がつけられていたが、今回は単に綴りが似ている単語2つをくっつけているようである。なんとか日本語名も寄せようと頑張っている翻訳スタッフを褒めてあげよう。 詭謀/奇策 Connive//Concoct (2)(U/B)(U/B)//(3)(U)(B) R ソーサリー 対象の、パワー2以下のクリーチャーのコントロールを得る。 // ソーサリー 諜報3を行う。その後、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚戦場に戻す。 分割カードのディミーアレア版。サイクルの他のカードと違い、こいつは左側のハイブリッド部分もそこそこ重くて効果がでかい。しかし、効果は構築クラスでも活躍している「不忠の糸」と同じなので完全に青い能力なんだけど、これって黒マナで唱えてもいいんだろうか。一応黒は「墓地を経由してのコントロール奪取」っていう色特性はあるのだが、こうしてダイレクトに誘拐する事例はほとんどなかったはず(一応「次元の混乱」の時に「隷属」という「曲げ」の事例はある)。ちょっとカラーパイが美しくない気がする。逆に、右側のマルチモードは黒単色でもできそうな仕事。まぁ、諜報部分は一応青要素もあるが……なんかしっくりこないな。リアニ能力は自分で墓地を3枚肥やしてから発掘できるので、対象を取らない形のリアニメイトになっている。これは同じようなデザインだった「強行/突入」の仕様。あっちは赤と手を組んだおかげで速攻がついたりしたんだけどなぁ、今回は何もないんか。うーむ、変なの。基本的には序盤に左側、終盤に右側っていうお約束の使い分けになるんだろうけど、そこまで劇的なもんでもない気がするな。 発見/発散 Discovery//Dispersal (1)(U/B)//(3)(U)(B) U ソーサリー 諜報2を行う。その後カードを1枚引く。 // インスタント 各対戦相手は、自分のコントロールする中で最も点数で見たマナコストが高いパーマネントをそのオーナーの手札に戻し、その後、手札を1枚捨てる。 分割サイクルのディミーアアンコ版。これがまぁ実に渋い。左のハイブリッドはすごく「定業」。元が1マナのソーサリーだが、一応諜報になったこと、ハイブリッドマナになったことでコストアップも納得できる範囲だろうか。アドを失わずに墓地を2枚肥やす仕事というだけでもそれなりのものだろう。そして右側のマルチモードは、青と黒が手を組むと必ずやる「バウンス&ハンデス」である。バウンスする場合は大抵一番重たいものを戻したいわけで、大体は「はね返り」に近い効果になる。ただ、戻したいパーマネントが戻せない場合もそれなりにあるため、どうしても「はね返り」よりは弱い呪文になりがち。それでこのコストだとちょっと割りに合わない感もある(多人数戦なら決して下位互換ではない)。でもまぁ、やっぱり「ディンローヴァの恐怖」にしろ「遠隔/不在」にしろ、バウンス後に相手を締め上げる効果は青黒の花形である。やられた方はやっぱり嫌なもんで、これを連打されるだけでもやる気はみるみる減っていく。どちらのモードでも渋い活躍。これこそディミーア流の戦局の作り方。 発展/発破 Expansion//Explosion (U/R)(U/R)//(X)(U)(U)(R)(R) R インスタント 対象の、点数で見たマナコストが4以下のインスタントかソーサリー・呪文をコピーする。あなたはその新しい対象を選んでも良い。 // インスタント 〜は任意の対象にX点のダメージを与える。対象のプレイヤーはX枚のカードを引く。 分割カードのイゼットレア版。ハイブリット側はまさに「赤でも青でも単色でできる効果」の代表格とも言える呪文コピー。青なら「双つ術」、赤なら「余韻」と呼ばれる呪文になる。さすがにそのまんまだとレア2つ分の上位種になっちゃって便利すぎるってことでコストに制限が設けられたが、普通に考えれば4マナ以下でも問題なく仕事は果たせるだろう。相手の除去を真似する、自分のドローを水増しする、カウンター合戦に上乗せするなど、様々な役割が期待できる。この手の呪文はあまりに専門性が高くてなかなかメインでデッキインしようとは思わないものなので、分割カードの片方くらいの立ち位置がちょうど良さそうだ。そして注目のマルチ側。ついに実現したダメージとドローの両立。いわば「スフィンクスの啓示」の逆バージョン(そして「ラクドスの復活」の逆バージョン)とでもいうべき呪文。かつてイゼットはダメージとドローを両立させようとした「火想者の発動」という呪文があったが、残念ながら同時解決はできなかった。コストはさらにとんでもない設定になってしまったが、それでもインスタントを守り切ったのはニヴ様の矜恃だろう。7マナ貯まれば3点3枚、それ以上ならめくるめく世界が待っている。手札で腐らないように左側のモードがついていることから強気でのデッキインが望めるのもありがたい。さぁ、新しい世界のコントロールはどんなカード選択になるんだろうか。 採取/最終 Find//Finality (B/G)(B/G) // (4)(B)(G) R ソーサリー 最大2枚までの対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。 // ソーサリー あなたのコントロールするクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターを2つ置いても良い。その後、すべてのクリーチャーはターン終了時まで-4/-4の修正を受ける。 ゴルガリ的分割カードのレア。左のハイブリットの方はお手軽にアドが取れる「病的な略取」が1マナ軽くなった上に色拘束も緩くなった優れもの。ドラフトでも手軽に使っていけるリソースになっている。有利か、拮抗しているような場だったらこっちのモードでさっさと後詰を送るのがいいだろう。「でも、せっかくのレアなのにコモンっぽい仕事なのはちょっと……」という人は右のマルチモードを使おう。全軍−4の「衰滅」に、自軍1体だけ生き残りやすくするカウンターギミックをドッキング。なるほど確かに緑黒の効果に違いない。全体除去なのだからそれだけでも満点だが、さらに増強カードの役割も果たせる、恐ろしいまでの贅沢仕様。6マナで効果範囲がタフネス4までとやや不確実なのは気になるが、ミッドレンジ構成のデッキなら面白い選択肢になりそうだ。 開花/華麗 Flower//Flourish (G/W)//(4)(G)(W) U ソーサリー あなたのライブラリから基本の森・カードか基本の平地・カードを探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 // ソーサリー あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 分割カードのセレズニア・アンコ版。左のハイブリッド側はほぼ「守美者の探索」と同じ。コストも効果も大体一緒だが、なぜか森と平地に「基本の」という制限がついてしまい、ギルドランドのサーチができなくなっている。せっかく一緒に収録されるんだから探せるようにしても問題なかった気がするのだが、あくまで分割カードの片方では既存のカードよりも弱くするというのが決まりなのだろう。まぁ、1ターン目に平地から森、森から平地のどちらのルートも選べるので、土地事故はほぼなくなる安全装置である。そして6マナのマルチ側はコストが倍になってしまった「正義の突撃」。同じアンコモンで、しかもマルチカラーなのにこの扱いはどうなんだろうという気もするが、それだけこの次元における全体増強ってのは価値が高いということだろうか。まぁ、どうせ撃てば勝ちの状態なら3マナも6マナも一緒という考え方もある。他の分割カードは「序盤は混成、キメ技が多色」という構成だが、このカードの場合は混成が本当に些細な効果なので右側を見込んでの投入がメインになる。むしろ純正セレズニアではなくて黒緑タッチ白みたいな人間が左側目当てに触る可能性もあるのかもしれないな。 完全/間隙 Integrity//Intervention (R/W)//(2)(R)(W) U インスタント 対象のクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 // 〜は任意の対象に3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。 分割カードのボロスアンコモン。なんか、他の分割と違ってずいぶんさっぱりした印象。「どっちの色でも単独でできる」はずのハイブリッド側に絶妙な違和感があるのが面白い部分で、確かに「+2するだけ」の能力は赤でも白でも可能だ(赤は一次的なパワー増強をもち、白はあまり修正値の大きくない増強ができる)。でも、これ単体だけだとどうしても緑っぽく見えてしまう。ボロスカラーでこうしたシンプルなコンバットトリックが使えるというのは目から鱗かもしれない。そして右側はまんま「稲妻のらせん」。コストは倍になってしまったが、分割カードとしての利便性があるし、そもそも「らせん」は強すぎたので、これくらいでも別に文句をいうようなものでもない。どちらのモードで使ってもばっちりボロス風味で、このカードが役に立たない試合ってのはまず存在しないだろう。ありがたいカードではあるが、ハイブリッドの方が使いやすいので、ボロスの専門家じゃなくて白だけ、赤だけのユーザーがあっさりピックしちゃいそうなのが悩ましい。 反転/観点 Invert//Invent (U/R)//(4)(U)(R) U インスタント 最大2体までの対象のクリーチャーのパワーとタフネスをターン終了時まで入れ替える。 // インスタント あなたのライブラリからインスタント・カード1枚か、ソーサリー・カード1枚か、その組み合わせを探し、それらを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 分割カードのイゼットアンコモン。一応注意しておくと、すでにカードの方にエラッタが出ることになっていて、印刷されたカードは左側の効果から「ターン終了時まで」の文言が抜け落ちている(上のテキストは修正後のもの)。英語版でこういううっかりがあるのは珍しいが、ただでさえ色々とややこしい環境なので制作側もバタバタしてたんだろう。さておき、「どっちの色も単色でできる」効果であるハイブリッドはいわゆる「回れ右」。すでに「裏返し」という呪文で混成マナの効果として認定されており、今回はそれを極限までシンプルにした形。とりあえず壁が殺せる。あと「奇矯なサイクロプス」も殺せる。そして右側のマルチモードはなかなかレベルの高いアドバンテージソース。好きなインスタントとソーサリーが手に入るということで、チューターでありアドバンテージでもあり。練度の高いイゼットデッキなら選択肢に困ることはないだろうし、相手ターンエンドに次のターンのベストムーブを選択しながらカードを揃えられる動きは偉い。混成の方の効果がそこまで魅力的ではないので、是非ともこちらの効果が活きるまで試合を引き伸ばしたいところだ。 反応/反正 Response//Resurgence (R/W)(R/W) // (3)(R)(W) R インスタント 〜は対象の攻撃クリーチャーかブロッククリーチャーに5点のダメージを与える。 // ソーサリー あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで先制攻撃と警戒を得る。このメインフェイズの後、追加の戦闘フェイズと、追加のメインフェイズを得る。 ボロス的分割カードのレア。まずは日本語翻訳スタッフの頑張りに拍手。なんとか両方の名前を似たようなフレーズで揃えるため、「反応」に合わせてそれらしい言葉を引っ張り出してきた「反正(はんせい)」とは、「以前の正しい状態に返すこと」を意味する言葉らしい。うわー、しらねぇ。「枕戈/待旦」の時といい、よくもまぁ、いろんな日本語を引っ張ってくるものだ。さておき、左のハイブリットは同じくボロスのカードだった「正義の矢」の上位種。コストが軽くなってるのにダメージが増えてるんだから何の文句があろうか、というわかりやすい単体除去。やはりリミテッドならこちらを優先で使っていくと考えていいだろう。そして、決め技となる右側のマルチモード、こちらは赤のお家芸である「連続突撃」に白の増強を絡めたデザイン。警戒付きだから返しのダメージを気にせず殴れて、先制攻撃なので簡単には止まらない。レアらしい決め技と言えるだろう。まぁ、パワーが上がらないので本当にグダついた試合の時にこれでぶち抜けるかどうかはやや不安ではあるのだが。ちなみに、警戒を与える関係上、この手の呪文にお約束の「最初に殴ったクリーチャーを起こすよ」というアンタップ機構が搭載されておらず、攻撃前に「この後に追加の戦闘があるねん」とバラしてから殴りに行かなきゃいけないことに注意。そのせいでタッパーなどに弱いのは一応マイナス点か。
席次/石像 Status//Statue (B/G)//(2)(B)(G) U インスタント 対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに接死を得る。 // インスタント 対象の、アーティファクトかクリーチャーかエンチャントを破壊する。 分割カードのゴルガリ・アンコ版。混成マナの方はシンプルなコンバットトリックだが、接死付与なので実はかなり使いやすい。1マナインスタントの除去呪文というなら、それだけで必須カードである。そして多色モード「石像」の方は、さらに一歩進めた確定除去。ご覧の通りにゴルガリ名物「化膿」の進化版。コンセプトとしては緑の「帰化」に黒のクリーチャー除去が合わさった感じか。とにかく圧倒的なクリーチャー殺すべしオーラが満ちた1枚。手軽な接死モード、確実な除去モードと使い分けもわかりやすく、今後色が合うデッキなら人気の1枚になるのは確実だろう。
カルタフィルス誕生秘話、第23話。まぁ、そりゃ重たい話になるわけだが……こうして視点を変えて見せられると、やっぱり痛々しい。 チセVSカルタフィルスの中盤戦。眼球の交換をきっかけにカルタフィルスの深奥にまで入り込んでしまったチセは、流れ込む「いつか」を見てしまう。チセは過去にも様々な人ならざるものとの交感を行ってきたが、これもスレイベガの体質故のことだろうか。「悪しきもの」であると思われていたカルタフィルスであったが、その発端には2つの呪いが関わっていた。1つは元来「カルタフィルス」と呼ばれていた「何か」が負ってしまった根元の呪い。口さがない噂話では「神の子に石を投げたためだ」と囁かれていたが、正確なところは不明。とにかく、どれだけ苦しみ、朽ち果てようとも命が終わらぬというとんでもない呪いである。そしてもう1つが、そんなカルタフィルスを救おうとしてしまった少年・ヨセフの生まれ育ちの呪い。墓堀人の子供として村で忌み嫌われ続けた彼は、いつしか自分の不幸の終わりを、カルタフィルスの呪いの終わりと重ね合わせてしまっていた。カルタフィルスが解放されないことと、自分のどん底の人生の永続がリンクし、次第に精神を壊していく。他者から受ける理不尽に打ちのめされていた彼は、突然「カルタフィルスと同体になれば、外部からの理不尽な責め苦も消える」という途方も無い天啓を得てしまう。そして重なり合った2つの呪いは、さらなる責め苦を生み出しただけだ。 尽きぬ苦痛を緩和するため、他者を巻き込み、少しずつ膨れ上がるカルタフィルスの憎悪と咎。そんな肥大化した呪いがついにチセにまで及ばんとしたところだったが、チセはチセで大きなものを背負った存在であり、2人の対立は決定的となる。チセだって、これまで幸せな人生を過ごしてきたわけではない。しかし、どこまでも他者に依存し、人生の理不尽を外部に発散させようとしていたヨセフに対し、チセは我が身の不幸を全て抱え込み、消え去ろうとしていた。それがひょんなことからエリアスに拾われ、まだまだ人生には続きがあるのだと学び、人の和を得ることができたのだ。運命を背負うにあたり、他力を求めるか、自己で完結させるかの違いが、二人の抱えた「呪い」に決定的な差を生み出してしまった。 長命の呪いを受けたカルタフィルスは、それを終わらせることが望みであり、自らを取り巻く環境に転がっている有象無象には頓着しない。それに対し、短命の呪いを受けたチセは、イギリスに来て以来、限られた時間の中での出会いに大きな実りを得ていた。この度の対決シーンでは、そうしたつながりの差が歴然と表れている。レンフレッド、アリスちゃん、ティタニアとオベロン、さらにマリエルに至るまで、彼女の周りには、無償で手を貸してくれる仲間のなんと多いことか。そしてそんな中には、なんとかギリギリで立ち直ったエリアスの姿もあるのだ。チセの失踪に打ちのめされてズタボロになっていたエリアス。そのまま妖精たちにそそのかされて完全に「あちら側」の存在になってしまうかと思われたが、これまでチセと積み重ねた日々は無駄ではなかった。最後の最後でチセの望む世界をつなぎとめることに成功し、なんとか舞い戻ってくることができたのだ。チセさんはまだ怒っているが、あとはどれだけ真摯に罪滅ぼしができるかだろう。 あまりに強大で、あまりに悲壮なカルタフィルスという存在。取り返しようもない罪を重ねた彼の人生にも、チセは救いを見いだせるだろうか。 3月17日 ドラフト模様(RIX×2 XLN) ピック順 【Thraxi】→【Alessi】→【Mei】→【Serra】→【Chrolony】→
一週間のご無沙汰でした。ドラフトです、まだ開催できていることの喜びをかみしめつつ、残り少ない人生を謳歌しましょう。 という幕開けになってみたものの……今週末(3/24)は、近場で開催されるGP京都に出るという奴がおり、人数が集まらずに開催不可。幸い、なんとか来週(3/31)までは面子が確保できそうだというのでこれが最後の最後にならずに済んだわけだが……来週はお休み……。
だがしかし、だがしかし。 我々は……死なぬッ(かもしれない)。ドラフトを続けないと、繋がりが廃れて存在そのものが消えてしまう。そんな危機感に怯える老人の熱意と執念は奇跡を呼び起こすのか。なんと、そこらへんでひっ捕まえた哀れなカモから「じゃぁ、少しMagicやってみようか」という言質を取ることに成功したのである!! え? いいの?! というわけで、私が今週インストをするんですね。また、何時ぞやのようにサンプルデッキを作り、大雑把なルールを説明、導入し、いくらかトレーニングをする。その後、果たしてモチベーションを維持しつつ無茶なファーストドラフトに漕ぎ着けられるかどうかは神のみぞ知ることだが……。いや、これまでの先人たち(犠牲者たちともいう)はそれでなんとかなっていたのだ。なんとかしようじゃないか。なんとかなってくれ。 というわけで、待て次週! ドラフト開催……成るや? 成らざるや?
先生やめて、その説教は俺に効く、第19話。ほんと、アニメ観ててこんなに打ちのめされてるのはどういう試練なんだ……いや、日頃の行いの悪さ故だが……。 島田さんの大一番が終わり、残りの話数を考えたらもう大きな対局は無いだろう。となるとあとは何をするかといえば……そうか、ひなちゃん事件の顛末を描かねばならぬのか。第2シーズンは将棋の試合とこっちの問題が半々ぐらいだったイメージですかね。そして、ひなちゃんが立ち直ったら終わり、なんて簡単な問題じゃなかったということを改めて思い知らされる展開。 本当に硬軟織り交ぜた押し引きの強い展開でもグッと惹きつけられるのが今作のすごいところで、今回は前半パートでは本当に幸せそうな川本家の様子が久しぶりに描かれる。甘いものを食べるときには格別のエンジンがかかるあかりさん。丁寧な白玉団子クッキングから、さらに商魂に火がついた爺さんも含めて、川本家は家族総出で大きなミッションへと挑む。文字通りのお祭り騒ぎであったが、川本姉妹の持つ総天然の明るさが突き抜けていて本当に楽しそうなお話。途中、ひなちゃんはかつていじめられていたちほちゃんの見舞いに向かうシーンもあり、改めて確認した友情と、香り高い梅シロップの関係性がなんとなく暗示的でもある。ちほちゃんは未だ回復途上であるということを知らされて気も引き締まるが、「これからのこと」を考えられるようになっただけでも進歩はあるのだし、ひなちゃんも今後の人生で引き続き誰にも恥じぬ公明な生き方を続けていく決心がついたであろう。まぁ、進路を考えるためには成績も関係してくるけどねー。 こうして、穏やかな時間が流れる川本家の光景は本当に素敵なものだ。しかしBパートでは一転して夏休みの学校の風景。かつていじめ問題に当たって一応の決着を見せた国分先生(CV立木文彦)が2学期以降の業務を若い先生に託すに際し、いじめの首謀者だった高城との最終決戦を迎えることに。まだ若い先生は「いじめは加害者が悪いに決まっている。その報いは当然受けるべきであるから、自分が担任することになるなら、そこは割り切っていく」と宣言。さらに「何故、悪い人間の方にそこまで目をかけてやる必要があるのだ」とも訴えている。この辺りが、引き続き教育の難しさを考えさせられるところだろう。確かにこの若い教員の言っていることは正論である。そして、大抵の学校では(いじめをうやむやにするという最悪の対処を除けば)おそらくこうした処理で白黒をはっきりつけるのが一番正しいという結論になるはずだ。 しかし、それは「処分」であって「教育」ではない。教育者がどこまで生徒たちの面倒を見るべきなのか、なんてのはどこまでいってもゴールのない議論であるが、少なくとも、明らかに道を踏み外し、人生に迷っていると判断した生徒がいるのなら、それを自分の思う正しい方向へ導くというのも教育の理念の1つである。余計なお世話かもしれない。過干渉かもしれない。しかし、国分先生は、それで終わるわけにはいかないと考え、自分なりの「説教」を高城に叩きつけるのだ。 高城が一人待つ教室に国分先生が入って行くシーン。今回のエピソードだけでも私は何度も涙腺が緩んだが、この入室シーンでのほんの一瞬が、一番の鳥肌ものだった。それまでの明るかった川本家のパート、夏休みのどこか気だるげな、蒸し暑さを感じさせる陽光。そうした「暖かさ」「明るさ」を全て消し去るような、熱を持たぬ高城の一言。もう、この一言が出てくるだけでも、やっぱり悠木碧は化け物だと言うことができる。人生の定まらぬ、世の中を全て見捨てたかのような、諦観のこもった高城の態度。「悪いとすら思っていない」と評されていたが、まさにその通りなのだろう。彼女は自分以外の人間が苦しむことをなんとも思っていないし、「苦しむ」という行為・心情自体に対し、余人とは違う観念で生きているのだ。いじめという問題があったことすら認識していない。彼女は、ただ自分が「苦しまない」方向で、クラスの人間関係が構築できていればそれ以上でもそれ以下でもなかったのだ。学校という組織の必要性も、下手したら「友達」という存在も、彼女は認識していないのかもしれない。 そんな空虚な高城の人生は、「頑張る」こととは無縁である。だからこそ、「なんで自分が努力して、苦しむ必要があるんだ」という質問を投げかけてきたのだ。そして、考えた末の国分の回答は、「そんな必要はないんだな」というもの。自分の娘ほどの年の少女の屁理屈とも取れる抗弁に、あっさりと自分の勝手さ(世間の理不尽)を認めた形。しかし、それは自分が間違っていたという謝罪ではない。「少なくとも自分はそうして生きてきて良かったよ」ということを報告した上で、さらに高城に対し、おそらく本人も一切意識したことがないような心の有り様を叩きつける。曰く、「努力をしないのは、した結果で何かが計れてしまうのが怖いからだろう」と。何かを頑張った時に得られるものは達成感であろうが、もう一つ、「頑張ってもできなかった」という結果も伴う。そこに自分の限界が見えて、自分の器がわかる。逆に言えば、死ぬまで頑張らなければ、自分の器は計れない。大きさはわからない。無限の可能性を秘めているし、もしかしたら思っていた以上にちっぽけかもしれない。自分の限界を見てしまうことは、誰だって恐ろしいのだ。 高城が、本当にそんな理由から今の生き方になったのかはわからない。しかし、確かに国分のいう通り、彼女は「頑張って」いないのだから、挫折もなければ後悔もない。それはそれで楽しい人生かもしれないが、今後の人生では必ずどこかで大きく転げるものだ。だからこそ、なんとかして若いうちに自分という器を測る尺度を与えなければいけない。それが、国分の考える教育なのだろう。 年を取ってしまえば、この国分の伝えた言葉の意味はわかってくる。しかし、まだ若い中学生の高城にはどんな風に響いたのだろう。痛いところを突かれたと悔しがるだろうか。わけがわからなくてポカンとするだけだろうか。はたまたじじいがまた的外れな説教をしていると笑い飛ばすだろうか。少なくとも、真正面から中学生にぶつかっていった国分の本気は、高城の凝り固まった「世界」にひびくらいはいれていたように見えるが……。 結果はまだわからない。本当に分かるのは、彼女の人生の、ずっとずっと先なのだろうけども。真っ暗な高城の未来図、色とりどりのお菓子で描かれたひなちゃんの未来図。その対比は、寓話と言うにもあまりに残酷だ。 風呂回なのにエロくない、第11話。まぁ、この世界では全裸なんかよりも着衣でエロいことしてることの方が多いですからね……。巧みに全裸を隠しつつのコンテワークが監督の仕事なのは笑う。 ほぼ予定通りに進行していると思われる修学旅行編。もう、前回用意された設定から「そうなれば、そうなるしかないやろ」というルートを順当にたどるだけだ。イレギュラー要素があるとすれば、普段から何をしでかすか分からない芽衣さんの暴走レベルくらいのものだが、すでに柚子ですら「私このパターン知ってる、いつもの芽衣のよくわからないやつだ」と言っている通り、だいたいいつも訳わかりませんからね。「よくわからないやつ」で正解です。まぁ、芽衣が暴走しちゃってる原因が自分にあることに気づいてない柚子さんサイドにも問題はあるんですがね。 今回のエピソードは相変わらずドロドロしてはいるものの、そんなにストレスなく見られるのは「悪いやつ」があんまりいないからだ。これまで姫子やまつりちゃんは明らかになんらかの害意を持って絡んできていたが、今回直接のライバルとなるタチバナシスターズの姉・サラの方は素直で良い娘。どれだけ三角関係がこじれても、最終的にはいい感じで終わってくれるんじゃないか、っていう安心感がある。むしろ問題になるのはその妹・ニナの方だが、彼女もモチベーションは「お姉ちゃん好き好き」であり、最終的にサラが悲しむようなことはしないはずだからなぁ。いや、悪巧みしてるのは間違い無いんですけどね。なんだか、今作はこれまで見たくてもなかなか見られなかった「諸星きらりさんが表ではあんなキャラなのに実は裏で腹黒いこと考えてました」っていうifストーリーが見られているようでちょっと楽しい。「きらりちゃんはそんなこと言わない」を素でやってくれている状態である。まぁ、一応彼女も嘘はついてないからなぁ。上手いこと柚子をはめてるだけだから。 という訳で、タチバナ姉妹の方はぶっちゃけあまり問題はないだろう。どちらかというと、すったもんだに振り回されて相変わらず自分の感情のやり場に困ってツン状態が振り切れている芽衣さんの方が問題である。この子、本当に他者との距離の取り方が下手で、今現在柚子との関係性が冷え込んでいるのはクリスマスのアレのせいな訳だが、それがずるずると引きずって今に至るまでツンのまま。自分のモヤモヤを処理する術もわからず、寄る辺がなかったところへ突如現れたサラの提案にあっさりと乗ってしまったという。「柚子はOKだとばっかり思ってたのになんか拒否られた上に、家族だの姉妹だのと正論を吐かれた。自分はやっぱり間違っていたのだろうか。だったらもっと問題なく自分を求めてくれる人のところに行こう」という、いわばやけっぱちの状態でしかないのだけど。もちろん、なんとなく柚子が自分に歩み寄ろうとしていることくらいはわかっているのだろうが……この子は本当にね。 そして、さらなるとばっちりでかわいそうなのは姫子さんである。いや、芽衣と二人部屋になってる時点でご褒美だとは思うのだが、まさかそのベッドルームに芽衣が間男(姉)を引き摺り込んでゴソゴソしてしまうとは夢にも思っていなかっただろう。また何故か知らんが柚子さんは布団の中で芽衣に接近するとランダムで発情スイッチがオンになる。少女漫画やエロ漫画ではよくある「布団の中にかくまって」シチュだが、そのタイミングで胸しか見てないのは確実に男子高校生のメンタルである。柚子さん、やっぱりあんたダメなんじゃないかね? 姫子さんに謝ってあげて。 それでもまぁ、ゴールは近そうですけどね。結局、サラがいい子だから全部飲み込んで丸く収めてくれるでしょう。問題は妹の処遇がどうなるかだが……彼女も好きが高じてこうなってるだけだしなぁ……よし、はるみんにまとめてもらおう(苦しいときのはるみん頼み)。 観てきました。本当はもっと早く観たかったんだけど、里帰りも絡んでこのタイミング。地元だとまだ封切りされてないんだもん。その割にこっちでは上映回数が減っててちょっと焦ったり。封切りから3週くらいだからこんなもんかぁ。オリジナルアニメなのでネタバレ無しで感想を書くのは難しいわけですが、とりあえず、お金払って観るに不満はない作品だったと思いますよ。そうは言っても具体的にどこがよかったのか知りたいんだよ、っていう人に対しては、ネタバレにならない程度でポイントを書いておくと、 佐藤利奈→子だくさん。 茅野愛衣→出産する。 日笠陽子→出産する。 石見舞菜香→出産しない。 私は今作を壮大なママみ作品だと定義づけています。ちなみに、他の要素は 沢城みゆき→若く見えるけど400歳を超えた化け物 久野美咲→産まれる。
<以下、ネタバレとか、視聴前提の話が展開しますので、未視聴注意)
ロリっ子を悲しませるのは許せない、第10話。……いいお話だったよ……。 前回までの「ヴァイオレットが少佐の死を乗り越える話」は無事に終幕し、あとはヴァイオレットが人間的に成長し、自分だけの幸せを掴むまでのお話になるだろうか。すでに国を代表する自動人形にまで上り詰めたヴァイオレットだが、まだまだ彼女には情緒的な経験が不足している。失った幼少期、思春期を取り戻すかのように、彼女はたくさんの「想い」を受け取っていく。「大好きを知りたい」という彼女の願いは、そうして少しずつ果たされていくのだ。 今回のお話は母娘の愛。そして私は、基本的にこうした「母親の愛情」「家族の物語」にすこぶる弱い。まぁ、男なんてものはおしなべてマザコンだと思っているが、母親の捧げる無償の愛というものは、いつの世にも涙腺にダイレクトアタックしてくるものである。そして、今回登場した娘のアンちゃんは、近頃のアニメに登場するこまっしゃくれたロリッ子とは一線を画する、「子供」のイデアがぎっしりと詰まった理想的なロリッ子である。わがままで意地っ張り、甘ったれで親を困らせる。それでもただ、親に対する愛情は本物だし、他人のことを考え、気遣える優しさも持っている。そんな素直なアンちゃんの感情の全てを受け止めることで、ヴァイオレットは失った「子供時代」を追体験するのだ。 アンちゃんを取り巻く境遇は本当に情け容赦ないものだ。父親を失った家庭にあり、残る母親も病の床で余命幾ばく。本当に何故こんなにも過酷な運命を与えられたのかと神を呪わんばかりであるが、そんな中でも、彼女には本当に優しく、賢明な母親がいてくれた。自分の残りわずかな命を娘の将来のために捧げ、最後の気力を振り絞って紡いだ50通もの手紙。そこにはアンが生きていく上での指標があり、目的があり、夢や希望、思い出までもが詰まっていた。生きながらえているわずかな時を削ってでも用意する価値のあった素晴らしい手紙。ヴァイオレットは「届ける意味がない手紙なんて無い」と言っていたが、こと今回のお仕事に関しては、本当に特別な、感情のたくさんこもった素敵な手紙だった。 こうした母親の愛情に触れ、さらにはアンの切実な愛情を突きつけられ、ヴァイオレットの人間としての感情はますます豊かになっていく。今回はすっかり自然な笑顔を浮かべられるようになったヴァイオレットの様子を何度も見ることができる。子守役として見るとまだまだお堅いのはしょうがないが、それでも、ヴァイオレットのような無骨で率直な人間だからこそ、アンはかえって懐くことができるのだろう。取っ付きにくさはあるものの、子供というのは得てして「いいもの」と「悪いもの」への嗅覚が敏感だったりするのである。ヴァイオレットは変な「お人形」ではあったものの、アンにとっては「悪いものじゃなかった」。そのことも、今回の物語を印象深いものにしてくれた一要因なのかもしれない。 蛇足を承知で追記しておくと、やはり今回の物語を盛り上げてくれた立役者はアンちゃんを演じた諸星すみれの好演だろう。すみれちゃんのナチュラルなお芝居は、子供らしい悲喜こもごもを嫌味なく聞けるので本当に良い。二十歳を超える頃には、すみれちゃんは、恋を知るお年頃になるのかしら……。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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