最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「LOST SONG」 4 突然歌う系作品の新作。そんな系統無いやろ、と思ったが、これが結構あるのが恐ろしいところだな。 正直配点は迷ったのだが、えも言われぬ「どんどんダメになりそうな空気」を感じて多少下げ気味の弱気のベットにさせてもらった。本当にこればかりは言葉で言い表せない「雰囲気」でしかないのだが、なんだろね、過去作で言うなら「コメットルシファー」のような空気が……出来ればこの予感が見当違いで面白いものになってくれることを祈るが。 やってることはマクロスである。もしくはクロスアンジュの可能性もある。歌が世界を変えるのだが、それをやれると思っていたのは超有名人のお姫様と、田舎で細々と暮らしていた娘っ子。どうやら爺さんがひた隠しにしていた出生の秘密があるようだが、とにかくこの二人だけは、その高い歌唱力から世界を変える歌がある。あとはどうにかこうにかしてこの2人が出会い、協力して、世界を作っていくに違いない。マクロスと違うのは、間に男が挟まらないのでトライアングラーにならないことくらいか。 デザインは分かりやすいし、メインキャストの2人を見れば「あわよくばライブイベントなんかでも稼げるコンテンツにしていくで」って言う姿勢は明確なのだが、問題はその作品世界自体が魅力的なものになるかどうか。こうした「ふわっと中世風世界」でのオリジナルはどうしても差別化が図りにくく、ここからグッと出てくるためにはよっぽど「歌う時の演出」が素晴らしいか、ドラマパートに奇想天外なものをぶっこんでくる必要がある。歌唱コンテンツとして成功した「マクロスF」や、作中の歌演出に鬼気迫るものを感じる「シンフォギア」シリーズなど、こうしたコンテンツで成功するものは限られている。そうした奇抜な攻め方ができないなら、おとなしく作中でライブするくらいの内容で諦めるべきだ。今作は残念ながら、歌唱シーンに特別な見どころがあるわけではなく、「歌ったら奇跡が起きるよ」ということを画面の説得力ではなしに設定に落とし込んでしまっている。その辺りが、多分ハジけきらんだろうなぁ、と思える理由なのかもしれない。 そして勝負となる歌方面の広がりだが……悪くはない。悪くはないが、いち鈴木このみファンとしては、「別にこんなアニメの中で歌わんでも……」というのが正直なところ。だからさ、声優が歌う世の中だからって歌い手が声優やれるわけじゃねぇんだよ(「声優が歌えるわけじゃねぇんだよ」も真理である)。鈴木このみの演技は思ったよりは悪いものではなかったが、やはり辛いのは間違い無いだろう。「発声に難が残るから隣に久野ちゃんを置いとけば緩和されませんかね」みたいな配置やめろや。久野ちゃんが傍にいるせいでどんだけシリアスなシーンでも空気が抜けたみたいになるのは内緒な。相変わらず歌唱になると頭抜けているせいで、かえってそれ以外のシーンとのギャップが見えるようになるのも厳しい部分で、開き直ってマクロスシステムを導入して歌唱だけを任せるわけにはいかなかったのかと思ってしまう。鈴木このみ本人の意向なのかなぁ。 転じて、もう一人の「歌姫」である田村ゆかりはどうかというと、こちらは当然ブレない存在感で一人作品世界を支えている。というか、こうして久しぶりに主演作品として見せられると、なんかもう、涙なしには見られないくらいの強さを改めて感じるのである。最近ではすっかりメンヘラ声優として定着してしまった彼女だが、こうしてただ一人、その地位を動かずに「アイドル声優」のイデアを守り続けている姿は尊くすらある。だからこそ、その苦しみに壊れてしまいもするのだろう。他の同期が、後輩が、次々とそのスタンスを翻して新たな声優人生を歩み始める中、彼女だけは、臣民たちの夢を守り続けるために我が身をなげうっているのだ。そう考えると、今作の「歌い続ける姫君」という立場もなんとも暗喩めいている。新旧の「歌姫」の共演には、もしかしたら現代アニソンシーンの光と闇が描かれているのかもしれない。 ぶっちゃけ「こんな愚にもつかないことを考えてないと今後退屈しそうやな……」って思っただけなんですけどね。面白くなるかなぁ。1話目でかやのん殺しちゃったしなぁ(なお兼ね役で生存している模様)。 ○「Cutie Honey Unicerse」 4 まだまだまだまだリメイクの波は終わらない。もう、今期完全新作って何割くらいになってるかね? 一番驚いたのは、キャストロールを見て新谷良子の名前が載っていたこと!! ウオォ! 生きてたんやなワレ! なんでさっぱりアニメの仕事なくなったんだろう。謎である。ついでに中の人の話をしておくと今作は「主人公もボスキャラも草薙素子」っていうわけのわからない作品になっているぞ。あと、変身すると一部限定で声が真礼たそに変わる。よく分からん。 それにしても、「鬼太郎」「銀英伝」はまだわかるし、「キャプ翼」もなんとかわかるとしても、キューティーハニーをまたぞろリメイクして喜ぶ層ってのは一体どれくらいいるものなんだろうか。息の長いコンテンツ……なのかなぁ。今時のアニメオタクは別に喜ばんだろうし、お子さんに見せるにはハードな作風になってたし、おっさんたちもわざわざチャンネル合わせて新しい作品観るとも思えないし……本当に対象が謎の作品。一応「永井豪50周年記念作品」らしいぞ。鬼太郎も50周年だし、この半世紀は一体何だったんだろうな。 アニメのテンションは、正直よくわからん。そりゃま、あけすけにエロい部分を見せていけば「らしい」展開になるだろうからせいぜいそっち方向で頑張ってくれればいいのだけど、いかにも永井豪風のオゲレツギャグもそれなりに盛り込まれているし、だからってコミカルに徹するわけでもなく1話目でも容赦無く色んな奴が死んでるし、どうにもテンションをチューニングしづらいのである。映像部分も敢えてそのままの古い要素を残そうとしているあたりは「キャプテン翼」に似た製作理念なんだろうけど、戦闘シーンのよくわからない抽象表現はやけに尖っていて違和感があるし。懐古に寄せたいのか、新時代を告げる奇抜なキューティーハニーを作りたいのか。どっちつかずになって成果物がとっ散らかってる印象。もう少し見れば馴染んでくる部分はあるのかなぁ。でも別にこの程度のエロ(「エッチ」って言った方がいいような)なんて別に求めてないしなぁ。ほら、間も無く「ハイスクールD×D」始まるからそっちでいいんじゃないかな(そっちも別に求めてない)。 ○「キラッとプリ☆チャン」 5 来たアニメを全て受け入れていくスタイルとは言いつつも、実はそれでも選り好みしていた部分がある。それが、アイカツ、プリパラ部門である。まぁ、それ以外にもヴァンガードとか朝アニメは割とスルーしてるのは多いのだが、これらアイドルアニメをスルーしていたのは、実はあんまり相性が良くないっていうのが1つと、近くにガチ勢がいると入りにくいっていう謎の敷居の高さがあったからだ。でもまぁ、この春に「プリパラ」シリーズが惜しまれながらも終了(周りのプリパラおじさんは廃人のようになっているよ)。新規シリーズが始まるということなので、追いかけるかどうかは別にして、この節目で1回観てみようじゃないか、ってことで。 アイドルアニメだと思ってけどYoutuberアニメだったでござる……。いやまぁ、最終的にはジャンルが「アイドル」になるのだろうけど、そういう切り込み方になってたのは驚いた。なるほど、本当に最近はユーチューバーアニメが増えたな(「アプモン」とか)。これで幼女たちがろくにネットリテラシーも学ばぬままに世界発信して、取り返しのつかない事故を起こしていくという……完全にエロ漫画の世界になりそう。でもまぁ、夢を届けるのがプリチャンの仕事らしいですから多分大丈夫。 前シリーズを全く知らないので比較できないのだが、「まぁ、こんなもんかな」というのが正直なところ。スタッフは前作からガラリと変えられているらしいので、周りのプリパラおじさんたちがドハマりしていた文化とは違う作品になってしまったようだが、どの程度DNAを受け継いでいるものだろうか。個人的には幼女のyoutuberにもライブにもそこまで興味はないので、一番気になるのは中の人たちのことである。何しろチェックしてなかったプリパラ界隈から結構な人材は輩出しているのでね……i☆Risなんてプリパラ観てないと応援できない雰囲気すらあるよな。今回はそんなi☆Ris勢に加えて、なんとあのWUGの妹分であるRGRが殴り込み。メインキャストにがっつり食い込み、このままの仕上がれば下克上すら夢じゃないかもしれない。声優アイドル業界も戦国時代である。死屍累々にならないことを祈るばかりだ。「おっ、かな恵ちゃんがレギュラーで出るんか」って思ったら、このキャラ歴代ずっと出ずっぱりなのかよ。
今年も頑張ってやっていきましょう。俺的アニメグランプリ2017年度版をお届けいたします。 毎年のことなので完全に年間行事に組み込まれているわけだが、ここ最近は年々アニメを見る体力も落ちてきて、なかなか1年を通しての評価というミッションも酷になってきている。この企画を成立させるためにはある程度自身の評価軸を安定させる必要があるし、作品も数をこなさないと意味がないし。まぁ、逆にこれを書かなきゃ、っていうのがモチベーションになってる部分もあるので、どっちが先なのか既にわからなくなっている状態なんだけども。最終的な結論としては、「やっぱり書きたいから書いてる」。人間、どこかで吐き出すことが出来るからこその趣味ですわ(とある知り合いが「趣味を楽しむ時間ができたのに吐き出せなくてストレス」と言っていて大変そうだと思った)。 さて、企画としては13年目(?!)となるこの企画(ブログ上では9度目)、蓄積は力と信じ続けているわけですが、果たしてその力は望んで欲しいものなのかはあえて考えないようにしています。ただ、やっぱり自分の年齢や労力のバランスは取っていきたいと思っているので、年々長大化の傾向にあった部分は反省し、多少なりともコンパクトにまとめようという意識は働いています(執筆前の現時点ではね)。果たしてどうなるものか。酔狂な人は付き合ったり付き合わなかったりすればいいじゃない。なお、昨年分以前は「アニメ・雑記」タグからそれぞれ辿れますので、参考までに。 さて、一応毎年のことなので約束事をコピペしておくと、タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っており、タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。今年はふと「ワースト賞」とかを設けてみたらどうだろう、みたいなことも考えたが、基本的には「いいとこ探しして褒めていく」スタンスなので、余計な煽りはやめておくことにした。もし実現してたら何ナミックコードが受賞していたんだろう。 今期エントリーされたのは、「2017年4月期以降に終了した、もしくは現在放送中である」ことを条件として、ある程度最後まで視聴していた以下の170作品。2期ものや分割2クール、それにショートアニメなどの集計が雑なので微差はあるものの、この数字は奇しくも昨年度と全く同じ。これまで毎年毎年増加し続けてうんざりしていたところだが、ようやく歯止めがかかった形。いや、歯止めをかけてこの数字ってのもどうかと思うが……多分、普通の生活スタイルの限界は超えてると思う。毎クール平均50本程度なので、日に7本以上のアニメを見てる計算でこれだからなぁ。一応これまでの本数の変遷をまとめておくと、今期は普通アニメが150、ショートアニメが20本で合算が170。タイトル数としては大体これであっているはず。恒例なので確認しておくと、過去10年間の本数の推移は76→74→59→67→90→103(93)→132(121)→ 更に、業界的には「劇場アニメの増加」という傾向もあるわけだが、今期視聴しにいった劇場アニメは下記の15本。これは久しぶりに微減したことになるが、身近にプリ友(プリキュアおじさん友達)がいなくなってプリキュアが減ったことが理由。あと、単に忙しいと劇場から足が遠のくってのはあるかな。昨年までの推移を並べると7→4→6→12→8→6→9→17→15となり、今後もこの辺りの数字で前後しそうな予感。まぁ、大体1ヶ月に1本くらいが健全で(お財布にも)良さそうですね。 なお、毎年のことだが劇場作品については基本的にこのグランプリの選出規準からは外すようにしている(割と例外措置が多かったけど)。
○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順・ショートアニメは【】で表示) 「ID-0」「アイドリッシュセブン」「アイドルマスター SideM」【アイドルマスターシンデレラガールズ劇場】「アクションヒロインチアフルーツ」「アトム・ザ・ビギニング」「アニメガタリズ」【アホガール】「アリスと蔵六」「異世界食堂」「異世界はスマートフォンとともに。」「いつだって僕らの恋は10センチだった」「伊藤潤二『コレクション』」「いぬやしき」「妹さえいればいい。」「Infini-T Force」「Wake Up, Girls! 新章」「有頂天家族2」「URAHARA」「18if」「エロマンガ先生」「王様ゲーム The Animation」「王室教師ハイネ」「オーバーロードⅡ」「おそ松さん(第2期)」「カードキャプターさくら クリアカード編」【怪獣ガールズ 2ndシーズン】【カイトアンサ】「学園ベビーシッターズ」「賭ケグルイ」「活撃 刀剣乱舞」「カブキブ!」「かみさまみならい ヒミツのここたま」「からかい上手の高木さん」「牙狼<GARO>-VANISHING LINE-」「キノの旅 the Animated Series」「境界のRINNE(第3期)」「キラキラ☆プリキュアアラモード」「キリングバイツ」「銀魂(ポロリ編)(銀ノ魂編)」「鯨の子らは砂上に歌う」【gdメン】「クラシカロイド2」「グランクレスト戦記」「グランブルーファンタジー ジ・アニメーション」「クロックワーク・プラネット」「ゲーマーズ!」「血界戦線&BEYOND」「潔癖男子!青山くん」【喧嘩番長乙女-Girl Beats Boys-】「恋と嘘」「恋は雨上がりのように」「Code:Realize~創世の姫君~」「刻刻」「このはな綺譚」「コンビニカレシ」「斉木楠雄のΨ難(第2期)」「最遊記 RELOAD BLAST」「冴えない彼女の育て方♭」「サクラクエスト」「サクラダリセット」「3月のライオン 第2シーズン」「サンリオ男子」「時間の支配者」「citrus」「週末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」「地獄少女宵伽」「Just Because!」「十二大戦」「将国のアルタイル」「少女週末旅行」【少年アシベGO!GO!ゴマちゃん】「食戟のソーマ 餐の皿」「新幹線変形ロボ シンカリオン」「進撃の巨人 Season2」「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」「sin 七つの大罪」「スタミュ(第2期)」「スロウスタート」「正解するカド」【世界の闇図鑑】「ゼロから始める魔法の書」「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」「セントールの悩み」「ソード・オラトリア」「宇宙よりも遠い場所」「ダーリン・イン・ザ・フランキス」「DYNAMIC CHORD」「DIVE!!」「タイムボカン 逆襲の三悪人」【だがしかし2】【たくのみ。】「ダメプリ ANIME CARAVAN」「ツインエンジェルBREAK」「つうかあ」「月がきれい」「つぐもも」【徒然チルドレン】「Dies Irae」「デジモンユニバース アプリモンスターズ」「デスマーチから始まる異世界狂想曲」「天使の3P!」「刀使ノ巫女」「ナイツ&マジック」「夏目友人帳 陸」「七つの大罪 戒めの復活」【七つの美徳】「NEW GAME(第2期)」【捏造トラップ -NTR-】「ネト充のススメ」【信長の忍び】「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「博多豚骨ラーメンズ」「覇穹 封神演義」「HUGっと!プリキュア」「ハクメイとミコチ」「はじめてのギャル」「バジリスク~桜花忍法帖~」【働くお兄さん】「バチカン奇跡調査官」「バトルガールハイスクール」「BEATLESS」「ひなこのーと」「ひなろじ」「干物妹!うまるちゃんR」「Fate/Apocrypha」「Fate/EXTRA Last Encore」「覆面系ノイズ」「武装少女マキャベリズム」「ブラッククローバー」「プリンセスプリンシパル」「フレームアームズ・ガール」「ブレンド・S」「ヘボット!」「ベルセルク(第2期)」「宝石の国」「鬼灯の冷徹 第弐期」「ボールルームへようこそ」「僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件」「僕のヒーローアカデミア(第2期)」「ポチッと発明ピカちんキット」【ぼのぼの】「ポプテピピック」【まけるな!あくのぐんだん】「魔法陣グルグル」「魔法使いの嫁」「ミイラの飼い方」「三つ星カラーズ」【無責任ギャラクシー☆タイラー】「メイドインアビス」「メルヘン・メドヘン」【闇芝居(第5期)】「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章/勇者の章-」「UQ HOLDER! ~魔法先生ネギま!2~」「ゆるキャン△」「妖怪アパートの幽雅な日常」「妖怪ウォッチ」「ようこそ実力至上主義の教室へ」「弱虫ペダル GLORY LINE」「弱虫ペダル NEW GENERATION」「ラーメン大好き小泉さん」【ラブ米】「ラブライブ!サンシャイン!!(第2期)」「Re: CREATORS」「リトルウィッチアカデミア」「りゅうおうのおしごと!」「リルリルフェアリル~魔法の鏡~」「恋愛暴君」「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」「笑ゥせぇるすまんNEW」
○今期視聴した劇場アニメ作品(視聴順) 「結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章<第2章 たましい>」「夜は短し歩けよ乙女」「夜明け告げるルーのうた」「結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章<第3章 やくそく>」「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」「魔法少女リリカルなのは Reflection」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」「響け♪ユーフォニアム〜届けたいメロディー〜」「Fate/stay night[Heaven’s Feel]Ⅰ.presage flower」「GODZILLA 怪獣惑星」「コードギアス 反逆のルルーシュⅠ興道」「ガールズ&パンツァー 最終章 第1話」「中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」「さよならの朝に約束の花をかざろう」
<タイトル部門> 技術賞 ‘05「創世のアクエリオン」 ’06「がくえんゆーとぴあ まなびストレート」 ‘07「モノノ怪」 ’08「キャシャーン Sins」 ’09「化物語」 ‘10「デュラララ!」 ’11「輪るピングドラム」 ‘12「さんかれあ」 ‘13「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」 ‘14「ピンポン The ANIMATION」 ‘15「ブブキ・ブランキ」 ‘16「3月のライオン」 ‘17「正解するカド」 技巧的見どころを評する賞、技術賞。年によって純粋にCGなんかの「新しい技術」を評価している場合と、主に監督演出などの個性を評している時の2パターンがあって軸がぶれまくりであるが、まぁ、ニュアンスで。 日本のアニメ業界は景気の悪い話が多くてクリエイターたちの熱意も技術も宝の持ち腐れだ、みたいな話が流れてくることも多い昨今だが、それでもこれだけ大量のアニメ作品が吐き出されているのだから、その中で切磋琢磨し、さらに新しい次元へ突き進んでいる部分はたくさんある。独自の進化を続けるジャパニメーションの技術が今年はどのように結実したのだろうか。 まず、各制作スタジオの個性がよく出ている作品群として、ベタで申し訳ないが京アニ作品の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、MAPPAによる「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」「牙狼<GARO> -VANISHING LINE-」「いぬやしき」あたりは押さえておくべきだろう。クオリティの化け物、京アニの技術力を惜しげも無く注ぎ込んだ大作、そしてMAPPAは現代CGアニメーションの雄としてすっかり大看板へとのし上がったスタジオ。この辺りの完成度を見れば、今年のアニメの最先端はだいたい推し量ることができるはずだ。 他にもCG作画から革新的な映像を生み出そうとするスタジオは多く、「ID-0」ではサンジゲン独特の「CGによるキャラ作画」がより親和性の高い統合を目指しているし、アニメスタジオ最古参のタツノコスタジオだって、「Infini-T Force」で新たな時代のヒーロー像を模索している。「メイドインアビス」で圧倒的な背景作画から圧巻の世界構築を見せたキネマシトラス、ジャンルにとらわれない様々なCGワークの融和を目指した怪作「Re:CREATORS」のトロイカなど、まだまだこの分野でのパイの奪い合いは熾烈を極めている。トロイカといえば、こうした技術力を現代アニメでは無視できない方向に伸ばした「アイドリッシュセブン」も外せないところ。女性アイドルをに端を発したキラッキラのアイドル像は華美に彩られることが多いが、本作で描かれた「等身大のアイドル像」を作り出すCGモーションはまた一段違った「ライブアニメ」の到来を感じさせる。古き良き手描きアニメとの折衷を目指したA-1ピクチャーズによる「Fate/Apocrypha」の作劇も、「迫力あるアニメーション」を模索する上では1つの指針となるだろう。そして迫力という点で外せないのは、やはりCGといえばここ、Production I.Gによる「ボールルームへようこそ」。バトル、ライブ、そしてスポーツ。描かれるものによって、スタジオの個性というのは様々に発揮されるものです。 その他、多少軸をずらしてCGワーク以外の個性の強かった作品を拾っていくと、どうしても頭から離れないのは「18if」による週替わりの世界構築だろう。是非は別にして、絶対に他では真似できない怪作だったのは間違いない(さすがGONZOさんや)。同様の個性のかっ飛び方で言えば「URAHARA」もすごかった。今後の業界では、こうしたオンリーワンを目指す方向性も顕著になってくるだろうか。オンリーワンで言えば「刻刻」を生み出した中国系企業ジェノスタジオなんかもあるし、どんなところから伏兵が襲ってくるかわからないので油断できない状況なのだ。 前置きが長くなったが、今回はそんな各所からの話題に富むアニメ業界の中で、まだまだ自分が牽引者であるという自負を持ち続ける東映アニメーションが生み出した新時代の映像作品、「正解するカド」をピックアップさせてもらった。毎週感想を書いていた通り、本当に刺激が多くてたまらない作品だったわけだが、とりわけ、虚実をないまぜにした絶妙なCGワークによる世界構築の妙が本作最大の見どころだった。突如現れた謎の立方体「カド」をめぐる骨太なSF作品。多次元存在、想像もできない超技術などといった「絵にもかけない」存在を次々とCGで形成し、視聴者をねじ伏せていく豪腕はまさにSF(フィクション)を名乗るにふさわしい。未知で不可知のものを描くのがアニメーションの本懐であるとするなら、これ以上ないくらいに「アニメらしいアニメ」だったと言えるのではなかろうか。ちなみに、本作放送終了後から野崎まど作品はあらかた読み漁ったのだが、割とアニメ向きの話も多い気がするので今後のアニメ化に期待している。個人的に好きなのは「死なない生徒殺人事件」です。まぁ、「アレ」もアニメでどんな風に描くかを考え始めたら頭を抱えてしまうが……。
努力賞 ‘05「蟲師」 ’06「ひぐらしのなく頃に」 ‘07「true tears」 ’08「かんなぎ」 ’09「けいおん!」 ‘10「世紀末オカルト学院」 ’11「ブラック★ロックシューター」 ‘12「TARI TARI」 ‘13「聖闘士星矢Ω」 ‘14「ばらかもん」 ‘15「デュラララ!×2」 ‘16「魔法少女育成計画」 ‘17「魔法使いの嫁」 なんとなく「頑張った!」という賞。いや、別にお為ごかしではなくてね……部門数が限られるから、どうしても入れる場所に悩む作品ってのはありまして、「こんなにいい作品を作ってありがとう」っていうことを伝えたいことってあるじゃないですか。 まず、どうしてもインパクトでオリジナルに負けるけど「丁寧に原作をアニメ化してくれた」部門。筆頭に来るのは「ボールルームへようこそ」だろうか。あれって最後は原作にないところまで描いたのよね。I.G.によるスポーツものは「ハイキュー」から続く流れだが、毎度毎度凄まじい作劇で大迫力の対決を描いてくれるのは本当にお見事。同様に原作愛に溢れた丁寧さでいえば「キノの旅」も良かった。まさかあとがきまでもがアニメになるとは、誰も思うまいよ。さらに個人的にはミドルヒットとなった「カブキブ!」の存在も、もう少し世に広まってもいいと思う。確かに女性向けのデザインではあるのだが、意外にしっかり「学生歌舞伎」っていう無茶に挑んでいるし、部活モノとしての楽しさは充分だ。あとは2期目だからなかなか再評価が難しかったけど「干物妹!うまるちゃんR」はやっぱり良作だったと思うよ。3期はあるのかしらね。 アニメのオリジナル作品で見ていくと、なかなか評価されにくいながらもしっかりといい仕事をしていたのは「サクラクエスト」。P.A.らしい丁寧な作劇で、ちゃんと「町おこしアニメ」という無理難題から逃げずにけじめをつけている。こういう方向性で、既存のアニメとは異なった社会性を含んでいくのもアニメの1つの方向性なのかも。さらに好き勝手にオリジナルから詰め込んだ作品としては「アクションヒロインチアフルーツ」の名前も挙げておこう。頑張ったっていうか、作品そのものを本当にスタッフが楽しんでいる感じが良いね。そういう意味では多分「Just Because!」「月がきれい」の2作品も、スタッフの愛はてんこ盛りだった気がしますね。こういう作品をじっくり作れる土壌があるのは喜ばしいことですよ。あ、あと非常に評価が悩ましいところですが……個人的な思い入れからここに「地獄少女宵伽」だけはねじ込ませてください。是非ともフルサイズのシリーズを。 残った枠でどの作品に賞をあげるかってのは本当に悩むところで、最後に3作品まで絞り込んだ。1つは「有頂天家族2」だ。もう、大好きな作品なので選ぶなら文句なしではあるのだが、すでに過去に選出してしまっているのでなんとなく抵抗があったのですよ。最高の作品なのは間違いないので、是非とも記録に残しておきたい。そしてもう1本は「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の賞/勇者の章-」。ゆゆゆもすっかり一大ジャンルとして名前が残ったもんだなぁ。最初に始まった時には「なんちゃってまどマギ」みたいな扱いだったんだけどなぁ(俺だけかしら)。 この2作品はどちらも長期にわたって愛され、丁寧に作られた作品だったわけだが、今期そんな愛され作品に新たなタイトルが加わった。それが、劇場作品などで少しずつ土壌が作られていた「魔法使いの嫁」である。本当に充実した2クール、本当に充実した世界だった。これだけの作品世界を焦らずじっくり育て上げるってのは、消化速度の速い現代アニメ業界では勇気のいることだっただろう。それでも、真面目に作ったものはしっかりと評価されるべきだ。残念ながら原作要素はもう使い尽くしてしまったらしいのでアニメ2期はなかなか難しいだろうが、きっとどこかで、またチセやエリアスに会える日が来るに違いない。新しい日本のファンタジーの模範になれれば良いね。
第3位 ‘05「かみちゅ!」 ’06「BLACK LAGOON」 ‘07「sola」 ’08「喰霊-零-」 ‘09「ささめきこと」 ’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16「RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 最後の最後までベスト3の選出で悩んだのがこちらの作品。理由は多分に私的なもので、「去年も選出してしまったタイトルを重ねて選ぶのはどうなの?」という多様性の問題で悩んだためである。こうして複数シリーズに及ぶ作品というのは最近では本当に数が多く、それぞれを分けて評価するべきか、まとめるべきかは意見の分かれるところだろう。「しっかり別枠で作品として成立してるんだから分けて考えればいいだろ」ってのも事実だし、「1期目がなければ2期目もないんだから、続き物と考えたら一緒じゃね」ってのもまた事実。そして1期の時点でグランプリに名を挙げているとどうしても「またかよ」って感じになって悩んでしまうわけだ。まぁ、去年のグランプリなんて完全に無視して重複受賞からの第1位だったわけだが。 そんなわけで昨年度放送された1期は技術賞だったが、今期は文句なしでベスト3入り。しょうがない。それだけ素晴らしい作品だったのだから。2期に入って描かれるべき対象がさらに広がり、本当に魅力的なエピソードが目白押しだった。そして、それらを支えたのは原作の力強さだけでなく、間違いなくシャフトという制作スタジオが生み出した「新しいアニメーションの形」があったのだ。「無いものを描けることこそがアニメーションという表現技法の最大の強みである」ということは再三繰り返している話ではあるが、今作では、そうしてアニメだからこそ描くことが出来る要素というものを厳格に絞り込み、ドラマの中で浮き彫りにすることに全精力を注いでいる。それは視聴者にはわかりにくい将棋という真剣勝負であるかもしれないし、いじめ問題に直面して戦う中学生の心情や、現代の希薄な人間関係に取り残され、自分がいじめという大きな問題を生み出していることにすら気づいていない子供の危うさかもしれない。 普通に考えれば、それらは我々の生活とは何の関係もない対岸の出来事。本当にあるかどうかも分からない、おぼろげな存在。しかし、確かにそれがこの世界にはあるんだという圧倒的な実存性を持って描ききっているのが、もともと抽象化を武器としていたシャフトというスタジオだったというのは本当に興味深い事象である。おそらく、シャフトはまだまだ変わっていくことだろう。アニメで描きたいこと、描くべきことだって、時代とともに変わっていくのだろうから、それは必然である。まだまだ知らない未来の作品が作り続けられている。そう思えるだけでも、今作はとんでもない偉業を成し遂げたと言えるのではなかろうか。
準グランプリ ‘05「魔法少女リリカルなのはA’s」 ’06「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」 ‘07「CLANNAD」 ’08「コードギアス 反逆のルルーシュR2」 ‘09「獣の奏者エリン」 ’10「STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」 上述した「新たな時代のアニメーション」というトピックについて、例えばシャフトはその制作理念の段階で挑戦を続けているスタジオだ。また、次のトピックで触れるように、全く新しい「技術」を用いてアニメーションを次の世代へ運ぼうという動きも間違いなく存在している。こうして見たこともないものが出てくることは、変な言い方だが「予想できる」進化である。PCの処理能力が上がればCGは精緻になる。描けないものがあるなら、それを描くために新しい技法が開発される。それは具体的にイメージできないとしても、正しい未来予想図の中にある。しかし、「今まで当たり前に使ってきた道具立てに、実は全く違う見え方もあるんですよ」と、くるりと視点を捻ることで新しいものが見えたら? そんな驚きを与えてくれたのが、今作「よりもい」である。 上下の2作品で挟んで見れば、この作品は驚くほどに平易である。テーマ設定は高校生の青春と冒険、マッドハウスのつくる映像には何一つ珍奇な新技術など使われていないし、起承転結をつないだドラマの仕立て方だって、「次はきっとこうなるだろうな」という要素をなぞっただけとも言える。このアニメは、普通である。 しかし、そんな普通のアニメに、ひょいと投げ出された「見たこともないもの」。それが新しい時代の青春像。個人的にはブレイクスルーを起こしためぐっちゃん物語が特に顕著であったが(詳細は該当記事や後述のサブタイトル賞参照)、誰もがわかっていて、心のどこかに抱えていた苦しみ、悲しみ、そして喜びを、「そこから掘り出してくるの?」という意外な方向から持ち出してくるのがこの作品だった。主人公のキマリを押し出すだけかと思われた出発の朝に、本当に旅立ったのはめぐっちゃんの方だった。コミュ力の塊だと思っていた日向が、「気遣い」を一番忌み嫌っているコミュニケーションの被害者だった。目標を達成した報瀬をいちばんねぎらってくれたのは、誰よりもその努力を知っている自分自身だった。個々のエピソードを見るにつけ、どれもこれもありきたりではない、「よりもい」ならではの意味づけを行って物語が構築されていく。どこまでも普通で、限りなく斬新な物語だ。 こうして作られた完成形が脚本家一人の力によるものだなどとは思わない。もちろん花田十輝の功績は最大限に認められるべきものだが、こうした脚本の要点を全て理解し、持ちうる表現の全てを使ってアニメシリーズを作り上げたいしづかあつこ監督の手腕はただただ見事。13本の物語に一切歪みなく、全てが極太の芯で貫かれたような印象を受けるのは、監督が今作の辿り着くべき場所を完璧に理解し、それをスタッフ全員に余すことなく伝えきったおかげなのだろう。わずか1クールのアニメ作品で、ここまで大きなエネルギーを生み出すことが出来るという事実は、これだけ大量のアニメを消費し続けてなお(いや、消費しているからこそ)驚きとともに迎え入れるものである。 「アニメは次の段階へ進む」のは間違いないだろうが、まだまだ掘り尽くしていない可能性は山ほど残されている。人が作る創作物の面白さってものは、そういう可能性にこそ潜んでいるに違いない。
グランプリ ‘05「ぱにぽにだっしゅ」 ’06「うたわれるもの」 ‘07「電脳コイル」 ’08「SOUL EATER」 ‘09「空中ブランコ」 ’10「けいおん!!」 ‘11「へうげもの」 ’12「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 ’13「凪のあすから」 ’14「ユリ熊嵐」 ‘15「響け!ユーフォニアム」 ‘16「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 ‘17「宝石の国」 今年度のグランプリはもうここで動かないだろう。それくらいに圧倒的に、観たいものを全て叩きつけてくれた作品だった。こうした作品が出てくるのなら、日本のアニメ業界もまだまだ大丈夫だ。 最終評価の欄で総括したので今更ここで語るべきこともほとんどないのだが、とにかくあらゆる要素が新しく、魅力的だった。アニメーションを評するときには「シナリオ・映像・音声」という3つの軸で観ていくことが多いが、そのどれもが一筋縄では行かぬ入念な作り込みが施され、たくさんの「唯一無二」が転がっている作品。 中でも一番目を引くセールスポイントはやはり映像部分か。CG制作会社オレンジが初めて挑んだ自社作品。「CGだからこそできる」「CGでなければできない」という「ならでは」の仕事は、CG制作というツールが決して楽をするための道具ではなく、新たな映像表現を生み出すための素材であることを示してみせた。手描きのアニメでは表現しきれないであろう「宝石たちの生命」の硬質の輝きがアニメーションとして実現したのは、もはや今となってはこの方法しかありえなかったと思わせてくれるものだ。 謎が謎を呼ぶハードなSF設定に、どこか気の抜けた女子(?!)どうしのキャッキャウフフが混じり合ったシナリオ展開も固唾をのんで見守ってしまうし、シャラシャラと鳴り渡る鉱物の音響の世界も幻想的。「生きた宝石」という空前絶後の存在に必死に命を吹き込んだキャスト陣の頑張りは言わずもがなだ。本当にねぇ、見事な仕事師ばかりが集まってくれてねぇ……。今後は「どういう声優が好きなの?」って聞かれたら「宝石の国見て」って言って片付けられるくらい。 今作を作り上げるため、どうやら関係者は相当な時間と労力を費やしてくれたらしい。ということは、このクラスの作品はなかなか世には出てこないということになってしまうのだが……願わくは、こうした野心に溢れた作品が作り続けられる業界でありますように。
<アニメソング部門> カラオケ野郎、俺です。さぁ、アニソン部門だよ。カラオケ通いを始めてからというもの、だいぶアニソンに対する目線も変わったってことはここ数年書き続けてるんですが、基本的な好みの路線は変わっていません。あとはこの部門で評価する場合は是非とも映像面での評価も加味したい、っていうのが注意事項ですかね。とりあえず、映像面とか抜きにして、(選出に関わらない範囲で)一番カラオケで歌った曲を各クールごとに並べると以下のようになります。
春クール・「ピースサイン」(僕のヒーローアカデミア OP) 夏クール・「Deep in Abyss」(メイドインアビス OP) 秋クール・「Invisible Sensation」(ボールルームへようこそ OP) 冬クール・「GO CRY GO」(オーバーロードⅡ OP)
毎年候補となった作品群をどういうふうに並べたもんかと悩むのですが、毎年あげているような定番アーティストってのは必ずいるもので、例えばとにかくテイストが大好きなTRUEの楽曲だと今年は「BUTTERFLY EFFECTOR」(ひなろじOP)が好きでしたね。今作は凝った作りの映像部分も見どころなので知らない人は一見の価値ありです。同様に定番アーティスト、そして同様に映像が愉快なのが「全力☆SUMMER」(アホガールOP)。通常よりも短い尺だけど毎回映像を作り変えているのも芸が細かくて愉快だぞ。アニソン界の女王のノリノリ曲といえば何と言っても「TESTAMENT」(戦姫絶唱シンフォギアAXZ OP)。毎回シンフォギアソングではオープニングは割とスルーしてきたんだけど、今回は映像の暑苦しさとの噛み合わせが最高なんすよ。ほんと、パヴァリア組は次作以降での復活ないかなぁ……。そして永遠に不動の地位を動かないのは「CLEAR」(CCさくらクリアカード編OP)。坂本真綾の歌は、カラオケで一切歌おうと思わない。あの曲はあの声でしか完成しないと思ってるから。 個人的に外せない鉄板ソングには「成るがまま騒ぐまま」(有頂天家族2OP)があります。映像では馴染みのある京都の名所を好き放題に荒らしながら暴れまわる阿呆にまみれたデザイン性が秀逸。同様に個人的な嗜好で外せないのは「特撮+萌えアニメ」という足し算が素直に(ベタに)表出した「情熱☆フルーツ」(アクションヒロインチアフルーツOP)。今時こういう古臭いアイドルソングって珍しいくらいだ。正統派アイドルの進化系でいうなら外せないのは「未来の僕らは知ってるよ」(ラブライブ!サンシャイン!!OP)。やっぱりライブ映像が強い。「泣いたり笑ったり」の時の振りが好き。2期だと作中ライブでは「MY舞☆TONIGHT」が好きですね。 もうちょっと賑々しく、電波度合いを強めてみると私の病巣に近づいていきますが、例えばややマイナーだと思われるチョイスでは「教えてダーウィン」(セントールの悩みOP)なんてのはどうでしょう。これ、作詞作曲がなぜか千代丸なんだよな……。さらに萌えレベルをあげると各種きらら系作品の楽曲なんかになっていくんですが、そんな中で今期ダントツの電波だった曲といえば、きららのようできららじゃない、「あ・え・い・う・え・お・あお!!」(ひなこのーとOP)ですね。この曲の最大の難点は1人じゃ絶対カラオケで歌えないこと。さすがにこれは諦めたわ。あと、もう一曲諦めた曲が「METAMORISER」(つぐももOP)。これも映像込みで大好きなんだけど、やっぱり1人で歌うもんじゃねぇんだよなぁ。そして電波といえばお忘れなく、「うまるん体操」(干物妹!うまるちゃんR ED)。今期はあんまりうまるの暴虐が目立たなかったので、オープニングよりも可愛さを打ち出したこっちの方がしっくりきましたね。 もうちょっと変な方向での電波を感じたいなら、例えば「Flashback」(刻刻OP)。これもカラオケで歌うかって言われたら悩む曲だが。クドさでいうと「ラプチャー」(十二大戦OP)も好き。カラオケで歌うと以降の曲が全部巻き舌になります。そして訳の分からない盛り上げ方では頭抜けているのが「オペラ」(dies irae ED)。作品の記憶はないのにテーマソングの記憶は鮮烈な作品でした。ギロチンの歌とかな。 あとは最終候補曲。まず直近だと「SHINY DAYS」(ゆるキャン△OP)。曲もいいけど、我が心の愛唱歌「夏色プレゼント」を思い起こさせるポップな映像面の作り込みにも要注目。これ、コンテ切ってるのが神保昌登氏なんだよなぁ。いい仕事だなぁ。どこか気になるメロディラインがクセになるのは「サタデー・ナイト・クエスチョン」(ネト充のススメOP)。中島愛もこういう仕事がサマになるようになったなぁ。個人的な信教のために外すことができないのは「LOVE MEN HOLIC」(ラーメン大好き小泉さんED)。最後までラーメン要素で埋め尽くしてくれたら最高だったのだが、それって西沢幸奏に歌わせるのはどうなんだ、っていう気もする。 映像の美しさと、しっかりアニメ用に書き下ろされた「アニソン」であることがわかる明快な歌詞が聞きどころの「その未来へ」(クジラの子らは砂上に歌うOP)もじっくり堪能したい名曲。一気に並べてしまうと、同時期に発表され肩を並べた「here」(魔法使いの嫁OP)。さらに「The Other Side of the Wall」(プリンセス・プリンシパルOP)もどうぞ。この2曲については本当に大好きなのでベスト3への選出で最後まで悩んだのである。実質ベストみたいなもんである。やっぱり最低限「アニメのために書かれている」っていうのはアニソンには欠かせない要素ですね。 最後に、これは「アニソン部門」としては例外的なので除外したが、今年の私の音楽シーンに多大な影響を与えた曲として「熱色スターマイン」(Bang Dream!ガールズバンドパーティより)は記載させていただく。ライブ映像を見てからRoselia推しに転がるまでの早かったことと言ったらまぁ。リサ姉の引退を前にして聞く「ONENESS」は脳髄まで焼き切るような切なさに満ち溢れているので本当に大変でした。来年以降、バンドリアニメの展開はあるんでしょうかね……。 さて、悩みに悩んだ苦渋の決断。残った3曲はとは。
第3位 ‘05 「Canvas2」 ED 「NA NA IRO」 ‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」挿入歌 「God knows」「Lost my music」 ‘07 「Myself:Yourself」OP 「tears infection」 ‘08 「マクロスF」25話挿入歌 「娘々サービスメドレー」(ライオン) ‘09 「乃木坂春香の秘密ぴゅあれっつぁ♪」OP 「挑発Cherry Heart」 ‘10 「みつどもえ増量中!」OP 「我が名は小学生」 ‘11 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」ED 「secret base 〜君がくれたもの〜」 ’12 「這いよれ! ニャル子さん」 OP「太陽曰く燃えよカオス」 ’13 「有頂天家族」OP「有頂天人生」 ’14 「デス・パレード」OP「Flyers」 ’15 「戦姫絶唱シンフォギアGX」挿入歌「殲琴・ダウルダヴラ」 ’16 「SHOW BY ROCK #」OP「ハートをRock!!」 ‘17「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第6話ED「アクシアの風」 これはもう、曲がどうとかそういう次元の話ではない。このグランプリでシンフォギアソングがランクインしている事例は過去に2回。そして、今回はそんな前例も全て飲み込んだ上での禁じ手みたいなもんである。 どうしても回数を重ねるごとにマンネリ感が出てきてしまうのは仕方のないこと。シンフォギアシリーズも気づけばこの「AXZ」で4期目であるから、毎度毎度奏者の分だけ曲を書き下ろし、しかもそれぞれにお約束をこなさなければいけないという制約まで課されているため、どうしたって「またか」という印象になりがちである。実際、正直言えば単体での曲で響いた数でいうと、今期はちょっと他のシリーズに見劣りしていたのである(他に好きな曲は「Stand up! Ready!!」と「GUN BULLET XXX」)。もちろん、そうしたマンネリ感は新しいユニットを組むなどして適宜緩和しているのだが……そんな中にぽろっと混ざっていたのがこの曲である。なんと奏者全員の聖句に絶唱まで加えて、それを一本の曲にしてしまうというとんでもないコンセプト。5期の最終回までとっておけよっていうぐらいのハイパーコンバインである。そりゃもう、これまで頭のてっぺんまでどっぷり作品に浸かっている人間がこんなん見せられて五体満足でいられるわけがないのである。 毎回毎回曲のコンセプト、文字通りの「曲芸」で度肝を抜いてくれる本作。最大の心配は、これで5期に一体何が残ってるんだ、っていうことくらいか。ライブに行けなかった身ですので、BDの発売を今か今かと待ち続ける日々です。
第2位 ‘05 「ゾイドジェネシス」ED 「ありのままでLovin’U」 ‘06 「武装錬金」OP 「真赤な誓い」 ‘07 「ひぐらしのなく頃に解」OP 「奈落の花」 ‘08 「狂乱家族日記」OP 「超妻賢母宣言」 ‘09 「獣の奏者エリン」OP 「雫」 ‘10 「けいおん!!」OP 「Utauyo!! MIRACLE」 ‘11 「神様ドォルズ」OP 「不完全燃焼」 ’12 「坂道のアポロン」 OP 「坂道のメロディ」 ’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」第4話ED「教室モノクローム」 ’14 「ガンダム Gのレコンギスタ」ED「Gの閃光」 ’15 「干物妹!うまるちゃん」OP「かくしん的☆めたまるふぉ〜ぜっ!」 ’16 「学戦都市アスタリスク(第2期)」OP「The Asterisk War」 ‘17「キラキラ☆プリキュアアラモード」後期ED「シュビドゥビ☆スイーツタイム」 突然のプリキュア!!!! しかし、これ、マジで飛び道具でしたね……。プリキュアの全てを愛しているプリキュアおじさんたちからするとちゃんちゃらおかしいかもしれないんだけど、本当に特別だったんですよ。 正直いうと、私はプリキュアの楽曲ってそんなにハマることはなくて、オープニングテーマなんて(内容があれだけゴリゴリのバトルもののくせに)女の子を意識してか妙に調子が大人しかったりするのを物足りなく感じることが多かったのだが、「プリアラ」はオープニングも真っ直ぐで盛り上がりやすい曲だったし、1期エンディングもいつも以上に愉快な内容だったから割とお気に入り。「いつも通りだったら夏あたりにエンディング変わっちゃうんだよなー、勿体無いなー」なんて思っていたところに繰り出されてきた曲がこれである。 ダンス動画がお見事なのはいつも通りなんだけど、6人6様でテイストの違うプリアラ勢の個性が見事にダンスに落とし込まれていて、ショコラのズカっぽい動きとか、パルフェのパリジェンヌっぽいモデル歩きとか、そういうところにいちいち見せ場が用意されているのが心憎い。そして宮本佳那子による理屈抜きのアッパーソングがどんな苦境からでも底抜けに盛り上げてくれるので、アニメ本編が停滞している印象があった時でも、エンディングを聞けばそこでなんとかなってしまうというパワーがあった。幼女先輩とプリキュアおじさんの見たいものががっちりと噛み合う展開って、誰も損する人がいないから最高じゃないですか。 今後のプリキュアは、今作を超えることを目標に精一杯ダンスしてほしいと思います。
第1位 ‘05 「ぱにぽにだっしゅ」 OP群 (「黄色いバカンス」「ルーレット☆ルーレット」「少女Q」) ‘06 「うたわれるもの」PS2版・アニメ最終話ED「キミガタメ」 ‘07 「ぽてまよ」 OP 「片道きゃっちぼーる」 ‘08 「ひだまりスケッチ×365」 OP「?でわっしょい」 ‘09 「シャングリ・ラ」OP 「キミシニタモウコトナカレ」 ‘10 「侵略! イカ娘」OP 「侵略ノススメ☆」 ‘11 「灼眼のシャナF」OP 「Light My Fire」 ’12 「中二病でも恋がしたい!Lite」 ED「漆黒に躍る孤濁覇王節」 ’13 「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」OP「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」 ’14 「ヤマノススメセカンドシーズン」OP「夏色プレゼント」 ’15 「てーきゅう(第5期)」OP「Qunka!」 ’16 「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」OP「Great Days」 ‘17「少女終末旅行」ED「More One Night」 やっぱりトップには電波ソングを選びたいんや! というわけで、今年を締めくくる1曲は……もう終わんないよ! 本当に、一発目に聞いた時から頭にこびりついて離れないシンプルでジャンキーなメロディライン。的確に頭が悪そうなくせに、実は作品世界の深奥に触れてしまっている(かもしれない)突っ走り気味の歌詞。いいですね、いい電波ですよ。またこれを歌い上げるいのすけ、シカコの両名がいい味出すんだわ。いのすけは色々な声のパターンが用意できるけど、ちゃんとこの曲はチーで歌ってるんだよ。なんとなく厭世的で、それでいてユーのことが大好きで。そういう2人の関係性がにじみ出る曲だからこそ、明るいんだか暗いんだかよくわからないこの世界にはふさわしい。 今回悩んだのは、実は本作に関わる楽曲は全部良いっていうことなんだ。オープニング「動く、動く」も良い味出すんだよね。特殊エンディングは「雨だれの歌」なんかも作品のテイストを最高に引き立てていてあまりに印象深いエンディングだった。余計な音はノイズになりかねない繊細な世界観だっただけに、1つ1つの音の使い方が行き届いているのは本当にスタッフの手柄だ。 そんな中であえてこのエンディングテーマを代表に選ばせてもらったのは、曲の持つ強みに加えて、このエンディングのために原作者が全てのアニメーションを描き起こしてしまったという前代未聞のサービス精神を評してのものである。原作者が原画を描き起こすとか、演出まで担当するという話はたまに聞くこともあるが、全ての工程をたった1人でこなしてしまうというのは流石に聞いたことがない。そして、この映像がまた曲にマッチした愉快なものに仕上がっているのである。原作ありの作品をアニメ化する工程も、いよいよここまで来たのかと思うと感慨深い。恐ろしい手間がかかっているのは間違いないだろうが、それでもなんでも、満足いくまでmore one night。社畜に聞かせちゃダメな歌かもしれんな。
<キャラクター部門・女性キャラ> 男性キャラ部門で荒ぶりましたが、気を取り直して女性キャラ部門だ。頑張って手短に、手短に! まずは真っ当にメインヒロイン部門。作品の魅力に直結する大看板は今年も数多く存在している。例えばわかりやすいところでは顔芸大爆発の蛇喰夢子さん(賭ケグルイ)。あんなエンディングに誰がした。頑張り系お祈りヒロインなら木春由乃さん(サクラクエスト)。あのエピローグを見れば誰もがお仕事に対して真面目になれそう。不動のエネルギーに満ち満ちていたのは桐葉さん(つぐもも)。そらそらボイスの飛び道具は危険。前回に続いてのエントリーになるのは土間うまるさん(干物妹!うまるちゃんR)。今期は割と大人しかったしサブヒロインも台頭したけど、やっぱり可愛さは健在ではあるな。「戦うヒロイン」部門では、圧倒的な魂の力を見せてくれた佑河樹里さん(刻刻)が記憶に新しい。世界を背負ってただ一人で生きる覚悟を固める就活生ってすげぇ設定だよな。別方向での戦いに奮戦した不動のヒロインといえば川本ひなたちゃん(3月のライオン)も眩しい存在。主人公とヒロイン、互いの勇気がそれぞれの力になる展開は激アツだ。 エネルギーに満ちたぶっ壊れ系のヒロインというのも見ていて楽しい存在。代表的なところでは花畑よしこ(アホガール)は文句なく作品を作った不動のヒロイン。単に叫んでバナナ食うだけで面白いヒロインは割と卑怯だよな。ポンコツ風味が斜め上に突き出た狂気のメインヒロインというとメテオラさん(Re:CREATORS)も唯一無二の存在だろうか。あいつがもうちょい自重してれば結末ももうちょい別方向に行ってたかもしれん。作品の立役者として忘れられないのはポンコツ風味2000%で活躍したグリ(恋愛暴君)。この手のギャグ作品でのかっ飛ばしヒロインとしては未曾有の飛距離を弾き出したぞ。そういえば一応赤来杏ちゃん(アクションヒロインチアフルーツ)もメインヒロインと言えるのかしら。身体能力を伴った特撮オタクって考えてみれば稀有よねぇ。そして看板としてこれ以上のものはないだろう、流浪の旅人キノさん(キノの旅)。新たな時代のキノさん像、オールドファンにも満足してもらえたのかなぁ。 翻って「魅惑のライバル部門」に行ってみよう。上述の名前のライバルキャラも多数名を連ねることができますが、例えば紫村果音さん(アクションヒロインチアフルーツ)。お嬢様キャラにさらなる魅力を重ねた理想のライバル像。ライバルというか正妻な気もするが、圧倒的エロで果敢に攻めてくれたのは可児那由多さんと白川京さん(妹さえ入ればいい。)。普通に考えればカニ公一択なのに、ピンポイントで突き抜けて来るみゃーさんずるいねん。作品世界全体を混沌の海に沈めようとしたのは水沢まつりちゃん(citrus)。堂々とした援交ヒロインって考えてみりゃアニメでは珍しいよな。できればライバル部門ではなくてそのまま正妻になって突き抜けて欲しかったのは小宮恵那ちゃん(Just Because!)。部長、本当にいい人だったのに、学年の巡り合わせが悪かったのがなぁ。同様に、もうライバルじゃなくてメインヒロインとして活躍しちゃえよ、と応援せずにいられなかったのはサンジェルマン(戦姫絶唱シンフォギアAXZ)。敵サイドのキャラクターが仲間思いで健気なのを見ると、色々とやるせなくなりますよね。本筋と全然関係ないところでいい話作って死んでいったヒロインといえば妬良ちゃん(十二大戦)もいる。堕ちもの系ヒロインの必要条件をことごとくクリアしていくサービス精神ホント好き。落ちたっていうかむしろかっ飛んじゃってるラスボスで印象深いのは天羽斬々会長(武装少女マキャヴェリズム)。この子、突き詰めれば単なる極端なツンデレだよな。そしてライバルというか、もう世界を作ったのはこの人じゃねぇか疑惑があるのは緋山茜さん(恋愛暴君)。今年もぬーさんヒロインの破壊力は高かったなぁ。同作は白峰樒さんもヤバいので、ヤバい系ヒロイン三本柱でご自由にお取りください。 その他癒し系のサブキャラをいくつか見ていくと、やっぱり個人的に外せないのは夷川海星(有頂天家族2)だろうか。2期は夷川の家族のエピソードが多かったので、面倒臭い親父や兄弟を持った末っ子のご苦労が偲ばれる展開ばかりだった。本当に、弥三郎の変身が解けちゃうくらいに可愛いヒロインなんだよなぁ。サブキャラにしておくにはもったいない存在感が格好良すぎたのは谷口はるみ(はるみん)(citrus)。結局、彼女のあの全能感は1体何だったんだろうか。 そのおっぱいもさることながら天然上しゃまボイスが明確な凶器となったのは四ノ宮あかりさん(サクラクエスト)。ついでに同じ路線からは川本あかりさん(3月のライオン)。あと最強大家さん萩野千秋さん(ひなこのーと)もここに入れておこう。結局、おっとりおっぱいは正義なのである。いっそこの流れで並べてしまうと盛岡森子さん(ネト充のススメ)も強烈だし、そして今季最後に放り込まれたおっぱいといえばやはり犬山あおい(ゆるキャン△)ということになるだろう。この5人の足し算で何人ぐらい轢き殺せるんでしょうかね。 追加でわざわざ「純正の百合枠」っていう特殊枠を設けたいくらいに世間は百合の花盛り。ここであえてピックアップして見ましょう。もちろんそのトップバッターは藍原芽衣さん(citrus)ってことになるわけですが、彼女は百合っていうか両刀っていうか、単に愛がおかしいタイプの人間でしたね。どうも世間の百合はクレイジーサイコと紙一重みたいなところがあるようで、愛のためなら何をしてもいいと思っている連中、例えば乃塒押絵ちゃん(キリングバイツ)なんてのは代表的クレイジー。何があったらあんなに愛が重くなるんでしょう。同様に重すぎる愛が本当に目力に宿っていたのは甲本明ちゃん(ボールルームへようこそ)。報われない百合もまた良いものですね。クールかつクレイジーに、という美学が光るのは、例えば東郷美森さん(結城友奈は勇者である)。あのストーキング技術の向上は世界を変革した結果なのだろうか。クールさでいえば他の追随を許さないのはギバさん(ポチッと発明ピカちんキット)。彼女はあの年齢で、一体どんな深淵を覗き込んでいるというのだろう。 さぁ、いよいよベスト10の発表だ。長いな。まぁ、例年通りなので諦めてくれ。ベスト3の前の残り7人を順次挙げていくが、結局最後まで悩んで一人を選びきれなかったのがよりもいヒロインズ(宇宙よりも遠い場所)である。だって、もう全員揃っての完成系なんだもん……1人だけ選べって言われても無理よ。あえて選べって言われたキマリと報瀬の2択で……やっぱりめぐっちゃんじゃないでしょうかね。そして、既に他部門でも選出してしまっているのでここでは除外するが、やはり世界構築の全てを抱え込んだヒロイン(?)としてフォスフォフィライト(宝石の国)の名前を挙げないわけにはいかないだろう。彼女の変化と成長が、この世界の全てを象徴している。「換装強化系ヒロイン」というわけのわからない設定も、少年漫画脳にはアツすぎるのであった。同様にアツすぎるヒーロー系ヒロインといえば、涙なしには語れない三ノ輪銀ちゃん(結城友奈は勇者である)がダントツ。小学生の時点であれだけの精神性を培っていたってことは、やはり勇者教育って尊かったのでは?(問題発言) そしてそんなアツい精神性を持つヒーローたちの前に悠然と一人立ちふさがった最強の存在、孤高の百合ロマン・アルタイルさん(Re:CREATORS)は近年のピカレスクヒロインの中でも輝いていた。純粋な思慕の念からあそこまでの巨悪に成り上がった彼女の執念と流麗な戦闘スタイル。どっちかっていうと彼女の方が主人公だったんだよな。 転じて卑近な主人公像で作品のクオリティを一気に引き上げたのは、源内あおさん(フレームアームズ・ガール)。あおがいたからこそ、ドールたちが輝けていた。そう考えると、彼女だってセカイ系ヒロインといえなくもない? か? そして、本当にたった一人の世界だけで作品を作ってしまった今年度最後にして最大の刺客といえば高木さん(からかい上手の高木さん)なんだな。よく見りゃ彼女もよっぽどクレイジーなんだけどね。そして最後に、なんとかしてベスト3にねじ込めないかと散々悩んだけどギリギリで漏れてしまった一人、それが亜玖璃さん(ゲーマーズ!)。どう考えても最強に可愛いし、どう考えても最強にヒロインだったのだから問答無用で殿堂入りのはずなのだが……最後の最後に俺の中で誰かが囁いたんだ。「さすがに、男性部門と女性部門のトップのCVが同じってどうなのよ?」と。……1年かけて作り上げたランキングの結論が「大久保瑠美ならしょうがない」で終わってしまうという。にんげんだもの。 さぁ、これだけのふるいにかけられたベスト3だ! さぞかしすげぇラインナップなんだろうな!
第3位 ‘05 「灼眼のシャナ」より「“弔詞の詠み手”マージョリー・ドー」 ‘06 「天保異聞妖奇士」より「アトル」 ‘07 「バンブーブレード」より「千葉紀梨乃」 ‘08 「とらドラ!」より、「逢坂大河」とその他ヒロインズ ‘09 「デュラララ!!」より「セルティ・ストゥルルソン」 ‘10 「会長はメイド様!」より「鮎沢美咲」 ‘11 「47都道府犬」より「愛知犬」 ’12 「しろくまカフェ」より「笹子さん」 ’13 「サムライフラメンコ」より「真野まり」 ’14 「デンキ街の本屋さん」より「先生」 ’15 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より「ヘスティア」 ’16 「響け!ユーフォニアム2」より「吉川優子」 ‘17「ヘボット!」より「ナグリ・ドツーキ女王」 最強でコブシ! もうね、なんかね、変な病気よね。この破壊力は、まぜるな危険とかそういうレベルを超えている。 実は本作は女性キャラにも個性的で魅力的なメンツが多く、上はユーコから下は土星ババアまで(範囲狭くね?)、あらゆるモブに至るまで油断できないアクの強さは、この世界でなければ成立しない特濃のラインナップである。そして、そんな中に物語もかなり進んだ後半戦から突如飛び込んできたのが、このネジルとチギルのおかーさん(仮)、ナグリ女王である。散々引っ張って登場するネジルたちの母上、一体どんな奇特な人物が飛び出すものかと思ったら……なんかもう、想像の裏切り方が想像の斜め上だった。此の期に及んで筋肉とか知らんやん。自由すぎる髪パーツのデザインとか唖然とするしかないやん。そして、そのCVが能登麻美子やん。我々の世代で「女神」と言えばそれはすなわちCV能登麻美子のことを意味するわけだが、神は神でもあんな形で繰り出される飛び道具にまで能登ボイスが搭載可能だとは思ってもみなかった。普通のファン目線からしたら暴虐以外の何物でもないが、これがまぁ、ハマっているのである。どれだけむちゃくちゃなことを言っていても母の愛に溢れ、万物への無償の愛が感じられるその設計。あぁ、これが世界創造からネジが島を支えてきた「創造主」たる声なのだと、非常にすんなり納得できるのである。 こんなもんを幼少期に見せられたら、色々とダメな性癖が開花してしまう恐れがある。少年たちは、今後腹筋が割れた女性にしか恋できないかもしれない。それでも仕方がない。僕は、腹筋が割れた能登麻美子を待ち望みながら、日々を無為に過ごしていくことになるのだろう。それもまた人生コブシ。
第2位 ‘05 「地獄少女」より「閻魔あい」 ‘06 「うたわれるもの」より「トウカ」 ‘07 「キミキス pure rouge」より「二見瑛理子」 ‘08 「紅」より「九鳳院紫」 ‘09 「ささめきこと」より「村雨純夏」 ‘10 「刀語」より「否定姫」 ‘11 「花咲くいろは」より「四十万スイ」 ’12 「人類は衰退しました」より「“わたし”ちゃん」 ’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」より「雪音クリス」 ’14 「selector spread WIXOSS」より「蒼井晶」 ’15 「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」より「アンナ・錦ノ宮」 ’16 「クズの本懐」より「皆川茜」 ‘17「メイドインアビス」より「不動卿 動かざるオーゼン」 度し難いですよね。ほんとこの人はね。 今期も数々の百合祭りが花開いたアニメ業界。上述の候補部分もたくさんの「女性と女性の度がすぎる友情」に彩られているわけですが、そんな中でもひときわ異彩を放つ「愛」を迸らせていたのがこの御方、一体その眼球の奥には何が潜んでいるのだ?! オーゼン!! 一人で「師匠」「ラスボス」「奈落の怪異」「ツンデレ」と言った数々の役割を一手に引き受けてしまっている怪物オーゼンは、見た目からしてこれまでの「女性キャラ部門」の中では異例というか異形。カオナシやんけ、と思えるような体躯に、奈落の遺物を張り巡らせた全身の痛々しい文様。そしてその顔面に至るまで、何から何まで異様な存在。その圧倒的な存在感に気圧されて最初は本当に「化け物」にしか見えなかったのに、少しずつ掘り下げていくことで見えてくる彼女の懐の深さ。あと、可愛らしさ。ライザへのド直球の愛情がねじれてヒネてその娘とのコミュニケーションが上手くとれてないあたり、後になって見てみれば萌えポイント以外の何物でもないのに、あんたがやるから全部怖いんだよ、っていう。彼女自身はライザに対してどんな感情を持っていたなんてことはほとんど語られていないのだが、それでも滲み出てくるどうしようもない好き好きオーラと、そこから漏れ出てしまった嫉妬心の嵐など、こんなナリなのに乙女やんけ、みたいなギャップが凄まじい。「ラスボスキャラ」ってのは毎年この部門に食い込んでくる重要な要素なわけですが、彼女の場合、ラストどころかファーストでこの絶望感だもんね。やっぱアビスはすげぇわ。 あとはまぁ、今更書かなくてもいいとは思うんですが、やっぱり中の人の最高なお仕事を是非堪能していただきたいっていう。こんなもん、原作読んでどんな声で喋ってるか想像できないと思うんだが、それをやってのけてしまう大原さやかエネルギーを是非味わっていただきたい。これがオーゼンさんの優しさなんですよ。さぁ、メイド服を持ってこい。
第1位 ‘05 「ぱにぽにだっしゅ」より「レベッカ宮本」 ‘06 「ローゼンメイデン・オーベルテューレ」より「水銀燈」 ‘07 「ひぐらしのなく頃に解」より「鷹野三四」 ‘08 「SOUL EATER」より「’魔女’メデューサ」 ‘09 「CANAAN」より「リャン・チー」 ‘10 「けいおん!!」より「田井中律」 ‘11 「よんでますよ、アザゼルさん。」より「佐隈りん子」 ’12 「中二病でも恋がしたい!」より「凸守早苗」 ’13 「魔法少女まどか☆マギカ新編 叛逆の物語」より「暁美ほむら」 ’14 「PSYCHO-PASS2」より「霜月美佳」 ’15 「ガールズ&パンツァー劇場版」よりドゥーチェ・アンチョビ(安斎千代美) ’16 「この素晴らしい世界に祝福を!2」より「ダスティネス・フォード・ララティーナ」 ‘17「魔法使いの嫁」より「羽鳥智世」 男性・女性部門でカップリング選出するのは実に7年ぶりのことである(2010年の「会長はメイド様!」から碓氷と美咲を選出している)。しかし、やはり今期は彼女を選ばなければいけない気がする。目の下の隈はいつなくなるんだい、最強のスレイベガ、ハトリチセさんである。 チセが世界を作ったことの尊さについては、すでに感想でも作品部門でも(エリアスの項でも)語り尽くしてしまっているので説明は不要だが、彼女の「まっすぐなヒロイン像」は、最近のメインヒロインの中でも特別だったように思う。まぁ、どうしても我々のような蛆虫根性のオタクは「パッと輝く太陽のようなヒロイン像」よりも「じっとりと沈み込む中に見える一筋の光明」みたいなヒロインを好んでしまう傾向にはあるわけですが、チセさんの場合、そのどん底っぷりが実に潔く、そこから最終的に「エリアスを調教する飼い主またはオカン」みたいなところにたどり着くまでの過程がなんとも濃密であった。大きくくくれば「魔法使いの嫁」はチセの自己肯定の物語と言えるが、単に「私は生きていていいんだ」というだけでは終わらず、「チセは生きてなきゃダメだ」と周りの誰もが思い、チセがみんなのため、みんながチセのために頑張るという関係性を構築させたのはお見事だった。やはり素直で努力家の女の子が甲斐甲斐しく頑張っている姿はそれだけで美しい。そして彼女の頑張りは少しずつ「あちら側」へ接続する努力の過程でもある。エリアスは少しずつ「こちら側」へ、チセは頑張って「あちら側」へ。こうして互いに歩み寄る努力をするのが、結婚なんでしょうね。「魔法使いの嫁」って、いいタイトルだなぁ。 あとはもちろん、中の人・種﨑敦美の功績でしょう。このチセの「上がらず下がらず、しかし力強く」っていう絶妙な音域はそんじょそこらのアイドル声優ではなし得ない仕事である。種さん本人も苦労人だったってのもあるだろうが、「生きる執念」みたいなものがみなぎり始めてからのチセの強さは、その声によって大きく裏打ちされることになった。エリアスとチセも末長く、そしてチセと種さんも、お幸せに。
○「若おかみは小学生!」 ー 来たアニメを全て受け入れていくスタイル(必死)。まぁ、時間だけ見たらショート枠だから別に書かなくてもいいルールなんだけど、せっかくだから。 日曜朝に15分だけ乱入してきた謎の萌え設定アニメ。その正体は小学生女子に絶大な人気を誇る青い鳥文庫の児童文学とのことで、そりゃ知らないに決まってる。しかし、今の幼女はこんな「花咲くいろは」みたいなもの読んで小学校生活を営んでいるのか……まぁ、言われてみればちょいと背伸びした女の子の健全お仕事ストーリーだったら子供たちにとっても楽しいだろうし、情操教育にも良さそうだし、ジャンルとしてはWin-Winなのか。他にも色々とラノベの萌芽みたいな作品が存在してるのかもしれませんね。 で、ちょっと気になったから観てみたそんな謎アニメだが、割とコミカルな絵柄がしっかり作られていたり、アニメとしても及第点の内容だったりする。まぁ、最初の事故のシーンとかあまりにも唐突すぎてギャグにしか見えなかった気もするのだが(何でお前だけ無傷やねん)、その辺りは限られた枠の中でのお話なのでしょうがない。わかりやすい設定からのわかり易いお話。今後はどんな困難が若女将を待ち受けているのでしょうか。そして、私は来週もこれを観るんでしょうか。 なお、主人公の母親の中の人は能登麻美子。1話目で一言だけ発して即死。むごい(その後ナレーションとして転生)。 |
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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