最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「デビルズライン」 5→5 今期は「ノロケ話を延々見せつけられるアニメ」が多いと再三書いてるんですが、そんな中でトップレベルののろけだったのがこちらのアニメ。本当に、悔しいくらいに幸せそうなんだよ、このカップル。 新番チェックの時に「オーソドックス」という言葉を使っていたのだが、想像していたよりもずっと「ならでは」が見える作品だった気がする。まぁ、単に私の見識が狭いだけで、もともと吸血鬼の物語ってのは恋愛譚と密接なつながりを持つことが多いんだろうけど、アニメの中で「吸血鬼の話」っていうとどうしたって人間の血を吸って云々からバトルを中心に描きたくなるものだろう。今作もバトル要素はもちろんあるし、なんなら血もブシャーッと出るので割と凄惨な方ではあるのだが、今作におけるバトルはあくまでも吸血鬼という存在の異質さ、孤独さ、物悲しさを描くためのサブツールだった気がする。あくまで中心になるのは恋愛要素。 「性欲が云々」と繰り返し説明されている通り、人が人を求めるという欲求が性という言葉に還元されるなら、吸血鬼はそれが「吸血」という形になり、求めれば求めるほどに相手を壊してしまう。そんな中で自分のアイデンティティを維持しながら、どこまでまっすぐに相手を愛することができるのかという戦い。これはこれで興味深いテーマ設定であり、何人もの「人と鬼」の関わり方の中から、そのありようを考えるお話である。こういう描き方もあるんだなぁ、というのは素直に感心した部分で、つかさの性格が少しでも違ったものだったら、また全然違ったドラマになりそうで危うくも面白い。 ただ、筋立ての狙っているところが興味深いのは嬉しいが、ただそればかりでは1クールをダラダラと続けられても限界がある。今作は刑事ドラマとしてのサスペンス要素で物語を前に進めていくわけだが、「社会における鬼」のあり方を描く時に警察権力のあり方と混同してしまうとちょっとドラマが見辛くなったかな、という気はする。バトル展開を入れる性質上、この設定が一番手っ取り早かったのだろうが、「強さ」の本質を武力以外のところに求めるべき物語なので、腕っぷしの強さ以外のところに結論を置く必要があり、それならいっそ主人公は本当に「何も持たない」身の方が見応えがあったかもしれない。まぁ、本当にタラレバの話なので、それが面白いかどうかは分からないけども。 とにかく、全体的な構造は決して退屈なものではなかった。アニメーションとしては並のレベルだったが、ただひたすら薄暗いシーンだけを描き続ける構成でこれだけ持ちこたえたのは立派と言えるのかもしれません。イチャイチャするシーン、特にエロとか萌えとかを考える必要もないので、直球しか投げてこないのはむしろ新鮮だったし。こうしてアニメ文化が肥大化してあまりにも濃い味のものを摂取し続けると、「いっそ素材のままのラブでいいじゃん」っていうお年寄りみたいな感性になってくるな。 PR 「斉木楠雄のΨ難(第2期)」 5→5 この超速アニメで、しかも放送中に原作終わったから絶対にアニメも最後まで行くもんだと思ってたんだけど、終わらなかった。続きはどうやって放送するんだろう。 これ、繰り返し言ってるんだけど、アニメは原作以上に好きなんだよね。いや、そもそも原作そんなに好きじゃないから「以上に」ってのは変な表現なんだが、「原作はそうでもないけどアニメは好き」が正しいのか。だって、こんなにキャストに負担かけまくるアニメもなかなかないんだもん。比肩するアニメっつったら「てーきゅう」か「オカルティック・ナイン」くらいでしょうね。ハイパー早口アニメ。しかも今作の場合、この早口が全員統一された上で、あんまり「早口で無茶してる」感を出さないという無理難題をキャストが全員クリアしてるっていう。なんかもう、そのミラクルを聞いてるだけでも満足。そんで詰め込んだ脚本の中で(原作同様に)やりたい放題やってくれてるからね。ちゃんと原作の「漫画的な無茶」の部分を「アニメ的な無茶」に直してくれてるのも親切。多分、スタッフはかなり頑張ってくれてると思う。今期はそこそこシリアス編(というか長尺のやつ)が多かったけど、特に雰囲気が壊れた感じもなかったし、加速したテンポで逃げ切ってる感が良い。 2期に入りキャラクターもさらに増えて収拾がつかない感じになっているが、それだけにごった煮の雰囲気は加速している。個人的にお気に入りのキャラが相卜で、「こんなもんアニメ化したらキタエリしかないやんけ」って思ったら本当にキタエリだった部分も含めて最高だ。キタエリって、なんで本人があんなんなのにこういう役がしっくりくるんだろうね。あんなんだからなのかね。 さて、3期はどうなることか。原作終わっちゃってるからあんまり続編作る理由もない気がするんだけど……人気作品ならちゃんと最後までやるのかなぁ。「最後」までやる意味もあんまりないんだけどなぁ。 「ニル・アドミラリの天秤」 5→5 最後、絶対ツグミの「図書情報資産管理局」って言えてなかったよね。そりゃみんな嫌がるわけだ。フクロウでええやん。 気づいたら終わっていたので無事に完走できました。乙女ゲーアニメは途中で挫折することも多いんだけど、今作はとりあえずお姫様的ヒロインの扱いが幸せそうだったので、あんまり本腰を入れてたわけではないけど一応見てられたのです。これまでの傾向からいって、やっぱり中心にいる女の子が可愛いかどうかってのが大きいな。なお、今期はあまりに本数が多すぎるために泣く泣く切った作品が過去最大数になってしまった残念なクールであり、乙女ゲーアニメからも「Butlers」は諦めました。あれもそれなりに続きは気になる作品だったのだが……やっぱり中心に野郎しかいないとモチベーションが続かないんですよ。 本作は、事前の特番で予告していた通りに中心となるツグミに野郎どもがあの手この手で絡んでくるという形で、一通り個別エピソードを追うデザイン。いわばあらゆるキャラのルートを「薄く広く」の作りだが、私のように特定の野郎キャラに入れ込みたいという願望がない人間からしたら、まぁ、これでも別に構わないのだ。稀モノがらみで色々と謎や事件がありますよ、っていう世界観において、その調査官はどんなモチベーションで仕事しているのか、どんな人となりでこんな身分になったのか。そうした雑多な情報が「野郎キャラとのイチャイチャ」という側面から入ってくる。そう考えると、初見の人間から見ても「薄く広く」は案外悪くない。世界のありようが分からないのにどんどん本命キャラとのラブロマンスを突き進んでも置いてかれるだけだし。 また、これまた乙女ゲーではお約束だが、本作は作画部分が割としっかりしている。「大正ロマン」(?)という時代性に合わせてややセピアがかったような独特な風合いを基調にしながら、キャラ自体はしっかり現代風。そこに特別アンバランスさはなかったし、きちんと狙った通りの「異質さ」みたいなものは出せていたように思う。あとは稀モノをめぐる超常現象の描写がさらに真に迫って大迫力になっていれば素敵だったのだが、まぁ、別にオーラ(アウラ)炸裂のバトルものとかじゃねぇしな。 とりあえず、1シーズンに一本くらいはこういうジャンルも押さえておければありがたいですね。まぁ、今期はただでさえ「イチャイチャしてるノロケ話を見せつけられるだけ」アニメが多かったから大変だったけども。女性主体で強気の恋愛が見られればダラダラしないから大丈夫。ツグミさん、ありがとう。 「ゴールデンカムイ」 5→5 とりあえず2期おめでとうございます。まぁ、分割2クールで決まってたんだったら、別に茨戸抗争編はカットしなくてもよかったんじゃないかって気がするんだけど、基本的には杉本たちの動きを中心に再構成するっていうコンセプトだったんですかね。まぁ、確かにカットされてもその後の展開にあんまり影響はなさそうだけども。 というわけで、実は自分ルールを破って放送中に既刊コミックを一気読みしてしまいました。やっぱりね、面白いんだわ、この漫画。改めて最新刊まで全部読んでわかったんだけど、割と展開は行き当たりばったりというか、その時得られる最大限の刺激をかっ飛ばすことが優先されているので前後のつながりなんかは割と適当なんだけど、ロードムービーとしての側面があるおかげでサクサク場面が変わってもなんの問題もないし、「行く先々で変態囚人に出会う」っていう展開を続けてるだけで面白い。というか、この作者が作る変態像は実に清々しくて、そのキャラさえ立っちゃえば勝ちっていうのがずるい。もちろん、それを支える杉本や白石たちメインキャラの魅力も大きいんだけどね。漫画読んでて「それにしても尾形とか谷垣がいちいち格好いいのはずるいわなぁ」って思ってたんだけど、アニメ化以降のプッシュっぷりを見てると、やっぱりあの2人って人気あるのね。 今回アニメ化された範囲だと、まだまだイケメンっぷりに伸び代を残した状態だが、すでに谷垣はキャラが固まりつつあるところだし、白石に至っては原作で扱い方を心得たもんだからアニメでは序盤から割と飛ばし気味。いいですね、今作もある意味では「ヒナまつり」みたいにシュールな笑いを売りにしてる部分もあるけど、アニメ化に際してそこが殺されていないのは嬉しい。変な顔、変な間、変な言葉。その辺りの使い方はアニメでも注意深く守られていたと思うよ。ツダケン、イトケン、細谷といったいい声がわけわからんこと言ってくれるのもアニメならではの利点だよな。 そうしてきちんと原作の良さを出せていたアニメ化ではあるのだが、贅沢な言い方をすれば「そこ止まりかぁ」という印象もある。昨今の作品の中では作画部分は「そこそこ」レベルで、最初に物議を醸した「熊CG」なんかも、賛否分かれるのは間違いないが、批判の余地を残してしまったというのは事実だろう。なかなか十全の再現は難しい中身だし、原作絵の独特の持ち味はアニメ化には向かないものだったと思うが、せっかく満を辞して繰り出したアニメ化なんだから、その辺りでももう1つ付加価値がつくことを望んでいた。残念ながら、今一歩、そうした「原作を超えるアニメ化」とは言えなかったか。 でもまぁ、このクオリティなら2期も普通に楽しみだと言って問題ないでしょう。個人的に期待したい、というか一番評価しているポイントは、杉本役の小林親弘の仕事ぶりである。外画やドラマでの実写出演を中心にこれまで活動を行ってきたという部分は「ヒナまつり」の中島ヨシキに近い人なのだろうか。アニメでの仕事は多くなかったようだが、それだけにちょっと独特の、色がついてない演技がかえって杉本の無骨さに味を与えていてよかった。周りの役者陣もなかなか豪華で、いい現場になっているように見える。辺見役を関さんがやってたのはビビったが……なんともヌメッとした、あとを引く仕事。そしてまさかの家永のCVが大原さやかっていう。原作読んでる時は「カマっぽい声になるのかなぁ」と思っていたのだが、まさかのストレートで女性キャスト起用というのは思い切った判断だった。さぁやからすると、こうして成人男性をがっつりやったのって多分初めてなんじゃねぇかな。しかもジジイ役って……すげぇよな。2期目も癖の強い囚人が大挙することになるが、一体どんなキャスティングで楽しませてくれるやら。問題は支遁役だが……岩田光央あたりかな……。 「蒼天の拳REGENESIS」 4→3 やっぱりこのCGワークは違うよ。誰がなんと言おうと、この使い方じゃないよ。 「シドニアも亜人も慣れたし、多分このポリゴンピクチュアズも大丈夫」って思って見てたんだけど、考えてみたらシドニアは「SFテイスト」があり、「亜人」はIBMっていう存在や、銃火器乱射を前提にした現代戦闘の描画があった。少なくとも今作のようにひたすら肉体の動きだけを描く必要はなかった。いくらなんちゃってのトンデモ拳法だとしても、やっぱり肉体言語を描くのにこうした「重み」の足りないCGは向かない。一番の違和感は個々のキャラクターの動きではなく、人と人がぶつかった時の「反作用」の部分。誰かを殴ったり蹴ったりしたら、そのぶんのエネルギーは殴った方、蹴った方にも伝わってきて、そこにはなんらかの「衝撃」があるはずなんだ。手書きアニメだとそうした接触部分をいくらでもフィーチャーして大仰に描き込むことができるんだけど、フルCGの場合、2つのオブジェクトの接点に「ぶつかり合い」を見出すのが困難である。あくまで個々のオブジェクトが別個に動いているような「それぞれの存在感」があるだけ。その不整合が、作品の空気をなんとも珍妙なものにしてしまっているのだ。 「もう、ピンとこないCGワークは無視して観たらええやん」とも思ったのだが、この作品って、そういう部分を無視して見どころってどこに見つければよかったんだろう。バトルシーンを除いた北斗の拳って、それ単なるチンピラフェスティバルやん。ざっくり戦ってどっさり人が死ぬアニメ。それだけのものに魅力は感じない。いや、原作はこれだけで終わるお話ではなかろうし、今回のエピソードで人の生き死にを通じて色々とキャラ同士の因縁も生まれたのだから、ここからが本番とすら言えるのかもしれないのだが……とりあえず終わっちゃったからね。「面白い」とか「つまらない」じゃなくて「評価しようがない」っていうのが正直なところかもしれない。 とりあえず、中の人たちは割と楽しそうにやってるし、うまくいけば息の長いコンテンツになるかもしれないので、やんわりと見守っていくしかないかな。 「LOST SONG」 4→4 変なアニメだった。いろんな要素がごちゃごちゃしてて一言で説明するのが難しいんだけど、総合して表現する言葉を探すと……変なアニメだった。 当初考えていたようなグダグダアニメとは一線を画す存在だったのは間違いない。「もう、こんだけヘタレた展開だとどうあがいても自然消滅するような展開しか……」と思っていた中盤、まさかのどんでん返しから明後日の方向にフリーキックをぶちかまし、「ダメダコリャ」を「ナンジャコリャ」に書き換えたのはお見事である。ただ、そうしてぶち込んだカンフル剤も、「ナンジャコリャ」から「イイゾコリャ」にはならなかった。「アニメ見るような連中って、こういうトンデモ展開好きだろ?」みたいなざっくりしたSF展開は、話のスケールの大きさがそれまで描かれた物語の全体像とのギャップで一瞬は惹きつけられたが、すぐに「これ、処理できない風呂敷広げただけちゃうか?」という疑問に変わった。正直、今作の演出では「何度も繰り返す悲劇の世界」の壮大さは全く感じられず、単に「そう言ってるだけ」にしか見えないのである。フィーニスが歩んできた何万年、何周もの歴史の積み重ねが感じられず、そこから彼女の絶望を推し量ることができなかったのである。全てを作り上げるフィーニスの物語に説得力が足りないと、そこに付随するリンの物語も浮ついたものになり、結局最初に持っていた「ダメダコリャ」の次元に戻ってくるのである。 シナリオがざっくりしすぎていたことが最大の難点で、肝心の世界観を「ありがちななんちゃって中世ファンタジー」からあまり膨らませなかったのは、ワンアイディアの展開だけで満足してしまってそこから先の掘り下げを怠った結果だろう。「ナイツ&マジック」では割と大々的に登場を盛り上げていた飛空兵器なんかも本当にさらっと出てきて当然のように扱われたし、悪役の持つ野望の大雑把さとか、それに対峙する正義の騎士のテンプレ感とか、「パーツを用意したことで満足して磨き忘れた」みたいな印象が強い。そして何より、それらを描く作画が本当にユルい。やっぱり中世ファンタジーの世界って、ちょっと油断するだけで一気にコスプレ感が出て安っぽくなるんだ。そして、本来なら一番推していかなきゃいけない歌唱シーン、歌唱エフェクトがどうにも盛り上がらない。マクロスなりアイドルアニメなり、いくらでも過去の良作を参考にできると思うんだけど、そうした作品の後追いになるのが嫌だったんだろうか、敢えて「歌うシーン」をベタッと平坦に描いている印象すらあった。ライデンフィルムの作画、毎度あと一歩のところで何かが足りないんだよなぁ……。 やろうとしたアイディアは面白いものだったし、最後まで目的のものをやり切ったということは評価するのだが、もう1つ2つ、手間をかければもっと研ぎ澄まされたであろうことを思うと、残念無念である。歌はいい作品だよね、歌は。次の鈴木このみの出演作品に期待しましょう(あるか?)。 「魔法少女 俺」 5→5 エラく綺麗に終わったな、と思ったら、これって原作漫画も2巻しかないのね。最近は1クールアニメばかりで物足りないっていう傾向が強いが、こうして「1クールにフィットする」原作見つけてくるのも制作側の才能の1つなのかもしれない。 そんなわけで、身の丈にあった尺と、身の丈にあった中身が程よいアニメ。何かが爆裂するというほどの破壊力があるわけではないが、なんとなくユルい笑いと一緒に時たまとんでもない刺激物が飛んでくるという構造は、飽きさせず引っ張りながら、視聴者に無理を強いない良いバランスだったと思う。まぁ、それだけにドハマりすることもないんだけど、そりゃ全2巻のコミックだったらこれくらいだろう。伝説に残るアニメを作ろうとはしていないと思う。 あー、でも藤本回のキャスティングなんかはある意味伝説かもしれんな。惜しむらくは、藤本回が本編とほとんど関係なくて浮いてたからあんまり面白くなかったことだな。やっぱりこの作品はサキが振り回されつつ頑張ったりやさぐれたりしているのを見るのが一番楽しいと思うの。そこに桜世の全開百合ブーストがかかると、メインの2人だけでも充分美味しくいただけます。中の人、バンドリ基準で考えたらモカ×沙綾だからな。なんだそのレアな組み合わせ。とにかく「大橋彩香のなんちゃってアイドル像」っていうのがいちいちハマりすぎているので、サキのドタバタ劇をみてるのが一番楽しいんですよ。「さばげぶっ」の時もそうだったけど、変な声に舵を切れる時のへごは本当に活き活きしている。本人はあれだけ歌唱力があるというのに、何故かクソ音痴な歌い方が妙に馴染んでる気がするのも、声が持っている天賦のパワーだろう。「へごが男性化すると石川界人になる」というのも、なんだか絶妙に説得力がある気がするのは、お互いに「振り切れたギャグでしっくりくる仲間」だからなのかもしれない。アフレコ現場が本当に楽しそうな作品である。あとは田村ゆかりとアイドルユニット組まされたゆーみんがどんな心境で現場の席に座ってたか、ってことが気になるくらいか。なんかコミュ力の化け物が多い現場だな。 「Cutie Honey Unicerse」 4→4 本当によく分からない作品だった。なぜ現代に戻ってきたのか、そして我々に何を伝えたかったのか……いや、メッセージ性は求めてませんけども。 当初想定していた方向性よりかは、変な方向に楽しめる作品になった。というか、多分タランチュラパンサーが主人公の作品だと思えば、割と現代風の、萌えと鬱を足し合わせたような歪んだ嗜好の作品の1つとして成立していたように思う。何が善で何が悪か。(特に女性同士の)過度な友情や執着を持って、強い信念に命をかけるキャラクターたちの姿は、なるほど見応えのあるものだ。ハードなバトルアニメとしてその辺りの過酷な戦いを描き続けるのならば、案外面白い伸び方になったのではなかろうか。 しかし、本作の主軸はそこではない。というか、そこだけではない。知識がないので勝手な推測になるが、やはり原作「キューティーハニー」の現代での再構築というのが今作の目的だったのではなかろうか。「永井豪50周年」を銘打っていることもあり、「永井豪らしさ」みたいなものをそぎ落とす方向には話が進まず、どれだけシリアスな話になってもオゲレツ要素は忘れないし、腰が砕けるようなギャグも要所に挟んでくる。上述の「萌えと鬱の入り混じったバトル」ももともと永井豪が持っていたテイストの一側面であるとするなら、なんと先駆的なクリエイターだったのだろうかと感心もする。 でも、やっぱり全体で見るとカオスすぎる気がするんだ。せっかく雰囲気が盛り上がっているのにギャグでへし折られるとどんなテンションで見たらいいか分からなくなるし、それまで積み上げてきたドラマが台無しにされてしまったように感じてしまう。実際、シリアスにシリアスを重ねて人の死を悼んだとしても、最終回で番長は帰ってくるのである(まぁ、わかっちゃいたが)。その割に夏子だけ帰って来ずにマジで死んでるあたりがすげぇんだけどさ。いつどのタイミングで「な〜んちゃって」って言われるか分からない状態では、なかなか本筋に身が入らないのはしょうがないことだろう。 アニメ全体としての映像部分もやや弱め。肝心のバトルが亜空間での対決をベースにしているので画面がのっぺりしてしまう。お色気シーンは頑なに昭和テイストを守り続けているのであまりエロくない(まぁ、全力でエロかったらそれはそれで問題なのだろうが)。懐古するための映像というのはそれで意味があって、今期だと「メガロボクス」の意図的に作り上げた「古臭い」風合いなんかは味わいになっているのだが、本作の「古臭さ」はあまり魅力には感じなかった。まぁ、やっぱりこれも「永井豪ファン」を狙ったものなのだとしたら私にはどうしようもないのだが。 あと、個人的に最大の不満だったのは、事前に喧伝されていた「ハニーのそれぞれの形態に豪華オリジナルキャストがつくぞ!」という部分が全く活かされていなかったことで、他のモードが全然活躍してくれなかったこと。これも原作時点でこの程度の扱いってことなんですかね? 「変わるわよ」がうたい文句のヒロインの割に、変身要素に意味がないのはなんだか寂しいよな。そう考えると、パンサークローの陣営の方がバリエーション豊富で面白かった気がするなぁ。 果たしてどんな層を狙って作られた作品だったのかは分からないのだが、業界は一体どこに向かってプロモーションを行ったのだろうか。今作でどの程度の商業的な影響があったのか、下世話な話ではあるが聞いてみたいもんである。 「あまんちゅ!〜あどばんす〜」 5→5 あんまり潜ってなかった……いや、全体を通してみればちゃんとダイビングアニメのはずなんだが、今期はどうしてもピーター編の印象が強すぎて……。あと、ぴかりの風呂シーン。 いつものように、常のように、と書くばかりで特に追加コメントも思いつかない作品だが、今期はやっぱりピーター編のおかげでちょっと特殊な印象を受けた。良いのか悪いのかでいうと、ちょっと悪い方に。今作の基本的な制作理念はやはり「ARIA」と同じで、「日常のほんの小さな出来事から素敵を見つけよう」とか「非日常の世界の中で、大切なことに気づこう」というのがテーマになっていると思うのだが、舞台がネオベネツィアではなく日本の伊豆になっているせいで、「非日常」を作るのがちょっと難しい。もちろん、そのために最良の舞台として用意されたのが「海中」なわけだが、それ以外の舞台での「非日常」を作った時、我々の知っている「本当の日常」とファンタジーの継ぎ目は、どうしても「どこまでもファンタジー」な火星の街よりも意識に上ることになってしまう。ピーター編では、そんな「日常」の延長上の世界に、「どないやねん」みたいな感情が先立つ部分が多かったのがなぁ。 でもま、それ以外の部分では相変わらずの幸せ世界の充溢ということで良しとしましょう。ちなみに、姉ちゃん先輩(CV大西沙織)が過去の世界に行って若い頃の知り合い(CV伊藤静)と対話するっていう展開が完全に「刀使ノ巫女」と同じっていうよくわからない偶然がちょっと面白かった。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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