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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ヲタクに恋は難しい」 4→4

 とりあえず、見ているオタク連中はみんな感じたであろうことを先に書いておくと、「そのタイトルなら少しは難しそうなそぶり見せろよ」ですね。何が難しいだよ。単なるノロケ話を延々垂れ流される方の身にもなれってんだ。なんか、今期は「単なるノロケ話」アニメが結構あるんだけどね!!

 基本的には1話目で抱いた印象がプラスにもマイナスにも変化せずにただただ続いていくだけだった。多分、人気があるのだとしたらオタク(仮)どうしのちょっと斜に構えたような会話の言い回しとか、そういう部分が「ギャグ」として受け入れられているということなのだろうが……だからさ、こんな会話をリアルで憚らずにやってる連中がいたら怖気が走るんだって。気持ち悪いだろうよ。いやぁ、やっぱりこういう(すごく勝手な)引け目って歳をとったオタク野郎の勝手な自己嫌悪なのかなぁ。「オタクって人種は基本的に恥ずべきものであるから、世に明るみに出ぬよう、ひっそりと静かに生きていけよ」と思ってしまうのは古い考え方なのだろうか。最近はこんな連中が社会にあふれているということなのだろうか……社会に出てないからわからねぇや……。

 一応、見るべき点があるとしたら「オタクにもジャンルによる得手不得手があり、似たような言語でコミュニケーションしているように見えて、どこかで隔絶があるんだよ」っていう部分を描いたことかな。まぁ、今作の場合はディスコミュニケーションがジャンルの違いによるものなのか、単に人間的なコミュ障具合が原因なのかがよく分からんのだけどさ。周りにいる人間が過度にオタク的素養に疎かったりするのはフィクションだからしょうがないんだけど、せっかく「現代的オタク像」を掘り下げるなら、おそらく現時点で相当数存在しているであろう「ライト層」のことを切り取って見せるべきだった気はするんだよね。オタク的素養の重篤さによってどれくらい「恋は難しい」のかが対比的になるだろうし。いや、そこそこ昔から連載してる漫画に今更文句言ってもしょうがないのだが……。

 とりあえず、最大の難点としては「結局どこのオタク層をターゲットにして見せたいアニメなのかがよく分からなかった」ってことかな。少なくとも私はターゲット層ではなかった気がします。全体的にアニメとしての演出方向なんかは間違ってなかったと思うので、キャラの痛々しさに目をつむればそこまで不快なアニメではなくなったのが救いだったけど。おいちゃんが気弱な(男装)オタク少女役でおどおど喋ってるのが聞けたのは割とレアな機会だったので良かったんじゃないでしょうか。

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 歌えやぁぁぁああ! 第11話。公式でインスト音源聴けるってかなり貴重なアニメなんじゃなかろうか。何気にアイキャッチのコーラスもめっちゃ綺麗。

 うーむ、まるでエヴァのような(そうでもないような)降ろされて乗る流れ。まぁ、ロボットものならこういう展開も一種のテンプレと言える。今作はロボットものじゃないし、テンプレ踏襲したところで色々と尋常じゃない部分が多い気がするけども。特に今回新鮮だったのは柿保さんのブチぎれでしょうね。最初にぶん殴った時には単に「怖い上官」がいきなりキレただけなのかと思ってしまったが、後になって事情を聞いてみれば、彼女にとってのDパイってのはそんな生易しいもんじゃなかったっていうお話。確かになぁ、かつての森山エピソードはこういうところに聞いてくるお話だったわけだね。ひそねが一回まそたんから離れるくだりは、お互いの大切さを理解するためには必要な要素。そこで、強引にでも2人を引き剥がすための触媒が必要で、そのために選ばれたのが「ひそねの態度にブチ切れることができる」柿保さんというキャラクターだったというわけ。一応名緒さんがキレるという選択肢もあったとは思うのだが、彼女が「Dパイを辞めると言ったひそねにキレる」という文脈は、読み取り方が複数生まれてしまって描写が面倒になるので、より分かりやすく落ち着けるための柿保さんだったのだろう。奇しくも同じ日にハイパー釘宮キャラを2つまとめて摂取してしまったのでお腹いっぱいである(もう1つは「ニンジャバットマン」のハーレイ・クイン)。

 そして、ひそねが退場した後にお役目を代行したのはなんと驚きの樋本さんだった。まさかの74年ぶりの現役復帰。幾ら何でもそりゃ無理じゃね? と思ったが、ここで名緒さん用に開発していた「なんか呑みたくなるスーツ」が役に立ったという。逆に言えばやっぱりそれがなきゃまそたんもババアは呑みたくなったってことなんでしょうかね。でも割とシャキシャキコントロールできてました。さすがだババア。ジョアの力は伊達じゃない。しかし、ここでもまさかの大トラブルが発生。なんと、樋本は先代の楔女とほにゃららな仲だったというのだ。いや、実際にどれくらいの仲だったのかは確定していないし、マジで当時からヤバいレベルだったらそもそもお役目が果たせていなかったはずなので思い出補正も込みなのかもしれないが、とにかく、そんな青い時代の郷愁を思い出してしまったがために、まそたんが再びの暴走状態。もう、どんだけ繊細なんだOTF。ババアが幼い日の同性との思い出を蘇らせただけでアウトって、もう、この仕事をこなせるのはサイコパスかAIだけなんじゃなかろうか(そういう意味で絹番さんは色々適任かもしれん)。

 こうして、「乗り手を失ったロボ」と「やっぱり乗りたいパイロット」という、碇シンジの世からおなじみの2つが並び立った。奇しくもミタツ様の鳴き声や異形はゴジラを彷彿させる「圧倒的なボスキャラ」であり、ここでエヴァならぬまそたんに主人公が乗り込むシーケンスは欠かせない要素。まぁ、かなり無茶な乗り方だし、まだ2人乗りの状態だからまそたん重量オーバーだし、色々とバタバタしすぎではあるのだが……。ちゃんと乗れてしまったということはひそねは許されたのだろうか。いや、おそらくだが、あくまでもまそたんに乗れるかどうかって、本人の心持ち次第だからな。乗ってるDパイの方が「もしかしたら私の中でOTFは1番ではないかもしれない」と思ってしまった時点で拒否反応が出るのだろう。ひそねが柿保さんに言った「まそたんがナンバーワン理論」は屁理屈以外の何物でもないが、それをひそねが丸ごと信じて受け入れてるなら問題ないのだ。さぁ、まそたんはコントロールが戻った。あとはミタツ様を予定通りの方法で……。

 というわけで、まぁ「楔女」っていう名称の時点でみんなわかってたことですけどね。棗は「お役目」としてここで果てるのだ。本人はそのことを知った上で、すでに受け入れているのだろう。ひそねが「クズ女」だったり「ずるい」と言われたりする中、なんとも潔い覚悟である。こんな非人道的な儀式の全容を知って、マジレッサーのひそねは最終回でどんな行動に出るのか……今週のスライディング土下座以上の、きらめく君を見せてくれ。

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 いい最終回だったな……第11話。シリアスやっても「絶対どこかでぶち込んでくるだろ……」って警戒してしまうアニメ。実際、変なとこでぶっこんでくる。

 しかし……今回の一件でますますワイズマンが主人公気質であることが証明されてしまったな……何しろ今回のハルたちの動機はワイズマン救出である。もう、お姫様扱いじゃないですか。「あいつらのピンチは捨てちゃおけねぇぜ!」って言われるのって、絶対に主人公じゃないですか。そして後半戦では「一度協力し合った奴は、もうかけがえのない仲間なんだ!」と叫んで無謀な戦いに挑み、知略を駆使して(?)勝利するという。完全にジャンプ漫画の主人公ですね。アツい奴らだぜワイズマン。グルは単純に下衆いだけなのでダメかもしれんけど。

 ぶっちゃけ、今回はそんなワイズマンの格好いいシーンが見られただけでも満足だが、明かされるって言ってた割にはクロパネルラさんの秘密は解説されずに終わってしまったな。次回で正式な告知が来るのか(最終回だからね)。一応エーリカさんはある程度のところまで知ってた上で見守ってたんだなぁ。他にも色々と「そこ設定あったんだ?!」みたいな部分が回収されており、コール姉妹が文字通り姉妹だったことも明かされて、この世界のコールという存在がますます分からない状態になっている。今回だけ無料でガチャ引かせてくれたイオナさん、優しいのか鬼畜なのかよくわからない。

 次回で最終回かぁ……終わるのかぁ……今期、最終回が惜しまれる作品ってあんまり多くないので一本分のダメージがでかい。

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 なぁ、世の常識として、天守閣ってのは必ず動いて火力をぶちまけるもんだっていう認識があるのかい? いや、たまたま今作と「桜花忍法帖」を続けて観たせいでそんな気がしているんだけど……まぁ、キン肉マンフリークからすると、天守閣って空飛んで合体するモノだからな。

 さておき観てきました、局所的に話題を読んでいます、ニンジャバットマンです。あらかじめお断りしておくと、わたしゃアメコミ界隈の知識はほんとのほんとにゼロである。こういう「バットマンみたいなやつ」のことを何系と称していいのかもよくわかってない。周りには好きな人間も多いし、私自身もこんだけ日本のアニメやら特撮やらを好んでいるのだから観たら間違いなく楽しいとは思うのだが、何しろ向こうの文化は本当に数が多く、これ以上手広くやってしまうとフォローしきれなくなるだろう、という恐怖心から近づかないようにしているのだ。おかげで、今作を見に行く際も「バットマンとは何者なのか?」という部分の下準備から始める必要があり、そっち方面も好きな人間に尋ねたところ「ただの金持ってるおっさんやで」という身もふたもないことを言われた。そう、僕はただの金持ってるおっさんの映画をわざわざ観に行くのである。

 

 

<以下、一応ネタバレ注意だが、今作もあんまり気にする必要はないかも>

 


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「バジリスク〜桜花忍法帖〜」 5→4

 ……結局、なんだったんだろう。最終回の怒涛の展開は本当に訳がわからなかったが……これって途中も真面目に見てたら全部腑に落ちたんだろうか? やっぱりいい加減な視聴を続けているとどうしようもなくなってしまうな。

 ただ、やっぱりどう考えても今作が腑に落ちたとは思えないんだよなぁ。そもそもこれ、なんで「バジリスク」の名を関する必要があったんだろう。伊賀VS甲賀の忍び対決要素はほとんど無かったし、成尋衆との対決も原作のような抜きつ抜かれつの緊張感が無かったし……やっぱり、スタート地点で既に忍法の限界を超えてたせいで、「あれを超える何かを使わないと」っていうので設定を振り回して明後日の方向へかっとんでしまった感がある。

 「無敵の瞳術が前提なので、それをどうやって破ればいいか」というテーマの置き方は面白いと思う。「甲賀忍法帖」もその辺りで色々とネタは仕込んでいる訳だが、本作の場合はまず相手がそれを使うことを知った上で敵がその上を行こうとする。おかげで成尋衆の能力は全てスタンド能力をはるかに超える超常現象になってしまい、概念レベルに達するとアニメーションでも処理できなくなっちゃうっていう。もう、何がどう因果を巡らせてるのかもよくわからんのよ。ラストに向かって敵味方がバタバタ死んでいく展開になるわけだけど、「死ぬのかよ! っていうかむしろよくここまで生き残ったよな!」とツッコミもどっち方面から攻めればいいのかすら定かじゃない。いっそ「能力バトルもの」としてのエッセンスは全部捨て去ってとんでも忍術アニメにしてしまった方が面白かった気もする。でもなー、起動兵器城とか飛空機械とか、既に忍法に納める気すらないしなー。

 こうして原作の「自由さ」を微妙に履き違えた感じでぶっ飛んだシナリオラインになり、最終的に世界線をまたぐリーディングシュタイナーに目覚めたりもしたわけだが、残念ながらそうした破天荒なプロットを描くのに、本作の演出はあまり向いていなかった気がする。西村純二の耽美かつ劇的な構成は作品次第でハマることもあるし、多分好きな方だとは思うのだが、本作はやっぱりチャンバラや怪獣バトルでどんぱちやってほしいので、あんまりノロノロやられるのは好みじゃない。まるで歌舞伎でも見ているような、ゆったりと持って回った演舞の立ち回りは、どうしても作品が孕む馬鹿馬鹿しさに相入れないのだ。いや、そこまで含めて全部ギャグだという解釈も可能だけども……そもそも何が起こってるか分からないシーンが多いから、演出の妙で笑うよりも先に、何がどうなってるか説明して欲しいんだよ。ギャグの説明が必要なアニメだったんだよ。そう考えると、やっぱり生まれながらにビハインドが多い気がするな……。

 もっさりした演出で、ざっくりした画面展開、そしてどこかピントのずれた脚本運びと、本当に捉えどころのない作品でした。所々のネタ回しで面白いところはあったんだけどねぇ、孔雀の生き様とか、あと最後の成尋のネタとか。まさか2クールも作品を追いかけて、あの人が最後の最後で大活躍(?)することになろうとは……。そして最終回のオチはジジイが幼女に向かって「わしの子を孕め」っていうエンディング。なんかもう、そこだけ観て満足した気もする。今期は色んなテイストの土師孝也が楽しめるので、そこは満足です。あと上しゃまがエロい。ほんとエロい。

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「ウマ娘 プリティダービー」 6→7

 ヤァみんな! P.A.Works大好きおじさんだよ! 毎度のことながら、大好きっていう感情を垂れ流しているよ! まぁ、今作はこれまでのP.A.作品とはちょっと雰囲気が違ったけどね。

 おちゃらけた入り方をしてみたが、毎週感想を書きながら頭を悩ませていたことからも分かる通り、今作は本当に難しい作品である。何が難しいって、「なんで面白いのかよく分からない」のだ。だって、やってることは単なる陸上競技会。しかもそのほとんどは結果がどうなるかわかっているレースだし、結果がわからないレースの場合には結末をうやむやにしてしまっている。ドラマの筋立てで楽しむべき点なんて、ろくすっぽ無いように思えてくるのだ。それでも、何故か今作は涙腺にクることが多かった。なんでそんな気持ちで見ることができたのか。考え始めると結構難しいんじゃなかろうか。

 今作の構造について考えている時に、ふと思い出した作品がある。「ゲームプロジェクトが発祥」で「実在の過去の歴史から美少女キャラに擬人化した作品」で、「史実に則った展開を繰り広げる」作品。お気付きの方もいるだろうか、「艦これ」である。しかし、個人的な入れ込みの差こそあれ、おおよそ「艦これ」アニメは評判が良くなく、今作は楽しんでいるファンが多かったように思う。共通するデザインも多い「ウマ娘」と「艦これ」。今回は「ウマ娘」の魅力を考えるため、少しこの2つの比較からその理由を探ってみよう。

 「ウマ娘」が良かった点、と言われてすぐに思い浮かぶのはアニメーションとしての映像のクオリティだ。謎の海面滑走なんかで話題を呼んだヘンテコCGの「艦これ」と比べて、P.A.のリソースを惜しげも無く注ぎ込んだ今作は全体的な作画部分での魅力が多い。女の子が可愛くて、そのレースシーンも盛り上がりがダイレクトに画の迫力に現れるのだとすれば、そりゃ人気は出やすいだろう。ただ、「可愛いから」なんてのはどこまでも個人的な好みの話であろうし、ひたすら手足を振り回して走り続ける疾走シーンに「作画が素晴らしい走りだ!」と毎回惚れ惚れしていたのかと言われたらそうでも無い。キャラ造形の魅力は一要因ではあろうが、他作品と差別化を図る決定的なものではない気がする。

 それでは2点目。ソシャゲの企画を立ち上げた時点で割と優位な点ではあるが、「テーマ設定の親しみやすさ」はどうだろう。この手のソシャゲの大前提に「女の子の可愛い姿がみたい」という欲求があり、ただひたすら走り続けるだけの「陸上部アニメ」は、我々の知っている女の子の生態に矛盾しない。少なくともなんかよくわからん敵を相手取るために1人で海に出撃して魚雷を打ち込む女子よりは理解できるだろう。そして、元来競走馬という対象にも性格設定や人間的な親しみが備わっているものであり、「アイドル」と「競走馬」という似通ったオブジェクトをダイレクトにくっつけた設定は、想像以上にキャラの掘り下げを進めることに貢献した。「1クールでこんな大量のキャラを覚えられるわけねぇよ」というソシャゲお約束の問題も、ちょっと調べればたくさんの「競走馬の情報」が出てくる今のご時世なら、公式で説明文を書かずとも視聴者が勝手に補完してくれる。そうして「既存のキャラクター像」もそのまま借りて、膨らませることができるという設定の妙は、「競走馬アニメ」の大きなアドバンテージだったのは間違いないだろう。ただ、そうはいっても、最初に提示した「単に走ってるだけなんだけどなぁ」という問題の直接的な解答は提示されていない。「毎週走るだけ」と言えば少し前に「プリンス・オブ・ストライド」という競技アニメがあったが、あちらは「単に走るだけ」の設定からもう一つ突き抜けることができず、「まぁ、こんなもんやろ」で終わってしまっていた気がする。今作だって、夢や野望はたくさんあるが、スペもスズカも結局は「ただ走るだけ」の存在である。となると、もう1つ何かが必要な気がする。

 そこで、最終話を見て思い至った最後の1ピースは、トレーナーの存在だった。そう、思い返してみれば、艦これアニメには中心となる「提督」が不在というとんでもない欠落があったのだ。少女たちを見る視点の欠落。少女たちの動機付けの不在。そうした部分を全て1人で埋め合わせたわけでは無いが、象徴的に支え、視聴者のための視点を提供していたのが、本作のトレーナーであった。こうした「美少女動物園」(文字通りの!)アニメでは男が出てくるだけで毛嫌いされる、なんて風説もあるが、少なくとも今作のトレーナーはそうしたヘイトを集める存在ではない。なんなら最後にスズカとくっつきそうな勢いだったにもかかわらず、トレーナーはいい奴だし、立派に仕事を果たした名伯楽である(これまた文字通り!)。彼が「なぜウマ娘を育てるのか」という部分、「なぜ勝って欲しいのか」という部分をはっきりと提示してくれたおかげで、「単なる陸上競技会」アニメに目的と動機が生まれた。それぞれのキャラが別個に「走る意味」を見出せば、そこにはキャラの数だけの戦いが生まれ、ドラマが生まれる。正直、わずか1クールであらゆるウマ娘に万全の「ドラマ」が与えられたとは言わないが、それでもスペとスズカの二人を支えるくらいのことは出来ただろう。そうして物語の芯が出来上がれば、あとはP.A.WORKSの地力でもって「良い映像」として肉付けしていくだけである。そうして、「ウマ娘」は形をなした。

 多分、これだけ長々と書いてみても、「いや、やっぱりワカンねぇよ」という気持ちの方が大きいのだが、それでも毎回のレースでなぜか目が潤んだのはまぎれもない事実である。小手先芸を用いずとも、ただそこにあるものを最大限に活用し、力でねじ伏せた「王道」アニメ。今作には、そんな評価が一番似合うのかもしれない。

 ちなみにいつも通りに蛇足になるが、個人的に楽しみなのは主演声優の今後である。というのも、P.A.作品は「SHIROBAKO」の木村珠莉や「サクラクエスト」の七瀬彩夏など、主演に抜擢された若手がその後渋くていい活躍をする傾向にあるからだ。今作主演の和氣あず未はすでにある程度評価を得ている状態での登用だが、スペシャルウィークではまた新しい魅力を見せてくれたように思う(スズカ役の高野麻里佳もね)。今後はどういう広がりを見せてくれるのか、「ウマ娘」という期待の新ジャンルと合わせて、今後の成り行きを見守らせてもらいましょう。

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<無色>
 
大いなる創造者、カーン Karn, the Great Creator (4) R
伝説のPW・カーン
あなたの対戦相手のコントロールするアーティファクトの起動型能力は起動できない。
<+1>:あなたの次のターンまで、最大1つの対象のクリーチャーでないアーティファクトは、パワーとタフネスがそれぞれ点数で見たマナコストに等しいアーティファクト・クリーチャーとなる。
<-2>:あなたはゲーム外や追放領域にあるあなたがオーナーであるアーティファクト・カードを1枚選んで、それを公開して手札に加えても良い。
【4】
 カーンが出てくるだけでテキストも見ないで投了したくなりませんか? 僕はなります。今回のカーンは……よかった! レアだからそこまでコワレじゃない! むしろ突然の原点回帰で穏やかで優しかった頃のカーンを思い出させてくれる1枚に仕上がっている。カーンはもともとレガシーと呼ばれるアーティファクト兵器であり、あらゆるアーティファクトを支配する権限を持つ。そのため、カーンが出てきたら相手はアーティファクトを起動しちゃダメだ。まぁ、これだけだと特定の相手にしか刺さらない効果だが、下の環境だとマナソースも全部シャットアウトするのは実はシャレにならない。4マナだから大丈夫だとは思うが、1ターン目に先置きすると返しで相手のMOX類がすべて紙になるという。なんだそれ。特定のアーティファクトデッキのメタとしても案外実用レベルのヘイトカードである。そしてプラス能力はほぼ完全に「銀のゴーレム、カーン」である。時代が変わったおかげで相手ターン中もクリーチャーなのがちょっとした進歩で、しかもプラス能力ってんだからさすがだ。まぁ、どの程度使えるかは定かじゃないが。一応相手の宝物トークンを破壊するのに使えるとか使えないとか。そしてマイナス能力で埒外の方向性からのアドを狙うが、流石に「願い」効果のためにメインで入れるカードでもなかろうし、なかなか追放領域への移動なんてコントロールできないし……やたらニッチな仕事ばっかり担当してるなぁ。使えるかどうかはヘイトカードとしてのニーズにかかってるだろう。リミテッドの場合、一瞬「おっ」って思ってテキスト読んでがっかりされる枠である。
 
 
人知を超えるもの、ウギン Ugin, the Ineffable (6) R
伝説のPW・ウギン
あなたの唱える無色の呪文のコストは(2)少なくなる。
<+1>:あなたのライブラリのトップを裏向きで追放する。あなたはそのカードをみても良い。2/2で無色の、スピリット・クリーチャー・トークンを1体生成する。そのトークンが戦場を離れたとき、追放されたカードを手札に加える。
<-3>:対象の、1色以上のパーマネントを破壊する。
【4】
 双子の兄弟であるボーラスさんが散々暴れまわっているというのに、せいぜいレア程度の重要度でしれっと呼び出されたウギンさん。本来ならもっと大々的な兄弟喧嘩の終幕が見られるかと思ったのだが……まー、ラヴニカはあんまり古代龍の決戦場には向かんわなぁ。今回はあくまでもサポート役。今後エルドラージとの決戦でもあった時には監督ポジションで頑張ってもらうことになるだろう。さておき、今回のウギンは一時期ぐっすりおやすみになっていたタルキールの地で生まれた「予示」を彷彿とさせる能力。ただ、いかに懐かしギミック大集合の今回とはいえ、予示まで導入しちゃうと流石にややこしすぎる、というので擬似予示くらいの能力に抑えられたわけだな。表になるギミックは変異環境でないとあんまり意味がないので、「場を離れたらそのカードが手札に」になったわけだ(正確には異なるが、おそらくカジュアルな試合の場合は面倒を省くためにそのカードをそのままトークンの代わりに使うだろう)。プラス能力でクリーチャーが出るというだけでも充分強いが、それがアドバンテージに直結するというのだからなかなかの大盤振る舞い。さらに常在型能力はアーティファクトを絡めて散々悪さできそうなやばいやつになっており、おかげでコストが若干重めになってしまった。このコストだったら流石にいきなり環境を壊すことはないだろう。リミテッドの場合はできるだけ長生きさせて恒常的にアドを稼ぎに行きたい1枚なので、他のPW以上に、戦闘での存命を考える必要がありそう。ちなみに、今回はマイナス能力であらゆるボーラスを一撃殺できるようになっている。よかったね。
 
 
ウギンの召喚体 Ugin’s Conjurant (X) U
クリーチャー・スピリット、モンク
0/0
〜は+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
〜の上に+1/+1カウンターが1つ以上置かれた状態で〜にダメージが与えられるなら、そのダメージを軽減し、〜の上からそれに等しい数の+1/+1カウンターを取り除く。
 XマナでX/Xというのは「果てしなきもの」が苦心の末に実現させた夢のステータス。それまではどうしたって色マナが必要で「キヅタの精霊」のように1マナ重くなるのが常だったが、エルドラージという異質な存在が、レアという特権的な立場を行使して実現したのである。それを今回は名もなきアンコモンが簡単に実現……したのはいいのだが、その分結構なデメリットを背負ってしまった。「受けたダメージ分だけカウンターが減る」という、いわばダメージがクリンナップされない性質は「ファイレクシアのハイドラ」クラスの決戦兵器に与えられるなら仕方ないが、たかだか「ちょっとマナレシオが良くなるかも」程度の能力で与えられるには重すぎる枷。まぁ、4ターン目に4/4が出て、ワンパン出来たら満足、という考え方もあるが……これでせめて速攻でもついていたなら、相手のPW展開を見て柔軟に攻めのタイミングを選択できる有力な候補になったのだが、現時点では「とりあえず何色でも使える一時しのぎ」くらいの役割を抜け出すのは難しいんじゃなかろうか。増殖デッキならある程度リカバリーは可能なのでやや加点。

 

 

 

 


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アジャニの群れ仲間/Ajani’s Pridemate(M19)」 U
 いきなりの再録!! なんと今回、ボーラスが次元橋を使って自分の手駒を送り込んできたことに対抗して、プレインズウォーカーたちが自分のかつての同胞なんかを魔術で生み出して応戦しているというではないか(あくまで模造品なのでそのものが転移してきてるわけじゃない)。アジャニさんと一緒に戦うのは、生まれ故郷・アラーラはナヤ次元のレオニンの方々。何度か再録されたので使い心地はよく知られているだろうが、最近は活躍の機会も多かったので意外と期待がかかるんじゃなかろうか。まぁ、M19に収録されているのでスタンだけを考えたらここに収録される意味はあんまりないんだけども。
 
 
戦地昇進 Battlefield Promotion (1)(W) C
インスタント
対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。それはターン終了時まで先制攻撃を得る。あなたは2点のライフを得る。
 なんか色々やる。今回の白は増殖カラーなのでその起点となる1つ目のカウンターを置くお仕事は大事。ついでに先制攻撃もつくのでとりあえずメインから使えるコンバットトリックとしてデッキインしておき、あわよくば増殖シナジーを狙うといった立ち位置になるんじゃなかろうか。さらにそれだけじゃ物足りないってんでライフゲインまでついているが、そこを削って1マナの方が嬉しかった気もする。まぁ、こういう積み重ねが死なないデッキを作るのよね。相手に使われるとこの2点が地味に鬱陶しい。「アジャニの群れ仲間」とはプチコンボ。

 

 


規律の絆 Bond of Discipline (4)(W) U
ソーサリー
あなたの対戦相手のコントロールするすべてのクリーチャーをタップする。あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで絆魂を得る。
 あぁ〜こういうコンセプト好き〜。イラストを見ると、なんとオルゾフ民とアゾリウス民が手を組んで難局に当たっている様子が確認できる。まぁ、どちらも一般市民なんだからこれまでだって何かあったら協力してたんだろうけど(この2ギルドはそこまで仲悪くないだろうし)、わざわざギルドの紋章を重ね合わせて新しい紋章にしてるところが最高にエモい。「決まりごとも悪くない、強制されないならね」っていう手の組み方もいかにもこの2ギルドらしいではないか。で、そんなギルドが手を組んだ効果がこちら。イメージとしてはタップして束縛する方がアゾリウス、絆魂を与えて稼ぎをあげるのがオルゾフの仕事だろうか。効果のほどは想像に難くないが、絶妙に後ろ向きなギルド2つなもんだから、「そんなんいいからもっとゲーム終わらせるために手を組めよ」という気もする。まぁ、ほんとにいっぱいクリーチャー並べてから撃てば勝てるやで。

 

 


防壁の巨人 Bulwark Giant (5)(W) C
クリーチャー・巨人、兵士
3/6
〜が戦場に出た時、あなたは5点のライフを得る。
 ハイパー延命巨人。6マナ3/6というと、デッキに入っているのを下手したら1回も見たことがないかもしれない「用心深い巨人」と同じステータスなのでかなり抵抗があるが、こちらはおまけが5ライフと実にダイレクト。白には脈々と受け継がれるライフゲインクリーチャーの系譜だが、5点となるとあまり例がなく、ワンサイズ軽い「レイディアントの竜騎兵」はある意味構築級の活躍を見せた。流石にこいつは構築級とは言わないが、リミテッドで狙いが合致するならデッキインを考えてみてもいいレベルではなかろうか。

 


 
幸運な野良猫 Charmed Stray (W) C
クリーチャー・猫
1/1 絆魂
〜が戦場に出た時、あなたのコントロールする、他の〜という名前の各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 ネコちゃん、おいで。ネコちゃん……アアーッ! 最近、こうして猫の人権(にゃんけん)向上を図るカードが増えてきているのは大変結構なことである。アモンケットにはこれと同じステータスの「聖なる猫」がいてカルトーシュなどとの合わせ技で活躍したし、ラヴニカでも「気前の良い野良猫」が「手頃な死体」として活躍してくれた(哀)。そして今回は、「猫は殺すな! 生きてるうちに活用しなさい!」という動物愛護の精神から、ますます集めて楽しい新ギミックで登場。「しつこい請願者」に続く、「黒以外の色でネズミギミックを作ったらどうなるか」的な挑戦が何と猫で行われているのである。残念ながら「5枚以上入れてもいいよ」ギミックは導入されなかったのでハイパー猫まみれデッキを組むことは出来ないが、どうせこうしたギミックの主戦場はリミテッドなのだから関係無い。さぁ猫を崇めろ。ひれ伏し従え。貴方の集めた猫の数、それが忠義の証、それが強さの表れなのだ。5枚以上集まるようなら、割と洒落にならないスペック。とにかく2枚目さえ出してしまえばカウンターは乗るので、その後は増殖に絡めてゆっくりブリーディングを楽しもう。
 
 
果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)C
 タルキールから帰還した渋めのコンバットトリック。だが渋いことと弱いことは同義ではなく、わずか1マナでアドまで繋がる可能性があるのだから使い方次第だ。タルキール当時はさらに果敢をテーマにしたジェスカイがあったので手軽なキャントリップとしてもニーズがあったが、今回もイゼットを中心に果敢条件が多めに収録されている。その辺りとの組み合わせでボロス・アゾリウスあたりの連携を狙おう。
 
 
神聖なる矢 Divine Arrow (1)(W) C
インスタント
〜は対象の攻撃クリーチャーはブロッククリーチャーに4点のダメージを与える。
 ギデオンの叱責」の同型再版。今回もおんなじ名前で良かったやんけ、とは思うのだが、この度まことに残念ながら、今回の戦争でギデオンが殉職したことが公式に発表された。今後、この効果の呪文を使うときにはもう「ギデオン」の名前が使えないのである。そのために新しい名前で生まれ変わった姿が披露されたのだろう。合掌。なお、カードとしてはそのギデオンがオケチラの矢で打ち落とされたシーンである模様。ギデさん、あんなにオケチラさんのこと気に入ってたのになぁ。とりあえず「ギデオンの叱責」と同じなんだから強いに決まっている。いつも通りに引いて、いつも通りにデッキインすればいい。ただ、今回は向かい風要素として「PWに触れない(それこそギデオン以外には)」という問題があり、非クリーチャーパーマネントの比率が増えるこの世界では若干評価を下げることになる。相手PWに打つ手がなくて立ち往生しないよう、しっかり攻めのクリーチャーベースを確保した上での採用を。
 
 
執行官のグリフィン Enforcer Griffin (4)(W) C
クリーチャー・グリフィン
3/4 飛行
 イクサランでは大変お世話になった「輝くエアロサウルス」の種族変更再版。一応恐竜はシナジーがあったのでグリフィンになったのはわずかばかりの弱体化ではあるが、まぁ誤差の範囲内。コモンで引けるフライヤーとしては破格の安定感を誇り、ちょっとやそっとの除去で落ちないアタッカーとしてこの世界でも八面六臂の活躍を見せることになるだろう。今回緑に与えられた蜘蛛枠クリーチャーのパワーとタフネスが3しかないというのも評価が上がる一因である。
 
 
栄光の終焉 Finale of Glory (X)(W)(W) M
ソーサリー
2/2で警戒を持つ、白の兵士・クリーチャー・トークンをX体生成する。Xが10以上であるなら、加えて4/4で飛行と警戒を持つ、白の天使・クリーチャー・トークンもX体生成する。
 「終焉/Finale」の名を関する神話レアのソーサリーサイクル。そのコストは全て(X)(A)(A)で、Xが10を超えた時に大体「ゲームに勝つ」と書かれている。12マナで勝利が転がり込んでくるのは高いとみるべきか、安いと見るべきか。試しにこのカードを見てみると、2/2トークンX体の時点でかなり強い。例えばちょっと効果は違うが最近活躍した「闇の救済」ならコストに(X)(X)が含まれていたし、普通トークンをX体出したいなら大体は1/1を出すものだ。5マナで2/2が3体だけでも割と使える呪文なのは間違いないだろう。ただまぁ、その場合にはやっぱり代替物があるのも事実で、「大集団の行進」などこれよりも柔軟性が高い呪文もたくさんある。となれば、やはり「ゲームに勝つ」と書いてあるX>10を目指すしかないのか。2/2が10体だけでも勝てんじゃねぇかという気もするが、実際出てくるのは天使10体+兵士10体の大軍勢。もう、オーバーキルってレベルじゃねぇ。単にやりたいだけの呪文だな……。
 
 
黒き剣のギデオン Gideon Blackblade (1)(W)(W) M
伝説のPW・ギデオン
あなたのターンの間、〜は4/4で破壊不能を持つ人間・兵士・クリーチャーである。これは引き続きPWでもある。
あなたのターンの間に〜に与えられるすべてのダメージを軽減する。
<+1>:最大1体までのあなたのコントロールする他のクリーチャーは、ターン終了時まで、警戒と絆魂と破壊不能のうち、あなたの選んだもの1つを得る。
<-6>:対象の、土地でないパーマネントを追放する。
【4】
 ゲートウォッチの面々から映えある神話レアに抜擢されたのがこちらの必殺武器を手に入れたギデオンさん。ほんと、ナチュラルに黒き剣を使いこなしてて笑うわ。これで闇落ちとかせずにひたすら白一色を貫いているのはさすがである。さて、そんなギデさんだが、PWがおおっぴらに常在型能力を持てるようになったため、今まで以上に堂々とクリーチャー。もう、起動も何も必要とせず、ターンがきたらとにかくクリーチャー。フィジカルの強さはいつも通りで、攻撃してくるこいつをまともなコンバットで葬り去る手段はまず無いといっていいだろう。時たま残骸と一緒に漂着しちゃうかもしれないのはご愛嬌。そして忠誠能力では能力付与を行い、大抵は味方に警戒をつけて相手ターン中に自分を守ってもらうんだろうか。一応最後は激おこプンプン丸で相手パーマネントを薙ぎ払う奥義も持っているが、できれば使わずとも勝てるような試合になってほしいもんである。唯一の難点は身を守る手段があまり用意されておらず、相手ターンにはクリーチャーではいられないので今まで以上にディフェンスが脆いこと。警戒付与を活用してそのあたりの脇の甘さがフォローできればマジキチ白ビートが狙えるかもしれない。どこまでいっても騎士じゃなくて兵士なので「べナリア史」と共闘しないあたり、頭の固さがむしろチャームポイントである。
 
 
ギデオンの犠牲 Gideon’s Sacrifice (W) C
インスタント
あなたのコントロールするクリーチャーかPWを1体選ぶ。このターン、あなたやあなたのコントロールするパーマネントに与えられる全てのダメージは、代わりにそのパーマネントに与えられる。
 ギデさん……。なるほどなぁ、そういう展開なぁ……。リリアナに対し、「契約した悪魔全員倒して安心してたかもしれんけど、契約書ちゃんと読みや、その後は自動的に債権者がオレになるようになってるで」という闇金ウシジマ君みたいなあくどいことをやってのけたボーラス。リリアナさんはその契約書を盾にボーラスに従わされていたわけだが、最後の最後で、ギデオンが借金の肩代わりを申し出る。ものの見事に借金で火だるまになったギデオンが力尽き、リリアナさんは債務整理をはたして綺麗な身になった、というシーンである。ギデさんは自分の命が長くないことを悟った上で、最後に自分の命を一番有効利用出来る手段としてこの肩代わりを行ったんだろうなぁ……ほんと、最後の最後まで白一色の男だったよ……生前のリリアナとの関係性を思い出すだに、涙が止まりません。というわけで、そんなギデオンの尊い犠牲は「最下層民」で表現された。まず間違いなく身代わりになったクリーチャーは死ぬ。つまりカード2枚を消費しての技になるのはほぼ間違いない。その状態でも,全軍にダメージ回避のバリアが張られるのは大きな効果だ。全軍アタック時、敵の総攻撃のブロック時、PWを守る窮余の一策などなど、使い道は多岐にわたる。犠牲になったクリーチャーが死にゆく時には哀悼の意を忘れずに。間違っても破壊不能クリーチャーに使うなんて興ざめなことはしないように(オレはするけど)。ちなみに、効果が有効なのは身代わりクリーチャーが生きている間だけなので、適当な火力なんかで先に退場させられると盾は効力を失うので注意すること。
 
 
ギデオンの勝利 Gideon’s Triumph (1)(W) U
インスタント
対象の対戦相手はこのターンに攻撃かブロックしたクリーチャーを1体生贄に捧げる。あなたがギデオン・PWをコントロールしているなら、そのプレイヤーは代わりにそれらのクリーチャー2体を生贄に捧げる。
 顔悪すぎない? 確実に悪役じゃん。さすがはチンピラあがり。生贄を要求するタイプの除去であり、白なので一応レンジストライク風の制限を設けて戦闘に関与しないクリーチャーは触れないようになっている。まぁ、この効果で2マナならそこそこコストなので問題なく使っていけるだろう。そしてギデオンが絡むと突然アド狙いの爆弾スペルに変わる。ギデオンを除去しようと必死に殴ってくる相手を嘲笑い、心を折る完璧な組み合わせ。っていうかマジで3ターン目ギデオンから4ターン目にこれを構えられたらギデオン1人に蹂躙されて終わりそうな気がするんだけど大丈夫か。ちなみに、同系統の呪文とちがって「このターンに戦闘に関わっていた」という事実があれば第2メインフェイズ以降でも問題なく使える。これまでの呪文だと「攻撃orブロッククリーチャー」と書かれていることがほとんどで、そうした属性は戦闘が終わると消えていたのだ。細かい違いだが、第2メインでギデオンを出してから唱える、なんてプレイングも可能なので注意するに越したことはない。
 
 
永遠神オケチラ God-Eteranl Oketra (3)(W)(W) M
伝説のクリーチャー・ゾンビ、神
3/6 二段攻撃
あなたがクリーチャー呪文を唱えるたび、4/4で警戒を持つ、黒のゾンビ・戦士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
〜が死亡するか戦場から追放領域に置かれたとき、あなたはそれをオーナーのライブラリの上から3番目においても良い。
 永遠神サイクルのオケチラさん。当時はそのあまりの神々しさにギデオンが惚れ込み、「いやぁ、アモンケット最高やな、よっしゃ、試練やるで試練」と訳のわからないテンションを上げまくっていた罪な人(神)。そんな彼女はゾンビになってもなお美しく、3/6の安産型ボディに二段攻撃のパッケージは変わらない。まぁ、そこはそんなに強いアピールポイントではないのだが、タフ6は神サイクルの中でもトップレベルに死ににくいのは素直にありがたい。そして、ずっしりと場に残れば、次のターンからはいよいよ祭りが始まる。かつて「オケチラの碑」は全自動で戦士トークンを生み出す生産性の高さから構築にまで食い込んだナイスカードだったが、今回はオケチラさん自身のトークンがノーコストになった。そして出てくるのは4/4ゾンビ、つまりかつて「破滅の刻」で出てきた「永遠衆」に近い性質。なぜか警戒まで付いているのはやりすぎ感がある。とにかく出して除去られなければ勝てるという神クオリティ。新たな時代のオケチラデッキの誕生なるか。
 
 
奉謝の亡霊 Grateful Apparition (1)(W) U
クリーチャー・スピリット
1/1 飛行
〜がプレイヤーかPWに戦闘ダメージを与えるたび、増殖を行う。
 色が変更された「かき鳴らし鳥」。さらに環境に適応するため、ダメージを与える対象がPWでもよいという条件緩和が施されて純粋にパワーアップした。「かき鳴らし鳥」はその後モダンマスターズでも再録されて増殖戦術の要となった1枚。今回も数多くのカードと雑にシナジーを形成し、2マナとは思えない活躍を見せてくれるに違いない。こうして自然に同じキーワードでも色が変更されていると、開発側もなかなか面白いデザインを考えるもんだと感心する。
 
 
狼煙上げ Ignite the Beacon (4)(W) R
インスタント
あなたのライブラリから最大2枚までのPWカードを探し、それらを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。
 アジャニさんの大号令より、いろんな人たちがエイエイオーすることで団結する呪文。PW用のチューターは過去に「ゲートウォッチ招致」があったが、こちらの特徴となるのは一気に2枚サーチしてアドバンテージまで稼げちゃうこと、そしてチューターにしては珍しくインスタントで引っ張れちゃうこと。5マナと投資額はそこそこだが、なるほど決定打となりそうな1枚である。これでもってテフェリーへの接続法が増えたことでハッスルするデッキもげんなりするデッキもたくさんありそうだ。まぁ、5マナのスロットにどれくらい余裕があるかは定かじゃないが。
 
 
鉄覆いのクロヴァド Ironclad Krovod (3)(W) C
クリーチャー・ビースト
2/5
 「市場のクロヴァド」に続く史上2体目のクロヴァド。ちなみにクロヴァドはラヴニカ特産のビーストのようだが、どんな生き物なのかはよくわからない。牛っぽいけど、性質としては「割と温厚でやたらでかい」。さて、今回のクロヴァドは圧倒的にバニラ。「市場」に比べると1マナ軽くなり、能力がなくなった形。最近のクリーチャーでいえば「従順な召使い」の種族変更再販。あちらはアモンケットのゾンビだったのでメリット持ちだったが、今回はほんとのほんとにバニラ、バーニラバーニラ。こういうクリーチャーが収録されている時点で製作チームが環境を遅くしようとしていることがよくわかる。がっしり構えてPWで調整する、そんな世界になるのかどうか。基本的に、増殖持ちチーム(白緑)の方が動員持ちチーム(黒赤)よりも長期戦では有利な気はする。
 

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アショクの潜伏者 Ashiok’s Skulker (4)(U) C
クリーチャー・ナイトメア
3/5
(3)(U):〜はこのターンブロックされない。
 アショクが生み出した悪夢の具現化。なんか見た目がアショクさん本人に似てる(頭ぱっかーん)のだが、イメージはご本人なんだろうか。コモンなのでシンプルな仕上がりだが、タフネス5の壁をこなしつつ、終盤にはクロックにもなるという両面作戦は役割がわかりやすくてそこそこ使える。他のシナジーがないのは残念だが、これがあれば相手PWの処理がそれなりに可能になるので、ダメージソースの乏しい青では他に替えの効かない1枚になるかもしれない。あとはこのコストがのんびり払えるくらいの速度の環境になるかどうかだが、多分、なりそう。みんなPWは使いたいだろうしねぇ。
 
 
ボーラスの占い師/Augur of Bolas(M13)」 U
 ボーラスさんの活躍を彩るにふさわしい再録カード。非常に渋い活躍を見せた名脇役であり、今後もコントロール系のデッキでは一応検討してみるといいかもしれない。
 
 
エイヴンの永遠衆 Aven Eternal (2)(U) C
クリーチャー・ゾンビ、鳥、戦士
2/2 飛行
〜が戦場に出た時、動員1を行う。
 白に続けて青にもコモンで3マナ2/2フライヤーが。どんな環境でも白か青には2/2フライヤーがいるものだが、2色揃って3マナ域でぶつけてきたのは珍しい気もする。さて、「信頼あるペガサス」とどちらがより活躍できるか。幸い、二者のお仕事は全く方向性が違っており、こちらのエイヴンはシナジーを固めて動員デッキにした時に輝くタイプ。3マナコモンで2/2飛行と1/1が手に入るっていうだけでもすでにオーバースペックなのだから、ここにさらに動員シナジーを導入できれば、場に出た時の一仕事の旨味も増すだろう。こうしてみると今回の青白はめっちゃコモンが充実している気もするのだが、他の色も軒並みグレードをあげているからなぁ。
 
 
洞察の絆 Bond of Insight (3)(U) U
ソーサリー
各プレイヤーは自分のライブラリを上から4枚墓地に置く。あなたの墓地にある、最大2枚までのインスタントやソーサリーカードを手札に戻す。〜を追放する。
 2つのギルドが手を結ぶ絆サイクルの青。こちらはイゼットとディミーアが力を合わせる。どちらも「知ること」への情熱溢れるギルドだけに、探求にかける熱情は並び立つようである。まぁ、アプローチは全然違うけども。そして、何ともいびつなこの組み合わせから、不思議と意味のある文脈の呪文が完成しているのが面白いところ。ライブラリを削る部分がディミーア。効果を考えれば自分のライブラリだけ掘り進めばいいのだが、ついでに相手まで削っているのは実にディミーアらしい。そしてそこからインスタント・ソーサリーを手に入れアドバンテージを獲得するのがイゼット。効果としては「深海からの引き寄せ」が近いが、インスタント2枚やソーサリー2枚という組み合わせも可能なので汎用性は高い。「強行/突入」のように最初に対象を選ばず、選択肢を増やしてから回収できるのでヒット率が高いのもありがたいところ。一応協力している風だけど、最終的には圧倒的にイゼット支援呪文だな。
 
 
無神経な放逐 Callous Dismissal (1)(U) C
ソーサリー
対象の土地でないパーマネントをそのオーナーの手札に戻す。
動員1を行う。
 「分散」に動員付き?! 激つよコモンやんけ! って驚いてよく見たらソーサリーだった。まぁ、そりゃそうか。青いプレイヤーになるとソーサリーってだけでがっかりして放り投げてしまう人もいるが、いやいやそんなに邪険にするもんじゃない。カウンター乗せまくり世界になったこの環境ではバウンスだって疑似的な除去みたいな働き。というか軍団トークン相手だったら完全除去だもの。それだけで充分使えるし、バウンスに攻めの手筋である動員がついたことで攻撃時はよりアグレッシブに、守る時には矛と盾の同時展開に使えるので決して無駄になることがない。歴代のソーサリーバウンスの中では優先度の高い1枚になっていると思う。どんなライバルがいたかあんまり覚えてないけど(「逆巻く渦」とか好きでしたね)。
 
 
終局の始まりCommence the Endgame (4)(U)(U) R
インスタント
この呪文は打ち消されない。
カードを1枚引き、その後動員Xを行う。Xは、あなたの手札の枚数に等しい。
 ボーラスさんのドリームの結実たる映像。改めて考えると、「力が欲しい、世界が欲しい、この世の全てを我が物にしたい」っていうシンプルな征服欲って、今のご時世では割と貴重な存在だよな。しかもこの人(竜)は生まれたばかりの時の兄弟できゃっきゃしてる様子なんかも暴露されてしまってるので、なんかそのわがままっぷりがちょっとお茶目で憎めない。退場されるとちょっと寂しいので、できれば今後もちらちらと顔をのぞかせる存在になってほしいもんである。さておき、そんなボーラスさんの念願が、6マナ2ドローという大したことのない効果で表現されている。もちろんそこで呪文は終わらず、その後「マロー」的な軍団トークンも生成する。サイズの最低値は2、そして多分もうちょいでかいだろうから、平均して「2ドローと瞬速持ちの4/4とか5/5とかその辺のクリーチャー」という呪文になる。まぁ、強いか。動員デッキなら当然決め技になり得るだろうし、単なる確定ドローソースとしての運用もなくはない。いっそこれだけが勝ち手段のコントロールなんてのも面白いかもしれない。
 
 
論議を呼ぶ計画 Contentious Plan (1)(U) C
ソーサリー
増殖を行う。
カードを1枚引く。
 アドを失わずに最も着実に増殖を行う基本のキ。かつての増殖環境であるミラディンには3マナインスタントの「着実な進歩」があったので、この設定は極めて普通。こうしてみると、ボーラスカラーに敵対する白と緑が増殖の中心ではあるが、動員を駆使する青の中にも増殖は紛れ込んでいる。どちらもやっちゃうあたり、相変わらず青の抜け目なさよ。ついでに2マナキャントリップなので一切増殖する気がなくてもスペルカウントの増加に活用できたりも。
 
 
造反者潰し Crush Dissent (3)(U) C
インスタント
対象の呪文を、そのコントローラーが(2)を支払わない限り打ち消す。
動員2を行う。
 変な方向におまけを尖らせた面白そうなカウンター呪文。4マナもかかってるのに2マナしか要求しないとなるとやや不安にも見えるが、実際にはきちんと噛み合えば2マナの要求でも充分カウンターとしては機能する。相手の動きを見て、4〜5ターン目のホットスポットとなるアクションを阻害しつつ、2/2を残してきっちりアドバンテージが稼げるなら悪くない1枚だ。最悪の場合でも動員は解決できるのだから、完全な無駄カードになるタイミングもそこまで多くないだろうし。一応、何か対象になる呪文がないと打てないため、相手が何もしてこない時には動員出来ないっていうのは弱点なのかな。さすがにこれで自分の呪文打ち消すわけにもいかんしなぁ。
 
 
突飛な幻想家 Erratic Visionary (1)(U) C
クリーチャー・人間、ウィザード
1/3
(1)(U)(T):カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
 ルーター。どこをどう見てもルーター。最近のルーター事情を鑑みれば起動コストが2マナというのも納得できる範囲だろうか。こうしてみるとやっぱり「評議会のギルド魔道士」って超強かったのだし、それを超える「マーフォークの物あさり」たちはバランスブレイカーだったんだな。いや、別に当時ならそこまで壊れてるとは認識されてなかったけど。先輩ルーターたちと比べると際立っているのはやはりそのタフネスの高さだろう。2マナタフネス3の壁として最低限の仕事をこなしつつ、マナがあまり出した中盤以降にルーター業務に入るという構造は理にかなっている。いや、そりゃ序盤から起動できれば最高なんだけど、そこは無い物ねだりってもんだ。

 

 


永遠衆の天空王 Eternal Skylord (4)(U) U
クリーチャー・ゾンビ、ウィザード
3/3
〜が戦場に出た時、動員2を行う。
あなたのコントロールするゾンビ・トークンは飛行を持つ。
 お前は飛ばんのかい。普通こういうクリーチャーって自分も飛んでる気がするんだけど……あくまでこいつは司令官ポジションということらしい。そう考えるとデフォルトで与えられる戦力は3/3地上と2/2飛行。まぁ、5マナならこれでもかなり強い。そして当然、動員なので最終的なサイズはもっとでかくなる可能性が高い。事前に2/2の軍団がいれば4/4フライヤーがいきなり殴ってくることになる。他の環境にたまにいる「天空の先達」みたいなクリーチャーが1ターンだけ+2して飛ばすだけでも相当強いが、こいつがいればそのフライヤーは永遠にフライハイ。確かに自分が飛ぶ必要はないな。もちろん、でかい軍団飛行が殴ったところでこいつを除去されて涙のフォーリンダウンもお約束。ご注意めされよ。

 


 
迷い子、フブルスプ Fblthp, the Lost (1)(U) R
伝説のクリーチャー・ホムンクルス
1/1
〜が戦場に出た時、カードを1枚引く。それがあなたのライブラリから出たか、ライブラリから唱えられたものであるなら、代わりにカードを2枚引く。
〜が呪文の対象になるたび、〜をオーナーのライブラリに加えて切り直す。
 マローは常々言っている。「プレイヤーがカード化してほしいと思っているキャラクターをいつか必ずカードにしたいと思っているのさ」と。実現したね……「ギルド門侵犯」の「道迷い」で初登場し、その独特の風貌と名前でなぜかラヴニカのマスコットキャラクターにまでのし上がったホムンクルス、フブルスプ君。その後もラヴニカが題材になると必ずどこかのイラストに登場するなど、がっちりファンのニーズに応えた対応がなされてきたが、この度満を辞してのカード化である。しかし、フブルスプ君のどのような個性をカードに表現すればいいものか? 別に腕力もなければ特に賢いわけでもない。スクイーのように不死身だったりもしない。そんな奴がカードになっても強いはずが……いや、この感覚を我々は知っている。そう、「二の足踏みのノリン」のカード化だ。あいつだってさっぱり強くないのに個性的なレアとして仕上げられ、いつの間にか活躍の場まで与えられていた。同じ方向性でフブルスプ君に能力を与えるなら……「めっちゃ迷う」。すぐにいなくなるし、とんでもないところからぽろっと出てきたりする。迷いすぎやろ。そんなフブルスプ君を見つけることができたら発見ボーナスとしてカード1枚。そして、難度の高い場所から見つけ出したらボーナスは倍だ。さぁ、頑張って探そう。難度の高いライブラリ召喚だが、現在なら例えば「実験の狂乱」で出せばいい(まぁ、2ドローしても意味ないけど)。他にも今回は「ビビアンのアーク弓」なんてカードも登場しているし、探してみれば色々なルートがあるはず。さぁ、みんなで迷ってみよう。
 
 
啓示の終焉 Finale of Revelation (X)(U)(U) M
ソーサリー
カードをX枚引く。Xが10以上であるなら、代わりにあなたの墓地をライブラリに加えて切り直し、カードをX枚引き、最大5枚までの土地をアンタップし、残りのゲームの間、あなたの手札の枚数の上限はなくなる。
〜を追放する。
 アホみたいな効果を発揮する「終焉」サイクルの青は当然カードを引く。普通に使うと完全に「思考の泉」と同じ。それだけでも決して悪いことはないが、現在は似たようなコストからX/Xのクリーチャーを担ぎ上げる上にカウンターされても引けるカードがあることを考えるとちょっと物足りないか。そうなるとやっぱりX>10を狙うことになるが、ボーナスの方がやや迂遠で、撃った上で次のターンが回って来ずに負けてしまうパターンが他のサイクル呪文に比べて高い。どうせなら土地全部アンタップなら気が狂っていて楽しかったのだが……まぁ、普通に使っても悪くないってのが売りなので、ソーサリーでの隙を許容できるデッキなら。ちなみに、イラストではウギンがどうやってか分からないが「ボーラスの瞑想領土」へと侵攻してボーラスを打ち崩す契機を生み出した様子が描かれている。さすがのウギンさん、不滅の太陽の効果を打ち破ったのか、他の誰かが事前に壊してくれたのか。
 
 
流束の媒介者 Flux Channeler (2)(U) U
クリーチャー・人間、ウィザード
2/2
あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、増殖を行う。
 イゼット的増殖サポーター。当時を経験している人なら知っているだろうが、増殖はそれ単体では役に立たないものの、準備さえすればかなり破壊的な能力。何しろ置くカウンターの数がどれだけ増えようともそこにかかるコストが一定であり、パーマネントが増えれば増えるほどにその脅威は増していく。こちらのウィザードは3マナで設置、イゼットエンジンで増殖だが、昨今のイゼットフェニックスなどで周知の通り、このエンジンは回そうと思えば1ターンにいくらでも捻出できるギミックである。これと数枚のPWで構成された「イゼットフレンズ」なんていうコンボデッキが生まれてもおかしくない。最低限、暴勇や順応持ちのクリーチャーなんかと絡めておけばクリーチャーサイズを爆上げすることもできるんだし。
 
 
永遠神ケフネト God-Eternal Kefnet (2)(U)(U) M
伝説のクリーチャー・ゾンビ、神
4/5 飛行
あなたは各ターンに最初にカードを引くに際し、それを公開しても良い。この方法でインスタントかソーサリー・カードが公開されるたび、そのカードをコピーし、あなたはそのコピーを唱えても良い。そのコピーを唱えるためのコストは(2)少なくなる。
〜が死亡するか、戦場から追放されたとき、〜をライブラリの上から3番目においても良い。
 永遠神サイクルのケフネト様。生前の姿からは若干パワーが下がったが、相変わらずアドバンテージを取りに行く姿はどこまでも貪欲。事実上ライブラリのトップからインスタント・ソーサリーを唱えて追加ドローしてるような状態なのでイメージとしては「前知の場」が動き出したようなもんだ。出た瞬間には何もしないし、ライブラリ次第なのでムラはあるが、そのぶん4マナ4/5飛行が一切のデメリットなしで手に入ってしまうという節操のないボディが「能力なんていらんやん」と過剰なサービスをお届けしてくれる。こいつがいれば多少コストのでかい呪文でも唱えやすくなるし、ややこしいシナジーを狙うこともできるかもしれない。まぁ、カウンターとかマナソースとかめくっちゃうとしょんぼりではあるのだが。まぁ、一言でまとめると「イカれ性能」。

 

 


神秘を操る者、ジェイス Jace, Wielder of Mysteries (1)(U)(U)(U) R
伝説のPW・ジェイス
あなたのライブラリにカードがない状態であなたがカードを引くなら、代わりにあなたはゲームに勝利する。
<+1>:対象のプレイヤーは、自分のライブラリを上から2枚墓地に置く。カードを1枚引く。
<-8>:カードを7枚引く。その後、あなたのライブラリにカードがないならば、あなたはゲームに勝利する。
【4】
 なんだかとっても“謎めいた”コストを持ったジェイス。そしてその能力も思いっきり謎めいており、せっかくの里帰り(?)だというのに、何を思ったのかその身に「研究室の偏執狂」を宿して戻ってきてしまったのである。ボーラスからのあまりのプレッシャーに壊れてしまったんだろうか? まぁ、4マナで設置してその後は毎ターンコストなしで追加ドローなのだからドローエンジンとしては普通に強かったりするので、リミテッドなら(色が合えば)ありがたく使わせてもらおう。もちろんライブラリWINは狙ってみたくなるが……いや、リミテなら大人しく対象は相手にしといたほうがいいと思うよ……。ちなみに、奥義の方の勝利能力は常在型能力とほとんど被っているのでわざわざ追記する必要もない気がするのだが、一応、上の能力だと「ライブラリがない状態で引こうとしたら勝ち」で、奥義の方は「7枚引いて、その後でライブラリがなかったら勝ち」なので、ライブラリがぴったり7枚の時に起動したら勝利がちょっと早まる。ほんとちょっとだけだが。

 

 


ジェイスの勝利 Jace’s Triumph (2)(U) U
ソーサリー
カードを2枚引く。あなたがジェイス・PWをコントロールしているなら、代わりにカードを3枚引く。
 勝利サイクルのジェイス。そらジェイスだって勝つんですよ。そしてこのシンプルな仕上がり。何もしなければ単なる「予言」。アンコモンのくせに「は? 舐めてんの?」てなもんだ。しかしジェイスがいると突然の「集中」。「え? 入れないデッキとか存在すんの?」ってレベル。カード1枚で、世界はこうも変わるのである。ただ、普通に考えると「ジェイスがいるんだったら多分アホみたいなアドバンテージはジェイスがすでに提供してるのではないか」っていう疑惑がある。そこまでしてカードを引きまくりたいのかどうか。え? イクサランジェイス? あー、でもあいつに「勝利」の二文字はふさわしくないよなー、フードじゃねぇしなー。
 

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負傷者の手当て Aid the Fallen (1)(B) C
ソーサリー
次のうちから1つまたは両方を選ぶ。
「対象の、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを手札に戻す」
「対象の、あなたの墓地にあるPWカードを手札に戻す」
 手軽にアドが稼げる優良回収呪文。この手「セットでフィーチャーされてるものをクリーチャーのついでに回収する」パターンもすっかりおなじみで、土地がテーマのゼンディカーなら「不気味な発見」、アーティファクトテーマのミラディンなら「倒れし者の記憶」といった具合だ。どのカードもそこまで大活躍といった印象はないのだが、今回は回収できるカードがPWという影響力の大きなジャンルなので侮れない。アンコモンのPWは積極的に使い潰すムーブが可能なので、それらの消耗戦を見越して採用すれば大きなリソースアドバンテージにつなげられるかもしれない。
 
 
破滅犬 Banehound (B) C
クリーチャー・ナイトメア、猟犬
1/1 絆魂 速攻
 ふむ、意外な方向から時代は進化を続けるものだ。感覚的にもわかる気がするが実はデフォルトで絆魂と速攻を併せ持つカードというのは過去にほとんど例がない。一応確認してみたが、正統な状態でこれを持っているのは「ラクドスの激怒犬」の1体だけ、単色には存在していない。何故今までほとんど例がなかったかといえば、やはりそこはフレーバー的な領域の差があるからだろう。例えば速攻は赤が中心の能力で、獰猛さ、凶暴さの表れである。対して絆魂は白と黒が1種色で、どちらかというとねちっこさや周到さ、宗教的正当性を主張する意味合いが強い。この2つの意味合いを持つクリーチャーってのはなかなか存在しなかったのだ。しかし、システム的には黒も速攻は使える色なので、黒クリーチャーがこれを単色で持つことは理論上可能なのだ。そこで今回、なんの変哲も無いコモンの猟犬がこれを持つことになった。猟犬なんだから素早いのは当然だし、ナイトメアなのでなんか不気味な能力を持っててもいいだろう、って話。一応、地底街にいるお化け的な立ち位置のクリーチャーらしい。さぁ、この新機軸をどのように扱っていくか。先攻なら確実に1ターン目に2ライフのアドバンテージが得られるのはちょっと嬉しいが、それだけではやはり1マナ域としてもやや弱い。ライフゲインでなんらかのシナジーが見込めるデッキ向けか。
 
 
鮮血の刃先 Bleeding Edge (1)(B)(B) U
ソーサリー
最大1体までの対象のクリーチャーは、ターン終了時まで−2/−2の修正を受ける。動員2を行う。
 単体除去+クリーチャー。サイズはやや小ぶりだが「皮裂き」や「残忍なレッドキャップ」クラスと考えれば一応構築級の可能性すらある1枚と言える。まぁ、動員がそこまで陽の目を見るかと言われると微妙ではあるのだが。他の動員呪文と違って、こいつは対象を取らずにトークンだけ出したい場合もケアされているのがちょっと優しい。いざとなったら単に3マナで2/2を出したり、カウンター2つ乗っけるだけでも弱くはないんだよな。なお、対象を1体とったらその時点で「フィズらされて動員できない」という可能性も生まれることには注意。もしかしたらその辺の駆け引きも含めての設定なのかもしれない。
 
 
ボーラスの城塞 Bolas’s Citadel (3)(B)(B)(B) R
伝説のアーティファクト
あなたは、自分のライブラリのトップをいつでも見て良い。
あなたはライブラリのトップのカードをプレイしても良い。あなたがこの方法で呪文を唱えるなら、そのマナコストではなく、その呪文の点数で見たマナコストに等しいライフを支払う。
(T)、土地でないパーマネントを10個生贄に捧げる:各対戦相手は10点のライフを失う。
 だいぶ無理をやらかしている危険な匂いのする1枚。なにしろ「ライブラリの上から唱え放題」と書いてある。「未来予知」のコストが(2)(U)(U)(U)だったのだからこちらも納得のコスト。そして、この新たな未来予知はなんと唱えるのにマナが一切必要ないという。なんだそれ。もう、チート以外の何物でもない。ただし、当然ボーラスさんの黒いカードがそんな甘えを許すはずもなく、「マナじゃなくてライフで払え」である。いや、それボーラスの御技というよりもファイレクシアの所業なのでは……。この効果を「えっ、ライフでしか払えないの? そんなのすぐ死ぬじゃん」と考えるか、「えっ、マナ払わなくていいの? 軽い呪文なら連打し放題じゃん」と捉えるか。下の環境の「むかつき」系デッキはすでに完成をみているわけで、ギミックとしては同じ運用が可能なはずだ。ただ、こちらのカードの場合はトップに土地が続くとチェインが止まってしまうというリスクはあるが。シャッフル手段などと併用して一気にライブラリを展開しきり、大量の0マナ、1マナのカードから相手のライフを吸い尽くす新たなデッキが誕生するかどうか。6マナの置物はちょっと厳しいかなぁ。それにしてもボーラスさん、都市次元のラヴニカにそんなダイレクトなアモンケット風建築を引っ張り出さんでも。
 
 
蘇生の絆 Bond of Revival (4)(B) U
ソーサリー
対象の、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを戦場に戻す。それはターン終了時まで速攻を得る。
 2つのギルドが手を組む結束サイクルの黒は、ラクドスとゴルガリのタッグ。そもそもラクドスがどっかのギルドと提携しているイメージが全く湧かなかったのだが、確かに「死」の扱いについては共通する部分も多いのか。ラクドスにとっての死は歓楽の一部であり、ゴルガリは生命の循環の一部。決して死を厭わないその姿勢がこの呪文に現れた。速攻付与が確実にラクドスで、いわゆるリアニは一応ゴルガリ的領分だが、まぁ、ラクドスも割とやるので、呪文全体としてはラクドスっぽい。「ゾンビ化」+速攻でプラス1マナなら「まぁ、こんなもんか」というコストである。どうせならこの環境っぽくPWも釣れるようにしてくれれば強かったのだが
 
 
募金取り Charity Extractor (3)(B) C
クリーチャー・人間、騎士
1/5 絆魂
 「ウッザッッ!」って思ったら案の定オルゾフ出身でワロタ。これだけの大惨事にあってもただひたすらお布施をねだってくるあたり、本当にブレないのがラヴニカ民の素晴らしいところ。きっと彼も、戦慄衆と戦いながら小数点第6位までの金利計算を行なっているに違いない。さておき、「4マナでタフネスが5もあって絆魂持ちのクリーチャー(デメリットなし)なんて流石に過去にいなかったよな……」と思って調べたら、なんと存在していた。「ロウクスの信仰癒し人」である。あ〜、確かにいた気がするけど……基本セットのレアとか印象が薄いにもほどがあるわ。というわけで、残念ながら上位種が存在するので唯一無二ではないが、コモンでこれだけのウザさを発揮できるのは文句なしのオンリーワンであろう。自分から殴ろうなんて意思は微塵も感じられないが、ブロッカーとして立ちはだかればパワー4までをがっちり受け止め、さらにライフレースを有利に進めてくれる。こんなに頼りになる壁もなかなかおるまい。ローリスクでライフが稼ぎやすくなるので、「アジャニの群れ仲間」が引けた時には優先して集めてみてもいいかもしれない。
 
 
戦慄衆の指揮 Command the Dreadhorde (4)(B)(B) R
ソーサリー
好きな数の対象の、墓地にあるクリーチャーカードやPWカードを選ぶ。〜は、あなたにそれらのカードの点数で見たマナコストの合計に等しい値のダメージを与える。それらのカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。
 リリアナさんの一発逆転シーンを描いた劇的なソーサリー。フレーバーにはその大きな功績の代償として痛みを伴っていたと書かれているが、なるほど効果も実に痛い。マナコスト分のライフを失うのは「むかつき」なんかにも搭載された黒らしいギミックで、効果を大きくしようと思えばダイレクトにダメージになって返ってくるのがわかりやすい。6マナの呪文を唱えるタイミングということは、それなりに試合も進んでライフも厳しくなっている頃合いだろう。この呪文で見境なしにライフを支払って一発逆転、なんてのはなかなか難しい。しかしそこはそれ、Magicならば抜け道はいくらでも。わかりやすいのはライフを回復するカードを墓地から釣り上げる方法だろう。個人的には最初に浮かんだのが「ノールリッジの裁き人」なんだけど、なんでそんなマイナーなカードを思い出したのかは謎。あとは思いっきりライフを払って「鏡の大魔術師」を釣り上げるなんてのも面白い。まぁ、誰がそんなデッキ組むんだって話はおいとくとして、現実的な使い道を考えるなら、0マナ、1マナのクリーチャーを大量に送り込んで全部引っ張り上げる方法だろうか。案外ウィニーで組んでおけば死なない程度のライフ損失で大展開も可能かもしれない。その中に「死の影」が混ざってたりするとおしゃれ。誰か「Death and Command」ってデッキ組んでみませんか?
 
 
はぐれ影魔道士、ダブリエル Davriel, Rogue Shadowmage (2)(B) U
伝説のPW・ダブリエル
各対戦相手のアップキープの開始時に、そのプレイヤーの手札が1枚以下であるなら、〜は2点のダメージを与える。
<-1>:対象のプレイヤーは手札を1枚捨てる。
【3】
 新入りPW組。こちらの黒い人は小説版か何かで登場しているらしく、他の黒いPWであるニク様なんかと違って、割と冷静で話のわかるキャラらしい。まぁ、やってることはやっぱりあくどいけど。その身に宿しているのは「拷問台」の系譜を継ぐ持たざるものをいじめるギミック。「手札1枚以下」でトリガーするので「金切り声の苦悶」が一番近いが、効果はややマイルドになっている。もちろんダメージ能力がマイルドなのは自分自身で手札を削る能力を持ち自己完結できる強さがあるため。そのまま使うと忠誠度3は心もとなく、フル回転させても2枚落とすのがせいぜいだが、3マナで手札2枚を落としつつ、その後恒常的にダメージを与える可能性があるのだから、考えようによっては「荒廃稲妻」以上の効率ともいえる。今後の黒系コントロールで運用されるかどうかは注目したいところだ。惜しむらくは、伝説なので複数枚並べられないこと。下の環境なら同種のカードと併用してハンデス効果をフル活用したい。

 


 
ダブリエルの影忘 Davriel’s Shadowfugue (3)(B) C
ソーサリー
対象のプレイヤーは手札を2枚捨て、2点のライフを失う。
 ダブリエルさんの使う技は当然ハンデス。そしてこちらもダメージとのパッケージになっているので首尾一貫している。「荒廃稲妻」と比べるとマナ効率も悪いのだが、まぁ、超構築級の呪文と比較しても仕方がない。そこそこの邪魔にそこそこのダメージ。まぁ、こんなもんか。環境が遅くなるなら使えるかもしれないが、構築ならやっぱりアングラスさんの方が手広いんだよなぁ。
 
 
悪への引き渡し Deliver Unto Evil (2)(B) R
ソーサリー
あなたの墓地にある対象のカードを最大4枚まで選ぶ。あなたがボーラス・PWをコントロールしているなら、それらを手札に戻す。そうでないなら、いずれかの対戦相手はその中から2枚を選ぶ。選ばれなかったカードをあなたの手札に戻す。
〜を追放する。
 とりあえずイラストが愉快すぎる。最近のMagicでは非常に珍しい戯画的なデザインで、まるで初代ボーラスさんのような味わいがある。おそらくこれは現実のシーンじゃなくてボーラスさんの願望みたいな世界なんだろう。流石に今後の展開でこの4人がボーラスに傅く展開はなさそうだしなぁ。こうしてみるとジェイスはどんな描かれ方でも不審者やな。ちなみに英語名の「Unto」は「to」を表す古語とのことで、カード名にもなんだか古めかしさがあったりする。さておき、効果の方は単なる墓地回収呪文。そしてなぜか「けちな贈り物」システムを採用しており、通常状態では欲しい方から3番目と4番目のカードだけが回収できるようになる。「けち」なら好きな4枚を並べて「どれ取っても一緒やで」という提示が可能だったが、流石に墓地でそれをやるのは難しい。しかも墓地が4枚以上ないと2枚戻しすらできなくなってしまうので、使いこなすための下準備は色々大変であろう。一応「ボーラスの勝利」とでもいうべきギミックでボーラスさんがいれば爆アド確定になるが、全PWの中でも展開するのが大変なのがボーラスさんである。現在使えるのはハメ龍と新ボーラスの2枚。どっちが簡単かなぁ……。
 
 
戦慄衆の侵略 Dreadhorde Invasion (1)(B) R
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失い動員1を行う。
あなたのコントロールするパワー6以上のゾンビ・トークン1体が攻撃するたび、それはターン終了時まで絆魂を得る。
 「苦花」ギミックと動員を組み合わせた、いわば「動員花」みたいなカード。最初のターンの動きは完全に「苦花」で、1ライフを失ってトークンが1体出せる。そしてその後のターンはトークンのサイズが少しずつ増えていくことになる。流石にこの場合は「苦花」のように数が増えるほうが強そうなので、動員でちまちま1体のゾンビを育てていくのはそこまでの脅威とは言えないかもしれない。ただ、そうしたまだるっこしさを解消するための方策として、下にもう1つの能力であるライフのキャッシュバックが盛り込まれている。他の動員カードなども駆使してさっさとサイズを6以上に引き上げれば、支払ってきたライフは自分で取り戻せる。それなら、リスク無しのトークン育成法は確かに脅威となるかもしれない。下の能力の対象がトークンの「軍団」ではなくゾンビの方を参照しているのがひねってあるポイントで、動員がらみでなくてもパワー6を超えるゾンビトークンが用意できるなら、そちらの効果だけでも味わうことは可能。まぁ、「パワー6以上のゾンビトークン」なんてマニアックな品はなかなか他からも調達できそうもないが……。一応過去のカードで探すと「名誉あるハイドラ」が不朽能力で出すトークンがパワー6ゾンビだ。……シナジー?
 
 
戦慄猫 Dreadmalkin (B) U
クリーチャー・ゾンビ、猫
1/1 威迫
(2)(B)、他のクリーチャーかPWを生贄に捧げる:〜の上に+1/+1カウンターを2つ置く。
 まだ猫がいるのは嬉しいが、残念ながらこっちの猫はラゾテプで覆われているのであんまり可愛くない。生前は可愛かったのかもしれないけど、とてもじゃないけどこれじゃモフれないしなぁ。で、そんな猫の能力は死体喰らいである。先輩の「屍肉喰らい」と比べると、戦闘性能は向上したが代わりに食事にマナが必要になり、一気にカウンターが2つ乗せられるようになった。クリーチャー1体食べれば3/3威迫という充分サイズなのであまり小回りが効かないことは問題にならないだろうか。適当な軍団トークンをひとつまみして猫とは思えないサイズで突っ走れば細かいこともどうでもよくなる。そう、モフれないことなんて。
 
 
ダスクマントルの調査員 Duskmantle Operative (1)(B) C
クリーチャー・人間、ならず者
2/2
〜はパワー4以上のクリーチャーによってはブロックされない。
 たとえどんなに次元が荒れようと、いつも通りのお仕事をこなしてくれるディミーア家の皆さん。今更諜報活動が必要なのかどうかはよくわからんが、最終的な勝利にはもしかしたらディミーアの暗躍が関与していたのかもしれない。してないかもしれない。そして、ディミーアといっても最近は実にマッシブなのは前環境が証明した通り。こちらのご婦人も2マナ2/2と普通のステータスを持ち、相手次第では結構面倒な回避能力を持っている。かつてイニストラードにあった「潜伏」に似たブロック回避だ。パワー4以上なら相手にしなくていいのだったら、あとはパワー2とパワー3をどうにかすればいい、つまりタフネスを4以上にしてしまえば戦闘では無敵……ってわけにもいかないけど、まぁ、2マナクリーチャーにあまり仕事を任せすぎるわけにもいかないしな。最終手段として相手にカウンター乗せて防御網を突破、なんて展開もあるかもしれないぞ。
 
 
古呪 The Elderspell (B)(B) R
ソーサリー
任意の数の対象のPWを破壊する。あなたのコントロールするPWを1体選ぶ。この方法で破壊されたPW1体につき、忠誠カウンター2つをそのPWの上に置く。
 やべぇ呪文。なんとたった2マナで好きな数のPWを殺し放題。せっかく大々的にPWを売り出したセットでいきなりこんなスペルを送り出すとかどういう了見やねん、とは思うが、まぁ、レアだし、対応範囲が限定されているので構築レベルだとメインで入れにくいし。PWに比重を寄せたデッキは今後サイドからこういう目にあうかもよ、という新たなメタゲームの提案であろう。そして、この呪文が「自軍PWの育成」にも使えるというギミックが面白い。PWの奥義ってのは大体「ゲームに勝つ」と書かれているため、これまで忠誠カウンターを増やす呪文ってのは色々と制限が厳しかった。一気に2つ置ける「意趣返し」はかなり挑戦的な呪文だったはずだ。しかし、この呪文はそんな挑戦をもう一歩進めて大量得点を目指す。やろうと思えば、自軍に大量のPWを展開し、それらを虐殺して1体に戦力を集中させ、奥義を炸裂することができるのだ。こうなればやることは決まっている。とにかくPWを展開し、殺し、糧にする。つまりなるべく素早く展開できるPWがたくさん入っている方がいいな。ということは、史上唯一正規の形で2マナで出せるPWが大幅に強化されたと見て間違いないな? 悪鬼の時代がくるな?(手札を無作為に捨てながら)
 
 
永遠衆の監督官 Eternal Taskmaster (1)(B) U
クリーチャー・ゾンビ
2/3 〜はタップ状態で戦場に出る。
〜が攻撃するたび、あなたは(2)(B)を支払っても良い。そうしたなら、対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。
 なんと複数回の「墓暴き」が起動できるという夢のようなクリーチャー。「グレイブディガー」はリミテッドでは必須級のカードなわけで、それが恒常的に利用できるとなったら弱いはずもない……のだが、発動条件が攻撃宣言ってのはちょい厳しいし、必要なコストも相応。相手も当然こんな奴をのさばらせておくわけにもいかないのだから、何か策を講じない限りは1回目のアタックで確実に殺されることになるだろう。何故か基盤になっているのが「よろめくグール」、2マナ2/3とやたらガタイがいいので序盤の戦闘では死なないかもしれないが、そのタイミングだと墓地に死体がないので能力を起動できないっていう。まぁ、平均値以上の戦力に「うまくいけば強い」おまけ能力がついているのだから不満はないのだが。うまく回避能力をつければとんでもないアドバンテージマシーンにすることも可能かもしれない。ゾンビデッキでいじってみたい才能だ。
 
 
(永遠の終焉)Finale of Eternity (X)(B)(B) M
ソーサリー
最大3体までの対象の、タフネスがX以下であるクリーチャーを破壊する。Xが10以上であるなら、あなたの墓地にある全てのクリーチャー・カードを戦場に戻す。
 「終焉」サイクルの黒はかなり現実性のある除去呪文に仕上がった。こういうXの使い方はなんだか珍しい気がするが、X呪文のくせに対象は3体までと決まっており、効果範囲の拡大にXが使われている。正直これだけの効果でもそれなりに影響があり、ウィニー系のデッキならX=2くらいで撃って3体除去られたらかなりのペースダウンをしいられる。通常のクリーチャーデッキも5〜6マナでかなりの戦力が一方的に削がれることになるので、全体除去を使いたくない黒系のミッドレンジなどが相手だけを一方的に除去るのに重宝しそうである。Xが10を超えたら、まぁ、考える必要はない。こちらの呪文は、いよいよリリアナがボーラスさんの眼前に至って「ザマァwww」って言ってるシーン。もうクライマックスやんけ。
 
 
永遠神バントゥ God-Eternal Bontu (3)(B)(B) M
伝説のクリーチャー・ゾンビ、神
5/6 威迫
〜が戦場に出た時、好きな数の他のパーマネントを生贄に捧げ、その後、それに等しい枚数のカードを引く。
〜が死亡するか、戦場から追放領域に置かれた時、あなたはこれをライブラリの上から3番目においても良い。
 永遠神サイクルのバントゥさん。こちらはケフネトと違ってパワーが1点上がっているが、元が3マナと軽かったことを考えれば2マナの増加でこの修正は当たり前か。バントゥさんといえば、ボーラスの企みが明らかになったのち、アモンケット勢が不利とみるや「ヘヘッ、あたしはいつでも王神様の僕でやすから」とゴマをすろうとしたのにガン無視され、見事にぶっ殺されるというかわいそうな最期を遂げたわけだが、こんなとこでもう一回老醜を晒す(というか死醜を晒す?)ことになろうとは。その貪欲さは能力に表れており、味方だろうが何だろうが食ってさらってあるじ様のため。そういや生前から生贄にする能力持ってたっけな。場に出た時の一回しか使えないので微調整が難しく、「あってもいいけど」くらいの能力になってしまったか。まぁ、素体が強いから問題はないでしょ。ちなみに「地表形成師」とはハイパーコンボであるという報告が出ているが、実際にやりたい人がいるかどうかは不明。確かに土地サクれるのは悪くない特性なのか。
 

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