最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「タイムボカン 逆襲の三悪人」 5→6 健太のオールマイトネタの安定感は、ヒロアカさんサイドからして問題無いんですかね……今後オールマイトの活躍を見ても「スズッキーだ……」ってしか思われなかったら由々しき事態だと思うんですけど。ダー様とかさやかちゃんをみて「ビマージョ様だ……」は問題ない。正確には「キタエリ様だ……」っていうだけだから。 終わってしまうとなるととても惜しい作品なのである。この安定感はホントくせになるのよね。いや、くだらねぇのは間違い無いのだが、土曜の夕方特有のけだるい雰囲気のところに気合の入った全力アニメを叩きつけられるよりも、こうしたへなちょこ風味もありつつ、しっかりと噛めば味がする作品があるというのは適材適所。これに「クラシカロイド」も混ぜてやれば土曜日の体調管理もバッチリだ。同じ「なんとなく流し見する」でも、ヒロアカだとだいぶテンションが変わってしまうからなぁ(そしてクラシカロイドも終わるしなぁ)。 基本的には前シリーズと変わらない楽しみ方で良いのだが、今期はいくらか方向転換し、様々な偉人たちの豆知識を披露する教養番組(?)としての側面も持ち合わせている。大人からしても「へぇ」って思えるようなものもあったし、子供さんたちが歴史に興味を持ち、翌週の月曜日にちょっと話題にできるくらいのちょうどいいバランス。ヘンテコギャグ作品だったとしても、これなら親御さんたちも子供にアニメを見せていいかな、という気分にさせてくれる(多分)。まぁ、O−3の露骨な下ネタとかは意見の分かれるところではあるが……大丈夫、Oー3の中の人が超絶イケメンだとわかれば世のお母さんたちも納得してくれるよ(個人の見解です)。一時はビマージョ様たちの家庭問題がどれだけ闇を抱えた深刻なものなのだろうと固唾をのんで見守っていたこともあったが(あったか?)、オチはちゃんとギャグで締めてくれたしシリーズ全体の「ぼんやりしたストーリー」も安心安全だった。 次第に醸成されていく内輪ネタのノリもファンには嬉しい部分だし、時たまリミッターを外したような濃いパロディが盛り込まれてくるので我々のような視聴者も油断できない。全方位に思いっきり欲を見せるひどく阿漕な作品だが、それが成立しているのはタツノコアニメの長年の経験によるものなのだろうか。こうして時代に即して愛されるポジションを見つけられれば、今後もタイムボカンは安泰なのかもしれない。本当に綺麗に世代交代がキマった珍しい事例と言える。いや、どんだけ現代のお子さんたちに受けてるかは知らないけどね。みんなも、聞きかじった程度の話を得意げに披露するときは、この作品を参考にすればいいと思うよ。諸説アリ〜ババ。 PR 「ゆるキャン△」 5→6 第1話視聴時俺「なんで本読んだり飯食ったりゴロゴロするためにクソ寒い外でキャンプする必要があるんや。何でもかんでも可愛い女子高生がやればコンテンツになるわけでもなかろうに」。最終話視聴後俺「本読んだり飯食ったりゴロゴロするためにクソ寒いキャンプ場行ってみたいかもしれんなぁ。なんやこの5人の可愛さは。奇跡か」。 というわけで、コロリ転げたこの作品が今期の記念すべきゴール第1号である。いやぁ、綺麗な作品でしたね。タイトルに「ゆる」と書かれていることからもわかる通り、なんだかきらら系作品のイデアみたいな存在になっている。とにかくユルく、日常を延長しながら、さりげない「可愛い」と「面白い」で攻めてくるこの姿勢、過去のきらら系作品を並べてみればその達成の難度がわかるというものだが、見事にハードルを超え、1つの作品として結果を残した。 相変わらず、この手の作品は「なにがよかったのか」っていう部分を説明するのが難しいのだが……とりあえず映像面のポイントが高いのは間違い無いだろう。一時キャラ作画が怪しくなる回もあったのだが、それでもあまり気にならなかったのは、本作において「キャラの精巧さ」なんてものはさして重要でもないからだ。むしろ注目されるべきはキャンプ場全体の景色であったり、キャンプに不可欠なガジェット類であったり。そうした部分から「キャンプ面白いよ」オーラを醸し出すことにただひたすら邁進すれば、本作のオリジナリティは存分に発揮される。「わざわざ外に出て活動する」アニメなのだから、その景色が魅力的であれば、自ずとお話の方もついてくるというものだ。 そして、ありがちな「単なる萌えもの」ではありつつも、実はメインキャラの配置が他作品とは一線を隠しているのも注目に値する部分だろうか。一番のポイントは主人公であるなでしことしまりんの距離感。この二人、作中の全ての時間をトータルすれば、直接話してる時間って驚くほど短いのよね。ほとんどがLINEでのやりとりだから。「ソロキャンの楽しさ」を謳う作品なのだからそうして別行動になるのは当たり前なのだが、それが疎遠さになるのではなく、距離のあるコミュニケーションを逆手に取り、LINEでの通話や、学内での「部活と、それ以外」という隔たりを二人の関係性の妙味として消化しているのは新鮮だった。もちろん、最終話ラストでのまとめ方も完璧だ。他にも斎藤が常にちょっと距離を保っているくせに、いざという時にぬるっと入ってくる節操のなさなんかもなかなか珍しいポジションな気がする。こうして、過度に関係性を詰め込みすぎず、あくまでも「キャンプをすること」がメインになり、それぞれのキャラが自分なりの接し方でキャンプに望んでいるのが新鮮さの理由だったのではなかろうか。 あとはまぁ、単純に可愛いんですよ。奈央坊ボイスのしまりんの悪態でパワー2倍! なでしこは天真爛漫ゆみりんボイスでさらに2倍! 圧倒的巨乳力の豊崎関西弁でさらに2倍だァァァァ!みたいな乗算が強かった(なお、伊藤静ボイスの飲んだくれティーチャーで五億倍)。こういう作品を見ると、別に作画枚数を多く割かずともいくらでも「可愛い」ってアピールできるんだなぁ、ってことはしみじみ思いますね。考えてみりゃ「ヤマノススメ」だって同じカテゴリだったしなぁ。あ、ちなみに一番可愛いキャラはちくわです。 まぁ、わたしゃどれだけ今作が気に入っても絶対にソロでキャンプをやろうなんて思わないのだけど、どうやらこれを見て外に飛び出したオタクも多いらしいし、それだけの魅力があった作品なのは間違いない。こうしてピンポイントのジャンルを確実に売り出せるだけのパワーがあるのが、理想化されたきらら系作品なのである。若者離れが深刻な業界は、芳文社に相談に行ってみるといいかもしれません。いや、成功率はそんなに高くないんだけども。 これ書いてる時に気づいたんだけど、もしかしたら今回がタイラントの人生最後のたほいやになるかもしれないんだよな……。1つ1つの答えを噛み締めていきましょうよ。いや、煮ても焼いても食えないけどさ……。
Round1・「ぼつじかん」 1、周囲が見えぬ人。また、そのような振る舞い。傍若無人。 2、己の心から離れ、超然として世の在り方を見ること。 3、臨死体験をしていた時間。ぼつき。 4、文字を知らない人。 5、(長崎地方で)牧師館、または教会。 6、外反母趾が「ツ」、内反母趾が「ジ」に似ることから、正しい親指の向きを示す語。 しょっぱなから全外しでさっさと大勢は決したんですけどね。トップの最終得点は30点。 ①カンは「漢」なんだろうけど他はなんだろ。 ②「没時間」か、もしくは「ボーッ時間」か。 ③確実に「没時間」。 ④「没字漢」。 ⑥「母・ツ・ジ・間」どこがどう言うふうに文字に見えるのかは謎。
Round2・「したぎえ」 1、→パジャマパーティー。 2、タンを取られた後の牛のこと。これにより、等級が二段下がる。 3、「舌切れ」の直接的表現を避けた罵倒語。 4、積もった雪などの下の方が消えること。 5、相撲の様子を描いた浮世絵。 6、俳諧の技法の一。下句を用いず五七に留める。 出題は語感で選ぶことに定評がある某氏。 ①「下着会」なんだろうなぁ。「思いついたんだからしゃーないやん!!」 ②等級とかそういうレベルの問題じゃない。やっぱり仙台には舌をもがれたたくさんの牛が飼われているんでしょうかねぇ。 ③普通上から解けるやろ、と思うのだが、「下の方とか中の方とか言う適当な言い方は広辞苑」。
Round3・「せぷるべだ」 1、ドニエプル川流域一帯を指して言う語。 2、(希)大衆浴場。 3、(基)離別、略奪、余生。 4、(西)七面鳥。 5、チリの作家。作風はエコロジー色が強い。作「カモメに飛ぶことを教えた猫」など。 6、①大使館。②リフティング。 もう、取っ掛かりも何もないのでどうしようもない言葉。どうしようもないなりの答えが並んでいます。④「セプ」の要素が7、というところだけ。 ⑤エコロジー色て。どんな作品やねん。 ⑥掟破りの、多義をまとめて載せてしまうと言う荒技。ルール上、かなりのグレーゾーン(というか多分アウト)であるが、③も全然違う意味が羅列されているという偶然の重なりのせいで、「なんかとんでもないことになったぞ」とスルーされた。
Round4・「ろーまないず」 1、石造りにすること。 2、ロシアにおける文学のロマン主義化。 3、バチカン市国の別称。 4、ローマ字で書き表すこと。ローマ字化。 5、→ロマン主義化。 6、ローマ帝国滅亡の後結成された憂国騎士団。 こんなもん考える余地ないやろ、と思われたが、「ローマ化する」ではないということで出題されたのです。 ②⑤当然のように、これらを書いた人間はお互いに振り合いました。 ③「ローマ内」 ④そんなん言わんやろ。……言わんよねぇ。 ⑥シンキングタイムに、「これ、Roman knightsだよね」と看破し、めでたしめでたしの運びとなったのだが、なんと、正解は「ローマ無い’s」であった。「だって、滅びてるんならもう騎士なんていないでしょう」。
Round5・「りすりん」 1、水子料理の一。未成熟な体形、骨っぽさがリスに似ることから。 2、アジ化化合物の総称。 3、栗林(りつりん)の誤読。 4、グリセリンの略訛。 5、低血圧の特効薬。日本では1974年に禁止。 6、投射器の総称。ひも状部で石や金属を加速し、射出するもの。 ①もう、何もかもがわからない。 ④「略訛」は「りゃっか」と読みます。意味はもちろん「略や訛りのこと」でした。 ⑥スリング。
Round6・「かたしわ」 1、十二月に大局をむかえること。 2、堅い岩石。特に、鉄を鍛える時の金敷の石。 3、隻腕隻足の者。 4、(鷲と鷹の向きを間違えるように)日本画の禁則に触れること。 5、汚い部屋とその主。 6、雀、燕といった小さな鳥を示す語。 ①タイラント最後の解答はなんだかひっそりと幕を閉じた。「これ、シワが師走だろうけど、大局って何?」「それはCatastrophe・師走です」。全然大人しくなかった。 ③ノーコメント。 ④⑥まさかこんな発想がかぶるとは。どちらも逆読みが「ワシタカ」であることからの発想なんだが……だからさ、逆読み系が正解だった試し無いでしょ。
尽き果てぬ想い、第12話。言葉も無い。 正直、今回のエピソードについては、何を書こうとも野暮にしかなるまい。それくらいに全てを描き切ってしまっている。それだけに、ただ黙って受け入れればいいという気持ちと、ここまで積み上げてきたドラマ作りの技法について、貪欲に解体したいという気持ちが半々である。蛇足とは知りながらも、ある程度は覚書をしたためておこう。 正直、前回までのお話で「さて、ゴールはどこにあるのだろう」という疑問はあったのだ。まさか小淵沢貴子が生存しているわけもなく、報瀬はわざわざこれだけの苦労を重ねて南極にたどり着き、一体何を見て「終幕」を迎えればよいものかと。まさに、今回報瀬が前半でぼんやりしていた、あの感情そのままに「南極についてしまった時点で目的は終わりなのか」と思っていた。実際、彼女が南極に降り立って最初に発した言葉は「ざまあみろ」だったわけで、彼女の中で南極という目標が「母の夢の跡」という要素よりも、それまでの自分の人生を支えてきた「生きる糧」としての機能を前面に押し出し、母の面影は最小限に留める可能性もあるとすら思っていた。女の子4人の友情物語としてなら、それでも成立しないこともないのだし。 しかし、これまでたっぷりのドラマを見せてくれた本作が、その1点で手抜かりがあるはずもないのだ。今回顕著だったのは、報瀬と吟隊長が並んでいる構図。二人とも「貴子の弔い合戦」という大前提となる目的を共にしているが、かたや社会人として南極到達に確固たる目的意識を持った大人。かたやいざ自分がかの地を訪れる段になり、途方に暮れてしまった高校生。吟はまだまだゴールではなく先があることは知っている。では報瀬はどうなのか。その問いかけに、確固たる答えを見つけるのは困難だった。 そして、そんな行き詰まった報瀬に対し、一番気を揉んでいたのはキマリであった。これまで4人の中で様々な関係性が描かれ、ことに日向と報瀬の関係なんかはそれだけでも一大ジャンルを形成しそうな厚みがあったわけだが、やはり本作のスタート地点はキマリと報瀬なのである。何もなかった虚しい世界に新しい光を投げかけてくれた傍迷惑な恩人・報瀬への感謝。キマリはただ愚直に、その気持ちに報いようと奔走する(最初に報瀬の様子がおかしいことを指摘したのが日向だったのはちょっと面白い)。いまやこの4人は本当に「良い友達」である。我々視聴者なんかより、よっぽど報瀬の幸せを願い、報瀬の明日を想っている。そんな彼女たちだからこそ、わずかに残っていた3年前の記憶を掘り当てることができたのであろう。 そしてラストシーン。報瀬にとってのゴールとは何か。報瀬は何をもって、この旅の目的を果たせるのか。すでにその前のシーンに答えはあったのだ。故人は何も語らない。故人は何も思わない。ただ、その人に対して、生きている人間が何を想うかだけである。報瀬は、南極に来るためにただ一心に努力を続けてきた。様々なアルバイトに精を出し、高校生にできる限りのことをやり続けた。1つ1つ違うバイトで積み重ねた100万円。そのお札の1枚1枚に、彼女の人生が詰まっている。そして、そんな風に並べた100枚のお札にも勝る執念。10倍を超える量で押し寄せるメール。今の報瀬をねぎらうことができるのは、友達でもない、吟でもない。まして、物言わぬ故人でもない。ただひたすらに積み重ねてきた、過去の自分からの返礼。こんなにも必死に、こんなにも純粋に、戦い続けてきた歴史だった。 報瀬は間違いなく、ゴールにたどり着けた。当て所ないメールの数々は、母親の下には届かず、返礼として自分に還る。一万四千キロの旅の果て、その気持ちの届かぬ果ての果ては、「宇宙よりも遠い場所」。 親父最強伝説、第11話。なんで佑河の血族なのにあいつは特殊能力が覚醒してないんだろう、と思ったら、多分あの倫理観の欠如が天賦の才だったんだろうな……。 佐河さん最後の抵抗。さすがにラスボスがあのまま終わるわけもなく、ただひたすら止界にこだわり続けた男は、あらゆる手段を講じて生き残りを図った。まずは自分の生い立ちを洗いざらいぶちまけることで樹里たちを説得しようという精神的な攻撃。もちろん、樹里が同情を持ってこの話に乗ってきたところで、返り討ちにしていたことだろう。しかし、樹里はすでに佐河という男の本性を読み切っていた。彼の哀願には耳を貸さず、容赦無く止界から吹き飛ばそうとする。最終的には物理的な死を与えることで終幕としようとしたが、それは爺さんに止められ、最終的には親父が引導を渡した。 これで終わりならばエピローグに突入するところだが、それでもまだ尽きぬ佐河の執念。持ちうる唯一の残存物は脳、そしてわずかばかりのカヌリニとしての力。タマワニを糸のように伸ばし、この世界の全てを使って復活を試みる。その挑戦は半ば上手くいったのだが、最後の最後、結局は天敵である樹里の能力の前に夢半ばで果てた。残ったのは、彼の忌まわしい人生の全てを消し去るかのような、ただ一人の赤子だけであった。 これでようやく終わりだろう。迫さんや翔子さんたちは今やすっかり佑河家とは懇意なので、戻った暁にはちゃんと事後処理をしてくれるはずだ。親父もマコトも帰ったし、あとは樹里が帰れるかどうか(そして、帰れないとしたら爺さんが残るかどうか)。帰れなかった場合、樹里はまるで佐河の意思を継ぐかのように、この止界の番人になってしまうわけか……まぁ、ここまでしっかりシナリオを紡いでいる物語で、最後の最後がバッドエンドになるとは思えないのだけども。 わき道にそれるが、今回のお話を見ていて本作のコンセプトが何かに似ているな、と思っていたことがようやくわかった。多分、ジョジョだ。いや、時間を止める云々の話ではなくて、「2つの血族の因縁」の部分とか、ラスボス戦での形式を変えた多重構造とか、全体的なお話の構造がジョジョの面白い部分と重なるのだ。佑河家は、ちょっと品格は落ちちゃうけどもジョースター家に通じる。爺さんと樹里をつなぐ「血の高潔さ」があるし、何よりも家族愛を武器に、信念を持って戦い続ける。主人公である樹里は、時の止まった世界に入門したのち、相手の天敵となるような唯一無二の能力を手に入れた(さしずめ翔子さんはポルナレフポジションか)。 となると、対する佐河は完全にDIOだ。鬱屈した少年・青年期の記憶を動機として、時を超えた無限の命で世界を渡り歩く事を望みとし、人間をやめたその力で世界へ君臨する。なんとなく「血の因縁」で佑河の存在を感知できたりもする。そして、最終盤では圧倒的なパワーで佑河を蹂躙しようと試みるも、最終的には一家の団結に敗北。しかし、それだけでは終わらずに最後の最後は異形に成り果てようとも、空前絶後の能力で命を吸収し、どこまでも貪欲な生への執着を見せる。悪い奴には違いないがどこか哀れで憎めない、そんなDIOの魅力に近いものを感じさせる男だった。DIOとジョースターの血の運命、それが、佑河と佐河の運命に通底するものを感じさせるのである。いや、別に パクりだとかいうつもりは一切なく、「面白いものになんとなく関連性を見出すとそれだけでちょっと楽しい」というお話でした。 さて、樹里さんは承太郎のようにハッピーエンドで終えることができるかどうか……(6部の承太郎がハッピーだったかどうかはさておき)。 初々しい補充兵 Fresh-Faced Recruit (1)(R/W) C クリーチャー・人間、兵士 2/1 あなたのターンである限り、〜は先制攻撃を持つ。 混成マナのクリーチャーは、「両方の色の能力を持ちながら、単色でも許容できる部分」を表現する必要があるため、純粋な重ね合わせが求められる面倒臭いジャンル。例えばこのボロスの場合、赤と白の両方が得意とする先制攻撃を持つことでその条件を満たしている。まぁ、初代混成マナのクリーチャーが「ボロスの補充兵」だったことを考えると、やはりこの辺しか落とし所がないということなのだろうが。コモンのくせに2マナパワー2の先制持ちという信じられない性能。リミテッドで先手のボロスがこれを出した場合、受け手側は対処を誤るとすげぇ速さでライフが減ってしまって完全にボロス側のゲーム展開に引き摺り込まれてしまう。堅実ながらもゲームを左右する重要なコモン。防御なんて考えずにただただアタックすればいい。それがボロスの生きる道。 ピストン拳のサイクロプス Piston-Fist Cyclops (1)(U/R)(U/R) C クリーチャー・サイクロプス 4/3 防衛 あなたがこのターンにインスタントかソーサリー・呪文を唱えている限り、〜は防衛を持たないかのように攻撃できる。 混成クリーチャーのイゼット版は、直系の先輩である「ニヴィックスのサイクロプス」にかなり似ている。あちらは使った呪文の数に応じてサイズアップする能力を持っていたが、こちらはパワー4が固定値。爆発力が無い代わりにデフォルトでこの高パワーが維持できるため、ブロック要員としても充分な仕事をこなせるのがセールスポイントである。というか、もうこれはブロッカーとして生涯を終えても何の不満もないだろう。コモンレベルでこれを乗り越えられるようなカードは、緑であっても5マナ以上が必要になるはず。赤や青が単色でこれだけのスペックのブロッカーを構えられるのは、攻めたいデッキからすれば頭痛の種になるんじゃなかろうか。 冷酷なゴルゴン Pitiless Gorgon (1)(B/G)(B/G) C クリーチャー・ゴルゴン 2/2 接死 ゴルガリの混成クリーチャーは接死担当。緑だと「短刀背のバジリスク」。黒だと意外にもこのステータスの同型は存在しておらず、おまけでサイクリングがついた「不毛地の蠍」が一番近いだろうか。まぁ、それくらいの立ち位置。攻めて良し守って良しのお利口コモンである。今回ヴラスカさんがトップに立った割に、ゴルゴンのお仲間はあんまりおらんな。 ヴァナーディーの盾仲間 Vernadi Shieldmate (1)(G/W) C クリーチャー・人間、兵士 2/2 警戒 セレズニアの混成クリーチャーは警戒担当。白なら「太陽の歩哨」、緑なら「緑林の歩哨」。歩哨っぽいスタータスですね。仕事ぶりもいつも通りのもの。一応、召集が絡むとちょっとだけ加点。 囁く工作員 Whisper Agent (1)(U/B)(U/B) C クリーチャー・人間、ならず者 3/2 瞬速 〜が戦場に出た時、諜報1を行う。 混成マナサイクルのディミーア版。ディミーア的能力である諜報はもちろんのことだが、最近黒も導入を検討している瞬速が混成能力として採用されているのは興味深い。現環境でそこそこ活躍中の「雇われ刺客」のコストが(2)(B)であることを考えれば、このクリーチャーのコストが(1)(B)(B)でも問題なく許容できる。もちろん青のクリーチャーなら言わずもがなだ。そうして「雇われ刺客」に諜報がついただけのシンプルなアッパー版が青でも黒でも使えるという便利な設計。この1枚を見るだけでも、今回のディミーアはそこまで後ろ向きなわけではなく、現代風にそこそこ戦えるデザインにアレンジされているだろうということが予想できる。 確証/確立 Assure//Assemble (G/W)(G/W)//(4)(G)(W) R インスタント 対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。そのクリーチャーはターン終了時まで破壊不能を得る。 // インスタント 2/2で警戒を持つ、緑白のエルフ・騎士・クリーチャー・トークンを3体生成する 分割サイクルのセレズニアレア版。基本設定に忠実で、左側のハイブリッドは軽量のコンバットトリック。破壊不能がつく上に恒久的な増強が可能な贅沢仕様で、これを使うだけでも「レアだなぁ」という満足感はそこそこ得られるはず。というか、リミテッドだったら多分こっちで使う回数の方が多いだろう。その理由の1つになっているのが、右側のマルチモードの渋さである。2/2が3体。うん、悪くない。悪くないんだけど、6マナでやりたい仕事かと言われると割と微妙。インスタントなのでこちらもトリックとして使えるのが優秀だが、よほど召集エンジン構築に命をかけている人でなければ、このコスト域で2/2クリーチャーはそこまで重要ではないはず。さっさとトリックとして使い捨てて+1カウンターを乗せておいた方が、トータルで見たら得られるものは多いんじゃなかろうか。ちなみに、これまで分割カードは「Aand B」という形でそれぞれのカード名を合わせるとイディオムが出てくるように名前がつけられていたが、今回は単に綴りが似ている単語2つをくっつけているようである。なんとか日本語名も寄せようと頑張っている翻訳スタッフを褒めてあげよう。 詭謀/奇策 Connive//Concoct (2)(U/B)(U/B)//(3)(U)(B) R ソーサリー 対象の、パワー2以下のクリーチャーのコントロールを得る。 // ソーサリー 諜報3を行う。その後、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚戦場に戻す。 分割カードのディミーアレア版。サイクルの他のカードと違い、こいつは左側のハイブリッド部分もそこそこ重くて効果がでかい。しかし、効果は構築クラスでも活躍している「不忠の糸」と同じなので完全に青い能力なんだけど、これって黒マナで唱えてもいいんだろうか。一応黒は「墓地を経由してのコントロール奪取」っていう色特性はあるのだが、こうしてダイレクトに誘拐する事例はほとんどなかったはず(一応「次元の混乱」の時に「隷属」という「曲げ」の事例はある)。ちょっとカラーパイが美しくない気がする。逆に、右側のマルチモードは黒単色でもできそうな仕事。まぁ、諜報部分は一応青要素もあるが……なんかしっくりこないな。リアニ能力は自分で墓地を3枚肥やしてから発掘できるので、対象を取らない形のリアニメイトになっている。これは同じようなデザインだった「強行/突入」の仕様。あっちは赤と手を組んだおかげで速攻がついたりしたんだけどなぁ、今回は何もないんか。うーむ、変なの。基本的には序盤に左側、終盤に右側っていうお約束の使い分けになるんだろうけど、そこまで劇的なもんでもない気がするな。 発見/発散 Discovery//Dispersal (1)(U/B)//(3)(U)(B) U ソーサリー 諜報2を行う。その後カードを1枚引く。 // インスタント 各対戦相手は、自分のコントロールする中で最も点数で見たマナコストが高いパーマネントをそのオーナーの手札に戻し、その後、手札を1枚捨てる。 分割サイクルのディミーアアンコ版。これがまぁ実に渋い。左のハイブリッドはすごく「定業」。元が1マナのソーサリーだが、一応諜報になったこと、ハイブリッドマナになったことでコストアップも納得できる範囲だろうか。アドを失わずに墓地を2枚肥やす仕事というだけでもそれなりのものだろう。そして右側のマルチモードは、青と黒が手を組むと必ずやる「バウンス&ハンデス」である。バウンスする場合は大抵一番重たいものを戻したいわけで、大体は「はね返り」に近い効果になる。ただ、戻したいパーマネントが戻せない場合もそれなりにあるため、どうしても「はね返り」よりは弱い呪文になりがち。それでこのコストだとちょっと割りに合わない感もある(多人数戦なら決して下位互換ではない)。でもまぁ、やっぱり「ディンローヴァの恐怖」にしろ「遠隔/不在」にしろ、バウンス後に相手を締め上げる効果は青黒の花形である。やられた方はやっぱり嫌なもんで、これを連打されるだけでもやる気はみるみる減っていく。どちらのモードでも渋い活躍。これこそディミーア流の戦局の作り方。 発展/発破 Expansion//Explosion (U/R)(U/R)//(X)(U)(U)(R)(R) R インスタント 対象の、点数で見たマナコストが4以下のインスタントかソーサリー・呪文をコピーする。あなたはその新しい対象を選んでも良い。 // インスタント 〜は任意の対象にX点のダメージを与える。対象のプレイヤーはX枚のカードを引く。 分割カードのイゼットレア版。ハイブリット側はまさに「赤でも青でも単色でできる効果」の代表格とも言える呪文コピー。青なら「双つ術」、赤なら「余韻」と呼ばれる呪文になる。さすがにそのまんまだとレア2つ分の上位種になっちゃって便利すぎるってことでコストに制限が設けられたが、普通に考えれば4マナ以下でも問題なく仕事は果たせるだろう。相手の除去を真似する、自分のドローを水増しする、カウンター合戦に上乗せするなど、様々な役割が期待できる。この手の呪文はあまりに専門性が高くてなかなかメインでデッキインしようとは思わないものなので、分割カードの片方くらいの立ち位置がちょうど良さそうだ。そして注目のマルチ側。ついに実現したダメージとドローの両立。いわば「スフィンクスの啓示」の逆バージョン(そして「ラクドスの復活」の逆バージョン)とでもいうべき呪文。かつてイゼットはダメージとドローを両立させようとした「火想者の発動」という呪文があったが、残念ながら同時解決はできなかった。コストはさらにとんでもない設定になってしまったが、それでもインスタントを守り切ったのはニヴ様の矜恃だろう。7マナ貯まれば3点3枚、それ以上ならめくるめく世界が待っている。手札で腐らないように左側のモードがついていることから強気でのデッキインが望めるのもありがたい。さぁ、新しい世界のコントロールはどんなカード選択になるんだろうか。 採取/最終 Find//Finality (B/G)(B/G) // (4)(B)(G) R ソーサリー 最大2枚までの対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。 // ソーサリー あなたのコントロールするクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターを2つ置いても良い。その後、すべてのクリーチャーはターン終了時まで-4/-4の修正を受ける。 ゴルガリ的分割カードのレア。左のハイブリットの方はお手軽にアドが取れる「病的な略取」が1マナ軽くなった上に色拘束も緩くなった優れもの。ドラフトでも手軽に使っていけるリソースになっている。有利か、拮抗しているような場だったらこっちのモードでさっさと後詰を送るのがいいだろう。「でも、せっかくのレアなのにコモンっぽい仕事なのはちょっと……」という人は右のマルチモードを使おう。全軍−4の「衰滅」に、自軍1体だけ生き残りやすくするカウンターギミックをドッキング。なるほど確かに緑黒の効果に違いない。全体除去なのだからそれだけでも満点だが、さらに増強カードの役割も果たせる、恐ろしいまでの贅沢仕様。6マナで効果範囲がタフネス4までとやや不確実なのは気になるが、ミッドレンジ構成のデッキなら面白い選択肢になりそうだ。 開花/華麗 Flower//Flourish (G/W)//(4)(G)(W) U ソーサリー あなたのライブラリから基本の森・カードか基本の平地・カードを探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 // ソーサリー あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 分割カードのセレズニア・アンコ版。左のハイブリッド側はほぼ「守美者の探索」と同じ。コストも効果も大体一緒だが、なぜか森と平地に「基本の」という制限がついてしまい、ギルドランドのサーチができなくなっている。せっかく一緒に収録されるんだから探せるようにしても問題なかった気がするのだが、あくまで分割カードの片方では既存のカードよりも弱くするというのが決まりなのだろう。まぁ、1ターン目に平地から森、森から平地のどちらのルートも選べるので、土地事故はほぼなくなる安全装置である。そして6マナのマルチ側はコストが倍になってしまった「正義の突撃」。同じアンコモンで、しかもマルチカラーなのにこの扱いはどうなんだろうという気もするが、それだけこの次元における全体増強ってのは価値が高いということだろうか。まぁ、どうせ撃てば勝ちの状態なら3マナも6マナも一緒という考え方もある。他の分割カードは「序盤は混成、キメ技が多色」という構成だが、このカードの場合は混成が本当に些細な効果なので右側を見込んでの投入がメインになる。むしろ純正セレズニアではなくて黒緑タッチ白みたいな人間が左側目当てに触る可能性もあるのかもしれないな。 完全/間隙 Integrity//Intervention (R/W)//(2)(R)(W) U インスタント 対象のクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 // 〜は任意の対象に3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。 分割カードのボロスアンコモン。なんか、他の分割と違ってずいぶんさっぱりした印象。「どっちの色でも単独でできる」はずのハイブリッド側に絶妙な違和感があるのが面白い部分で、確かに「+2するだけ」の能力は赤でも白でも可能だ(赤は一次的なパワー増強をもち、白はあまり修正値の大きくない増強ができる)。でも、これ単体だけだとどうしても緑っぽく見えてしまう。ボロスカラーでこうしたシンプルなコンバットトリックが使えるというのは目から鱗かもしれない。そして右側はまんま「稲妻のらせん」。コストは倍になってしまったが、分割カードとしての利便性があるし、そもそも「らせん」は強すぎたので、これくらいでも別に文句をいうようなものでもない。どちらのモードで使ってもばっちりボロス風味で、このカードが役に立たない試合ってのはまず存在しないだろう。ありがたいカードではあるが、ハイブリッドの方が使いやすいので、ボロスの専門家じゃなくて白だけ、赤だけのユーザーがあっさりピックしちゃいそうなのが悩ましい。 反転/観点 Invert//Invent (U/R)//(4)(U)(R) U インスタント 最大2体までの対象のクリーチャーのパワーとタフネスをターン終了時まで入れ替える。 // インスタント あなたのライブラリからインスタント・カード1枚か、ソーサリー・カード1枚か、その組み合わせを探し、それらを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 分割カードのイゼットアンコモン。一応注意しておくと、すでにカードの方にエラッタが出ることになっていて、印刷されたカードは左側の効果から「ターン終了時まで」の文言が抜け落ちている(上のテキストは修正後のもの)。英語版でこういううっかりがあるのは珍しいが、ただでさえ色々とややこしい環境なので制作側もバタバタしてたんだろう。さておき、「どっちの色も単色でできる」効果であるハイブリッドはいわゆる「回れ右」。すでに「裏返し」という呪文で混成マナの効果として認定されており、今回はそれを極限までシンプルにした形。とりあえず壁が殺せる。あと「奇矯なサイクロプス」も殺せる。そして右側のマルチモードはなかなかレベルの高いアドバンテージソース。好きなインスタントとソーサリーが手に入るということで、チューターでありアドバンテージでもあり。練度の高いイゼットデッキなら選択肢に困ることはないだろうし、相手ターンエンドに次のターンのベストムーブを選択しながらカードを揃えられる動きは偉い。混成の方の効果がそこまで魅力的ではないので、是非ともこちらの効果が活きるまで試合を引き伸ばしたいところだ。 反応/反正 Response//Resurgence (R/W)(R/W) // (3)(R)(W) R インスタント 〜は対象の攻撃クリーチャーかブロッククリーチャーに5点のダメージを与える。 // ソーサリー あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで先制攻撃と警戒を得る。このメインフェイズの後、追加の戦闘フェイズと、追加のメインフェイズを得る。 ボロス的分割カードのレア。まずは日本語翻訳スタッフの頑張りに拍手。なんとか両方の名前を似たようなフレーズで揃えるため、「反応」に合わせてそれらしい言葉を引っ張り出してきた「反正(はんせい)」とは、「以前の正しい状態に返すこと」を意味する言葉らしい。うわー、しらねぇ。「枕戈/待旦」の時といい、よくもまぁ、いろんな日本語を引っ張ってくるものだ。さておき、左のハイブリットは同じくボロスのカードだった「正義の矢」の上位種。コストが軽くなってるのにダメージが増えてるんだから何の文句があろうか、というわかりやすい単体除去。やはりリミテッドならこちらを優先で使っていくと考えていいだろう。そして、決め技となる右側のマルチモード、こちらは赤のお家芸である「連続突撃」に白の増強を絡めたデザイン。警戒付きだから返しのダメージを気にせず殴れて、先制攻撃なので簡単には止まらない。レアらしい決め技と言えるだろう。まぁ、パワーが上がらないので本当にグダついた試合の時にこれでぶち抜けるかどうかはやや不安ではあるのだが。ちなみに、警戒を与える関係上、この手の呪文にお約束の「最初に殴ったクリーチャーを起こすよ」というアンタップ機構が搭載されておらず、攻撃前に「この後に追加の戦闘があるねん」とバラしてから殴りに行かなきゃいけないことに注意。そのせいでタッパーなどに弱いのは一応マイナス点か。
席次/石像 Status//Statue (B/G)//(2)(B)(G) U インスタント 対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに接死を得る。 // インスタント 対象の、アーティファクトかクリーチャーかエンチャントを破壊する。 分割カードのゴルガリ・アンコ版。混成マナの方はシンプルなコンバットトリックだが、接死付与なので実はかなり使いやすい。1マナインスタントの除去呪文というなら、それだけで必須カードである。そして多色モード「石像」の方は、さらに一歩進めた確定除去。ご覧の通りにゴルガリ名物「化膿」の進化版。コンセプトとしては緑の「帰化」に黒のクリーチャー除去が合わさった感じか。とにかく圧倒的なクリーチャー殺すべしオーラが満ちた1枚。手軽な接死モード、確実な除去モードと使い分けもわかりやすく、今後色が合うデッキなら人気の1枚になるのは確実だろう。
カルタフィルス誕生秘話、第23話。まぁ、そりゃ重たい話になるわけだが……こうして視点を変えて見せられると、やっぱり痛々しい。 チセVSカルタフィルスの中盤戦。眼球の交換をきっかけにカルタフィルスの深奥にまで入り込んでしまったチセは、流れ込む「いつか」を見てしまう。チセは過去にも様々な人ならざるものとの交感を行ってきたが、これもスレイベガの体質故のことだろうか。「悪しきもの」であると思われていたカルタフィルスであったが、その発端には2つの呪いが関わっていた。1つは元来「カルタフィルス」と呼ばれていた「何か」が負ってしまった根元の呪い。口さがない噂話では「神の子に石を投げたためだ」と囁かれていたが、正確なところは不明。とにかく、どれだけ苦しみ、朽ち果てようとも命が終わらぬというとんでもない呪いである。そしてもう1つが、そんなカルタフィルスを救おうとしてしまった少年・ヨセフの生まれ育ちの呪い。墓堀人の子供として村で忌み嫌われ続けた彼は、いつしか自分の不幸の終わりを、カルタフィルスの呪いの終わりと重ね合わせてしまっていた。カルタフィルスが解放されないことと、自分のどん底の人生の永続がリンクし、次第に精神を壊していく。他者から受ける理不尽に打ちのめされていた彼は、突然「カルタフィルスと同体になれば、外部からの理不尽な責め苦も消える」という途方も無い天啓を得てしまう。そして重なり合った2つの呪いは、さらなる責め苦を生み出しただけだ。 尽きぬ苦痛を緩和するため、他者を巻き込み、少しずつ膨れ上がるカルタフィルスの憎悪と咎。そんな肥大化した呪いがついにチセにまで及ばんとしたところだったが、チセはチセで大きなものを背負った存在であり、2人の対立は決定的となる。チセだって、これまで幸せな人生を過ごしてきたわけではない。しかし、どこまでも他者に依存し、人生の理不尽を外部に発散させようとしていたヨセフに対し、チセは我が身の不幸を全て抱え込み、消え去ろうとしていた。それがひょんなことからエリアスに拾われ、まだまだ人生には続きがあるのだと学び、人の和を得ることができたのだ。運命を背負うにあたり、他力を求めるか、自己で完結させるかの違いが、二人の抱えた「呪い」に決定的な差を生み出してしまった。 長命の呪いを受けたカルタフィルスは、それを終わらせることが望みであり、自らを取り巻く環境に転がっている有象無象には頓着しない。それに対し、短命の呪いを受けたチセは、イギリスに来て以来、限られた時間の中での出会いに大きな実りを得ていた。この度の対決シーンでは、そうしたつながりの差が歴然と表れている。レンフレッド、アリスちゃん、ティタニアとオベロン、さらにマリエルに至るまで、彼女の周りには、無償で手を貸してくれる仲間のなんと多いことか。そしてそんな中には、なんとかギリギリで立ち直ったエリアスの姿もあるのだ。チセの失踪に打ちのめされてズタボロになっていたエリアス。そのまま妖精たちにそそのかされて完全に「あちら側」の存在になってしまうかと思われたが、これまでチセと積み重ねた日々は無駄ではなかった。最後の最後でチセの望む世界をつなぎとめることに成功し、なんとか舞い戻ってくることができたのだ。チセさんはまだ怒っているが、あとはどれだけ真摯に罪滅ぼしができるかだろう。 あまりに強大で、あまりに悲壮なカルタフィルスという存在。取り返しようもない罪を重ねた彼の人生にも、チセは救いを見いだせるだろうか。 3月17日 ドラフト模様(RIX×2 XLN) ピック順 【Thraxi】→【Alessi】→【Mei】→【Serra】→【Chrolony】→
一週間のご無沙汰でした。ドラフトです、まだ開催できていることの喜びをかみしめつつ、残り少ない人生を謳歌しましょう。 という幕開けになってみたものの……今週末(3/24)は、近場で開催されるGP京都に出るという奴がおり、人数が集まらずに開催不可。幸い、なんとか来週(3/31)までは面子が確保できそうだというのでこれが最後の最後にならずに済んだわけだが……来週はお休み……。
だがしかし、だがしかし。 我々は……死なぬッ(かもしれない)。ドラフトを続けないと、繋がりが廃れて存在そのものが消えてしまう。そんな危機感に怯える老人の熱意と執念は奇跡を呼び起こすのか。なんと、そこらへんでひっ捕まえた哀れなカモから「じゃぁ、少しMagicやってみようか」という言質を取ることに成功したのである!! え? いいの?! というわけで、私が今週インストをするんですね。また、何時ぞやのようにサンプルデッキを作り、大雑把なルールを説明、導入し、いくらかトレーニングをする。その後、果たしてモチベーションを維持しつつ無茶なファーストドラフトに漕ぎ着けられるかどうかは神のみぞ知ることだが……。いや、これまでの先人たち(犠牲者たちともいう)はそれでなんとかなっていたのだ。なんとかしようじゃないか。なんとかなってくれ。 というわけで、待て次週! ドラフト開催……成るや? 成らざるや?
先生やめて、その説教は俺に効く、第19話。ほんと、アニメ観ててこんなに打ちのめされてるのはどういう試練なんだ……いや、日頃の行いの悪さ故だが……。 島田さんの大一番が終わり、残りの話数を考えたらもう大きな対局は無いだろう。となるとあとは何をするかといえば……そうか、ひなちゃん事件の顛末を描かねばならぬのか。第2シーズンは将棋の試合とこっちの問題が半々ぐらいだったイメージですかね。そして、ひなちゃんが立ち直ったら終わり、なんて簡単な問題じゃなかったということを改めて思い知らされる展開。 本当に硬軟織り交ぜた押し引きの強い展開でもグッと惹きつけられるのが今作のすごいところで、今回は前半パートでは本当に幸せそうな川本家の様子が久しぶりに描かれる。甘いものを食べるときには格別のエンジンがかかるあかりさん。丁寧な白玉団子クッキングから、さらに商魂に火がついた爺さんも含めて、川本家は家族総出で大きなミッションへと挑む。文字通りのお祭り騒ぎであったが、川本姉妹の持つ総天然の明るさが突き抜けていて本当に楽しそうなお話。途中、ひなちゃんはかつていじめられていたちほちゃんの見舞いに向かうシーンもあり、改めて確認した友情と、香り高い梅シロップの関係性がなんとなく暗示的でもある。ちほちゃんは未だ回復途上であるということを知らされて気も引き締まるが、「これからのこと」を考えられるようになっただけでも進歩はあるのだし、ひなちゃんも今後の人生で引き続き誰にも恥じぬ公明な生き方を続けていく決心がついたであろう。まぁ、進路を考えるためには成績も関係してくるけどねー。 こうして、穏やかな時間が流れる川本家の光景は本当に素敵なものだ。しかしBパートでは一転して夏休みの学校の風景。かつていじめ問題に当たって一応の決着を見せた国分先生(CV立木文彦)が2学期以降の業務を若い先生に託すに際し、いじめの首謀者だった高城との最終決戦を迎えることに。まだ若い先生は「いじめは加害者が悪いに決まっている。その報いは当然受けるべきであるから、自分が担任することになるなら、そこは割り切っていく」と宣言。さらに「何故、悪い人間の方にそこまで目をかけてやる必要があるのだ」とも訴えている。この辺りが、引き続き教育の難しさを考えさせられるところだろう。確かにこの若い教員の言っていることは正論である。そして、大抵の学校では(いじめをうやむやにするという最悪の対処を除けば)おそらくこうした処理で白黒をはっきりつけるのが一番正しいという結論になるはずだ。 しかし、それは「処分」であって「教育」ではない。教育者がどこまで生徒たちの面倒を見るべきなのか、なんてのはどこまでいってもゴールのない議論であるが、少なくとも、明らかに道を踏み外し、人生に迷っていると判断した生徒がいるのなら、それを自分の思う正しい方向へ導くというのも教育の理念の1つである。余計なお世話かもしれない。過干渉かもしれない。しかし、国分先生は、それで終わるわけにはいかないと考え、自分なりの「説教」を高城に叩きつけるのだ。 高城が一人待つ教室に国分先生が入って行くシーン。今回のエピソードだけでも私は何度も涙腺が緩んだが、この入室シーンでのほんの一瞬が、一番の鳥肌ものだった。それまでの明るかった川本家のパート、夏休みのどこか気だるげな、蒸し暑さを感じさせる陽光。そうした「暖かさ」「明るさ」を全て消し去るような、熱を持たぬ高城の一言。もう、この一言が出てくるだけでも、やっぱり悠木碧は化け物だと言うことができる。人生の定まらぬ、世の中を全て見捨てたかのような、諦観のこもった高城の態度。「悪いとすら思っていない」と評されていたが、まさにその通りなのだろう。彼女は自分以外の人間が苦しむことをなんとも思っていないし、「苦しむ」という行為・心情自体に対し、余人とは違う観念で生きているのだ。いじめという問題があったことすら認識していない。彼女は、ただ自分が「苦しまない」方向で、クラスの人間関係が構築できていればそれ以上でもそれ以下でもなかったのだ。学校という組織の必要性も、下手したら「友達」という存在も、彼女は認識していないのかもしれない。 そんな空虚な高城の人生は、「頑張る」こととは無縁である。だからこそ、「なんで自分が努力して、苦しむ必要があるんだ」という質問を投げかけてきたのだ。そして、考えた末の国分の回答は、「そんな必要はないんだな」というもの。自分の娘ほどの年の少女の屁理屈とも取れる抗弁に、あっさりと自分の勝手さ(世間の理不尽)を認めた形。しかし、それは自分が間違っていたという謝罪ではない。「少なくとも自分はそうして生きてきて良かったよ」ということを報告した上で、さらに高城に対し、おそらく本人も一切意識したことがないような心の有り様を叩きつける。曰く、「努力をしないのは、した結果で何かが計れてしまうのが怖いからだろう」と。何かを頑張った時に得られるものは達成感であろうが、もう一つ、「頑張ってもできなかった」という結果も伴う。そこに自分の限界が見えて、自分の器がわかる。逆に言えば、死ぬまで頑張らなければ、自分の器は計れない。大きさはわからない。無限の可能性を秘めているし、もしかしたら思っていた以上にちっぽけかもしれない。自分の限界を見てしまうことは、誰だって恐ろしいのだ。 高城が、本当にそんな理由から今の生き方になったのかはわからない。しかし、確かに国分のいう通り、彼女は「頑張って」いないのだから、挫折もなければ後悔もない。それはそれで楽しい人生かもしれないが、今後の人生では必ずどこかで大きく転げるものだ。だからこそ、なんとかして若いうちに自分という器を測る尺度を与えなければいけない。それが、国分の考える教育なのだろう。 年を取ってしまえば、この国分の伝えた言葉の意味はわかってくる。しかし、まだ若い中学生の高城にはどんな風に響いたのだろう。痛いところを突かれたと悔しがるだろうか。わけがわからなくてポカンとするだけだろうか。はたまたじじいがまた的外れな説教をしていると笑い飛ばすだろうか。少なくとも、真正面から中学生にぶつかっていった国分の本気は、高城の凝り固まった「世界」にひびくらいはいれていたように見えるが……。 結果はまだわからない。本当に分かるのは、彼女の人生の、ずっとずっと先なのだろうけども。真っ暗な高城の未来図、色とりどりのお菓子で描かれたひなちゃんの未来図。その対比は、寓話と言うにもあまりに残酷だ。 |
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