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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 んんんんんんんんんんんんん? 第10話。まとめる気ゼロか! まだまだ行くか! いいね! どこにでも行っちまいな!

 すでに10話目ということで、他の作品ならいよいよラスボスも登場してゴールが見え始めるくらいの段階のはずなのに、全くゴールなど見えずに新たなクエストが乱立するばかりの恐ろしい世界。なんで今作のキャラ達はアクセル踏む以外の選択肢がないんだろうな! ブレーキって機能は付いてないのかな!

 そんな中で唯一心の癒しになるのが、先週は一切登場しなかった亜玖璃さんなわけです。今回は昔の友達に引っ張り出されて典型的な高校デビューを笑われるという屈辱的なシーンがあったわけですが、おかげで亜玖璃さんの男前っぷりが一気に上昇。あそこでブチキレて相手をひっぱたくくらいの展開もありそうだったけど、亜玖璃の場合はそこを格好よく笑って退場できる。いいね、あくまでも(言葉にしろ体にしろ)暴力に頼らず、自分自身の信じたものを貫き通す信念の強さ。やっぱり亜玖璃さんは二次元キモオタブタ野郎達の憧れの星だ。まぁ、そんな彼女の信念がボコボコにされる世界なんですけどね……。序盤はキングオブ空気読めるだった上原さん、どんどん駄目な方向に進化してませんかね……。何故か他の女とスキンシップをとっている時にばかり街角で遭遇するというハイパーな豪運も持ち合わせているせいで、亜玖璃さんのメンタルはもうボロボロよ。そして、そんなHP残りわずかの亜玖璃に忍び寄る、今作最大の悪魔・景太の魔の手。今回珍しく天道さんが素直なノロケ話を披露して「なんでこんなことをわざわざ千秋と話してるんだろうなー」って思ってたら、なるほど、外野の間で「ゲーム>天道」っていう図式を明確にしておくことで、自然に「亜玖璃>ゲーム」に連結させるためだったのね。A>B、B>C、∴A>C。うーん、定理。

 前々回、人生ゲームパーティのおかげでなんとか回復したと思われていた亜玖璃・上原間の関係性。今回だって実際に上原は「亜玖璃にとって景太は弟みたいな存在だろ」と(珍しく)正しい認識をしていたというのに、こんなところから再び疑念の影。そりゃま、上原さんの行動が先に火種になったとはいえ、この能天気な亜玖璃・景太間の関係性はやはり誰から見てもちょっと問題はある。まぁ、事前に不等式の話をしていたなんてことは景太さんも知らないわけで、今回ダッシュで駆けつけたことについて、彼に非はないのだが……それにしても、ダッシュで逃げながらだったのに亜玖璃さんがメール打つの早いな……。

 残念なことに、再び首をもたげる亜玖璃・景太間の疑惑。事前に「正しい彼女の振り方」のレクチャーを求められた天道さんはレイプ目になるしかなく、そんな関係性をサポートするかのように固まっていく上原・千秋の関係性。これまでの問題と違い、千秋の場合はついに「自分が好かれている」という勘違いを生み出してしまっている(これまでは不思議なことにそうした勘違いはなかったんだよな)。そして、察しのいい( )上原さんはろくすっぽ言葉も交わさずにそんな千秋の状態を上から目線で監督している。これまで若干蚊帳の外だった天道さんだが、彼女は千秋からは「上原の不倫相手」認定されているせいで、女性が三人集まるともう訳がわからない。運命の人すぎるという上原の伝説に残る叫びに対し、気の合う彼女さんは「浮気の証拠すぎる」という見事な切り返しで状況を崩しにかかった。どさくさに紛れて千秋が「上原に好かれて光栄と思うターンは終わった」みたいなこと言ってるんだが、お前の中で上原をどうしたいんだ。

 なんだろう、とにかく亜玖璃さんだけは不幸にならないように祈ってきたのだが……今更気づいた、こいつら、みんな馬鹿なんだ……。馬鹿ピンク……可愛いな!

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 最後はやっぱりサンダルさん頼みやないかい、第24話。まー、この作品におけるドラえもんみたいなもんだから……でも、ドクもドラえもんみたいなもんだよな。間野山、有能だなぁ。

 さぁ、ラスト2話か。祭りが最後のクライマックスなんだろうと思っていたが、今回はマジでトントン拍子に準備が進み、すでに祭りに突入してしまうという展開だった。まぁ、大事なのは「その後」だものね。これまでの建国祭みたいな「開催内容がうまくいくか」の話とは一線を画す問題なのだね。テレビ局が入らなかったのは残念なのかもしれないが、パワードスーツのジジイどもが寄ってたかって神輿を担ぎ上げる祭りっていうだけでかなりエキセントリックジャパンな情景には違いないので、これ、きっちり来年以降も宣伝を打っていけば下手したら海外からの観光客も見込めるようなとんでもないイベントになるのでは。間野山の武器の1つにドクがいるんだから、彼の才能をフル回転させて「ヘンテコ発明都市・間野山」っていう売り込みに力入れたらええねん。

 今回は祭りの準備→祭り開催という流れなのでその間にはほとんど引っかかりらしいものはなく唯一あったイベントはテレビ局とのゴタゴタくらい。かつて建国祭の時に関わっていたディレクターやプロデューサーなど、懐かしのキャラも絡んで来て「いよいよクライマックスだなぁ」という感じがする。よく見ると祭りのシーンも含めてこれまで登場しちゃ住民たちが色んなところで出て来てるのが嬉しいよね。テレビの一件、相変わらずマスコミの横暴が繰り返される展開だったのでバシッと断ってしまっても特に問題はなかったと思うが、結局妥協案については由乃たちが議論するだけでジジイがバッサリと断ってしまったのでオールオアナッシングで潰れてしまった。このシーン、実は割と大事な要素が含まれていて、ジジイは由乃の気持ちを一番に考えてすっぱり断ることを決めてるんだけど、その時の台詞が「住民の気持ちが一番大事なんじゃ」っていってるんだよね。つまり、ジジイは「余所者で馬鹿者な若者」であった由乃のことを、「住民」と認めた上で、彼女の気持ちを慮った行動に出たのだ。一昔前のジジイだったらそんな行動はしなかっただろう(テレビっていうだけで浮かれてたからね)。由乃も、そんなジジイとの対話で「私もずっと若者で馬鹿者でありたい」と言っていて、昔のジジイとの対比なのだからその2つで正解なんだけど、自然に「余所者」っていう部分が排除されているのがやっぱり大きな変化になっているなぁ、と。

 そして、そんな由乃の変化、成長は彼女の進路の話でも確認できる心温まる要素な訳だが、今作はどうやらそれ以上に「ジジイの成長」という部分もかなりフィーチャーされているようで。例えば舞台の練習中には以前のように無茶な暴走をしなくなっているし、休憩中には千登勢さんと差し向かいで休憩するなんていう、これまでならあり得なかった光景も見られる。千登勢さんが洋服着てるだけでもちょっと新鮮だったんだけど、多分あの差し向かいの二人の画は、変化した関係性の表れだったんだろうね。もう、2人して憎まれ口も叩かずに普通に「間野山のために年寄りがしてやれることは何か」っていう共通の意識で動けているし、ここに来てようやく、2人が長年の腐れ縁で培ったツーカーの関係性を有効利用できているのだ。こうして見ると、最初から最後まで千登勢さんはいいババアだったなぁ。

 ジジイの変化があり、町全体の変化がある。やはりあれだけ大きな騒ぎになった洋菓子屋引っ越し騒動が商店街を通じて住民全員の変化を促したのだろう。多くの住民がみずち祭りの開催に積極的になっており、そこにはこれまで由乃たちが少しずつ積み上げて来た住民たちとの絆が感じられる。まぁ、ぶっちゃけ祭りのスタートとなる駅の前には大して人も集まってなかった気もするのだが、それ以上に由乃のバースデーには多くの知り合いも駆けつけてくれており、その全員が、由乃がいなかったら積極的になれなかった人たちなのだ。そういう意味では、由乃が始めた「普通じゃない仕事」は立派に刺激を得て、由乃自身も、周りの人間も成長させることになったのだろう。残念ながら黄金の龍だけは見つからなかったが……「願いを叶える黄金の龍」ですからね。最後の1話でどこかから出て来そうな気はしますよね……。

 こうして祭りは成功の兆し。あとは「ラストクエスト」だと思われる合併話をどのように収束させるか。前回の時点では「合併の阻止が最後のクエスト」という認識だったのだが、今回の話を見ていると、確かに自治体として現実的なところを見れば合併というのは別に損だけの話でもない。間野山という風土を残し、住民たちにプラスになるなら合併自体に問題はない。そこで会長は「合併に有利に働く」というので、サンダルえもんの出したひみつ道具である「どっかよくわからない町の市長」を引き摺り出しにいったわけだ。姉妹都市提携と合併にどんな繋がりがあるのかもよくわからねぇけどさ。合併はするのかしないのか。そして、由乃はそこに関係しているのかいないのか。

 「町おこし」というなんとも掴みどころのないテーマを持ったアニメだったが、この最後の着地点によって、テーマが伝わるか伝わらないかも左右される。ラストはいい形で幕を引いてほしいものだ。

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<青>

 

Aether Tunnel 霊気トンネル (1)(U) U

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+1/+0の修正を受けるとともにブロックされない。

 堂々窃盗おじさん。何してんねん。そりゃま、さすがにこんな荒技使われたらブロックなんてできるはずがない。魔術師ってどこでもドア使い放題なの? そりゃ強いわ。何故かパワーまで上がっているが、多分相手プレイヤーはどこから出てくるか分からないのでガード出来ず、その分ダメージが上乗せされるんだろう。どうでもいい設定を掘り下げてみたぞ。比較対象を探してみると、ほぼアンブロッカブルのみを与える「不可視」がダブルシンボルの2マナなので、こちらはなかなかのアップグレードと言える。ただ、アンブロッカブル+占術1の「液体化」は1マナであり、やはり単純な性能比較は難しいか。パワー補強があるおかげでクロックとしての計算がしやすく、2/2程度のクリーチャーでも充分決定力になる。出来れば呪禁クリーチャーを活用したいところだが、残念ながら今回のセットには呪禁はほとんど収録されていない(緑のアンコモン「蔦草牝馬」だけ)。おとなしく緑や黒と組んだ時に高パワーを直接叩きつける手段と割り切った方が良さそう。もともと回避能力に長けた青いクリーチャーは、このカードをそこまで必要としてない。

 

Anticipate/予期(BFZ)」 C

 2連続で「選択」→「選択」と採用されてきた青の軽量キャントリップ枠に、こいつが待ったをかける。1マナ重いが選択肢は圧倒的に多く、こちらはこちらで優秀なインスタントである。これで環境で使用できる軽量ドローが2種類になり、何か悪さをしたいデッキはオールインも可能になってきた。小粒な呪文ではあるが、案外バカに出来ない影響力があるのだ。ちなみに今回のイラストはゼンディカー版の方。

 

Aven Wind Mage エイヴンの風魔道士 (2)(U) C

クリーチャー・鳥、ウィザード

2/2 飛行

あなたがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 せっかく果敢能力を常盤木認定したのに、こうして「微妙に違う」能力の方が幅を利かせて果敢はあんまり出てこないっていう問題。青(と赤)の個性を出すためには果敢よりも「ソーサリー&インスタント」にした方が明確になるってことなんだろうけどなぁ。とりあえず、3マナパワー2で飛行・果敢を持つカードと比較すると「ジェスカイの風物見」のような2/1の先輩がいるので、多少制限をきつくして2/2なら帳尻は合う計算。とはいえ、基本セットなら「風のドレイク」のようなバニラが採用されるべき枠なのだから、追加能力付きの時点で充分オーバーパワー。基本セットらしからぬ戦力なのは間違いない。というか、多分適当なスペルを構えておくだけで3/3フライヤーを維持できる能力はリミテッドなら決定力と呼べるレベル。最近の青はちょっと荒っぽすぎませんかね?

 

Aviation Pioneer 飛行の先駆者 (2)(U) C

クリーチャー・人間、工匠

1/2

〜が戦場に出た時、【飛行機械トークン】を1体生成する。

 ソプターを連れてくるギミックは同じくアーティファクトテーマがあったオリジンに収録されたものだが、コモンで比較すると青には1マナ重くて本人にも飛行がついた「飛空士志願者」が、赤にはコストが同じで2/1の「ギラプールの歯車作り」があった。3枚で比較すると、純粋に「ソプターが湧く」という部分の旨味にのみ特化しているのがこのクリーチャーと言える。打点が「飛空士志願者」よりも下がってしまうが、3マナと4マナの差なら致し方ないところか。むしろ低コストからアーティファクトを安定供給できることを喜ぶべきなのかもしれない。今回青には積極的に自軍クリーチャーを戻して旨みを得る手段などは無いが、なるべくクリーチャーをアーティファクトで揃えたいという専門デッキの傾向が強くなれば価値は高くなっていくだろう。

 

Bone to Ash/骨を灰に(ORI)」 U

 今回はずらりと基本的なカウンター呪文が並ぶ布陣になっており、これの他は「取り消し」と「本質の散乱」の2枚。こうして並べるととにかくクリーチャーだけは許すまじという意気込みが感じられる。カウンターの4マナ枠は「確定カウンター+おまけ」というデザインになるのが定番で、シンプルにドローがついたこの呪文はアドソースとして充分な働きなのだが、やはり4マナで制限付きというのはやや不自由。構築クラスで活躍という話は残念ながら聞かない。その分主戦場であるリミテッドでは活躍が期待され、2マナ、3マナ、4マナと綺麗に並んだカウンターの布陣になんとも言えない美しさを感じて使いたくなっちゃう不届きなプレイヤーもいることだろう。それは別にいいんだけど、なんで今回アンコに格上げされたん? そりゃまぁ、コモンにカウンター3種も並べられたらたまったもんじゃないが……。定番なら「巻き直し」とか「雲散霧消」あたりが来ればよかったのに……。

 

Cancel/取り消し(XLN)」 C

 いつでも安心、いつまでも安心。変わらぬ使用感をいつでもあなたの手元に。いいじゃない、基本セットだもの。ちなみに、こちらのイラストはなぜか最新のイクサラン版ではなくアモンケット版である。やっぱりイクサランの世界観ってMagicの中でも浮いてんのかな。

 

Departed Deckhand 旅立った甲板員 (1)(U) U

クリーチャー・スピリット、海賊

2/2

〜が呪文の対象になった時、〜を生贄に捧げる。

〜はスピリット以外にはブロックされない。

(3)(U):対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、このターンスピリット以外にはブロックされない。

 突然の海賊。こうしてやんわりと現役の他次元との接続も行なっているのね。まぁ、この程度で海賊デッキがいきなりのし上がるとも思えないけど。いわゆる「幻影」能力持ちなのでやや脆いが、最近は能力の対象になっても平気なことが多いので、実質大したデメリットではない。そしてせっかくなので調べてみたところ、今回のセットに収録されているスピリットは、なんとレアに2枚しか存在しない。つまり、普通の試合ならこれって完全にアンブロッカブル。

まぁ、そりゃ除去は真っ先にここに飛んでくるよな。ついでに味方クリーチャーにもアンブロッカブルをつけるなんておまけもついており、「珊瑚兜の案内人」と比べるとレアリティの差が残酷なくらいである。青はビートを組むのが難しい色だが、ここまでの戦力なら2枚以上集まればかなりの速度が出そうだ。

 


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 秀勝さんで遊ぶな、第9話。なんか、ここ数年でまた秀勝さんの仕事が増えたような気がするんだよな。玄田哲章とか清川元夢みたいな「無駄に豪華」ネタ要員としても活躍している。まぁ、このアニメの場合は出るべくして出てるところあるけども。次回予告やりたかっただけじゃねぇか。

 さておき、やっぱりロコ×キャプなんだよなぁ……。個人的には「プリンセスプリンシパル」の「厳しい百合」を見た後にこちらを見たので、約束されし勝利のカップリングに心が満たされていくのを感じます。まぁ、今回の喧嘩は今作の中では割とシリアス寄りのものではあったけども……。ロコ先輩の「もうずっとキャップを見ていたことを隠す気もない」みたいなふてぶてしさが最高ですね。彼女の場合も、ある意味「才能に溢れた有能な女性が落ちる」パターンが楽しめているとも言えるわけでな。

 2話に渡って作られた「夏祭りステージ編」の後編という意味合いもあるのだが、それより何より、これまた定番(杏ちゃん談)の、「司令官参戦」パターンである。「過去の戦闘で身体に問題を抱えているために出撃できないと思っていた司令官だが、力を振り絞って前線に飛び出す」というと、ちょうど現在放送中の「キュウレンジャー」の司令官、ショウ・ロンポーも似たようなところがある。他にも「戦う司令官」代表といえば何と言ってもデカマスターだし、「身体に問題を抱えた追加戦士」なら元祖となったドラゴンレンジャー・ブライなんかの印象もあるか。キャプテンの場合、舞台の外では司令官ポジションだが、劇中ではあくまでも追加戦士である、というところで2度美味しいですね。もしはつりちゃんのいうことが本当で、姉妹設定になるなら「ギンガマン」の黒騎士ヒュウガみたいな設定になってるのかもしれん。

 本来だったら舞台に上がる予定がなかったキャップがこうして登場したのは、花火の打ち上げ時間にショーのタイムテーブルを合わせるため、という壮絶な理由。作中でも間延びしてしまうショーの厳しい状況が切実に描かれていたが、普通に考えてアクション主体のショーで10分をアドリブで埋めるのって並大抵のことじゃないぞ。何しろ音響やら効果やらは全て秒刻みのスケジュールで用意されているはずであり、アドリブに突入するということは、そうした音響や効果を全く使えず、完全に身体一つの演技だけでクオリティを維持しなければならないということ。超人的な身体能力を持つ杏、ムラムラちゃん、ロコ先輩あたりはなんとかそれに対応している部分もあったが、残りの一般人には土台無理な話である。そりゃそのうち演技も何も考えられなくなる。

 そこでキャップは、「アドリブ中のアドリブ」ということで自分をノープランのままぶっ込むというとんでもない作戦に出たわけだ。衣装だってその辺の幕1枚だし、どう見たって急ごしらえの感は否めないはずだが、おそらくは天性の演技力で乗り切ったのだろう。さらに阿吽の呼吸で彼女の登場に合わせられるロコ先輩との絆、さらにどさくさに紛れてやらかすはつりちゃんの貪欲さなど、普段から積み重ねてきた関係性の蓄積が、今回のアドリブをギリギリで成立させるに至ったのだ。イイハナシダナー。それにしても、キャップまで舞台に上がるってことは、完全に裏方は青山妹1人なんだよな……あれだけ凝った効果演出をよく1人で切り盛りできるよな。他の連中は1人2役をこなしたり、キャストとしての仕事で手一杯だし……毎回の公演を常に綱渡りで成功させてそう。これで日菜野の経済復興の一翼を担う重責を任されているのだから大したものだ。みんな、電車で行こう。

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 あかん、これ俺がすごく弱いやつ、第10話。「優秀で堅物だった女が、何かのきっかけで転がり落ちて救えないところまでいっちゃう」っていうシチュエーション、精神的ダメージが大きくて、ものすごく辛い気分になるんだけど、最終的に好きなんです。MでNTR好きっていうのはそういう人間なんです。今回の委員長、具体的にどう転げ落ちたかを語らずにカバンの薬物だけでそれを暗示させるところとか、最高にエロくないですか?

 最新話の時系列は最新話だ。一番近いところでアンジェたちの過去が明らかになったcase20の「Ripper Dipper」。あの時点でチームの人間関係はほぼ煮詰まっていて、アンジェとプリンセスの関係だけは他のメンバーに言っていない状況。さらに4話目(case9)ではドロシーはアンジェとは別に、プリンセスの動向に気を配るように上から指示されており、実はドロシー・アンジェ間にはすでに認識の差が生じている状態だったのだ。幸い、他のメンバーについては完全に打ち解けた様子で、アンジェとベアトの連携は安心して見ていられるし、今回暇だったちせとプリンセスのコントなんかも和やかな雰囲気で、ちせさんも割とプリンセスに心を開いているようだった。まぁ、仮に2クール分(25話前後)だったとしたら、case22ってマジで最終盤だからな。だからこそのあんな引きなわけだが……、これで次週は多分case23ではないんだよね。やきもきさせられるなぁ。

 さておき、今回はそうしたチームの中身の話以外にも、与えられた任務が特濃で重たい。「かつての仲間が二重スパイに?!」というのもこの手のお話では割と定番で、そんな疑念がかかってる時点で100%バッドエンドになってしまうことはわかりきっているのだが、ここに「かつて同期だったドロシーとアンジェ」という2人のキャラの認識の違いが確認できるのが興味深い。そして、「すでに同期は3人だけ」という残りの1人、委員長というキャラの存在感。「憧れた人がいた」と言って視聴者には「ライバルには愛憎渦巻く感情を持っていたんやな……」と思わせておいて、ラストで「それはアンジェじゃなかった」と言ってひっくり返す。このシフトが実に憎らしい。だって、「アンジェを超えられなかったのが悔しくて、反抗したいという欲求から裏切った」というわかりやすい感情だったら、よくいるダメなやつじゃない。気持ちは分かるけど、養成所時代に優秀だった人間がそんなことで道を踏み外すなよ、って思うじゃない。

 でも、委員長はそうじゃなかったんだ。「成績なんてどうでもよかった」。つまり、アンジェなんてどうでもよかったんだ。彼女が憧れていたのは「風のような人」と形容したドロシーの方。堅物の委員長は、クリスマスの試験の日のドロシーの笑顔、そして自分を責めずにケロリと遊ぶことを勧めてくれたその自由さに憧れを抱いてしまった。やはり、人は自分にないものに焦がれてしまうのだろう。そして皮肉にも、そんなドロシーの差し伸べた手が、彼女の人生の道筋を小さく狂わせてしまい、気づけば道の隔たりは取り返せないほどに大きくなっていた。ドロシーと出会わなければ、彼女はきっとエリート街道を進めていたのだろう。もしあの日の試験で退学になっていたとしても、彼女は才能を活かして充実した人生を送れていたはずだ。しかし、純粋なドロシーの好意が、純粋なドロシーへの憧れが、彼女に小さな毒を植え付けた。なんて皮肉な慕情であろうか。そうして距離が広がっていくことに苦しむ委員長。自分の行いが、かつての仲間の身の破滅を招いてしまったドロシー。小さなコンパートメントで向かい合う2人の女性の心中はいかばかりのものだったのか。

 そうした2人の関係性を知ってかしらずか、アンジェは一応ドロシーのことを考えて動いてくれていたようなのだが……あそこで取り逃がしてしまったのは、やはり委員長が優秀だったからなのか。結果的には、ドロシーには何よりも辛いシーンを目撃させることになってしまった。あそこで車中に押し入るのは別にアンジェでもよかったと思うのだが、ドロシーが自分が交渉したいと言ったのか、それとも足場が不安定な車外から万一に備えて銃を構えるのは反重力ボールの操作に長けたアンジェの方が適任だという判断だったのか……なんにしても、委員長は7話に続いてスパイという職業の救いのなさを嫌という程に思い知らされる結果になった。どこかで別な道を選ぶことができなかったものか……。

 これだけの境遇にありながら、表面的には冷静を保ちながらきっちり事後報告にいけるドロシーはとても強い女性だ。しかし、そんなドロシー達の前に突きつけられる新たな任務。ついにきてしまった、スパイが身の振り方を選ばなければならない究極の選択の時間だ。さしものアンジェも動揺していたようにも見えたが……これって、アンジェは何をどうあがいてもプリンセスのために動くから取るべき行動は「反抗」だけ。ベアトだってノータイムでプリンセス側につくだろうし、ちせは堀河公に一応打診するかもしれないが、最終的には自分の判断で「主君」を守る気がする。となると、やっぱり問題はドロシーなんだよ……。なんか、この作品ドロシーにばっかりキツくない?

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 百合は世界を創造する、第21話。どこぞの概念魔法少女と悪魔魔法少女のごとく、女の子が手を繋げば、そこに新しい世界は生まれるのです。次元を飛んだアルタイルさんたちが二人で寝そべる構図もまどほむと同じなんですよ。

 アルタイル戦の決着は禁じ手による盤外からのフィニッシュである。颯太が繰り出した「卑怯で汚い」やり方とは、創造主、セツナの創造。もう、なんかいろんなところでイレギュラーが発生してごちゃごちゃになってしまっているので、今回の決着に導かれるまでのファクターをまとめていかなければならないだろう。

 まず根本的に、1つ目のイレギュラーは「被造物の顕現」という現象そのものだった。これによりアルタイルがこの世にうみだされ、次々と被造物が顕現する中で、「これ以上世界の理を歪めたら、この世界がキャパオーバーしてぶっ壊れる」という問題が生じた。つまり、この1つ目のイレギュラーはアルタイルという要素を生みだしながらさらに彼女の最終目標に設定されたもの。そして2つ目のイレギュラーは、アルタイルという存在そのもの。他の被造物は「承認力」のルールにより、消費者の最大多数の認識が反映される形でこの世に生まれるが、彼女だけは確固たる「原作」が存在せず、この世に生み出された二次創作、個人の持つ彼女のイメージの数だけ膨らみを持つという。動画サイトからの誕生という他のキャラとの差が彼女の持つ「イレギュラー」を作り出し、彼女を「被造物というイレギュラーの中でもイレギュラー」という特異な立場に立たせた。

 そして、そんなアルタイルは創造主たるセツナへの想いが高じて世界を破壊することを信念としていたが、ここで3つ目のイレギュラーとして、颯太が「創造主を創造する」というとんでもない奇策に打って出た。承認力のルールさえ逸脱し、真鍳の特殊能力の助けを経て辛うじて成立させたかりそめの存在ではあったが、少なくとも颯太の中でのセツナであることに間違いはなく、2人の関係性から察するに、どうやらアルタイルの中でも立派に彼女はセツナとして成立する存在だったようだ。勝手な推測だが、彼女の姿が顕現した際、アルタイルは相当に動揺しただろうから、彼女はうっかり「そこに彼女がいること」を「認めたくて」認めてしまった。被造物であるアルタイルが認めたという事実を観客たちは見守っていたわけで、その「アルタイルによる保証」がセツナを成立させるための最後の承認力を提供したのではなかろうか。

 こうして僅かながらも存在できた「被造創造主」であるセツナ。わざわざ颯太が彼女を引っ張り出してきたのは、端的に言ってしまえば本当に下衆な考えでしかない。まぁ、単純に言えば「被造物を黙らせるなら創造主」ということ。これまで、真鍳やアリスちゃん、ブリッツみたいに創造主に牙を剥いた連中もいるのだから創造主がいれば全てコントロールできるというわけではないが、すでに颯太はまみかやブリッツの情報からアルタイルの行動原理の根底に「親」であるセツナがいることは分かっている。アルタイルは出自が揺らいでいること、出会えなかったことから、すがりつくべき創造主たるセツナに対して特別な感情を持っていたのだろう。下世話な言い方をすれば、立てこもった犯人に「お母さんは泣いているぞ!」とお袋さんを引っ張り出してくるのと同じ戦略なのである。そしてまぁ、これがアルタイルさんにはよく効くのだ。

 アルタイルという「イレギュラーの中のイレギュラー」。そしてセツナという「イレギュラーによるイレギュラー」。この二者を邂逅させ、その後どうなるかなんて颯太も想像していなかっただろう。打ち出す手立てがなくなったから苦肉の策で思いつきのアイディア勝負に過ぎない。しかし、結果は想像をはるかに超えたものになった。アルタイルがこれまで狙っていたのは「イレギュラーの度合いをどんどん上げていくことで世界が許容できなくなってぶっ壊れる」という結末だったのだが、そんな爆心地であるアルタイルに、いわば全パワーを叩きつけて「イレギュラーの塊」を生み出させる餌を与えたことになる。消えかけのセツナを前にして、アルタイルが行ったのは「破壊」とは真逆の行動、つまり「世界の創造」。これにより、アルタイルとセツナという最大のイレギュラーが現世とは別次元へと切り離され、アルタイルが貯めてきた破壊のエネルギーが全てチャラになるのだ。これまで幾度となく「被造物はこの世界に現れた時点でわれわれ人間と対等であり、彼女たちにも物語がある」ということを確認してきたわけだが、アルタイルはそんな被造物たちの中でもとりわけ強烈なパワーを持っていたおかげで、ついに「被造物」から「創造主」になり変わったのである。クリエイター(セツナ)が生み出した被造物(アルタイル)が、今度は新たな世界に被造物(セツナ)を成立させる。この二重の構造こそが、今作で最後に用意された「Re:Creator」という言葉の意味である。いやはや、恐れ入った。

 今回の一件で、本作の主人公がアルタイルであったことは確実になった。今作で最も「Creator」の称号がふさわしいのは間違いなく彼女なのだから。シマザキセツナの物語、そしてアルタイルの物語に、非の打ち所は一つもない。

 ただ、残念ながら問題が1つだけある。颯太である。あいつ、何でセツナを創作に紛れ込ませるっていう(本来なら成立しないはずの)アイディアを盛り込んだくらいで「君と同じところに立てたかな」とか偉そうなことを言っているのだろうか。今回、改めて颯太のクズエピソードが反芻され、「こいつがもっとちゃんとしてればそもそも事件はなかったのに……」という残念さが際立ったことに加え、せっかくアルタイルとセツナが二人きりで睦言を語らうという最強のシチュエーションだったにもかかわらず、たかだか眼鏡で割って入って邪魔しにきた。お前いらんねん。別にセツナの才能や生涯を語る上で、颯太はなくてもええねん。何で「颯太のおかげで解決しました」みたいな空気を作ろうとしてるんだ。違うからな。全部アルタイルさんの献身と純愛のおかげなんだからな。

 とりあえず、無事にアルタイルさんが幸せになれたことで、今回のCreatorのお話は一件落着といったところか。まぁ、セレジアさんとかアリスちゃんとかがどうなるねん、って話はあるけど……ほら、前回アルタイルさんが言ってたじゃないですか、「そいつらは脇役だ」と。このまま何事もなかったかのようにハッピーエンドで問題ないです。まぁ、残りの被造物連中が今後どうなるのかは知らないけど。ラスト1話でそのへんの後日譚になるのかな。いや、でも真鍳ちゃんがのうのうと生きてるのはちょっとまずいな……。

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9月9日 ドラフト模様(HOU×2 AKH

ピック順 【Thraxi】→【Serra】→【Alessi】→【Chrolony】→【Mei】→【Sangriter

 

 さぁ、「破滅の刻」環境も今回を含めてラスト3回。ぼちぼちゴールが見えてきましたかね。ちなみに今後の予定が若干ゴタゴタしておりまして、次回(9/16)のドラフトはすでに欠席1名の報告があり、次々回(9/23)も欠席1名が確定。もう7人戦は発生しません。さらに、ちょっと言いましたが、その翌週、つまりイクサランのお目見えとなる週(9/30)は、僕がどうしても外せない予定があって開催できないんですよね。別に私がおらずとも6人でドラフトはできるわけですが、そこはほら、俺主催者じゃん。環境スタートの試合を俺がいないところでやられたくないじゃん。自分が参加できない試合のためにパックとかスリーブとか用意したくないじゃん。ということで、リリース週のドラフトは土曜日以外の日にズラすという強権を発動したいのだけども……。以前のように金曜深夜開催にするか、可能ならば日曜の昼間にするか。土曜がベストって人が多いとは思うんだけども、そういう事情なので3週間後の予定の確認・調整をしていただけると助かります。次回集まった時に(6人しか集まれないけど)擦り合わせするので、よろしくお願いします。「お前無しでやるからパック用意しとけ」って言われると、多分年下に買い物を押し付けてふて腐れます。

 


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 響の部屋の二段ベッドが二段である意味が全くない、第10話。しょうがないよね、そういう距離感だからね……。なお、未来さんはソシャゲの方でもイベントで存分にひだまりっぷりを発揮していた模様。本筋ではさすがに奏者としての復活はないかなー。

 個別ユニットシリーズ第3回にして最終回。残された組み合わせは響×切歌の、名付けて「チームお気楽」である。これまでの二組は「過去に背負った罪」を乗り越えたクリマリ、「仲間との距離感」を改めて掴み取ったツバシラ。しかし、残念な事に、いや、ありがたい事に響と切ちゃんにはそうしたテーマはなかった。サンジェルマンとの激突ではいきなりの変身、イグナイトからユニット曲、スカイラブハリケーンみたいな合体技までノンストップ。前回のエピソードで「切歌は誰とでもあっさりユニゾンできる」という(調にとっては残念な)事実が確認されていた訳だが、今回はそんな切歌の柔軟性が存分に発揮された形だ。元々響の方も「繋ぐこと」に特化したギアだったし、この2人の場合は特定のコンセプトは必要なかった様子。

 しかし、それだけでは物語として膨らまないので、なんと切ちゃんが取り出したアイデンティティが「お気楽」だったのだ。以前カリオストロにちょっと嫌味を言われていたことが微妙に気になっていたらしい切歌。S.O.N.G.のみんなともすっかり打ち解けていつも通りのテンションで接してたら、ツンデレすぎるキネクリ先輩から怒られてしまってしょんぼりなのデス。クリスちゃんも別にマジで怒ってる訳じゃないんだけどね。単に感情表現が下手なだけだからね。しかし、こうしていろんな人生を並べてみると、切歌本人からしたら「お気楽であること」自体もちょっとしたコンプレックスにつながってしまうようで。確かに、マリアさんやクリスは言わずもがな、SAKIMORIは国防の使命に燃える(過度な)堅物であるし、調も繊細さから人間関係を思い悩み、一度はフィーネの器としてその命を燃やし尽くそうとした。一番能天気な響でも、過去に家族をめぐってのゴタゴタがあったし、未だに奏さんとの関係性は処理しきれていない部分もあるだろう。みんなそれぞれに重たい使命を背負っての人生だが、切歌にはそれがないという。

 でもさ、基本的にF.I.S.の出身者ってそれだけで充分重い過去だよね……。マリアさんはマムとの関係性でなんかいい話みたいなまとめ方してたけども、普通に考えたら「自分の誕生日がわからないから」とかいう台詞は周りの人間が聞いたらそれだけで充分重いわ。それを背負ってもお気楽キャラでいられるのは、単に切ちゃんが強い子だからだよ。それでも、やっぱりサンジェルマンみたいな人生を見てしまうと、切ちゃんは根が真面目なので「自分なら」ということを考えてしまうようで。リンカーが完成したのがほんの少し前だというのに、変身→イグナイト→絶唱という地獄への超特急をあっという間にかっ飛ばしてしまった。うーむ、この思い切りの良さはやっぱり切ちゃんの人の良さという他はない。そして、そんな切歌の独走状態に一番傷つくのはやっぱり調なわけでね……たまたまコンビを外れて別行動しているタイミングで、よりによって自分の手の届かないところで切歌が絶唱してしまう。そりゃショックだよなぁ。命の危険まではなさそうだけど、今後は引率していた響が監督者責任を問い詰められることもありそうだ。調の怒りは相当なもんだと思うぞ。

 そして、そんな切歌の絶唱を引き出したのは、我らが全裸神・アダムである。政府もうまいこと日本の謎システムを活用して一度は結社の目論見を弾いてみせたが、残念ながら全裸は規格外の男。「地上のオリオン座」が駄目ならお空に浮かぶ本物のオリオン座を使えばいいやん、ってんでいともたやすく要石バリアーを突破。どうやら彼の大願はかなってしまいそうだ。そしてそんな強敵を前に、「正義を信じて、握りしめて」いたことは一緒だったという信念の人、サンジェルマンがようやく響の手を取ることに。せめてもうちょっと早くアダムの欺瞞に気づいてくれよ、という気もするのだが、まぁ、このタイミングしかないのかな。残りの2人は帰らぬ人になってしまったらしいが……できればサンジェルマンはなんとかこの戦いを生き残って次のシリーズでも活躍してほしいもんです。不可能なの「だとしても」の精神。いや、単に美菜子の歌唱が見たいだけなんだけども。来期も6人体制で回すと脚本の作り方もマンネリ化しそうだし、出来ればサンジェルマン・フィーネ・キャロル(あと未来さん)あたりが大集合するハイパーなシンフォギアが見たいです。

 さて、これでいよいよギア奏者と錬金術師の初のタッグということになるが……。ちなみに響とサンジェルマンの中の人は同い年。

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 頭おかC、第10話。前回(アイドルはトイレにいかない!)も全く別ベクトルでやべーヤツだったので「これ、触れん方がいいやつや」ってんでスルーさせてもらいましたが、今回は輪をかけてぶっ飛んでいる。どうやら今回のディレクションが本作の総監修をつとめる人の手によるもののようなのだが……このアニメを一体どこに持っていきたいのだろうか。

 「ヤバい」という言葉は本当に便利なので、今作は一言ただ「ヤバい」とだけ言い残して逃げてしまいたい気持ちでいっぱいだ。これまでも毎回ディレクションを変え、同じアニメとは思えないくらいに多種多様な見せ方を試みてきたが、今回も過去9話のどれとも一致しない、不可解な方向へ走り去っている。幸か不幸か、魔女の性質自体はそこまでエキセントリックなものではなかったはずなのだが……それでも世界観は訳がわからなくなってるよね。まぁ、夢なんだからしょうがないけど(便利な言葉や)。

 ヤバい要素その1、映像がとにかくヤバい。「話数によって精度とテイストが変わる」だけならまだ納得もできるのだが、今回は「シーンごとに作画が違う」という、現代アニメの全否定みたいな状態。いや、作監が大量に生み出される現代アニメこそ、ひょっとしたらそういう状況が多いのかもしれないが。ただ、本作の場合はそうして「苦肉の策で作画がエラい事になった」というのではなく、意図的に作画をぶっ壊しにいってる節がある。冒頭、キャラクターの口のパク(開け閉め)がおかしいとか、もう中割り入れることすら馬鹿馬鹿しいみたいな状態の映像で、なんだか専門学校の1年生が描いたようなあまりにお粗末な映像が流れるのだが、そんなどうしようもないカットも、やたらと流麗で精緻な映像を挟み込むように配置されていたりする。キャラの顔もカットごとにコロコロ変わり、もう何が基準なのかもさっぱりわからない。

 ヤバい要素その2、話がヤバい。魔女の性質は「多芸だけど人と付き合えないやつ」というだけなのだが、そんな彼女の様々な側面を見るために、いろんな芸を披露する世界を飛び回る。そして、その度に演出方向がコロコロ変わり、作中のキャラに全くついていけない話が断片として押し寄せてくる。それぞれの画面構成の意味なんて考えていたら、話が何処かにいってしまうのだ。

 ヤバい要素その3、演出がヤバい。こうして訳のわからない話が流れているのに、それを理解させたくないかのように、間の取り方、画面の置き方がおかしい。普通に考えたら遥人が殴られるカットなんかはもっと寄せて映像を描くべきシーンだったと思うのに、そこをあえて遠くから見せて意味を混迷させる。猫博士が座敷で魔女と2人対面するシーンなんて、2人の会話が弾まずに沈黙で途切れ途切れになる悠長な間に、視聴者ははぐらかされてばかりだ。

 ヤバい要素その3、音響がヤバい。結局あの小さい秋はなんだったんだ。突然歌う遥人にも問題はあるのだが、その後はしれっとBGMで流れたりもする。突然のギターソロが延々流されたりもする。画がちぐはぐなだけでも困るのに、そこに音でヒントもくれない。さらに、今回の魔女はどうやらキャストが素人のようで、彼女の心情も伝わりにくい。中の人はアーティストらしいので、音楽と絡めてこの「掴みにくいキャラ」に拍車をかけるためのピンとこない役者の起用なのだろう。もう、本当にどの要素も信じられない。

 そして、これだけたっぷりと「夢の不安」を突きつけられ、「大丈夫かGONZO」とか「大丈夫か制作スタッフのメンタル」とか色々心配になったところで、ラストに「大丈夫か遥人」という今作最大の問題をついに投下してきたのである。もう、この一言を言わせるためだけの30分だった気すらする。本当に、よくこれを作ろうと思ったし、よくこれが許可されたと思う。視聴者など知らぬ、ただ作りたい画を作る。その意思や良しだが、ここまで全力であさっての方向に逃げられてしまうと、これをどう判断していいものか……。

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