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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 不意の飯テロマジ勘弁、第16話。角煮はね……手間だよね……(圧力鍋の購入を真剣に考え始める)。

 前回までのあれこれを総括するインターミッションのようなお話。おかげで宗谷・日向家・島田さん・二階堂と、この作品の良いところがぎゅっと詰まったたくさんのキャラクターが一気に楽しめるお得な回。そして、その全てのシーンがそれぞれに違ったテイストでいい具合に感情を揺さぶってくれる。

 まずは宗谷。前回の時点でその超然たる妖精さんっぷりは存分に発揮してくれていたわけだが、今回はいわば「答え合わせ」というか、衝撃の事実が明かされる最終回である。これまで何度か、零は宗谷を評して「周りから音が消えたよう」という表現を使っていたが、さすがは天下の桐山零といったところだろうか。その表現は当たらずといえども遠からずだったわけだ。実際に、宗谷は周りの音を聞いていなかった。何だろう、彼の場合は「聞こえない」というよりも「聞かない」と言った方がしっくりくる気がする。もちろん本人の意思で選べるはずもないのだから「聞こえない」には違いないのだが、それを一切苦にせず、むしろ武器として研ぎ澄ませている感すらあるのが宗谷という人間の恐ろしさである。

 しかし、こうして真実が明かされてみると、これまで見てきた宗谷の超越性の1つの真実が見えたような気もする。「音が消える」ことの影響は、単に彼の人間性が表れるだけのものではなく、将棋という勝負の世界でも何か意味があるようにも見える。もちろん困難の方が多くはなるはずなのだが、それでも宗谷ならば「その世界」で戦えてしまうだけの天賦の才があったということなのだろう。結局、真実が判明してからは零と宗谷が再び出会う機会はなかったわけだが、次に再会した時、零は宗谷に対して、一体何をみて、何を語るのだろうか。

 文字通り嵐のような新人戦が終わるが、ひと段落している暇もないのが忙しい棋士の生活。そんな零の苦労をねぎらうかのように、日向家の団欒が描かれる。まぁ、残念ながらその中に零はいなかったんだけどね……角煮&半熟卵によるトロトロやらプルプルやら、もう、なんか全部日向家を表すメタファーみたいに見えてくるな。零のやつ、本当にこんな幸せ空間を無駄にしやがって……。今回はかやのん&花澤のユニゾン台詞も多くて、あらゆる面で眼福(耳福?)でしたね。芸歴のせいで忘れそうになるけど、ちゃんとかやのんの方が年上である。

 さておき、そんな日向家の誘いにもなかなか乗れない零ちゃんは、宗谷戦の後遺症のようにただ彼の影を追う。別に意識しているわけではないだろうが、さすがに「神」との対戦を終えて綺麗さっぱりその衝撃を忘れてしまうのも難しいだろう。まるで夢うつつの出来事のように、零の脳裏にこびりついた宗谷のイメージ。同じ体験をしたことがある島田さんは、それを指して「楽しかっただろう」と言った。零はともかく、島田さんはあれだけの肉体的な苦労を伴いながらの戦いだったにもかかわらず、それでもなお「楽しかった」と言えるのは、おそらく2人とも生粋の棋士であるからだ。神と対峙した者だけが得られる共通認識があるのだろう。

 島田さんは零に対して、もう1つの重要な情報である二階堂の復帰を告げた。「命の恩人」とも言える二階堂の復帰。零もこれには宗谷の影など忘れておっとり刀で駆けつける。不本意な体調不良で色々と問題を抱えてしまった二階堂。復帰といっても素直に祝福の言葉を送るわけにもいかない……と思ったけど、そこはやっぱり二階堂。この作品の天使である。転んでもただでは起きない。入院してもただでは出てこない。一皮剥けてさらに強くなった二階堂の帰還に、零も、島田さんも、そして打ち負けた対戦相手すらも、安堵と喜びを表さずにはいられない。それこそが二階堂の人徳というものである。

 さて、これで一通り、難しい話は片付きましたね。残りの話数は一体どんなお話が待っていることやら。

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 今年もこのシーズンになりましたね。まずは無事に1年間の放送を終えられたことに対して、お疲れ様の謝辞を送りたい。

 さて、色々と話題性に富む新時代の戦隊ヒーローだったキュウレンジャー、その総括はどんなものになるだろうか。端的に評価を下すなら、「優良可」で評価したら「可」くらいになるか。そもそも戦隊を1年観て「不可」なんて評価を出すはずもないので、正直言ってあんまり好きな戦隊ではなかった。もちろん、個々の要素を拾っていけば楽しい部分もたくさんあったのだが、シリーズ全体の構成を見るに、あまり効果的に働いていない部分が多かったんじゃないか、という気がするのである。

 まず先に良かった部分を拾っていくと、CGをフル活用し、完全にSF世界として「宇宙」を舞台にした作品世界を作るという挑戦は一定以上の効果を上げていたと思う。過去の戦隊にも宇宙を広くテーマに扱ったものはあるが(「フラッシュマン」みたいな)、やはり「地球でない世界」を描く技術力というのは日進月歩、逆に言えば過去作品ではまだまだいかにもな「特撮」作品であり、昨今の技術力をフル活用した「宇宙」観を戦隊が取り扱ったことはなかった。そんな中で、今作が真剣に取り上げた「スペースオペラ」な背景は、なかなかよく出来ていたんじゃなかろうか。特撮技術ではなくCGに頼る方向性をよく思わないオールドファンもいるかもしれないが、その時代にある全ての技術を駆使してこその「特撮」である。限られた予算の中で出来うる最大限の世界を見せるというフロンティアスピリットは、まだまだ根強く東映特撮に残っているのだということが確認できただろう。

 細かい部分を見ていくと、個人的にお気に入りだったのは何と言っても鳳ツルギの立ち位置だ。ツルギは「先代救世主」という割と無茶な立ち位置で、ポジションを考えると「弱いはずがないので現役を霞ませてしまう危険なジョーカーキャラ」ということになり、こうした過剰戦力は世界観を壊してしまう恐れがあるのだが、ツルギのスタンスは「最強の伝説」という至高のポジションから全くぶれることなく、それでいてきちんと「キュウレンジャーの一員」におさまり、後進の指導と自らのドラマのアツさを同時に見せることに成功している。こんなに頼れて格好いい「兄貴分」の追加戦士は久しぶりに見るので、彼の存在感は番組後半を牽引する大きな原動力になったのではなかろうか。中の人のハイパーイケメンっぷりがずるいという話もある。

 こうして個々に楽しいポイントはもちろんあったのだが……でも、やっぱりとっ散らかってたなぁ、というのが正直な感想。結局いつもいつも同じ感想になって大変申し訳ないのだが(先週のプリキュアと同じ感想になるのだが)、どう考えても人数多いだろ、っていう。最終的に12人って、キョウリュウジャーよりも多いからなぁ……。上述のツルギの場合、最後に登場したにも関わらずその後の活躍シーンがめちゃめちゃ多かった上に毎週常に存在感を発揮していたので全くキャラが埋もれた印象もなかったのだが、それ以外の戦士を個別に見ていくと、12人も必要なかっただろ、と思うことの方が多い。個人的な存在感ランキング、いいエピソードランキングなんかを総合すると、主人公のラッキーは問題ないだろう。途中まで「幸運が能力にカウントされるのはダメだろ問題」が脳裏に引っかかっていたのだが、ちゃんと「ラッキーってのは受け身じゃなくて自分で掴みにいくもんだ」っていうメッセージが一貫していたので、主人公キャラとしては問題なく成立していたと思う。中盤(と劇場版)で最大の見せ場を作ったナーガ、最序盤のシリアスさを引っ張ったスティンガーあたりもOK(そのついでにバランスも可愛いからよし)。あと、すげぇ勝手な個人的好みからスパーダも良しとする。なんかね、スパーダ好きなのよ。多分ツルギを別にすると一番好きなのはスパーダ。最後の変身でキメてくれた裏声とか、なんかもう、すげぇ好き。野球エピソードの無茶苦茶っぷりも最後のギャグ回として輝いていたし。

 その他、そもそもが追加メンバーである小太郎、ショウ司令、さらに基本属性がサポートメンバーであるラプターも見せ場の少なさはしょうがないとしようか(ラプターはキョウリュウバイオレットみたいな立ち位置だと思えば致し方ない)。そうすると、やっぱり初期メンバーのはずなのに今ひとつパッとしなかった面々が勿体無い。チャンプは入退場を繰り返していた印象なのでそもそも登場回が他の戦士より少ないっていうビハインドがあったが、結局アントン博士のエピソードって何がやりたかったのかがあんまりわからなかったんだよなぁ。単純な善悪で物事が一面的に見えないっていう話は大きくはアルマゲ&クエルボのところでもやっているのでちょっとメッセージ性が弱かったし。やっぱり、「変身したら体のサイズが縮む戦士」って微妙だと思う。ハミィの場合、個別エピソードがやや弱めだったことが気になったか。あとはまぁ、放送中にスキャンダルすっぱ抜かれたのは大人目線だとちょっと残念ではあるよね。いや、別にいいんだけどさ。個人的には、最後のメットオフ(というかスーツオフ)のカメレオングリーン変身がキマっていたので、それに免じて「まぁよし」としたいと思う。結局、トータルで一番損してたのはガルなんじゃないかな。だって、中盤以降に本当に出番がなくて「ラッキーのいう通りガルbot」でしかなかったから……幾ら何でも依存しすぎてて戦士として格好悪いんだよなぁ……初期メンバーなんだから、もうちょっと男気を見せる場面を作ってあげた方がよかった気がする。個人的には「史上最も残念な青戦士」認定。

 あと、ついでに言うと敵勢力がごちゃごちゃしてたのもマイナス点だと思う。意外すぎるマーダッコさんの長期活動なんかは嬉しかったんだけど、ジャークマターって組織が全宇宙に散っているせいで上下関係も全体像も見えにくかったんだよね。最終的に覚えてるのってマーダッコとアキャンバーだけだし(単に女性キャストのおかげ)。そして、敵勢力がなんだかぼんやりしていたせいで、ロボ戦がなおざりになってしまったのも勿体無い。どうしても人間ドラマの時間を稼がなきゃ、っていう焦りがあったのか、ロボ戦がずいぶんあっさりしていた。モライマーズが毎回同じようなデザインってのも弱いところよね(似たようなコンセプトがあったゴーバスターズはきちんと見せ場になっていたのだからそれだけが理由ではないのだろうが)。まー、味方戦力だけで12人だと、さらにここに敵勢力内でのドラマを入れる余裕まではなかったってことなんだろうなぁ。

 まだまだ書き足りないところはあるが、とりあえず「もうちょっと見やすいドラマが欲しかった」と言ったところを総括としたいと思います。でもまぁ、人数が多いってことは今後も掘り下げられる要素が多いということでもあるので、今後のスピンオフとか、そうした部分での活躍を期待していきましょう。

 そうこう言っているうちにも、新しい時代はすぐにやってくる。そういえば、これを書いてて初めて気づいたんだけど、今年は劇場版のVSシリーズがなかったから快盗と警察の顔見せがまだ行われてなかったんですね。久しぶりに設定だけでもワクワクさせられる新戦隊。まぁ、登場時から6人っていう時点で「人数多すぎんじゃねぇか問題」は相変わらず抱えているわけだが、3&3の形で(当面は)分かれているのだろうし、ドラマの掘り下げは色々と新機軸が試せそうで期待。早く来い来い日曜日。

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 喫茶店のスティーレっぽさ、第4話。いや、単に店員さんの声がね。「なんかモブにしちゃ可愛い声だな」って思ったら、まさかの麻冬さんだったっていう。

 ひどく阿漕な構成である。あきらちゃんのうっかりミスで秘めた恋心(あんまり秘めてないけど)がチャラ男にバレてしまうという大失態。あきらちゃんは普通に可愛いもんだから、弱みを握ったと思ったチャラ男はそこから圧力をかけて強引なデートにこぎつける。私が愛読する(?)NTRもののエロ漫画だったらあとはもう、エンディングまで一直線になってしまう展開だ。多分、この夏のビッグサイトではそうした内容の同人誌も少なからず展開されることになるだろう。しかし、今作はちょっと妄想の中で脱ぐくらいでおさまる健全アニメ(?)である。やることやっちゃう「クズの本懐」とはまた別のカテゴリ。チャラ男さんもやってることは極めて悪辣だが、いきなり一線を超えたりはせず、興味半分であきらちゃんを囲っておく程度にとどまった。今後どんな行動に出るかはわからないが、まぁ、エロ漫画ワールド以外の世界ではそこまで無茶なこともできないだろう。

 そして、なぜこのタイミングで突然悪いチャラ男がフィーチャーされたかといえば、はっきりとした対比構造を描くことで店長とのデートのプレミア感を際立たせるためだ。もともと感情を表に出すことが少ないあきらであるが、彼女がとにかく店長とのデートに浮かれていることを表すためには、その前に比較対象として「望んでもいないしクソつまらないデート」をやったらあきらがどうなるかを描いておけばわかりやすい。さすがに強要されたデートってのは比較対象としてもひどいとは思うが、綺麗な二重構造は見ている側も理解しやすいので多少過剰演出でも問題ないだろう。

 店長とのデートでのポイントは、あきらちゃんの浮かれっぷりを描くのと同時に「店長はつまらんおっさんだからデートプランも大して面白くないぞ」という「枯れ」感の演出。事前の相談で「店長が行きたいところに行きましょう」と言われて行った映画が前日に「つまらなかった」と言われた映画だったあたりが分かりやすい。それ以外にもおっさんテイスト全開の立ち居振る舞いは容赦無くsage要素のはずなのだが、あきらちゃんは既に盲目状態な上に、前日のクソみたいなデートとの対比があるのでますます舞い上がってしまうというわけ。もう、浮かれちゃってるあきらちゃんはいちいち可愛くて困る。最高のシーンは、店長から電話をもらって思わず足元がで心ぴょんぴょん具合がわかってしまうあきら。

 最終的にはどちらのデートも収まるところに収まったくらいの無難な終わり方だったわけだが、ラストで見せたあきらの妄想シーンもなかなかやるせない演出になっている。前日のデートとの対比構造がここでも活かされており、チャラ男の場合、あきらが唯一かけだしたのは彼の手を振り払って逃げるため。店長の場合、真逆で去りゆく店長を捕まえるため。移動方向もチャラ男の場合は「右→左」という図式で、チャラ男のキスも「右→左」と動いて右頬。店長の場合、捕まえようとしたあきらは「左→右」と駆け寄って、キスしたのは左頬(あくまで妄想)。当然この対比は「離れる」「接近する」という差分を表したものであろう。そして、実際にはあきらはまだそこまでやる勇気はなく、駅の雑踏の中、点字ブロックを超えられずにその場から立ち去ることになる。黄色く伸びて画面を寸断する点字ブロックは、陸上部時代に彼女が何度も跨いできたスタートラインを暗示しており、彼女はまだ「スタート」できていないことを表している。

 とにかく1つ1つの心情がわかりやすい「恋心」で表れるあきらちゃん。出来ることならマジでエロ漫画みたいな展開でチャラ男が余計な悪さを働いて、彼女の紅潮した顔が曇らないことを祈るばかりである。

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 「僕、まだ7版を開いたことないんですよ」。そんな某氏の鶴の一声で軽くスタートしてしまった突発たほいや。こうしてなんとなく集まってなんとなく1まわしやるくらいの軽さが健康のためにも一番いいのかもしれません。誰も不幸にならない幸せなたほいやじゃないですか。ほんの一時間程度だし、遠くの地にいる人たちも気にするほどのもんでもないよ。うん。

 


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○「Fate/EXTRA Last Encore」 4

 よしっ、これわかんねぇ奴だな。ただでさえFateシリーズって部外者にはハードル高いのに、それをさらにシャフトがこねくり回すって、もう取りつく島もないじゃん(ないじゃん)。

 最近こういう1話目見たなぁ、と思ったけど、多分「dies irae」の1話目(正確には0話目)だな。なんかよくわからないドンパチから始まって、やっぱりよくわからないドンパチで終わるっていう。まぁ、今作はまだ知ってる顔が何人かいるからマシだが……いや、マシか? むしろかえって謎が深まってないか? 多分1話目を見てて一番衝撃だったのは「お前慎二かよ?!」っていうところ。冒頭から「神谷ボイスで喋ってるやつがおるなぁ」って思ったけど、「Apocrypha」のバーサーカーだって鶴岡さんだったし、セイバーが諏訪部だったし、Fateシリーズ内でのキャストの使い回しは日常的にあるものだと勝手に解釈したら、まさかの本人だった。いや、これだって本人なのかどうかもよくわからない。というか、キャラデザだけじゃなくて設定も全然違うのだから、明らかにあの冬木市の慎二とは別人と考えたほうがいいのだろう(ただ、最終的な顛末を見て「あぁ、確かにいつも通りのワカメだわ……」とはなったけども)。

 アポクリファもそうだったけど、結局Fateシリーズってゆるい接続の下でやりたいことを新たに始めるだけのシリーズで、スターシステムみたいなものだと考えたほうが気楽なのかもしれない。だから保健室を開けたらナチュラルエロい桜とかがいてもあまり気にしないことにしよう。多分彼女の二人称は「先輩」と「兄さん」しか存在しないんだ。きっとそうなんだ。とにかく、この作品は新しく冬木市からキャラクターを引きずり出していつも通りに綺礼さんが楽しそうにその顛末を語るなんちゃってスピンオフ作品なんだ。そう思えば特に問題なく見られる。

 わけもない。やっぱり意味はわからない。最初にチェスで片方がぶっ倒れた時も「シャフト的な誇張表現なのか」と思ったら実際ぶっ倒れてたし、学校のデザインがイカレてるのもいつも通りのシャフト空間なのかと思ったら実際に未来的なぶっ飛んだ世界観みたいだし。どこまでが(この世界における)「現実」で、どこからが「虚構」なのかがさっぱりわからないので、こういう時のシャフト的演出は壁にこそなれ、魅力とは感じにくいな。慣れてくれば少しは見え方も変わってくるのかもしれないけども……ディレクターは宮本さんだし、多分いつも通りの着地点になるんだろうなぁ。

 深化が進んで展開が増えるほど、ハードルが上がって外様には入りにくくなっているFateシリーズ。このまま独自進化を遂げて異形のジャンルとなり果てるのか、アニメを通じて新規客層を開拓するに至るのか。……前者じゃねぇかなぁ。

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 ウアァァア! めぐっちゃん!! 第5話! 切ないなぁ。青春だなぁ。記念すべき今年初のボロ泣きアニメは意外なところから現れました。痛々しいって、素敵だなぁ。

 まさかのめぐっちゃん回だった。なるほど、今作は「南極探検」という大上段のテーマに目が行きがちだが、どちらかというと女子高生たちの生の感情が行き交う青春ドラマとしての側面が強い。そして、キマリや報瀬の物語が成立するのなら、めぐっちゃんだって立派に主人公たり得るのだ。そしてそれは、なんとも切なく、身を切るような物語だ。

 気づけば本作もすでに5話目。南極でのあれこれを描くためにはそろそろ旅立つ必要があり、前回初めて訓練に参加したかと思ったら、いつの間にやら出発当日。もう少し「南極での心構え」みたいな部分でトレーニングするシーンが挿入されるかと思っていたのだが、そんなことをしている時間はないようだ。尺に余裕があって試験やトレーニングを延々流すことができた「宇宙兄弟」とは作品の性格が異なるからね。そうして月日は流れ、キマリたちの南極行きは当然それなりに話題になっている。学校ではなんと朝礼で登壇するまでの話題になり(まぁ、3ヶ月も休学する事態だしなぁ)、報瀬さんは闘犬モードに拍車がかかる。もちろん、学校側がここまで大々的に取り上げてくれれば、今まで妄言だとしか思われていなかった報瀬の大望だって一気に現実味が出てくるわけで、そうなってしまえば周りの人間の反応だって変わる。今や2人は学校ではちょっとした有名人。そして、その知名度は決して悪い方向での噂ではなくなっているのだ。

 そんな変化に、もちろん本人たちだって戸惑ってはいるだろうが、キマリのよく分からない図太さは、周りの頼りになる仲間たちの存在もあり、南極行きの不安や恐怖よりも期待や楽しみの方が上回っている。1話目で学校と反対向きの電車に乗ることすらできなかったあの時のキマリはもうおらず、今では立派な「南極チャレンジ隊員」の一人なのだ(多分、時として自分以上にポンコツになる報瀬さんの存在は大きいのかと思います)。変わる世界、進む時代。こうしてキマリは立派に自分の人生の「主人公」たらんとしている。

 そして、そんな変化に影響を受ける人間は、何もプラスの影響があるだけでは済まされない。意外なことに、前へ進むキマリを見て一番の影響を受けたのは、「隣にいるメガネ」、めぐっちゃんだった。これまでも少しずつ彼女の変化への「戸惑い」や「焦燥」を見せていためぐっちゃんだったが、キマリの旅立ちを契機に、それが一気に爆発した。依存されていると思っていた相手に、実は自分こそが依存していたのだ気づかされること。それは彼女にとっても耐え難いものだっただろう。自分が上にいるという優越感を幼い頃からずっと抱えてきたはずなのに、実はそれこそが依存であり、今やキマリは自分では想像もできないほどに、広くて明るい世界にいる。そんなことを考え続けた結果、キマリを害する方向への感情が動いたとしても、それは一概に責められるようなものではない。

 もちろん、めぐっちゃんのやっていたことは悪いことだし、許されるべきではない。しかし、彼女の抱えるどうしようもない葛藤は、思春期の繊細な感情の1つとして、本当によく分かるものだ。周りの人間の変化は、自分の停滞を浮き彫りにする。別にめぐっちゃんだっていっぱしの女子高生として普通に進路のことも未来のことも考えているのだろうが、さすがにわずか数ヶ月で南極へとぶっ飛ぶ親友と比べたら、それは霞むものであるし、「駄目だと思っていたやつが一念発起して劇的に変わってしまった」という事実は、必要以上に自分を小さく見せてしまったことだろう。そんな中で、なんとか友達の変化を止めようと足を引っ張ってしまった感情は、人間ならば誰だって思い当たる節はあるのではなかろうか。なんともいびつで、救われない方向ではあるのだが、それだって、長年蓄積してきた関係性ゆえのもの。培われた友情の裏返しでもあるのだ。

 本作はそうした微細な感情の揺れ動きを、嫌らしいほどに執拗に届けてくれる。一番端的だったのは、キマリが夢中で進めていたゲームのコンセントを抜いてしまうシーンだろうか。そんなことをしたところで現状に変化があるわけでもないし、別にゲームの腕がどうだろうと知っちゃこっちゃないはずなのだが、今のめぐっちゃんにとって、キマリが何かを進める、成し遂げるという事実がどうしても耐え難いものに思えてしまった。だから成し遂げる前にそれを消してしまったし、あくまでも自分の責任ではなく、「キマリが自主的に」辞めることを期待し続けてしまったのだ。

 しかし、報瀬や日向たち、キマリの新しい「世界」を目の当たりにすることで、めぐっちゃんは全てを悟る。キマリはもう、あの頃のキマリではない。新しい世界の中で、自分の手を離れて歩き始めた一人の人間なのだ。そんな当たり前の事実から目を背けようとしていた自分を恥じ入り、めぐっちゃんも、新たに一歩を踏み出す決意をする。旅立ちの日の早朝。おそらくめぐっちゃんはキマリが家を出る時間を知らない。それでも、彼女はあの日の朝に絶交宣言をしなければいけなかった。きっと、本当に早い時間からずっとずっと、キマリのことを待っていたはずだ。謝るために。前に進むために。

 確かに南極は遠く、それを目指すキマリの挑戦は勇敢で偉大である。しかし、彼女を見送り、日本の地に止まりながらも、新しい自分の未来を目指すことを決意しためぐっちゃんの挑戦だって、決して負けてはいない。3ヶ月間の南極よりも先に、2人の人生は続いていく。そんなずっとずっと遠い場所を目指すための決意は、立派な冒険心と言えるのではないか。めぐっちゃんは、本当に素敵なお友達だと思います。

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 まーたちっぱいだのデカパイだの……第4話。そういう話はみかこしが出てる作品でやってくれませんかね? ちかぺは巻き込まれただけなのでそういう話題は関係ないんですよ!(グリムガルラジオ並みの感想)

 しかし、乳がでかかろうと小さかろうと、そこに宿したエネルギーは本物。樹里の持つ「クラゲ追い出しパンチ」はどうやら緊急時以外でもサクサク発動できる問答無用の主人公特権らしく、いざ反撃に転じればチンピラなど一撃だ。じいさんの瞬間移動と合わせて使うことで必殺のコンビネーションを生み出しているあたり、血の繋がりのなせる技というか、その割にこすっ辛いというか……少年漫画だったらむしろ主人公に打破されるタイプの攻撃パターンだよな。

じいさんは垂直軸方向のテレポートは雑にしか使えないのに、チンピラの背後に回るときはピンポイントで移動できたのはたまたまなんでしょうかね。

 デカパイ掌底という必殺技を手にして反撃に転じる樹里たち。しかし、にいちゃんたちの行方が分からないという新事実が判明したことで動くに動けなくなってしまった。このままだと一回止界から出てもう一度止めても、にいちゃん+真の場所が分からないとどうしようもない、という判断で脱出すらままならない。しかし、実際には状況はさらに面倒なことになっており、なんと2人はすでに止人では無くなっており、この世界で勝手気ままに活動している(樹里はよくあそこに残された手がかりだけでそのことが推理できたもんだ)。このままで樹里たちが止界を離れていたら、2人は完全にこの世界に放置されてしまうところだったのだから危機一髪だ。じいさんと樹里が思い出した回想シーンでは、こうして「止界を離れること」がどれだけリスキーで致命的なものであるかがよくわかるエピソードが挟まれている。あくまでも佑河家における止界への出入りは石を中心としたものであり、誰もが勝手にホイホイ出入りできるような簡単なものではない。一族がまとまって動かないことには、余計な混乱を招いてしまうことになるというわけだ。

 そして、別ルートからの止界入りを果たした「怪しげな新興宗教」チームの方もなかなかまとまって行動することができない。ほぼ全員が初めて止界に入ったおかげで手探り状態であり、万全の体制で動けているのはじいさんと相手側の親玉くらいのものだろう。さらに敵サイドは元々の目的意識も統制が取れておらず、金で雇われただけの連中やよくわかってない信者たちはすでに緊張も限界にきている。冷静な女性幹部(間島さんという)が着実に状況把握に努めてはいるが、これだけの事態の中で全員の平静を維持するまでには至っていない。というか、多分本人に統率する意志もあんまりない。結局、全員が初めての経験の中でどれだけ信念を貫けるかの勝負になっているようだ。

 ひょんなことから再び登場した砂の巨人「カヌリニ」だったが、事前に推測されていた通り、今回はかなり小さくなった上に、ついに活動限界を迎えて機能停止。まだ2号3号がいないとも限らないが、少なくとも「目の前でカヌリニが停止した」という情報を得た3人はなんらかのアドバンテージを得たと考えていいだろう。今後もう1度実験して安全が確認できれば、止人への関与が可能になるのだから。次週でこのカヌリニがらみの謎が明かされると予告されたが……現時点だとどっからどこまでが「謎」なのかもよく分からんなぁ。緊張感が収まらぬアニメである。途中のおっぱいがなかったらヘトヘトだな(あっても疲れます)。

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「キラキラ☆プリキュアアラモード」 5→4

 無事に今年もここに到着、今期執筆した番組感想は35本。減ったような、そうでもないような。とりあえず、1年という長丁場を走り終えたことにお疲れ様である。昨今のアニメ事情を考えると、こうして一年間走り続けられるという保証がある作品枠っていうのはそれだけでもありがたいもんです。

 とはいえ、今年のプリキュアの総括はやや辛め。新機軸を打ち出した作品だったので単体で評価するよりも今後のプリキュア史に与える影響を見て最終的な存在価値を見定めるべきなのかもしれないが、一年間のシリーズという形で見ると、見どころよりも難点が目立つ出来になってしまっていたのは残念である。

 何をもって「難点」としたのか、大きく2つの要素を取り上げたい。1つは、5人プリキュアという人数と各キャラの立ち位置の設け方である。ぶっちゃけ、放送開始数話の時点では「かなり面白そうだぞッ」と思っていた。その理由はどうやらゴリゴリに設定された各キャラの個性の部分にあったようだ。わかりやすい例では高校生コンビがやばいくらいにカップリングとしてハマっていることは放送前から話題になっていたわけで、ゆかり×あきらの強烈な個性は、「この舞台から何が飛び出してくるものか」と期待感を煽る出来だったのは間違いない。しかし、結局「設定に見られそうな要素」以外のサプライズが最後まで出てくることはなく、いわば「出オチ」みたいな印象が強かった。5人プリキュアの先輩である「スマプリ」でもそうだったのだが、やはり5人それぞれの個性を見せようとして単発エピソードを続けるスタイルは全体の取りまとめという視点ではあまり有効な手立てではないのだ。どうしても散逸的な印象になり、グループとしてのプリキュア、シリーズとしてのプリキュアの完成度に貢献していない気がする。

 具体的なキャラで見ていくと、一番もったいないのはあおいだ。登場時(変身バンク)の衝撃のせいで期待が大きくなりすぎた部分もあるが、彼女が一番の設定過多で、どの要素も消化仕切れなかった気がする。そもそもスイーツを作るプリキュアの設定のくせに副業扱いなのがな……。他にも、上述の通りにゆかりさんはあまりに設定が固まりすぎていたために他のキャラとの絡みをシナリオで作りづらくて持て余していた印象があったし、対比的に素直なキャラだったあきらさんは何だか薄味にまとまってしまった。脇のキャラに要素が多かったせいで主人公のいちかは本当に真ん中で取りまとめる軸棒役に奔走する必要があり、個性を出しづらくなった。こうして見ると、5人で一番ブレなかったのはひまりだった気がするな。あ、5人に限らなければ一番見ごたえがあったのはビブリーですね。皮肉なことに、視点が散った味方サイドと違って敵側は毎週登場できたのでビブリーの背景が一番掘り下げられていたからね。同様の理由で、エリシオとノワールの関係性をめぐるボスキャラ争奪戦の流れなんかは悪くなかったとは思う。

 こうした「キャラの焦点がぼやけた」問題と不可分だが、個人的にどうしても納得がいかなかったもう1つの問題点は、「明らかにバトル要素が軽んじられた」ことである。上で「スマプリ」が後半失速したと書いたが、それでも23話のあの強烈な印象は忘れてはいない。バトルに関していえば、スマプリの5人は十分に個性的だったし、魅力的だった。しかし、このキラプリに関して、「バトルで格好良かった」プリキュアが一人もいないのは致命的である。肉弾戦の割合を減らし、なんかよくわからないクリーム状の物質で搦めとるだけの戦闘になったためにどの技も似たり寄ったりになって画面に変化がつけづらく、さらに対戦相手もなんだかふわっとした攻撃方法ばかりだったので本当に戦闘が添え物程度に終わってしまっている。まぁ、本来の顧客である幼女先輩にはこれでもいいのかもしれないが……東映ファンとしてはこれではさすがにご不満だ。綺麗事をうだうだ並べずに拳で語るプリキュアであってほしい。どれだけ優雅に振舞っていても「お覚悟はよろしくて?」と上から圧をかける圧倒的武力を誇ってほしい。そういう意味で、本作の打ち出した新機軸は(少なくとも私の中では)不要な改変である。プリキュアがスタートした根本理念である「女の子だって闘うんだ」というテーゼは、やはりもっとストレートに画面で見せてほしいものだ。

 トータルで見ると、やはり全体的に「コレ!」というでかいパンチが来なかったのが残念だったということになるだろうか。ビブリーにせよひまりにせよ、狙いが割と上手く行っているキャラもいることはいるのだが……やっぱり1年のスケジュールを考えながら魅力を維持するのって難しいですね。まぁ、我々おっさん勢は制作側からターゲットとして見られていない可能性もあるので、その場合にはしょうがないのだけれども。

 さて、切り替えていきましょう。来週からは早くも次世代、なんとまぁ、プリキュアもいよいよ15周年だそうで。記念碑を打ち立てられると良いのだが。

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 わーい、日常回(?)、第16話。チセさんがウィンドウショッピング出来る日が来ようとはね! チラチラと一般人の目に見えないものが漂ってるくらいのことは気にしない!

 いや、でも実際に今回のお話は(ほとんどの部分を)日常回と言ってしまってよかったのではなかろうか。前回まで吐血したりぶっ倒れたり首絞められたり、散々命の危機を味わってきたチセさんのこと、久しぶりに心穏やかに人生を謳歌できた貴重なエピソードである。そして、そのお相手がなんとあのアリスちゃんだったというのだからたまらない。よかったなぁ。ついに歳が近い人間の同性のお友達ができたんだもんなぁ。骨やら犬やらにキスして回る女子高生っていうだけでなんだかわびしくて涙が出そうだったもの。いや、本人も周りもそれですごく幸せなんだから構わないんだけどさ。

 とにかく、アリスちゃんとはいつの間にやらメル友になっており、門限に厳しいお父さんの目を盗んでこっそり街に遊びに出ちゃうくらいの親密度になっていた。いや、多分呼び出された時にはびっくりしただろうけど、「クリスマスプレゼントを買う」っていう割と普通のことも思いつけないチセさんは、荒くれ者で生い立ちに難ありのアリスちゃんでも「普通の」お友達である。もう、周りの一般人に認識できるっていうだけでも「普通」。そんなアリスちゃんが、話せば話すほどに共通点の多い、気のいい女の子だとわかればなおさらである。チセさんが「魔法使いの嫁(弟子)」なのだとしたら、アリスちゃんは「魔術師の弟子」。お互い、人生のどん底から師匠に救い上げられたところも一緒だし、生い立ちのせいで不器用に育ち、なかなか感情を表せないところも一緒(殺伐時代の目の下のクマも一緒)。そんな二人がわだかまりなく一緒に町歩きをするというのだから、楽しくないわけないのである。

 アリスちゃんは生い立ち云々を除いても割と男前の性格なので結局レンフレッドに何を買っていったのかは気になるところだが、まぁ、チセのプレゼントも無難なものだったし、きっと素敵なものを贈ったのだろう。あー、でもあれだけ健啖家でハンバーガー食いまくる子でもあるので、もしかしたら食べ物とか贈ってる可能性もあるけど……レンフレッドが「普段使っていてイメージしやすいもの」って何かな……ナイフとかじゃないといいけど。

 こうして、冬至・クリスマスという季節のイベントを満喫することができたチセ。見たところエリアスにも少しずつ感情らしきものが芽生え、チセとの交流で1つ1つその存在を確認していってるようだし、少なくともチセの健康状態も火急の問題は抱えていない様子。解決策が見つかっているわけではないのがもどかしいところだが、ルツとの連携もしっかり取れているし、このまま「何もない日常」がずっと続いていけば幸せなのだが……。

 そうも言ってられないのがこの作品の悲しいところなのよね。また出てきたな、ジョージボイスの変なやつ。今度はチセじゃなくて別な兄弟がターゲットになってしまったらしいのだが……。うーむ、このイギリス、あぶねぇよな。

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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
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