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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 やっぱり今作にお布施をするには大量の乳酸菌を摂取する必要があるのだろうか、第2話。今期いきなりジョアやヤクルトの売り上げが上がったとして……果たしてヤクルト本社は因果関係を認めてくれるものだろうか。乳酸菌とってるぅ?(岡田麿里つながり)

 なんかね、番組開始から次回予告に至るまで、ず〜〜〜っと真顔とニヤニヤの中間くらいで見続けてしまうアニメですね。本当にテンションが謎なんだ。今まで味わったことのない風味なのは間違い無いんだ。でも、この感情が何に起因して、どこに行きたいものなのかが自分でもよく分からないんだ……すげぇ作品作りに成功してるのは間違いないと思う。いや、評価されるものかは分からないし、そもそも価値があるものなのかも分からないのだけど。

 シナリオの骨子だけを抜き取れば、一応そこにはわかりやすいドラマが転がっている。今回メインになったのはかわいそうなDパイ候補生第1号(今となっては第2号?)の貝崎名緒ちゃん(CVともよ様)。彼女は「自分よりも認められた後輩」の登場に焦り、反発するが、その敵愾心がよりダメな結果につながってしまい、最終的には職務放棄、逃走という結末に至る。しかし、それをメインヒロインであるところのひそねがなんやかやと理由をつけて呼び戻し、数少ない自分の理解者として、名緒ちゃんはひそねとまそたんのことを認めていくのである。うん、普通の友情形成物語だ。「ストライクウィッチーズ」の冒頭で必ず主人公がぶつかるやつだね。ペリーヌさんとか菅野さんに認めてもらうまでの試練である。

 お話の筋だけを見ればごくごく自然な「2話目」なのだが、それを彩るディティールがいちいちおかしいのが今作の悩ましいところ。2話目にして既に「竜に飲まれる」ことを受け入れ始めているひそね、そんな竜は体内に「真名」を宿しているし、なんだかやたらと人間たちの瑣末な感情の揺れ動きには敏感な様子。ドラゴンの周りにはそれなりに真面目な自衛隊員もいるし、全身これ下半身みたいな男らしさの塊も、容赦無く尻を揉む変態デザイナーもいる。諏訪部ボイスだったら何をやっても許されるし何をやっても犯罪になりそう、ということがよくわかるセッティング。他にも毎回よく分からないところで登場するヤクルトの刺客であるおばちゃんとか、1つ1つの要素が「何故そこで?!」みたいな驚きに満ちているため、平坦なシナリオラインのはずなのに、1秒たりとも気を許してはいけない謎の緊張感があるのだ。

 やはりこうしてみると、ひそねのどこかネジが外れたキャラクター設定がかなり大きな部分を占めているような気がする。「気をぬくと本音まで含めて喋り過ぎてしまう」という面倒な性格の割に、やたら察しが悪くて名緒ちゃんの嫌がらせを全部ポジティブに受け止めてみたり、あれだけ嫌がっていた業務の中にもいつの間にかやりがいを覚えて前を向いていたり、主人公らしいところが多いくせにその本質はやっぱり「中途半端」。目標も特になく、野望も大望もないくせに、なんだか不思議と精一杯。憎めない割に憎たらしく、可愛くないけどほっとけない。この絶妙すぎるバランス感は一体なんなんだ。……やっぱり久野ちゃんボイスがなぁ。この超次元の存在感がギリギリのところで揺れ動いているのは久野ちゃんボイスが「実在を肯定しない」声だからだよなぁ。対するともよちゃんがバリバリ現実に寄せた熱演を見せているので、2人のヒロインの間の温度差(空気の密度差?)は広がる一方で、世界が野放図に広がっていくような感覚になるのだろう。このキャスティング、これだけの効果を狙って撃ってきたのだとしたらとんでもないプレイングやで。

 そしてオープニングの「合唱コンクールか!」「80年代アニメか!」みたいなこれまた斜め上のセッティングに、エンディングの「久野ちゃんだのみか!」「この絵でその演出か!」という明後日へ突き抜けた選曲・映像作り。もう、絶対に今作はイメージを1つに固めさせてやらない、という鉄の意志でもって作られている。これだけとっちらかったイメージが散逸しているというのに、何故か見ている時には画面から目が離せないし、見終わった後には「一本のまとまった何かを投げつけられた」という実感が残っている。今作のディティールをしっかり解体して、この落ち着かない感じの原因を分析してみたいところだがなぁ……。とりあえず来週も注目するしかないな。ヤクルト用意して観た方がいいのかな。

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 本当にそこそこ流行りの声優でワロタ、第2話。ちくしょう、思惑通りになんとなく楽しんでしまっているのが悔しいわ……。

 今期のアニメもほぼ出揃い(まだ1本だけ残ってるんだけども)、さて、2話目以降に感想を上げていく作品をどれにするかと模索しているのだが……なかなか決定打が出なくて悩ましい。そして、今のところ一番屈託無く楽しめそうなのがこの作品というのは喜んでいいやら悪いやら。でも、贔屓も何もなしに映像面も割と良くできてるのよね。あとはこのパロディ要素をどれくらい素直に受け入れられるかで評価は変わってくるだろうけど。

 今作がなかなかズルいのはパロディ色・メタ方向でのネタ回しを前面に押し出しつつも、それを端的に打ち出しているのがちょこ一人だけという住み分けのやり方。主人公パーティは基本的に「ソシャゲ世界の一般的な住人」のフリをしているのであまりメタ発言はしないのだが、ちょこだけが例外的に散々な方向に切り込みを入れていく。おかげで何を言ってもちょこの独り言というだけで片付いてしまうので、ネタが作品世界で自家撞着を起こすような不具合がなく、「ちょっとした異物」という程度の存在で済んでしまっているのだ。まぁ、敵サイドまで含めればワイズマンはかなりメタ度の高いことやってるんだけどさ。最終的にいろんなキャラを集めたら「おおわらい」できそうな中の人が2〜3人はいましたね。グルってあんだけワイズマンとして3人と行動を共にしてるくせに、風呂に入るときに目隠しさせられてたってことはオス(男?)なんだな。

 そう、今回はタイトルが表している通りに「2話目のくせしてテコ入れ」という節操のない攻め方になっており、これがまた無駄にしっかりした映像で攻めてくるという。なんかもう、「昨今のアニメはむしろ7、8話目とかになったら作画リソースが尽きてヘロヘロになっちゃうし、元気があるうちに攻めの回をぶっ込んでいこう」みたいな狙いすら透けて見えるような気がしてくる(実際はJ.C.STAFFだしそんなひどいことにはならないだろうけど)。他にも、いつアフレコしたのか分からないけど呼んでくるアニメ監督がミヤさん、マモル君にマコト君でイサオ君が入ってないあたりは空気を読んでるところだし、無駄に敵を作らないよう、成功した聖地については触れつつもそれ以外のデリケートな部分はスルーしつつネタを進めるなど、徹底して「不快感は起こさない」というネタ回しが効いている。

 さらに、こちらはソシャゲユーザにはどんな風に見えいてるか分からないが、「アニメで活躍したあのキャラがソシャゲでは沼にはまらないと出ないやんけ!」みたいな齟齬をなくすために(?)、作中でも容赦なく☆5は☆5限定レベルの活躍だけをしてすぐさま退場するようになっており、ゲームだろうがアニメだろうが、いいものを手に入れるのは苦労するんやで、という部分もやたらシビアに守っている。これならゲームをしてもストレスを感じることはないね!(どうだろう) しかし、☆5キャラは使い捨てで消えるのに、☆1モンク軍団は永久雇用できるのかよ。あれ、毎回1人ずつ小間使いが増えていく展開になるんですかね。地味に青モンクと赤モンクでわざわざ違うキャストを起用している(しかも飯田友子だったからそれなりの人員である)あたりが芸が細かくてムカつくわ。

 まぁ、何はともあれみんな楽しそうで何よりである。とにかくワイズマンがでてくるとなんかほっとするし、未だに主人公チームは大した仕事をせずにワイズマンの活躍を見守るばかりである。1話完結の構成といい、もしかしてこれって帰ってきた「タイムボカン」なんじゃなかろうか。

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○「レイトン ミステリー探偵社〜カトリーのナゾトキファイル〜」 5

 何で早朝6時から謎解かなあかんねん。いや、解いてなかったけども。今期は「妖怪ウォッチ」「イナズマイレブン」に加えてこれの放送まで始まり、何だかやたらとレベルファイブなシーズンになっている。やっぱり強いなぁ。

 レイトンシリーズってのは触れたことが無いので、「キャラものだったら追いかける意味もないやろなぁ」と思っていたら、一切教授が登場しないというのでまず驚いた。確かによく見たらタイトルにも「レイトン教授」って一言も書かれてないな。娘さんが主人公のシリーズということだが、知らん間にそんな展開になっていたのかよ。クレジット見たら連載誌が「ちゃお」って書かれてたし、一体どんな層に向けて作られたどんな作品になるのだろう。

 新規シリーズということで知らない人間からしてもハードルは低め。さらに「レイトン」シリーズでは(個人的に勝手に)ハードルの1つに設定していた芸能人のキャスト起用もアニメ版ではほぼなくなっており(そりゃ予算の関係で無理に決まってるだろうが)、せいぜいゲストキャラに使われる程度にとどまっている。特に障害もなく、サクッと「何となくミステリっぽいような子供向けのお話」が展開されているので、「人が死なない名探偵コナン」くらいの気持ちで見られれば良いのではなかろうか。1話目の謎は……まぁ、これくらいの導入の方が「真面目にミステリやる気はないですよ」っていうのが分かっていっそ安心するよね。

 こうしてみるとやっぱりレベルファイブが作り出す分かりやすいキャラクタ造形というのは大きな武器なんだな、ということがわかる。コロコロしたデザインはどんだけ殺伐とした話をしていてもあまり圧迫感が無く、これくらいなら多少ギスギスした話が展開しても見にくくなることはないだろう。まぁ、日曜日の早朝に観たいかと言われたら微妙なところだが、なんと無くでも小利口なお話を観ていれば目がさえるのかもしれないしね。今期は図らずもニチアサがとんでもない量になってしまっているのだが……これ、本当のターゲット層であるお子さんたちは絶対消化しきれないよね。もしこれを見た子が「CCさくら」→「プリキュア」→「鬼太郎」→「プリチャン」なんて連続して見ようものなら絶対お母さんからストップ入るだろ。

 

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<赤>
 
 
反逆の行動/Act of Treason(M19)C
 今回はコモンで収録。そして、サクり関係はそれなりに今回意味があるので注目しておきたい。内容を見ていくと、黒は2マナで3ドローできる「血液破綻」、アタック時にサクればアンブロッカブルがつく「血霧の潜入者」、クリーチャーを2体サクればいろんなことが起こる「忘れられた神々の僧侶」、4マナで出した時にサクれば強くなる「地底街のゴミあさり」。赤黒のマルチは、アップキープにしか生贄にできない「火刃の芸術家」。以上。……あれ?ダメだな。ほとんど機能しないわ。現実的なのはアンコモンの「血霧の潜入者」だけだったわ。これまでの情報の訂正。赤黒サクリファイスは無理っぽい。

 


倍火 Amplifire (2)(R)(R) R
クリーチャー・エレメンタル
1/1
あなたのアップキープの開始時に、ライブラリのトップをクリーチャー・カードが公開されるまで公開する。次のあなたのターンまで、〜の基本のパワーはそのカードのパワーの2倍となり、基本のタフネスはそのカードのタフネスの2倍となる。公開されたカードを、無作為にライブラリの下に置く。
 とりあえずカード名がいいよね。増幅器/アンプ(amplifier)fireの掛け言葉。この名付けセンスはイゼットっぽい気がするんだけど、カードコンセプトからするとグルールだな。トランプルも何もないのにわざわざサイズアップに迂遠なことする能力だと思ってしまうが、サイズを倍加するという唯一無二の能力のおかげでコスパはかなり高い。もちろんランダム性は悩ましいところだが、クマがめくれても4マナ4/4。特にグルール的なデッキの場合にはクマ以上のステータスのクリーチャーがてんこ盛りになっているだろうから、5ターン目から6/6以上で殴りに行ける確率は相当高い。2桁パワーも割とあっさり達成できるし、なるほどレアである。その圧倒的な実直さについては後からなんとかしてトランプルをつけるなりにしてフォローしたいが、「街頭暴動」がこっちのセットに収録されてないのが謎だ。出したターンから次のアップキープまでは貧弱な坊やなので、そこもなんとかカバーしてあげてくれ。なお、これまたグルールにありがちなハイドラみたいな素のタフネスが0のクリーチャーがめくれると即死するなんてお茶目な側面もあるが、まぁ、一緒に入れるなって話だ。

 


燃えさかる炎 Burn Bright (2)(R) C
インスタント
あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。
 使用制限がなくなった「ラッパの一吹き」の上位種。「ラッパ」は攻撃クリーチャーしか増強できないので守備に回ると紙くずになっていたが、こちらならブロック時にも問題なく使用できるので、劣勢からでも巻き返しが狙える可能性は残っている。まぁ、この手の呪文を入れる赤なんて大抵脳筋なのでディフェンスを考える意味なんてないという話もあるが。無いよりはあった方がいいのである。
 
炎樹族の蛮人 Burning-Tree Vandal (2)(R) C
クリーチャー・人間、ならず者
2/1 暴動
〜が攻撃するたび、あなたは手札を1枚捨てても良い。そうしたなら、カードを1枚引く。
 コモンの暴動クリーチャーは、暴動によるジレンマを面白い方向性から提案する妙作。これくらいのステータスだと、普通に考えればカウンターの方がお得。やはり3マナ2/1速攻より3/2の方が嬉しいことが多いだろう。しかし、このクリーチャーはそこに赤ルーターを混ぜ込むことで悩ましさが増している。仮に相手に2/2程度のクリーチャーがいるのなら、3/2だろうが2/1だろうが大差はない。相手としてもルーターを放っておくような愚は犯さないだろう。そして、どうせ相打ちするなら1ターン早くドローできる方が嬉しいに決まっている。目先の素早いカード効率か、それともその後の堅実なクリーチャーサイズか。コモンでもこれだけの悩ましさが出せるのは大したものだ。どう転んでもルーターは強いに決まっているので、ある程度優先度高めで良さそうなクリーチャー。それにしても、名前もイラストもどう考えても荒くれ者で、アーティファクトでも壊しそうな顔してるのにこんな効果というのも……。
 
災厄の行進 Cavalcade of Calamity (1)(R) U
エンチャント
あなたのコントロールするパワー1以下のクリーチャーが1体攻撃するたび、〜はそのクリーチャーが攻撃したプレイヤーやプレインズウォーカーに1点のダメージを与える。
 「略奪の爆撃」の範囲をさらに絞り込み、ニッチなニーズに応えられる低価格を実現したチャレンジカード。「略奪の爆撃」はかつてパワー0の落とし子トークンが大量に存在するエルドラージ環境において「落とし子で殴っても1点与えられるんだ!」という売り文句で登場したカードだが、まぁ、そこまでのセンセーションは巻き起こさなかった。そこで開発スタッフは考えた。下手に「パワー2以下」なんて現実的な数字を与えてしまったために無駄なコストを要求してしまった。いっそ最低限のパワー1以下に限定し、よりお安く提供すれば、狙ったファンのお手元に届くのでは無いかと。この効果を求めているお客様は2種類、「絢爛のために何としてもダメージを与えたいラクドス様」、そして「パワー1の飛行トークンで攻め立てるオルゾフ様」である。このコストなら2枚3枚と投入してもガンガン設置できるだろうから、オルゾフトークンが赤を足してフィニッシュに用いる選択肢は案外アリな気がする。果たして狙った効果を得るまでに成り上がれるだろうか。
 
騒がしいシャーマン Clamor Shaman (2)(R) U
クリーチャー・ゴブリン、シャーマン
1/1 暴動
〜が攻撃するたび、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーではこのターンブロックできない。
 暴動で悩ましい選択肢を増やそうのコーナー。3マナで1/1速攻か2/2。ぶっちゃけどちらもハズレにしか見えないステータスだが、そこについている能力は「ゴブリンの踵裂き」と同じ最上級のブロック制限能力である。この能力の恩恵を1ターン早く受ければ、傍にいるクリーチャーのパワー分だけ、先行してダメージが与えられる。さて、カウンターを置くや? 置かざるや? これまたうまいこと悩ましさを出したデザインである。面白いのは、先輩である「踵裂き」も疾駆能力という「速攻か、じっくりか」を選べる選択肢がつけられていたということ。こういうデザインってのはいろんなギミックで応用が効くものなんだな。
 
短剣使い Dagger Caster (3)(R) U
クリーチャー・ヴィーアシーノ、ならず者
2/3
〜が戦場に出た時、〜は各対戦相手と、各対戦相手のコントロールするクリーチャーに1点のダメージを与える。
 今回の全体火力。まぁ、全体火力つっても1点しか飛ばないけど。1点火力は過去には赤コモンの定番だったものだが、最近はアンコ以上に設定されることも増えてきた。リミテッドでのバランスを考えてのことだろうが、やっぱり同じ次元なのに「宇宙粒子波」がコモンでこれがアンコってのは寂しいものがある。2/3のボディってすげぇ間に合わせ感あるしなぁ。一応、相手本体にも1点入るので絢爛サポートも見ているが、こいつ自身が4マナなので追加で他の呪文を唱えるのはけっこう大変。相手のオルゾフ具合(死後具合)でサイドインでも間に合うんじゃなかろうか。
 
磨損 Deface (R) C
ソーサリー
次のうちから1つを選ぶ。
「対象のアーティファクトを破壊する」
「対象の、防衛を持つクリーチャーを破壊する」
 「磨損」とは「固いものの面と面が擦れ合って磨り減ること」だが、この状況はどう見ても磨損っていうより「デストロォォイ!」な気がするんだが。まぁ、毎度おなじみのアーティファクト除去呪文である。1マナソーサリーという最低限のコストで使いやすく、さらにおまけモードとして壁をぶっ壊す「障害排除」も搭載。痒くないところに手が届くようになった。ただまぁ、問題は痒いところなわけで、今回の環境もアーティファクトはコモンに「ロケット」があるくらいでそんなに警戒度が高くない(一番警戒したい「ギルドパクトのスフィンクス」はそもそも壊せない)。防衛持ちのクリーチャーは白と青がアンコに各1枚、緑はコモンに1、青緑多色のコモンも1。やっぱりなかなか遭遇機会は無さそう。用途は広がったが、やっぱりサイドからのスタートでいいんじゃなかろうか。
 
雷電支配 Electrodominace (X)(R)(R) R
インスタント
〜は任意の対象にX点のダメージを与える。あなたは点数で見たマナコストがX以下のカードを、そのマナコストを支払うことなく手札から唱えても良い。
 オゥ! イゼットォ! 実に明快にほとばしるこの才気。この挑戦心こそがイゼットの本懐である。X火力としての性能はそこそこ。マナ効率はそこまでよくないが、インスタントなのだから御の字だろう。「溶岩噴火」は一昔前ならそれだけで一枚看板だったのである。そして今回はそのレアバージョン。なんとおまけとしてXマナの呪文がついてくる! まぁ、手札から唱えるだけなので特にアドバンテージもないのだが、マナ効率でいえば確実にテンポはとれている。しかもこれってカードタイプにとらわれないのでソーサリーやクリーチャーもありな設定だ。色々とトリッキーな動きが考えられそうではないか。ある程度マナが必要だし、下ごしらえも必要なのでそこまで爆発的な成果がある呪文でもなかろうが、綺麗に決まった時のドヤ顔レベルの非常に高い呪文なのは間違いない。
 
野生のマーカ Feral Maaka (1)(R) C
クリーチャー・猫
2/2
 このカードを見て「おやっ」と思った人は私と同じ感性の持ち主だ。何か変だ、と思っただろうか? 2マナ2/2のバニラ。一昔前なら「おぉ、赤の割に頑張った!」と言われる存在だが、「ファルケンラスの肉裂き」が初めてこのステータスを実現したあとは同型も何枚か登場し、上位種まで登場しているのでそこまで驚くべき存在ではない。それでは何がおかしいのかというと……和訳である。実はこれまで「Feral」という単語はほぼ全て「残忍な」という定訳が当てられており、例えば同じグルール出身の「残忍な精霊信者/Feral Animist」などが確認できる。対して「野生の」という語はほとんどが「Wild」の訳出であり、これがクロスしている事例を探してみたら、遥か昔、ビジョンズの「野生の衝動/Feral Instinct」まで遡る必要があったのだ。私は英語のお勉強の8割がMagicのカード名からという人間なので、すっかり「Feral」は「残忍な」という意味だと思っていたので、「野生の」という意味もあることを知ってちょっと驚いたのである。何が言いたいかというと、こんなどうでもいいバニラ1枚でこれだけのテキストが書ける俺ってすごくない? ということである。
 
猪の祟神の炎 Flames of the Raze-Boar (5)(R) U
インスタント
〜は対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーに4点のダメージを与える。その後、あなたがパワー4以上のクリーチャーをコントロールしているなら、〜はそのプレイヤーのコントロールする各クリーチャーに2点のダメージを与える。
 こちらのカードも和訳に関しては、もう「タタリ神って言いたかっただけやろ」感が尋常じゃない。どこをどうみても英語名に祟り要素も神要素もない。まぁ、イラストを見る限りだとなんか精霊的なやつかもしれないという気はするので、概念としては大きな問題もないのだろうが、ちょっと和訳チームが遊んでる感はある。で、そんな乙事主様が火力になったのが、こちらの6マナ4点インスタント。しかも飛ばせるのはクリーチャーのみで、このままではコモンの「嵐の行使」に完敗してしまうというまずい状況。なんとしても獰猛条件をクリアする必要がある。見事クリアできれば、乙事主パワーは敵軍全体に波及し「紅蓮地獄」を叩き込める。ここまでくれば流石のアンコモン、森の命も自然に還る。いかにグルールとはいえ、安定してパワー4以上のクリーチャーをキープし続けるのは簡単ではない(もし簡単なら、多分ゲームに勝てる)。この6マナ除去を使う価値があるのか、デッキのマナベース、戦略プランとはよく相談した方がいいだろう。決まれば劇的なのは間違い無いのだ。
 
燃え立つ門 Gates Ablaze (2)(R) U
ソーサリー
〜は各クリーチャーにX点のダメージを与える。Xは、あなたのコントロールする門の数である。
 キタコレ! 全国の門大好き人間たちに訪れた決定打の1つ。どうしたって遅いコントロールにならざるを得ない門デッキにとって、一番求められていたのはやはり全体除去なのだ! 実は、この環境なら普通のデッキで使ってもそこそこの効果は得られる。門を2枚程度置いていることは案外あるものだし、全体2点火力でも充分影響力があるのは過去のカードが証明済みなのだ。門3枚以上のデッキなら、試しに入れてみると意外と使える機会は多いんじゃなかろうか。もちろん、本領を発揮させたいなら徹底した門への愛を貫き通そう。わずか3マナで全体に4点も5点も飛ばせるようになれば、しばらくは負ける心配もないはず。除去した後は……何か他のカードで頑張ってくれ。まぁ、その他のカードが何なのかはまだわからないけど……。
 
ゴーア族の破壊者 Ghor-Clan Wrecker (3)(R) C
クリーチャー・人間、戦士
2/2 暴動 威迫
 暴動をシンプルに見せてくれる入門編のコモン。普通に考えると4マナ2/2速攻と3/3なら後者の方が圧倒的に有利だが、そこに加わったのが威迫能力。威迫は相手の防御網が整う前に殴れれば効果が上がるわけで、1ターンでも早くダメージを通しておきたいというニーズがあるシーンはそこまでレアケースでもないだろう。また、心理的なジレンマでいかにもありそうな要素としては、3/3威迫なら相手も諦めてブロッカーを2体用意してでも止めにくるだろうが、これがもしパワー2ならどうかという点。2体で止めればおそらく殺せるわけだが、わざわざそのためにブロッカーを2体立たせておくべきか? どうせならダメージレースに持ち込んだ方が早いのでは? ライフが一桁を切った中盤以降ならカウントもできるだろうが、そうなる前の段階で、こうした1点2点のライフ差を計算するのは至難の技。心の隙をつく2点速攻威迫は案外面白い存在だ。
 
ゴブリンの集会 Goblin Gathering (2)(R) C
ソーサリー
1/1で赤の、ゴブリン・クリーチャー・トークンを、あなたの墓地にある〜という名前のカードの総数に2を加えた数だけ生成する。
 いわゆる「焚き付け」ギミックを採用したトークン量産呪文。1枚目は3マナで2体、「ドラゴンの餌」の完全下位互換だし、3マナの挙動としてはかなり弱い。しかし2枚目には「軍族童の突発」。いきなりアンコレベル。そして3枚目ともなると「ゴブリンの結集」に。なんと5マナのアンコモンである。ここまでくれば、カード3枚でのゴブリンは総勢9体。ゴキブリ並みにしぶといゴブリンのこと、この増殖量は素直に脅威である。とにかく枚数を集められるかどうかに勝負がかかっているので、リミテッドでの活躍は全くの未知。コモンとはいえ、なかなか4枚以上集めるのは難しく、仮にデッキに3枚入っていたとしても実際キャストできるのはそのうち2枚がせいぜい。そう考えると、夢はあるけど割とドリームで終わりそうな呪文である。決め打ちで手を伸ばす価値があるかどうか……。
 
砂利皮のゴブリン Gravel-Hide Goblin (1)(R) C
クリーチャー・ゴブリン、シャーマン
2/1
(3)(G):〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。
 ギルドカラー起動型能力サイクルのグルール版。グルールなのでプラス修正の幅が大きく、2回起動できればなかなかのサイズ。ただ、やはり黒の同サイクルと同じ4マナという起動コストは重ねがけお断りの印。結局は2/1か4マナ払って4/3かのどっちか。死にやすい「デヴカリンの造反者」といったところか。まぁ、「デヴカリン」は基盤コモンとして活躍しているわけで、このゴブリンだって別にコストで見れば弱いわけでも無い。こんなもんだと割り切って、適切なところで相打ちを。
 

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<黒>
 
往時軍の覚醒 Awaken the Erstwhile (3)(B)(B) R
ソーサリー
各プレイヤーは全ての手札を捨て、その後、その枚数に等しいだけの2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを生成する。
 手札の1枚1枚に質の違いがあるから人類は不幸になるのだ。全てひとまとめにして、全部ゾンビにしてしまえば人類は皆平等だ。……どうだろう。とにかくいろんなちゃぶ台がひっくり返るカードなのは間違いないのだが……。これを有利に使おうとするデッキメイクはなかなか難しい。単純に考えて、世の中には速いデッキと遅いデッキがある。速いデッキがこれを使うと、5マナ揃う頃には手札がない。遅いデッキで使うと、たかだかゾンビごときと交換したくないカードが多い。あれ? 誰も必要としていないのでは……普通に考えると手札が多いデッキで相手を圧殺するのが目的になり、盤面でイーブンなら、相手の反撃の芽を摘みながら、確実な優位をもたらすことができる。でもまぁ、普通に考えたら手札ってたくさん持ってる方が優位は維持できそうな気もするのだが……。そうだ、「手札はいっぱいあるけど手札を使わないデッキ」で使えばいいんだ。つまり、「実験の狂乱」を置いた後だ。どうせ放っておいたら手札がたまるのだから、そこでライブラリの上をめくってこのカードを……嘘くさいなぁ……。
 
血液破綻 Bankrupt in Blood (1)(B) U
ソーサリー
〜を唱えるための追加コストとしてクリーチャーを2体生贄に捧げる。
カードを3枚引く。
 やりすぎィ! 黒によくある「犠牲を払ってカードを引こう」呪文の新作だが、初期投資がやけっぱちすぎる。確かにこの手の呪文の先駆者だった「頭叩き」と比較すれば妥当なコストであり、3ドローというのはそれだけの価値と魅力があるアクションなのは間違いないが……この呪文を安定して唱えられるデッキは「大して重要じゃないクリーチャーがいっぱい出せるデッキ」に限定され、そして「大して重要じゃないクリーチャー」ってなんだよ、って話である。そりゃぁ今回のオルゾフはトークンの運用が可能だが、スピリットトークンって割と大事な方のクリーチャーなのではなかろうか。このカードのために犠牲にする前提の構築はちょっと……。というわけで、有効利用したい場合に考えられる方向性は主に2つ。1つは、赤と組んで相手のクリーチャーをパクるお約束の戦術。これなら2マナという軽さを活かすことができる。そしてもう1つは、相手が白や青で、除去をオーラに頼っている場合の対策。「平和な心」系の除去で倒れてしまったクリーチャーなら、燃料に最適である。相手のデッキ次第でサイドインするのはアリかもしれない。
 
刃の曲芸人 Blade Juggler (4)(B) C
クリーチャー・人間、ならず者
3/2 絢爛(2)(B)
〜が戦場に出た時、あなたは1点のダメージを受け、カードを1枚引く。
 ちょっと痛くてちょっと美味しい。基本形となるのは往年の名作「ファイレクシアの憤怒鬼」。当時の黒ビート「ノワール」などを支えた名脇役である。このカードはそんな憤怒鬼に絢爛ギミックを加えたことでパワーの上昇に成功した意欲作。3マナ3/2と充分なステータスにアドバンテージまで付いていれば、ドロー本家である青や緑も嫉妬する効率である。後の問題はこの絢爛条件をクリアできるかどうかだが……こればっかりはデッキ次第としか言いようがない。まぁ、この効率なら「木登りカヴー」なんかと比較してもギリセーフくらいのレベルなので、5マナで唱えることを嫌がる必要もないだろう。ちなみに、かつてはルーズライフだったこれらの黒の効果も最近はダメージで表記することが多くなっている。本来なら厳密なルーズライフの方が良いのだろうが、「まぁ、だいたい一緒だよね」ということでビギナーにも分かりやすくなるように効果を統一する流れにあるとか。まぁ、確かに最近はルーズライフとダメージの差ってほとんど気にしないもんな。
 
焼印刃 Bladebrand (1)(B) C
インスタント
対象のクリーチャーはターン終了時まで接死を得る。
カードを1枚引く。
 焼かれる痛みと斬られる痛みを同時に味わえる殺人奇剣といえば志々雄真実が使っていた「無限刃」ですが、この呪文はそんな効果をお手軽に味わえる明治剣客浪漫カードだ。まぁ、よくある黒の接死呪文だけど。ただ、こうしてシンプルにキャントリップの形でまとめた呪文はこれまで存在しておらず、過去の例だと再生を同時に与えて自軍クリーチャーを守ることができる「屍噛み」や相手のライフも奪いに行く「ツキノテブクロの浸潤」などのデザインになっていた。今回はどんな状況でも明確に結果が得られるキャントリップで2マナというベストな形。自軍クリーチャーも死ぬが、命をコインよりも軽く考えているラクドスにはちょうどいいデザインである。今後はよくお世話になるし、余計なお世話されるに違いない。
 
血霧の潜入者 Bloodmist Infiltrator (2)(B) U
クリーチャー・吸血鬼
3/1
〜が攻撃するたび、あなたは他のクリーチャーを1体生贄に捧げても良い。そうしたなら、〜はこのターンブロックされない。
 他人をむしゃむしゃすると何故か防御網がすり抜けられる吸血鬼。パワー3というのは決して無視できる値ではなかろうが、毎回他のリソースを食べ続けるほどかと言われるとちょっと難しい。普通、クリーチャーってのはそれ自体がダメージソースなわけで、よほど期待値の低いクリーチャーでなければ、こいつのコストにまで価値が落ちることはないからだ。まぁ、攻め気の強いデッキが中盤以降にピタリと相手の壁役に止められる展開は割とよくあるので、そういう行き詰まりを防ぐために入れておくのは悪くないかも。赤と組んでクリーチャーをパクれるデッキなら、当然優先順位はあげていい。今回はコモンに「反逆の行動」、アンコに「溶解区のイグナス」と、2枚のパクり呪文があるのでいわゆる「赤黒サクリファイス」はそこそこ狙いやすい。
 
屍肉インプ Carrion Imp (3)(B) C
クリーチャー・インプ
2/3 飛行
〜が戦場に出た時、対象の、墓地にあるクリーチャーカードを追放しても良い。そうしたなら、あなたは2点のライフを得る。
 絶対に昔こんな名前のクリーチャーいたよな、って思って調べてみても、まだ実在してなかったクリーチャー。多分「朽ちゆくインプ」のイメージなんだろうけど。とにかく、そんなインプの新作は黒の割には優しい1枚。4マナ2/3フライヤーはコモンなら基盤戦力の1つ。そこに墓地掃除効果とちょっとしたライフゲインを加えて細かい仕事が色々とできるようにしたもの。ただ、どれもこれも本当に「ちょっとした」なので、4マナで唱えたいかどうかはやや微妙。今回は墓地を活用する仮想敵がいないのがなぁ。
 
地下墓地のクロコダイル Catacomb Crocodile (4)(B) C
クリーチャー・クロコダイル
3/7
 突発的に現れる、見たことのないサイズのバニラ。毎度おなじみ「新しいステータスのバニラを作ろうプロジェクト」の一環かと思ったが、過去には「フィーリーズ団のケンタウルス」という同じステータスのバニラがおり、残念ながらこいつは初ではなかった。ただまぁ、黒では当然初であり、バニラクリーチャーのステータスが「タフネス偏重・パワー偏重」のどちらでも作り出せるという黒の特性をうまく活かした(?)形だ。パワーとタフネスの合計が5マナで10もあるんだから、出したら出したで相当鬱陶しいのは間違いない。過去にラヴニカをうろついていた「地下墓地のナメクジ」(2/6)の完全上位互換だし、冗談めかしちゃいるが実際に出されたら途方にくれる気がするので、実は結構カギになりうるカードなんじゃないかと期待している。ダメだとしても、誰も傷つかないし。ほら、長くて楽しいフレーバーテキストでも読んで落ち着きなよ。……おとぎ話っぽいのにゾンビが出てくるラヴニカってどうなのよ。
 
舞台一掃 Clear the Stage (4)(B) U
インスタント
対象のクリーチャーはターン終了時まで−3/−3の修正を受ける。あなたがパワー4以上のクリーチャーをコントロールしているなら、あなたは最大1枚までの対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻しても良い。
 テキストがやたら長いアンコモン除去。「なんでこんな設定にしたんだろう」と疑問が多い1枚だ。まず、基本となる除去部分は−3修正。つまり「束縛の胞子」と同じなので、どれだけ重くても4マナの効果だ(軽い時は2マナの効果だ)。そこにだらだらと続いているテキストには「墓地からクリーチャーカードを拾っていいよ」と書かれており、除去がきちんと決まれば「残酷な蘇生」と同じようなアドバンテージが得られる。ただ、何故かわからないが今回は「パワー4以上をコントロールしてろよ」という獰猛制限が黒・赤・緑に1枚ずつ与えられており、このカードはそのジャンドカラーの制限を受けてしまっている。5マナもかかるし、アンコモンなんだから直接的にアドバンテージを得ても構わないと思うのだが……それだと強すぎるっていう判断なのかしら。条件が満たせないと倍以上のコストの「最後の喘ぎ」になってしまうので、ピックもプレイもよく考えてやったほうがいい。
 
奈落への放逐 Consign to the Pit (5)(B) C
ソーサリー
対象のクリーチャーを破壊する。〜はそのクリーチャーのコントローラーに2点のダメージを与える。
 毎度おなじみ、重いけど確実に殺せるタイプの黒除去のコーナー。ディミーアがお届けした「致命的な訪問」はサービスも丁寧だったおかげできっちりリミテッドで出番を作ることができた模範的なコモンだが、今回はさらに1マナ重くて、ボーナスもなんだか適当。まぁ、ぶっちゃけ「一口の草毒」とだいたい同じだ。テーロス環境ではギリギリプレイアブルくらいの状態だったが、今回はどうだろうか。流石にこのコストになると2枚以上入れるのに抵抗があるのでなぁ。

 


肉儀場の叫び Howl of the Carnarium (1)(B)(B) U
ソーサリー
全てのクリーチャーはターン終了時まで−2/−2の修正を受ける。このターンに墓地に置かれたクリーチャー・カードを、全て追放する。このターン、クリーチャーが墓地に置かれるなら、代わりにそれらを追放する。
 書式が若干面倒になっているが、追放効果を持つ「蔓延」。追放の記述が二重になっているのは、「この呪文の効果で墓地に落ちた奴が追放されるし、その前に死んだ奴、このターンに死ぬ予定のやつも全部追放」という別な効果を一括りにしているためだ。後腐れなく脅威を処理できるので有用性は高く、現在でも「弧光のフェニックス」を巻き込みながら全体を掃除できるのは悪くないかもしれない(まぁ、あいつはあんまり他のクリーチャーと並ぶこともないけども)。現在「黄金の死」が担っているポジションに取って代わる形で構築でも採用される呪文になりそう。この呪文だけで除去できないとしても、後から使って墓地掃除の呪文としても運用できるのは偉いね。
 
死の歓楽 Dead Revels (3)(B) C
ソーサリー
絢爛(1)(B)
最大2枚までの対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。
 墓地から2枚回収してアドバンテージにつなげる系の新作。このジャンルはこれまで少しずつマイナーチェンジを続けていたが、ドミナリアで登場した「魂回収」は3マナぽっきり、1体だけでも回収できる(2体対象にせずとも唱えられる)と理想的な設定になっており、およそこのジャンルの完成形が見えたような気がした。そこで今回はそんな「魂回収」と比べて良くもなるし悪くもなるわかりやすいコスト設定の絢爛呪文へとアレンジされた。普通は1マナ重いが、絢爛ならば先輩呪文を上回る、わかりやすい値付けである。リアニ呪文の場合、「回収したクリーチャーを同じターンに唱えられるか」という兼ね合いがあるのでコスト軽減もバカにならない。堅実なアドバンテージを積み重ねながらも攻め続けるラクドスらしい展開が狙えそうだ。
 
債務者の輸送 Debtors’ Transport (5)(B) C
クリーチャー・スラル
5/3 死後2
 この次元のスラルは本当にキモいな……生理的に受け付けにくいやつ。ピックするのもちょっと嫌。しかし、悔しいが性能はそれなり。黒なので6マナ5/3はギリギリラインだが、パワー5なので相手も無視するわけにはいかないから、アタックすれば多分死ぬ。だいたい相打ち以上にはなる。そうすればめでたくアドバンテージが生まれるって寸法だ。まぁ、6マナからスタートするプランなのでかなり迂遠なのは間違いないが……これが間に合う世界になるのかどうか。全体的に遅い環境は作れそうなので、充分間に合う気がするんだよな。オルゾフを固めてる人間はどうしても単体でのパワーが低い傾向にあるので、こうして1枚で他のギルドの大型クリーチャーと渡り合えるのは案外意味があるのかもしれない。
 
ドリルピット Drill Bit (2)(B) U
ソーサリー
絢爛(B)
対象のプレイヤーは手札を公開する。あなたはそこから土地でないカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。
 このセットのハンデス(アンコ)。基本設計は「強要」デザインの3マナで、そこにセット固有のメリットをつけるのが最近のお約束。ただ、「精神腐敗」系のアドが取れるタイプのハンデスなら良いのだが、こちらの「確実に1枚落とす」タイプのハンデスは3マナというコストだとなかなか出番がなく、構築レベルだとある程度制限されていてもコストの軽い「強迫」が優先されることがほとんどである。そこで今回は、効果もそのままでコストを軽減するギミックを入れたらどうなるかというチャレンジ。これなら動きを阻害せずに最大限の効果を狙うことが可能である。「軽いコストで前方確認したい」というニーズと、序盤からクリーチャーで攻め立てる速攻デッキの方向性は噛み合う。クリーチャーを並べないと使いにくいので枚数はそこまで多くするわけにはいかないが、相手を盤面と手札の両面から縛る展開は決まった時には壮絶。ウィニーが全体除去をもぎ取る手段として、今後は常に検討に値する。また、下の環境だと「相手ターンのアップキープにフェッチを起動する」というプレイが結構な頻度で発生する。もちろん毎回ではなかろうが、そういう癖がついたプレイヤーに対しては、この呪文がグサリとささる。ちなみに余談だが、フレーバーテキストの訳出がなかなか面白い。英語のテキストは「Never boring」。「boring」は「退屈する、うんざりする」という意味なので、ラクドスにとって頭蓋骨に穴を開けるお遊びは「面白くて飽きない」という意味。そしてもう1つ、「boring」には地面に穴を掘るボーリング、つまり「穴を開ける」という意味がある。英語のテキストは「明らかに穴を開けてるのにNever boring(決して穴を開けない)」というシャレなのである。これを日本語ではどんな風に解決しているか、現物を見て確認して欲しい。
 

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○「されど罪人は竜と踊る」 4

 これぞラノベ! っていう感じで久しぶりにグッとくる作品。そうそう、こういう感じが僕の思うラノベ感だなぁ。良くも悪くも。

 BS-TBSでの視聴なので、日程の関係で一気に2話視聴からのスタート。ある程度まとめて見せてもらって助かってはいるのだが……それでもよく分からんところは分からんまんまだ。「竜と踊る」ところはなんとなく分かったけど「罪人」はわからん。「されど」もわからん。専門用語は特に説明なしに放置なんだよな。小説なら字面で何度も確認できるから何となく理解が及ぶ要素も、アニメ音声の場合は耳で聞き流すだけなのでなかなか語彙として定着しにくい。その辺りの差を諦めて原作のままで脚本を組むか、多少いじって改変してでも分かりやすさを優先するかは制作側の意向で変わってくる部分であり、どちらが良いとも悪いとも言えない問題ではあるが、今作は……まぁ、これでいいのかな。多少わけのわからない状態になったとしても、「なんか小難しいことになってる」と思わせた方がハッタリが効くし、世界観にはマッチしてるのだろうと思う。

 ただ、「分かりにくい世界を作る」というならそれを徹底しろよ、とは思うんだよな。中途半端に専門用語と一般語が混ざりあっているせいで、「そこは日本語かよ」みたいなツッコミが入ってしまうとせっかくのこけ脅しも効果が薄れる。例えばこれだけファンタジー世界なのに通貨が「円」だったり、魔法が歴然と存在しているはずなのに科学の進歩が現実とほとんど一緒だったり、「今までこの世界はどうやって進化してきたんだ?」っていう部分に疑問は多い。アルコールの分解とかの科学知識は完全に現実と同じなのに、そこに単に追加要素として魔法が乗るのって、実はすげぇ無茶苦茶しないとダメなはずなんだけどね。

 やはりこの手のラノベで非の打ち所の無い設定を作るのは難しい。あとはある程度映像面で説得力を増してしまえば何とかなるところだが……今作は1話目の戦闘シーンこそそれなりに頑張っていたが、2話目時点ですでにキャラデザが緩み始めており、「大丈夫かセブンアークス」といういつも通りの心配が先に立つ。本当に「よくあるタイプの」映像にならざるを得ないので、これで崩れちゃうとどうしても他作品と比べられることが多くなるだろうし、こけ脅しも効かなくなるので全体的な吸引力にも難が出る。残念ながらこの1、2話を見て「お、続きが気になるアツいアニメだね」と思うことは出来なかった。

 あとは……ぴかしゃのエロいエルフっ子にエロいことさせるくらいしか見どころが……。ちょっとネジが外れて常識がない細谷ボイスのサブ主人公の方も割とキャラは立っているので、あいつが無茶苦茶やり始めたらもしかしたら面白い要素も出てくるかも。

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○「メガロボクス」 6

 ヒロPとヨシPがガチで殴り合うという実写版「天才軍師」。まぁ、ガチでやったら安元のガタイに細谷がぶっ飛ばされそうだけども。

 リメイクリメイク&リメイクの流れにさらにもう一品追加。なんとこちらは「あしたのジョー連載開始50周年記念」だそうな。鬼太郎も50周年、永井豪も50周年。一体どんな年だったんだよ1968年。まぁ、こういうのって強引に数え方をいじって都合のいい解釈にすることが多いけどな。

 しかし、完全にリメイクしている「キャプテン翼」なんかと違い、こちらの作品は「あしたのジョーを原案としている」というすげぇふわっとしたニュアンスの作品。舞台は謎のサイバー世界になり、ボクシングするときに背中に電動アームを背負ってパンチ力をあげるという謎の世界観である。腕力だけあげてそのほかの部分が全部生身だったら確実に人が死にまくると思うのだが、一体どういう経緯でこんな世界になったんだろう。殺し合いが見たいっていう殺伐としすぎるニーズなのかな。でも、その割にアングラ以外でも普通に試合組まれてるんだよな。なんかもう、「適当に昔っぽくないボクシングアニメにしてみよう」みたいなよくわからないデザイン性から作られた世界な気がするぞ。

 ただ、そんな無茶苦茶な世界観ではあるものの、やろうとしているコンセプトは首尾一貫している気がする。「あしたのジョー」という題材を現代によみがえらせるにあたり、原作の持っている埃っぽいような、どうにも泥臭い昭和のテイスト残しつつ、それでも今のアニメで見せるための追加要素を盛り込める、そんな二律背反の願望が不思議と形になっている。どうせ今のご時世に全力で原作再現したところでそこまでニーズがあるとは思えないのだし、こうして思い切ってリビルドし、「現代アニメ」の一本として見せていく方向性は正解な気がする。残すべきは「ジョー」の魂。そのためには多少の無茶だってやったもん勝ちだ。

 ストーリーラインは本当にわかりやすいものだし、今更そこに新しいものを求める必要もない。現代の「ジョー」が一体何を見せてくれるのか、あとは映像面の作り込みの勝負。どうやら監督は映像部門から頭角を表した人物らしいので、1話2話で見せてくれたこの世界のイメージはしっかり守ってくれそうである。昭和も遠くなりにけり。多分、今となっちゃぁ完全なファンタジー世界と大して変わらんくらいの非現実に成り果てたのかもしれませんな。

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○「フルメタル・パニック! Invisible Victory」 6

 まさかこの2018年の世界で、野上ゆかな本人も李苺鈴とテッサを新作で演じることになっているとは想像していなかっただろう。一生もののキャラクターって、本当にそれだけで宝だよなぁ。ほぼ全て当時のキャストで製作できる幸せも噛みしめないとな。

 リメイクリメイク&リメイクの今シーズン、こちらはリメイクでは無しに完全新作での復帰となる。一応歴史を遡ると「TSR」の放送が2005年らしいのでそのブランクは13年。まぁ、干支1周分くらいは今季リメイク群の中では常識の範囲内であろう。しかし、元々紆余曲折のあった作品シリーズであり、当時も初代・ふもっふ・TSRと作られる中で製作スタジオがGONZOから京アニへと移動している。そして今回はさらに移り変わってXEBEC。正直いうと現代京アニで改めて作ったフルメタも見てみたかった気はするが、多分スタジオのテイストとしてちょっと合わなくなっているのは事実だろう。そこで白羽の矢が立ったのが変わらずにメカ作画にこだわりを持ち続けるXEBECというのはある意味必然だったのかもしれない。賀東氏が必ず監修には付いているので、どこが作ったとしても製作理念がぶれることはないだろう。

 そして、そんな中で13年のブランクを超えて作られた「続編」。これがものの見事に続編である。1期2期のことは前提としつつも、特に回想などを設けることもなく、「視聴者の皆さんはそれくらいご存知ですからね」との勢いで始まるエピソード。1クールアニメでいうと8話目くらいから始まったみたいな印象。しかし、私のようにあまり丁寧に旧作をフォローしなかった人間でも特に問題無くみられるように作られているのはありがたい。というか、その辺りで極力「無駄な振り返りを省きつつ自然に新展開へつなげる脚本組み」を意識していたように見える。それができるだけのコンテンツとしての力があると自負しているように見える。そしてその自負は、事実に即したものだ。

 本当に「太い」作品だと痛感する1話目。そんな自然な導入に、さらに原作者肝いりの「現代アニメ」として作られているXEBEC版の画面。実は今、ちょうどAT-Xのオリジナル番組「裏アニメ」ではこのフルメタの話を掘り下げているのだが、その中で賀東氏とプロデューサーが「当時からどれだけメカ作画に苦労してきたか」という話をしてくれている。いかにアニメ的な嘘を交えながらメカを魅力的に描くか。いかに抵抗の強いCG作画をアニメの画面に融和させていくか。そこで行われてきた苦労は、素人が聞くだに想像を絶するようなものである。当時から大変だったことは、おそらく現代アニメでも引き続き悩みの種ではあり続けているのだろう。いや、むしろCG作画が当たり前になり、視聴者の目が肥えて贅沢三昧になってしまった今だからこそ、より「フルメタらしいメカの描き方」への作業量は増えているかもしれない。それでも安易な方向へ逃げずに手書き(っぽい)のメカニックを魅せる作劇は今回のシリーズでも最大の目玉になることだろう。

 1話目で顕著だったのは、「メカを寄せる」というよりも「キャラを寄せる」方向性での融和策だろうか。わかりやすいところでは冒頭のレナードがASに乗り込むシーン。CGで描かれたASと、本来手書きであるはずのキャラが遠景とはいえ自然に馴染む調整は、一瞬とはいえ簡単なものではないはず。他にもキャラの表情は少し硬質な部分を残して周りのオブジェクトに合わせられるようにデザインしているし、とにかく「今作のメカが映えるように」という準備がそこかしこに施されていることがみて取れる。このままの調子で作画を保ち続けられれば、相当骨太な映像作品になることは間違い無いだろう。

 あとはまぁ、今時珍しいくらいのまっすぐなストーリー部分でどれくらい楽しみがあるかですね。既に完成しきっているこの世界。あとはもう、これまで培ってきたものでバシバシやりたいことをやっていくだけだろうし、問題なく見られるものになるだろう。ほんと、スタッフはなんとか最後まで走りきってくれ。

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○「妖怪ウォッチシャドウサイド」 4

 視聴しながらずっと「最後に『今回のは全部ネタでした〜』って言ってケータとジバニャンが戻ってくる」っていう展開を期待してたんだけど、普通に次回予告までシャドウサイドだった……エェェエエエ、結局前シーズンはあれで最終回だったってことなの? それはどうなのよ。

 思ったよりもギャグ寄りの部分もあったのでそこまで大きな差はなくなったかな、という印象もあるのだが、やっぱり僕はいつも通りの妖怪ウォッチが観たいな……何でよりによって「鬼太郎」と同じタイミングでこっち方向に舵を切ってしまったんだろうか。いや、そりゃ偶然だろうけども……どうしたってやってることは同じになっちゃう訳で、こんな狭いところのパイを取り合っても誰も得しない気がするんだけど。

 アニメ妖怪ウォッチの強みって、本当に怖いもの知らずな無茶苦茶なネタ回しだったわけで、シャドウサイドではどうしてもその部分は削ぎ落とされてしまう。まだ多少ネタの節操のなさはあるのだが、シナリオ全体として、1話で「妖怪発生→バトルからの討伐」っていう形式は動かないわけで、これまでのように枠内で好き勝手なミニ番組を連打する形式は難しいし、妖怪のいじり方だってパターンは限られてくるだろう。まー、前シリーズではやれることを全部やりきったからこそ方向転換を迫られたということなのだろうけども……釈然とせんなぁ。こっちのジバニャンが見たいキッズってどれくらいいるんだろう。いや、もしかしたらもうジバニャン旋風が終わって大した影響力も無くなったから首を切られたのかも。そうだとしたらこんなに悲しいことは無いよな。これで完全に終了して別作品になるなら切り替えもできようが、半端に「同じタイトル」だからお別れすら言えてない状態だしなぁ……うーむ悩ましい。

 ま、とりあえず戸松とおいちゃんに引き続きレギュラーの仕事があるということを喜ぶことにしよう。遠藤綾が今後どのくらい出てくることになるのかは気になるな。突然この番組でも月一くらいでコマさんタクシーぶっ込んでこねぇかな。

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