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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「メガロボクス」 6→6

 「あしたのジョー」、面白かったです。いや、実はこれを機会に原作再読したんですよ。「再読」っつっても、実はだいぶ前に初めて読んだときは、本当に筋を追うだけでいいや、ってんでスゲェ適当に読んでたもんで、さっぱり頭に入ってなかったんですね。「どうせ過去の遺物だろ」みたいな舐めた態度があったのかもしれません。今回、この作品との兼ね合いもあったのでゆっくりしっかり読ませてもらったんだけど、やっぱり語り継がれるものには理由があるな、って、この歳になって、今更(本当に今更)感心しました。まぁ、もしかしたら歳とったせいで面白さが変わった可能性もあるんだけどさ。

 そんな「あしたのジョー」オマージュの作品として作られたこの「メガロボクス」。「あしたのジョー」と比べると色々と問題はあるのだが、「過去の名作を何となく踏襲しつつ、リスペクト作品として作り直す」という絶妙な隙間を抜く作品づくりのサンプルとしてはなかなか面白い実例を見せてくれたと思う。ポイントになるのは、「どこを残して」「どこを変えるか」という取捨選択の部分。1話目を見たときに「ギアでボクシングって何やねんwww」と思ったわけだが、そうした斬新(かつ意味不明)なリビルドが、何を目指したものだったのかがわかれば評価も変わってくる。

 今作は、ぶっちゃけ原作から残した要素がかなり少ない。ジョーの性格も違うし、ユーリと力石も全然違う。残しているのは2人の男の中に通じ合った不可思議な友情くらいのものだろうか。今作は「ジョーの成り上がり物語」という部分に重きを置き、それを彩る舞台装置として、力石を改題したユーリを置いた。それはあくまで「理屈を超えた魂の部分で通じ合い、全力で実力を発揮できる素晴らしいライバル」としての体現である。無理やり力石っぽさを出すためにラストの「ギア剥がし」イベントがあったわけだが、いっそそこもこだわらずに無視しても良かったんじゃないかなぁ、とも思う。ジョーと力石は少年院の中で少しずつ因縁を深めていくくだりがあったので偏執的なあの空気を共有するに至ったが、ユーリの場合、そこまでどっぷりとジョーの魔力にハマったわけではないのだから。ギア剥がしのイベントを描く時間で、何かもう1つジョーとぶつかるイベントを描いた方が、シナリオ全体の整合性は取れたと思う。

 しかし、本作は最低限の「らしさ」としてあのイベントを採用し、力石のストイックさ、一種の狂気じみた執念をユーリに残した。これはこれで、原作リスペクトの1つの方法論として成立しているだろう。最後に「力石の死」を与えなかったことも、原作と違って「メガロボクス」は一旦ここで幕引きになることを考えれば妥当な判断。原作の場合、力石の亡霊はその後のジョーの人生を大きく狂わせる巨大すぎる存在になるわけだが、今作のジョーはここで歩みを止めているので、わざわざそんな「亡霊」の脅威を描く必要もない。それなら、現代風にさっぱりと、2人の友情を確かめ合って終わるのが、「現代版」らしい簡潔な幕引きだろう。もちろん、もっとドロドロとした怨念じみたものが見たかったという原作ファンにとっては腰砕けにも見えるのだろうが、何度もいうように今作は「リメイク」ではなく「オマージュ」である。そこのところの違いさえ心得ておけば、今作で作ろうとした物語は充分に独り立ちしているのだ。

 あとは「らしさ」として残っている部分は昭和テイストを印象付けた画面の埃っぽさ、雑味を残したデザインだろう。正直、シナリオ部分は「まぁ、こんなもんかな」という妥協案に落ち着いたので、今作を評価するときに大きなウェイトを占めているのはこの映像面での際立ちである。「ウマ娘」も非常にシンプルな「スポ根」ながら見入ってしまうだけの魅力を持っていたが、今作の作劇も、泥くさい演出、捻らないアクションを素直に見せることで魅力に仕上げていたと思う。まぁ、突然のサチオラップとかよく分からんところで振り切れることはあったけど、まぁ、その辺はご愛嬌ということで。「昭和レトロ」と「何となくサイバー」の融和点には、突発ラップ小僧がいても不思議じゃないんですよ(そうか?)。

 個人的にはすごくスッキリ見られた作品だし、何よりも「あしたのジョー」との接点を改めて設けてくれた作品として感謝していますよ。「封神演義」もいっそこういう方向に振り切れてくれたらファンも余計な心労を抱えずに済んだのに……って思ったけど、こういうリビルドってものすごくデリケートな作業だろうし、なかなか成功例を作るのは難しいんだろうなぁ。思い返せば「暴れん坊力士松太郎」なんかも、リメイクの中では面白い構造の作品だったのかもしれない。今季は「キャプテン翼」というほぼそのままを貫いている作品もあるし、色々な「懐古作品」を見つけてその違いを比べてみると、現代アニメの類型論的には面白いものが出てくるのかもしれません。

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6月29日 ドラフト模様(DOM×3)

ピック順 【Chrolony】→【Alessi】→【Tanaka】→【Serra】→【Thraxi】→

 

 今週は久しぶりに金曜深夜に開催のドラフト。会場確保が難しかったのですが、某氏の好意により、過去にドミナリアフライング4人ドラフトで使用した謎の部屋、通称○○○部屋(コンプラ)が確保できていて助かりました。それにしても不思議な場所だが……。

 場所が変われば雰囲気も変わるかどうかは定かでないが、とりあえず久しぶりの5人戦なのでピックのグダグダ感はいつも以上。なんか、今まで気づいてなかったけど新規メンバーを加えたことでピックのカオス度合いが前よりも増している気がする。五者五様に自分流の信念持ちすぎだと思うの。まぁ、その方が楽しいからいいんだけどさ。

 確認してなかったけど、次回は普通開催で大丈夫ですかね。なお、来週のドラフトでひとまずドミナリアは一旦終了。再来週からは基本セットドラフトがスタートします。某氏がブーブー文句言う姿が今から容易に想像できるが、このまま9月末までドミナリアを剥き続ける方が不健全だと思うの(M19、欲しいカードが割と多いっていう事情は胸の内に秘めながら)。

 

 


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「覇穹 封神演義」 3→3

 で、結局これって何でアニメ化したの? 今のところ、私の耳にこの作品で幸せになった人の声は聞こえてこない。そして私も、当然幸せにはなっていない。

 世代的に知っててしかるべきジャンプっ子の私が実は知らない作品、というので長年引け目を感じていたところがあり、今回のアニメ化は実は割と嬉しかったんだ。「これでアニメを見て往年の名作をフォローできるんだ」というズボラな理由でね。しかし、1話目がスタートして時点で「??」という感想しか出てこないというイレギュラーな展開。「アニメの絵がなんか微妙なのは、原作絵に癖があるからしょうがないとして……話が……よくわからねぇ……」ってんで、2話3話と追いかけてみたものの、そんな「???」状態が大きく改善される様子もない、淡々と続く「ジャンプ的バトル漫画のような雰囲気を持ってるけどよくわからない何か」を前に、次第に視聴のモチベーションも落ちてくる。そもそも字面で追いかけないとキャラ名とか専門用語の理解が追いつかないので、アニメとしてのハードルは高い設定の作品なんだよな。一応意地で録画と流し見は続けていたが、結局何かが心に引っかかることもなく、最後まで「????」という分からん展開が途切れることはなかった。「え? 結局○○ってどうなったの?」っていう要素が多すぎるのだが……。

 幸い(?)、あまりよろしい態度ではないとは思いつつもネット界隈で最終回後の感想を調べてみると、この分からん状態は私のオツムのせい(だけ)ではないらしい。原作を知っている人間ですらよく分からないと言っているのをみると、原作を知らずに適当に追いかけている人間が理解するのは不可能だったのだろう。そして、「何でそんな状態でアニメを作ろうと思ったんだよ」という制作側の姿勢こそが、本作一番の謎として残るのである……。

 業界のコンテンツ力の低下なんて、内部にいる人間の方が我々消費者なんぞよりもよっぽど痛感していると思うのだが、何故、こうして貴重なコンテンツを食いつぶしていくのだろう。様々な人間の思惑が錯綜しているので一口に現状を説明することなどできないのだろうが……誰も幸せになれないのだとしたら、やはりどこかでこの負のスパイラルを止めねばならぬのだろう。頑張ってよ、どこかの誰か。

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「多田くんは恋をしない」 4→4

 タイトル詐欺やんけ。いや、タイトル通りにされても困るんだけどさ。

 「『月刊少女野崎くん』のスタッフが送る」っていう売り文句で始まった作品。タイトルもちょっと被せ気味だし、キャストも重複があってなんとなく野崎ポジションで二匹目のドジョウを狙って……と思ったら、なんか全然違う作品が出てきたっていう。

 アニメをずっと見ていれば何度でも経験することだが、ことに総合芸術であるアニメーション制作において、「前に○○を作った人だから!」という言葉はあまり意味を持たない。最終的な完成品に至るまでにはものすごい数の人間が関与しているわけで、その中の1人が同じだからと言ってクオリティを保証することにはならないからだ。しかし、今回は結構な数のスタッフが「野崎くん」から引き継がれており、あの時の癖になるような盛り上がりの再来を期待したのは事実。しかし、残念ながらそうはならなかった。そもそも、作品のコンセプトが1つたりとも「野崎くん」に被ってないんだから同じ結果が出るはずもないのだが……。この現状を鑑みるに、「野崎くんのスタッフ」というのはあんまり前面に押し出さない方が良かったんじゃないかな、っていう。

 作品を前評判から切り離して単体で見た時、本作は何を見せたい作品なのかが今ひとつ分かりにくかったように思う。いや、分かるよ、ラブな作品だよ。異国のお姫様との道ならぬ恋なんて、手垢がついてズタボロになった、それだけに安定感のあるモチーフ。手堅く描けば成果は出るが、冒険しなけりゃ個性も出ない。そんなジャンルで、この作品はどんな方向から他作品との差別化を図り、わざわざ現代でオリジナルアニメーションを作ってまで何を見せたかったのか。その部分が分からないのである。ラブストーリーとしての筋立ては実に陳腐。決着のつけ方に多少のメッセージ性は込められていたかもしれないが、そこに至るまでの抑揚に乏しい物語を支えるほどの強みがあったとは思えない。こうした作品ではなかなか映像部分での際立ちを生み出すのも難しく、「美しい情景」を切り出すカメラというモチーフもあまり説得力を持たなかった。別に観ていて何か損した気になるという作品でもないが、今更時間を割く必要もないような、そういう「掴みの薄い」作品である。

 あと、個人的にすごく辛かったのは、しっとりして大人しめの全体的な雰囲気の中で、伊集院のキャラが完全に浮いていたこと。おそらく異物としての際立ちを見せて、メインの恋愛物語を前へ進めるためのエンジンとして機能させる目的での「賑やかし」だったと思うのだが、いささか作品から際立ちすぎていたような気がする。主人公の多田のキャラがあれだけ地味でおとなしいと、伊集院の騒がしさばかりが目や耳について本筋を見失ってしまう。他のサブキャラについても、どっちかというと応援したくなるのが部長×委員長の方だったりするので、やっぱり多田のキャラが薄すぎたんじゃねぇかな、と。そういう「前に出ない恋愛」を見せたかったというテーマ性はわかるのだが、結局「それって描くべきテーマだったのか」っていう身もふたもない疑問は解消されずじまいだった。

 まぁ、オリジナルアニメで何となく片付ける作品としては可もなく不可もなく。ニャンコビックは可愛い。そういう作品。


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「奴隷区The Animation」 4→3

 なんでいい話風に終わってんねん。どう考えても20人以上が全員なんの遺恨もなしに今回の一件を終われるわけないやろが。そもそも開発した人間がまた悪さしようとしたらエンドレスやんけ。なんだこれ。

 まぁ、設定がガバガバなのは最初からわかっていたことだけども……視聴前は「原作コミック途中まで読んだけど面白くないから投げた」って書いたんだけど、アニメ見ててもやっぱり面白くないから投げたくなった。1つ1つのバトルがほとんど力押ししかないんだもん、これ、単なる暴力対決やんけ。いや、そうじゃないとは誰も言ってないから間違ったことではないのだが。せっかくの設定なのに「奴隷」っていうシステムが対決にほとんど絡んでこないし、参加している人間が満遍なく阿呆なので、いちいちびっくりしてる割に「それくらいは備えとけ……」って思うことしかないっていう。超すごい力をもらった割にキャラの動きがショボいってのは、逆にリアルな描写と言えなくもないのかもしれないけど。

 メインシナリオがどうにも肌に合わないので何か他に見るべき点はないかと探してみたが、アニメーションとしても本当に最低限の部分だけだったので画面にさっぱり魅力がないし、とりあえず1クールでお話全部片付けなきゃ、っていう意識が強いせいか、流れ作業のように淡々と物語は進んでいく。ドライで空虚な感じが描きたいのか、どろっとして汚い、ねちっこい人間ドラマが描きたいのか、そのあたりもはっきりしない。これ、原作者はどういう方法論で作劇を行ったのかがかえって気になるくらいである。描き始めた時点でゴール部分は多分決めてないんじゃないかなぁ。あ、エイアが勝つことくらいは決めてただろうけど。ボスキャラっぽいポジションがこれだけ短い期間で二転三転するのはすごいよな。全員かませ臭しかしないしな。

 残念ながら原作同様に私は全く好みじゃなかったし、褒める部分はあまり無いと思うのだが、それでも、なんとか1クールで最後まで走りきり、結論を出していることは作品として認められるべきところだろう。本当にグダグダになった「王様ゲーム」よりかはいくらかましだ。そして、今期はこれよりもよほど期待や予算がかかっているはずなのに完走の目処が立っていない作品が複数あるという地獄のようなアニメ業界にも絶対に責任はある。業界はもう終わりだって何年も言われ続けているが……崩壊の序曲が長いねん。

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「ラストピリオド-終わりなき螺旋の物語-」 6→6

 毎週感想書いてたから特に書くことない系作品。いや、良かったですよね。こういう軽いフックみたいなものがザクザク決まるアニメ業界だったらみんな幸せになれるのに。

 やはり「ソシャゲ文化を真っ向からネタにする」という怖いもの知らずの采配が功を奏したというのが一番大きなポイントなのだろうが、個人的にはそうした刺激の強いネタ要素よりも、細かい部分での「あっ、カワイイ」っていう小さい幸せポイントの積み重ねが最終的な評価の決め手になった気がしますね。ほぼ映像部分が崩れずに済んだのもありがたいが、キャラクターデザインをゲーム版から割といじらずにそのままアニメに乗せることに成功し、ちまちました動きとか、全力で阿漕な萌えキャラとか、そういう部分を見せていこうという意識が現れていたのだと思う。イオナちゃんとルルナの姉妹とか、可愛かったでしょ。主人公チームはそこまで「カワイイ」を押し出してはいない気もしたけど、オープニング映像なんかは何故か毎週飛ばさずに見てしまう不思議な魅力があった。もーいっかーい。

 そして、そんな「カワイイ」「面白い」の全てを背負い、今作の世界観を根底から作り上げた立役者が、毎週とにかく持ち上げまくっていたワイズマンの存在なのである。ね、ちっちゃくてなんか可愛い上にアクションシーンでもシャキシャキ動くので一応バトル含みのゲームキャラとしても成立している。メインシナリオでもお馬鹿加減を維持しつつ適度にシリアスからいい話まで全てを担当できる度量の深さ。何が怖いって、最終話で初めて気づいたんだけど、俺たち、アニメを見ててもワイズマンがどこの誰で何してきた連中なのか、1ミリも知識が増えてないんだよ。結局この後どうなるのかも分からないんだよ。でも、3人と一匹(と追加1人)でなんとなく楽しげに日々の暮らしを送っているのを見ると、「仲良さそうだし、楽しいんだろうなぁ」と勝手にほのぼの出来てしまうのだ。理屈じゃない。ノットワイズと謗られようと、彼女たちは僕らに星5クラスの幸せを届けてくれたんだよ。なんでこんなに可愛いって思えるんだろうなぁ。萌え袖かなぁ。コスチュームが萌えっぽくまとまってるのによく見ると割とハードなところとかいいよねぇ。あ、個人的に推しは一応イワザルですが基本は箱推しです。ソシャゲやりたいって思ったんだけどスマホの容量不足で新しいゲームできなくてごめんな!

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限りないもの、モロフォン Morophon, the Boundless (7) M
伝説のクリーチャー・多相の戦士
6/6 多相
〜が戦場に出るに際し、クリーチャータイプを1つ選ぶ。
あなたが唱える選ばれたタイプのクリーチャー呪文は、唱えるためのコストが(W)(U)(B)(R)(G)少なくなる。この効果では、色マナのみが軽減される。
あなたのコントロールする選ばれたタイプのクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。
 突然現れた多相の王様。その意図は公式記事でも書かれている通りで、どんなマイナー種族でも一応これを統率者にすればなんとなくそれっぽい部族デッキが組める(かもしれない)ということである。ただまぁ、そのために7マナの統率者にするかと言われると微妙な気もするし、必死でかき集めてもそこまでメリットはない気がするが……まぁ、可能性は無限大。能力の方はシンプルなロード能力と、「戦長」サイクルなどにみられるマナコスト低減能力。この低減能力は2つの意味があり、1つはどんな部族、どんな色でもそれなりに機能するように5色全てをフォローするという意味(エルドラージデッキだと意味がなくなる恐れはあるが)、そして、とにかくテキスト欄にマナシンボルを並べることでどんな色の部族の統率者でも採用できるようにすること。例えばこれが統率者なら赤黒のイニストラード吸血鬼と白黒のイクサラン吸血鬼をまぜまぜしたデッキも組めるってわけだ。個人的に、この能力が一番ハマるのは実はスリヴァーなんじゃないかって気がする。何しろこいつがいれば「スリヴァーの女王」を筆頭に結構な数が存在している5色スリヴァーが全てノーコストで唱えられるようになるのだ。他にもマルチカラーで2マナ程度のスリヴァーは数が豊富で、ほぼノーコストで連打可能。「休眠スリヴァー」がある状態なら無限のスリヴァー連鎖も可能かもしれない。なんでこんなとこで突然スリヴァーデッキを熱弁することになっているのかは謎。
 
 
 
<白>
 
叶えられた祈り Ansewered Prayers (1)(W)(W) C
エンチャント
クリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは1点のライフを得る。〜がクリーチャーでないなら、これは他のタイプに加えて、3/3で飛行を持つ、天使・クリーチャーとなる。
 微妙だけど、元ネタと考えられるのは「天使の墳墓」だろうか。3マナの置物がクリーチャーに反応して3/3天使になる部分は完全に一緒。ただ、こちらは色がついたのでその分「アジャニの歓迎」がおまけとして付けられた。リミテッドの場合はライフゲイン効果が馬鹿にならないことに加えて実質3マナ3/3フライヤー、しかもソーサリー除去がほぼ効かないという効率的なクロックになり得る。攻め手の速いデッキならこれを2枚くらい導入した天使ビートも成立するだろう(それ以上入れた場合、相互に反応しないことが悩ましく感じることもある)。ただ、モダンレベルなのかと言われると流石に微妙。どちらの効果もそこまで思いきったもんじゃないし。自動でクリーチャー化してしまうため、割と除去しやすいってのも困りものだ。
 
 
霊体の横滑り Astral Drift (2)(W) R
エンチャント
あなたが〜をサイクリングするか〜が戦場にある間に他のカードをサイクリングするたび、対象のクリーチャーを追放しても良い。そうしたなら、次の終了ステップの開始時にそのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
サイクリング(2)(W)
 かつては限定構築などを中心に暴れまわり、サイクリングシナジーの存在を満天下に示した「霊体の地滑り」がマイナーチェンジを果たして復活。「キーカードだけど、別に1枚あれば足りるやろ」というニーズに応えるため、なんと2枚目以降をサイクリングできるようにしてしまった。もしくは1枚目をサイクリングしても同等の効果が発揮されるようになった。つまりこれが1枚置かれている状態で2枚目をサイクリングすると能力は2回誘発する。このカードがモダンで使えるようになるということは、いよいよふさわしい場所でアモンケット産のサイクリング呪文と手を組む場を得たということ。「虚ろな者」という先輩はすでにモダンの海を悠々と泳いでいるし、数々のサイクリングシナジーが我々を待っている。さぁ、新たな時代のグライドの到来となるか。
 
 
金切るときの声/Battle Screech(JUD)」 U
 ジャッジメント生まれのトークン量産呪文。これも再録経験は無しだったのか。なんかよく見かける気がするのだが、統率者を含めて再録が特になかったんだとすると、やっぱり自分の中でやたら印象深かっただけなんだろうなぁ。4マナ召集ですぐさまトークン4体生成できるムーブはこのカードならでは。「未練ある魂」を乗り越えてトークン呪文のスタンダードになれるか否か。ちなみに、カードのフレーバーはセレズニア風にリライトされており、鳥トークンの落ち着く場所としてはベストの配置になっている。
 
 
解体の一撃/Dismantling Blow(INV)」 U
 インベイジョン発祥、というか確認したらほぼそこにしか収録されていなかったマイナー呪文の帰還。マイナーではあるが私の中では実に印象深い1枚で、やっぱり何度でも書くけどインベイジョンという環境への思い入れは格別なのである。このカードも素体が非常に強力なため、過去にキューブを組んだり、俺なりのエキスパンションを作ったりした時にはちょいちょいプールに入れている。今後のモダンで活躍する可能性は低い気もするが、よほどマナの保持に自信があるコントロールなら、アドバンテージ目当てで手を伸ばすこともあるのかも。
 
 
持久スリヴァー Enduring Sliver (1)(W) C
クリーチャー・スリヴァー
2/2 長久(2)
あなたのコントロールする他のスリヴァー・クリーチャーは長久(2)を持つ。
 長久! こんな能力もあったなぁ……。タルキール次元、砂漠の中でひたすらに耐え忍びたくましく生きるアブザン氏族の能力として与えられたのがこの長久能力。一応補足しておくと、指定されたマナを払ってタップすると+1/+1カウンターが1つもらえるという激強い能力なのだが、タイミングがソーサリーに限定されているため、使っちゃうとアタックもブロックもできないというのが悩ましい部分。当時のアブザンは+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーに飛行を与える「アブザンの鷹匠」や接死を与える「マー=エクの夜刃」などを活用し、この長久軍団をじっくり育成したものである。そんな気が長いタフな能力がスリヴァーにも。ただ、数を増すことに意味があるスリヴァーにとって、1体1体マナがかかってしまう長久はそこまで相性のいいものではない。単体でも悪くない性能なので、あまり波及する部分は意識しなくてもいいかも。
 
 
儚い存在 Ephemerate (W) C
インスタント
対象の、あなたのコントロールするクリーチャーを追放する。その後、それをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
反復
 反復能力は「エルドラージ覚醒」と「タルキール龍紀伝」に存在していた能力で、1回唱えると次のターンの頭に自動でもう一度唱えられるという便利なおまけ付き能力。単純に効果が倍加するのであまり強い呪文には付けられなかったが、それでも2点火力の「よろめきショック」や、リミテッドでゲームを決めてしまう「テイガムの一撃」なんかは人気を呼んだ。こちらの呪文はそんな反復呪文を更にモダンレベルに適用して……るわけではないのか? 効果は単なる「ちらつき」である。まぁ、187能力を持つクリーチャーが腐るほどいる下の環境の場合、強力なカードの再利用が手軽に行えるほか、何か大切なクリーチャーの緊急避難に使うこともあるかもしれない。反復の方は完全に前者限定の効果だが、例えば場にいるのが「瞬唱の魔道士」ならそれだけでアド確みたいなもんだし、なんなら解決時にようやく墓地に落ちたこれをもう1回使っても良い(意味があるかどうかは知らんが)。小粒でもちょい辛めの用法が色々と考えられる1枚。ぴったりのシチュエーションを演出できるだろうか。
 
 
聖なる顔 Face of Divinity (2)(W) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修正を受ける。
エンチャントされたクリーチャーに他のオーラがエンチャントされている限り、それは先制攻撃と絆魂を持つ。
 推しの尊さを讃えるみたいなカード名やめろ。どんな顔やねん、と思ってイラスト見ても顔が確認できないっていう。元ネタはおそらく、バントオーラなどで活躍している「夜明けの宝冠」。あちらはそもそも他のオーラが付いてないと張れないが2マナで+3に絆魂警戒先制攻撃の大盤振る舞い。こちらはアンコモンでソフト仕上げになっており、とりあえず貼ることはできるし、条件を満たせばかなり近いボーナスが得られる。これで事実上「宝冠」8枚体制みたいなリストが作成可能になり、オーラ系のデッキのぶん回りは加速することになるわけだ。まぁ、こうしてピーキーなカードばっかり増やすとダメなとき本当にダメになるけど。リミテッドなら今回は一応コモンに合わせられるオーラはちょくちょくあるので、「宝冠が再録されたのに他のオーラがそもそもない」というモダマス2015の悲劇は今回は起こらない。まぁ、いざとなったらこれ2枚使え。
 
 
初祖スリヴァーに選ばれしもの First Sliever’s Chosen (4)(W) U
クリーチャー・スリヴァー
3/3
あなたのコントロールするスリヴァー・クリーチャーは賛美を持つ。
 ちょっとショッキング、史上初の「スリヴァーなのに名前が○○スリヴァーじゃない」クリーチャー。今回登場したレジェンド「初祖スリヴァー」の護衛役というテイストらしいのだが、なんでわざわざこんな名前にしたのかはよくわからない。今後、こうしたスリヴァーフォーマットも打破していくことになるんだろうか。とりあえず、名前は変だけど能力は普通にスリヴァー。全軍に賛美をばらまく、スリヴァー業界における「荘厳な大天使」。「天使の称賛」がリミテッドではキラーカードになったのだからこいつだって1体いればゲームが終わるクラスのダメージを叩き出すことも可能だろう。まぁ、そんだけスリヴァーが並んでるなら多分全軍殴った方が早いってのは内緒。
 
 
美徳の力 Force of Virtue (2)(W)(W) R
エンチャント
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナコストを支払うかわりに、手札から白のカードを1枚追放しても良い。
瞬速
あなたのコントロールするクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。
 「力/Force」サイクルの白は予想の斜め上を行くエンチャント! なるほどそうきたか……。瞬速さえつけておけば「相手ターンに使えるピッチコスト」という共通点も何の問題もなく維持できるってわけだ。なるほど考えたな……。「栄光の頌歌」と比較すると、1マナの差とピッチコストでトントンと考えれば、瞬速がある分だけ純正アップグレード。そしてピッチコストを使えばどんな状態からでもいきなりのサイズアップが可能。なんだそれ。まぁ、わざわざこの効果に手札を2枚も使ってしまうのはどうなのか、という話ではあるが、それでも状況がひっくり返るようならば文句なしで試すだろう。現時点では「頌歌」系のカードがモダンに入ることはあまりなさそうだが、これだけ変な設定になってるならあるいは……。
 
 
過大な贈り物 Generous Gift (2)(W) U
インスタント
対象のパーマネントを破壊する。そのコントローラーは3/3で緑の象・クリーチャー・トークンを生成する。
 「内にいる獣」のカラーシフト。公式記事でも紹介されている通り、これはより適正なカラーパイに役割を変更した「歴史の修正」である。普通に考えて、緑が単色でクリーチャーを破壊できたのは「曲げ」ではなく「折れ」の部類であった。一応はファイレクシアという殺伐としたカードの背景があったからこそギリギリ容認された部分はあるが(あと「新たなるファイレクシア」はΦマナのせいでカラーパイが有名無実だったのであんまり気にならなかった)。改めて何色のカードになるのがふさわしいかを考えると、なるほど白なら全てのパーマネントタイプに触れることが認められるし、「破壊の代償に相手に何かを与える」デザインも白にはよくあるタイプ。これで無事に、カラーパイが落ち着いたわけだ。まぁ、おかげで面白みは薄れてしまったが。白のカードになってしまえば、代償として提供される3/3トークンを別な呪文で蹴散らすのは造作もないこと。これで厄介なカードを先に潰してから全体除去、なんてムーブもとりやすくなった。積極的にメインから採用して幅広い対策に使っていけるかもしれない。それにしても、イラストがファニーだよな。「内にいる獣」に寄せてるのはわかるんだけどさ。
 
 
金粉の光/Gilded Light (SCG)」 C
 こうしたセットに再録される呪文ってのは大体他の環境での活躍や当時の評判などがあって、「なるほど、帰ってきたか!」と思うことが多いわけだが、これに関しては……そうか、お前、使われてたんか……。当時はドラフト時に邪魔でぐるぐる流れていたカードだったのだが、言われてみればリミテッドの方がいらない存在なのは確か。これ1枚で守れる命があることを考えると、モダンでも案外出番が……あるのか? サイクリングデッキの燃料かなぁ。ちなみに、当時も思ったけど「日本語訳はもうちょっと何とかならんかったんか」とは思う。石川県のお土産とかにありそう。
 
 
ルーンの与え手 Giver of Runes (W) R
クリーチャー・コー、クレリック
1/2
(T):対象の、あなたのコントロールする他のクリーチャーは、ターン終了時まであなたが選んだ色1つか無色に対するプロテクションを得る。
 一目瞭然、「ルーンの母」の焼き直し。「ルーンの母」もモダンリーガルなカードではなかったが、ここで突然殴り込みをかけてきた形になる。ただ、流石にそのまま再録するのはまずいという判断なのか、細部が微妙に異なっており、最大の違いは自身を対象に取れないこと。大抵のデッキは「母」と対峙したらまずは本人を除去するところから始めることになり、その際の手数は1つ少なくて済む。その分、タフネスに1点のボーナスがついたので地力は上がっているし、地味に色ではなく「無色」へのプロテクションが手に入るなんて時勢を鑑みた変更も。新たな時代の母は環境を席巻することになるんだろうか。まぁ、普通に考えてクソやべぇやつなのは間違い無いしなぁ……。
 
 
第六隊の騙し屋 Impostor of the Sixth Pride (1)(W) C
クリーチャー・多相の戦士
3/1 多相
 非常に興味深いクリーチャーである。いや、性能は別にどうでもいいのだ。多相クリーチャーはリミテッド(と統率者のファンデッキ)では本当に便利な存在で、軽量の枠に新たな選択肢が与えられたことは実は結構意味があったりするが、まぁ、それでも単なる準バニラだし、別段騒ぎ立てるようなカードではない。ただ、気になるのはそのカード名、「第六隊」である。この名が与えられたのは未来予知で垣間見えたどこかの次元、「第六隊の刃」のみ。このクリーチャーは、あらゆるクリーチャーの真似をする変わり身(多相)が第六隊のふりをした様子を描いたものなのだ。これまで多相を持つ変わり身族はその存在をローウィンでしか確認されておらず、あの次元の固有種かと思われていたのだが、この「第六隊」のレオニンがいる次元は明らかにローウィンではないだろう。今後、この次元の話は語られることになるんだろうか。そして、新たな変わり身伝説が幕をあけるのだろうか。
 
 
変容の軍勢 Irregular Cohort (2)(W)(W) C
クリーチャー・多相の戦士
2/2 多相
〜が戦場に出た時、2/2で多相を持つ、無色の多相の戦士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 多相業界における「騎兵呼集」みたいな生物。多相が大事なデッキということは、つまり特定タイプのクリーチャーの数を求めているデッキということであり、多相が得られるこのカードは他のトークン系カードよりも「数が増える」という利点が直接メリットにつながりやすい。スリヴァーはもちろん、猫や忍者、吸血鬼の増量にも。また、今回白は一時的に追放する「ちらつき」効果もちょいちょいサポートしているので、出し入れすることで利益が得やすいカードは組み合わせるカードが多いのも見どころ。
 
 
群れの王 King of the Pride (2)(W) U
クリーチャー・猫
2/1
あなたのコントロールする他の猫は+2/+1の修正を受ける。
 猫ロードキター!! 制作チームがその人気を認識して以降、少しずつ地位向上が図られている猫軍団。猫次元とも言えるアモンケットでは実用レベルのロードである「威厳あるカラカル」も制作されて猫ファンを喜ばせたが、この度はさらにシンプルに、使いやすさに重点をおいたロードの開発に成功した。なんと3マナで+2/+1の全体修正。これはロード能力としてはかなりの大盤振る舞いである。1ターン目に「野生のナカティル」を展開してるとナカティルが5/4とかいうわけのわからない事態になるし、猫トークンと組み合わせて一気に猫パンチが殺傷力を増す展開もありうるかもしれない。猫ファン必須のナイスカードだ。リミテッドでは当然多相と組み合わせて「これ猫だから! キモいけど猫だから!」と強弁することに。

 

 


旧べナリアの騎士 Knight of Old Benalia (3)(W)(W) C
クリーチャー・人間、騎士
3/3 待機5-(W)
〜が戦場に出た時、あなたのコントロールする他のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 カード名でクスッとできる1枚。ドミナリアには「新ベナリアの騎士」が登場しており、これにて新旧べナリアタッグが結成可能になったのだ。まぁ、シナジーは一切ないけど。っつうか相手がバニラだけど。ベースになっているのは最近の白コモンのヒット作「暁の天使」あたりだろうか。残念ながら飛行がないが、待機から出せばコストがごまかせる上に速攻で自分も突っ込むことができるので白いクリーチャーらしからぬアグレッシブさを見せることが可能だ。なお、出た時の修正は自分にはかからないので注意すること。
 
 
長槍スリヴァー Lancer Sliver (2)(W) C
クリーチャー・スリヴァー
2/2
あなたのコントロールするスリヴァー・クリーチャーは先制攻撃を持つ。
 突然のオーソドックススリヴァー。先制攻撃を与えるスリヴァーは過去に3体存在しているが、白・黒・赤と全て色が違うという妙な配置(黒の「吐毒スリヴァー」が「次元の混乱」出身だからね)。3マナ2/2と単体でもそこそこ使えるステータスで登場し、最悪スリヴァーデッキじゃなくても戦える設定が売りだ。今回は多相との兼ね合いもあるので無理にスリヴァーに寄せようとするよりも、白を中心に影響範囲を拡大した方がまとまったピックができるかもしれない。ちなみにこのカードのフレーバーを寄せているメリク・エイダーという人は、他にも「横這スリヴァー」や「奇声スリヴァー」などのフレーバーにも登場するスリヴァーの専門家。主な仕事はスリヴァーに悩まされること。

 

 


殉教者の魂 Martyr’s Soul (2)(W) C
クリーチャー・スピリット、兵士
3/2 召集
〜が戦場に出た時、あなたがタップ状態の土地をコントロールしていないならば、〜の上に+1/+1カウンターを2つ置く。
 3マナ3/2で召集付き。召集は一応ちょっとしたメリットなのでコモンとしては普通レベルだが、そこにちょいとした刺激を与えるのが下の能力。タップ状態の土地を持たない、つまりこのクリーチャーの3マナを全部召集で賄うことに成功したら、なんと3マナ5/4。コモンとしてはお化けである。まぁ、このボーナスのために暇なクリーチャーを3体も用意できるかという話はあるが……中盤の選択肢としては悪くないかもしれない。一応アーティファクトのマナソースなんかがあるなら多少ごまかしは効くし、ビビアン+「荒野の再生」なんかで強引にアンタップ後に出すという手段も。……どんなフォーマットだ。

 

 


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<アーティファクト・土地>
 
 
火想者の器 Firemind Vessel (4) U
アーティファクト
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):異なる色のマナ2つを加える。
 実はかなり貴重な、複数の色マナを制限なしで生み出すことができるアーティファクト。パッと思いつくところでは5マナでレアの「金粉の睡蓮」が3マナ出せるくらいで、こうして4マナアンコなんて設定になっているカードはとんと記憶にない。近いところでは「カルニの宝石」があるといえばあるが、あちらはマナ加速の役割を果たさないのでやはり決定的に違うだろう。こうしてみると、どんな色でも使えるアーティファクトで無節操なマナ加速ってのは案外制限されていたのだということが確認できる。このカードはカード名からすると「ニヴ=ミゼット再誕」を唱えるためのサポートってのが一応デザインの起点だろうが、リミテッドで神話レア前提の動きなど想定する意味もない。4マナから6マナへのステップアップを果たす純粋なマナソースと考えていいだろう。よほど同じ色マナシンボルが重なっていない限りはこれは「好きなマナ2つ」とほぼ同値であり、下手したら「金粉の睡蓮」よりも使い勝手が良い可能性すらある。まぁ、これを前提に全然関係ないギルドのカードをタッチするなんてことはできないだろうが、ある程度ヘヴィーカードを叩きつける構成なら、押さえる価値はあるんじゃなかろうか。
 
 
王神の立像 God-Pharaoh’s Statue (6) U
伝説のアーティファクト
あなたの対戦相手の唱える呪文のコストは(2)多くなる。
あなたの終了ステップの開始時に、各対戦相手は1点のライフを失う。
 なんだこれ。いつの間にこんなもん作ったんだボーラス。おそらくアモンケットから直輸入した代物なのだろうが……すげぇ悪趣味だな……あんまりセンスないわ。アモンケットにあった試練の神殿とかは角の意匠だけでデザインは優れてたと思うんだけどなぁ。すげぇ安っぽいどこぞの将軍様みたいな趣味やんけ。ちなみに、「道迷い」のイラストでフブルスプ君がたどり着いてたのはこれ。さておき、6マナとはいえ、「相手の呪文が全部2マナ重くなるよ」はどう考えてもレアクラスの能力。なんでそんなもんがホイホイアンコで出てくるのかはよくわからないのだが、それこそ6マナだから大きな問題ではないという判断か。アンコのくせに伝説なので重ね貼りもできないし、中盤以降の展開では「そこそこうざい」止まりなのかしら。……いや、かなりうざいと思うぞ。しかも試合が伸びればライフルーズ能力もじわじわ効いてくるし、ボーラスさんの性格の悪さが滲み出た1枚である。対抗策としては、こっちも同じカードを出して泥仕合にするって方法がある。まぁ、後出しは8マナかかるが。
 
 
ギルド球 Guild Globe (2) C
アーティファクト
〜が戦場に出た時、カードを1枚引く。
(2)(T)、〜を生贄に捧げる:異なる色のマナ2つを加える。
 カードを引くタイミングが変更された「テラリオン」。「墓地に置かれた時に1枚引く」よりも「場に出た時に1枚引く」の方が強い効果であるため(そして悪用しやすい効果であるため)、設置コストは1マナ重くなっている。ただ、悪用しやすいとはいえ、今回のセットだけでみれば大したシナジーがあるわけではないのでやや弱体化したとみた方がいいかもしれない。3色以上に広げる場合にはそこそこ穴埋めに使いやすい存在だし、イゼットでは果敢カウントの種に使えるのでやや加点。何か激強いカードを1枚タッチする、なんて場合には先置きしてカードを引きつつ目的のカードを待てるので、使い捨てのマナソースとしては理にかなっている。

 


 
鉄の暴漢 Iron Bully (3) C
アーティファクトクリーチャー・ゴーレム
1/1 威迫
〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 色がなくなった「鋼胴の甲虫」。今回このタイプのクリーチャーが数多く収録されているのは、増殖を絡めた緑中心のアーキタイプを構成するためだろう。「甲虫」が2マナだったのだから無色で同じ効果なら3マナも妥当。そこに一応威迫というボーナスももらっているのだから決してコスパで劣るわけでもない。3マナ2/2威迫は色付きクリーチャーだとしてもそこそこの性能だし、そこに増殖を絡められる将来性を含めればトータルではプラスだ。今回、こうしたクリーチャー群は基本的に自分にカウンターをおき、あとは中盤以降の増殖を待つデザインで充分なのかもしれない。
 
 
マナ晶洞石 Mana Geode (3) C
アーティファクト
〜が戦場に出た時、占術1を行う。
(T):好きな色のマナ1つを加える。
 なんと、あの「マナリス」の完全上位互換。いや、「マナリス」が特別すごいカードって印象もないかもしれないが、かつてアラーラ次元で各種オベリスクシリーズに散々お世話になった世代からすると、マナリスの性能ってそれだけで強いって思えちゃうんだよね。「ファイレクシアのレンズ」とかレアだったんだぞ。というわけで多色化を狙うプレイヤーにとってはキーカードとなる。今回はコモンのアーティファクトに多色サポートが3種揃っており、緑に触らずともそれなりに色マナを捻出することが可能。やっぱりパックを開けて出たアホみたいに強いカードは触りたくなるのが人情ですからなぁ。

 


 
プリズマイト Prismite (2) C
アーティファクトクリーチャー・ゴーレム
2/1
(2):好きな色のマナ1つを加える。
 ということで、コモンのマナサポート三銃士の最後の1人を連れてきたよ。こちらは多少効率は悪くなるが、その分2マナクリーチャーの役割も果たせるという、非常に穏当な選択肢。イメージが一番近いのは2マナ2/2の「放浪のエルフ」だろうが、あちらはマナの扱いに秀でた緑のエルフだったからこその設定だった印象があり、アーティファクトで同等の実力を持ったコモンが提供されるというのはやはり贅沢なのではなかろうか。そう考えると今回は多色化についてはかなり優遇された環境と言えなくもないが、総枚数が特別多いというわけでもないだろうから、さすがにラヴニカ感覚(ギルド門感覚)で色を広げすぎると痛い目を見るのでバランスには注意すること。
 
 

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混種の頂点、ロアレスク Roalesk, Apex Hybrid (2)(G)(G)(U) M
伝説のクリーチャー・人間、ミュータント
4/5 飛行 トランプル
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールする他のクリーチャーに+1/+1カウンターを2つ置く。
〜が死亡した時増殖を行い、その後もう1度増殖を行う。
 なんかよく分からんのがきた。シミックが生み出した究極完全生命体的なやつだろうか。まぁ、すでにシミック文化はハイドロイドで完成してしまった感があるが……それでもまだ、どんなに次元がゆがもうとも、シミックは突き進むのです。5マナ4/5飛行トランプル。とりあえずこの時点で割と合格だが、そこに追加でカウンターも2つ。自分に載せられないのは残念だが、こうして他者の進化を促進させるのもシミックの役割だろう。これで合計6/7。なるほど化け物だ。そして最後には死んだ時にダブル増殖。つまりは「伝染病エンジン」と同じ効果。あの当時は世界にあふれているのがー1/ー1カウンターだったので「退廃と蔓延」を表す能力だったが、今回は世界に+1/+1カウンターと忠誠カウンターに満ちた世界。彼の巻き起こすダブル増殖は自軍に福音をもたらすだろう。出てよし死んでよしのハイパーマシン。戦え改造人間、僕らのラヴニカを守り抜け。
 
 
役割交代 Role Reversal (U)(U)(R) R
ソーサリー
対象の、共通のタイプを持つパーマネント2つのコントロールを交換する。
 イラストとフレーバーがファニーすぎる。これ、永遠に入れ替わりっぱなしだから本当にスフィンクスさんの方がかわいそうでしょうがない。仲間内でも
「あいつ、考えすぎておかしくなっちまったんだ」とか言われてるんだろうな。そんな愉快な呪文はなんとコストが半分になった「変容する忠誠」。あっちはアンコだったので、レアどうしで比較するなら1マナ軽くなった「手品」か。この手の効果で赤が関与しているのは珍しいが、コントロール変更に関しては実は赤も特性として与えられており、それが顕著なのが「一時的コントロール奪取」である。今回はそれが永続に適用されたパターン。コントロール交換が強いことは現在も「一面の視線」が証明済み。このカードはアドこそ失うが、わずか3マナであの劇的な効果を広範囲にお楽しみいただけるのが最大の利点で、この環境なら使い切った出がらしみたいなPWを相手のピチピチのPWと入れ替えてやると美味しい。「うちのティボルトと交換してくれないか」である。他にもこの手のカードには珍しく土地まで交換できるので、何か斜め上の嫌がらせができるかも。変身した「宝物の地図」や「アズカンタ」をパクってやるとか。
 
 
瓦礫帯の暴動者 Rubblebelt Rioters(1)(R)(G) U
クリーチャー・人間、狂戦士
0/4 速攻
〜が攻撃するたび、〜はターン終了時まで+X/+0の修正を受ける。Xは、あなたのコントロールするクリーチャーのパワーの最大の値である。
 グルールのアンコモンはなんとも癖のある珍しいクリーチャーに仕上がった。速攻+高パワーというのはいかにもグルールなのだが、その「高パワー」の部分を他人任せにしてしまったために単体では何の役にも立たないカードになっているのが怖い。ただ、当然最低限の準備があればコスパは良く、2ターン目に2/2を出しているだけでも3ターン目に2/4速攻。その後のクリーチャー展開次第では性能が膨れ上がる。中でも期待したいのは、例えば5、6ターン目に4/4とか5/5あたりのナイスサイズのファッティを繰り出し、続けざまにこれを出して同じパワーを2倍にして叩きつける展開。速攻を活かす展開にしたければ、やはり先に仲間を派遣した方が相手に与える衝撃は大きいだろう。今回の環境では速攻クリーチャーが相手PWの運用を狂わせる期待が高い。そういう意味ではやはりグルールらしい、パワフルな1枚だ。なお、「他クリーチャーのパワーを2倍にする」という性質は同じくせに「倍火」との相性はあまり良くない。そういうとこだぞ。

 

 


陽光の輝き Solar Blaze (2)(R)(W) R
ソーサリー
各クリーチャーは、それぞれ自身のパワーに等しいダメージを自分に与える。
 パルヘリオン2号によるパルヘリビ〜〜ム!!! ボロスの印章が輝いているのがあまりにもシュールだ。なんと「報いの波」が1マナ軽くなって帰ってきた。まぁ、「なんと」って書いてみたけど「報いの波」はそこまで活躍したカードでもないのだが……。いや、でもやはり4マナと5マナの差は大きいし、現在は他に有力な全体除去の候補も多くはないのでこのカードには期待がかかるんじゃなかろうか。ジェスカイなどのコントロールでまとめ、自軍にタフネスの方が大きいクリーチャーを配置してからこれを叩き込んで相手のファッティを落とす動きはやはり強力。現環境の主力クリーチャーをみてもタフネスの方が大きい選択肢がそこまで多くないのは追い風だろう。ついでに新ソリンなんかを置いとくと自軍クリーチャーが全部絆魂になって特大ライフを得られるなんて小技もあったり。

 

 


復讐に燃えた血王、ソリン Sorin, Vengeful Bloodlord (2)(W)(B) R
伝説のPW・ソリン
あなたのターンである限り、あなたのコントロールするクリーチャーとPWは絆魂を持つ。
<+2>:〜は対象のプレイヤーかPWに1点のダメージを与える。
<-X>:対象の、あなたの墓地にある点数で見たマナコストがXのクリーチャー・カードを戦場に戻す。それは他のタイプに加えて吸血鬼でもある。
【4】
 おっ、生きてたんやな! 久しぶりの娑婆はどうだい? 呼吸が楽だろう? 石の中じゃないからな!!! さておきソリンさんだが、今回はレアなのでそこまで無茶なことをやるわけではない。全軍に絆魂付与って効果は実は類例があまりないのだが、コストでいうなら「エレボスの鞭」が一応同じか。これだけでグッと生存率が高まるのでなかなかバカにできない効果。そしてそれだけだとソリン自身の命が危ういので、プラス能力は一気に2点の忠誠度を稼ぐことで安全圏への離脱を試みる。上で出てきたラルもそうだったが、4マナPWが出たターンに忠誠度6はかなり落としにくいはずだ。もちろん、この能力でダメージを飛ばした場合も「自身が絆魂」なのでライフを得ることができるぞ。マイナス能力は貯めまくった忠誠度を無駄にしないためのフォローくらいに考えればいいと思うが、むやみにカウンターが増えた状態で放っておくとどこからアドバンテージを稼がれるかわかったもんじゃない。結局、今回レアのPWは放っておいちゃダメなやつらが揃っているのである。もう、いっそ墓地からエムラクール拾ってナヒリに投げ返そうぜ。

 

 


魂の占者 Soul Diviner (U)(B) R
クリーチャー・ゾンビ、ウィザード
2/3
(T)、あなたのコントロールするアーティファクトか土地かクリーチャーかPWからカウンターを1つ取り除く:カードを1枚引く。
 ドムリくん……(2回目)。まー、フレーバーにもある通り、此の期に及んでようやく「あれ、俺つく側間違えた?」って気づいたようなので、若気の至りというありがちな言葉で片付けておこう。気づいた時にはもう手遅れなのである。さておき、そんなドムリを刈り取った灯回収業者。2マナ2/3は普通サイズ以外の何ものでもないが、お手軽にカードが引けるその高効率ジェネレーターは確かにレアのお仕事。普通の環境ならカウンターがどれくらい貴重な資源なのかを考える必要があるが、PWに軍団クリーチャー、そして増殖ととにかくカウンターが出てくる呪文がやたら多い世界。適当にデッキメイクしても燃料に不自由することはほとんどないだろう。適当においたPWからちゅるちゅるカードを生んでもいいし、ここから増殖カードを引き増せばあとは食料に困ることもない。生き続けるだけでゆっくりと相手を絡め取れる、デッキの基盤となる1枚だ。「霊気の薬瓶」と一緒に入れておくとコストの微調整に使えたりもするぞ。

 


 
デヴカリンのリッチ、ストーレフ Storrev, Devkarin Lich (1)(B)(B)(G) R
伝説のクリーチャー・ゾンビ、エルフ、ウィザード
5/4 トランプル
〜がプレイヤーかPWに戦闘ダメージを与えるたび、あなたの墓地にある対象の、この戦闘で墓地に置かれたのではないクリーチャーかPWカードを手札に戻す。
 ぽっと出のゴルガリ民。どこのどなたかは存じませんが、まぁ、多分偉いヒト(エルフ)なのだろう。4マナ5/4トランプル、そして戦闘ダメージ誘発能力持ちという、今回登場した「ネヘブ」さんと全く同じ設定になっており、これが偶然なのか意図的なものなのかはよくわからないが……まぁ、絶対に因縁はない2人なので偶然だろう。これくらいのサイズがレアとしての説得力を持つちょうどいい点ということだろうか。確かに、サイズも充分でかくてダメージがそこそこ通しやすく、4マナというコストは構築クラスも見据えた魅力的なコスト設定。みんながこのくらいを目指しちゃうと世界は崩壊するが、レアに1、2枚あるくらいなら世界は正常である。純粋に筋肉として強いので特にフォローする必要もないだろうが、さらに毎ターン無尽蔵にアドを稼ぎに行く可能性もあるってんだからたまらない。ゴルガリ的にはさっさと自分で墓地を肥やして自由自在の回収ライフを楽しみたい。何故か「この戦闘で死んだやつはダメだよ」と書かれているのだが、まぁ、「ダメージ誘発は今墓地に落ちたやつを対象に取れるの?」みたいな余計な混乱を排除するための手立てだろうか。また、帰還ペースが短くなると色々悪用できそうでもあるしね。「戦闘の祝賀者」とか回収されるとなんか良からぬコンボが起こるかもしれんし。

 

 


伝承の収集者、タミヨウ Tamiyo, Collector of Tales (2)(G)(U) R
伝説のPW・タミヨウ
あなたの対戦相手のコントロールする呪文や能力では、あなたの手札を捨てたり、パーマネントを生贄に捧げたり出来ない。
<+1>:土地でないカード名を1つ選び、その後あなたのライブラリを上から4枚公開する。選ばれた名前を持つカードを全て手札に加え、残りを墓地に置く。
<-3>:対象のあなたの墓地にあるカードを手札に戻す。
【5】
 おタミさん、「タミヨウの天啓」のフレーバーを見る限りではこんな事態でも物見遊山みたいな気分だったようだが、さすがに無理に決まってる。おめぇ、こないだアジャニと打ち合わせして「まぁ、ゲートウォッチがうまくいくといいよね」みたいなこと言ってたくせして割といい加減だなヲイ。さておき、そんなタミヨウさんも案外色がふわふわしていて、初代が青単、2代目がバント3色という独特の色の揺れ方になっており、何と今回はそこからさらに白を落としてシミックカラーになった。青い要素はわかるけど、緑は純粋にボーラスに対抗できる色ってことでしょうかね(生贄や手札破壊を妨害する効果は黒の敵対色、緑と白のものである)。今回生贄に捧げさせるカードはアンコモンの「リリアナの勝利」なのでそんなに遭遇する機会はなさそうだが、手札破壊なら候補が複数あるのでもしかしたら意味があるかもしれない。まぁ、あとは何とか手札を増やしていく方法で運用するだけなのだが……アドバンテージは確定じゃないのね。しかもめくったカードがご丁寧に墓地にいくから基本的に毎回博打。土地が宣言できないのであんまり的中率は高くなさそう。うーむ、微妙。そうしてハズレくじ3回を引き続ければ、めでたくマイナス能力でキャッシュバック(ガチャでいう天井)を迎えることができるわけだが……その間にライブラリが10枚以上減ってるな……。タミさん、大丈夫かい? これ、もしかしてプラス1回、マイナス2回起動して死ぬのが模範解答なのか?

 

 


時を解す者、テフェリー Teferi, Time Raveler (1)(W)(U) R
伝説のPW・テフェリー
各対戦相手は、ソーサリーを唱えられる時にのみ呪文を唱えられる。
<+1>:あなたの次のターンまで、あなたはソーサリー呪文をそれが瞬速を持つかのように唱えても良い。
<-3>:対象のアーティファクトかクリーチャーかエンチャントをそのオーナーの手札に戻す。カードを1枚引く。
【4】
 貴様はテフェリー?! いや、テフェリーがいることには別に驚かない。しかしその能力、てめぇ「ザルファーの魔道士、テフェリー」の方じゃねぇか!! カーンといいテフェリーといい、ドミナリア出身者は原点回帰することが裏テーマにでもなっているんだろうか。いや、本当に原点まで戻るなら「問題児」になってしまうけども。とにかく、あの頃のテフェリーが帰ってきた。ほんとにこいつにはどれだけ苦労させられたことか……いや、今の若い子は知らないかもしれないけどサァ、強かったのよ、マジで。こっちのターンエンドに出すって言われるじゃん、出たらもう、終了ステップ(当時のエンドフェイズ)だから除去撃てないじゃん、相手ターンに回ってマナが起きるじゃん、もう終わりよ。あげく「神秘の指導」でサーチされたり、テフェリー出た後は全部のクリーチャーに瞬速がつくから好きなクリーチャーをサーチされたり、本当に散々でしたわ……。当時の構築戦で一回だけ「突然の俗化」を駆使してなんとか除去したら感心されて「いや、その発想はなかったですね」って褒められた直後に2体目出されてぶん殴ろうかと思ったわ。まぁ、そんなテフェリーよ。今回はなんと3マナと軽量化に成功し、出てきた段階で相手の呪文のタイミングを封じる。通してしまったらそのターンに除去するのは不可能なわけだ。そしてプラス能力で呪文のタイミングを自由に操り、余裕ができたらバウンスでアドバンテージを稼ぎ出す。何がひどいって、最低でも3マナソーサリーのバウンス&ドローでも充分使えるレベルなんだよ。PWを戻せないように設定されてるのがせめてもの良心なのかもしれないけども……そしてこれがもう1枚の方のテフェリーとも見事にシナジー形成するしね。テフェリーで起こした土地から、テフェリーがソーサリーを相手ターンに唱える。なんだそれ。もう、あの頃の嫌な記憶は忘れたいんや。勘弁してくれ。

 

 


第10管区の軍団兵 Tenth District Legionnaire (R)(W) U
クリーチャー・人間、兵士
2/2 速攻
あなたが〜を対象に取る呪文を唱えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置き、その後、占術1を行う。
 「あのギミックがおかえり」シリーズ、こちらは描かれている人物はボロスの兵士だが、そこに与えられたのはテーロス産の「英雄的」メカニズム。対象に取るたびにカウンターが置かれて占術できる能力は、完全に「戦識の重装歩兵」と同じ。2マナ2/2というステータスも完全に一致だが、速攻がついている分だけこちらの方が上位種である。やはりラヴニカ、テーロスよりつよーい。ただ、「戦識の重装歩兵」は充分強力なアンコモンだったが、それはテーロス全体が「英雄的」メカニズムをサポートするためオーラなどで対象にする方法が豊富だったことも理由である。今回はある程度意識しないとサポートが得難いことは想像できるので、トリック多めの構成でサポートしてやりたい。

 

 


時の一掃 Time Wipe (2)(W)(W)(U) R
ソーサリー
あなたのコントロールするクリーチャー1体をそのオーナーの手札に戻し、その後、全てのクリーチャーを破壊する。
 こっちが本物だった、「このセットのラスゴ」のコーナー。どうしてもこういう青含みのラスゴをみると「レクニフの怒り」を思い出してヒエッてなるな。ラヴニカ原産の「至高の評決」なんてのもあるし、だいたい青が絡むと良からぬことが起こる。今回はそんな先輩ラスゴにくらべて1マナ重いが、この1マナでやることは「自軍だけ1体先に避難させる」という非常にこすっからい防護策である。戻したクリーチャーはキャストしなおさなきゃならないのでなんだかもっさりしたイメージなのだが、特殊な形ではあるが本来死ぬはずだったクリーチャー1体分のアドを得ているのは確実。戻すクリーチャーを対象に取らない特殊な書式になっているので、解決時に戻すクリーチャーが選べるってのも地味に優秀な部分である(対象をとる書式にしてしまうと、そのクリーチャーが除去られるとラスゴ部分もフィズってしまうことになるため)。対戦相手も白を相手にしている時は一応全体除去をケアしながら動くもので、「あっちも展開してるし、ラスゴで流されても損はしない」と思ってクリーチャーを展開したところにこんなことされたら、そりゃぁイラっとするだろう。相手がイラっとするのは、良い呪文の証拠である。まぁ、5マナと色拘束でなかなか唱えられずにこっちがイラっとするパターンも多そうだけどさ。

 

 


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