最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「キラキラ☆プリキュアアラモード」 5→4 無事に今年もここに到着、今期執筆した番組感想は35本。減ったような、そうでもないような。とりあえず、1年という長丁場を走り終えたことにお疲れ様である。昨今のアニメ事情を考えると、こうして一年間走り続けられるという保証がある作品枠っていうのはそれだけでもありがたいもんです。 とはいえ、今年のプリキュアの総括はやや辛め。新機軸を打ち出した作品だったので単体で評価するよりも今後のプリキュア史に与える影響を見て最終的な存在価値を見定めるべきなのかもしれないが、一年間のシリーズという形で見ると、見どころよりも難点が目立つ出来になってしまっていたのは残念である。 何をもって「難点」としたのか、大きく2つの要素を取り上げたい。1つは、5人プリキュアという人数と各キャラの立ち位置の設け方である。ぶっちゃけ、放送開始数話の時点では「かなり面白そうだぞッ」と思っていた。その理由はどうやらゴリゴリに設定された各キャラの個性の部分にあったようだ。わかりやすい例では高校生コンビがやばいくらいにカップリングとしてハマっていることは放送前から話題になっていたわけで、ゆかり×あきらの強烈な個性は、「この舞台から何が飛び出してくるものか」と期待感を煽る出来だったのは間違いない。しかし、結局「設定に見られそうな要素」以外のサプライズが最後まで出てくることはなく、いわば「出オチ」みたいな印象が強かった。5人プリキュアの先輩である「スマプリ」でもそうだったのだが、やはり5人それぞれの個性を見せようとして単発エピソードを続けるスタイルは全体の取りまとめという視点ではあまり有効な手立てではないのだ。どうしても散逸的な印象になり、グループとしてのプリキュア、シリーズとしてのプリキュアの完成度に貢献していない気がする。 具体的なキャラで見ていくと、一番もったいないのはあおいだ。登場時(変身バンク)の衝撃のせいで期待が大きくなりすぎた部分もあるが、彼女が一番の設定過多で、どの要素も消化仕切れなかった気がする。そもそもスイーツを作るプリキュアの設定のくせに副業扱いなのがな……。他にも、上述の通りにゆかりさんはあまりに設定が固まりすぎていたために他のキャラとの絡みをシナリオで作りづらくて持て余していた印象があったし、対比的に素直なキャラだったあきらさんは何だか薄味にまとまってしまった。脇のキャラに要素が多かったせいで主人公のいちかは本当に真ん中で取りまとめる軸棒役に奔走する必要があり、個性を出しづらくなった。こうして見ると、5人で一番ブレなかったのはひまりだった気がするな。あ、5人に限らなければ一番見ごたえがあったのはビブリーですね。皮肉なことに、視点が散った味方サイドと違って敵側は毎週登場できたのでビブリーの背景が一番掘り下げられていたからね。同様の理由で、エリシオとノワールの関係性をめぐるボスキャラ争奪戦の流れなんかは悪くなかったとは思う。 こうした「キャラの焦点がぼやけた」問題と不可分だが、個人的にどうしても納得がいかなかったもう1つの問題点は、「明らかにバトル要素が軽んじられた」ことである。上で「スマプリ」が後半失速したと書いたが、それでも23話のあの強烈な印象は忘れてはいない。バトルに関していえば、スマプリの5人は十分に個性的だったし、魅力的だった。しかし、このキラプリに関して、「バトルで格好良かった」プリキュアが一人もいないのは致命的である。肉弾戦の割合を減らし、なんかよくわからないクリーム状の物質で搦めとるだけの戦闘になったためにどの技も似たり寄ったりになって画面に変化がつけづらく、さらに対戦相手もなんだかふわっとした攻撃方法ばかりだったので本当に戦闘が添え物程度に終わってしまっている。まぁ、本来の顧客である幼女先輩にはこれでもいいのかもしれないが……東映ファンとしてはこれではさすがにご不満だ。綺麗事をうだうだ並べずに拳で語るプリキュアであってほしい。どれだけ優雅に振舞っていても「お覚悟はよろしくて?」と上から圧をかける圧倒的武力を誇ってほしい。そういう意味で、本作の打ち出した新機軸は(少なくとも私の中では)不要な改変である。プリキュアがスタートした根本理念である「女の子だって闘うんだ」というテーゼは、やはりもっとストレートに画面で見せてほしいものだ。 トータルで見ると、やはり全体的に「コレ!」というでかいパンチが来なかったのが残念だったということになるだろうか。ビブリーにせよひまりにせよ、狙いが割と上手く行っているキャラもいることはいるのだが……やっぱり1年のスケジュールを考えながら魅力を維持するのって難しいですね。まぁ、我々おっさん勢は制作側からターゲットとして見られていない可能性もあるので、その場合にはしょうがないのだけれども。 さて、切り替えていきましょう。来週からは早くも次世代、なんとまぁ、プリキュアもいよいよ15周年だそうで。記念碑を打ち立てられると良いのだが。 PR わーい、日常回(?)、第16話。チセさんがウィンドウショッピング出来る日が来ようとはね! チラチラと一般人の目に見えないものが漂ってるくらいのことは気にしない! いや、でも実際に今回のお話は(ほとんどの部分を)日常回と言ってしまってよかったのではなかろうか。前回まで吐血したりぶっ倒れたり首絞められたり、散々命の危機を味わってきたチセさんのこと、久しぶりに心穏やかに人生を謳歌できた貴重なエピソードである。そして、そのお相手がなんとあのアリスちゃんだったというのだからたまらない。よかったなぁ。ついに歳が近い人間の同性のお友達ができたんだもんなぁ。骨やら犬やらにキスして回る女子高生っていうだけでなんだかわびしくて涙が出そうだったもの。いや、本人も周りもそれですごく幸せなんだから構わないんだけどさ。 とにかく、アリスちゃんとはいつの間にやらメル友になっており、門限に厳しいお父さんの目を盗んでこっそり街に遊びに出ちゃうくらいの親密度になっていた。いや、多分呼び出された時にはびっくりしただろうけど、「クリスマスプレゼントを買う」っていう割と普通のことも思いつけないチセさんは、荒くれ者で生い立ちに難ありのアリスちゃんでも「普通の」お友達である。もう、周りの一般人に認識できるっていうだけでも「普通」。そんなアリスちゃんが、話せば話すほどに共通点の多い、気のいい女の子だとわかればなおさらである。チセさんが「魔法使いの嫁(弟子)」なのだとしたら、アリスちゃんは「魔術師の弟子」。お互い、人生のどん底から師匠に救い上げられたところも一緒だし、生い立ちのせいで不器用に育ち、なかなか感情を表せないところも一緒(殺伐時代の目の下のクマも一緒)。そんな二人がわだかまりなく一緒に町歩きをするというのだから、楽しくないわけないのである。 アリスちゃんは生い立ち云々を除いても割と男前の性格なので結局レンフレッドに何を買っていったのかは気になるところだが、まぁ、チセのプレゼントも無難なものだったし、きっと素敵なものを贈ったのだろう。あー、でもあれだけ健啖家でハンバーガー食いまくる子でもあるので、もしかしたら食べ物とか贈ってる可能性もあるけど……レンフレッドが「普段使っていてイメージしやすいもの」って何かな……ナイフとかじゃないといいけど。 こうして、冬至・クリスマスという季節のイベントを満喫することができたチセ。見たところエリアスにも少しずつ感情らしきものが芽生え、チセとの交流で1つ1つその存在を確認していってるようだし、少なくともチセの健康状態も火急の問題は抱えていない様子。解決策が見つかっているわけではないのがもどかしいところだが、ルツとの連携もしっかり取れているし、このまま「何もない日常」がずっと続いていけば幸せなのだが……。 そうも言ってられないのがこの作品の悲しいところなのよね。また出てきたな、ジョージボイスの変なやつ。今度はチセじゃなくて別な兄弟がターゲットになってしまったらしいのだが……。うーむ、このイギリス、あぶねぇよな。 この世界を一番的確に表す言葉は「Sex & violence」な気がする、第4話。なんかもう、字義通りの意味でもメタフォリカルな意味でもマウント取る方法が力技すぎる。 「私たち、姉妹になったのよ」という言葉に思わず脳内で「すーる」というルビを振ってしまいそうになる女子校世界。物語序盤で登場した淫行教師が排除され、おじいさまも病院のベッドへ搬送。残されたのは純粋に女子高生のみという非常に生産性に乏しい世界。いや、だからこそ生み出される数々のSex & Violence。この世界の人間はやっぱり色々と頭がおかしいのである。 まず、頭がおかしい世界の中でも比較的まともよりなのが、我らがメインヒロインの柚子さん。しかし残念ながら見た目に反してピュアッピュアな性格だったため、すったもんだの末の自分の混乱が完全に「芽衣への恋心」としてインプットされてしまったらしい。一応先週までは「あたし、どうしちゃったんだろう?」みたいな戸惑いを見せていたのだが、今週ははっきりと芽衣に対する気持ちを「好意」だと言い切っており、電車の中で二人並んだ際には遠慮なくときめいた顔で頬を赤らめている。吊り橋効果の超でっかい版だとでも思えばいいのだろうか、非日常を極限まで突き抜けた世界の果てに、柚子さんは愛を手に入れてしまった。 そして、そんな柚子と芽衣の世界に殴り込んできた核弾頭が1つ。それが「漫画の中だと大体かませ犬ポジションだよね」でお馴染みツインテドリルヘアを特徴とする桃木野姫子さんである。これまでもちょいちょい2人に絡んできた「副会長」ポジションの姫子だが、基本設定はそのドリルから分かる通りのツンデレ風味。CVを釘宮に設定してリリアンに通わせれば薔薇様間違いなしの逸材だが、残念ながら立ち向かう相手は素直なタヌキ娘の福沢祐巳ではなく、マイペースな上に芽衣のことで頭がいっぱいの柚子である。なかなか正攻法では打倒できない。お姉さま(同い年)を手に入れるためのアドバンテージは「幼なじみ」という伝家の宝刀だが、冷静に考えるとこの手の作品で幼なじみ属性って負けフラグ以外の何物でもなかったり。 さらに面倒なことは、この世界における藍原芽衣という人物が、どうやら「対等な立場で関係性を育んでいく相棒」ではなく、「最終攻略目標のダンジョン」であるらしいのだ。素直でわかりやすい柚子・姫子の2人に比べて、芽衣の胸中は本当にわからない。物語は4話目を迎えているというのに、彼女が本心らしいものを見せるタイミングはほとんどなく、彼女の中の行動理念もわからないし、それを下支えする過去の父親との因縁も不明のまま。つまり、この作品は芽衣と柚子が互いに距離を縮めあう物語ではなく、柚子が芽衣というモンスターの薄皮を1枚ずつ剥がし、その深奥を目指す冒険譚なのである。このダンジョンは一筋縄ではいかない。 芽衣ダンジョンの面倒な要素その1、そっち向けの行為のハードルが謎。もともと男性教諭との淫行が問題になっていたくらいなのでその辺の倫理観が高いんだか低いんだかよくわからず、1話目でディオのようにいきなり唇を奪いにきた奇行も記憶に新しい。前回柚子は掟破りの逆マウントから果敢に唇を攻めたが、起死回生の一打も一夜明けてみれば「あなたを追い詰めていたみたいで、私も悪かったわ」などという謝罪文で切り捨てる豪腕。芽衣に対して決死のキスは効いたのか、効いていないのか。そして「お返し」と称して、今度は初めて「両者合意の上でのキス」というステップアップを果たしたわけだが、これも芽衣にとってどの程度の意味を持っているのかがわからずじまい。こんな関係性に陥りながらも眉一つ動かさず同じ布団で寝られる神経の図太さは大したものだ(まぁ、それを甘んじて受け入れる柚子も大概だが)。 そして、芽衣ダンジョンの面倒な要素その2、幼なじみとの関係性が謎。てっきり姫子さんの態度から「友達以上に進めないやきもき感」が彼女をイラつかせているのかと思いきや、なんとなんと、この幼なじみ、超えちゃならない一線の概念が超次元。密室に二人きり、アグレッシブな攻めを見せた姫子だったが、その際に漏らしたセリフが「相変わらず耳が弱いのね」である。芽衣さぁん?! あんた、そっちにも手ェ出してたの?!(もしくは出されてたの?!) 普段あれだけ忠犬みたいな距離感だった姫子さんが、実は既に既成事実があったとは……子供の頃のいたずらとかだったんでしょうかね。そっちの方がむしろヤバい要素が増えてますけどね。なんとまぁ、こんなところでもお手つきの芽衣さん……加えて、柚子という明らかな外敵を認識した姫子さんが改めてマーキングに及んだため、ここで「一線を超えた」という事実が新規で登録された。当然そのことが気になっちゃう柚子さん。さらに「気にしている柚子」がなんとなく気になる芽衣さん。柚子の方は明らかに「嫉妬」という言葉を使っていたわけだが、芽衣さんの方の感情は果たして……。 もう、これわかんねぇな。助けてはるみん。もう、あなたが全員食い物にしてハーレムを作るのが一番丸い解決法な気がしてきた(CVのせいか、必要以上にはるみんに対する信頼感がある)。 今回は3ヶ月ぶりくらいだからそこまで期間は空いてないんじゃないかな。だいたい1クールに1回ペースでも3年でクリアできるゲームのはずなのだが……。まぁ、とりあえず少しでも進めていこうじゃないか。今回も前回と全く同じプレイヤーで行なっている(ここ2ヶ月分はこの4人だ)。もちろん、前回プレイのことはさっぱり覚えてないので細かいルールなどはすべて手探り状態でのスタートだ。
<以下、一応ネタバレ要素が含まれるので未プレイの人は注意>
神性の描き方、第15話。宗谷無双回であるが、むしろ神っていうよりも妖精さんみたいに見えてくる……。ところで、今回石田彰しゃべった? 「そういうもんだ」だけか。 ある意味最後の目標みたいなもの、宗谷VS零の宿願の対決。普通、なんらかの「試合」が作中で描かれるのだから「勝敗やいかに?」っていう部分が気になるはずなのだが、今回の試合は誰一人として零が勝つとは思っていない。それは周りで見ている観客もそうだし、我々視聴者だってそうだ。そしておそらく、零本人も勝てる見込みがあるとは思っていないだろう。ただ、なんとか「勝てる気持ちで」挑まないとなんの意味もないと自らを奮い立たせ、記念対局から1つでも成長の糧を見出そうと前のめりになっていた。結果的には事前に予想したように「あっという間に倒されて」しまったわけだが、盤上での対話は何よりも雄弁に名人の意思を語る。勝ち目こそなかったが零だって宗谷と同じ中学生プロであったのだ。彼の盤上の意思を汲み取り、感想戦では何よりも雄弁に対話することができた。 こうしてみると、対局の様子はほとんど熱を持たずに描かれていたのがかえって印象的。かつての島田さんとの対局では血が流れそうな痛々しさを伴ったものだったのに、今回は本当に初対面の2人が互いにポツリポツリと自己紹介していくような、そんな対局シーン。これであっさりと幕を引き、零の記念すべき一戦は終わるのかと思われたが……ここからが真骨頂である。対局にも表れていた「静けさ」は、宗谷という圧倒的な世界が漏れるほんの一端。前回の試合前インタビューの時点ですでにそのむちゃくちゃぶりは表れていたが、新幹線でたまたま再開した2人の交流が、さらに宗谷の超常性を掘り下げることになる。本当に一言たりとも話さない宗谷。将棋以外のことではただのポンコツなのかと思われたが、無言で指し続けるその手筋はどうやら日常世界でも確かなものらしく、気づけば盤外でも零との「対話」が成立している。ホテルの位置を指し示す時の所作が駒を打つ時と同じなのは笑ってしまったが、その後もただひたすら「自分の世界の正しさ」を貫き続ける宗谷は、異次元世界の住人、まさしく「神の座」にあるものの存在感である。台風による混乱で騒然とする世界から隔絶され、すべての音を消し去るその様子は、なんだか一人だけぼんやりと浮き上がるようにも見え、それにつられて零までもが彼岸へと連れ去らそうだ。おそらく、この人に将棋で勝つことなど、人間には不可能なのではなかろうか。 今更気がついたのだけど、今回も含めて第2シリーズになってからはコンテワークに佐伯昭志氏が多く参加しているのね。シャフト流にうまく溶け込みながら、ストップモーションよりも流れで見せる絵作りが印象的だ。こうして色々なクリエイターがそれぞれのスタイルで羽海野デザインを描いてくれているのはそれだけで楽しいなぁ。 もう、本当にこういうアホみたいなの大好き、第17話。つまり、今作は毎回もれなくアホみたいだから大体好き。前後関係とか完全無視してバカができる作品っていいよね。 ぶっちゃけ、今回の内容って各々の作曲家いじりについては過去に何度もやって来ていることの繰り返しでしかないのだが、こういう天丼芸もすっかり味わい。なんだか吉本新喜劇みたいな安心感がありますね。特に今回ひどかったのはバダきゅんの「一発屋」いじりだろうか。普段ならせいぜいチャイコにだけいじられているネタだったはずなのに、今回はベトモツ揃っての袋叩き。なんかもう、本当にかわいそうで可愛い。 さらにギリギリまで盛り上げてラスボスに立ちはだかるのがチョッちゃんなあたり、リッちゃんのムジークだったことを考えればなんとなくわかるのだがやっぱりおかしい。普段あんな様子のショパンだが、こうして気が狂った立ち位置になるとCV鳥海の重みが聞いて単発で充分な破壊力を持つのである。まぁ、今作は本当にキャスト陣が楽しそうにやっているので、何を聞いても面白いのだが。リストさんが自由すぎるのって、こうしてみると実はクラシカロイド勢の中でも一番タチが悪いんだよな……。 義手の限界ってどこにあるんだろう、第3話。まぁ、我々はテリーマンのおかげで義足の限界は底なしだということくらいは知っているが……。 本当にジリジリと進んでいる作品なので、どうにも3話目までで「面白いッ!」っていう感想が出てきにくい。相変わらず画面は凄まじいのだろうが、同じ京アニでも「ユーフォ」みたいに演奏シーンがどうとか、高坂さんの魂がどうとかいう展開もないので、あんまり作画クオリティが印象に結びつかないんだ。今回のお話で一番見るべき部分ってどこだったんだろう。兄貴がぶん殴られてるところかな。 何だかぬるっとした印象が続いているこの作品。どうにも抜けきらない理由は色々と考えられるのだが、1つに、ヴァイオレットという主人公そのものが、どこまで触れていいキャラクターなのかがよくわからない、という距離の置き方に問題がある気がする。現代風の言葉を誤解を恐れずに使ってしまえば、ヴァイオレットって結局「超ド級のアスペ」なんだよ。アスペルガーの特徴の1つに「言外の意味が読み取れない」とか、「極端な視野の狭さ」がある。揶揄としての「アスペ」じゃなくて、割と本気のアスペ。ただし、本来のアスペルガーは持って生まれた天性のものであるが、ヴァイオレットは天性のものなのか、後天的な性質なのかが定かでない。 本作の話をするときには何度か「フルメタル・パニック」の宗介を引き合いに出しているが、いわゆる「軍人ネタ」というのは、基本的に「空気を読まない」というか、「日常的な常識と戦場の常識のずれ」みたいなものがネタになることが多いので、「空気を読めない」のではなく、「空気を取り違えて学習している」という方が可能性として高い。今後の物語も、普通に考えればそうした「特殊すぎる空気しか学んでこなかったヴァイオレットに、人の感情を1つずつ教えていく」という物語になるはずだ。例えるならウォーズマンに友情パワーを教える過程みたいなもんである。今回だって、不自由な兄妹の関係性からヴァイオレットは何かを学びとることができたわけで、彼女は決してアスペではないのだ。 しかし、そんなヴァイオレットの設定にもいくらか疑問というか、違和感が残っている。彼女の最大の特徴は、まるで感情など不必要なものであるかのように全てを切り捨ててしまっているにもかかわらず、少佐への「慕情」だけは(自己認識が困難な状態で)はっきりと息づいており、感情のうちの1つだけがやたらに暴走している部分だ。それこそが彼女の「大好きを知りたい」のモチベーションになっているのだから大切なものには違いないが、何故彼女がそんないびつな状態になってしまったのかが分かっていない。「少佐」がもし、戦場において彼女に愛情を注ぎ、大切にしていたのなら、彼女が現在のように感情を失ったマシンになっているのはおかしい。ヴァイオレットが慕情を抱くに足るだけの「愛に満ちた関係」が少佐との間には存在していたはずであり、実際、彼女の回想における少佐の人物像は、割と血肉の通った「いい人」っぽい描かれ方になっている。それなら何故、そんな人物の下で活動していたヴァイオレットはマシンになってしまったのだろう。欠落した感情をどこに落として来たのかがわからない。 「慕情だけの化け物」であるヴァイオレットは、周りの人間と交流して少しずつ人の感情を学んでいくことになるだろうが、そのためには彼女に影響を 与えられるだけの大切な人たちが必要になってくる。それこそ今回登場したルクリアなんかはわかりやすい例で、損得無しで奇人変人のヴァイオレットに付き合い、親身になって彼女の問題解決に尽力してくれた。そこまでしてもらって初めて、ヴァイオレットは「ルクリアのための手紙」を必死に書き上げることができたのだ。ただ、今回のエピソードだけでは彼女がそうまでして「必死になった」理由がちょっと弱かった気がする。おそらく「学校生活」がかなり圧縮された状態になってしまったせいでルクリアとの関係性の掘り下げが足りず、何だか急な展開に見えてしまったのだろう。そして、この問題は今後のストーリー展開にも影響を与える可能性がある。どうしたって「ヴァイオレットが自分の培って来た生き方を曲げてまで感情を表出させる人間関係」なんてものは簡単に構築できるはずがないからだ。彼女の中の「少佐」があまりにも強すぎて、彼女は少佐のためにドールになりたいのに、少佐のせいでドールになりきれないという、なんとも矛盾した状態になってしまっているのだ。 もちろん、これをスッキリ解決してくれるシナリオラインが何かしら用意されているのがベストなのだが……どうだろう。 うるかにしてください、第4話。初見では何言ってたかさっぱりわからなくて、しばらく考えてからようやく分かった。いや、あのイントネーションでは言わんやろ。 今期2本目のゆるキャンアニメである。いや、一応ゆるくないはずなんだけど、まだあんまりキツいイメージもないからね。寒空の下でテントを張るのが流行るという謎のシーズンを迎えております。しかし、富士山の麓でなんとなくテントを張るチームとは異なり、こちらの面々はガチで南極に行こうとしているわけで、気合の入り方もだいぶ違う……かな? 結月を迎えて4人体制で改めてスタートする南極への道。しかし、最初に立ちはだかった壁は意外にもキマリのママンであった。まぁ、そりゃ声が本田貴子のお母ちゃんは強いわ。なんともスペクタクルな玉木家は、お母さんに頼み事するだけでも一大イベント。そこからは殺人兵器を使いこなす母親との対決を、お父さんはサポートできません。でも、確かに子供の頃に親に何かお願いを切り出すタイミングって、ああいう風に「この一瞬をつくんだ!」みたいな謎のクエスト感がありましたよね。結局ズルズルと引き延ばして怒られたりするのもあるあるネタだ。キマリの場合、そこに移行するまでの過程がずいぶん短かった気はするけども。ママンも娘さんが考えてくることくらいは何となくわかるんやろな。しかし、生まれてこのかたろくに生きる目的も見出せなかった娘さんが突然南極旅行を提案してくるのを見て、一体どんな風に考えたんだろう。ある意味「宇宙旅行に行きたい」って言ってるのと大差ない事件なわけで、あんなに冷静に「赤点とったら駄目やで」なんて条件出せるのはスゲェよな。 キマリ宅の問題はひとまず置いとくとして、やはり問題の中心は報瀬さんであろうか。いよいよチームに合流して訓練がスタートするわけだが、彼女だけは関係者に知った顔がたくさんいるわけで、過去の記憶との帳尻合わせが大変。能登麻美子ボイスの隊長さんについても、母親との因縁浅からぬ複雑な思いを持っている様子だ。こうして見ると、やっぱり4人の中では報瀬だけが唯一シリアスな理由で南極を目指してるんだよな。今週はずっとしかめ面のままだった。 こうして彼女の信念が浮き彫りになってくると相対的に「残り3人は遊び感覚じゃないの?」という非難が出やすくなってしまい、実際、そういう違いは少なからずあるはずなのだが、今のところ、4人まとまってちゃんと「シリアスに」南極に行こうとしてくれている。隊長さんに「あなたは報瀬に誘われたのか?」と聞かれた時、キマリは「でも、決めたのは私」という一番大事な一言を口にした。まだまだ辛さも難しさもわからない南極旅行だが、キマリのモチベーションは問題ないようだ。後の2人がどうなるかはまだわからないけども。 それにしても、何故キマリが「コンパサー」なんて謎の属性を得るに至ったのだろうか……。今後も色々と難しい訓練が出てきて、その都度3人で「得意分野」を分けてプロフェッショナルを育てていくことになるんだろうか。こうして見ていると、確かに南極も宇宙も大して変わらん危険度なんだ、っていうのは伝わってくるなぁ。 時間停止AVは不思議なニーズがあるよね、第3話。俺、あれ見たときは完全に女優の方の「私何してんだろ……」みたいな方向性にばっかり感情移入して全然駄目だった。いや、我慢のレベルとかに個人差があるのが結構面白いんだけどさ。ガチで表情一つ動かさないようにしてる子もいれば、なんか雑で割と笑っちゃってるような奴もいる(結構しっかり見てますやん)。 さておきそんな時間停止アニメの3話目。本作は本当に色々な部分が刺激的で、展開は割とやんわり進んでいる気がするのだが、1つ1つのシーンでどんな手がかりが拾えるかわからないので気が抜けない。「止界」という現象について、味方サイドも爺さんだけが何となくその中身を知っているだけだし、情報量でリードしていると思われた敵サイドも実はまだ色々と謎を残しており、リアルタイムで実地検証して1つずつ「理屈」を作っていく過程が興味深い。どうやら敵サイドは「止める力」があるわけではなく、「止界で動く力を付与する力」だけを持っているようだね。おかげで、実際に止界に入ったことはなかったからあらゆる事象が行き当たりばったりになっていると。こうして主人公の樹里を筆頭に、残りの面々の経験も全て視聴者と同様の「初めて」視点なので見やすい。 1話目を見た時点では「単にタイムストップものっていうだけでどれだけ回せるもんだろうか」と訝しんでいたのだが、いざ始まってみれば、なんと一度止界に入ってからは一度たりとも解除しないという、完全ストップワールドものになっている。普通「時間停止」と言えば「動く世界」と対比して初めて意味があるもので、動かしたり止めたりを繰り返すものだが、本作はそうした既存の「時間停止」の概念からは一歩飛び出し、「完全に止まった世界だけで話が進む」という部分が新しい。色々と例外はありそうだが、基本的には「動→静」の一方通行なので放っておくと事物は全て停止してしまうため、銃火器の使用は意味がないし、殺すにしても色々と制限があるというのも面白いところ。本当はこんな不可思議なストップワールドがあると「これって空気の流れも止まってたら音とか聞こえないし、そもそも呼吸できないし、身動きできるかどうかもわからないし……」みたいなマジのサイエンスな部分が気になったりもするのだが、今作の場合、1話で爺さんが言った「知らん、そんなもん」というのが全ての答えであり、「何が止まったのか」というところも全て実体験から情報を入れていくしかない。こうして探索していく過程が、アニメの進行の中で興味を引っ張る部分だろう。 また、「止界」という独特の存在が、アニメーションという媒体に入ってくることで改めてアニメという表現技法の特殊性を浮き彫りにするのも興味深いところ。そう、アニメってのは、わざわざ人が動かさなければ何も動かない、いわばナチュラルに「止まった世界」なのだ。普通はそんな「止め絵」から「いかに動かすか」に腐心するのがアニメーション制作なのだが、本作の場合、そうして普通に「動かす」前提と一緒に、「動いていないもの」を描写して止まる世界のオリジナリティを出す必要がある。手っ取り早い描き方は「止まって動けない人」や、「不自然に固まったオブジェクト」を画面に混ぜ込むことだが、それだけではマンネリになってしまうし、構図に工夫も求められる。「いかにして動くかで苦心してたのに、いかにして止めるかを考えるなんて皮肉なもんだぜ」ってのはDIO戦で承太郎が言ってた台詞だが、今作はまさにそのあたりの描写が見どころである。 わかりやすい例だと梅津泰臣の手によるエンディング映像なんかに現れていて、水が飛んだり、湯気が出たりしている映像も、我々は「絵が止まっている」ことになんら違和感を抱かない。現実と違って、それらは止まっているからだ。しかし、そこに一つだけ「動くもの」を混ぜ込むことによって、「止まっていることの異質さ」が引き立つのだ。今後の映像世界では、そうした「際立ち」の表現について注目して見ると面白いかもしれません。まぁ、通常の背景も何もかもが完全に静止画でいいってのはぶっちゃけ楽そうではあるんだけどね。 |
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Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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