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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「多田くんは恋をしない」 4

 なんだか西木野真姫さんが国籍変えて働いてたんですが。イミワカンナイ。

 冒頭、図体のでかいCV中村キャラがカメラ持ってウロついてたんで「野崎やんけ」って思って観てたら、本当に「野崎くん」スタッフの作品でびっくりした(なぜか副監督名義で藤原佳幸がクレジットされている)。しかも「なんか雰囲気似てるけどこういう原作ってどこにでもあるもんなんやな」って思ったらアニメオリジナルらしいし。事前情報を一切得ないスタイルなので、こういう時に割とびっくりする。

 でもまぁ、似てたのは出だしだけで(出だしも似てねぇ)、中身はどうやら異文化コミュニケーションアニメらしい。若宮イヴさんみたいなお嬢さん(多分お姫様とかその辺)が日本にわざわざやってきて、なんとなくトンチンカンなことをする部分で笑いも取りつつ、素直なラブ要素で構築されるアニメになるんだろう。脇にやかましい宮野キャラも添えて、非常にわかりやすい「アニメ的な」セッティングは1話目でブレようもない。ただ、正直いうとそのぶん掴みは弱い。すでに何千回何万回と繰り返されてきた導入部分であり、1話目で引き込まれる要素は一切無いので印象はぼんやりしている。取り立てて悪い部分があるわけでもなかろうが、映像に関してもそこまで気になるようなものでもなく、「野崎くん」に比べると色調を抑えた映像が、余計につかみどころのない印象を与えている。よく言えば今時のアニメにしちゃぁ素直な、奇策を狙っていない1話目とも言えるが……ここからどれくらい伸び代があるものだろうか。

 まぁ、1話目で作品の価値なんてわかるわけないしな(新番チェックの存在意義全否定)。しかし、野崎はそのまま続投なのに千代ちゃんが猫になってしまっているのは如何なものか……せめて妹役に入れておけばよかったのに。

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「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 5→5

 やぁみんな! 京アニ大好きおじさんだよ! その正体はP.A.WORKS大好きおじさんでもあり、シャフト大好きおじさんでもあるよ。知ってるなぁ諸君。

 大好きおじさんは、大好きだから配点も悩むよ。今作もいつも通りの京アニ評点だ。つまり「作画だけならよその作品をぶち抜いて文句無しだけど、京アニだとそれが普通になっちゃってるから差っ引いて考えるよ」っていう。理不尽極まりないけどな。もう京アニの場合は「どう描くか」と「何を描くか」の総合点で評価しないと話にならんのだ。最終話の気が狂ってるとしか思えない水滴の描写とか見ました? 「Free!」以降、京アニには「水の表現だけは絶対譲れない」みたいな謎のこだわりがあるよな。まぁ、ユーフォ以降は「楽器なんかの金属部分の表現だけは絶対譲れない」みたいにして、どんどん譲れない要素が増え続けてるんだけど。

 とにかく、そんな美麗で壮麗な映像美で彩られた見事な作品。しかし、「何を描くか」の部分を振り返ってみれば、残念ながら存外普通である。面白くないこともないのだが……普通のイイハナシだったからなぁ。評価が難しいってのはそういうことだ。多分、純粋にシナリオ部分だけで勝負をしたら色々と辛い部分の方が目立つと思う。最初に気になった「幾ら何でもアスペすぎるヴァイオレット」と、そのヴァイオレットが一足飛びで出世してミラクル自動人形になっちゃうくだりが流石に性急だったし、最終的に「戦争の影」が再び迫り来ることは予定調和であるものの、どうにもそれ以前の「素直にいい話」との熱量がちぐはぐになってしまっていて、なんだか焦点がぼやけた印象になってしまった。

 確かにヴァイオレットというキャラクターを描くためには「戦争被害者」としての「機械のような少女」を作る必要があり、そのためにはキリングマシーンを作り上げるのが手っ取り早かったのはわかるのだが、彼女が「大好きを知る」という目的のために、もう一回戦場に戻す必要って実は無いんだよね。最終話近くの「戦禍は未だ残り続けているのだ」みたいな部分って、別にヴァイオレットの罪を問うものではないのだから、無理やり荒事に引き摺り込まずとも似たような話は作れたはずなのだ。でもまぁ、そこでやっぱり「可憐な少女兵士」というヴァイオレットのギャップを活かさないと勿体無い、ってんで、突然の落下傘部隊とか、義手を全てぶっ飛ばしての列車ミッションとか、そういう映像的に派手な要素を盛り込んでしまったのだろう。やりたいという欲求はすごくわかるし、見栄えがするのは間違いないのだが、そこをグッとこらえて本当に「生まれ変わった手紙屋さんのヴァイオレット」像だけに絞って物語を作っていれば、またお話は違ったものになっていたのではなかろうか。殺すの殺さないのという問題は、ヴァイオレットの人生とは切り離して考えるべきだった。

 まぁ、原作ありのお話なのでアニメ自体にケチをつけても始まらないのだろうが……京アニって割と原作いじるらしいし、本当はどういう作品だったんでしょうかね。やっぱり落下傘部隊はやったのかなぁ。あれって「戦場に再び舞い戻るヴァイオレット」っていう悲壮さよりも、ギャグとしての色合いが濃くなっちゃったシーンなんだよな……。悲劇を効果的に描くのって、やっぱり難しい。まぁ、とにかく景色が綺麗で、女性がきれいで、その涙も綺麗ならば文句はない。それくらいの作品でございました。続編が決まったらしいが……まぁ、京アニなら劇場版やろな。わしゃ早く「リズと青い鳥」が観たいだけなんや。

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「オーバーロードⅡ」 5→5

 分割かよ。ほんなら今の時点で評点する意味もあまりない気がするのだが……一応節目ということで。

 正直、1期の時ほどワクワクする要素はなくなってしまった。2期になってから変わった点はいくつかあって、事前に微妙だと言われていたトカゲ編がやっぱりそこまで盛り上がらないとか、なんでアルベドさんの出番がないんだとか、その後の王都編は何が起こってるのかわかりにくかったとか、やっぱりアルベドさんを出せばいいんじゃないかとか、結局モモンガ様のお悩みは解決したのかとか、それにつけてもアルベドさんが暇だったとか、色々と釈然としないものがある。

 いや、冗談でなしに、結局この作品の一番の売りって、小心者で一般人だったモモンガさんのなんちゃって最強魔王っぷりを楽しむ、一種のギャップ萌えみたいなところがあって、それをやんややんやと盛り上げてくれるお友達の皆さんのリアクション芸でフォローしていくわけですよ。もちろん、そのためには伏線が必要だから、精一杯驚くためにトカゲ文化を醸成したり、必死に爪を切ることに躍起になる剣士様が成長したりする要素が必要なのは分かるのだが、それにしたってモモンガ様の活躍があっさりしすぎである。「オレツエーなら振り切れるくらいにオレツエー」という見せ方が楽しみなんだから、有象無象の人間どもの普通の寸劇なんてそこまで見たくないんだよな。まぁ、ヤンデレ姫がどこまでいくのかってのは今後の興味対象ではあるんだけども。モモンガ様のオレツエーのためにセバスのオレツエーを見なきゃいけないとか、そういうもっさり感がちょっとマイナス要素になったのかな。

 でもまぁ、新しいキャラがザクザク出てきて今後の壮大な物語の下準備になっていると思えば我慢できるレベルではある。何はともあれイビルアイちゃんは可愛かったので、それはそれで良しとしようじゃないか。まぁ、完全に途中からなでしこになってたけども。みんなでナザリックにキャンプ行こうぜ!

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○「キャプテン翼」 4

 リメイクリメイク&リメイク。封神演義、鬼太郎に続き、まだまだ過去の作品はアニメ化され続けるのである。業界の疲弊を表すかのようなこの流れ、一体なんなんだろうな。今の時代に誰に求められてのアニメ化なんだろう。

 そして、私は自分でも驚くくらいにこの作品に興味がわかない。実は「キャプ翼」も基本的に未履修である。こういう作品ってどんだけ有名でも、接する機会がなければ直撃世代以外はそこまで興味を持たないよね。俺サッカー好きじゃないしね。もちろん、さすがにこれだけのコンテンツだと折に触れて目にすることも多いので原作にしてもアニメにしても、全く見てないって訳でもないのだろうが、興味がないので断片だけを摂取してもすぐに記憶からはデリートされる。その程度のもんである。そして、そんな作品が改めてアニメ化。まぁ、「来たアニメを全て受け止める」視聴体制をとっている今だからこそ、改めて触れる機会を与えられたと思って感謝しながら観ようではないですか。なお、同じスタンスを取ろうとした「封神演義」はすでに挫折している模様。

 しかし……これはまぁ、確かにレジェンドにもなるわ。当時のジャンプ漫画だということを踏まえても破天荒。これは人気が出る……か打ち切られるかのどっちかだよな。いや、確かに面白そうではある。イナズマイレブンなんかよりもはるか昔に、超次元サッカーは実現していたのであるな。そして、この主人公は確実にサイコパスだよな。全ての要素をサッカーに還元させるって、どう考えてもキチ○イの所業だろう。おふくろさん(CV佐藤利奈)も温かく見守ってないで止めてあげてよ。息子さん、確実におかしいやつだよ。

 こうして圧倒的なギャグ(?)を炸裂させて舞い降りた期待作といえば期待作。ただ、アニメとしての品質にはかけらも興味がわかない。古臭いデザインにしているのは原作への配慮だと思うし、シュッとしちゃうことを嫌がる視聴者もいるだろうから間違ってないとは思うのだが、それでもやっぱりそこかしこがなんか不安定で怖い。最初に登場した赤ん坊の翼のフォルムが怖すぎて「ヒッ」ってなったわ。サッカーアニメなんだからここからグリグリ動かして試合シーンで見せなきゃいけないだろうに、あんまり緊迫感の無いデザインなのでギャグ要素にしか特化できない気がする。いや、ギャグであってんのかな。……まぁ、まだ様子見の段階だが……。ただ、個人的にはこういうリメイクをやるならもう諦めて完全に原作に寄せろよ、って思う。これだけ翼が問題行動を起こしても「昭和のおおらかな時代」なら笑ってごまかせる、もしくはテロップに「時代背景を鑑みて当時のままで放送しております」みたいな言い訳ができるのだが、作中人物がみんなしてスマホ使ってる時代に翼が紛れ込むと流石に頭おかしすぎる気がしてしょうがない。なんで現代設定にしたんだよ。どこかでシナリオ破綻しないことを祈るばかりだが。

 そして、そんな新生翼を演じるのが三瓶由布子で、最初の友達石崎くんが田村睦心っていうのがお約束といえばお約束。完全に同系統のこの二人、絶対共演なんて無理だと思ってたけど、最近はちょいちょい色んなところで名前が並んでるのを見かけますね。とりあえずガキンチョがいるならこの二人で鉄板だもんなぁ。あとは随時小林由美子と皆川純子を追加していく方向で。

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○「ガンダムビルドダイバーズ」 5

 カプールが大活躍する予感が?! あんな色物設計のくせに、ガンダムシリーズでは割と扱いがいい謎の機体だよな。

 さて、ビルドシリーズの新作である。「おっ、久しぶりやな」って思ったら随分世界観が違ってびっくりした。どうやら「ビルドファイターズ」シリーズとは接点は無いっぽいね。ってことはラルさんもいないし世界にプラフスキー粒子は溢れてないのか。残念。やってることは大体一緒なのだろうが、ガンプラバトルが何故かネトゲ対応になっており、どっちかっていうとガンプラアニメっていうよりもネトゲアニメっぽい。そもそも、全部ネトゲのデータで処理してる世界なんだったら別にガンプラいらない気もする。まぁ、その辺の販促成分は気にしたら負けなんだろうけども。

 そんな新世界のガンプラバトルの導入はいたって普通。やっぱりいろんなマシンが節操なく暴れまわるこの世界は楽しいには違いないのだが、まだそんなにバラエティを押し出すような段階でもないし、新しいキャラなので思い入れもない。今後のアツい展開に期待するしかない。旧作は1期が好きだったけど、2期は絶妙にもやっとしたものがあったからなぁ。監督及びスタッフの多くは「ビルドファイターズトライ」からの引き継ぎだけど、今作はどんな展開になるでしょうね。冒頭で真っ先に映ったガンプラがバウンドドッグだったのでその活躍に期待したいんだけど、出番あるかなぁ。

 中の人については安定感のある面子が揃っているので特にコメントもないが、胸トラップしても全く問題ない系サッカーヒロイン(まぁ14歳だからね)を担当する人の名前だけ初めて見た。可愛いけどフミナパイセンを超えられるかどうか。今のところ、どっちかっていうとショップのナナミおねいさんの方が好みです。あとは旧作のシアさんにも似た白髪美人だが、中の人はぱるにゃすだそうです。あんまセリフなさそうだけど大丈夫かな。

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「3月のライオン(第2シリーズ)」 6→8

 毎週感想書いてたから特に追記することもない系作品その4。ただ、今作を評するに際して、見るべき視点は多いに越したことはないと思う。

 毎度毎度私が気にしているのは、「シャフトはどこへ向かうのか」というトピックである。新房昭之による独特の演出方向に特化することで替えの効かない特異なスタジオとして頭角を現したシャフト。良く言えば唯一無二でオンリーワンなのだが、悪く言えばマンネリで頭打ちとも言える。目新しさが誘致要因になれば良いのだが、作品数が重なるにつれていわゆる「シャフト演出」的なテンプレートに依拠する傾向も現れ、そこに演出の工夫としての特異性が失われるという懸念は常につきまとう。元々が抽象度の高い方向性での攻めの作品作りなので、これをどのように進化させていくのか、という舵取りは非常にデリケートな問題。例えば「まどマギ」の場合、シリーズディレクターを務めた宮本氏の特異な方向性である実写や異物の取り込みに特化し、イヌカレー空間という新しい世界を切り拓いたりもした(現在はこれが「Fate/EXTRA」に流用されている)。しかし、最近では攻めの演出を見せた「打ち上げ花火」が今ひとつ焦点を絞りきれていなかった印象があり、攻めるにしても娯楽としての作品性を失うわけにはいかないという葛藤が現れていたように思う。

 そんなシャフトにとって、また新たな切り口になるであろう作品が、この「3月のライオン」だった。4クールにも渡る長期シリーズのディレクターを務めたのは岡田堅二郎氏。この人はいわゆる「シャフト的な」抽象化にはそこまでこだわらない人で、今作も序盤の見せ方にいくらか平易な作品らしい部分を盛り込み、導入のハードルを大きく下げる役割を果たしている。しかし、そのまま安穏と作品作りを続けるだけではなく、要所で「らしい」演出方向での見せ方も取り入れ、シリーズ全体での「溜める」「吐き出す」というリズムを生み出すことに成功した。もちろん個々の話数を担当した演出家の人たちの傾向も大きいのだろうが、こうして通底したリズムや方向性を生み出すことができたのは、おそらくディレクターを務めた岡田氏が、今作をどのように形作るべきかをきちんと見定めていたことに依るのだろう。

 心情描写に詩的要素を大きく含む羽海野チカ作品と演出の方向性が噛み合ったことも大きいが、単に原作漫画をトレスするだけに止まらず、アニメだからこそ生み出すことができるより複雑で壮大な幻想性が加味されたことは大きな収穫である。一見すると全くアニメ向きではない将棋というテーマもそうだし、将棋を離れて様々なドラマを含んだ青春群像劇としての心の動きも、全て「アニメとして」の表現を心がけている。「シャフトだから抽象的な対象を描くことができるよ」というだけでなく、既存のシャフト演出ではどこか物足りなく、何が枷となっていたのかを読み解き、さらなる「見え」の世界を構築したことは、また一つシャフトが新たな次元へと到達したことの表れなのではなかろうか。新房監督が今作にどの程度関与しているのかは分からないが、もし監督が最終的にこの方向性でゴーサインを出したのだとしたら、まだまだシャフトの可能性は広がっていきそうである。

 あとはまぁ、中の人の話とか……はもういいかな。画面における情報の抽象化が進んだシャフト作品の場合、キャスト陣の演技によって定まる部分が大きくなる。それらを見事に受け止め、先鋭化させてくれたキャスト陣の頑張りは本作を語る上では無視できないものだろう。2期で忘れられないのはやっぱり柳原さんの壮絶人生をわずか2話で全て抱え込み、ぶちまけた芳忠さんのスゴみですかね。こういう作品でこそ、役者陣の仕事ってのは見えてくるもんですね。

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○「魔法少女 俺」 5

 そっちかーい! 「どうせいつものよくあるやつやん、『俺ツイ』と同じだろ」って思って見てたのに、そっちかーい。いや、だからなんだって話ではあるが。

 ネタ作品としての出だしは悪くないんじゃなかろうか。正直「監督・川崎逸朗」は個人的にあんまり期待しちゃダメなサインなのだが、今作はギャグ顔になるテンポなんかは割とメリハリが効いてたし、メタ度合いの高いネタ回しなんかも苦笑させられる。流石にこうした設定を「新しい」とは言えなくなってしまっているのは残念だが、それでも馬鹿馬鹿しい方向で全力を出そうという姿勢は見て取れるので好感が持てる。映像部分は作中で既に省エネゆーてるんだからあんまり気にする部分もなかろうが、実はメインヒロインの女の子は割と可愛いんじゃないか疑惑もあり、その辺のフォローもしっかりやってくれれば加点要素になるかもしれない。筋肉に頑張って労力を割くほうが正しいのだろうが……別に見たくないし……。

 ヒロイン絡みで個人的に見逃せないのは、ヘごちんのストレートなギャグ作品が案外久しぶりってことである。オープニングがへごの時点でちょっとテンションが上がるし、さらにこういうやりたい放題な世界でぐるぐる振り回されてるへごを見るだけでもかなり楽しい。「さばげぶっ!」の時の記憶がフラッシュバックする。今作のヒロインは「わざと歌を下手に歌うへご」とか、「普段以上に唾液がジュルジュルしてるへご」とか色んなところで楽しめるのでそっち方面のニーズが埋められるのはありがたい。他にも、久川綾が「魔法少女だったのよ」って言ってるのに「いや、セーラー戦士やろ」って突っ込んでみたり、色々と楽しむ部分はありそうなので、適度なネタ作品として楽しませてもらおうかと思います。

 あ、あとゆーきちの人外ヒストリーに新たな1ページ追加で。

 

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○「ウマ娘 プリティダービー」 6

 ヤァみんな! P.A.Works大好きおじさんだよ! 2クールぶりの登場だけど、元気だったよ!

 それにしても自由な世界である。まぁ、擬人化文化も極まっているので競走馬なんてまだ哺乳類なだけマシだし、もともと競走馬ってのはそれ自体にファンがつくアイドル的な要素のあるものなのだから、そこから萌えに転じる発想は、むしろ普通とすら言えるものだったのかもしれない。そう考えると今作はアニメーション作品になるのは遅すぎるくらいのもんだが……多分、アニメファン層と競馬ファン層ってのがほとんどかぶることがないだろう、っていうので企画としては進めづらかったんだろうね。それがようやく、こうして形になったわけだ。私みたいに競馬に欠片も興味がない人間は、無事に形を成した完成形のみを見せてもらうことになるわけだが、なかなかどうして、しっくり来るデザインじゃないですか。

 単純に考えて今作で武器にできる長所は、やはり「競走馬自体がアイドル的要素を多分に含んでいる」というところだろう。そりゃま、顔を見たからってそこに美人(美馬)かどうかなんて要素は見出しにくいかもしれないが、例えばレースでの活躍であるとか、スタイルであるとか、生い立ちであるとか、掘り下げられるバックグラウンドが豊富なので、キャラクターとしては作りやすい。知らない人には新しい物語として受け入れてもらえば良いし、知ってる人には元ネタが伝わってニヤリとさせられる。知名度の低さは、むしろ戦国武将の擬人化なんかよりも新鮮味があるという部分で充分ペイできるだろう。1話目から大量のキャラが押し寄せて来るので、この手のアイドルアニメのお約束として「誰が誰だかさっぱり覚えられんわ!」という悩みはあるものの、そこに出てくる名前は私のような門外漢でもなんとなく聞いたことのある名前が多く、自然に抵抗を減らしてくれる効果がある。もちろん、監督含めてスタッフの人たちも「視聴者が一気に覚えられるわけがない」っていうのは承知の上なので、覚えずとも進行できるようにデザインされているし、1話あたり2〜3人ずつくらい把握していけばいいように作られているだろう。アイマスなんかのアニメだと既存のファンがたくさんいるので新規ファンとの折り合いのつけ方が難しく、最初のハードルで一見さんお断りの空気が出ていたりしたものだが、今作はプロジェクト自体がまだ若く、新規層の取り込みを中心に据えているので見やすいのはありがたい。

 転じてデメリットであるが、基本的に、実際の画面は地味である。何しろ競馬なのだ。競馬から「騎手が乗って馬が走る」要素を取り除いて女の子に置換してしまっては、単なる女の子の陸上競技である。そりゃま、陸上競技アニメだって成立しないわけではなかろうが、やっぱり単純なレースってのは画面が単調になりがちで、ドラマ作りも気を遣う必要がある。また、「全力疾走するレース」って、実はアニメーションで描くのが難しい題材の1つでもある。過去にも陸上部員を描いた学園アニメなんかはちょいちょいあったのだが、「短距離走の疾走感」をアニメーションにするのはかなりの技術を要する。フォーム、モーション、そして背景との兼ね合い。そうした部分でのデリケートな作劇は、さしものP.A.WORKSでも苦戦は必至。1話目では様々なギミックでもってこの「レースシーンの単調さ」を埋め合わせる苦労が見て取れたが、果たしてシリーズアニメとして続けていくことができるかどうかはまだ分からない。萌えと燃えのバランス調整が今後の展開の鍵を握るだろう。

 まぁ、なんだかんだ言いながら、初回は一気に2話見せてもらったこともあり、素直に萌えアニメとして受け入れやすいものだったと思う。とりあえずシンプルな主人公気質のスペシャルウィークが可愛いというのが第一だ。「ウマ娘ってなんやねん」という擬人化作品にお約束の疑問についても、ノリと勢いでごまかしているのでそんなに気にならない。まぁ、世間様が「なんか分からない亜人たちにレースさせて盛り上がっている図」って、実は結構グレーな匂いもするのだが……その辺は気にしないほうがいい思う。ウマ娘の夢は日本一の走りを見せることなのだ。多分、そういう倫理観が出来上がってる世界なんだ。興味深いのは、作中では「馬券を買って人々が盛り上がる」というシーンが一切ないところ。今のところ、彼女たちのレースは「競馬」というよりも「陸上競技大会」に近い。今後「賭け事にされている」という描写が出てこないのであれば、余計な荒み要素もなくて良い気がする。まぁ、競馬じゃないとしたら日本の法律ではギャンブルご法度ですからね(あの国が日本かどうかは分からんが)。

 色々と今後も気になる要素が多い本作だが、個人的に気になるのはやっぱり中の人のこと(平常運転)。ソシャゲ発の作品ということで、そりゃもうキャストは完全に女子校状態だ。トレーナー役の人はアフレコ現場で本当に肩身の狭い思いをしていることだろう。座長となるスペシャルウィーク役は、最近流れが来ている和氣あず未。彼女の場合、シンプルな元気系お馬鹿キャラを作ってもどこかに優しさというか、穏やかさが見えるのが良い。そのほかはもう、名前が多すぎてどこから触ったらいいのかもよく分からないが……意外だったのは、1話目で割と前面に押し出されていたハルウララ役の子が一番の新人だったこと。首藤志奈という名前だったのだが、面白いキャラだったので今後の活躍に注目。何しろハルウララって言えば、俺ですら知ってる異色の存在だからね……。

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