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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 はっ、花森〜〜〜!!!! 最終話! ちょっと待て、どう考えても今回のMVP花森だろ。いくら宇宙を救うからって、あいつ1人だけ失ったものが大きすぎるやろ。他のみんなが「元の生活に戻っていく」ってだけなのに、あいつだけ16年分のウラシマ状態って……いくら真道さんでも部下に押しつけていいことと悪いことがあるやろが。

 いやぁ、なるほど想像の斜め上。流石のザシュニナさんも慌てふためいてすげぇ三枚目っぽくなってたわ……。最終回で「ザシュニナが人に触れたことで生まれた感情を大切にする」っていうのはお約束の要素だったはずで、実際に真道との別れのシーンなんかではそれがしんみりさせる方向に働いていたはずなのだが、それだけで終わらせずにひっくり返すあたりが原作者の底意地の悪さである。「感情を手に入れちゃったけど、怒りとか、恐怖とか、そういうヤツも一緒に」って、本当に可哀相。

 超次元バトルアニメになってからというもの、一体どういう幕引きになってしまうものかとハラハラしていたのだが、最後はきちんと「SFっぽさ」を活かしたオチ(?)に辿り付いてくれてよかった。いや、どう考えても真道さんの思いつきは無茶過ぎると思うんだけど、それをやってのけるからこその「人類」だってんなら説得力はあるよな。実際、娘が生まれたところでそれがどうなるかなんて運否天賦なんだから、確信があって実行した作戦でもなかろうし。「えっ、ツカイさんってこれまで地球上で繁殖行為に及んでなかったの? そんだけ宇宙ファンなのに? じゃぁ、試しに子作りしてみる?」って、ものすげぇ発想だよな。実際に、37次元存在と4次元存在を掛け合わせたらより高次元な存在が生まれちゃったらしいです。何そのシンプル過ぎる足し算(かけ算かな)。まぁ、「やれることは全部やる」のが交渉人の心得ですので。ヤることには性交渉だって含まれてるわけですよ。すげぇオチだ。

 まぁ、こうしてネタだけ拾うとなんだか下世話な展開のようにも見えるが、この作戦だってきちんと真道さんがザシュニナについて理解していたおかげで実行出来た作戦ですからね。いつの間にか「ザシュニナさんをびっくりさせようゲーム」がスタートしており、前回作ったフレゴニクス発生装置云々あたりはあくまで「異方存在程度でも気付くような策」どまり。そこからひっくり返す最大の要因は、異方存在が認識しない「産む」という行為から着想を得たのだ。そう、ザシュニナさんも言っていた。人類という特異点は、接触することで異方にすらないものを「変成する」のだと。だったら、ザシュニナ対策の新しい展開を自作しちゃうのが手っ取り早いというわけで。理にかなって……るのかなぁ。ナノミスハインなどの異方装置だけではザシュニナの裏をかくことは出来ないわけで、そこに「人類」という不確定要素を混ぜ込むことは必然ではあるのだが……その結果花森が歳を取った。もう、ツカイさんは彼にだけもう一回ナノミスハイン使ってなんとか調整してあげて。

 クライマックスは真道の死亡後に訪れてしまったわけだが、その前の対話のシーンにおいても、2人がツーカーの関係になっていることがよく分かってニヤリとさせられる。真道を取られておこになっちゃったザシュニナさんを見てるとなんだかホモホモしい匂いもするのだが、真道さんだって可愛い女の子の異方存在の方がいいに決まってるんだからしょうがない。寝取られ(?)ザシュニナは更に相手カップルの娘にフルボッコにされるという恥辱の極みでこの世を去ったわけだが、ただひたすらに「正解」を求めたザシュニナに「途中」という言葉をたたき込んでぶっ殺したユキカさんはなかなか含蓄がある。「正解」とはつまりゴールである。全てが解析可能で、何もかもが分かっていると思ってしまった時点でザシュニナの負け。「正解」を求めるこのアニメが出した答えは「答えなんか出しちゃ駄目だよ」ということなのであった。真道がザシュニナに送ったものが「途中」を象徴する「本のしおり」だったというのもニヤリとさせられる伏線でしたね。

 人類は途中でもこのアニメはとりあえず幕。出来ればワムくらいは残ってる状態の人類も見てみたかったが、まぁ、おそらくこれから先は思春期真っ盛りのユキカさんが若すぎるお母さんと喧嘩して異方に家出する話とかもあるんじゃないですかね(願望)。あ、品輪博士はとっくに()

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○「潔癖男子!青山くん」 4

 坂本や半田君に続く何かだろうか。いや、坂本はちょっと違うか……。これって、サッカーアニメ(漫画)なの?

 「潔癖」っていうだけでネタになるのか? というのがとにかく不可解な一本。そういう意味では本当に「はんだくん」に通じるものがある気がするんだけど、「主人公のその性質、ギャグになる? どっちかっていうと見ていて痛々しくない?」っていう。最大の疑問は「そんな潔癖症ならサッカーやるなよ」であり、この疑問は結局最後まで解決されることがない。「潔癖なりに頑張ってるんやで」っていう文脈がなんだか闘病生活みたいになっており、主人公の最大の特性が「病気」扱いされてしまった時点で、ギャグとして成立させることが出来なくなっている気がするのだが……。

 全体的な映像は可もなく不可もなく。とりあえず1話目の段階ではサッカーのシーンがほとんどだったのだが、いわゆるスポ根アニメのようにサッカーのプレイの映像でダイナミックに見せようという意識はなさそうだ。タイトルの雰囲気からするとやっぱりギャグになると思うのだが、その部分が全く落ち着かないので、全体的に中途半端な印象は否めない。これ、このまま「潔癖」だけで引っ張って1クール保つんですかね? 「はんだくん」のときは半田の行いがどんどん周りを巻き込んで不必要にエスカレートしていく様子が一応シチュエーションコメディとして成立していたが、今作の場合、青山の性質は1話目で完全に伝わってしまっており、これ以上掘り下げる要素が無い気がするのだが。今のところ一番個性が強いのって相手高校のキャプテン(子安)だったと思うが、彼だってそんなにいじるところが多いわけでもなさそうだしなぁ。でも実際原作はそれなりに尺があるみたいなんだよなぁ。謎だ。

 こちらも同じ枠の「妖怪アパート」同様キャストが尋常じゃなく、そのあたりは「坂本ですが?」に通じるものがあるな。男性キャスト中心でクドいまでのキャスティングにすると自然に年齢層があがるのだが、それに合わせるかのようにサッカー部の顧問が根谷さんになってるのがちょっとしたほっこりポイント。ストーカー少女のキャストだけが若手かな。こんだけギットギトの現場でほぼ新人の子がどれだけ仕事が出来るか。1話目の様子だと割と可愛かったので、負けずに頑張ってほしい。

 

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○「アホガール/徒然チルドレン」 *

 きりがないので30分に満たないショートアニメの記事は書かないようにしてるんだけど、この2本がワンセットでまとまってるのは良いアイディアだな、と思ったのでせっかくだから記事立て。まぁ、評点はしないけども。

・アホガール

 思えば同作者の「マンアシ」もショートアニメだった。つくづくそういうジャンルの作者なんですかね。原作はわざわざ読んじゃいないけど最初の方は何となく見ていたので概要は知ってる。ぶっちゃけ、漫画だと毎週読みたいってほどのもんではない。まぁ、それは同誌の「生徒会役員共」にも言えるんだけど、何故かあっちは(マガジン手にとった時は)何となく読んじゃう、こっちは面倒だから飛ばす。そういう作品だった。でも、アニメになったら結構な飛距離が出ている。多分、よしこ役のおいちゃんがホームラン級なのが大きいんだとは思うけど、テンポもいいしサクサク観られるから、原作読んでる時の「毎回同じやな」っていう感覚が多少薄れるのかもしれない。あと「アホ」という特性に案外真剣に挑んでいる。オープニングのangelaがどうにもおかしくなっちゃってるくらいの曲書いてるし、全力で暴力を受けるのがヒロイン側ってのが昨今のアニメじゃ珍しいし潔くて良いよね。あと、おいちゃんも含めてキャストがフルスイングからのストライク。よしこのママン役にぴかしゃって、下手したらこれキャスト逆でも問題無いヤツやんけ(いや、おいちゃんにママン役は駄目か)。おいちゃんは「本人はアホじゃないからな……」ってのが分かってるんだけど、こういう振り切れ系の演技で変な音出してるのが本当に楽しそうで素敵。短い番組の割に収録後に相当HP削られてそう。今後も何も考えずにフルスイングな十数分が楽しみ。「ドラマCDでもええやんけ」って思うけども、まぁ、画がついてるからこその馬鹿らしさみたいなものもあるんじゃないでしょうか。結局、人間うんこちんこ言ってるのが一番平和で楽しいんですよ。

・徒然チルドレン

 まさかアニメ化するとは思ってなかった作品。だって、画が全然動かないじゃん。「アホガール」だったらまだアクション()があるけども、こっちは4コマ漫画だけど大体2コマくらいのコピーで足りるくらいのもんじゃん。ただ、原作の段階では「アホガール」よりこっちの方がずっと好きだけどね。まぁ、マガジンは本当にたまに目を通すくらいなので、いつ読んでも同じようなことやっててすぐに読めるってのが大きな要因な気もするけど。「こんなん、アニメにせんでも」って思ったが、こっちもやっぱりキャストの力でグッと魅力が増した。元々「カップル未満の変な関係性の男女の会話の妙」を楽しむ作品だが、その会話のテンポが実際の音を伴うことで更にはっきりとした作品の魅力になっている。ぶっちゃけ、アニメの画よりも原作のキャラデザインの方が好きなので画はおまけなんだけど、それでもこの初々しいカップル(?)がちょこちょこはにかんだり、怒ったりしてるだけでも可愛いもんだ。キャスト陣も最初の1人こそ新人だったようだが、他はヒロイン力MAXで殴りつける特濃の配備になっているので、もうそれだけで企画として成立してる。これ、毎週のようにヒロインが入れ替わり立ち替わりで登場するのよね。まだまだ色んなシチュエーションが楽しめそう。

 

 2作品とも「キャストが強烈」っていうのが最大の売りではあるが、どちらも身の丈にあった枠でしっかり特性を活かした作品作りになっているので好感が持てる。やっぱりショートアニメの枠って、既存の感覚ではアニメ化出来なかった作品も拾い上げているので業界的には決行重要な枠なんだよな。

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<緑>

 

Adventurous Impulse 冒険の衝動 (G) C

ソーサリー

あなたのライブラリを上から3枚見る。その中から、クリーチャーか土地であるカードを1枚公開し、それを手札に加えても良い。残りのカードを好きな順番でライブラリの下に置く。

 本家緑のめくって選ぶシリーズ。今回は特にセット独自のギミックを押し出すわけでもなく、本当にお手軽にいつも通りのお仕事をこなせるデザインになっている。対象がクリーチャーと土地なので近いところは「境界の偵察」だろうか。あちらは3マナで5枚、こちらは1マナで3枚。一応「ハズレ」の可能性もあるので単純に良し悪しは決められないが、土地も選べる仕様ならばまずアドバンテージロスの心配はないだろうし、小回りがきくこの呪文が手軽で便利。今後は緑色の「思案」として様々なデッキで使われることになるのではなかろうか。

 

Ancient Animus 古えの憎しみ (1)(G) C

インスタント

対象のクリーチャーの上に、それが伝説であるならば+1/+1カウンターを1つ置く。その後、そのクリーチャーは対象の、対戦相手のこんロールするクリーチャーと格闘を行う。

 「襲撃」の上位互換となる緑の格闘呪文。適当に使うと「襲撃」になり、自軍が伝説なら「弱者狩り」にパワーアップ。現在恐竜を賑わせている「凶暴な踏みつけ」と同じスタンスの呪文である。特に難しいことを考える必要もない万能呪文なので、緑をやる人はありがたくいただけばいいと思うよ。

 

Arbor Armament 高木の武装 (G) C

インスタント

対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。そのクリーチャーは、ターン終了時まで到達を得る。

 恒久的な増強手段に飛行対策まで兼ね備えた贅沢パッケージ。だいたいカウンターを1個置くだけの呪文が1マナ相当なので、価値あるオプションもつけられたこの呪文はコストパフォーマンスに優れた1枚といえる。そのままコンバットトリックとして使ってもOKだし、相手が飛行でのビートをメインに据えているならお手軽にその意気を挫くことができるだろう。有力なサイドカード候補だ。

 

Baloth Gorger ベイロスの大喰らい (2)(G)(G) C

クリーチャー・ビースト

4/4 キッカー(4)

〜がキッカーされていたなら、〜は+1/+1カウンターが3つ置かれた状態で戦場に出る。

 シンプルキッカーモンスター。「キッカーっていうのはこういう能力ですよ」っていうのを教えるため、実際リリースノートのキッカーの項目に登場している1枚である。ただし、シンプルだからこそその強さも明確で、4マナ4/4のナイスバディは緑の強さがわかりやすく出ている。過去に存在した同種のサイズアップキッカーを探してみると、ちょうどいい比較対象に「飛びかかるワーム」がおり、こちらは4マナで3/3。7マナで6/6になる。サイズのみで勝負する無骨なベイロスが活躍できるような素朴な環境になるといいですね(いいか?)。

 

Broken Bond 壊れた絆 (1)(G) C

ソーサリー

対象のアーティファクトかエンチャントを破壊する。あなたは手札から土地カードを1枚戦場に出してもよい。

 「注目のストーリー」に設定されているカード。ドミナリアのストーリー冒頭、ボーラスショックでボロボロになったニッサがゲートウォッチを脱退する様子が描かれているのだが、「あんたとはもう絶交よ! 土地置くわね!」って、どういう文脈だよ。いや、ニッサならやりそうだけど。とりあえず「帰化」をソーサリーにしたら土地プレイのおまけがついた呪文。マナ加速に使えそうだが、相手が対象になる何かを出さなきゃ使えないので序盤に使うのを期待することはできない。さらに中盤以降にいよいよ出番が来ても手札に土地がない。有効活用しにくいデザインである。下の環境なら、確実に1ターン目、2ターン目に「霊気の薬瓶」やら「虚空の杯」やらを置くデッキってのはあるので、そういう相手にサイドボードしつつ、自軍の展開を狙うのはあり……かなぁ。2マナのソーサリーはなぁ。

 

Corrosive Ooze 腐食軟泥 (1)(G) C

クリーチャー・ウーズ

2/2

〜が装備したクリーチャーをブロックするかブロックされるたび、戦闘終了時にそのクリーチャーにつけられた全ての装備品を破壊する。

 エロアニメでお馴染みの「服だけとかして食べちゃうタイプの触手orスライム」をMagicの文脈に置き換えたもの。よし、これ使って早速エロいシチュエーション作ろうぜ! 今の環境で活躍してる女性キャラ(PW除く)というと……カーリ・セヴくらいかな? ピアさんとかひん剥いても萌えないしなぁ。もしかして、ハゾレトさんと神々しいプレイに興じろということなのだろうか……。とりあえず、今回のセットはやたらと装備品が多いので、リミテッドで牽制する意味では割と面白い能力。とりあえず熊だし。

 

Elfhame Druid (1)(G) エルフェイムのドルイド U

クリーチャー・エルフ、ドルイド

0/2

(T)(G)を加える。

(T)(G)(G)を加える。このマナは、キッカーされた呪文を唱えるためにのみ支払える。

 「エルフェイム」はエルフの里ラノワールの地名。過去のカードとしては初代のタップイン2色ランド「エルフェイムの宮殿」なんかが有名だ。そんなところのエルフなんだから、そりゃぁマナを出す。ただ、今回は同時に「ラノワールのエルフ」という大看板がコモンで復帰しているため、いつものように2マナのマナクリーチャーが手放しで歓迎されるというほどでもないのは口惜しい。そのぶん頑張っているのがキッカー応援団としてのお仕事で、これなら一気に二歩ステップアップできるのでクソ重たいキッカーでもそこそこ現実の範囲に。赤緑のキッカーデッキならば是非雇っておきたい人材、いや、エルフ材だ。まぁ、マナ出せるならなんだって強いんだけどさ。

 

Fungal Plots 菌類の勢力範囲 (1)(G) U

エンチャント

(1)(G)、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放する:【苗木トークン】を1体生成する。

苗木を2つ生贄に捧げる:あなたは2点のライフを得て、カードを1枚引く。

 何度かマスターズなどにも再録されている「屍からの発生」の亜種。墓地のカード1枚から苗木が生まれるという設計は同じだが、こちらのカードは単色になったぶん、相手の墓地を対象に取れず、地産地消の精神で賄う必要がある。1/1とはいえ全てのクリーチャーにおまけがつくようになるのはそれだけでかなり強力だし、サリッドデッキならば大幅増量から苗木力の水増しが可能だ。さらにクリーチャーカード2枚が実質的に1ドローになるキャッシュバックキャンペーンまで行われており、苗木デッキなら至れり尽くせり。今回収録された「密航者、スライムフット」なんかとのシナジーが強烈。苗木を司るカードは過去にも統率者セットなどにたくさんあるので、今後は緑を含む統率者デッキのパーツとしてもしばしば運用されるのではなかろうか。

 

Gaea’s Blessing/ガイアの祝福(TSB)」 U

 長いMagicの歴史の中でも稀有な独自能力のおかげで渋い割には印象に残っている1枚。その唯一無二の存在感を評価されて「時のらせん」ではタイムシフトカードとして再録されたが、当時は特に活躍したという事実はない。いつの時代も墓地対策は重要といえば重要だが、大抵その手のデッキは墓地ギミックのためにオールインしてくるため、サイドカードを用意する場合は「虚空の力線」や「安らかなる眠り」のように思い切ったものを使った方が強く、このカードの(唱えた時の効果の)ような小さい効果はニーズが少ないのだ。使われるならば誘発型能力目当てでの採用になるだろうが、今後の世界でどんなデッキが誕生するのだろう。ライブラリって、修復するもんじゃなくて壊すもんだよね(ディミーア脳)。

 

Gaea’s Protector ガイアの守護者 (3)(G) C

クリーチャー・エレメンタル、戦士

4/2

〜は可能ならばブロックされなければならない。

 守護者を名乗る割には当たって砕けることしか考えていない職務怠慢ニキ。どうせパワー4もあれば放っておいても相手はブロックしてくれると思うのだが。3マナ4/2の「オラーズカの襞背」あたりなら偏ったパワーのおかげでニーズもあるが、4マナになるとそこまで目を引くものでもないし、リミテッドでもそこまで重要視されるカードではなさそう。いっそ懐古セットなら「挑発」能力を導入するくらいのことをやっても良かったと思うのだが。

 


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Keldon Overseer ケルドの軍監 (2)(R) C

クリーチャー・人間、戦士

3/1 速攻 キッカー(3)(R)

〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、ターン終了時まで、あなたは対象のクリーチャーのコントロールを得る。それをアンタップする。ターン終了時まで、それは速攻を得る。

 ドミナリア流の「エルドラージの寸借者」。3マナ3/1速攻という基本設計は同じだが、あちらはキッカーとして無色マナ含みの2マナ、こちらは赤マナ含みの4マナ。赤いデッキでよりマナの運用が楽なのはこちらだが、7マナとなるとちと重いので、あまり能力頼みではなく、最後の決戦兵器として運用できたらラッキー、くらいの使い方になるだろうか。基本ボディが攻め一辺倒のデザインなのに「マナがたまらないと使えない能力」に設計されているのでちょっとちぐはぐな印象になってしまっているか。一応、種族が人間になったので、もしかしたらそっち方向でのニーズはあるかも。

 

Keldon Raider ケルドの略奪者 (2)(R)(R) C

クリーチャー・人間、戦士

4/3

〜が戦場に出た時、あなたは手札を1枚捨てても良い。そうしたなら、カードを1枚引く。

 渋いサポートが光る縁の下の力持ち。4マナ4/3の時点で赤なら「山頂をうろつくもの」クラスの活躍が見込めて、終盤に引いてもルーター業務でいくばくかの希望を合わせて提供してくれる。土地を引きすぎた場合の保険として面白い1枚だ。まぁ、なんでこんな荒くれ者っぽい奴がこんな優しい能力を提供してくれるのかはよくわからんが。

 

Keldon Warcaller ケルドの戦呼び C

クリーチャー・人間、戦士

2/2

〜が攻撃するたび、対象の、あなたのコントロールする英雄譚の上に伝承カウンターを1つ置く。

 戦場に殴り込みながら英雄譚を紡ぐ変なやつ。職業は戦士なんだから戦いの専門家のはずなのだが、本当は史学の方に興味があるんです、みたいな複雑な立ち位置にいるのだろうか。今のところ、今回のセットの中でイレギュラーなタイミングに伝承カウンターを乗せることができるカードはこれだけ。戦闘前に英雄譚を出せば即座に1章2章を連続解決して次のターンには結末が見られるし、こいつが2体同時に殴れば一気に流し読みして解決編も可能。タイムラグがあることを前提に作られている英雄譚のバランスをひっくり返すことで色々と予想外の出来事が引き起こせそうだ。今のところ赤の英雄譚ではそこまで噛み合うカードはないが、白には一気にクリーチャースペックをあげる英雄譚が何枚かあるので、戦闘開始時にそれらのエンディングを迎えて急襲できるのは面白いギミックかもしれない。まぁ、せっかくの物語なんだから腰を据えて読めばいいのに、とは思うが。

 

Orcish Vandal 蛮行オーク (1)(R) U

クリーチャー・オーク、戦士

1/1

(T)、アーティファクトを1つ生贄に捧げる:〜は対象に2点のダメージを与える。

 「Orcish Mechanics」というクソマイナークリーチャーのリメイク。種族はそのままオークだが、時代を鑑みて性能は完全に一緒だが1マナ軽くなっている。もうちょい近い時代なら「連射のオーガ」のリメイクか。アーティファクトが全て「ショック」相当というのだから今の基準で考えても充分な砲台である。現代は宝物トークンやらなんやらと色々お手軽なアーティファクトも用意できるので、専用のデッキを組めば2マナとは思えない制圧力を誇ることになるだろう。リミテッドでも青赤系のアーティファクト寄せなら充分1引き級。それにしてもこのオーク、こんだけガチムチのくせに1/1ってどういうことなんだろうな。

 

Radiating Lightning 放射稲妻 (3)(R) C

インスタント

〜は対象のプレイヤーに3点のダメージを与え、そのプレイヤーのコントロールする各クリーチャーに1点のダメージを与える。

 このセットの基本火力だろうか。今回収録されたカードに「対象のプレイヤー」としか書いていなかったら、それは過去の火力のように「プレイヤーかPWに」と読み替えることができないので注意が必要。つまりこの火力は意図的にPWには打てないようにデザインされている。そして4マナも払って基本性能が本体に3点だけってのは流石に貧弱。どちらかというと全体1点の方がメインの用途なのだろうが、さすがに限定的なのでサイドボードスタートになってしまうだろう。一応、似たような呪文に「チャンドラの憤怒」があるが、あれも使いづらかったしな。

 

Rampaging Cyclops 暴れまわるサイクロプス (3)(R) C

クリーチャー・サイクロプス

4/4

〜が2体以上のクリーチャーによってブロックされている限り、〜はー2/ー0の修正を受ける。

 4マナ4/4のナイススペックを誇るが、取り押さえる警備員が複数駆けつけると急に弱気になるチキンなサイクロプス。フレーバーによれば、目が1つしかないから2人がかりで押さえようとすると途端にスペックが落ちるらしい。なるほどな。一番有効なの使い道は本体に通し続けることだが、このサイズでそれがまかり通るなら苦労はない。飛行や威迫といったブロックしにくくなる能力がつけば一級品なのだが……。まぁ、火力をチラつかせておけば相手も3体以上のブロッカーを確保する必要が出てくるだろうし、殴らずに牽制する仕事は優秀。ブロッカーとして使うなら問題なく4/4だしね。

 

Run Amok 猛り狂い (1)(R) C

インスタント

対象の攻撃クリーチャーは、ターン終了時まで+3/+3の修正を受けるとともにトンランプルを得る。

 かつて「Amok/逆上」という名前のカードが存在していたがそれとは一切関係なく、どっちかっていうと「激昂」あたりの方が近い。手軽に+3出来るのはありがたいが、それだけだと本家本元の緑が持っていた「捕食者の一撃」と完全に同じになってしまうので、赤の特性として「とにかく攻め続ける」を押すために攻撃クリーチャー限定になっている。やや制限される分効果は大きく、トランプルが絡むので余すことなくパワーを堪能しつつ、死ぬはずのクリーチャーを生き残らせ、相手をなぎ倒すことができる。今回はこれに加えて「白熱の一撃」も構えられるので、赤が殴ってきた時の戦闘の対処は非常にデリケートなものになっている。これのトランプルが抜けたせいで死んだ、という間抜けな目に合わないように注意したい。

 

Seismic Shift 地震断層 (3)(R) C

ソーサリー

対象の土地を破壊する。最大2体までの対象のクリーチャーでは、このターンブロックできない。

 毎度お楽しみ、今回の土地破壊のコーナー。いや、嘘だ、もう楽しみなんかねぇよ。もう何年も土地破壊なんか楽しかった記憶ねぇよ……しょうがない、そういう時代なんだから……。今回の土地破壊は、もうブロック制御呪文のおまけにまで落ちてしまっている。どう考えてもリミテッドで投入するとしたら上の効果を狙ってものだろうよ。一応、相手が「記念像」サイクルみたいな特殊土地を持っているなら役に立つ時があるかもしれないが、そのためにわざわざこれを入れるようなデッキはどっちにしろ勝てない。土地を壊したいデッキと相手のブロッカーを一時的に排除したいデッキの融和点が全く思いつかず、本当にちぐはぐな効果である(フレーバーとしてはすげぇしっくりくるけども)。

 


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○「妖怪アパートの優雅な日常」 4

 間違いなく言えることは、「引っ越した先の住人のCVが石田彰と沢城みゆきだったらまず逃げるよな」ということである。胡散臭すぎるし、多分世界の秘密の半分は握ってる。

 なるほど、こういう方向性での「ベタ」ってのもあるな。最近はラノベだの異世界だのでアニメの「テンプレ」観も変わってきているが、やっぱりこういうのを見ると「どんだけ繰り替えすんや」と改めて思えるのはDNAにすり込まれてるレベル。

 個人的には好きなセッティングである。最近あんまり無かったからこの言葉を使うのは久しぶりだが、いわゆる「長屋もの」。更に「妖怪」というモチーフも好きだし、これらが組み合わさった「妖狐×僕」なんかはとても好きでしたね。今作もそんなお約束モチーフを使っているのだからきっと愉快に……なるといいんだけど、1話目での印象はなんかぼやっとしている。別にどこが悪いということは無いのだが、せっかくのモチーフが何か乱雑。オープニング映像を見ると分かりやすいと思うが、色々な「妖怪」というデザインが本当にとっ散らかっており、1つの世界に共存した存在に見えないんだよね。徹底的にマスコットっぽく描かれてるやつ、典型的な「幽霊」デザインのやつ、不気味さを前面に押し出したやつ。対する人間キャラの方は割と頭身が高めで、冒頭で「高校に進学する」って言った時に「おまえ中坊かよ!」ってびっくりした。そうした諸々がごった煮になるのが「長屋もの」の楽しみという側面もあるのだが、ちょっと依って立つところが不安過ぎる気がする。

 あと、製作がシンエイ動画らしいのだが、なんか、全体的に映像も古くさいし、パッとしない。キャラ画は少し気を抜くとだらしなくなってしまうし、アニメーションとしての動きそのものに魅力を感じる部分が無い。1話目の時点で「このキャラは気になる」というキャラが1人でも出てくればいいのだが、そう言った見せ方が1つもなく、とにかくベタな説明だけで終わって「これ、色んなところでみた奴だ」という感想だけで終わってしまう。別にこの作品でなくてもいいことばかりなのだ。

 まぁ、何かキャストがエラいことになっているとかいう不穏な要素があるので、ここから何かとんでもない大爆発が起こる可能性もあるのだが……(鳥3羽のキャストがイカレてるとしか思えない)。どうかなぁ、爆裂するような作品ではないだろうなぁ。

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○「バトルガール ハイスクール」 4

 これは……どう見てもスクールガール……。

 いわゆる「美少女動物園」のソシャゲアニメ。フォーマットはお約束以外のなにものでもなく、全体的に画面も量産型の雰囲気がにじみ出ている。「スクスト」に似ているのは当然として、更にキャラのデザインがアイマスっぽくもあるし、「ガールフレンド(仮)」を思い出す部分もあるし、さらに何となく「ビビットレート・オペレーション」を思い出したりもした。

 冒頭のキャストクレジットの出し方はかなり斬新。役名よりもキャストの名前の方がでかでかと表示され、もうキャラとかどうでもいいから声優をみて下さい、っていう姿勢。この手のゲームにおいて声優要素がどれだけ重視されているかがよく分かる仕様だ。まぁ、それならちゃんとキャラがしゃべる場面で表示してくれた方がありがたい気がするのだが……。

 ただ、一昔前ならばこうして大量の声優が大挙するだけでも「わーい! 現代声優の見本市だ!」と喜んでいたのだが、最近は流石にこの手の作品が多すぎてな……あまり付加価値とも言えなくなってきた感がある。いや、嬉しいんだけどね。「似たようでちょっとだけ違うゲーム」で各キャストが全然違う設定のキャラをやってたりすると楽しくはなる。そういう意味ではゆーみんとか五十嵐裕美あたりの仕事はとてもいい。逆に、たそあたりは毎度同じような役回りだし、みさおも同じようなポジションなのでちょい不満。久野ちゃんは……久野ちゃん。

 もう、アニメの中身について特に話題がなくてキャストの話ばかりしてる時点でお察しではあるのだが……他の類似作品と違って、本作はマジでここから何がしたいのかが良く分からない。「スクスト」は一応外敵の脅威に立ち向かうチームのお話であることは分かったし、「ガールフレンド()」ならもう完全に脳を溶かすだけの学園ほのぼのドラマだ。本作の場合、そのどちらにも均等に設定を割り振っている感があるが、「いいとこ取り」というよりは「視点が散る」という印象。一応ぺっちゃん演じる元気っ子が主人公なのだろうが、大して時間も取っておらず、美少女動物園の「園」の部分ばかりがフィーチャーされ、次々に女の子がしゃべるので誰が何をやってるのかもよく分からない。ユーザーなら問題無いだろうが、初見の人間が似たような顔のキャラを並べられて区別出来るわけがないのだ。色んなキャスト、色んなキャラを見せたいという気持ちは分かるが、流石にこの1話はよろしくないだろう。

 制作はSILVER LINK。何とかここから演出面で持ち直してしっかりとキャラ萌えランドを形成してほしいところだが……設定もすでに何番煎じかもわからんやつだしなぁ。厳しいかなぁ。神樹様がいるらしいので、ヒロイン勢が次々に満開からの散華を繰り返せば、あるいは。

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○「ナイツ&マジック」 5

 オラオラァ! 異世界転生の時間だぁ! こんだけ「もう飽きた」「いい加減にしろ」と言われ、消費者全体が完全に食傷気味だというのに、敢えてそこを原液まんまで殴りつけてくるその意気や良し。

 テンプレというのは、思考放棄の産物という意味合いももちろんあるが、それが好まれるからこそ定型になるという前提だってあるのだ。何故こうも人類が異世界に転生し俺ツエーをやりたがるかといえば、それは深層ではユーザーが求めているからに違いない。実際、今作の全ての思考を斬り捨てたかのようなテンプレラッシュも、「一周回ってギャグ」という側面もありつつ、素直に楽しめる要素になっているとも言える。結局、アニメで活劇シーンが見たいっていう願望は、俺ツエーしてほしいっていう意味でもあるのだし。まぁ、あまりにも根拠レスだと興ざめするけどね。

 今作はあらゆる要素を他作品からの引用で埋め合わせる事が出来るほどに見事なテンプレガチガチアニメであるが、一応、「異世界ファンタジーだけどロボも使う」という部分が辛うじてオリジナル要素としてアピール出来る部分だろうか。まぁ魔法でロボを動かすなんてことは散々やられてるわけだし、最近だったらリトルウィッチアカデミアですらやってた中身なのだが……異世界転生魔法ファンタジーとロボットものの「美味しいとこ取り」と言えなくもないわけで、アニメにしたときのアピールはやりやすい(最近ロボットものってあんまり受けないんじゃないかということはおいといて)。ただ、そうしてオリジナル要素を無理矢理ねじ込んだことにより、世界観に歪みが生じるのはテンプレ+テンプレという適当な足し算を行った結果のご愛敬である。だってさ、あのロボって魔法で動いてるわけでしょ? ってことはあの世界は現実世界なんかよりもよっぽど高レベルな「技術力」を持ってる、つまり、この世界における「科学」を「魔法」に置き換えただけの近未来の世界なわけだ。だったら、移動手段が馬車なのはおかしいよね。ロボを動かす何らかの高機能出力機関があるなら、ロボより前にまず自動車とか飛行機を作れよ。なんでそこだけ中世ファンタジーなんだよ。他にも「あんな危険な状態でアカデミー学長とかいう重要人物が馬車で外出とかおかしいだろ」など、突っ込みどころは好き放題。

 まぁ、そういう部分にツッコミを入れ始めるときりがないのが「なろう」系作品だということは知っているので、世界設定はすっぱり諦めよう。まっさらな心で、気持ち薄目気味で見てご覧なさい。製作はエイトビット、監督が山本裕介ということで、アニメーションとしての基礎レベルは高いんですよ。キャラは可愛いし、分かりやすい重量級ロボットの世界との馴染み方も悪くない。どうせテンプレをやるなら説明不要な部分はちゃっちゃと1話目で(すごく適当に)片付けてしまい、あとは今後のシナリオラインとロボ+魔法の画面効果で勝負ですよ。……どうかな? 勝負出来るかな? ここまで分かりやすい俺ツエーだと、最近は拒否反応を示す視聴者も多そうだが……。

 もう、この主人公って生前のキャラの存在意義無いよね。「OVERLORD」とか「幼女戦記」は転生前の人格が根強く残っていることが物語のキーになったけど、今作の場合「ロボオタク」「プログラムの知識が豊富な天才」っていう設定以外必要なくて、「プログラムの天才」要素も、別にただの「天才」ってだけだから前世との絡み関係ないし(転生しようがすまいが、この世界で魔法の天才であることの説明にはなってない)。あとはただ純粋に「ロボが好きなだけの少年」である。うん、異世界要素いらないな! なんでそんな設定にしたんだろうな!

 でもアニメとしてはその部分が一番効いている。だって、阪口大助が転生したらそりゃこうなるだろ、っていうのは説得力あるもん。現実世界の「ロボットにのりたかった少年」は声優になることで見事ガンダムにのることが出来たが、それが出来なかったプログラマーは転生してロボにのるしかなかったんだな。生まれ変わるとCVがキュアップラパパな魔法オタクor爆裂オタクになります。もう、この声で魔法使われたら納得するしかないな。その他のキャストもがっつりと埋めるべきところを埋めてくれてるので、なんか安心して観てられます。個人的には生徒会長がちょっとクセがあって良い感じだな、と思ったら千本木彩花だった。まだ認識出来る領域には至ってなかったな。

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「月がきれい」 6→6

 リア充カップルがいちゃいちゃする姿を延々アニメで見せつけられると本当にイライラするんですが、そこは何とか「こいつらは中学生、こいつらは中学生……」と念じることでグッとこらえることが出来ました。我々は大人ですので。まぁ、そんなことを考えている時点で大人じゃないんですけど。

 とんでもなく図太い作品である。何が図太いって、マジで「中学生男女の初々しい恋愛模様」をただ描いただけの作品だからだ。そこに大きな事件も、意外な展開も何も無い。ただ、「ひょっとしたら身の回りにもあったかもしれない、青春のほんの1ページ」が転がっているだけなのである。これをアニメの脚本として企画立案し、作り上げてしまうスタッフが何ともふてぶてしい。そして、これが割と面白く見られてしまうのがまた憎らしい。事件も無く衝撃も無く、ネタも無く笑いも無いこの作品が、何故苦も無くスルリと1クール見られるものになっていたのだろうか。

 まず外的要因から埋めていくと、独特の映像美術が常に興味深いものだったというのが1つ。1話目から気になっていた「白が強烈な色彩」は最後まで徹底的に維持されており、他のアニメには無い明るさ、まぶしさにつながっていた。写実的ではないのに、どこか薄皮一枚を通して眺めた近所の中学校みたいな不可思議な近さがあり、お話の眩しさも相まって、ついつい見守ってしまう空気が出来上がっている。 

 そして、そんな美術で描かれたメインとなるラブストーリーが、かえって飾らないことで他の作品との差別化を図っている。インドア派の作家志望少年が、陸上部で頑張る内気で健気なヒロインとの恋愛を少しずつ育んでいき、人並みの恋愛を全うするだけのシナリオライン。告白のタイミングとか、キスのタイミングとか、その他諸々の距離感が、ありそうな、無さそうな。見たことあるような、無いような。自分も経験したような、してないような。いや、絶対してないんだけど……。そんな不思議な「ほっとけない近さ」を醸し出す。途中、小太郎が茜ちゃんと他の男が話してるのを見て突然へそを曲げてイライラしてしまうシーンなんか、「何でそんなんでスネるねん。肝っ玉の小さい男やなぁ!」と思いつつも、「でも中学生だもんな……確かにこんな風になるかもな……」という気にもなるし、2人が多用するLINEでのコミュニケーションも、「この若者世代がぁ! メールとかあるやろ! 面倒だからもっと中身のあるトークでもしろやぁ!」と思いつつも、「でも、このちょっとずつの感じが楽しいのかもしれんな……リアルタイムでメッセ来るからワクワクするやろしな……」とか、おじさんが自分の青春時代になかったツールにまで思いを馳せたりする。うーむ、なんかね、やっぱり「ほっとけない」って気がするのよね。

 ただそれだけの作品であるなら、白身魚をそのまま焼いたような淡泊な仕上がりにもなるのだろうが、今作はそうしたメインの筋書きでしっかりと「生っぽさ」を出しつつ、他の要素は脇キャラのサブストーリーなんかで埋め合わせて世界を広げているのが小憎らしい。小ネタ劇場は割と「普通のアニメ的ネタ」なんだけど、これがメインの2人のいじましい恋愛と対比的に見られて、どちらも退屈せずに済むという効果をもたらしている。制作側がどういう意図でCパートの小ネタを盛り込んだのかは分からないが、塩サバに大根おろしをつけるかのように、実にいいアクセントになって行間を埋めてくれていた。多分、狙った通りの効果が出ていたんじゃなかろうか。

 何もかもが「地味」ではあるのだが、どこか不思議と惹かれる部分がある。そんな何ともいえず不思議な作品でございました。とりあえず、千和ママに栄光あれ(いつもの結論)。

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