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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「地獄少女 宵伽」 7→6

 一応全12話とすると放送終了。6話目時点でまとめてしまっても良かったのだが、ひょっとしたら最後まで行って何か発表があるかもしれないって期待していた部分はある。まぁ、4期が6話しかなかった時点でその続きはないよね……。新規分は嫌という程しっかり記事を書いていたので改めてまとめることもあんまり無いのだが、「地獄少女」シリーズの今後も考えながら、今期シリーズの意義をまとめておこう。

 まず、非常に残念な話ではあるが、今期が6話で終わってしまったという事実は、やはり「新しいエピソードを作るのがめっちゃ大変だ」ということの表れなのではないかと思う。別に毎回ベタな話をつないでいくだけの「必殺仕事人」シリーズになってもファンとしては一向に構わない気がするのだが、それでもやはり柴田つぐみ・紅林拓真・御影ゆずきと言ったシリーズの縦軸を用意しないことにはわざわざシリーズアニメにする意味はないということなのだろう。そして縦糸を紡ぐにしても、すでに「地獄少女」という存在を取り扱うための手法はあらかた出尽くしてしまっている感があるし、2期3期の時点で既にかなりトリッキーなエピソードもあったのだ。なかなか「さらに上に重ねる」脚本は捻出できまい。願わくは1クールくらいは続けて欲しかったものだが、ディーンと大森さん、それに金巻さんが揃った結果としてこの構成になったのだとしたら、製作陣もなかなか「新作」を作るのが難しいと判断したということ。それならそれで無理強いも出来ないか。実際、今期も「わたしを深く埋めて」のようなやや微妙なエピソードもあり、毎回スマッシュヒットを飛ばすのが難しいことはよくわかる(まぁ、あれだけ素晴らしかった二籠や三鼎の時だってハズレエピソードはあったわけでな)。

 今期だって、別に手を抜いていたわけではないのだ。むしろ、畠山守・高本宣弘・寺東克己など、コンテ担当者の名前を見れば過去作同様にしっかりしたクリエイターに制作を任せているし、見応えのあるエピソードも何本かあった。「三鼎」から8年という時間が経過しているにもかかわらず、これだけ制作サイドの意図が維持できてるのは、2期もの、続編もの乱発で問題が多い昨今のアニメ業界の中でもかなりの優等生。それだけこの「地獄少女」というコンテンツがスタジオにとって有益なものであり、大切に扱われてきたことの表れなのだと思う。ただ、やはりスタッフに当時の担当者の名前が減っているのはどうしようもないことであり、藤原さん、名村さん、神保さん、そして小滝さんあたりの名前が出てこなかったのは残念至極。8年という時間はどうにも残酷である。なお、小滝礼氏に関しては、ネットで調べても2013年の仕事を最後にアニメ作品に名前がクレジットされていないようなので、ひょっとしたらもうお仕事を離れてしまっているのかもしれない。そうだとしたら非常にもったいない……。まぁ、だからこそ「回顧録」の最後が「はぐれ稲荷」だったことは喜ぶべきなのだろうが。

 こうして、半端なものはできるだけ作りたくない、という状況の中でなんとか新たなシリーズを作ろうとした時に生み出されたのが今回の「宵伽」。ミチルの物語としてはいささか性急ではあるし、エピソード間の繋がりに欠けるのでどうしても過去3作に比べれば物足りないが、拓真やゆずきの時と違い、ミチルの場合はいわば地獄少女という存在との融和の物語である。落ち着くところが穏当(?)なのでまだ勢いだけでも成立しやすい部類であろう。そして、今後の「二大(もしくはそれ以上)地獄少女体制」というのは、新たな時代を告げるもう1つのコンセプトになり得るかもしれない。かつて、地獄少女は地獄少年やら地獄博士やら、色々なキャラクターと戦ってきた(実際には戦ってない)。今後は「地獄少女対地獄少女」が実現するかもしれない。もちろん、お互いに流すことはできないので、それぞれの持つ仕事に対する信念みたいなものでぶつかるような展開。そうした「新たな流れ」が生まれれば、シナリオに幅も出来てシリーズが作りやすく……なればいいな。5期が、あればいいな。大森監督、なんとかこのコンテンツの命脈をつないで、「てーきゅう」や「名探偵コナン」すら超えるような息の長いコンテンツに……。いや、どんだけ鬱々とした国にすれば気がすむんや、って話だけども……。個人的な願望キャッチコピーは、「能登麻美子さえ元気なら続けられるコンテンツ」。

 以上の件、どうかよろしくお願いします。全然感想でも評価でもないな。しょうがないじゃない。僕だもの。

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18if」 4→5

 俺はこの作品の点数を上げていくタイプの人類だ! みんなよろしくな!

 まー、ひどい作品ですよね……。ラス前の話で思いっきり盛り上げてきたから「これ、最終話にすごいこと起こるで」って思ってたら……いや、ある意味ものすげぇけども……。ここまでフリーダムな作品がきっちりシリーズアニメとして映像化されるという自由さには、まだまだ日本のアニメ業界も捨てたもんじゃないな、って思いますよね。まぁ、このアニメを投げ捨てる人はいっぱいいる気がするけども。考えてみりゃスタート直後の「けもフレ」だって「なんでこんな企画が通ったんだよ」みたいな印象だったわけで、世界はまだまだビルド&スクラップを求めているわけですよ。えぇ、スクラップをね。

 今作の凄まじいところは、何と言ってもその作画ベースである。7話のような神がかった超絶エピソードもあれば、後半(というか、多分7話以外だいたい全部)のようなふざけた作画状態の時もある。しかし、最終話みたいなデザインを見てると、これ絶対にわかっててあえてクソ作画にして遊んでる部分があるよね。作監がまともに仕事したら、普通はこんな状態で世に出てくるわけないもんな。何が起こっても全ての作画について「夢なので仕方がない」という魔法の呪文で解決できる。それが今作の素晴らしい(?)ところです。実際、8話や10話は作画のヘタレっぷりを逆に利用して世界を作ってた感じはある。また、毎週あえて作画をぶっ壊して全部違う品質にしてしまうことで、ラスト2話での「魔女総出演」のカオスっぷりを増幅させる狙いもあったのかもしれない。まぁ、集まった魔女のほとんどは結局同じテイストでまとめられてて「やっぱり全部へなちょこやないか!」ってなってましたけども。統制の取れていないごった煮感を出すという目的は割と達成できていた気がする。

 後はまぁ、各々のシナリオライン……、いや、そもそもシナリオらしいシナリオすらないエピソードも多いしなぁ。なんとなく「展開」があっても「本筋」は無いというのがいかにも夢世界の筋立てらしく、逆にこれだけ取り留めのない内容を10本以上も作る方が大変な気がする。確かに、夢の世界でのお話なので「現実に着地できてしまう」のはむしろ欠点ですらあるのだ。なるべく浮ついた状態を維持するように、毎話構成には気を遣っていたのではないだろうか。まぁ、そうして出来上がる「浮ついた物語」を視聴者が求めているかどうかは別問題ではあるのだが。一言でまとめれば「わけわかんねぇ」だからな。

 謎が謎呼ぶ「怪作」と呼ぶにふさわしい一品。この居心地の悪さ、脳がついていかない感じは、なんだか視聴者のメンタルを試しているかのようにも見えて、個人的には「負けてたまるか」っていう無駄な反骨心が養われました。「何か見た気分になる」という謎の充足感が得られます。なお、他人には絶対勧めようとは思いません。こんなん勧めて責任を追及されても謝るしかないやん。物好きな人、GONZO好きな人、中の人好きな人はトライしてみては。

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「デジモンユニバース アプリモンスターズ」 5→5

 もう、毎朝ゆーみんの声を聞くことができなくなるっていう事実だけは辛いです。「来期のゆーみんは何があるかなー」って思って確認したら、レギュラーで決まってるのは風先輩だけだった。いいのか悪いのか……。

 朝番組なので、基本的にはながら見、9割がた耳だけで観ていたような作品であるが、番組に求められている部分にはそれなりに応えられた模範的な子供向けアニメだったのではなかろうか。デジモンという文化の肩書きがあるために先代に思い入れがあるお年寄りが見たら不快感もあるのかもしれないが、幸い私はそうした前提条件がないため、「これはこれでデジモン」という(リアル子供さんと同じような)素直な受け入れが可能であった。まぁ、一回だけ先代とのコラボがありましたけどね。あれって今の子供たちのはどう映ったんだろう。

 シナリオは本当に真っ直ぐなものなので「ヘボット」のようなツッコミどころはないのだが(当たり前や)、一応現代アニメとして良かった点、物足りなかった点をピックアップしておくと、良かった点は「しっかり現代風に要素がアレンジされている」というところ。何しろ主人公チームがユーチューバーとアイドルグループの木っ端アイドルである。おっちゃんたちからしたら「こんな浮ついた主人公チーム嫌やわ」と思うような人選だが、実はこの構成が案外面白い。アストラがメインでユーチューバーとしての矜持を訴えるエピソードは現代の子供たちに大人気の職業が一体どんな風に受け入れられているのかをなんとなく想像できるし、これまでのように絶対的な存在ではなく、総選挙で順位を上げていくことを至上命題としたアイドルの卵であるエリのスタンスも色々刺激があって面白い。特にエリの方は、最初のうちは「こんなことやってるから人気でないんやろ……」と寒々しく見ていたはずなのに、回を重ねるごとにだんだん魅力的に見えてきて、最終的には「CD買って投票したろかな」とか思えるくらいまでに立派な正ヒロインになっていた。ドカちゃんが可愛いので、コンビとしての相乗効果もあったのかもしれない。ミュージモンもクッソ適当な奴なのになんか無視できない保護欲が沸き起こる愛らしさがある。そういう意味では一番陰が薄いのって実はガッチモンだったんじゃねぇかな。放送開始時には「永遠のサブ声優と言われたゆーみんがついに主役やで!」と息巻いていたのに、蓋を開けてみればハルってどこまでも地味で結局脇役くさいという……。ゆーみんのせいじゃないからな!

 こうして色んなキャラが独自の見せ方で引き立てられていたのが良い点。その反面、おもちゃの販促としてはどうだったのかな、っていうのが気になる部分で、具体的には、最終的にそこまでアプモンのバリエーションが増えなかったこと、そして、終盤の見せ場になるはずの神アプモンがあんまり魅力的に見えなかったこと。アプモンの数については、そりゃまぁアプリが元ネタになっているのだからポケモンや妖怪ウォッチのように際限なく数を増やすことはできなかろうが、少し前に放送していた「カミワザワンダ」のプロミンでももうちょっと数があったわけで、中盤以降に固定キャラの物語になってしまったのは制作側の狙い通りだったのかどうかがちょっと疑問である。そして、このデザイン、この機能で子供達が「集めたい!」と思うのかどうか。まぁ、アニメだけで判断するんだから商品の売れ行きはどうでもいいのだが……。もうちょっと魅力的な展開もあったかなぁ、という気はする。あと、個人的には最終盤でユージンが正体を現した時にお子さんたちがどんな反応だったのかは気になるところ。どれくらいの年齢になったら、「ハイハイ、AIAI」って受け入れられるようになるんだろうな。

 個人的には大して刺さったわけではないが、「多分この枠はこれでいいんだろう」と思えるくらいの内容はあった作品。ただまぁ、個人的には、これを見てユーチューバーを目指すお子さんたちが増えるような世界は……嫌だな……。

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「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」 6→5

 オチのカイザルさんのビジュアルがやばすぎませんかね?! らしいといえばらしいオチではあるのだが、ハッピー……エンドか?

 相変わらずのクオリティを維持し続ける作品。2クールという長丁場になった今作でも一歩抜きん出た映像技術は維持され続けており、ニーナの細かい表情から最後の怪獣大決戦に至るまで、画面の質で文句をつける部分は1つもない。MAPPAの技術のなせる技か、それともソシャゲマネーという現代の錬金術が実現せしめたものなのか。まぁ、とにかく贅沢だった。

 映像品質だけなら文句なく良作であり、シナリオラインも王道といえば王道のラブロマンスの文法だったのだから文句をつける部分はないはずなのだが、なんか、こう……長いんだ。中盤からの展開が、ダレてしまったんだよな。最初のうちは本当に毎週ドキドキしながら見ていたのだけども、どの辺だっただろうか、本格的にシャリオスとアザゼルがぶつかり出したあたりから、全ての展開が間延びし始めて、あまり意味のないカットの長回しが増えた。シナリオが王道すぎるため、次に何が起こるかは大体分かっている状態で無駄に引っ張る展開が増えてしまった。多くの作品で「1クールだと尺が短すぎるんだ」と文句を言うが、今作の場合、2クールだと長すぎたんじゃなかろうか。アザゼルの苦悩とか、ムガロの生い立ちの葛藤とか、1つ1つの要素は必要だと思うのだが、大体どうなるか分かってるんだから、そこまでじわじわ描くようなもんでもないだろ、という部分が多かった。時間をかけた割には、悪魔と人間の関係性って綺麗に解決するもんでもないから、最終的にちょっともやっとするものも残るしなぁ。

 まぁ、キャラへの愛着がきちんと根付いている人間にとってはこれくらいのゆったりした展開でも味わい深いのかもしれないけどね。個人的にはファバロが元気だとそれだけで楽しくなるので、彼の活躍シーンだったらもっと見たいと思えるものになってたし(登場シーンが最高のタイミングだったのが本当にファバロらしくてよかった)。新主人公のニーナも純正のヒロインとして文句なしの可愛らしさ。恋する乙女の魅力が素直に出ていた良ヒロインである。まぁ、恋のお相手がKYオレサマ系男子じゃなかったらもっとよかったんだけどね……。いや、シャリオスはシャリオスで悪い奴じゃないこともわかるんだけどさ。最終的に光を失った王様と声を失った女の子のラブロマンスっていう救いのない状態になっているので、「テメェラだけ幸せになりやがって」みたいなやっかみようもないのが悩ましいところである。

 トータルすれば、相変わらずのバハ様クオリティは文句なしの結果を出したが、豪勢な材料を使ってるんだから、2クールという長丁場をもっと刺激に満ちたものにする工夫がもう一つ欲しかったかな、という感じ。王道ならではの安心感から、こういう欲求も出てくるのかもしれませんがね。まだまだバハムートは滅びないようなので、ひょっとしたら次の展開もあるのクァもしれませんね。

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「バチカン奇跡調査官」 4→4

 キリスト教って変な宗教ですね(問題発言)。まぁ、多分他の宗教も漏れなく他と違って変なんだけどさ。

 想定していたよりもはっちゃけていた作品。ある程度真っ当なミステリとして押さえる部分は押さえるのかな、と思って視聴しており、実際、ロジックを作る部分は不自然なほどにロジックを意識した発言なんかも飛び出してきて、いかにも元新本格作家が書いたシナリオにはなっているのだが、さりとて今作のレーベルは「ホラー文庫」である。必ずどこかで本格ミステリの範囲からは飛び出してしまう。その切り替え部分、「そこは説明ないんかーい!」みたいな絶妙なアンバランスさが、苦笑ものだったり、かえって味わいだったり。「だいたいナチスのせい」って言って問題ごと全部押し付けるのも笑えるが、元々「こんな奇跡が起こりました! 科学では説明できないから是非とも調査してください!」って言われて出向いて、現地に行ったら「この地方にはそういう技術があるんですよ」って言われて解決するっていう。他にも悪魔の力を借りた壮大な脱出ゲームに興じたり、単調になりがちなミステリの文法の中で、斜め上に「アニメ向き」なデザインも楽しませてくれる作品ではあった。

 そういう意味では当初の期待よりは面白かった部分もあるのだが、それでもやっぱり脚本が「アニメになると面白い」とまでは言えないのはしょうがないところか。ほとんどのシーンは「状況の説明」に終始する作品なので、どうしたって映像としては単調になり、その全てを台詞で説明させなければならない。ミステリアニメってのは最近でもポツポツ作られてはいるが、「ダンガンロンパ」「逆転裁判」など、そのどれもがあまりアニメにしたことによるプラスを感じられるものではなかった。どうしたって食い合わせの悪さは避けられないのだ。

 本作の場合、そうした「ミステリ」「ホラー(トンデモ)」という要素に加え、平賀とロベルトの友情物語としても一定の重みを持ち、多分アニメとしてウケる要素があるとしたらそっち方向でキャラを売り込む戦略だろう。実際、展開したシナリオの半数はロベルトの過去だったり、平賀の現代だったりに関わったものであり、謎を追うついでに各々のアイデンティティにも言及する方向だった。2人の友情やら(愛情やら)を楽しみに見る人間にとってはその辺りが加点要素になったんじゃなかろうか。ただ、残念ながらミステリ要素を強めに見たい人間にとっては、「ロベルトの親父さんが実は……」みたいな話は都合のいい(都合の悪い?)偶然がとんでもない比重でのしかかってくるという、いわばイレギュラーであり、あんまり歓迎したくない要素でもある。この辺りはなかなか全方位に売り出す形は作りにくいか。

 おそらく、「この原作をアニメ化する」という課題に対しては、ベストとまではいかないまでも、ベターな結果は出せていた作品だと思う。出来れば、もうちょっと画面中心に見せられるだけの時間的余裕があれば、見ている側も一緒に思考して楽しむ形の見方が可能になったのだろうが、残念ながら尺が切り詰められてしまい、マシンガントークですぐに解決に入っちゃう「説明を聞くだけアニメ」に終わってしまったのはもったいなかった。原作はそれなりに巻数も重ねているみたいなので、もし2期があるなら、もうちょっと腰を据えた作品作りが見て見たいものだ。

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「時間の支配者」 5→4

 ジャンプ漫画といえばジャンプ漫画。とにかく勢いでバトルして進んでいく筋書きなので分かりやすいような気もするのだが、今ひとつストーリー進行を追うのに身が入らなかったのはどういう理由があるのだろうか。

 まず、全体を通じて大きな目標が見出しにくかった、というのがあるかもしれない。そもそも主人公のヴィクトの記憶が曖昧な状態から始まるので主目的が見えないのはしょうがないのだが、そこから「敵対組織」としてクロノスが出てきたり、計のでかいのが出てきたり。まぁ、1ステージクリアして次のステージ、という構造自体はジャンプ漫画の王道でしかないのだが、主人公パーティが「〇〇したくて旅をしている」というのが分かりにくかったのがハードルの1つ目だろう。

 2つ目のハードルは、全体的にバトルで使える能力が地味であるということ。途中からさっさと路線変更して炎だの氷だのとバリエーションは増やしていたが、基本的には「時間の支配者」なので「加速」「減速」が全員共通の武器。能力バトルものならどっかの能力者1人が持っているタイプのやつだ。それをいくらか工夫して使い分け、個人の戦略に組み込んでいくという設計はなかなか意欲的ではあるのだが、どうしてもアニメとして画面の中で説得力を持たせるのが難しい。能力使うと空間上に「加速」「減速」って表示されるのも分かりやすさ優先とはいえ苦肉の策という印象。全体的にもっさりした演出だ。シナリオ・映像双方にちょっとした難点があるため、どうしても印象は辛くなる。

 もちろん、独自の良い点もちゃんと存在はしている。「時間」をテーマにした作品なので過去やら現在やら、時間を超えたファクターが何度も絡みあってキャラクターを「掘り下げる」のではなく「掘り直す」という行程はなんとも不思議な感じはある。ヴィクトを中心として、彼の過去が明かされていくことですでに存在していたはずのミーナとの関係性などが再構成されていくと、見ている方も「ひょっとしたらこんなことがあったのかなぁ」と間を埋める想像ができるというわけだ。そうでなくても、ヴィクトたち家族3人の物語はビジュアルがなんとも珍妙なものになるので、それだけでなんとなくムズムズするような違和感があって面白い部分。釘宮ボイスのキャラのフォーマットからいっさいはずれていないのに、「旦那思いの一児の母」というキャラ属性を満たしているミーナが良い立ち位置である。

 全体を見ると、それなりにオリジナリティのある設定だし、最低限少年漫画としての要項は満たしているものの、原作がまだそこまで巻数を重ねていない状態からアニメシリーズを捻くり出した影響なのか、あまりアニメーションとしての練り上げが出来ずにもったいないことになった、ということかな。2期はあるのかなぁ、あの終わり方だとなんとでもなるなぁ。

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「ゲーマーズ!」 6→6

 亜玖璃さんの尊さ(挨拶)。最後の最後までそこはきちんと貫き通してくれたので、僕としては満足です。他の二人のヒロインもそれぞれに良いキャラではあったので、亜玖璃だけをピックアップしすぎるのも贔屓の引き倒しになってしまう可能性もあるのだが……しょうがないのです。大久保瑠美は私の中では20本の指に入る最高声優ですから(指多いな)。

 毎回感想を書いていたので特にまとめる部分もないのだが、1話目で期待されたことはだいたい達成してくれた作品。1話目で抱いたなんとも言えない違和感、「普通のラブコメとはどこか違うぞ」というズレの部分は回を増すごとに大きくなり、最終的には「勘違い錯綜ラブコメ」というジャンルにたどり着いた。まぁ、すべての関係性が分かりやすい状態で表面化するという結末に至ったために「えも言われぬ絶妙なもどかしさ」みたいな楽しみ方はできなくなってしまったが、単なる勘違いラブコメでも、稀代のクズである景太という(ある意味で才能に満ち溢れた)主人公と、その盟友にしてプロ勘違いツッコミ野郎の上原さんというコンビが絶妙にコントを盛り上げてくれる。これに乗っかるのはポンコツ要素をすべて可愛らしさに転換させるという剛腕を持つ天道さん、オタクの憧れをシンプルに具現化した千秋、そしてGODDESS OF GODDESS亜玖璃さんという最強の三本柱。密に絡み合う5角関係に隙はなく、ほぼ毎話、作品の売りであるぶっ飛んだ展開を維持してくれた。もちろん、それ以外の話数でも独自目線から萌えであったりラブであったり(エロであったり)と攻めの姿勢を崩さずに刺激を提供してくれたのはありがたい限りである。

 キャラの造形もものすごく好みだったので、本来ならもう1点の加点もあり得たのだが、そこは残念ながら途中の作画。まぁ、こんだけふざけた内容だと多少の作画崩れも味わいみたいなところはあるのだが、流石にあれは制作側が意図した「崩し」であるとは思えないので、そこは涙を飲んで減点対象とさせてもらった。最終回のために全てを犠牲にしたのかしら。だとしたらそれはそれで……。

 というわけで、原作の方もまだまだカオスは続いているそうなので、数年後に何かの間違いで2期があったら嬉しいですね。まー、この手の作品ってなかなか2期はやりづらそうだけどさ。個人的には、その頃までに石見舞菜香がどこまで登りつめているかというのが気になる。「2代目茅野愛衣」の呼び声も高いが、プロフィットは本当にこういう才能を見つけるのがうまいな。

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 何も、終わって、ネェ! 最終話! だが! それでいい! ひょっとしたら過去最高の可能性すらありうる! 何だそれ!

 というわけで、結局恋愛トラブルは何一つ収束しないままにアニメシリーズとしては終了してしまいました。まぁ、事前に知り合いから「一切片付きませんよ」っていう情報は聞いてたので覚悟はしてたんだけどね。ただ、だからと言って「消化不良やんけ! 金返せ!」という感情は一切なく、「そりゃそうだよね! おっぱい!」というエモーションに満たされているので、私は一向に構いません。甘い作品にはとことん甘くなれる、それが俺。

 この最終話がなぜ良かったのか、その理由をいくつかの理由に分けて説明しよう。まず1、アバンの時点で終わらせる気がないことが明示されている。………………なんだあれ、何が起こったのか何一つわからねぇぞ……あれって妄想劇場なの? 事実なの? なんで今出てきたの? とにかく全部わからないのだが、分からないものが突然なんの脈絡もなしに繰り出された時点で、「あ、今回もギャグだ」ということがはっきりわかって、余計な緊張感を持たずに最終話を楽しむことができました。あのアバンの謎については、2期があれば、ひょっとしたら、解決……しなくてもいいな。

 最終話が良かった理由その2、これまでで一番ゲームの話してる。いや、今まで必要なかったとかいう可能性は置いとくとしてな。恋愛勘違いゲームだけなら他の作品でも見られたかもしれないが、ゲームの功罪、ゲームの意義について、ただひたすらにこれだけの議論をするのは「ゲーマーズ」を名乗っているこの作品ならでは(のはず)。唯一ゲームに関心のない亜玖璃を論戦相手に設定し、ゲームのここが面白い、ここが大事、ここがクソ、というのをきちんとフラットな視点から議論している。まぁ、その上でゲーマー連中が4人も寄ってたかって一人の素人に論破され続けている時点で、現代ゲーム業界の窮状を表しているようにも見えるのだが……。「ゲームは無駄が許される媒体」っていうのは面白い視点かもしれません。でもなぁ、はるか昔のファミコンのゲームも、学生時代に全てを投げ打ってプレイしていたゲームも、今手慰みでやっているソシャゲよりもよっぽど強烈な体験だったのは間違いないと思うんだよなぁ。思い出補正とか抜きにしてもさ。まぁ、多分お金を費やすか時間を費やすかの違いなんじゃないですかね。代償と充足の関係性って、そんなものよ。

 最終話が良かった理由その3、亜玖璃が超しゃべる。今回一番台詞が多かったキャラクターは文句なしで亜玖璃。つまり、最終回で一番しゃべっている亜玖璃がメインヒロインということでファイナルアンサーですね。悪意なくサラリとゲーマーの心をえぐる正論を連打できる亜玖璃さんの尊さがよくわかるお話で、マジで上原さんはこの奥さんを大事にしろよ、って思うんだけど、残念ながら亜玖璃さんは地上でもっともかわいい生物なので、景太みたいなクズでもなぜか優しさ溢れるつながりがもててしまうんでしょうね。

 最終話が良かった理由その4、その亜玖璃さんが大変に可愛い。うん? その3とだいたい同じだと? いや、大事なことですからね。個人的ベスト亜玖璃さんは、序盤の温泉街散策で湯気に向かってパタパタと手を振ってる亜玖璃さん。他にも上原さんに課金するかと問われてじゃぶじゃぶつぎ込む亜玖璃さんも実に素直で可愛らしい。やっぱりこの声のキャラは何かに夢中になってヨダレをジュルジュルさせている姿が一番似合うんですよね。上原さんとの関係性を持ち出されていちいち乙女の顔になる素直な亜玖璃さんは最高です。

 そして大事な大事な理由その5、素晴らしい温泉シーン。これ、すごいと思うんですよね……お約束だとか、サービス回だとかそんなちっぽけなもんじゃねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を……。まず、ヒロイン3人の身体がとにかく理想化されたベストのサンプルであること。文句なしのモデル体型の天道さん、地味巨乳とかいう凶器を振りかざす千秋さん、そしてこのCVの割には控えめながらもちゃんとメリハリのある亜玖璃さん。この三者三様のナイスバディを、余計なモザイクや効果を使うことなく、さりげなく隠し、さりげなく見せるカット割の妙。これまで微妙に作画がヘタレていた話数があったにも関わらず、ここにきて最大の力を発揮した見事な描き込み。そしてフェティシズムを満足させるためにありとあらゆるアングルから動きで見せる女体の神秘。こんなに心踊る温泉シーンは久しぶりに見た気がします。天道さんの背中の見せ方とか、亜玖璃の腰から尻、太ももにかけてのラインとか、千秋の凶悪な揺れの見せ方とか、なんかもう、全てがこの時のために用意されていたかのような感慨深さである。ラストだからサービス回。そんな安易な考えだけでは、この画面は用意できなかったはずだ。つまり、エロは素晴らしいということだ。

 いや、他のシーンでも天道さんや千秋は充分可愛かったですよ。でもさ、ほら、やっぱり、もらえるものはもらうというか……、せっかくのアニメなんだからやれることやっとけというか……。とにかくありがとうございます。強いて心残りを挙げるとしたら、せっかく天道さんがいるのにイカちゃんもどきに声をあてられなかったことくらいですかね! 権利関係とかかな!

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「ようこそ実力至上主義の教室へ」 4→4

 最後の最後まで、一番最初の疑問が残りっぱなしの作品でした。つまり、「実力って、何?」である。

 個々のパーツだけを見れば、何となく成立している感のある作品。ある時は法廷ものっぽいデザインになり、ある時はプールを舞台にしてお色気ドタバタ。最終的にはサバイバルと犯人当てミッションを混ぜたような孤島生活。主人公サイドが「勝つ」という結論はややこしいものではないし、それなりに智謀知略の果て、という印象も出ている。バトルもの、学園ものとしてはフォーマットは守っているのだ。しかし、それだけ色々なことをやっておきながら、「実力って何の実力が試されてるのさ?」という疑問に対する答えは用意されないまま終わってしまった。

 主人公のキャラクターは、非常にわかりやすい無敵設定。賢さは当然のこと、さらに身体能力にも優れていたり、盛りすぎの感すらある。そして、そんな完璧超人が「何らかの理由」で実力をひた隠しにしており、その話し方に象徴されるように、いわゆるヤレヤレ系主人公とは一線を画す、病的なまでの「無反応」「無感情」を貫き通す。これはこれで個性として面白い部分だが、そのため、今作ではますます目的意識が希薄になっていくのである。主人公は自分から積極的に何もしようとしない。学園側も何をしたいのかわからない。そんな状況で若者たちが必死に戦っているのは、近視眼的には「明日の生活のため」という非常に即物的な理由である(主人公や堀北にはそれ以外の理由も匂わせているとはいえ)。モチベーションがそんな半端な状態では、そりゃぁ学生たちだってなかなか身が入らないでしょうよ。サバイバル生活の中で遊び半分の適当な行動もとるでしょうよ。盗撮を試みて自らポイントを下げるリスクも背負うでしょうよ。あまりにも作中のキャラたちのやる気に差がありすぎるので、どれほど真剣なお話なのか、なかなか軸が見えないのである。

 そして、そんな学生たちの微妙なモチベーションもしょうがないかな、と思ってしまうのはこの学園自体が謎すぎるため。結局、この学校は何を養成したくてこんなわけのわからないカリキュラムが敷かれているのかさっぱり明かされないまま終わってしまった。エリート校として規律規範を学ばせたいなら幾ら何でも自主の精神が強すぎるだろうし、自らの力で問題を解決していくオールラウンドな「対応力」を育みたいなら、半端にマナーやらルールを守らせる規律を作る意味もない。この学園は、変なところで大胆な割に、根っこにあるシステムがあまりにチープなのである。舞台設定がよくわからなければ、その上で行動する人間の狙いが定まらないのはしょうがないことだろう。

 作中人物の目標が定まらないということは、もちろん視聴者サイドの視点も定まらない。我々はAクラスを出し抜くための超すごい戦略を考え出す主人公を手に汗握って見守ればいいのか、緊迫してるはずの集団生活の中で突如下着ドロが発生してヒステリーを起こす女子に呆れればいいのか。問題のレベルがあまりにも幅広くて、片方に視点を定めると別な問題が視界の外に漏れてしまうのである。智謀知略での戦いとは言ってもそこまで感心するようなトリックを繰り出すわけでもなく、「そんなんでええんか」という肩透かしの側面が強いし(スパイでしかないと思われてたやつがやっぱりスパイだったりね)。結局、今作で一番描きたかったことって何だったのかなぁ……。

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