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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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NEW GAME!!(第2期)」 5→5

 コウ×りんさえあれば、別に青葉はいらないんじゃないですかね?(過激派の思想) いや、青葉さんも成長しましたよね、立派にね。

 1期の時や2期の開始時の感想としては「萌えものなのに社畜の苦しみとか見たくないでしょ」というものだったが、2期を経てさらに印象は変わってきた。「これ、萌えものがやりたいわけじゃないな」っていう。掲載誌のせいで勝手にこっちが思い込んでいるだけで、作者は別にキャラクターの可愛らしさで売りたいというのを本線には設定していないのかもしれない。まぁ、そうしないと生き残れないのは間違いなかろうが。

 「お仕事もの」という設定で考えると、そりゃまぁこの会社は色々とヌルいところもあるのだろうが、しっかりと社会の(理不尽な)厳しさがあり、それに打ちのめされながらも成長を続ける若手の姿がある。実に真っ当な新入社員の頑張りを描いた作品ではないか。これにねねっちも絡んでくると新入社員ですらないのが難しいところだが、まぁ、社員の雇用形態にも多様化が見て取れるというのも実に現代的な作品と言えるのかもしれない。フォーマットとしては古き良き「若手新入社員奮闘記」なのだが、そこに萌えの要素をちょい足しして、さらに現代風のアレンジを加えて出来上がったのがこの作品。こうして要素を並べてみると、自然に溶け込めるわけがないキメラであることがよくわかるな。

 幸い、視聴者の方も2期目ともなれば慣れてくるわけで、突然いけ好かない後輩社員が入ってきたとしても、ちょっと伏し目がちにねねっちだけを見ていればそのうち風当たりの強さも治まってくる。最終的に同じ会社にいる人間を悪人として描く気はないのだから(幸い、今作は社畜の厳しさを描きながらも、人間的に悪い奴というのは登場しない)、苦労の後に得られる達成感を目指してそれぞれの課題に当たっていけばいい。青葉が仕事の名義を掠め取られたことですら、最終的には「コウとのかけがけのない絆」という褒賞の前振りなのである。人生苦あれば楽あり、努力の末には必ず実りが待っている。やっぱり古き良き日本の物語フォーマットですよね。

 そうして「辛いことにもその先に成し遂げられるものがある」という救いが描かれることで、社畜物語は問題なく成立している。あとは周りを彩る萌え部分、キャラの掘り下げをどの程度の純度で行うかだ。やっぱりそういう意味では、本作は圧倒的にコウ×りんなのである。最終的にはカップルであることを隠そうともしなくなるからね。この世界には夢と希望が溢れているが、最大の「夢」がなんであるかといえば、それは「野郎の不在」なのだ。なぜか女性ばかりで回る会社。何故か恋人関係なんかが一切話題に上らないOLたち。多分婚期の話題とかする必要もないのだろう。コウさんはりんを嫁に迎えることが確定事項になっているのだから。まぁ、青葉たちがどうなるかは知らんけどな。

 男性性を一切必要としない社畜物語。やっぱり艦これとかと同じ擬人化の極みという見立ては言い得て妙だよなぁ。本当はおっさんたちの物語なのに、それをロリ成人やパンツOLにすればアニメとして立派に成立するという……。大丈夫か、日本。

 なお、本作最大の功績は、かやのみの日笠回です。

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「異世界はスマートフォンとともに。」 3→2

 もう、事故だ。これがアニメ化したことは、なんらかの不幸な事故だったのだ。そう信じなければ、ただでさえ憂慮されている日本のアニメ業界が本当に終末に向かっているとしか思えなくなってしまう。そんなカタストロフ感満載な作品である。

 もう、映像面云々とかはいいよ。いや、そっちも割とひどいんだけど、むしろこの作品を文章で読んだときに、「どんな画にするか」ってのは判じ物みたいなレベルだろう。よく、小説媒体などで「情景が浮かぶよう」という褒め言葉があるが、今作の場合、その無体な情景を思いうかべようと思ったらよほど柔軟なイマジネーションと琵琶湖並みのデカい器が必要になるのだと思われる(まぁ、俺は原作読んでないから知らないけどね)。そこはもう諦めてしまい、ただただ書かれているものをなんとなく映像にする。そこに整合性を求めてはいけないし、掘り下げられないなら映像作品としての含意も深みもありはしない。薄っぺらい映像になっていることはもちろん製作サイドの反省点だろうが、掘った穴を埋めるかのような生産性の乏しい作業を強いられるクリエイターたちのことを考えれば、身が入らないのもしょうがなかったのではなかろうか。人間、「無を作れ」と言われても何もできないのである。

 今作を見ていて、私は幼い頃の自分を思い出す。当時読んだTRPGのリプレイを真似して、クラスメイトにお手製のシナリオをプレイさせた幼い日を。小学生に細かいルールなどわかるわけがなく、行き当たりばったりのシナリオやシステムは、単にダイスを振ってモンスターを倒すだけのすごろくみたいになってしまった。あの時の「思い付きだけで次の展開を決めて、適当に進める」感覚は、本作の理念に近いものがある。また、本作を見ているといつも「AIが書きそうな小説だな」というイメージが湧く。いや、多分今のご時世、AIならもっと整合性をもたせたテキストを出力できる気もするが……。「過去になんらかの形でインプットされた類型を、ランダムに繋げてアウトプットする」という作業工程は、どこかポンコツの機械じみている。

 小学生時代の手慰みや、心を持たない機械の所業。この2つの印象の共通点は、どちらも「物語としての全体を考慮しない」ということである。物語を綴る際に最低限意識するであろう、「プロット」が今作には存在しない。どこかで聞いたことがあるAという展開が登場したら、普通の人間ならばそれを踏まえたAを次に続けるし、最終的にZにたどり着きたいからこそBCDと手順を踏む。しかし、本作はそうではない。まるでランダムに断片だけをつないだかのようなちぐはぐな「物語の形骸」がかろうじて確認できるだけである。おそらく、現代AIならばこの程度の問題は設定次第でクリアできるのではなかろうか。また、小学生時代の私でも、「聞いてる人間を驚かせてやろう」とか「ドキドキする展開にしたい」という意識は持ち合わせていた。強い敵を出して緊張感を出す、謎の人物を出して推測させる。そうして緊張感があればこその起承転結である。しかし、今作の場合、徹底して視聴者の「緊張」を排除する。まるで受けて側にストレスを与えることが絶対悪であるかのように。こんな状況で、まともな物語が成立するのだろうか。まるで場面を説明するためだけに存在するような主人公は、ストレスが存在しないためにただただ「この場面に対処する装置」の役に従事するばかりで、人間性というものが全く感じられない。キャラクターとは、一体なんなのか。

 とにかく恐ろしいものを見せつけられたという恐怖だけが残る作品。果たして、今後のアニメ業界はどうなっていくのだろう。時代の徒花として、ひっそりとその命脈が潰えることを祈るばかりだが……。

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「プリンセス・プリンシパル」 5→6

 心踊る作品でした。まぁ、百合だしね。「絶対に本当のことは言わない」とか言って涼しい顔をしてるやつが2人きりになるとコロッと素直になって笑顔を見せたりする。なんかもう、今にして思えばチョロさの極限を突き詰めたようなキャラだな。

 評価軸が複数あるのでなかなか総合的な点数を出すのが難しい作品ではある。1つずつ分けてみていくと、まず映像部分は文句なしだろう。Studio 3Hzの制作ということでCG部分も含めて抜群の安定感があり、アクションにしろ背景にしろキャラデザインにしろ、全てが基準以上の仕上がりになっている。共同制作にアクタスが参加しているということを不安視する向きもあったようだが、うまいことCGの扱いに優れたスタジオ同士の連携が取れたということだろう。霧にけぶるロンドンの薄暗さが「スパイもの」のどこかダークな雰囲気とマッチしており、ベースとなる陰鬱さと純正萌え作品としての女の子の明るさが対比的に引き立てあう。なんでだろう、日本人ってこういうブリティッシュ・ファンタジーに憧れる部分が強いよね。壁があろうがなかろうが、そこは立派なロンドンなのです。

 そんな見応えのある映像から紡がれるのは、割とわかりやすい「スパイもの」のベタなお話である。最初は直近の作品ということで「ジョーカー・ゲーム」との比較を考えていたのだが、あっちはエージェント単体のミラクルパワーを見せつける純正オレツエー作品だったので、どっちかっていうと「ルパン三世」とか、そういうチームでのミッションを見せる作品に近いのかもしれない。ちょっと癖のある「悪党」連中が、各々の優れた技術で仲間をサポートしあい、権謀術数の中を駆け回る。考えてみりゃちせは完全に五右衛門だもんな(ってことはドロシーが不二子ちゃんですかね)。1人1人のキャラに適度な個性、適度なバックグラウンド。キャラものとしても卒のない仕上がり。

 そして、このキャラものの特性をうまく引き出した工夫が、今作でも一番の特徴である「話数シャッフル&スキップ」である。どこかで「視聴者に余計な負担をかけるリスクがある」とは書いたが、結局そこまで重たくなるような要素があったわけではなく、すき間が空いたり、一時的に飛ばされた話数に関しては、視聴者が想像力を逞しくし、勝手に世界観を深めてくれるというプラスの効果が先行した。「いきなりアンジェとベアトが仲良くなってるけど、一体何があった!?」とか、「ちせさんはこの間にプリンセスとどんな対話をしたのかなぁ」とか、本来なら脚本家が詰めて埋めていかなければいけない大事な「余白」が、実に巧妙に「自由記載」されていく。もちろん、素体となる物語に魅力がなければ視聴者はそこまで付いてきてくれないのだから、しっかりとサポートがある前提での戦略ではあるのだが、充分ペイがあるとみてこのスタイルにしたのはなかなかの慧眼である。これ、多分順番通りにやって12話分で埋めてたら「フツーの萌え作品」で終わってたと思う。

 最終話の処理にはいささかの不満は残っており、消化不良と「未消化のエピソード」に無理やり因果を結びたい気持ちもあるのだが、おそらくそこは無関係。今のところ隙間を埋めるのは我々の妄想だけであり、実際に何かが用意されているというわけでもなさそうだ。しかし、そうして「まだ掘れる」という希望が残っているのも期待の持てる部分と言えるのかもしれない。アンジェたちには少しばかり地中海バカンスでのんびりしてもらって、また新たにミッションに駆り出されるタイミングを待つことにしよう。その時には、なんとかドロシーに楽しいお仕事を用意してあげて欲しいもんである。ちょっと、彼女にだけ世界が厳しすぎるから……。

 中の人については、当然メインの5人に話題は集中することになるが、みんな良かったですね。特にプリンセス役の関根明良はこれが事実上の初レギュラー。これをきっかけに次のステップに進めるかどうか。個人的には古木のぞみの小器用なところは好きだし、あと大地葉の色っぽいおねーさん役は実はレアなので嬉しい刺激。きっと本気を出せばペパロニさんだってこれくらいの色気が出せる……といいな。

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「天使の3P!」 5→5

 最高なのは音楽であって小学生ではない。えぇ、主人公がそう言ってるんだから間違いないですよ。ほら、マスコミ対策ですよね。万一今後逮捕された時にも「あの人があんなことするなんて思いませんでした」って近所のおばちゃんに言われるためのやつ。

 というわけで小学生が最高なアニメである(私はロリコンではないので)。やってるこたぁバスケもバンドも大差ないというのは事実なのだが、ちょっと落ち着いて見てみると、実はこの2つのテーマには大きな違いがある。それは、バスケなら確実に勝ち負けが存在し、その分だけドラマとしてのメリハリがつけやすいということだ。「小学生の女の子が頑張っている姿を見せる」という目的が同じである以上、その「頑張る理由」と「頑張った結果」を見せなければドラマが成立しないわけだが、バスケットボールなら「頑張る理由」は「勝ちたいから」、「頑張った結果」は「勝った」で良いので非常にシンプル。しかし、バンド活動の場合はそう単純な話ではないので、ドラマ作りの下準備が必要になる上、結論も簡単には出せるものではない。

 そういう視点で見ていくと、本作の筋書きはなんだか変な方向に突き抜けている。当初の「孤児院をなくしたくない」という目的意識は至極真っ当なものだが、まさかそのあとの展開としてバンドもので「島編」がスタートするなんて思わなかったよ。なんやねんあれ。もう、バンドとか正直どうでもよくなったな。まぁ、あっちは「小学生もの」を突き詰めた結果ということで……アニメシリーズとしては、ラストに対バンを持ってきてるからちゃんと「勝ち負け」も表示されたし、一応収まりは良かったのだが……なかなかのフリーダムっぷりであった。

 正直、そうしたシナリオラインの不安定さは苦笑ものであり、作品全般を通じて「バンドもの」というジャンル特有の魅力を押し出せたかというと疑問が残る作品になってしまっている。結局、「小学生ならではのバスケ」ってのはまだ画面映えもあるし、戦略的な見所や成長性をメインにした物語はあるのだが、「小学生ならではのバンド」ってのを打ち出そうとすると、そこには「未熟さ」みたいなものしか出てこず、それを良しとしなければ、あまり「ならでは」の景色が見えてこないのだ。アニメとしても演奏シーンはごく普通のレベルで収まっていたし、「音楽は最高だぜ!」と言いたいならもう少し頑張って音楽部分を突き詰めて欲しかったなぁ、という感想(私はロリコンではないので)。

 ただまぁ、そうしたメインテーマのブレはあるものの、結局本作のメインテーマは音楽じゃねぇからな……。何が最高なのかは各人で自分の心に問い合わせておいてくださいね。何とは言わないが、そっち方面では相変わらずブレずに力のある作品である。なんであんなに膝裏に執念を燃やすんだろう……。個人的にははむはむが好きです。私は割とチョロいタイプの人間なので(ロリコンではないです)。毎週次回予告がやたら楽しみで、今ふと「まとめ動画とかないかなぁ」って思ったら普通にあった。あんなもん、今の若い子には元ネタ分からないよね(俺も詳しくは知らないんだけどさ)。

 そして、個人的に注目すべきはやはりキャストの起用方法だろう。作品を超えたこのあけすけな起用はあまりにも大胆かつ予想外でさすがに笑う。ある意味で「境界のRINNE」の高橋留美子大甲子園に似たようなところがあるな。しっかりと世代交代をしながら、「親分がた」もしっかりとロリキャラを維持しながら登場しており、多数の小中学生が大挙する結果になったため、メインのヒロイン勢の中に3、4人ものツンデレがひしめくという群雄割拠の様相。やはり伊藤かな恵のツンデレは釘デレ同様に文化遺産としての価値がある。花澤キレ芸も同様だし、ラストで若手に席を譲る気はネェとばかりにキャラソンのプロモを展開する井口のふてぶてしさも見事なもの。これだけの強豪を相手に、若手3人はよく戦ったと思う。ちゃんと結果も出せてるしね。なお、親分がたもほぼ全員がロリキャラとして参戦する中、さすがに1人だけやめてくださいと言われたのかどうか、ババアになってる人がいるあたりは立ち位置をしっかり理解した完璧なキャスティングだと思います。膝を大事にね(オチ)。

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「セントールの悩み」 5→5

 モンスター娘のいる日常でしたね。なんとも不可思議なこの世界、見た目は異質なのにやってることは極めて「日常」。こういうファンタジーってのもありなのかな。

 映像作品として考えた場合のクオリティは正直そんなに高くない。今作は中国関連の制作スタジオが自社のPR作品として大々的に宣伝を打ちながら攻めてきた記念碑的な作品なのだが、残念ながら黒船来航という感じでもなく、「だいぶ日本のアニメーションに近いテイストも出せるんだな」という程度のもの。おそらく国内スタジオで本気のどこかが担当すれば、もっとクオリティの高い作画は実現したのだろうが……、ただ、ぶっちゃけ今作はそこまでの超絶作画が求められるような性格の作品ではないんだよね。動きも少ないし、ドラマティックな演出が求められているわけでもない、ひどい言い方をするなら、原作漫画のコマを描き起こし、間を埋める動画を繋ぐといった趣の作業だけでも割と成立する。別にそれだけの作業だったというつもりはないが、肩肘張らずに素直に原作の良さだけを引っ張り出す作業に従事してくれていたと考えれば、アニメ化の成果はそれなりのものだったと思う。実際、姫君は割と可愛いと思えたしね。

 そして、そんな最低限の動画部分から繰り出されるストーリーが……なんとも不思議なんですよね。1話時点で大体説明が終わってしまった「亜人種に溢れる世界」設定は、そこに「特別」が存在しないというならばもう1話目のビジュアルだけで終わってしまうはず。究極の出オチ作品だ。あとは角や羽を持った女の子たちが学校でだべっているだけなら、それは本当に「日常系作品」でしかなくなる。しかし実際には、今作の場合はちゃんと「違い」の部分が掘り下げられ、「かつて人類種が多様に分裂し、異なるものが共存する世界が生まれた」という設定によってこの世界に何が起きているのか、ユルい雰囲気を維持しながらもきちんと考えさせられるように作られている。南極蛇人の設計なんかはちょっと極端すぎる例かもしれないが、例えば「じゃぁこの世界におけるお化けってどうなるんだろう?」とか、「芸術作品の理解は種族を超えるものか?」とか、そして突き詰めた問題として「これだけの種がある中で恋愛感情はどうなるんだろう?」なんて問題も。本当にどうでもいい問題だとも言えるし、この世界を作ったからには突き詰めたい世界の不思議とも言える。そうした「日常だけど非日常」な要素を、哲学のような、倫理学のような、道徳の授業のような、ふわっとした視点から掘り下げるというのは、特別な求心力があるというわけでもなかろうが、どこか気になる、不思議な心地のテーマ設定であった。

 アニメ業界では「日常系」ブームも一段落した感があり、今は日常をそのまま異世界に移して「異世界もの」が人気。しかし、「異世界が来い」とばかりに逆輸入してくる設計だけでもこれだけ新鮮な感覚が味わえる。まだまだ色んな鉱脈はあるんだろうなぁ。

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 何も捻られなかった!! 最終話! ことごとく予想を裏切ってくれる作品である。まー、さすがに捻ったネタを仕込むだけの尺の余裕はなかったか……。

 前回からの引きで、「さぁ、チェンジリング作戦は今いったいどうなっているんだ?!」とドキドキしたのだが、なんと前回のエピソードで表面上に見えていた図式が全て事実だった。なーんだ。かなりの肩透かし。というか、そうなるとやっぱり前回のプリンセスの反応にどうしても違和感が出てしまうのだが……アンジェのことを大切に思うあまり、彼女の安全確保を狙って多少強すぎる調子になってしまったってことなのかなぁ。でも、それだと最終的にプリンセスはアンジェのことが理解できていなかったし、アンジェもプリンセスの執念を甘く見ていたということなので、百合関係の評点は大きく下がることになってしまう。いや、お互いに本当に大事に思い合っている部分は認めるのだが、こちらとしては「何も言わずとも全てを分かり合える現し身」みたいな関係性を求めていたわけで、痴話喧嘩とすれ違いでドタバタしちゃったのはちょっと残念。

 そこで、今回おもむろに株を上げにかかったのはアンジェ×ドロシーのカップルである。やっぱりドロシーお姉さんは格好いいですね。雪の降りしきるロンドンの街、銃弾飛び交う鉄火場でも常に乳は出しっぱなしというこだわりには畏敬の念すら覚えますよ。まぁ、ちせの格好もおかしいしな。こいつら寒いって感覚ないんだろうな。とにかく、失意のアンジェを救ってくれたのは「お前ら登場が便利すぎる」というツッコミ待ちのドロシー、そしてベアト。ベアトは最終回だからまた何かでっかいキャスト変更があるかと思ったら、結局何もせずにひたすらワーキャーいってるだけだった。だが、それがかわいかった。ドロシーさんはこれまでの鬱憤を晴らすかのようにアンジェに意趣返しの「嘘」を繰り出してしたり顔。その後は持ち前のドラテクでダービー弟すら倒せそうな見事な走りを見せる。この人がいるからチームはなんとかやってこられたんだろうなぁ。そして当然ちせさんは便利な防壁に。もう、この世界の銃弾は確実に刀で落とされるためにある。

 どういう裏事情があったのかはわからないが、とにかくチームはあっという間に復活。あとは肝心要のプリンセスを奪還するだけってことで、ダイナミック潜入アクションになるわけだ。まぁ、反重力ボールさえあれば色々とどうにかできますので。っつうかさ、ドロシーたちがあんだけ簡単に式典会場の屋根裏に進入できちゃったってことは、クーデターチームがあんな大胆な作戦を考えなくても割と簡単に暗殺者とか派遣できそうだよね。ドロシーさんたちはやっぱり特別優秀なのかな。とにかく、式典会場の屋根裏ではプリンセスがゼルダさんや小野Dボイスの格好いい兵隊さんたちと一進一退の攻防を繰り広げていた。プリンセスもかなり追い詰められた状況からのスタートだったが、幸いゼルダの暴走も他の兵士たちとのコンセンサスはない状態なので、プリンセスはとにかく彼女の動きを封じる方向に進めればなんとかなるという状況。ここぞというタイミングで発揮された彼女のスキルが「プリンセス」ではなくて「スリのアンジェ」としての能力だった、というのがなんとも皮肉めいた関係性を匂わせてニヤリとさせられる。有能なゼルダの前では精一杯の抵抗も空回りに終わってしまったが、時間稼ぎが実ってなんとか王子様が間に合った。ドタバタしながらもなんとか「プリンセスの救出」と「女王暗殺の阻止」という2つの目標だけは達成できた。ただ、コントロールとの関係性も含めて、色々と禍根を残してしまったのは事実だよなぁ。今後もプリンセスってそのままのポジションで活動できるのかしら……。

 ラストはサブタイトルから「壁が崩される」のかと思いきや、壊すことができたのはアンジェの心の壁でしたよ、っていうオチ。むぅ、しょうがないとはいえ……やっぱりちょっと物足りないぞ。これは是非とも続きを作ってもらわなきゃいけませんなぁ。いや、続きよりも先に「穴を埋めるエピソード」が必要ではあるんだが。制作チームは、どの程度「この先」を考えているのかなぁ。

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「ナイツ&マジック」 5→5

 なんとも珍妙な作品であった。まぁ、テンプレラッシュに辟易させられる昨今、異世界転生というテンプレの塊の中で「珍妙だ」と思わせるだけでも意味のあることなのかもしれません。

 もちろん、テンプレはテンプレである。1話目時点ですでにテンプレ設定で倍満くらいは弾き出しており、お仕着せの設定が多いので世界設計のそこかしこに齟齬や違和感が生じていたのは事実。ロボットの設定なんかも、エルがこの世界の技術革新を行う土台が最初から整えられていたわけではなく、とにかく行き当たりばったりにエルがシルエットナイトを強化していくというオレツエーの極みなので、現地の人たちのオツムをバカにしすぎなのは間違いないし、周りの生活レベル、文化レベルと明らかに乖離が生じたりしている。そういう部分で、やはり世界づくりの側面は失点が多い。一歩間違えば異世界でスマホな展開待った無しである。

 しかし、今作の場合は「これ、異世界じゃなくてもいいよね」という根本的な設計ミスが、かえって作品を他作品から切り離して独自路線を突き進むための燃料にしていた感がある。誰しも思ったことだろうが、エルの設定に必要なのは「頭がイカれているとしか思えないくらいのロボット崇拝者であり、人知を超えた設計思想と情熱を持ち合わせている」という部分だけであり、そこに現世の知識は一切関わってこない。だって、現世にもロボットいねーもん。無い知識は持ち込めないわけで、エルは現世のプログラマーが転生しようが、たまたまそういう特殊性癖の美少年があの世界に生まれようが、なんの違いもないのである。「幼女戦記」のように度々現世での記憶が蘇り、そこに因果が含まれるなら分かるのだが、エルの場合、2話以降で現世のことを振り返る機会すら与えられない。まぁ、そりゃ、いらないからな。

 こうして「転生ものだけど実質的に転生要素ゼロ」という設計のおかげで、本作はオレツエーなのに「現世の知識を活かして活躍するよ!」ではなく「とにかく天才少年がフェチズムを燃料にやりたいことをやるよ!」というデザインにすり替わり、独自路線を歩むことになった。最初は可愛いと思えていたエルのロボット愛も次第にその病巣を深め、最終話に至っては相手技術者が頑張って開発した(有用な)兵器に対し、「自分の美学に反するから許せない」という理由で叩き壊すという暴虐にまで至っている。人間性としてはただのクズなのだが、主人公のキャラを立てるための設計としてはむしろ面白い。「あぁ、こいつ、マジで恒久平和の理念とか人類愛なんてものは持ち合わせてないんだ……」ということがよくわかり、今後の展開次第ではエルがロボットの機能をアップさせるために何百万という人間を犠牲にする展開だってありえない話ではない(まぁ、さすがにその程度の倫理観は携えているようだが)。

 「変態少年のワクワクロボット開発記」という独自ルートを突き進む本作。アニメーションとしては最大の武器がそこにあるわけで、今季作品の中でもかなり安定した作画状態がロボ+異世界のデザインの中で確実に起こる超絶進歩の色合いをわかりやすく見せてくれている。ボトムズ以下から始まり、最終的にストライクフリーダムになるという超速進化はもはやギャグ以外の何物でもないのだが、まぁ、そういうネタなんだからしょうがない。「敵国の順応度高すぎやろ」とか、「プログラマーの癖に機械工学強すぎだろ」とか色々と突っ込み要素はあるものの、あらかたの矛盾点は「ロボットは美学なんです」というエルの剛腕でねじ伏せられる。あとはまぁ、鬼のような才能の周りに人が集まってくるだけですからね。エルは人としては最低だが、あまりにも純粋すぎるのでかえって敵を作らずにオレツエーの中で馴染んでいられるのは立派だと思う。ハーレム展開になるはずなのに欠片もハーレムに興味を持たないショタデザインというのも、他作品との差別化が図れるグッドアイディアだったのかも。

 問題が多々ある作品あのは事実だが、異世界転生という紋切り型の入り口から、こういうヘンテコなものが出てくるっていうのは現代アニメ文化の中でもなんらかの希望的な要素ではあるのかもしれない。そして、高橋李依のショタ役も実に良いものであることが分かったという収穫は大事にしていきましょう。この子は本当に「頭のイカれた爆裂娘」が似合うよな。エルくんもどこぞの駄女神に頼んで変形合体デンドロメイデンを作ってもらえばいいと思うの。

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「へボット!」 ー→7

 どんなアニメでも終わったときには達成感とか、安堵感とか、喪失感とか、絶望感とか、色々な感情が沸き起こるものだが、今作ほどの喪失感を与える作品もなかなかないだろう。奇しくも最終話のテーマが「にちようびのせかい」だったが、まさに日曜朝七時がこの世界から消えてしまうに等しい所業である。

 おもちゃは売れていなかったという。まぁ、そりゃそうだろう。大人から見たら「なんやねんこれ」の極みの商品だったし、子供さんだってお母さんに必死にしがみついてなんとか1つだけ買ってもらうなら、わけのわからないDXヘボットよりも変身ベルトや巨大ロボットを買ってもらった方がいいと考える。カードゲームのような細かな商品ならまだ売り上げも積み重ねられようが、大味なネジというわけのわからない商品で、どれだけ捌ける算段があったものやら。番組中盤以降、新商品ラインナップが全部ポシャってしまったせいで延々最初のエトボットとペケットのCMだけが流され続けるという状況には、制作チームの悲哀が感じられるようだった。

 おもちゃが売れなきゃ駄目なのは日曜テレ朝枠の宿命。本作はおそらく首脳陣からは失敗作の烙印を押されることになるのだろう。でもさ、そんなもん、見ればわかるやん。オメェなぁ、大人だってついていくのがやっとの作品なんだぞ。子供さんがこれを十全に理解して好きになるだけの余地がどこに残されているというのだ。いや、でも、これは……。大人がハマる、否、はめられてしまう地獄の作品である。気づけばそこにヘボット。寝起きの頭では絶対に視聴できないヘボット。起きてたとしても体調次第では受け付けないカロリーのヘボット。商品が売れようが売れまいが何一つブレないヘボット。下手したら昨今のアニメで一番がっつり本格SFやってたかもしれないヘボット。制作スタッフのメンタルが心配になるヘボット。……これだけの前例のない頭のイカれた作品が、1年という長丁場を続けられただけでも、奇跡のような存在である。

 こうして1年を共に過ごし、「日曜朝、絶対見るヘボ」を脳髄まで染み込ませ、ネジこまれた我々は、今後ヘボット無しで日曜日を乗り越えることができるのだろうか。一コマすら油断できぬあの情報の嵐を、どこか他のリソースに求めることができるのだろうか。多分無理だろう。ヘボットは、失ってはいけない、何かの防波堤だったはずなのだ。それがまさか、枠ごと消失してしまうとは……おおヘボット、お前がメ〜テレの数十年の歴史の最後を看取るというのか……。いや、大丈夫、別に死因がお前だったわけじゃない。時代が悪いのよねぇ。少子化によってアニメの放送形態も変わらなきゃいけないものね……いや、ちょっと待て、絶対にこのアニメは前例のないイレギュラーなんだから、別に時代の流れと全然関係ないぞ。

 本当に、「なんでこんなもん作りやがったんですか?」とか「なんで朝7時にこれが行けると思ったんですか?」とか、色々と責任者に問い詰めたい。問い詰めた上で、涙ながらに感謝の意を伝えたい。成功だろうが失敗だろうが関係ないんや。このアニメを1年間作り続けてくれた、その多大なる無謀に感謝しかないんだ。僕らは大好きだったんだ。この世界が。

 終わってしまうものはしょうがない。しかし、何かの萌芽は与えられたのかもしれない。どこかの奇特なお金持ちが、この作品を深夜アニメにブラッシュアップする資金を出してくれるかもしれない。本気で全てを乗り越えたヘボットがどんな作品になるのかも気になるところである。もう、このままもう一回深夜に再放送しよう。それでも、多分僕はもう一周くらいなら全てを新鮮な驚きと衝撃で繰り返せるはずだ。何回も何回も繰り返して、ネジルがたどり着いた最後の世界には、きっと僕らはまだ到達していない。

 今作を作り上げてくれた全ての関係者に改めて謝意を。すごかったよ。とんでもなかったよ。そして何より、本当に大馬鹿だったよ。僕はヘボットが大好きでした。あ、でもナグリ王女はもっと好きでコブシ(オチ)。

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「活撃 刀剣乱舞」 5→4

 ピンとこなかったのはしょうがない。わたしゃメインのターゲット層ではないのだから。ただ、「私は対象じゃない」というのも逃げの文言なので、あんまりハマれなかった理由はそれなりに考えてみたい。

 「花丸」でリタイアした身としてはやや身構えての視聴。そして、視聴開始時に、最初に今作にお願いしたいな、と思っていた越えるべきハードルを2つ提示していた。そして、幸か不幸か、この2つの条件は、それなりにクリアしていた作品だった。まず1つ目、「タイムトリップものとしての意義をきちんと設定してほしい」。わざわざ時間跳躍をするという設定なのだから、「今の異世界」で戦うのではなく、「過去の現実」で戦う理由をちゃんと見出してほしい、という欲求。これについては作品後半のミッションで、「実際の偉人と共闘したり、ドラマを繰り広げたりする」という部分でクリアしている。そして、2つ目の条件は「キャラが刀であるという個性を活かしてほしい」。これも、同じようにして実在の偉人(持ち主)と絡むことで、「刀が持ち主と成し遂げたかった想い」というテーマを設けることでキャラの特性として活用している。つまり、今作はきちんと「ならでは」部分をストーリーラインに組み込み、オリジナルの見せ方を心がけていた作品だったと言える。

 ちゃんと要望を満たしてくれたのだから、満足のいく作品になるかと思ったのだが……違うんだ、まだ足りないんだ。そこだけ満たされても、みたいなスカされ方だ。まず、「タイムスリップものの意義の設定」だが、確かに「刀が実際の持ち主と絡み、過去の世界で共闘する」という設定はアツいものがあるのだが、おかげでますますわけがわからなくなってしまっている。結局、刀剣男子って何なんだよ、っていう。いや、そこは細かい設定を設けられてもしょうがないんだろうけども。そして、「歴史改変」云々言ってる割にはタイムパラドクスの扱いとかが随分雑。あれだけの大立ち回りを演じているのだから、バタフライエフェクトみたいな働きでガンガン未来に影響を与えそうなもんだけどそうでもないし、刀剣男子自ら積極的に過去世界に干渉してかき回してるし。何よりもタイムトリップの制限が提示されてないので、時間遡行軍でも誰でも、「失敗したらもっと過去に行って再チャレンジしたらええやん」という当たり前の疑問が結局解消されていない。また、結局移動した時代が幕末を中心にしており、他の時代背景を見るチャンスがなかったので時間旅行ものというより、単なる幕末チャンバラアニメで終わっているのも肩透かしだ。まぁ、そりゃ「刀剣」がメインの作品なんだから、チャンバラがメインになるのは当たり前なんだろうけども……、これ、時間遡行軍が湾岸戦争の時代とかに出てきたらやっぱり同じような出で立ちで討伐しにいくんだろうか?

 そして、「刀剣の写し身としてのキャラ」という設定も、「刀が抱く思い」なんてものは想像することすら難しく、後半の土方と刀の感情のもつれとか、ちょっとレベルが高すぎてついていけなかった。刀の持ち主と、実際のその刀と、その具現化男子の共闘。なんかもう、概念がごちゃごちゃしすぎだ。これを受け入れるには、まだ私の理解力は足りていなかったらしい。まぁ、艦これも受け入れられない人間だしな……。

 結局、こうして「なぜそんな設定にしたんだろう」という根本的な意義に共感が覚えられないと、今作ならではの要素が全部マイナスに働いてしまうせいでピンとこない結果になるんだよな。あと、バトルものとして一番いただけないのは「敵キャラの意思が全然感じられない」っていう部分だろう。敵の思惑がさっぱり分からないし、単に「なんか暴れる機械」みたいになっている化け物どもを退治してもカタルシスがないんだ(これも艦これと一緒だ)。せめて敵サイドにも何らかの意思を持つ個体を用意してそれぞれの思惑をぶつける演出が欲しかった。

 まぁ、劇場版も決まっているらしいし、キャラにしっかり愛着がある層には問題なく受け入れられる作品になってたんでしょうかね。突き詰めれば結局ソシャゲアニメってそういうもんだ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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