最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「バトルガール ハイスクール」 4→3 ソシャゲアニメの「あるある」を出し切ったような作品。主に、よろしくない方向に。 例によって途中からほとんど真面目に観られていないのであんまり正当に評価することもできない作品なのだが、やっぱり「真面目に観たくならない」というのは作り手側に責任があると思うんだ。「美少女動物園」という言葉が生み出されて久しいが、今作は非常に純度の高い動物園作品である。そして、残念ながらそのパークの中には目玉となるような商品は陳列されていないようなのだ。 1話目の時点で「キャストの名前の方がキャラ名よりもデカく表示される」というある種の潔さを持った作品で、その後も毎話忘れないようにキャラ名のクレジットだけは必ずやってくれるんだけど、覚えられない人間からすると、名前だけ表示されても意味ないんだよね。制作側はそうして表面上のラベルを確認するのではなく、物語の中から自然にキャラが頭に入ってくるようにしなければならない。ストーリーを追っているうちに自然と「こういう個性を持ったキャラなんだな」ということが理解できれば、別に名前など覚えられずともキャラとして認識できているのだから視聴に差し支えないのだ(実際、わたしゃギリギリまでチアフルーツの緑の名前を覚えてなかった)。今作の場合、キャラの顔の造形が全部似通っているという致命的な欠陥もあるのだが、とにかく1話の中に主要キャラを全て出し尽くそうというディレクションがいただけない。普通に考えて、初対面で10人以上もの人間の名前と特徴を一気に覚えることなんて不可能だし、10人以上もの人間が絡むドラマを毎回追いかけることなどできない。序盤はある程度ウェイトに差を作り、「まずはこの中心キャラを覚えて、そこから他の学年に広げていきましょう」みたいなライン作りがあってしかるべきなのだ。 しかし、残念ながら本作は原作ゲームファンに気を使いすぎたのだろう。特定キャラのファンが「ボクの推しがアニメだと空気!」とキレてしまわないよう、満遍なく全員出てくるし、漫然なく全員役割がある。そんな状況では個々のキャラに時間など取れるはずもなく、少なくともアニメ内部での掘り下げは不可能。そうなれば、アニメから入った視聴者が興味を持てるわけもない。まぁ、この辺を全てひっくるめての「ソシャゲアニメあるある」なんだけども。先んじて放送された「スクールガールストライカーズ」の方が、アルタイルトルテに集中すればいいとわかったぶんだけ、見易さは上だったと思う。 全部が全部悪かったとは言わない。動物園ならば動物園なりの見せ方があるわけで、例えば個人的にはスケベ先輩がみさおキャラと入れ替わる回(6話)なんかは割と楽しかったと思う。キャラが際立って理解が及べば見ることはできるクオリティの作品なのだ。しかし、途中からはそうして「キャラを描き分ける」というよりも、むしろ「一致団結して問題に当たっていく」という総力戦の部分にばかり力を入れてしまい、終盤のクライマックスに向けてますます視点が散るという残念な結果に。最終回とか、どこで誰が何してるのかよく分からんかったからね。まー、「お話が書きたいのか」「キャラが描きたいのか」っていう違いなんだろうなぁ。アニメ業界は、そろそろソシャゲのキャラ人気を下地にしたアニメ作りってのは脚本のハードルが尋常じゃなく上がるってことを認識した方がいいと思うんだけど。 PR 「Re:CREATORS」 7→6 面白かったですよ。何だか賛否は分かれている作品のようなので、とりあえずそれだけ最初に書いとかないと。アイディアもキャラも作画も、全て規定のラインを超えて充分すぎるくらいに満足できる作品になっていたと思います。 ただまぁ、否定的な意見が出てくるのもしょうがないかなー、というのもわかる作品ではある。あえて問題をまとめるなら、設定自体が非常に挑戦的で、色々といじり甲斐のある広がりを見せた割には、あまり脇道にそれずにまとめることに終始してしまったため、「こんなもんか」と肩透かしを食らった感じはあるのだ。ありそうで見たことがなかった「様々な作品から実際のキャラが顕現してぶつかる」という設定に、全力で「現実味」を与え、フィクションの中のフィクションと向き合っていくという世界設定そのものが、まだまだ無垢で純白の雪原のようなもので、そこにどのように足跡をつけるべきか、皆楽しみに見守っていたわけだが、思ったほどはっちゃける方向性に行かなかったことは「期待はずれ」とみる部分もあるだろう。 しかし、本作の筋運びを見ていると、どうしてもそういう「はっちゃけ方」に舵を取ろうとするとせっかくの面白さ、設定の特異さが損なわれてしまうような気もするのだ。「なぜ創作物が顕現したのか」とか、「顕現したことでどんな影響が出るのか」とか、「顕現したキャラは自我を持って何を考えるのか」「実際の作者と遭遇した時にどんな反応をするのか」。そうした部分になるべく細かい心情の機微を映し出すのが今作の目的であり、派手に異文化がぶつかり合ってドンパチやるのはあくまで副産物である。そうした設定の第一部分に興味が湧かないと、確かに今作は「地味な」パートが多かった。 また、そうした設定を丁寧に活かそうという部分は評価するものの、感想の中で何度か述べているように、やっぱり颯太のスタンスは我慢ならない部分が多く、彼がずっとうじうじしていた1クール目終盤、そして彼の行いがさもファインプレイだったかのように描かれてしまったラストバトルの展開については、もうちょっと別方向から掘り下げて欲しかったなぁ、というのが正直なところ(その分の減点である)。アルタイルの設定は面白かったし、「作者の再創造で打ち倒す」というギミックも反則じみていてアリだとは思うのだが、それを颯太のうじうじした青少年の悩みとリンクさせてしまったことで爽快感がゼロになってしまったのはディレクションの失策だろう。まぁ、どうしても「産みの苦しみ」というテーマの負の側面も描きたかったのだろうが……。ちょっと特殊事例すぎんよ。日本のアニメが中高生を主人公に置くのはメインの消費者層がその辺りだから共感を得るため、というのが一般論だが、本作は別に颯太じゃなくて松原さんあたりをメインにしてもよかった気がするよね。 先に問題点ばかりをあげつらってしまったが、そうした難点を鑑みても、やっぱり本作で「やろうとしたこと」は非常に面白かった。例えばブリッツと駿河さんの関係性なんかは一言で片付けられない何とも不思議な距離感が興味深かったし、実際のプロットにもしっかりと「創作物であるが故の戦い」みたいなものが活かされていて、「もしキャラクターが飛び出してきたら」という幼稚な思いつきが、立派にファンタジーとして機能していたと思う。最終的には中乃鐘さんが言っていたようにそうやって作ったチャンバーフェスが全部空回りだったのはご愛嬌。後はまぁ、キャラの立て方も見やすくて良かったよね。セレジアが「メインヒロイン」だと思わせてそうでもなかったのはナニだが、メテオラさんの総集編まで含めた恐ろしい振り切れ方、真鍳ちゃんのどんどん癖になっていくクドさ。作者の手で壊されてしまうひかゆちゃんの悲哀(?)などなど。 そして、やっぱり個人的に無視できないのはアルタイルというキャラクターだ。この世界を統べる「ラスボス」にして、本作最大の「メインヒロイン」。彼女の威圧的な出で立ちから繰り出されるダイナミックなサーベルアクションは、今作最大の見どころになっていたはず。最強キャラとして冷酷さを見せながら、最後は恋する乙女として願いを叶えて昇天する(?)ヒロイン度の高さもまた格別。今作MVPは間違いなく彼女と、中の人である豊崎愛生だ(間に挟まるCMのナレーションも見応えがある)。後はメテオラさんとか、駿河さんの中の人が好きです。単なるスフィアファンやんけ。セレジアさんの中の人は……アリスちゃんの中の人にぶつけてヨゴレ王決定戦とか企画するといいんじゃないかな。
<赤>
黒のサクれるカードの枚数によって効果が激変するデッキのかなめ候補。こちらから攻めてもサクり台が無いと辛いので、黒側からスタートする方が無難。
Alpine Moon (高山の月) (R) R エンチャント 〜が戦場に出るに際し、基本でない土地の名前を1つ選ぶ。 あなたの対戦相手がコントロールする選ばれた名前を持つ土地はすべての土地タイプと能力を失い、それらは「(T):好きな色のマナ1つを加える」を得る。 局所的な「血染めの月」。いや、能力を見てもそこまで似てないけど、もうこの際ノンベーシックランドの機能を制限する能力は全部「月」っていっちゃえばいいと思うの。こちらはなんと名指しで1種類の土地のみを無効化するマニアックな仕様。1マナと最軽量なのですぐにでも狙った土地を制限できるが、代わりに好きな色マナを出す能力を与えてしまうため、相手の色事故を引き起こすことはできない。となると、それ以外の目的で「1枚だけ潰せば効果がでかい土地」を狙うことになる。下の環境には候補となりそうなカードがたくさんおり、「不毛の大地」がなくなるだけでゲーム感は大きく変わるだろうし、「ウルザの塔」を指名すればご丁寧に土地タイプを奪ってくれるので二度とトロンが揃うことはなくなる。「溶鉄の尖峰、ヴァラクート」を選べばデッキが丸々1つ潰せるだろう。ただし奪うのは土地タイプであってカードタイプではないので、「ダークスティールの城塞」を選んでもアーティファクトではあり続けるので注意(破壊不能はなくなる)。やはりどう見てもピンポイントすぎる対策なのでよほどメタが定まってないと使いにくい気はするが、この軽さを見込んでサイドボード合戦に投入されることはあるのかも。下手したらレガシー以下の環境で見ることになるのかな。
Apex of Power 力の頂点 (7)(R)(R)(R) M ソーサリー あなたのライブラリを上から7枚追放する。ターン終了時まで、あなたはこの方法で追放された土地でないカードを唱えても良い。 〜が手札から唱えられていたなら、好きな色1色のマナを10点加える。 ボーラス様の歴史を語るレアサイクルの赤。そして、3枚の中で一番アホな仕上がり。だって赤は赤だから……開封したパックから出てきたら絶望するタイプの神話レア。こういうのが入っているのも基本セットの醍醐味ですね。いや、拡張セットにもよくいるけども。毎度お馴染み赤の「衝動的ドロー」呪文の新作で、「衝動的な行動」を神話サイズに格上げ。なんと今回は払った分のマナを補填してくれるという大盤振る舞いであり、事実上、ノーコストで7枚ドローしているようなものである。やったぁ、超強い! ……とりあえずヤヤさん呼んでこい。あの人のマナがないとどうしようもないわ。もしくは「鉄面提督の報奨」あたりからか。
今回のX火力枠。基本セットには大体こうしてX火力が1枚くらいは投入され「Xマナ」という概念を勉強することができる。なんとなくの印象では一番シンプルな「猛火」が採用されやすいようなイメージがあったのだが、確認したら「猛火」が最後に収録されていたのはなんと第10版の時。もう9年もお休みしていたのだ……。その後しばらく「火の玉」が仕事してますね。そして今回はレアに格上げし、こちらのド派手な火力が再録。まぁ、ぶっちゃけリミテッドレベルでは「猛火」と大して変わらないのだが、ドラゴン・セットを代表するサルカンの必殺技ということでイメージ的にも合致したのだろう。また、構築レベルでは環境次第でこの効果が意味を持つことはあるわけで、夢のある無限マナドカンデッキなんかを作る後ろ盾になってくれる。何事も、上質なものに触れるのは良いことである。
「Boggart Brute/ボガートの粗暴者(ORI)」 C オリジン出身の威迫の代名詞。このクリーチャーの登場により、「威迫能力ってのは大体これくらいの立ち位置」というのがはっきりした印象がある。リミテッドではほぼ同じコスト域のクリーチャーに負けない性能を持ち、攻めるタイプの赤には欠かせない基盤戦力。この度はそれに加えてゴブリンであることもそこそこのアドバンテージになりうる。色を主張するのにちょうどいい存在。
Catalyst Elemental 触媒の精霊 (2)(R) C クリーチャー・エレメンタル 2/2 〜を生贄に捧げる:(R)(R)を加える。 「発生器の召使い」の調整版。1マナ重くなった代わりにタップが必要なくなり、色マナになったので赤マナが濃いカードを唱えるのも容易になった。コスパが特別いいわけでもないが、これさえあれば4ターン目に6マナが出せるのは紛れも無い事実。また、わずかな間ではあるが「霊気紛争」にある紛争能力のサポートも見込めるかもしれない。最低限のクリーチャーとしての仕事もできるので、重めのデッキができたら複数枚採用してもいいクリーチャーだ。
「破滅の刻」からの延命。当時の環境では果敢能力の誘発に加えて加虐能力という「ブロックされてもなお削る」能力との併用で青赤の超速ビートを実現させるためのキーカードとなった縁の下の力持ち。残念ながら今回は果敢が存在しないので本当に単なるキャントリップになることが多いが、一応青に「インスタントかソーサリー」に反応するクリーチャーがおり、赤には「どぶ潜み」、多色には「奇怪なドレイク」も来ているのでイゼット的なデッキ構築も不可能ではない。かなり遅めでも回収できるので、焦らずチャンスを待とう。
Dark-Dweller Oracle 闇住まいの神託者 (1)(R) R クリーチャー・ゴブリン、シャーマン 2/2 (1)、クリーチャーを1体生贄に捧げる:あなたのライブラリのトップを追放する。このターン、あなたはそのカードをプレイしても良い。 赤の特性である「衝動的ドロー」を他者の命を使って強引に推し進めるゴブリン。ぶっちゃけ「衝動的ドロー」は普通のドローよりも弱いに決まっているので、クリーチャーをサクって1ドローする「サリッドの予言者」なんかよりも弱い能力である。ただ、それでも一応ドローはドロー。例えば「包囲攻撃の司令官」のようなクリーチャーの数が水増しできるカードがあれば一気に展開力をアップさせることが可能だ。できれば緑と手を組んで「菌類の勢力範囲」のようなリソースで補いたいところだが……でも、それだったらわざわざ赤を使わずに「サリッドの予言者」でいい気もする。このカード自体の軽さも、起動コストがかかる部分でチャラになってる気がするし……下の環境で「クレンコの命令」や「モグの戦争司令官」を駆使する高濃度のゴブリンなんかで面白いかもしれない。
Demanding Dragon 厄介なドラゴン (3)(R)(R) R クリーチャー・ドラゴン 5/5 飛行 〜が戦場に出た時、対象の対戦相手がクリーチャーを1体生贄に捧げない限り、〜はそのプレイヤーに5点のダメージを与える。 名前の割にあんまり厄介ではない普通のドラゴン。そりゃまぁ強いのは強いが、このサイズのドラゴンが降り立ったところで要求するものがクリーチャー1体ってのはそんなにインパクトはない。できることなら5ダメージ確定のタイミングで叩き込みたいところだが、それってこのクリーチャーが速攻持ってた方が話が早かったよな。何が言いたいかっていうと、ブリンガー強い。
Liliana, Untouched by Death 死が触れぬ者、リリアナ (2)(B)(B) M 伝説のプレインズウォーカー・リリアナ <+1>: あなたのライブラリを上から3枚墓地に置く。ゾンビ・カードが1枚以上墓地に置かれたなら、各対戦相手は2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。 <-2>: 対象のクリーチャーは-X/-Xの修正を受ける。Xはあなたのコントロールするゾンビの数である。 <-3>: あなたはこのターン、ゾンビ・カードを墓地から唱えてもよい。 【4】 姐さん、出番です。もう史上何枚目になるかわからないリリアナさんだが、今回はかなりマニアックな仕様。毎度壊れカードを出すジェイスやギデオンと違い、この 何しろすべての能力に「ゾンビ」という文字が含まれており、今回は徹底的にゾンビフィーチャー。分かりやすいところではマイナス能力が「闇の救済」のような効果になっており、とりあえずゾンビがいないと始まらないことがよくわかる。さらに出した直後に使える奥義(?)という珍しいデザインで、ひたすら墓地を循環させる小粋なトリックとして、傍らで監督するのが似合っているカードだ。この大マイナス能力をどのように活かして行くかが勝負の分かれ目なのだが……問題は、そのマイナス能力を使うために前提となるプラス能力が微妙なところ。デザインとしては「プラスで墓地を肥やして大マイナスで一気にアドを稼ぐんやで」ということなのだろうが、これだけだと自分も守れなければ盤面へのアドバンテージにもならない。マニアックなのはいいけど、今回はさすがにニッチな方向に攻め過ぎてしまったか。まぁ、とりあえずゾンビデッキを組んでから考えればいいと思うよ。ドラフトで開封した1パック目にいたら……どうすっかなぁ……(まぁ、俺は引くけどね。レアリティでピックするからね)。
Liliana’s Contract リリアナの契約 (3)(B)(B) R エンチャント 〜が戦場に出た時、あなたはカードを4枚引き、4点のライフを失う。 あなたのアップキープの開始時に、あなたが異なる名前のデーモンを4体以上コントロールしているなら、あなたはゲームに勝利する。 今回の勝利条件カード。そして、一目でそれとわかる「リリアナさんと愉快なデーモンたち」のシーンを切り取った記念写真のような1枚である。後ろに控えてる4人のデーモン、「汚いアトム」と呼ばれた特徴的な角のベンザブロックさんはすぐにわかるのだが、残りの3人は頭部のデザインにあんまり印象がないから分かりにくいや(左からグリセル、コソフェ、ラザケシュか)。とりあえず、契約時にカードが4枚手に入るのであとはなんとか悪魔との契約を頑張れ、というカード。参考までにスタンダード環境でのデーモンの数を調べてみたら全部で9体おり、3マナと軽い「アムムトの永遠衆」や「悪意のアムムト」もデーモンだった。この辺りを起点にしていけば案外4体くらいは……なんて真面目に考えちゃうとそれこそ悪魔の思う壺。賢い男は「秘儀での順応」で一撃ですよ。1ターン目「ラノワールのエルフ」から2、3、4ターン目に「秘儀の順応」+他3種のクリーチャーを用意、5ターン目にこれをおけば次のターンに勝てる。そう、勝てるんだよ。相手はデーモンの名を語ったエルフとか苗木トークンとかホマリッドに負ける理不尽に歯噛みするに違いない。新たなメタゲームの中心地、「順応デーモン」。誰かトライ。
基本セットの墓地回収呪文といえばシンプルに「墓暴き」のイメージだが、今回は墓地ギミックとのシナジーも体感させてくれるこのカードが採用された。リリアナさんが楽しげにダンスするイラストもイメージにしっくりきて良いですね。まぁ、これってイニストラードの時のイラストなので、現在のリリアナさんは全くもってのんきに踊ってられる立場じゃないですけど。
こちらは定番呪文でおとなしくいつも通りに。スペクターが引けたらなんとなく注意して集めるが吉。
「Murder/殺害(EMN)」 U 安全安心、問答無用の確定除去。構築での採用実績も多く、これが基本セットから導入されることによってコントロールデッキの選択肢も増えた。「無許可の分解」なんかが落ちる秋以降に注目。
Nightmare’s Thirst 悪夢の渇望 (B) U インスタント あなたは1点のライフを得る。対象のクリーチャーは-X/-Xの修正を受ける。Xは、このターンにあなたが得たライフの総量である。 ライフゲインギミックを後押しする不思議な1枚。普通に使ったら「菌類感染」の別バージョン程度で、ライフがちょっと増えるちょっと除去。とてもじゃないけどアンコには見えない性能。しかし、デッキにライフを得るギミックが多かった場合には1マナとは思えない除去性能を発揮する。例えば特定の呪文に反応して1ライフを届ける「金剛牝馬」がいれば確定で−2の除去になるし、「夜の子」で殴った後に唱えればなんと1マナ−3。なるほど確かにアンコモン。まぁ、取り回しが面倒臭いのでなかなか確定ででかい修正を叩き出すことは難しそうだが、「それができるかも」というだけでも1マナインスタントなら充分だろう。また、他のライフゲイン誘発カードの燃料としても効果があることは案外重要で、「アジャニの群れ仲間」なんかがいれば修正値は1点でも充分である。周りの人員で大きく価値が動く呪文。「いいデッキ組めたで!」と自慢したい時にはうってつけ。
Open the Grave 墓地解放 (3)(B)(B) R エンチャント あなたのコントロールするトークンでないクリーチャーが死亡するたび、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体生成する。 今回黒がちょいちょい推しているゾンビギミックを大きく支える1枚。どんなクリーチャーでも死んだら等しくゾンビ。かつてクレリック限定で同じことをやる「腐れ肺の再生術師」や人間限定でやる「ザスリッドの屍術師」なんてクリーチャーがいたが、どちらも大きなアドバンテージソースとして人気を得たものである。こちらのカードはあらゆるクリーチャーに対応可能になったせいで5マナと一気に重くなったが、その分除去されにくいエンチャントなので基盤戦術としての安定感が増したとも言える。特にゾンビが死んでもゾンビが帰ってくるゾンビゾンビ展開が可能になったのでゾンビデッキの厚みが増す。何度でも蘇る「組み直しの骸骨」や「戦慄の放浪者」とのシナジーは強烈で、サクりエンジンがあればいくらでもゾンビトークンが量産可能。特に「組み直しの骸骨」はリミテッド環境でも実現可能であり、サクリエンジンとしては下記の「貪欲なハーピー」や、赤と組み合わせて「殴りつけるオーガ」を使うといいだろう。レアリティはやや高いが、誰かやらかしてくれないもんだろうか。
「Phylactery Lich/聖句札の死者(M13)」 R これで再録は2度目。多少なりともベテランの貫禄は出てきたが、どうにも採用実績に乏しいクリーチャー。ポテンシャルは充分なはずなのだが、トリプルシンボルというリミテッドで使いにくい性質に加え、アーティファクトとの共闘という黒とは相性の良くないギミックのせいで使いやすい環境がないのである。今回も、セット全体でアーティファクトシナジーが多いことからお鉢が回ってきたのだろうが、残念ながらシナジーを形成するメインカラーが青、サブカラーが白。黒はアーティファクト推しの色ではないので、トリプルシンボルを捻出しながら運用できるデッキはかなり限られる。単体で充分強いので、黒単に近い構成に何枚かアーティファクトを混ぜ込むデザインになるだろうが……結局、アーティファクトシナジーが多い世界だとどの色からも容易にアーティファクトが壊されるため、信頼性に乏しいという自己矛盾。いつか誰かが彼を幸せにしてくれるといいのだが……。
Plague Mare 疫病牝馬 (1)(B)(B)U クリーチャー・ナイトメア、馬 2/2 〜は白のクリーチャーによってブロックされない。 〜が戦場に出た時、あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーは、ターン終了時までー1/ー1の修正を受ける。 メアサイクルの黒は、おしゃれに「ナイトメア・馬」である。メアシリーズの本家とも言える「夢魔」と同じクリーチャータイプをもつことで、「ウマ→ムマ」というダジャレも少しは目立つ……かどうかは知らない。さておき、敵対する色は白。そして、その身に宿したもう1つの能力はなんと「居すくみ」である。「居すくみ」自体が3マナのインスタントだったことを考えれば、そこに能力持ちの2/2がセットになっているのは破格の性能。単体では相手クリーチャーを殺せずとも、戦闘後に出すなどして大きな成果を狙うことが可能だ。また、ブロック回避と合わせて白に対して強烈なメタ能力として機能しているのも注目点で、多量の兵士トークン、ゴブリントークンなどを並べるビートカラーに対してアンチテーゼを叩きつけることができる。リミテッドならば相手が白くなくてもメインから採用しても問題ないだろう。
<黒>
Abnormal Endurance 異様な忍耐 (1)(B) C インスタント ターン終了時まで、対象のクリーチャーは+2/+0の修正を受けるとともに、「このクリーチャーが死亡した時、これをそのオーナーのコントロール下で、タップ状態で戦場に戻す」を得る。 アモンケットで大活躍した黒のコンバットトリック「超常的耐久力」の調整版。これだけの利便性で1マナは流石に軽すぎる、ってんで2マナに調整されたわけだが、それでも立派に使いどころがあるのはえらいところ。パワーが上がるのでほぼ相打ち以上に持ち込めるし、相打ちになればさらに187能力の再充填が狙える。オーラやカウンターとの相性はいまいちだが、黒ならばあまり関係ないし、律儀にも今回収録された「冥府の傷跡」ならアンシナジーにならないという気遣いっぷり。バシバシ打たれる呪文になるのは間違いないだろう。
Blood Divination 血占い (3)(B) U ソーサリー 〜を唱えるための追加コストとしてクリーチャーを1体生贄に捧げる。 カードを3枚引く。 4マナ3ドローはここ最近では青ですら実現できなかったハイスペック。もちろん損得勘定で見れば結局アド量は1枚分だけなのだが、それでも3枚引けるという事実は見逃せない。まぁ、「祭壇の刈り取り」にドロー1枚つけたらどんだけ重くなるんだよ、っていう見方もできるけども。これでインスタントだったらマジで構築レベルなんだけどな。
Bogstomper 沼踏み (4)(B)(B) C クリーチャー・ビースト 6/5 ザ・バニラ。一応新作だが、ビーストという当たり障りのない種族設定のおかげでなんだか地味な存在に見える。だがしかし、実は黒のクリーチャーでこのサイズは結構な事件。過去の歴史を確認すると、そもそも黒には6マナ以上のバニラはたった1体しか存在しておらず、その唯一の先輩である「ミノタウルスの嫌悪者」のサイズは4/6。どちらがクリーチャーとして魅力的かは一目瞭然だろう。クリーチャーカラーの緑には「始源のワーム」(7/6)がいるので流石に負けてしまうが、むしろ緑の優秀なバニラと戦って負けないサイズが黒に与えられたのは喜ぶべきことなのではなかろうか。なお、フレーバーによると「優しい草食動物」らしい。いや、デケェよ。
Bone Dragon 骨ドラゴン (3)(B)(B) M クリーチャー・ドラゴン、スケルトン 5/4 飛行 (3)(B)(B)、あなたの墓地にある他のカードを7枚追放する:〜をタップ状態であなたの墓地から戦場に戻す。 ホネホネロックだー! なんと今回は黒にも神話ドラゴンが。歴史的には無いというほどでも無いのだが、基本セットでの黒単色ドラゴンってのは、やっぱりボーラスセットだからこそか。どうせだったらボーラスカラー(青黒赤)の全部に単色ドラゴンを置いとけばバランス良かったのに、青はドラゴンいないんだ。流石にそこは差別化するのか。とにかく、そんな珍しい黒ドラゴンだが、見ての通りに黒らしさをスケルトン要素で発揮している。基本的には5マナ5/4のシンプルな味付けだが、墓地の死体をガチャガチャとパズルのように組み上げて復活することが可能。さすがにパーツの数は膨大だが、どうせ使い道のない廃材だったらドラゴンのために喜んで差し出されるだろう。このくらいのサイズだったら1回、2回復活するだけでもゲームは決められるのだ。しかも(タップ状態ではあるが)インスタントタイミングでの復活が可能なので、割と運用はフレキシブル。神話にしては地味だが、確かに放って置くとやばいクリーチャーには違いない。今回登場した「縫い師への供給者」みたいなライブラリがりがり削るニキをたくさん雇って置くと、手札すら介さずに墓地から直で戦場に出撃できるのでちょっとお得。新しい時代の「発掘」デッキに……とまではいかないかな。
後乗りして来たはずの白が「吸血鬼で絆魂っていえばやっぱり白でしょ」みたいなツラをしているが、もともと吸血鬼は黒の固有クリーチャーであり、その中でも絆魂といえばこいつの専売特許。黒の2マナ域の割には他の色に劣っていないというので(俺の中で)当時人気だったクリーチャーである。今回は吸血鬼シナジーではなくて「ライフゲインシナジー」があるので白黒デッキなら単なる穴埋め以上の活躍が期待できる。せっかくの機会だからイクサラン吸血鬼の人たちと一緒に活躍させてあげるデッキが組めればいいのに。
やったぜ! おかえりバロン! いやぁ、史上数多く存在してる「ゾンビのロード」なんだけど、個人的にはこの子に思い入れが強いんですよ。なにせ、全然ゾンビなんて流行ってなかった時代にこいつ目当てで部族デッキ組んでFNM行ったくらいですし(証拠)。まぁ、今帰ってきたからって強いかどうかは知らんけど。当時と同じく、今なら「呪われた者の王」がいるからロード8枚、いや、「金属ミミック」も合わせれば12枚体制だよ! 頑張れ男爵! イケイケ男爵! こっそりスケルトンを混ぜるのもおしゃれだゾ!
Demon of Catastrophes 惨劇の悪魔 (2)(B)(B) R クリーチャー・デーモン 6/6 飛行 トランプル 〜を唱えるための追加コストとして、クリーチャーを1体生贄に捧げる。 シンプルにデーモン。召喚の際に生贄が必要なあたりは実にストレートな「悪魔」であるが、毎ターン餌を要求していた「奈落の王」の系譜と比較すれば相当優しいゆとり仕様。これだけの手間であの「深淵の迫害者」と同じ性能。これが神話じゃなくて単なるレアというだけで驚きのスペックである。特徴がないので地味に見えるが、余裕で構築クラスが狙える危険な1枚。良い基本セットじゃないですか。
「Diregraf Ghoul/戦墓のグール(ISD)」 U イニストラード原産の有能ゾンビ。残念ながらアモンケットとの共闘はリリース後間も無く終わってしまうのでゾンビフェスタの開催期間は短そうだが、限られた期間の中で、「呪われた者の王」に従えられ一瞬でも花咲く部族デッキが現れることに期待しよう。まぁ、部族を気にせずとも紛れもない1マナ2/2なんだから出番はあるかもしれないが。
「Doomed Dissenter/悪運尽きた造反者(AKH)」 C 死ぬことのみを使命として与えられた可哀想コモン。死んだ方がサイズがでかいのでさっさと死んで欲しいとすら思われており、登場したアモンケット時点ですでに「カウンター乗せられて死ぬ」「ゾンビシナジーが欲しいので早めにサクる」などの散々な目に遭わされていた。もちろん今回も扱いは同じで、メインは赤黒のサクり系デッキでの登用だろう。カード1枚で2度死ねる不屈の性能は実は馬鹿にできない。今後もよろ死く。
「Duress/強迫(XLN)」 C いつも通りに。今回のイラストはイクサラン版ではなく基本セット版。文字通り強迫されているエルフの図なんだろうけど、なんかこいつがガンくれてるようにも見える。
Epicure of Blood 血の美食家 (4)(B) C クリーチャー・吸血鬼 4/4 あなたがライフを得るたび、各対戦相手は1点のライフを失う。 「ライフゲイン吸血鬼」のキーパーツとなりそうな基盤コモン。黒のコモンで5マナ4/4というだけでも充分強いのだが、そこにちょいと嫌がらせをプラスしている。これが2体以上並べば、ライフゲインという異次元からの攻めと同時に盤面にもプレッシャーが与えられるので、相手のセイフティーラインが一気に押し上がるはずだ。まぁ、ぶっちゃけ同じ吸血鬼なら「選定された助祭」の方が存在感がある気もするが、こういう独特のギミックを使ってデッキが回せた方が楽しいじゃない。ちびちびと1ライフずつ得ていくタイプのカードとの相性がいいので、「アジャニの歓迎」や「金剛牝馬」みたいな安めで拾えるカードが輝けるのもポイント高し。
逃げない! 負けない! 泣かない! 第10話! うおー、ボウケンジャー好きなんじゃー。改めて聞くとやっぱりすげぇ歌詞だと思う。なんで「負けない」の後に「泣かない」なんだよっていう。でも、ムラムラちゃんに言ってもらえば元気百倍です。 ラス前の試練の時。まぁ、だいたいなにがしかの試練には悩まされ続ける作品ではあるのだが、今回はひょっとしたらチアフルーツ史上最大の難題だったかもしれない。なにしろ、あの赤来杏までもがくじけてしまったのだ。正直、杏ちゃんがくじけて弱音を吐く姿は見たくなかったのだが……相手が神にも等しいあのカミダイオー(の中の人)ってんだからしょうがないのか。キャップとしては、トップとの対談で新しい刺激が得られるだろうと思ってのことだったのだろうが、あまりに強烈な光は見る者の目を潰してしまう。圧倒的ヒロインに憧れを超えて崇敬の念すら抱いていた面々は、日本一のヒロインを目の前にして、すっかり骨抜きにされてしまった。 この、「カミダイオーの凄まじさを見せつけられる」というイベントに対し、9人の対応は興味深い差異を見せている。顕著なのはやはり杏やみかんのように「圧倒的実力差に打ちのめされる」というパターン。元アイドルだった青山姉も似たような状態になってしまっていたし、ステージアクターが3人も意気消沈してしまえば、どうしたってイベントのクオリティに影響は出てしまう。そこまでカミダイオーに入れ込んでいたわけではない残りの面子は実質的にメンタルを削られたわけではないのだが、特にキャップは自分の狙いが外れてしまったことで必要以上に責任を感じて落ち込んでしまった。キャップは超人的な商才も経営能力も持ち合わせたスーパーウーマンではあるのだが、いかんせんメンタルが弱いのが最大の弱点。今回彼女が「やっぱり私は疫病神なんだ」と落ち込んだ時の回想シーン、マジでしょうもない不幸ばっかりで唖然とする。いや、突然の倒木は確かにインパクトあるけど、むしろそれで命に別状がなかったのだからラッキーなのでは……。人生十数年も生きていれば誰にだって不幸な出来事の1つや2つや3つや4つはあるもので、それってただのバランスの問題なのだが、キャップはそうした偶発的な「不幸」を自分のせいだと思い込み、ネガティブ思考に陥ってしまうのが最大の欠点のようだ。 そうしてキャップが統率力を失うことで、親衛隊のロコ先輩とはつりちゃんも動きが鈍ってしまう。何を差し置いてもキャップ最優先の2人は、彼女が動き出さない限りは背中を押せないのだ。みんなの意識がばらけてしまうと、青山妹のように我の強い人間がぶつかると、普段のように押し返すことができず、雰囲気は沈む一方。杏たちの消沈がドミノ倒しのようにチアフルーツ全体の雰囲気を落ち込ませる悪循環である。 しかし、そんな中でもぐらつかない人物が2人。1人はその格好よさがストップ高のムラムラちゃん。観覧客にも「紫だけが頼り」と評されるほど(紫自演乙)、彼女の演技はいつも以上に研ぎ澄まされている。杏と違って別にカミダイオーにも特別な感情は持っていないので、実物を見ても「わたくしだってあれくらい出来ますわ」ってんで発奮できるのがムラムラちゃんの強さ。赤来杏が骨抜きにされてしまい、(自称)ライバルが怒りに震える様子が男前すぎて最高だ。やっぱりムラムラちゃんは頼りになる。 そして、ムラムラちゃん同様に「別にカミダイオーにそんなに興味ない」という消極的な理由が功を奏したのが、緑だったのだ。すまん緑。ぶっちゃけ名前すら覚えてなかった(マナナンである)。煩悩にまみれたマナは、カミダイオーショックの影響も受けず、良くも悪くも空気を読まないために落ち込んだ全体の雰囲気もどこ吹く風。完全に自分目線だけでグッズの売り上げのみを心配するという鉄の心臓の持ち主である。そんな彼女だからこそ、岡目八目でチアフルーツが抱えている問題と、その解決策を提示できたのは、良かったんだかなんだか。「町のみんなが応援してるよ」なんて基本的なことすら見えなくなってたんだから、残りの8人はよっぽど切羽詰まってたんだろうけどねぇ。マナのこの「発奮作戦」は本当に適当極まりない動機から発生しているもので、その証拠に、本来ならすごくいいシーンになるはずの「マナがみんなを説得して元気付ける」パートが、すげぇ適当な止め画とマナの(なおざりな)モノローグだけで処理されてるんだよ。「もう、緑の出番これでいいだろ」みたいな。もう当番回がないかとすら心配されていた緑に無事に活躍が回ってきたのだから喜ぶべきなのだろうが、この扱いの適当さは……いや、逆に美味しいのかもしれん。だいたい戦隊モノのグリーンもこういう目に遭いがちである。 何はともあれ、重度のイップスを抜けることに成功したチアフルーツ。あとはトップを目指して駆け上がるだけなのだが……でもさ、話の腰を折るようで悪いんだけど、みかんちゃんが言ってた通りに「25位でも充分すごい」よね……。全国規模のテレビ番組で紹介される25位、東京からもわざわざ見にくる客も増えてるし、商店街もそれで活気付いている。もう、ヒナネクターは求められた仕事をクリアした気がするのだが……やっぱりこれじゃダメなんですかね。これ、どうやったら終わるアニメなんだろ? case23なのかよ、第11話。ことごとく想定をひっくり返してくる作品だなぁ。これで次回ラストがcase24になるわけね。この構成だと、残念ながら将来的に「放送されなかった合間のエピソード」だけでもう1シーズンやることはなさそうだなぁ。 というわけで、一気にクライマックスに突入。ラスト3話をしっかり時系列順に放送するということは、これまで色々といじってきた話数シャッフル自体に大ネタは仕込まれていないということだ。どういう効能があったんだろうと考えると、一番大きいのはやっぱり「視聴者の興味を引く」っていうところだろうね。先に「出来上がった関係性」を見せておいてからその形成段階に戻ったり、イチャイチャしてると思ってた連中が実はいがみ合っていたり、そういうギャップを引き立たせるときに、普通の時系列で流すよりも際立ちがはっきりするから印象が強くなるんだ。その分、視聴者には余計なストレス(理解にかかるコスト)を求める事になり、シリーズアニメとしてはハイリスクハイリターンの作戦だったわけだが(途中で放り投げる視聴者もいるだろうからね)、今作の場合、狙い通りの効果はきちんと発揮していたし、期待通りの「リターン」は得られているんじゃなかろうか。 さておき、プリンセス暗殺指令が下ってからの緊迫の展開だが……正直に一言で言うと「もう訳分からん」。いや、素直に見るなら画面に見えてるそのまんまの現象なんですよ。指令を受けて、いかにも胡散臭いヤツ(ゼルダ)が派遣されてきて、その結果ドロシーはお払い箱、ちせも堀河公から事前に呼び戻され、(ベアトはどこに行ったかわからないけど)残されたのはプリンセスとアンジェという、今作のコアというべき2人に関係性のみ。アンジェは当然プリンセスを守るために奔走し、なんとか組織を出し抜いて一緒に愛の逃避行を目論むも、なんと当のプリンセスがこれに反発。あの日の誓いを胸に自分はプリンセスとしてやるべきことが残ってる、ってんで自分の意志で渦中へと舞い戻り、いっそ全ての黒幕を私が担当するわ、と「自分を殺して」てっぺんへと登り始める。 プリンセスの志の高さには驚くばかりだが、一応これはこれで筋が通っている物語。表面的にはこれで納得してもいいのだけど……、ただね、スパイは嘘つきなんですよ。黒蜥蜴星人の企てをいちいち信用するわけにはいかないんですよ。外部からの圧力に疑う余地はないので、コントロールの上層部がすげ変わったこと、プリンセスの扱いが変わったこと、そしてそれを利用して内紛をけしかけようとしてる勢力があることは全部「事実」である。しかし、その中でゼルダがどういう意図を持って動いていたのかは現時点では不明確。彼女は戻ってきた「アンジェ」をどのように見ていたのだろうか。クーデター軍の人たちには「プリンセスだよ」と紹介していたが、あれが事前の取り決めだったのかどうか。あそこでアンジェが「プリンセスの格好をして戻ってくる」ことはゼルダの想定にはなかったはずなので、すんなりチームと引き合わせて「プリンセスダヨー」と紹介したのは違和感があるんだよな。プリンセスが事前にゼルダと示し合わせていたのであれば話は変わってくるのだが……。 そして最大の問題は、「どっちがどっちなんだ」である。普通に考えれば、ショッピングの時にブティックで入れ替わった2人は、そのまま逃走し、船に到るまではずっとそのままの状態。そして船内で喧嘩して、プリンセスがアンジェを一方的にフり、そのまま単身でゼルダのところに乗り込んできた、という筋書きである。でも、本当に? それであってる? いくらなんでもあの船内での喧嘩は急すぎない? 2人は「小さかった頃の記憶」を活かし、入れ替わりについては阿吽の呼吸で対応できる。そして、今回の一件、「プリンセス暗殺指令」についても、事前にそうした命令が下ることは充分予想できていたこと。さらに事前にクーデター軍の存在も知っていたとすると、2人には充分に対策を練る時間があったはず。周りをだまくらかすプランを練れたはず。そう考えると、やっぱり矢面に立つのは反重力ボールを操れるアンジェの方が都合がいいわけで、あそこでプリンセスがさも喧嘩別れしたようなていで出ていくのはちょっとおかしいんだよね。まぁ、単に2人の関係性を考えた時に、あんな簡単に破局を迎えるはずがない、って信じたいだけなのかもしれないけど。「入れ替わりを悟られる」ところまでが計算済みなのだとしたら「入れ替わった後で入れ替わって、裏の裏が表」という可能性もあり得るんじゃないかしら。それくらいやってくれないと、黒蜥蜴星の威信に関わりますから。 まぁ、正直「何が起こっても不思議じゃない」というくらいでとどめておくしかないですけど。一つだけ言えるのは、多分、来週2人は幸せなキスをして終わりますよ。 事実上の最終回、第49話。なんかもう、「こんなに愉快なアニメがあっていいんだろうか」って滂沱の涙を流しながら観てしまった。 正直、ここまで全部イカれてたんだから今回だけ感想書く必要はないんだけど、「ヤバいくらいに神経にくる」っていうこの衝動はどうしても抗えない。なんでこんなにも王道なのに、こんなにもヘボットなのだろう。シリアス風味を強めて最後の最後なんだからちょっとくらいは締めにくるのかな、と思っていたのに、1秒たりともヘボットであることをやめないんだよ。なんだよこれ。もう、これを作るための1年間の全てが尊いわ。ナグリ女王の完全体、どこかでフィギュアとかにならないもんですかね。 個人的にツボったのはこれまでぐるぐると使い回し続けたキャストの兼ね役が全て収束していく恐ろしいまでの世界編成の様子。土星ババアがボキャ美に全てを託すシーンとか最高じゃないですか。初代ヴィーテ姫とヘボットの対話とかもたまらんものがある。中の人ネタとかいう以前に、兼ね役じゃなくて基本全員が「同じキャラ」やからな。もう、この世界マジでわけわからん。1話から見直した時に、どこまで伏線(?)として機能してたんだろう。 まぁ、確認しませんけどね。尺の問題で。 |
カレンダー
ブログ内検索
リンク
最新記事
(10/05)
(10/05)
(10/04)
(10/04)
(10/04)
(10/04)
(10/04)
(10/04)
(10/03)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|