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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 肩に素麺が付くってどんな食い方だよ、第10話。ひょっとして、今回やってきた3人のおなごたちはとんでもない才能の塊だったりしないだろうか(しないやろなぁ)。

 町興しプロジェクトの新たなテーマは「お見合いイベント」。なるほど、これもまたどんどん若者が流出してしまう田舎では定番のお話で、最近は色々と「田舎で暮らそう」的な趣旨のイベントも増えているらしい。まぁ、もちろんこういうイベントの成功率がどれくらいのものなのかはさっぱり知らないけども。わたしゃ個人的に人の色恋とか、結婚云々とかいう話に欠片も興味がないので、テレビでそういう企画やってても真っ先にチャンネル変えるしなぁ。単に自分を差し置いて人がイチャイチャしてる様子なんてみたくねぇよ、ってのもあるし、引きこもり体質で初対面の人間の相手なんかしようものなら動悸息切れで30分と保たないので、他人が「初対面」やってるのを見るだけでもしんどいんですよ。マジで病気だと思うんだけど、これはもう(結婚なんて)無理やろなぁ。

 いや、ごめんなさい、私の性質はどうでもいいんですよ。間野山の若者達はやる気があるみたいだし。今回は国王たちの立案というわけではなく、間野山の青年会が打ち出した企画を、女性ばかりの国王チームがサポートするという形。まぁ、警官の人も言ってたように、まず王国の連中が所帯持つことを考える方が手っ取り早いんじゃないかという気もするが、よく考えたら外部から来た人間って5人中2人だけなんだよな。周りの連中は、しおりや真希については放っておいてもその内間野山で落ち着くと思ってるんだろうか(あと、由乃を嫁に欲しいとは思わんのかもしれん)。

 まぁ、お馬鹿チームのことは置いといて、企画を立てたら幸運にも何も知らないOL3人組をひっかけることには成功した。この手のイベントって、女性の参加者を引きずり込む段階が最大のハードルだからな。0人もザラだと思うのだが、間野山なんて何にもなさそうなところの企画に、よくもまぁ3人も応募があったものだ。メンバーのうち1人は最近大失恋をしたと言っていたので、ひょっとしたら勢い余っての参加(残り2人はとばっちり)なのかもしれませんわね。とりあえず、この3人を絶対逃がすまいってんで、青年会の猛烈な熱意と、何とか役に立ちたい国王チームのアイディア出しのおかげで、イベント自体は割とつつがなく進行した。由乃にありがちなイカれたプランなんかも特になく、せいぜい乱入したサンダルさんが引っかき回したくらいで、割と普通の進行である。絶対にしらけるだろうと思っていた参加者の皆さんも、男探しには割と乗り気だったようで、そこまでネガティブな印象を与えることもなく、ほどよいムードであわせてくれている。ちゃんと男を見つけるつもりで来てくれてるなら、まぁラッキーだ。どの程度選択肢が希望に沿えてるかは分からないけども。

 お見合いの方は、とりあえず穏当な進行。そして、今回のもう1つのテーマ(というかメインテーマ)は、ようやくやってきた凛々子回ということらしい。これまで、5人の中ではもっとも目立たず、パーソナリティもいまいちはっきりしていなかった凛々子。その彼女が10話目にして初めて中心に据えられ、彼女が幼少期から抱えてきた疎外感みたいなものを掘り下げる内容になっている……のかどうかはよく分からない。ぶっちゃけ、今回凛々子の何を描きたいのかはまだはっきりしていない。一応お見合いイベントとあわせたのは「間野山踊り」という謎の盆踊りβみたいなヤツと絡めて彼女の幼少期からの疎外感を膨らませる狙いなのだろうが、元々感情が表に出にくい上に奇行に走ってもそこまで違和感が無い凛々子なので、雨に打たれて一人別行動を取っていても、何が彼女に影響を与えたのかが分かりにくいのだ。別に今回のイベントで彼女の傷をえぐるような行動を取った人間はいないのだし、お見合いイベント自体は全く関係無いと言ってもいいくらい。むしろしおりが昔からずっとしおりのままで優しかったことが分かってほっこりする内容だ。凛々子のエピソードが盛り上がる要素は今のところ無いのだが……。

 一応、「ホラー」「伝承」という要素が最後に登場したので、多分そのあたりが凛々子の活躍の場になるのだと思われる。彼女のコトだからおそらく龍を巡る間野山の伝承なんかにも詳しいだろうし、像を破壊して怯えてしまった女性客をなだめるため、何か説得力のある儀式でも施してくれるかもしれない。ただ、問題はそうした伝承による「たたり」以外にも、池から顔を出した謎の男の存在があってなぁ。あいつ、多分話の流れからすると女性客が最近別れたっていう男なんだろうけども(それか、すごく飢えている間野山の独身貴族)。そんな奴が登場して、凛々子に何か活躍のチャンスが与えられるかな。うーむ、相変わらず落としどころが見えてこないアニメである。

 ま、とりあえず凛々子以外の4人はお当番回もボチボチこなしているおかげでチームワークは向上してることが分かったのでそれはそれで良しとしましょう。あとアンジェリカさんとこの娘さんが可愛い。間野山の中でちゃんと相手を見つけて骨を埋めてくれそうな若者、素晴らしいですね。まぁ、真希の弟が今後どういう人生を送るかは分からんけども。

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 「くり」ずるすぎやろ、第8話。才色兼備で愛嬌もあって、更に私服のTシャツがダサいとか、もう完璧超人じゃねぇか。花澤香菜じゃねぇか(違う)。

 今回は謎の徭さん爆上げ回である。前回、真道とは異なる主張をぶつけてきた徭さん。これは2人の間で意見に衝突が起こって交渉人2人による血で血を洗うバトルが展開されるのかと思いきや、なんと発生したイベントは休日デートである。いや、休日じゃないけども。おかげで一人仕事に謀殺されてマジで死にそうになったヤツがいるけども。

 徭さんが真道を招いたのは、なんとご実家。兄1人父1人。お母さんはどこにいらっしゃるのでしょうね。いきなり放蕩娘が実家帰りして、しかも男連れてきたってんだから、粗忽親子でなくても絶対に勘違いするに決まってるやんけ。どう考えても娘さんの方に非があるケースなんだけど、「粗忽者が」って言った後に「勝手に勘違いしただけじゃない」って言われて黙っちゃうお父さんの優しさな。見事なワンサイド土下座の際に漏らした感情のおかげで、どれだけ娘さんを大切にしているかはよく分かりましたよね。あの土下座を受けて平然と「頑張って仕事します」とか言える真道の方がサイコパスの疑いが濃いな。

 ご実家で一通りコントを披露した後、今度は人類の起源に思いを馳せた水族館、そして最後は東京の街を長めながらのナイトクルーズと、順番はちぐはぐなれども完全にデートコース。徭さん曰く「私の人となりを知ってほしかった」ということで回った順路だったらしいのだが、どこをどう見ても指輪持ち出してプロポーズに行くセッティングだろう。こういうのを平気でやれちゃうあたりが徭さんの恐ろしいところなのだ。そして、それを平然と受け止めて、ちゃんと狙い通りの受け止め方にしちゃう真道もイカれている。たまたまイカレてる2人が噛み合ったことで、今回のデートは上手いこと目的を果たしたようであった。とはいえ、今回の目的はあくまで「徭さんの意見を効率的に真道に伝える」ということ(まぁ、1日がかりなんだから効率が良かったとは言いがたいが)。その主張が正しいものかどうかは別問題である。

 首相が言っていた通り、異方存在という未曾有の変革により、人々はそれぞれの立場でそれぞれの戦いを続けている。真道はもちろんそうだし、報道に携わる言野、自衛隊のおっさんたちまで、自分の信念を持つ者、上の指示に従う者、何もわからずに流される者。たくさんの人間が異方を自分なりのやりかたで受け止めており、今回徭さんが1日がかりで伝えたのは、あくまで徭さんの「個人的な感想」でしかない。一応まとめておくと、「人類はこれまで、自由に、運命に任せて進化と進歩を続けてきたのだから、異方存在の手を借りてその進歩に余所者を入れるべきではない」というのが端的な主張だ。もちろん、これは徭さんだけの意見ではなく、地球上には同じ考えを持つ人間も多いだろう。ワムの時の「権利関係云々」とかそういう実利的な問題ではなく、あくまで感情論として、「異方存在に進化を促進されたいか」ということなのである。

 ただ、感情論としては一定の説得力があることは認めるが、この意見はまだまだ視点がミクロである。「宇宙の塵が固まって」から地球の歴史を語るなら、人類の歴史には惑星外の存在が干渉していることを認めるわけで、例えば初めて生命が地球の海に生まれたとき、例えば初めて人類が言語を話したとき、そこには絶対、なんらかの「決定的な刺激」があったはずなのである。それは宇宙からの異物かもしれないし、偶発的な災害だったかもしれない。1人の天才的な人間が地球の常識をひっくり返したことだってあるだろう。つまり、人類は常に「何かの干渉」を受けて変化を続けている。その相手が、どこまで「身内」と捉えられるかというのは程度問題である。そして、異方というのもあくまで言葉の上で「異なる」ものであり、カドを通じて意思疎通に成功し、つながってしまった時点で異星人、外国人、隣人と概念的には程度の違いしかない。であるならば、異方存在からの技術提供のみを「異物」として拒絶するのはおかしな話である。徭さんの意見は、そこの部分に大きな隔たりがあるのだ。

 まぁ、これはあくまで極論であるし、結局どこまで言っても2つの路線は感情論に帰結するだろう。異方を受け入れるべきなのか、それとも拒否すべきなのか。残念ながら悩んでいる時間は無く、見事にサンサは世界中にばらまかれた。言野は「人々に選択を与える」と言っていたが、まぁ、ネット放送しちゃった時点でぶっちゃけ選択権は無いよな。どうせすぐに動画なんてコピー出来るんだし、数時間後には世界中にサンサの映像が溢れるだろう。見たくない人間だって、どこでブラクラみたいに動画を踏み抜くか分かったもんじゃない。情報が広がるってのは、そういうことなのだ。結局、ザシュニナの狙い通り、サンサはあまねく人類に与えられたのである。

 そして、いよいよクライマックスが近い予感。言野のインタビューでは、ザシュニナが改めて「正解」という言葉を使い、言野が意味を問うたときにも相変わらずのらりくらりと真意をはぐらかした。一応「問題」があるから「正解」があるのだ、という説明はしていたが、結局「問題」とは何かがわからずじまいだ。ここまでザシュニナが「正解」という言葉にこだわり、それに向かってカド・ワム・サンサという道筋を踏んでいるというなら、やはりまだ想像も付かないような「目的」があると言うことなのだろう。ザシュニナは放送の中で、「異方の、そしてこの宇宙の幸福」という言葉を使っている。この度の交流が「この宇宙の幸福」を左右するものであるのは間違いないのだが、「異方の幸福」とは一体どういうことなのだろうか?

 徭さんのデートプランにより、若干の迷いが生じた真道は、改めて酒瓶を持ち出してザシュニナと対峙する様子。そして、それを何だか悪そうな顔で待ち構えるザシュニナ。真道がくれたしおりはちゃんと使ってくれているし、決して裏切りを企むような関係ではないとは思うのだが、ザシュニナの場合、真道や我々地球人が想像もしないような目的意識から平気でとんでもない横紙破りをしてくる可能性はあるのだ。さて、次回は一体何が起こるのか。そして、徭さんの私服は大丈夫なのか……。

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 アニメにもっとも登場する駅舎、京都駅、第9話。日々記録を更新し続ける京都駅ですが、流石のP.A.Works、描写の精密さが段違いですわね。何がすごいって、メインキャラが会話してる後ろで駅の背景に溶け込みながら動き続けるモブが、全部違うキャラで違うモーションなんだよ。おそらくCGを何らかのアルゴリズムで動かしてるんだろうけども、細かく伸びをしたり、時計を確認したり、全員が同じ動きになってない。今期P.A.は2作品同時並行で大変な気がするのだが、やっぱり念が入ってるのは相変わらずである。

 そんな京都駅での別れのシーンを演じるのは四国へ旅発つという矢二郎。すっかり人間フォームも板について、旅立ちにも不安は無い。いや、でも旅行って電車使うのかよ。まぁ、そりゃ歩いて四国まで行くのは大変だろうし、矢三郎だってしょっちゅう電車で大阪くんだりまで出かけてたんだから、電車移動は普通なのだろうが……それだと四国くらいならあっという間に着くぞ。まぁ、いいんだけどさ。叡山電車に化けるのが得意な矢二郎がJRで移動するのもなーんか変な感じ。ちなみに、玉瀾はお見送りに来てくれたが、お母さんは別れの席に参加していない。曰く「いたら絶対に引き止めてしまうから」。玉瀾が「本当に別れの席が苦手なのね」って言ってたから昔からそういう性格なのだろう。強い母ではあるが、こういうときはちょっと弱い。でも、しょうがないよね、母親だものね。もちろん、旅立ちを祝福していないわけじゃないんだ。これもまた、1つの母子の形だ。

 矢二郎が去り、残されたのは矢一郎と矢三郎。当面の問題は偽右衛門選挙のことで、またもや赤玉先生がわがまま言い始めたらしい。天狗の後見が無いことには偽右衛門という称号も単なる飾り。なんとしても先生には立会人になってもらわなければ困るというのに、今回ばかりは今までのようにちょっとおだてて引っ張り出すということもままならぬ様子。矢三郎が言っていた「弁天に公務を担当させてなし崩し的に二代目にしちまおう」という計略はどうやら本当のようだ。うーむ、弁天様本人はどう考えてるのかしらねぇ。矢三郎はいくらか自宅で膝を突き合わせて粘ってみたものの、頑固ジジイはテコでも動かぬ。そこで一計を案じた悪い毛玉は、「波風立てる」方向へと話を持っていくことになる。河川敷でOPを(ジャスラックに配慮した感じで)歌っていたが、この世界におけるmilktubの存在ってどういう風に定義されるんでしょうね?

 先生が会議に出てこない。弁天は倫理的に立会人には不向き。だったらも1人の天狗を引っ張り出そう、というのが矢三郎の良からぬ考え。二代目に関しては、矢三郎はいつも通りに飄々とした態度で接している割に特に敵視されている様子もなし、家財道具捜索の任務のおかげでむしろ貸しがある状態。それをうまいこと利用し、いつものように白々しい会話で二代目を抱き込む矢三郎。二代目の方も狸の浅知恵などすっかり承知しているのだろうが、それを蹴らずに甘んじて受け入れるあたりが英国紳士の器の大きさだろう。何事も泰然と、統べる者の任を果たす。それが、腑抜けた父親を反面教師とする二代目の行動原理なのだろう。結局は毛玉の思い通りになるのである。ただ、この時の交渉で、二代目が父親に憧れる矢一郎を見てどこか物憂げだったのは気になるところだ。片や父に憧れ、必死にその重責を継ごうと奮闘する「二代目」。かたや、見る影もない父の老醜にあきれ果て、同じ天狗であることすら忌避する「二代目」。互いの人生を重ねあわせ、彼は一体何を思ったのだろうか。

 とにかく段取りはついた。偽右衛門会議の本番は、「京都の中心」とも言われるへそ石のある名所、六角寺で行われる。この六角寺のロケーションも非常に京都らしいところで、市街地のど真ん中に異物のように紛れ込んだ奇妙な光景。実は私もこの度のスタンプラリーのために初めて施設内に入って様子を見たのだが、古色蒼然とした寺社の佇まいから、少し視線を移すだけでガラス張りで先鋭的な高層ビルが立ちはだかるのである。この不可思議な背景もアニメの中できちんと再現されており、狸たちが頭を寄せ合って沸き立っている図式と相まって何とも奇妙な構図になっている。会議の最中は「へいもーん」ってんで寺門を閉めてたんだけど、本来なら観光客とか周りにいっぱいいる場所だからね。あんなところに大量の毛玉が集まって昼間っから談合をやってるとか……夢があってよいなぁ。

 そして更に、そんな真っ昼間のビルの間から、ふわりと降り立つ弁天の影。一応和装で登場したのは、狸たちの催しにTPOをあわせてきた結果なのだろうか。それとも、全てを承知の上で、キセルでぴゅうと一吹きするための準備だったのだろうか。先生からの指名を反故にされ、ちょいとおかんむりのようすの弁天。自分が狸を食う女だから駄目なんだ、っていう理由は重々承知してるはずなのに、それで断られるのでなく、自分の知らぬところで勝手に事を進められているのが何より気にくわないのだろう。敢えてこの場で自分が天狗ではなく「人間だ」と言ってしまうあたりも、どこか捻れた彼女の矜恃が窺えるようである。

 たくさんの毛玉が転がる境内(可愛いなオイ)、そんな中、弁天の一吹きにも耐えて平身低頭の矢三郎だけが残る。弁天が矢三郎にだけ手加減した可能性もあるが、まぁ、あれはおそらく矢三郎があの中で一番人間に化ける練度が高かったということなのだろう。怯える弟や母を小脇に、ただただ小言が頭の上を抜けるのを待つごとく。もちろん、弁天もそんな矢三郎の困った性分は充分理解しているので、そう簡単に彼の軽口で逃げ道を作らせない。「アイツと私、どっちが好きなのよ」という史上もっとも面倒臭い女の質問を、こんなところで狸にぶち込む冷酷な人。さて、どちらで答えてもDead or Dieな矢三郎だったが……。

 ラウンド……3ですかね? 二代目居宅では長椅子から転がされ、納涼船の時には鴨川に沈められた弁天の屈辱。清水寺ではそんないざこざを一時忘れたようににこやかに(??)対話していたものだが……さぁ、改めての因縁試合。そういえば、二代目は過去にイギリスでも弁天に会ったと言っていたし、その様子がぼんやりと回想で描かれていたが……二人の間には、一体どんな火花が散っているのだろう。波風立ちました。平和を乱しました。なるがままに、騒ぐままに。

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 本編でどれだけ愛憎劇が渦巻いてもCMクイズではみんな馬鹿、第9話。そういや何で社長じゃなくてアマンザさんが解答者席でボケ役に回ってるんだろうな。

 さぁ、話がグルリと動いた回ですよ。なんかもう、よく分からない展開になっちゃったけども……盛り上がってるなら(特に子安が盛り上がってるなら)それでOKだ。まぁ、「過去が分からない」なんて人間が主人公なんだから、そこからいくらでもとんでもない展開は出てくるよなぁ。

 「過去が分からない」という条件は、これまでクルーの過半数が同じ条件だった。本人も知らないってのはイドだけだったが、他の連中だってわざわざ進んで自分の過去は話さないもので。これまでのところ、全員何となく「前の仕事」は分かってたんだけど、その詳細は語られてこなかったところ。そして、今回めでたくそれが明らかになったわけだ。

 まずはリック。彼は元々レーサーだったことが明かされていたわけだが、言われてみれば、事故で身体がぶっ飛んだのに意識の方がIマシンに残っていたってのは不思議な状況。今まで何の疑問も持たなかったが、賢いアマンザさんは的確にそれを指摘。その結果、彼の現在の意識は保険のためにキープしていた「コピー」であったことが判明する。えー、人格の複製ってこの世界ではOKの概念なの? だとしたら、いくらでもダミーを作り続けることが出来ることになるわけで……倫理上も、法律上も色々と問題が多そうだなぁ……。レーサーだから特権的に認められたことだったんだろうか? 何だかよく分からないが、とにかくリックの「意識」は今や純正品ではなく、あくまでもデータの上での副産物みたいなものだということに。本人はあの通りの軽いノリなのでそのあたりにあんまり悲壮感は無いのだが、それでも大仕事を前にアマンザさんと一緒にちょっとしっぽりした雰囲気。アマンザさん、少しずつリックとの距離が近づいてる感じが分かるのが良いよね。これまでは邪険に扱ってたのに、彼の身の上話を聞いておそらく一番かけて欲しいであろう言葉をかけてくれたし、後のシーンでも、勝負の前におちゃらけるリックに、「緊張するな」と声を掛けている。彼の感情がどのように動いているのかをきちんと読み取ってくれている証拠である。最終的にはこの2人はいい感じになりそう(まぁ、リックの身体が無い以上、いちゃいちゃしようがないけども)。

 そして、今回の主役は何と言ってもカーラさん。前回子安マスクに「身体があるんだけどなー」と分かりやすい交渉を持ちかけられ、それが原因でみんなを裏切っちゃう可哀相な人。まー、アホな野郎共はほとんど肉体をロストしてるので諦めちゃってるんだろうが、目の前に「帰れる場所」があるのをぶら下げられたら、そりゃぁ心は揺らぐってもんで。何で子安マスクはたまたまカーラさんのボディを持ってるんだろう、というのは疑問だったが、どうやらロストしたのもミゲルジャンプ絡みだったようだ。オリハルトの無茶な掘削計画を練っていたある日のカーラさんは、狙っていた鉱脈の暴走でIマシンだけ残してボディは宇宙の彼方へ。そうなっちゃったら肉体には帰還出来ないという。カーラさん、すでにオリハルトの恐ろしさは嫌というほど体験してたわけやね。まぁ、その後流れ着いたボディを子安マスクが確保するまでの顛末は相変わらず謎なのだが、身体の持ち主が超絶やり手の大金持ちファンドマネージャーのものだと知ったら、何となく保管しとくのも分からなくはないかもね。有名人だし、おそらくその後も何らかの機会に政府のシステムに不正アクセスしてる履歴なんかも残してただろうから、「カーラがどこかで生きている」ことは知る機会もあっただろうし。いざというときのための交渉材料としてボディは大切に保管されていたわけだ。……変なことに使われてなくて良かったですね。

 結局、カーラさんはダイレクトな裏切り行為によってイドをおびき寄せ、子安の前に引きずり出す事に加担。でもまぁ、イドが超強かったので結果的にはそこまでマイナスにはならなかった。どうせいつか対峙しなきゃいけない関係性だったんだろうしね。裏切りを巡る対話の中で、「仲間」って言葉を聞いていたたまれないカーラさん可哀相。いや、自業自得なんだけどさ。友情復帰フラグは存分に立ててあるので、多分その内戻ってくるでしょう。マヤとアリス握ったまま逃げるわけにもいかないしね。

 そして、実はイドの正体を知っていた子安マスク。サムからの情報を受けての気づきだったっけ? とにかく、何だか分からないけど「再戦の機会」ってんでテンション上がりまくり。なんと、イドたちが必死になって探していたケイン・有栖川という男は、なんとイドさん本人だったというオチ。ひゃー、そりゃ考えてなかったね。流石にね。まぁ、取り立てて伏線も無かっただろうし(あったのかな?)。ややこしいのは、サム・テイラーやらケインやら、クローン技術でボディを増やしてる状態にあるということ。子安は「本来あっちの身体がお前の」って言ってたから、子安マスクの身体もケイン(のクローン?)だ。つまり、サムという名のクローン、子安マスクを被ったクローン、そして元々の意識としてのイド、全部がケイン。うん? よく分からなくなってきたな……。まぁいいや、事実関係は来週以降に明らかにしてもらえるでしょう。こんだけ謎がこんがらかってる上に、まだ「アリスの正体」っていう最大の謎も残ってるのよね……。残りの話数で全部解きほぐしてくれよ。

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 ドラフト不成立の週だったのでMagic関係でやることが無く、以前から少しずつ構想を練っていたビジョンについて、せっかくなので書きおこすことにしました。

 先にお断りしておきますが、この記事は完全に身内向け限定ですので、他所からご覧頂いているユーザーの人には何の意味もありません。

 


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 鈴村夫妻の壮絶夫婦喧嘩が盛り上がる、第9話。代表的な共演作っていうと「空の境界」以来かと思ったけど、確認したらそういや「キャプテン・アース」でもいちゃいちゃしてたっけな。

 ハイパー真鍳ちゃんアワーはまだまだ続く。というか、今回アルタイルもセレジアさんも一秒たりとも登場してないのよね。完全に「真鍳ちゃんのドキドキ殺し合いアワー」っていうアニメになってますやん。まぁ、こういうキャラが描いてて一番面白そうだしなぁ。実際に主人公を差し置いて顕現したってことは作中で一番人気だったのは彼女なんだろうよ。まぁ、めだかちゃんじゃなくて球磨川が顕現するのと同じ理屈ですよ。やっぱり真鍳ちゃんのイメージは球磨川が被るんだよな。どっちも制服キャラだし。セーラー服少女におもいっきり足を絡められてローファーで顔ぺちぺちされるとかいう素敵プレイを何の気兼ねもなくやってくれるのが真鍳ちゃんの良さだと思います。

 さておき、前回はまみかVSアルタイルの壮絶大爆撃で終わったわけだが、普通なら死なない世界で生きているはずの魔法少女も、この世界に顕現してしまったら立派に生身の人間。サーベル乱舞技を食らって無事で済むわけがなかった。一応大技をぶちかましたのだからアルタイルの方も無傷ではないことを願いたいところだが、元々魔法少女の技は人を殺すために作られてないし、どの程度のダメージがあったかは疑問。アルタイルはタフネスも高そうだし、多分そのうち何事も無かったかのように復活することだろう。しかし、まみかの方はファンシーな回復魔法なども無いようで、あとはただ死を待つばかりの身。命懸けで手に入れたアルタイルの真実を何とかアリスに伝えようと奮戦したが、血みどろドロップの向かった先は最悪の真鍳ちゃんだった。幼女の血液トッピングのフランクフルトを平気で食べるようなヤツのところに遺言を残さなきゃいけないあたりが運勢最悪だ。

 ただ、今回の顛末はまみかが不幸とか、真鍳ちゃんがクレイジーとか、そういう要素よりも「ホントにアリスちゃんは脳筋大馬鹿野郎だね」ということの方が影響がでかい気がする。すんでのところでまみかの死の際に間に合ったはずなのに、大事な時間をまみかの手当に使わずに真鍳ちゃんにガン飛ばすのに費やしちゃったからね。どんだけ憎らしい相手だったとしても、あの場面ならまずはまみかに駆け寄るべきだったのじゃないか。意識が朦朧としているまみかは一番大事なことを伝える気力も残っていらず、何とも都合の悪い断片だけを残しての散華。この世界の住人じゃないので、死ぬと存在を残さずに散ってしまうようだね。その割にスカーフかなんかは真鍳の手元に残ってたけども……本人の身体から離れたものは独立して存在可能なのかしら。

 口八丁が最大の武器という真鍳は、物事がなるべく面倒になるようにわざわざ誘導し、アホなアリスちゃんはろくすっぽ考えもせずに策略を頭から信じてしまう。これだから日笠騎士ってやつは……。まぁ、情報の出し方があの形式なら、確かにまみかの遺言が真逆になってしまうわけだけども。何を言われようと「真鍳が言ってる」っていうだけで信じるに値しないと思うんだけどね。まだアリスはそこまで真鍳の人となりを知らないからしょうがないのかねぇ。

 両陣営をかき回した真鍳の次なる狙いは再びの颯太。メテオラにすら話せなかった彼の過去を断片的な情報だけから再構築し、ガンガンカマをかけることによって裏付けを取っていく。まぁ、同じような類推は視聴者レベルでも出来たことだし、おそらくメテオラだって概要は察していたと思うのだが、それを本人によって裏付けられるかどうかっていうのが大事な部分。メテオラは優しさから「本人の口から出るのを待つ」という対応だったわけだが、真鍳は「本人の態度から言い逃れ出来ないように追い詰める」という手管。いくら何でも分かり易すぎる颯太さんサイドにも責任はあるけども……まぁ、ようやくことの全貌が明らかになりましたかね。およそ予想通りだったけども、問題は颯太が隠してた事実が今回のアルタイル絡みの事件で重要な意味を持つのかどうかということ。アルタイルの正体はみんな知ってしまったわけで、その作者がどうなったかってのはあんまり重要な情報ではないよな。顕現のルールを考えると、颯太や作者がアルタイルにどんなキャラ設定を付したかもあんまり重要な要素ではなさそうだし(あくまで大衆のイメージが固着するはずだからね)。まぁ、単に悩める青少年が1人苦しんでましたよ、っていうだけのお話なのかも。

 そして、あわや颯太も真鍳サイドに落ちるか、という展開だったが、颯爽と駆けつけた弥勒寺さんのおかげで真鍳ちゃん劇場は一旦幕引き。あとは拳で語る展開だ。とはいえ、片やスタンド能力で相手にガンガン物理ダメージをあたえられる能力、かたや口八丁で相手の発言をねじ曲げるだけの能力。正面からぶつかって勝ち目なんか無いと思ったが……真鍳ちゃん、普通に身体能力も高いのね。どういう世界観の作品なんだろうか……。更に能力で弥勒寺の力の一部を封印し、試合は思いの外膠着模様。チームの連携がある分弥勒寺サイドの方が有利かと思われたが、そこに飛び込んでくる脳筋女騎士で更に試合は混迷……。このままアリスちゃんが何も分からないままに憤死する展開とかだったらマジで救われないんだが、散々バトルしておいて最後の最後に「全部勘違いだった! ゴメン!」っつって寝返られても「ホント馬鹿だな……」っていう印象しか残らない気がする。つまり、もうアリスちゃんが格好良くなるチャンスはない気がするのだが……せめてまみかの遺志をついで格好良く散って欲しいもんである。

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 これの前に観に行った劇場作品は「夜は短し」だったので、奇しくも湯浅作品2連続ってことになりますね。立て続けに湯浅作品が封切りされたのは単なる偶然らしいのだけど、案外私と同じような日程になった人も多いんじゃなかろうか。ただ、「いつか観に行こう」と思って、ふと上映スケジュールを確認したら、最寄りの劇場でも日に2回しか上映されない状態になってたのは焦った。同劇場でやってる「夜は短し」の方は3回まわしだったんだけども……。あんまりお客さん入ってないんですかね。まぁ、なかなか話題にしにくい作品だったとは思うが……とりあえず、うまいタイミングで視聴できたのは幸いでした。

 

 

(以下、一応ネタバレとかそういうの注意)

 


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 俺だって能登麻美子に「美味しい」って褒められたらフランスに飛ぶわ、第9話。ナチュラル男殺しな感じが素晴らしいですね、さゆりさん。

 今回のお話は回し方も分かりやすくストンと落ちるし、そこそこハッピーエンドですっきり出来る良いお話だったのではないでしょうか。今作にありがちなもやもや成分が少ないのは、今回ネガティブな感情を抱えた人間がほとんどおらず、身の丈にあった結果に落ち着いたおかげだと思われる。まぁ、さゆりさんのラブ話は割とどうでもいい扱いだったけども……結局今回直接絡まなかった料理人、今後の展開で何らかの切り札として機能することを祈ろう。というか、そうならないと出てきた意味ないからな。

 前回抱えた悩みは大きく2つ。2つは「商店街のイベントと日程を被せちゃってババアが大激怒した問題をどうすればいいか」。そしてもう1つは「間野山の名物料理をどうやって開発するか」。前者の問題は、これまで商店街と観光協会が長い年月をかけて積み重ねてきた軋轢の限界として吹き上がった問題だったのだが、ここで我が身を挺して矢面に立ったのがしおりさんだったのが大きな意味を持った。厳しいと思われていたババアであるが、例えば身内の凛々子に対しては抜群に甘かったり、実は「単にジジイのことがマジで嫌いなだけ」であり、その理由も「間野山を害するような行為はゆるさん」という地元愛から生まれたものである。そのために「どうせ余所者はろくなことしねぇ」ってんで由乃に対してはハードルが高いのだが(そして実際に由乃もろくなことしないのだが)、それがしおりだってんなら話は変わってくる。おそらく幼い頃から見知っているのでしおりがとても良い子だということは分かっているし、普通だったらこんな状況で前に出てこない子だということも知っているはず。意を決して飛び出したしおりの覚悟を見て、何か特別なものを感じ取ってくれたのだろう。また、しおりが本気で事に当たれば何らかの解決策が出せるかもしれない、というレベルの信頼もあったのかもしれない。基本的に身内に寛容な姿勢もあり、しおりの勇気でその場は収まる。そして実際、彼女は「何を名物料理にしたらいいか」という問題に対しても、「素麺を使う」というブレイクスルーを思いついたのである。

 ぶっちゃけ、「素麺を使う」というのは地域振興のアイディアとしてはイマイチであろう。すでに日本の都道府県には素麺を名産にしているところがいくつもあり、長年培ったブランドに立ち向かえるほどの決定力を持つ企画ではない。しかし、その「ありきたり」な感じがかえってほどよいバランスになっていたのかもしれない。ちなみに、一応確認したら都道府県別で素麺の生産量を見ると、富山県は2009年時点で一応第7位だが、6位の岡山には5倍もの差をつけられているので、ぶっちゃけ全国シェアでも1%にも満たない「雑魚」である。あんまり地産地消のイメージではない。念のために小麦の生産量も確認したが、まあ、こちらも大したことはない。つまり、「富山ならコレ!」という産品ではないのだ。しかし、もしそういう「コレ!」という名物があるなら、おそらくそれは都道府県の規模ですでに使用しているだろうし、今更間野山が取り扱えるものでもないだろう。今回の企画で重要なのは「オリジナルのメニューを作る」という点であり、例えば焼きそばの産地ではないけど富士宮焼きそばが有名になったり、そういった「目新しさ」があり、「地元ではよく食べてますよ」という売りがあれば、それは立派な名物になる。しおりは、そんな「隠れた目新しさ」を素麺という定番で家庭から引っ張り出そうとしたわけだ。

 企画は使いやすさも功を奏して商店街にも認可され、実際のイベントもそこそこの盛況。商店街の企画と合同で開催出来たことで、集客の面でもカバーしあうことが出来たのだろう。きちんと地元参加型だし、将来性も最低限は期待出来る。何より、地元の人に参加を募っているだけなので、企画がこけても財政的に大した痛手にならないのは大きい。イベントで結果を出したという事実さえ作ってしまえば、あとは全国レベルのB級グルメ大会とか、そういう方向にも展望が開けそうだし、最悪一切外部に広がらなくても、「間野山のみんなで新しい素麺の食べ方をシェア出来た」っていうだけでもなんか楽しいからいいじゃない。いかにもしおりさんらしい、良い企画だったのである。

 今回の企画は、別に劇的な成功を収めたという結果を伴わずとも、「しおりさんが人間的に成長した」という事実、「チームの結束力が更に高まった」という事実、そして「商店街とのすり合わせに成功した」という事実が確認出来ただけでも進歩なので、作品全体で見れば充分なハッピーエンド。これまでのように「今後どうなるか分からない」という不安が残っていないので、ようやくすっきりと見ることが出来た良いお話である。また、そんな綺麗な起承転結の中で、由乃だけが勝手に暴れて自爆しているのもポイントが高い。由乃はベースとしては頑張り系の主人公のポジションにいるのだが、きちんと「お祈り30社」キャラを忘れずに駄目なところを見せてくれている。最初は遠慮がちだった町興しとんでもプランも、少しずつ地元との接点が生まれ始めたことで良い具合にコワレ始めた。誰だ、このアホをドクと引きあわせたヤツは。いや、まぁ、子供さんには人気だったっぽいから成功と言えなくもないのだが……食べ物で遊ぶんじゃねぇよ。「これだから東京もんは……」とか思われてそう。別に東京都民でもないのに。まぁ、由乃はまだまだ「成長」という文脈にのっていないキャラなので、今回のコックと同様、少しずつ駒を配置して、ラストのカタルシスに備えている状況でしょうよ。どこかで、彼女のアホパワーが爆裂して間野山を救う日が……来るといいね。

 追伸:アンジェリカの娘、エリカちゃんはまだ若いのにすでに自分のボディのことを気にしている様子ですが……いいやん、四ノ宮の姉妹がちょっと規格外なだけで、多分年齢を考えたら相応のサイズでしょ。しおりさん、何でよりによってバストアップを強調するセールスちらしを用意してたんや。もしかして、実際は自分の武器をフル活用するしたたかな女なのかも……。薄い本が捗るなぁ。

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 カドカステラ、結構なカロリーになりそう、第7話。異方存在がモチーフのお菓子って、そもそも美味そうに見えるか?

 まぁ、元々危機意識に乏しい日本人の反応はそんなもんだろうが……無頓着なわけでなく、あえて危険に突っ込む人間だって中にはいるわけで。今回、前半パートで主役を担ったのはこれまでも何となく取材陣の中では中心的存在だった言野という男。いわゆるジャーナリズムに強い自負を持ち、多少ならば無茶してでも特ダネ掴んでくるタイプ。ただ、カド関係の問題も一段落し、ワムに関してそれ以外の問題も山積している状態であるため、人手が足りずに最前線業務からは引き戻されて雑事を任されるようになっていた。

 そんなところに現れたのが都合のいい金づる。現実で言えばぶっちゃけgoogle。この世界ではsettenと呼ばれる大手メディアの引き抜きを受ける結果になった。どうやら一番最初にヘリでカドを激撮しにいったのが高評価だったらしい。まぁ、いきなりあんなもんが出てきてすぐにゼロ距離まで接近できるのは確かに無謀な勇気ではあるな。無事に部下2人も引き連れてsettenに引き抜かれた言野は、さっそくザシュニナに突撃取材を敢行。政府としては民間人の勝手な干渉は望むところではないのだが、当のザシュニナさんはそのあたりに寛容。っていうか、彼からすると政府を通じる必要などなく、とにかく自分たちの狙いがこの宇宙の人間に伝わってしまえばいいわけで。わざわざヘリポートまで完備してのお出迎え。言野達一行はめでたく真道に続いて「望んでカドに取り込まれた人間」の事例第2号になったのである。

 そこで見せられたのが、前回新たに登場した「眠らなくて良い装置・サンサ」である。どういう仕組みなのかは当然現代科学では説明不可能な代物だが、ざっくり言うとジョジョ7部の大統領のスタンドみたいな能力である。あくまでこの世界で我々が知覚しているのは「自身の断片」に過ぎず、次元を跨いだ向こう側には、実は同じようにたくさんの「自分」の断片が広がっている。サンサはその形状で異方の感覚を呼び起こし、「断片」を意識することが可能になり、結果的に「(これまで)自分(と認識していたもの)が増える」という。いわゆる二重人格とかそういうレベルの話ではない。何しろ、あくまでも「自分の一部」であり、パソコンで言うなら今まで見えなかったところにあったメモリやHDを新たに増設したような状態。今までと同じスペックでの活動を続けていくならば、片方のシステムに仕事をさせれば、もう片方はスリープにしても問題無い。これが「眠らなくても良い」ことの正体である。単に「脳が休む」というだけでなく、あくまで別次元での「睡眠」は実現するので、身体の方も疲労と回復を同時進行で行うことが出来る。睡眠が「無くなる」のではなく「同意に行う」ことで、ゼロ睡眠に関して問題になりそうなポイントは全て解決しているのだ。真道は一応注意喚起していたが、おそらくザシュニナのいう通り、人類に直接的な副作用などは存在しない装置なのだろう。

 そして、これがワムの時とは違って「1個しかないけど、単に映像として見ればいいだけだから」ってんでプレスに伝えたあたりがザシュニナの策謀。報道するかどうかは言野の手に一任されたわけだが、まぁ、遠からず世界に発信されることになるだろう。googleの力でYoutubeに上げてしまえば、そこから複製も自由自在だし、全人類に届くまでに大した時間もかからないのではなかろうか。しかし、相変わらずザシュニナの目的が定かでない状態なので、それがよいことなのか悪いことなのかは分からないままだが……。

 ザシュニナは、真道の言葉を借りるなら「人間らしくなってきた」らしいのだが、それはあくまで読書などのデータの蓄積から、より「この宇宙の人間が接しやすい形」を覚えているに過ぎない。もちろん、実際にこの宇宙の空気に触れ、人間達との接点を持つことで影響を受けた可能性もゼロではないが、異方存在はそんなヤワなもんじゃないだろう。着々と進んでいく異方からの「親交」と「侵攻」は、果たして何をゴールに定め、何を持って「正解」とするものなのか、まだまだ慎重な姿勢は崩せないのではなかろうか。そのあたり、今回初めて真道も何らかの懸念を持っていたようだったし。

 そして、異方に対する慎重論を体現しているのが、浴衣姿でうなじまで見せちゃった徭さんである。彼女、金魚掬いで亀まで捕れちゃう万能超人なんだけど、何故かチョロいイメージが払拭できなくてな……。大変可愛いのでけっこうなのですが、彼女の口からいよいよもって「ザシュニナの排除」という言葉が出てきたことで、物語はいよいよ中盤の山を越えてきた感がある。やはり、徭さんの中には根強く「異方不要論」が残っている様子。彼女はまだサンサのことを聞いていないはずなので、ワムの一件だけでそうした結論に達していると考えられる。真道は彼女の意見にすぐに賛同することは無いだろうが、聡明な人間なのは間違いないので、異方の危険性について、見ぬふりをすることもないだろう。さて、ここからどう展開するのか……。

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