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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「テイルズオブゼスティリアザクロス」 6→5

 超絶「なんとなくRPG」の大作。すごいバトルだったのは間違いないのだが、何と何が戦ってるかはよく分からない、そんなアニメだ。

 映像の品質については、疑問を差し挟む余地もない。圧倒的ufotableクオリティ、「Fate」シリーズで見せつけた流れるような微に入り細を穿つCGワークは、正統派ファンタジーのこの「テイルズ」世界でも遺憾なく発揮されており、1話で見せつけた絶望的天変地異、圧倒的サイズ感を誇る憑魔の存在感、そして剣と魔法で戦う主人公パーティーの流麗なアクション。どれをとっても非の打ち所がない。キャラクターの造形も一切崩れる心配は無く、藤島康介のデザイン、いのまたむつみのデザインが違和感なく同居し、躍動感たっぷりに動き回る。アニメスタジオ数多くあれど、これだけの仕事を成し遂げられるのは、天下のufotableくらいのものだろう。そういう意味では、期待に応えた完璧な作品になった。

 ただ……それだけのクオリティでもって、一体どんな物語が作りたかったのかは、結局よく分からない。いや、分かることは分かるんだ。主人公のスレイが、巨悪を討つために立ち上がって大活躍する冒険譚だ。そのために天族のみんなは力を貸してくれるし、合体変身によって強化されるシステム面も分かりやすい。間違いなく主人公はスレイだったし、彼が「RPGの主人公」なのは疑いようもない。……でも、一体何が敵だったの? 「憑魔」とサラッと言われてるし、それが人類に(もっと限定すればアリーシャに)害を為すものであることもこれ以上ないくらいに分かりやすいのだが、「で、憑魔ってなに?」っていう部分は全く分からないままなんだよな。何となく「災い」とされている現象の一部であり、それが単なる自然災害に含まれるのか、何らかの大きな意志によってなされているものなのか。最終話ではようやく「なんかボスっぽいヤツ」が出てきたおかげで、どうやらこれが人為にのっとったものであることは分かってきたのだが、それがシリーズ中では曖昧なままだったため、スレイが何と戦えばいいのかがさっぱりわからんでな。どうにも視聴モチベーションが維持しにくい。結局、本作は壮大な英雄譚の「序章」でしかないため、単体で物語に評価を下すことができないのよね。

 まぁ、「まだ続くよ」ということさえ分かっていれば、「そういうプロローグ」として受け入れることは難しくないが、流石にこれだけで「面白かった、素晴らしい作品だ」と言うことは出来まい。まだしばらく続きそうな気配だし、気長に続編を待つしかないだろう。次の放送がいつになるかは分からないが……それまでアリーシャが生きてるといいですね。

 一応、今作ならではの面白い設定として、「天族の連中がスレイ以外に見えてない」っていうギミックがある。あれ、ゲーム中ではどういう風にパーティが行動してるんでしょうね。「正義の味方チームのほとんどが透明人間」という結構突飛な設定なのだが、天族に対するアリーシャの対応なんかを見てると、なかなか上手いこと処理されているし、割と面白い効果を生んでいるような気はする。どう考えてもスレイは傍から見たら危ない人にしかみえないのだろうが、画面構成なんかを上手いこといじってその辺の違和感を消しているのは素直に感心した。どっかに「全部スレイ以外の人間の目線からバージョン」みたいな映像があったらなかなかのカオスになって面白そう。残念ながら(?)そんなニーズはないんだろうが。

 まぁ、とりあえず1期目は「アリーシャさま、がんばえー」というだけで終わってしまったので、2期目はもう少し具体的な冒険が見られることを期待しよう。そういえば、途中で挟まれたサトリナ・ツダケン軍団の物語、アレ一体なんだったんでしょうね。サトリナ姫のキャラが最高にクールだったので、あっちの物語もすげぇ気になる。てっきり2つの陣営の物語が「クロス」するのかと思ってたんだけど、結局何の関係もなかったな……。

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「マクロスΔ」 6→5

 悪くない、決して悪くない作品ではある。ただ、どうしても「マクロスの看板」となると重たい部分が出てきてしまうのはしょうがない。「F」から「Δ」までが約8年なので次のマクロスの登場は2024年です。……河森監督、その頃も元気で働いているだろうか。

 個人的にはマクロスシリーズとは言っても「F」しか知らないのでそことの比較になってくるが、今作は「F」と比べても微妙に盛り上がりに欠けている印象がある。作中云々もそうだけど、世間的にもあまり話題にされていない。まぁ、オタク文化が浸透と拡散を繰り返し、作品本数の増加もあるので一本の作品で熱狂的に盛り上がるタイプのファン層がなくなってしまったという理由もあるのだろうが、それ以外にも、本作にはどこか誘致要因の乏しさみたいなものが感じられた。

 マクロスシリーズのキーワードは、いつぞやの特番で監督自身が上げた3つの要素にまとめられる。「メカニック」「歌」「三角関係」だ。本作はその中でも「歌」の要素が強く、これまで「歌姫(ときに野郎)」という存在は今作でも健在。フレイアと美雲という両輪が作中でも重要な役割を果たす。そして、今作オリジナルの要素としてワルキューレというアイドルグループが存在し、この「歌」の要素を賑々しく盛り立てようという狙いがあった。折しもアイドルアニメ華やかなりしこの時代、マクロスだっていつまでも1人2人のカリスマシンガーに頼るのではなく、グループでの歌唱をテーマにしようというわけだ。ワルキューレの存在感は充分なもので、1話目から最終話まで、徹頭徹尾この世界の中心であり続けたし、物語に様々な影響を与えもした。しかし、その分メインとなる「歌姫」の存在感を削るという影響を及ぼしたことは無視出来ないだろう。また、今作は「F」のシェリル・ランカの関係性と異なり、三雲は「三角関係」に絡まない独立した存在と定義されている(まぁ、ラスボスだが)。このセッティングにより、「三角関係」と「歌」が乖離し、ドラマ部分とアイドル部分に隙間が生じてしまったように感じられる。最終話を観るとそれが分かりやすいと思うのだが、「F」の最終話は怒涛の「娘々サービスメドレー」で延々2人の歌姫が歌い続けるという圧巻の作劇。それに対し、本作は歌こそあったものの、メインで流れたのは2曲どまりで、あくまでもクライマックスの添え物になっている。

 それでは「三角関係」を作るもう一人のヒロインはどこにいるかといえば、最後の告白で玉砕することだけが指命だったミラージュ隊長なわけだ。この子はハヤテのお仕事サイド代表、つまり、3つのキーワードのうち「メカニック」側に属するキャラクターである。つまり、今回の「三角関係」は「歌」VS「メカニック」というデザインだったわけだ。こうして書き出せば「なるほど、三つのキーワードを効果的に絡ませる設定だ」と思えるかもしれないが、実際にどうなったかは視聴していた人ならご存じの通り。今作は中盤以降に戦闘シーンが減ってしまい、おかげでミラージュさんは中盤からほぼフェードアウトの状態。単に「悩んだハヤテをやんわり励ます」くらいのポジションになってしまい、事実上のリタイア。おかげで「三角関係」の要素もほぼ意味を成さなくなり、物語のキーワードが同時に2つ失われてしまったのだ。こうなると、後はアイドルグループが反乱軍と戦うという構図だけが残り、言ってしまえば「AKB0048」の焼き直しみたいなもんである。いや、最近だったら「アクエリオンロゴス」の方が近かったかな。

 確認しておくが、別につまらなかったと言っているわけではない。映像のクオリティは水準以上に達していたのは間違いないのだし、ウィンダミアという抵抗勢力と統合軍の戦争は、軍記物として成立もしている。ハヤテがなんだかパッとしない、とか言われている向きもあるが、ぶっちゃけ、別にアルトだって主人公として魅力的だったかと聞かれたらそうでもないわけで、その部分が「F」より劣っていたということもない。ただ、「歌」「メカ」「恋」という3つの要素を同時に盛り立てる脚本作りに不備があったおかげで、どうにも「マクロスらしさ」が感じられず、穏当な「それっぽいSF」くらいの枠内で収まってしまったのが勿体なかった。ワルキューレの提供楽曲は決して悪いものではなく、いかにも「らしい」良い曲もたくさんあったのだが、「歌姫」が「三角関係」に絡まない関係上、どうしても歌が物語に有機的に関係せず、結局最終話でも2つのオープニングを流すことでお茶を濁すに留まっている。「F」クライマックスで「ライオン」を中心とした怒涛のメドレーが生み出されたこと、ラストで作品のトレードマークとして「トライアングラー」が流れたことと対比すれば、今回の物語が「歌」との接点に欠けたことは理解出来るのではなかろうか。

 まぁ、個人的には「フレイアが可愛いからいいじゃない」と言ってしまえばそれでOKな気もするんだけど。劇場版までもつれ込んだシェリルVSランカのバトルと違い、今回は唯一ヒロインであるフレイアの完勝。まぁ、彼女の人生は間もなく幕を閉じてしまうだろうが、1つの物語としてはハッピーエンドである。彼女が最後までキャラを維持して魅力を振りまけたことは、今作の収穫と言っていいのではなかろうか。中の人もこれがデビュー作とは思えないいい仕事をしてくれていた。今後どういう方向に進むのかは分からないが、もし声優業を志しているなら頑張ってほしいものである。

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 3回し目。この辺りで多分深夜2時3時だろうなぁ。

 


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「チア男子!」 5→5

 至極まっとうなスポ根アニメでした。目標を持って、みんなで努力して、チームで喧嘩して、最後は大団円。そういう分かりやすい一本。

 「チア」という珍しい題材だったのでそのあたりに何か特徴があるかと思われていたが、まぁ、その部分にあまりオリジナリティは感じなかったかな。結局は「そういう大会」に出てプレゼンテーション競技として誰かと優劣を競うことになるわけで、これがフィギュアスケートでもシンクロでも、そこに大きな差は無い。強いて特徴としてあげるなら、途中でハルがおねーちゃんのスランプを「応援」で打開するところ、カズがばあちゃんの見舞いでへこんでたところを励ますところ。そういう「他の人が落ち込んでるときにダイレクトに練習の成果が出せる」というのは「チア」という題材が分かりやすく活きたところか。正直、画面はレベルとしては並なのでそこまで「チアの格好良さ」とか「チアの躍動感」みたいなものが伝わったとは言いづらいのだが、まぁ、素人集団が急ごしらえで作った演技だったわけで、そこまで統制の取れたびっくりな映像を見せられるよりもある意味リアルであるとも言える。どういう練習をどれだけ繰り返し、どんな部分で成長していくのか、っていう過程は段階的に描かれていたし、ひょっとしたら今作(か原作)で「男子チアをやってみようか」と思う人間が出てきてもおかしくない程度には説得力はあったと思う。

 難点をあげるなら、やっぱり人数の多い競技であるために、中盤以降のキャラたちの絡みが割と適当になってしまったこと。まぁ、それだけメインの連中に時間を使ったということなので、中心となるドラマに不足は無かったと思うが、途中で一気にメンバーが増える部分なんかは、どうせやるならもうちょっとゆっくり1人1人のモチベーションを掘り下げる作劇が見てみたかった気もする。まー、就職活動の片手間で参加してたような連中もいるのだし、案外そこまで深い動機なんて無いってのが正解なのかもしれないけど。あくまでも「部活」じゃなくて「大学のサークル」っていうのが絶妙なリアル感よね。

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「モブサイコ100」 5→6

 おもしろいさくひんでした(小並感)。漫画の画の見せ方ってのも色々あるものだと、感心させられることも多くて楽しいアニメ。

 正直、スタート直後はあんまり期待していなかったんだよね。「ワンパンマン」と原作者が同じってことで、「それなら絵がすげぇワンパンマンの方が面白いんじゃないの? 設定もなんか似てるし、あれを超えることはないやろ」って思ってたんだが、なかなかどうして。シナリオだけで言ったらこっちの作品の方が圧倒的に好みでしたね。一番の違いは「最強能力者」という同じカテゴリでも、サイタマはマジで最強だったから一度たりとも劣勢にもならないし、バトルで本気を出すことすらなかったが、モブは決してそこまでの絶対的存在じゃなかったというところ。単に「最強だけど理解されない」っていうギャグを切り盛りするだけならサイタマで充分なのだが、流石にストーリー漫画としてバトルで繋いでいくには、やっぱり「強すぎるキャラ」は手に余る。その点、モブはまだ子供らしい不完全さもあるし、決して無条件での「最強」ではなく、彼の成長も見るべき点になっているので、単純に「少年漫画としての見やすさ」で言ったらこちらの方が上になるわけだ。ギャグだと思って高をくくっていたら、弟君との交流の物語とか、ラストの師匠大活躍のくだりとか、普通に見ていて面白いから困る。

 また、「作画は村田雄介がやった方がいいに決まってるやんけ」という問題についても、決して「上手い絵のアニメ化」ばかりが「見応えのあるアニメ」になるわけではないという、当たり前の真理を教えてくれた。いや、逆か。「上手くない絵のアニメ化」でも「見応えのあるアニメ」は作れるというべきだな。マッドハウスの全力の作画も楽しかったが、ボンズが味のある原作絵テイストを残しながらもグリングリン動かすことを可能にした超絶作画もまた見もの。これだけの手間をかけるだけの価値が、今作のバトルにはあったということだ。立川譲監督は前作でも非常に面白い構図を切り出し、独創的な世界観を作り上げてくれたが、今回もその構成力が遺憾なく発揮された。オープニングのヘンテコ映像とか、まさにサイコなんだけど音と相まって癖になる出来だ。

 こういう漫画をちゃんと掘り出してアニメ素材に活かせるのだから、まだまだ業界は原作枯渇なんて言わせない。きっと、新たなチャレンジャーを待っている野心的な漫画原作は埋もれているにちがいない。

 しかし、何で今作は微妙なところに兼ね役を導入してたのか、っていう部分だけ謎なんだよな。細谷なんてめっちゃ大事な役を2つ任されてたよ。普通そこはキャストを変える気がするのだが……まぁ、面白かったからいいや。なんか、チンピラ役でしれっと関俊彦が混ざってたのがやたらツボった。

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 大・団・円! 最終話。2期クライマックスで1期OPが流れるアニメは名作。異論は適宜認める。

 最後まで作品の持ち味を損なうことなく、何食わぬ顔で一気に駆け抜けた。この溢れ出るB級感が最高だ。最終話の構成は圧倒的ベタ。最後の爆弾を破壊するために持てる仲間の力を全て合わせ、最後の最後まで盛り上げまくる。オチなんて分かりきってるのに、ミッションの詳細なんてよくわからんのに、このテンションの上げ方はなかなかずるい。もう、「Golden Life」が流れて大量のウィルウェアがガッチャガッチャと連携を繋いでいくシーンだけでも満足ですね。いや、コレ本当はもっと時間を割いてやって欲しかった部分ではあるんだけども。シーズン全体の構成を考えたらこうなるかなぁ。まぁいいや、どうせいくらでも3期4期と続けられるデザインだしな! 是非! いっそ次のシーズンはダイクがメインのお話でもいいぞ!

 2期に渡って紡がれた物語なので、最終話で全員に活躍のシーンを作るのも大変なこと。ダイハチメンバーはいつも通りの持ち場を離れず、円ちゃんやあさみちゃんはコソッと見せ場を、船坂さんは最後の最後で「許諾頂きました」をぬけぬけと言いきり、エミリアやまりもちゃんも何となく「成長した」感を出す。協会さんは協会様と2人で訳の分からない盛り上がりを見せ、アビゲイル専務はフルスロットルでパワハラを満喫。最後の決め手は妹ちゃんとミュトスがバードの狙いを読み切っての逆転勝ちで、殉職覚悟の黒騎は問答無用の主人公パワーだ。もう、何も言うことはないな。ちなみに、最後の最後まで「凡河内さんに殴られるだけの役目か?!」と思っていた瀬名だったが、流石のサブ主人公。彼の大役は、「オチの一言を漏らす」だった。瀬名さん、まだまだこれからも苦労しそうだなぁ。

 最終話のおまけみたいな感覚で、まさかの「バードの相方」が判明! いや、知らんし! どうでもいいし! A子さん、もしかしてここまでの登場シーンも改めて見返したらどっかに伏線あんのかな……いや、無いやろな……。絶対やりたいからやっただけのシーンやで、あれ。もし3期があるとしたら、今度はエイプとしてボスキャラ扱いになるんでしょうかね。まさかの木村珠莉がラスボスという展開。ムサニもびっくりの配役であった。

 何とも馬鹿馬鹿しい晴れ舞台。こういう頭使わなくていい活劇ってのはアニメの本懐ですね。気持ちよかった、楽しかった。いつかまたどこかでおはこにゃばちにんこ。

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「あまんちゅ!」 5→5

 よしなに終わりましたかな。まぁ、何がどう動くということもないのだけれど。

 望まれた形をしっかり実現してのアニメ化、といったところではなかろうか。サトジュンの指揮で天野こずえ作品のアニメ化ということは、つまり「ARIA」が素晴らしい作品だったのであれをもう一回見せてくれ、っていうニーズが多かったということだ。そうしたニーズには文句のない応え方であり、あくせくした現代社会のアニメの中で、ここまでの癒しを与え、のんびりとした空気を提供してくれる作品はなかなか珍しいものだ(まぁ、前クールには「ふらいんぐうぃっち」という化け物もいたが)。

 基本的に私はこうした一連の天野こずえ作品のファンなので、今回のアニメ化の方向性も問題ないと思ったし、品質は充分なものだったと思っている。ただ、敢えて難を上げるなら、いくらか「ARIA」の存在に引っ張られすぎたところはあるんじゃないかなー、という気持ちも無いではない。作者が同じで、もちろんテイストも似ているとはいえ、やはり2つの作品は違うものであり、良さを引き出すためには同じ方向性が正解とは限らない。今作の場合、ネオベネツィアのウィンディーネたちよりも身近で現実的な「現代日本の女子高生」が主人公。アニメを見てるとぴかりじゃなくて完全にてこの方が主人公だったわけだが、とにかく「ファンタジー」という路線とは区別して考えるべき設定。つまり、灯里たちとは違って、ぴかりやてこ達はもうちょっと地に足のついた存在感を持っているべきである。そのあたりはキャラクターデザインの描き込みの変化なんかでも意識していることが分かるが、個人的にはもうちょっと「ありそうな」演出にしてもよかったかな、と思った部分もあった。まぁ、ぴかりのキャラなんかは元々あんまり「無い」んだけどさ。

 あとは、こうしてゆっくりのんびりとしたアニメの理念を求めているかどうか、っていう話になるわね。いわゆる「日常系」以上にユルユルとしており、1クールかけて達成したのはてこのCカード取得だけ。そう考えるとあまりに贅沢過ぎる尺の配分であり、この歩みの遅さに退屈を感じる人間も少なからずいることだろう。こればかりは、求めているものの差なのでどうしようもない部分。まー、そういう人から見たら「ARIA」だって同じように物足りないわな。こうして独自のスタンスを貫き通す作品ってのは、1クールに1本くらいはあって然るべきなんじゃないでしょうかね。

 中の人的には、最終的にてこが世界を定義したためにかやのん旋風の片棒をかつぐ結果となっているが、ぴかり役の鈴木絵理も頑張っていた。「ふらうぃ」から今作へ、どうにものんびり作品に縁のある子のようだ。あとはメインキャラは先生と双子で3人だけで、みんな文句無しで雰囲気には合わせてたと思う。個人的な見どころはシカコとあやっぺの猫コンビ。あやっぺがゴエモン飼い始めたのと絶妙にリンクしたのが何とも。

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B-PROJECT〜鼓動*アンビシャス〜」 5→4

 夜叉丸さぁぁぁぁあぁあああん!! なんだこれ?! これまでの何もかもが最終回でぶっ飛んだぞ。え? ……どゆこと?

 いやぁ、ものすごい作品になりましたよ。某漫画家の格言に「名作の条件は最終回でコケること」ってのがあるが、こけるなんてもんじゃない。足を滑らせたそのままの勢いで成層圏の彼方へと消え去ったようなもんだ。えぇええ……。結局今作は何が描きたかったんでしょうね。

 最終話を除いて考えるなら、それなりに普通のアイドルアニメの枠内に収まっていたと思う。メンバーが10人ってのは相変わらずちょっと多いのでなかなか1人1人の掘り下げが出来てなかったのだが、元々この1クールで終わってしまうような作品でもなかろうし、今回は一部のキャラ関係を掘り下げるだけでいいんだろう、と思っていたのだが……この最終回で全ての雲行きが怪しくなってきたぞ。いや、笑ったけどね。変な笑いしかでなかったけどね。

 わざわざ夜叉丸さんを闇堕ちさせてまで描きたかったことは、「何があってもメンバーはつばさちゃんが大好きなんだよ」ってことなんだろう。中心にいるヒロインに対してメンバー全員が並々ならぬ愛情と信頼を注ぎ、その愛情のために全てをなげうってくれる。「うたプリ」と似たようなデザインだが、その「信頼」を示すのがラストの移籍騒動の目的だ。もちろん、そういうプロットがあってもいいし、割とベタな設定と言える。でも、そこでなんでわざわざこれまで積み重ねてきた夜叉丸さんへの信頼をぶっ壊してしまったのか……。正直、俺なんか「作中のキャラで一番好きなのは?」って聞かれたら「夜叉丸さん」って答えそうなくらいだったのに。彼、頑張ってたし。いいこと言ってたし、つばさちゃんにとってもいい先輩だったし、時にはボケてもくれたし、CV鳥ちゃんだし。……そうかー、CV鳥ちゃんは反逆の伏線だったのかー。えぇーー。

 この訳の分からない「反逆の夜叉丸」を描きたいがために、最終話は訳の分からない結果になってしまった。ラストにメンバーたちが選択したのはつばさちゃんだったわけだが、こんだけのゴタゴタを引き起こして、わがままで上の決定を蹴り、様々な企画を台無しにしたBプロがこの先芸能界で生きていけるのだろうか。有能な夜叉丸さんは(何故か全く分からないが)つばさちゃんの家系を憎んでおり、Bプロがつばさちゃんの尻を追いかけている限りは敵に回るはずだ。そりゃもう、悪魔でもなんでも召喚出来る勢いだ。そんな状況下で、Bプロの面々は女の子とイチャイチャしてるだけでいいのだろうか。次のシーズンでは「悪魔に取り憑かれた夜叉丸を救え!」みたいなミッションにでもなるのだろうか。もう、何もかもがカオスの中だ。

 うーむ、ある意味とても斬新な展開ではあるが……何がやりたいんですかね。西川さん、何とかして下さいよ。

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Rewrite」 3→4

 色々だまされてる感はあるものの、どっちかっていうと作品自体よりも己の視聴体制についての反省を促される作品。

 訳は分からない。現時点でもあんまり分かってない。これは最序盤からすでに横目で見る視聴体制だったためで、ここまで世界観がぐるんぐるん裏返る物語を、適当な視聴で把握できる訳がない。ただ、一応言い訳をしておくと、1話目の「訳のわからなさ」はやっぱり作ってる方にも責任があったと思うので、私の初期対応の遅れを招いたのは制作側だと思いたい。私は(そんなに)悪くない。

 では、何を反省しなきゃいけないかというと、これがやっぱり視聴体制なのである。私のモットーは「右から来たアニメを左に受け流す」である。なるべくフラットに、初めて接するアニメについて先入観を持たず、ただその中身から「観るor 観ない」を決めたいというのが動機で、出来る限り目の前にあるものだけを手掛かりにしたいと思っている。しかし、それってとても疲れる見方なのだ。人間が何故先入観なんてものを持つかといえば、「同じようなものは同じように対処出来る」という省エネ思想から産みだされた一種の順応であり、全ての事象を「初めて見るもの」と捉えていては、外界把握が追いつかないからである。先入観は、効率的に物事に対処するための生物としてまっとうな反応なのだ。

 このアニメを見始める時に「訳が分からない」と断じてしかめ面をしてしまったことについては、上述の通りに制作側の責任もあろうが、どうにも、「Key作品ってのは大体こういう作品であろうから、その物差しに当てはめると訳が分からない」だった気がする。全ての前提を取り除き、あらゆる情報を均等に扱っていれば、もう少し「このアニメの正しい対処」を考えられたような気がする。そう、やっぱり初期対応の遅れは私にも責任があった。だからこそ、反省している。ここまでが前置きだ。

 一体なんの話をしているのかというと、この作品は「あまり既存のKey作品らしくなかったから、何を焦点に見たらいいかがよく分からなかった」という話。誤解を恐れずものすごく端折って書くなら、「学園ラブコメだと決めつけて観てたらセカイ系バトルだった」というズレ。1話目で「セカイ系バトル」としてのヒント(というか答え)はちりばめられていたはずなのに、そうした要素を初見でノイズとして無視してしまい、「それはそれとして学園ものだろ」と勝手な解釈をしてしまった。おかげで視聴モチベーションが上がらず、情報の取得をおろそかにした。その結果、本腰が入り始めた中盤以降に世界の転化についていけずにオロオロしてしまったのだ。これは流石に私が悪いと反省せざるを得ない。あくまで今回は「1クール目」であるが、最終回の形を見る限り、制作陣はきちんとこのゴールを見据えてプロットをしいていたわけだし、いくらか窮屈な印象こそあるものの、おそらく物語としては成立していた。

 そして、今作はずっと見れば見るほどに「嫌いじゃなくなる」傾向にもあった。普通ならこういうタイプの主人公はあまり受け付けないはずなのだが、ヒロイン勢との会話の作り方のおかげなのだろうか、あんまり嫌悪感もなかったし、阿漕なヒロインの置き方も、物語の本筋が見えるにつれて「無茶苦茶やんけ」と「なんか放っておけないやんけ」が混在することになった。1話目で不安視していた映像面についても、こういう「世界」の物語であるなら、違和感のあるクリーチャー描写にも意味があり、この形で表現することをハナから狙っていたのだということが分かる。全部、ちゃんと計算尽くでの「訳のわからなさ」だったのだ。

 うーむ、これ、2期が始まる前にこの「書き直す前」の物語はもう一回観ておかなきゃいけない気がする……。以上、番組の感想文というよりも、個人的な反省文でした。

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