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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「僕のヒーローアカデミア(第2期)」 5

 今期一発目の新番組はこれ! まぁ、実は本来なら先週始まってたんだけど、私としたことが、うっかり予約録画を忘れて見逃してしまってな……。先週はバタバタしててしょうがなかったんだよぉ。

 1話目見逃したやんけー、と思ってちょっと申し訳ない気持ちで「2話目」を見始めたわけだが……あれ? これどう考えても1期から綺麗につながってる話やん。どう考えても1話飛ばしてるとは思えない。確認してみたら、どうやら先週は1期の総集編だったみたいね。なーんだ、だったら別に見なくてもいいや。こちとら原作も読んでるから復習しなくても問題無いし。OK、今回のミスはノーカンだ。

 じゃ、改めて「1話目」を見るわけだが……まぁ、何か変化があるわけでもなく、普通に正当な2期目だ。ただ、如何せん1期の幕引きが後味の悪いものだったので、2期の始まり方もちょっとどんよりした空気から始まっているのであんまり爽快感はない。そういうシナリオなんだからしょうがないんだけどさ。考えてみるとヒロアカって毎度毎度苦しい立場からのスタートだから、明るい話をしてるタイミングってあんまり無いんだよね。こっから先もヒーローサイドはヴィラン連合にいいようにされる展開がほとんどだしなぁ。ジャンプ漫画なら努力からの勝利なんだから普通の展開のはずなのに、息を抜けるタイミングが少ないってのはけっこう珍しい作品なのかもしれない。

 一応、2期のスタートは体育祭から。せっかくタイトルが「アカデミア」になってるんだから学園ぽいことで盛り上げてもらわないとね。正直、1話目は重苦しい空気の中で対話(独白)してるパートが多かったので、アクションが売りの作品の出だしとしては今ひとつ。いや、正確な1話は前回だったはずだから構成がどうなってるかは分からないけども。話は重たいものが多いのだから、画面だけでもスカッとぶっ飛ばして気持ちの良い話を期待したいね。

 なお、タイトルはお茶子さんでしたが、当方梅雨ちゃん推しなので、梅雨ちゃんが頑張る話がみたいです。まぁ、ヒロアカの女の子は割と可愛い子が多いのでみんな頑張ってくれたらいいよ。野郎は、知らん。

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ALL OUT!!」 4→5

 迷い無くスポ根。前クールはやたらスポ根が多かったので埋もれていた印象だったのだが、冬クールは他に似たような作品も無くなったので、ゆっくり観られるようになった気がします。こうしてみると、大量に生産・消費されるアニメの「同時期に何が放送されてるか」ってのはやっぱり重要だよな(まぁ、大量消費しなきゃいいだけなんだが)。

 最初に印象が悪かった部分は、何となく画が受け付けなかったことと、あまりにもスポ根のテンプレに依存しすぎていて説明が不足していたこと。「何故ラグビーなの?」「彼らの普段の生活はどんなものなの?」といったバックグラウンドが見えてこなかったために、序盤はストーリーに入っていくのに随分時間がかかったように記憶している。しかしまぁ、画は慣れれば問題は無い。ヘンテコな形の顔とか、どう考えても高校生じゃない造形とか、やっぱり異彩を放つデザインではあるのだが、まぁ、異能力スポーツアニメだったらこのくらいは普通ですしね。いざ試合が始まると頭になんか被るヤツも出てくるし(あれ、なんていうんだ?)、同じユニフォームを着た状態でもはっきりキャラの区別がつくようなデザインってのは大事ね。ラグビーは特に参加選手が多いのでそういう部分が大事になってくるんだ。

 そう、この「人数の多さ」ってのはかなりのハードルなんだ。野球で9人、サッカーで11人。これだけでもキャラを描き分けたり、活躍させるのは相当大変なのだが、ラグビーはなんと15人。さらに野球と違って全員が同時に駆け回るグラウンドスポーツなので、油断したら一気に14人分の空気キャラが発生してしまう。かてて加えてルールまでよく分からないスポーツとくれば、こりゃもう、ハードルが多すぎて飛ぶ気にもならない。しかし、今作の場合はどうにかこうにか、そうしたハードルを片付ける努力を続けているのだ。キャラのかき分けはその一歩目だし、一応話が分かるように、1つ1つのポジションの意義を確認しながら満遍なく物語を作っていくことでルールを把握しながら見続けることが可能になる。まぁ、当たり前のデザインといえばそうかもしれないのだが、やっぱり丁寧な見せ方って大事よ。

 個人的にターニングポイントのなったのは監督のおっさんが登場したところ(随分早いな)。監督さん、くっそ格好良いのよね。典型的なツンデレジジイなんだけど、土師さんのハイパーダンディボイスの影響もあり、このツンデレ的格好良さが本当に素敵。途中からはどんどんデレて可愛くなっていくおっちゃんを見守るアニメになってた感すらある。やっぱり、こういうスポーツ漫画って「有能な監督が選手の及びもつかない発想で指導してくれて、気付かないうちに強くなっていく」過程が面白いと思うのだが、おっちゃんはそれをパーフェクトにこなしてくれていた。最初に大迫力だと思ってた赤山がどんどんカワイイ側のキャラになっちゃったから、チームの背骨が監督によって支えられてたのはでかいよね(赤山は赤山で悪くないんだけどさ)。あ、あと先生の翻心ストーリーも好き(結局おっさんしか見てない疑惑あり)。

 原作はまだまだ続いているようなのでアニメが終わったと言ってもあまり達成感は無いのだが、逆に言えば今後の展開も期待出来るかも、ってことで。しばらくかかるとは思うが、のんびり待ちましょね。

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CHAOS;CHILD」 5→6

 まさに妄想科学アドベンチャー。看板に偽りが無いのは大変結構なことだが、まさかここまで偽り無しとは……。

 終わってみれば、「なんじゃそら」っていう真相ではあるのだが、そこまでの持って行き方が充分にエグいので、一種の「夢オチ」とも言える本作の大ネタには取り立てて不満もない。ぶっちゃけこの設定なら「何でもあり」の世界なので、ミステリの真相としてはお粗末なものだが、前作「CHAOS;HEAD」の時点でまともな解決など行われないことは分かっていたのだし、むしろ「妄想」部分には一本の筋がきっちり通っているのだから、よくまとめたと言える部類だろう。それにしても……エグい部分が多いよなぁ。

 前作の拓巳もそうなのだが、オタク文化が元ネタとなっている本シリーズは、基本的に主人公がムカつく奴である場合が多い。「Robotics;Notes」のカイト、「STEINS;GATE」の岡部、誰も彼もが的確にイラッとするラインをついてくるあたりは志倉千代丸の狙い通りの造形になっていて、そしてカイトもオカリンも、クライマックス以降はどこか憎めない、それどころか英雄然とした振る舞いすら似合うようなキャラになっていたりする。やっぱりストーリーテリングが上手いんだろうな。そんな中で例外的な存在が「カオヘ」の拓巳だったわけだが、今作の拓留は、見事にそうした「イラッとする」印象を逆手に取った造形になっている。序盤は拓巳と似ているようで違う「リア充」要素を混ぜ込みながら、彼の吐く「情弱」というネットスラングが最後の最後でまさかの意味を持つようになり、ネットに溢れかえる野次馬根性、上から目線の物言いをものの見事に皮肉ってみせる。なかなか痛快だが、これまた趣味の悪い趣向である。

 今作はそうした「趣味の悪い」(悪口ではないよ)趣向がそこかしこで凝らされており、最終的に一切救われない拓留の存在もそうだし、過度に装飾を施した事件そのものも、そこまでする必要が無いのに「そうしないと駄目だった」という理由で祭り上げられる要素になっている。極めつけはセリカの存在そのもので、なんかもう、妄想以上に妄想を積み上げたオタク文化の究極の産業廃棄物みたいな存在だ。ここまで嘲笑的な脚本というのは、狙って作らなければ組み上げられまい。いや、あまりに馬鹿馬鹿しくて作る気になる人間自体がいないだろうが……。これをしっかり形にしただけでも大したもんだ。ある意味、「AKIBA’S TRIP」の裏返しみたいな作品なのかも。

 まぁ、無茶な脚本なのは間違いないので探せば色々とアラもありそうだが、個人的には「やってみることに価値はある」と思うタイプなので、今作が無事に(?)結末まで辿り着けたというだけでも充分満足ですよ。そして、これだけ無茶な脚本をぶん投げられ、1クールでまとめ上げたのはアニメスタッフの功績として認めてしまっても問題無いだろう。これ、ほとんどの脚本を神保昌登監督自身が組み上げてるのよね。地味なところだけど、これって結構な神業なのではなかろうか。彼はいつの間にやら「SILVER LINKの面倒ごとをガンガンぶっこまれる」みたいな大変なポジションに立たされてる気がするけども……その役を見事にこなしてるのだから大したものだ。今後のお仕事も楽しみにしてますよ。

 最後に中の人の話だが、まぁ、やっぱり禎丞はこういう役が似合うよな。拓留ってイケメン風なんだけど、そのまま中の人のイメージで入れ替えても全然違和感無いぜ。あとはまぁ、クライマックスまで見ると上坂すみれのお仕事ぶりですかねぇ。振り返ってみると、1話目の感想時点ですでに「すみぺのキャラが怪しすぎて怖い」って書いてるのよね。別に私の洞察力があるわけでなく、きちんと制作側がそういう意図を持って画を作ってる証左だと思う。いや、面白かったです。

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AKIBA’S TRIP -THE ANIAMTION-」 5→5

 なんやよくわからんけどゴンゾ的な風味は感じられる作品だった。ジョージがキャストとして出演してるのを「ゴンゾ作品ならやっぱり中田さんでしょう」っていう処理はどうなのよ。

 ゲーム原作って部分がピンと来ない状態で始まった作品なのだが(名前も聞いたことなかったし)、終わってみればゲーム的な雰囲気など欠片も無く、単に「手の込んだ秋葉原のPRアニメ」だった。アキバ文化というものが花開いて、どれほどの時が経ったのかは定かでないが、電気街から「オタクの街」に生まれ変わった秋葉原の文化は、気付けば随分多くの文化をその内に取り込み、得体の知れない濁流になっている。そして、現在、オタクという言葉も随分軽々しく日常生活で用いられるようになり、秋葉原をうろついてグッズを漁るような人間も昔ほど数は多くないのだろう。栄枯盛衰、「なんだかよく分からないアキバ文化」は、おそらく今後どこかでひっそりと息を引き取り、「似たような別な何か」が、この街の後を継いでいくのだ。そうしたアキバ文化のごった煮的な部分を、アニメとして記録し、ネタとして祭り上げておこうというのが、この作品の根幹にあったのではなかろうか。

 まぁ、適当なことを書いてみたけど、俺、首都圏ってほとんど行かないからアキバも2,3回覗いたことがある程度なんだけどね。どうせアニメショップ行っても今の御時世は地方でも似たようなもんだろう、ってんでボドゲショップ見に行くばっかでしたね。とにかく、そんな「いまいちよく分かんないアキバ」をひどくテンプレ的に切り取って見せてくれるのが今作。興味深いことに、「テンプレやパロディだけで話を繋いでいく」っていう非生産的な行為は、なんだか現代のオタク文化の中枢を成している残念な要素な気もするので、今作の狙いは(意図したかどうかは定かじゃないが)ぴったりとテーマに沿っている。

 ただまぁ、こうしてパロディ的な要素でオタク文化を弄るっていうネタも、すでに散々色んなところでやられてるんだよなぁ。何故かパッと思い出したのが「ローリング・ガールズ」だったけど(ホント何でだろ?)。毎回異なる「オタク的文化」を取り上げて徹底的にそれをネタにするという連作形式は悪くないのだが、全体で見るとやっぱりベタというか、ぼちぼち食べ飽きているというか、いまいちニーズとしては弱い部分を突いていた気がする。カードゲームの回が割と楽しかったことを考えると、多分、これって視聴者サイドがどっぷりはまってるものをネタにしてる話ならより楽しめるんだろうという気がするのだが、そんなこと言われてもアキバグルメとか格ゲーとかアイドル文化とか、そういうのはあんまり詳しくないからなぁ。でもまぁ、「なんか詰め込んでネタにしてるんだろうね」っていうのは分かったから決してデキが悪いというわけではないと思う。そこまで力が入ってない作画でも、こういうぬるめのギャグ作品なら許される部類だろう。女の子がもっとビシッと決まる可愛らしさだったら文句無しだったのだが……まぁ、「脱がせる」性質上、あんまりそこに注力しちゃうとキリがねぇからな。ゲームとして開発された時はそこが一番大事な要素だったんじゃなかろうか。

 全体的には「悪くはないけどそこまで注目することもない」くらいの処理に困るB級。でもね、個人的に1点だけ無視出来ない部分があったので、点数としては平均値を維持ということにした。それは、「やっぱりアキバ文化を語らせるならモモーイが出てこないとね!」ということ。桃井先生、ちゃんとこういう作品にはキャストとして呼ばれるあたり、権威としては充分ですよね。考えてみれば、この手の作品の草分けって「小麦ちゃんマジカルて」なのでは。

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「ACCA13区監察課」 6→7

 これも毎回楽しく感想を書かせてもらったので特に今更語るべき点も無い作品。よくもまぁ、こんな地味な構造の作品が面白くなるもんだなぁ。

 毎度触れていた「熱の無さ」は、本当に今作のオリジナル要素。作品全体を通じても「何かの感情が高ぶった」タイミングというのはほとんど存在せず、頑張って探してもスイツのクーデター、それにニーノが狙撃されたシーンがせいぜいだろうか。クライマックスとなるはずの最終話、式典シーンですら動きらしい動きはほとんど存在せず、ただモーヴ本部長が勇ましく、それを見たリーリウムが全てを悟って静かに身を引くという展開。とにかく、全てが政治的に、机の上での処理が行われるのである。

 こうして作られた「クーデターアニメ」だが、それじゃぁ12話もの間何をしていたかといえば、ドーワーという不思議な国の魅力を少しずつ少しずつ垂れ流していただけ。「13の区が組み合わさった大国」という、いまいちピンと来ない設定を、各区に与えられた無茶苦茶な設定見て回ることで説明し、少しずつ「クーデターの舞台」が整っていく。ある種のロードムービーのようであり、ガイドマップみたいなことをしてるだけなのに、ジーンの旅程の中で少しずつ捲れて、見えてくるクーデターの影が何とも怪しげで、何が真実なのかと続きが気になって仕方がない。淡々と語られる中にもきちんとそれぞれのキャラクターの思惑みたいなものは見えており、言外の意味での対話、さりげない煙草の受け渡しに見られる意図など、「大人っぽい」やりとりが実にクールだ。実際の政治の世界がどんなもんかなんて分かるはずもないのだが、こうして「言葉にならない」やりとりをしながら、世界の政治ってのは動いてるんでしょうかねぇ。

 相変わらずアニメに向くとは思えない構造を叩きつけてくるオノナツメだが、それを変に気負わず「正直な」作劇で返してみせた夏目真悟監督の采配の確かさは正しく評価されるべきところだろう。「アクション作劇が上手い人」っていうイメージだったのだが、考えてみりゃ、それに伴う構成力があってこそのアクション作劇だもんな。こうして色んな側面から画面作りの面白さを見せてくれる作品が出てくるから、アニメってのは楽しいんだ。

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 映画ラッシュですね、最近はホントに。この作品もいつかは見に行こうと思ってた作品なんだけども、周りに1人「よかったですよ」と言っている人間がいたこと、あと、多少強引にでも「2016年度」のうちに見ておきたかったことが理由で、駆け込むことになった。まぁ、翌日1日がムービーデーだから安くなるはずだったんだが……ほら、土曜日はドラフトがあるし、あと春休み中の割引デーなんて混むに決まってるし。そんな理由付けで雨の中をレッツゴー。ただ、実際には行ってみたら割引デーでもなんでもないけどほぼ席が埋まっててちょっと焦ったんですけどね。近くの席は割と中高生なんかの若者で埋まっていたのが春休みらしさですかね。

 

 

(以下、ネタバレなどを含む可能性があるので未視聴注意)

 

 


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MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang」 5→6

 男性アイドルもいいよね!(錯乱) 銀河の果てまで焼き肉一丁。

 いや、アホだとは思うけどさ、なんかね、嫌いじゃないよね、むしろ好きな部類だよね。野郎アイドルアニメも、ここ数年で一気に多角的になり、攻め方も多種多様。個人的にはアイドルアニメで研ぎ澄ましすぎちゃって明後日の方向へ飛んでいった「少年ハリウッド」に勝てるアニメは無いと思うのだが、このマジフォーも、そこまで尖らずとも受け入れやすい不可思議なアニメになった。タイトルは「男子高校生の非日常」とかでいいと思うけども。

 今作の特徴をピックアップしてみると、真っ先に気付くのは「鬱要素がほとんど無い」という部分だ。アイドルアニメの場合、謎の復讐劇がどんでん返しになって何かをぶっ飛ばしてしまった「B-PRO」は極端な例かもしれないが、ライバルチームとの抗争とか、上層部との軋轢とか、ファンとの接し方とか、チーム内の不和とか、何かしら揉め事ってのは欠かせない要素。馬鹿一辺倒だと思っていた「マジラブ」も過去話なんかで個人の鬱要素を掘り下げていたし、普通のドラマだったらそういう作りになる。しかし、今作はあくまで「アイドルをやりたい男子高校生の馬鹿な日常アニメ」なので、深刻にダメージを負うような事件がほとんど無い。そりゃまぁ、個人レベルで色々悩んではいるのだろうが、基本的にメンバーは温かく、トラブルはネタ振りで、ライバルチームだって一緒にギャグをやるお友達。アイドルの大変さみたいなものはほとんど感じられない。本当に「明るく楽しいアイドル生活」を、どこか近しいポジションのまま、だらりと描いているのである。サンジュースや勝負パンツといったアホみたいなネタも、何故か繰り返し登場してこの世界観を構築するのに一役かっており、「あんまり真剣なアニメじゃないですよ」ということを伝えてくれる。いや、でも勝負パンツは最終話でもキーになったしな。割と真面目に脚本やってる部分もあるのかも。

 1話目を見始めた時にはルイの方が主人公だと思っていたのだが、気付けば実はアトムが主人公だったというのも独特のセールスポイントかもしれない。普通、アイドルアニメってどっちかと言ったら優男系が主人公になるよね。元気いっぱいの馬鹿キャラって、ユニットに1人はいるけど絶対にメインじゃない。しかし、マジフォーを支えているのはアトムなのだ。彼の色がはっきり出ていたおかげで、周りの人間もそれを見ていれば良かったし、振り回されることにも決して不快感がない。わずか4人という小所帯なので、なんだか似たような造形の顔でも見分けをつけるのが簡単で、人数が少ないおかげで1人1人に割ける話の割合も多い。新しいアイドルグループを提供されるときは、このくらいの人数の方がありがたいですね。

 最後までアホを貫き通しながらも、どこか夢見がちで、しっかりと「アイドル」という非現実も維持してくれたマジフォーの4人。アイドル戦国時代の現在、なかなか個性を発揮して生き残るのは大変かもしれないが、是非とも次なる活躍を見せてほしいものだ。

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 ラストの「平行線」はズルいよなぁ……最終話。そうなってしまうか。それこそが花火の選択。

 まさにエピローグといった趣の1話。短かった青い春が終わり、それぞれがどこかで成長して、変わっていく。若さ故の特権かもしれない。

 鐘井は……メガネがコンタクトになった。「メガネが壊れたから」ってのは花火が見抜いた通りに言い訳だろうけど、あの日の温泉宿のことが一つのきっかけってのは本当かもしれない。そして、茜が必死にコンタクトに変えるように主張したこともなんだか容易に想像出来てしまう。おそらく、癪だったんだろうね。自分ばかりが鐘井に変えられてしまうことが。気付けば理想からはほど遠かったはずの鐘井に丸めこまれて変わってしまった茜さん。そんな「被害者」サイドは性に合わぬと、何とかして男の方にも影響を与えようと思った末の苦肉の策がコンタクトだったんじゃなかろうか。少しでも鐘井のイメージを変えて、自分の支配権を主張してみる、そんな精一杯の抵抗。まぁ、そんなことで鐘井はビクともしないんですが……。なんか、2人の関係性が見えてくる微笑ましいお話である。

 茜は変わった。変えられた。その顛末は前回であらかた語られてしまっているので今回はその後日譚ということになるが、教室での花火とのやりとりは彼女の変化が見て取れる面白い振る舞い。まず、鐘井の手を取って引き止めるという行動。これまでの茜なら、2つの意味でそんな行動には出なかったはず。1つは、「昔の女」のところに男を向かわせ、男の方から「勝利宣言」してもらう方が彼女にとって優越感が高まるから。そしてもう1つ、「男を他の女のもとに向かわせたくない」なんて感情はこれまでの茜には無かったものだから。彼女はおそらく、鐘井が花火に気遣おうとしたことに軽い嫉妬のような感情を持っていたし、「ライバル」だった花火に対しては、直接自分から言葉を渡したいと思ったのだろう。その結果が「ブーケトス」である。「当事者意識」の無いこれまでの人生を変えてしまった鐘井に対しては愛憎入り交じった感情はあろうが、その鐘井を見続けていた花火に対しては、何らかの畏敬の念や、同じ困難に向き合って戦った戦友みたいな感情もあったのかもしれない。花火の前では仮面を外し、「下の顔」を見せてくれる茜。今後は、案外良い姐さんとして花火の人生をサポートしてくれるのかもしれない。

 モカは、なんか別次元で大きく羽ばたいていた。元から脈無しと分かった上で麦に突撃するという爆弾娘だっただけに、最後のデートから吹っ切れて「可愛くなる」という手段だけが残った状態。目的を失った手段は更に先鋭化されたが、その結果として自由を手に入れ、なんだか周りからの評判も上々の様子。文化祭時点では何一つ消化出来ずに燻っていた花火からは、「自分の足で歩く」モカはさぞかし鮮烈に見えたことだろう。

 えっちゃんは、最後までえっちゃんだった。髪を切ることは、典型的には女性の失恋を表す。まぁ、彼女もそうした意味を込めてないといえば嘘になるだろうが、過去との訣別は決してネガティブな意味合いだけでなく、新しい人生のスタート地点とも言える。恋愛感情を殺しきり、新しく重ねていく「友達」としての花火との関係。おそらく隣には篤也もいてくれるだろうし、彼女の青春も始まったばかり。もちろん、あわよくば花火の隣のポジションは狙っていくだろうが……やっぱり強いよね、えっちゃん。

 麦は……分からない。結局、前回の玉砕以降、麦がどのように日々を過ごしてきたかは描かれずじまいだったし、花火の目を通しても、彼の中にあるものは見えてこなかった。あくまで、花火の鏡写しとして、麦が存在している。

 では、その花火はどうだったか。今回は全編が花火視点で描かれ、彼女の変化が少しずつ彫り込まれていく。大きな変化は、他者との関係性を改めたことだろう。今回、花火は色々なキャラのところを回って事後報告をするレポーターのような役割も果たしており、彼女自身がどのように変化したのかは最後の最後まであまり描かれないのだが、一番はっきりと変化があらわれたのは告白されたあのシーンだろう。かつては「興味のない人間から向けられる好意は気持ち悪い」とバッサリ切り捨てていた花火。しかし、今の彼女は他者を考える余裕と、強さを身につけている。想うこと、想われること。そうした感情について大きな経験を積んだ彼女は、相手に対して感謝の意を述べた。

 そして、終わった花火と、終わった麦。2人は偶然にも倉庫で再会を果たし、「戦果報告」を行ったようだ。2人の契約はそういう前提の下で成り立っていたのだから、ある意味当たり前の過程であろう。「互いに振られるべく、それまでの期間を恋人でいよう」。紆余曲折はあったものの、2人は結局最初の「契約」を全うしたのである。そして、その後は……。

 正直、ここから2人の物語が始まるのだろうと高をくくっていたのだが、この作品は、そんな甘いことは許さなかった。花火は成長した。麦も成長した。どうしようもない「クズ」だった2人は、大きな喪失を経て、一歩大人に近づいた。打算と見栄で形作られた恋愛は、終わりを告げたのだ。「クズ」なればこそ、二人は関係をやり直すという選択肢もあったかもしれない。しかし、新しい一歩を踏み出すに当たって、それは「正しい」選択肢ではないのだ。互いを嫌というほど理解しているからこそ、お互いを見ないことこそが正解なのだと分かっている。どこまでも続く「平行線」。それが2人の関係。

 太陽系を抜け出したら、ひょっとしたらこの平行線が交わる機会もあるのかもしれない。でも今は、まだその時ではないのだろう。

 嗚呼、平行線。

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「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 7→9

 放送後に最終回の感想は書いたけど総評書くの忘れてた。まぁ、毎週取り上げてたんだから今更何を言うものでも無いが。

 多分、こんだけずぶずぶにはまったアニメはここ数年でも久しぶりだと思う。一応自分の文章に責任を持つために点数について確認したら、9点つけたのは「ユリ熊嵐」以来なので2年ぶり。過去十数年の歴史を振り返っても、9点以上をつけた作品はこれでようやく7本目である。まぁ、その時代の気分とかによってコロコロ変わってくるので数字自体にあんまり意味はないんだけど、とにかくそれくらいのもんですよ。

 改めてドはまりした理由を確認しておくと、大前提として私が元々落語好きだったから、っていうのがあります。小中学生時代に子守歌のように聞き続けていた志ん生、小三治、小さん。そうした江戸落語の文化ってものが、今作では実に見事にアニメ文化に融合して表れている。「落語好きなら本物の落語を観に行けばいい」というのは本当にそうなのだが(是非見に行ってください)、今作は決して「現実の落語の下位互換」に甘んじていない。アニメーションの中での落語は何ができるのか、それを考えた上で、あくまでも「ドラマの一部としての落語」の居場所を見出し、それに見合った演出を100%の純度で見せてくれている。1期シーズンの「鰍沢」「芝浜」も素晴らしかったが、2期の「居残り」「死神」、それに「寿限無」に至るまで、「この人が、いまここでやる落語」はこれしかない、という存在感が実に鮮やかだ。よほどの覚悟が無ければ、ここまでの画面作りは成し得なかっただろう。

 そういう観点でみると、やはり畠山守という監督は化け物じみた構成力を持つ人だということが再確認出来るはずだ。いつも取り上げているが、私が現代のアニメ監督で手放しに尊敬しているのは大森貴弘、石原立也、それにこの畠山守。他にもたくさんいるが、実際にコンテを切った時に見せる思慮の深さではこの辺りがトップだろう。2期にはいってからは監督自らコンテを担当する回も増え、作品の隅々まで意識が行き渡るようになった。本当に些細なワンカット、小さな表情の作り方まで、物語のエッセンスを余すことなく注ぎ込んでくれる。本当に贅沢な時間を過ごさせてもらった。

 1期における「助六と八雲」の物語も見応えがあったが、2期に入ってからの「与太郎と菊さん」の話は1期の物語を前提に更に広がりを見せ、世代を跨いだ悲喜こもごもの人間ドラマが見事。どのキャラクターも精一杯に生き、皆が心から落語を愛する世界。徹頭徹尾テーマを崩さずにここまで重厚なドラマ作りが実現出来たことは、昨今のアニメ業界の中でも希有な事例なのではなかろうか。もちろん、中の人の話も避けて通れないところだろうが、まぁ、その辺は1期の時も散々やったからいいかな。石田彰とかいうレジェンド。それを受けられる関智一の度量も素晴らしい。

 こうして文字にしていると改めて感じてしまうが、終わってしまったんだなぁ。まぁ、続編を期待するような作品でもないので、こうして完璧なアニメシリーズが完成したことを素直に喜ぶべきでしょう。ただひたすらに、お見事でした。

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