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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「青の祓魔師 京都不浄王篇」 5

 うわー、全く覚えてなーい。確認したら前作放送が2011年だって。もう6年も前の話なのか、そりゃ無理だよな。元々の放送枠が日5だったから相性も悪かったしなぁ。必死に中身を思い出そうとしたんだけど、記憶の大部分が「終わりのセラフ」で塗り替えられててかなりごっちゃになった。この感覚、おわかり頂けるでしょうか。

 そんなわけでほぼ新番組と言っていいはずなのだが、「あぁ、こんなやつらいたかも」と思えるくらいの記憶の埋蔵が絶妙。おかげでわざわざキャラ紹介をやる必要も無いのですんなりとメインシナリオに入っていけるのは一応のアドバンテージか。「何の紹介も説明も無しに始められたら、覚えてないからお手上げだぞ」と心配してたんだけど、巧妙に「最低限必要な情報」は振り返ってくれているし、そこまで複雑なセッティングではないので筋を追うのに不自由はしなかった。明確に回想と言えるのは後半のワンシーンだけだった割には、飲み込みやすい脚本になっていたので素直にありがたい。今回は深夜アニメになりましたし、もう少し追いかけやすくなるといいな。スタッフはほぼ入れ替わってるみたいだが、前作に思い入れが無い分、違いが分からなくてかえって気楽だ。

 実は、一番始めに記憶を刺激してくれたのはサトリナの巨乳キャラ。「あぁ、こんなおねーちゃんいたな!」ってんでそこから芋づる式に雰囲気は喚起された。というか、エロくてけだるげなサトリナボイスが聞けるだけでも割と満足だからそれだけでいいという話も。もちろん他のヒロイン勢も粒ぞろいだし、今にしてみればなかなか豪華なキャストである(当時も豪華だったと思うが)。頑張って「終わりのセラフ」との違いを1つずつ勉強していこうと思います(だいぶ違う)。

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○「南鎌倉高校女子自転車部」 5

 ヒィッ! 自転車アニメだ!(謂われのない怯え) まさかこんなに似たような作品が1クール遅れでやってくるとは……大丈夫、アクタスじゃないから。

 なんかもう、色んなアニメとイメージが被ってしまうので識別が大変。とりあえず前クールの悪夢とは何の因縁もないはずなので分けて考えにゃならんが、テンプレとはいえ、「何も知らないぼんやり系女子が環境の変化をきっかけに自転車にチャレンジしていく」っていう流れが同じなので、どうしても被ってしまう。まぁ、亜美は「何となく趣味を始めたい」とかいう本当に適当な理由だったが、今回の主人公・ひろみは機動力を求めてのことなので一応モチベーションは理解出来る……か? いや、まだやるともやらないとも言ってないけども。そして、主人公のCVが上田麗奈であることが今度は「ばくおん」との関係性を臭わせる。まー、素人の女の子が部活始めようとしたらどうしたって「けいおんパターン」にはなるけども。羽音さん、今度は自転車ですか。うえしゃまボイスなので安定のポンコツだしなぁ。亜美の時もそうだったけど、なんでこの子ら、高校生とか大学生になるまで生きてきて、こんなに自転車のこと知らないのさ。長崎県民は坂が多いから自転車に乗らないとか、そういうことなんでしょうか(謂われのない県民差別)。あとおは鎌倉アニメっていうジャンルもありますね。TARITARIは神。

 まぁ、少しずつ他のアニメとは識別していくことにするが、1話目で目を引くのはとにかく綺麗な背景映像。入学式の季節、春爛漫ということでことさらに華やかな印象だが、淡いグラデーションを多用した背景美術は、大人気の新海作品を彷彿させる。桜、海と綺麗なものが揃い、そこだけは文句無しで「売り」といえる部分だろう。ただ、そこに登場するキャラクターのデザインは……なんか絶妙に野暮ったいな。少なくとも現代アニメのスタンダードからは外れている。全く理由は分からないが、個人的にはすでに10年近くのアニメ、「CODE-E」を思い出しました。それくらい、なんか古い印象。メガネとか人気出る気なさそう。可愛くないわけではないのだろうが……うーむ。まぁ、絵が崩れなければそれで文句はないのだけど。シナリオラインはまだまだこれからなので何とも言えないが、「入学式の朝からどんだけ余裕持って家出てんねん」とか、「学校の場所も知らないような新任教師がいきなり新入生の担任を任されて、しかも入学式当日に遅刻とか絶対ありえへん」とか、細かいところに突っ込みどころは多い。まぁ、そんなん気にしてたらほぼ同じセッティングだった「あまんちゅ」だって駄目だろ、って話ですが(天野こずえ空間は魔性なのです)。あとは、ここからひろみがどうやって自転車にのり、それを「部活」として成立させていくかの勝負。「ろんぐらいだぁす」が教えてくれたことの1つとして、「単に女の子がダラダラ自転車で長距離を走っても面白くもなんともない」という事実があり、その部分を今作はどうやって打開していくのかが楽しみだ。打開出来ないかもしれないけど。

 そして、何故か放送を短めに終わらせて突如やってくるA応Pによる実写パート……。これくらいの尺なら別に邪魔ではないが……やっぱりアニメと現実は区別して放送してくれる方が助かるんだがなぁ……。A応Pが介入したおかげでキャストは割としらん名前が揃ってるし。まぁ、1話目時点でメガネ役は別に下手ではなかったから構わないけども。先生役の方も事実上のデビュー作みたいな扱いか。新人が多い現場ってことは、うえしゃまが座長を務めることになるのだろうか……大丈夫かなぁ……。

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<赤>

 

 

Angrath’s Marauders アングラスの匪賊 (5)(R)(R) R

クリーチャー・人間、海賊

4/4

あなたのコントロールする発生源がパーマネントやプレイヤーにダメージをあたえるなら、それは代わりにその2倍のダメージをあたえる。

 その身に灼熱洞を宿し者。7マナ4/4というとんでもない重さであるが、能力がある時点で7マナ8/4とも言えるわけで、フィニッシュ性能は流石の7マナ分。着地してしまえば召喚酔いしていようと周りの連中がヒャッハーしまくるし、次のターンに適当な火力をボコボコ打ち込むだけでもゲームに勝てるだろう。今回は恐竜を中心に重いカードが多いが、宝物の力を借りれば7マナなんて案外すぐなのかもしれない。というか、宝物を使っていくモチベーションとしてこいつがマナカーブのトップにいるのは正解な気がする。

 

Bonded Horncrest 結束した角冠 (3)(R) U

クリーチャー・恐竜

5/5

〜は単体では攻撃もブロックもできない。

 くすぶり獣(GTC)」のどでかい版。あっちはコモンで3マナ3/4、こっちはアンコだけど4マナ5/5。レアリティの差を見せつける充実したビルドアップである。コストが重くなったことで、「一緒に殴りに行く仲間を用意しやすくなる」というメリットもあり、攻撃時にデメリットを気にすることはそこまで多くない。あとはその有り余る巨体を堪能するだけである。せっかくのサイズが吸血鬼トークンなんかでちびちび誤魔化されるとイラつくので、この手のカードでブンブン言わせたい人は「両手撃ち」のメイン投入なんかを考えてみてもいいかもしれない。

 

Brazen Buccaneers 鉄面連合の海賊 (3)(R) C

クリーチャー・人間、海賊

2/2 速攻

〜が戦場に出た時、これは探検を行う。

 赤に唯一与えられた探検隊。4マナ3/3速攻 or 4マナ2/2キャントリップ速攻。どちらにしてもコモンだったらお釣りがくるレベルのスペックである。コモンに有効な速攻クリーチャーが1体いるだけで、リミテッドで最後の詰めの部分の計算が面倒になるので、ゲームとしてはこれで良いと思います。「もし相手がコレ持ってて、さらに探検でカウンターのったら負ける……」とか、考えたくないけど考えなきゃいけないのがやきもきしますよね。

 

Burning Sun’s Avatar 焦熱の太陽の化身 (3)(R)(R)(R) R

クリーチャー・恐竜、アバター

6/6

〜が戦場に出たとき、〜は対象の対戦相手に3点のダメージをあたえ、最大1体までの対象のクリーチャーに3点のダメージをあたえる。

 「恐竜・アバター」というクリーチャータイプもよく分からないのだが、白・赤・緑・ナヤカラーの多色レアに各一体ずつ配置されている。ただ、特にこれらのアバターに共通点があるというわけではなく、このクリーチャーも見ての通りにすこぶる地味な効果。そりゃ弱くはない。6マナ6/6で場に出たとき合計6点もばらまけるクリーチャーに文句を言ったら罰が当たるってもんだが、じゃぁこれが使いたいデッキってどんなデッキかと聞かれれば言葉も続くまい。ビートデッキのゴールとして6マナだとちょっとなぁ。現時点ですでに「栄光をもたらすもの」というゴール候補が暴れているわけで、直接的に上回るアピールポイントがないコイツではちょっと赤いビートは任せにくい。今後恐竜サポートが増えるようなら、その時に日の目を見るのかなぁ。なおリミテ()

 

Captain Lannery Storm 風雲船長ラネリー (2)(R) R

伝説のクリーチャー・人間、海賊

2/2 速攻

〜が攻撃するたび、【宝物トークン】を1つ生成する。

あなたが宝物を1つ生け贄に捧げるたび、〜はターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。

 風雲船長(真顔)。その和訳で大丈夫か……。一体何をやらかすキャプテンなのだろう。「暴れん坊将軍」みたいなもんかな……。とりあえず、わざわざ伝説認定されているのだからこの世界ではそれなりの有名人らしく、3マナ2/2の速攻持ちで、目ざとく宝物を見つける抜群の嗅覚を持っている。ただし、何故かお宝の発見には探検や調査ではなく「アタック」が必要であり、おそらく他所の船から強奪した結果の財宝なのだろうということが窺える。攻撃してしまえば宝物1個は確定で、あとは殺されようがブロックされようが関係無い。まぁ、このステータスなら普通は殺される機会の方が圧倒的に多いだろう。その際に今もらったお宝を使い潰せばパワーが上がるので相打ちの可能性を引き上げることが出来る。最悪、宝物なんていらないっていう状況でも殴るたびに3/2になる速攻クリーチャーとしては扱える。珍しいデザインだが、とにかく「4ターン目に5マナに届くマナ加速クリーチャー」なのは間違いないわけで、緑を使えないけどランプもやりたい、みたいなマニアックなニーズがあるならひょっとしたら出番はあるかも。でもなぁ、レジェンドなんだよなぁ。

 

Captivating Crew 蠱惑的な船員 (3)(R) R

クリーチャー・人間、海賊

4/3

(3)(R):ターン終了時まで、あなたは対象のクリーチャーのコントロールを得る。それをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を得る。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられる時にのみ起動できる。

 海賊は楽しいって、どこぞの世界一売れてる少年漫画でも言ってますからね。そりゃ誘われたら思わず従っちゃいます。「うるせぇ! 行こう!」(ドン!)ですよ。ただ、よく見るとこいつの起動型能力は誘惑とか勧誘じゃなくて「脅しつけ(10E)」なんですけどね。確実に刃物突き付けられてるやつだ。4マナ4/3とボディもそこそこな上に、毎ターン「脅しつけ」打ち放題と、かなり大盤振る舞いなレア。これで除去打ち放題だったらまだ「クリーチャーを出さない」という消極的な対策もあるだろうが、「脅しつけ」効果は分かってたからって対策できるもんじゃなく、クリーチャーを出し惜しみしたらどんどん劣勢になるばかりだし、有効牌を出せば出すほど首が締まる地獄の罠。このおっさんをなんとか除去しない限り、普通のクリーチャーデッキではほぼ死に体である。そして当然「パクり&サクり」という伝統のコンボはこのおっさんの最も得意とするところで、今回はアンコモンながら1マナで好き放題サクれるエンチャントなんかも登場している。略奪&暴虐。海賊やってる気分が満喫できるぞ。友情も努力もないけど勝利があればええねん。

 

Charging Monstrosaur 突進するモンストロサウルス (4)(R) U

クリーチャー・恐竜

5/5 トランプル 速攻

 シンプルに豪腕。最近はクリーチャースペックの更新が著しく、コモンレベルでも5マナで5/5クラスを達成する例も増えてきたが、そこに2つもキーワードを並べれば、それだけであっという間にアンコモンの貫禄。今の環境で「巨大百足」を出された時のうんざり感を思い出し、それがさらにトランプル持ちでいきなり突っ込んでくるところを想像すればいいわけだ。「ちょwwおまww」くらいしか言葉が見つからないんじゃなかろうか。しかも今回、宝物トークンとか恐竜用のマナ加速とか色々あるんですよ。4ターン目に走ってくる可能性も結構高いんですよ。玉乗り仕込む余裕もないわ。

 

Demolish/破砕(KLD)」 C

 いつも通りに。今回は珍しく赤と黒のコモンに同時に土地破壊呪文が収録されている。これはおそらく伝説の土地サイクルがリミテッドで暴れまわることを懸念してのことかと思うが、一応、これらの(おそらく不人気でぐるぐるするだろう)呪文をかき集めて土地破壊デッキを狙うことが……1回くらいやりそうな気がするな。

 

Dinosaur Stampede 恐竜暴走 (2)(R) U

インスタント

攻撃クリーチャーはターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。あなたのコントロールする恐竜は、ターン終了時までトランプルを得る。

 楽しそうなカード名になったな。なお、効果はほぼ「ラッパの一吹き(KTK)」なので大体コモンレベルのカードである。もちろん、その名の通りに恐竜軍団を率いているならば決定力は跳ね上がり、5マナの「火山の猛進(DTK)」相当までレベルアップする。ただでさえでかい恐竜がパワーを上げてトランプルで踏み潰してくるのだから、2〜3体も並んでいればゲームエンドだろう。「ラッパの一吹き」はそれなりに求められていたカードだったのだから、今回はアンコからしか登場しないということに注意しつつ、恐竜デッキ以外でも適宜引いていく必要がありそうだ。

 

Dual Shot/両手撃ち(SOI)」 C

 イラストを見ると「どうみても片手で撃ってるやん」というツッコミ待ち。イニ影版だと間違いなく両手で撃ってたんだけどね。英語の「Dual」は単に「2つ」の意味なので、イラストのように二股になっていて2体を同時に攻撃していれば、「両手」の概念は別に必要ない。登場時に正確な和訳をつけるなら「同時撃ち」とか「2体撃ち」とかになったんだろうけど、最初のイラストに引っ張られた結果だろう。まぁ、しょうがないよね。とりあえず吸血鬼トークン相手に覿面の効果を発揮する火力。そして今回は自軍の恐竜を2体同時に激昂させるためにも使えるし、この呪文の難点である「ちょうどいい対象が2体いない」問題を積極的に解決しにいっているのは見事な環境とのシナジーである。恐竜デッキなら激昂トリガー&序盤の露払いにメインで入れていてもいいんじゃなかろうか。

 

Fathom Fleet Firebrand 深海艦隊の扇動者 (1)(R) C

クリーチャー・人間、海賊

2/2

(1)(R):〜はターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。

 2マナのクリーチャー、いわゆる熊の性能でその世界の生物の強弱を推し量ることが可能だが、2/2バニラの吸血鬼が与えられた黒に対し、今回の赤クマは非常に強力だ。こいつの他にも恐竜がいれば攻撃時に3/3になれる「ティロナーリの騎士」もおり、「果敢なケンラ」だった「破滅の刻」とは雲泥の差。「破滅の刻」では黒に加虐付きの「ケンラの永遠衆」がいたことを考えると、この辺りのクマ対決は赤と黒が追いつけ追い越せの関係性をしばらく続けていくことになるのだろう。で、こちらの海賊だが、なんと純正の熊にブレス能力がつくという、歴代の赤コモン熊の中でも最上級の一品。次のターンにはタフネス3までが打ち取れて、さらに次のターンにはタフネス4も巻き込めるようになる。よっぽどのことがない限り1人では死なない姿勢。現在の環境で「ミノタウルスの名射手」がどれほど活躍できているかを思い出せば、その強さは想像しやすいはずだ。相打ちを嫌っても通せば大ダメージ、捨て鉢の攻撃に見えても強襲トリガー。まさに海賊のために与えられたようなぴったりの1枚だ。

 


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○「政宗くんのリベンジ」 5

 オープニングPVのへごがなんかころあずっぽかった。いや、意味分かんないけど。なんでホリプロ声優って雰囲気似てるんだろう問題(定期)。

 中の人のカロリーが高くて色々大変。冒頭、学校に着くまでのモブの声が顕在的過ぎて、「もうそっちヒロインにしろよ」と思ったり思わなかったり。これだけヒロイン度数の高いキャスト陣でメインヒロインを任されたへごも大変そうだな。まぁ、「ショタっ子に早見沙織」とか「母親に小倉唯」とか訳の分からんキャスティングが多いのが原因なのだが……。小倉唯が「ママ」って、もう末期じゃん……。

 中の人の話ばかりで始めるのはあんまり良い傾向ではないのだが、中身はまぁ、普通。製作がSILVER LINK、スタッフもシルリンの生え抜きが揃っているようだし、おそらく作画クオリティはこのまま安定するはず。特別よいというレベルではないが、動かしやすそうなキャラデザに努め、安定感を優先させた印象か。キャラは充分可愛く描けているし、この手のラブコメには珍しく、主人公が(一応)努力型で、イケメンイケメン連呼してる割にはあんまり嫌悪感も無いのは見やすいポイントだろう。最近は卑屈なオタク系主人公にはほとほと食傷気味なので、多少ナルシーだろうがなんだろうが、自信家の阿呆の方が見ていて気が楽だ。

 で、基本的には「見やすい」という印象なのだが、正直、シナリオ面に関しては首を傾げる部分が多い。まぁ、単なるラブコメなのだし、お約束部分にいちいち突っ込みを入れるのも野暮ってもんなんだろうが、一番の違和感は、あれだけクズであることが一般に知られているはずのヒロインが、この期に及んで新たに告白を受けているということ。普通、学校中に知れ渡っているような地雷女に近づこうとする男なんてそうそういないだろう。冒頭でフられてたような男ならノリで話題作りのために告白イベントに挑む可能性はあるが、後半のメガネみたいな陰キャラがわざわざ自爆しに行く意味が分からん。惚れる意味も分からん。他にも、ヒロインのお付きの子が「警戒している」ことをすごく適当に描写しながらもさっぱり警戒せずに体育倉庫に入っていく様子なんかは違和感があるし、扉の前で見張っていた主人公が、「蜘蛛に驚いて中に飛び込む」は、どう考えても方向的に無理がある。「そういうお約束やん」と言われればそれまでなのだが、ああいう描写1つにしても、描き方次第で説得力は変わってくるのだから、アニメスタッフはそういうところで妥協してほしくない。多分今後もこういう「別にいいんだけど気になる」みたいな違和感は続いていくんじゃなかろうか。

 まぁ、中の人が贅沢なのでそれを聞いてるだけで別に構わないんですけどね。でも、公式のキャラ紹介見ても冒頭のテニス部の子が載ってないんですけど。ヒロインの取り巻きにいたメガネのことものってないんですけど。しゅが美ボイスなのにモブって、どういうことなの?(最大の不満)

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AKIBA’S TRIP -THE ANIAMTION-」 5

 前クールの感想は全部上がったので、ようやく新番組がスタート出来るぞ。今期最初のスタートとなったのはこの作品。なんか、個人的には金髪キャラが言っていた「もいもいモモーイ」がやたらと印象に残っています。アキバ文化にきっちり名を残したんだなぁ。

 原作はゲーム? なの? なんか出自がよく分からないが、とにかく元ネタはあってもシナリオはアニメオリジナルらしいのであまり気にしなくて良いだろう。タイトル通りに秋葉原を舞台にしているということはよく分かったが、それ以外の部分についてははっきりしていないことも多いので現時点では保留だ。一応ゾンビパニック的な要素がありつつ、主人公はメインヒロインから超人パワーを分けてもらい、それを使って悪を殲滅していくというお話。でもまぁ、細かいところはあまり気にしなくてもいいだろう。基本はギャグ寄りだろうし、戦闘の目的が「服を脱がせる」の時点でやってることは馬鹿だ。全然違うコンセプトだが、どこか「パンチライン」を彷彿させる部分があるな。

 本作で注目すべきは、何と言っても製作がGONZOであるという点。実はこれ、メインキャストを見れば分かるが、監督も「それが声優!」と同じなのよね。ここ数年のゴンゾの元請け仕事を調べてみると、「それが声優!」はそれなりのクオリティだったが、昨年の「フォーリズム」はやや残念な結果に終わった作品。今作は一体どうなるものかとドキドキしたが、バトルシーンのモーションはかなり独特で面白いものに仕上がっている。なんかね、格闘技の細かい所作がすごく作り込まれてるんだよね。中国拳法っぽい動きとか、思い切り体重を乗せて放つ腹パンの重量感とか。まだ1話なので余力があるだけ、って可能性もあるが、今後もそうしたアニメーションのクオリティについては注目して見ていきたいところ。全体的なキャラとか、背景のデザインなんかはちょっと古くさいというか、野暮ったい印象なのだが、最近のアニメみたいにひたすら細かく描き込んで目が疲れるようなこともないし、ちょっと懐かしい、ユルい感じの作風なら丁度良いのかも。劇的な何かに出会えるとは思わないが、油断するとポロッと笑わされるような、そういう作品になればよいね。

 一応「アキバ文化」ってことで細かいネタの仕込み方も気になる点は多く、たとえばオープニングは何故か「客演」という謎クレジットで串田アキラが参加している。単に冒頭の台詞パートを担当しているだけなのだが、何でわざわざそのためだけに呼んできたんだよ、っていう。エンディングはゆいかおりだが、いきなり実写で出てくるなんてサプライズも。「それが声優」の時からこういうテーマソング部分での攻めの姿勢はあったが、まさかそこが維持されているとは。そして、「それが声優」からの引き継ぎは何と言ってもキャスト、というかイヤホンズである。オープニング歌唱を担当し、さらにメインヒロイン3人をがっつり任されている。ほら、こういうことがあるから、キャスティングについてのあれこれって難しいのさ。個人的には、イヤホンズの面々は割と実力を伴ってるから問題無いと思うんだけどね。メインヒロイン高橋李依はもちろんだが、妹役には「灼熱の卓球娘」でもいい仕事をしてくれた高野麻里佳。この子が今後伸びるのは楽しみだ。そして、「イヤホンズの最後の1人」長久友紀も、随分濃いキャラでの登場。正直、しっかり声を聞くのは1年ぶりなのだが、決して悪い仕事ではなさそう。どんな成長が見られますやら。

 

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「うどんの国の金色毛鞠」 5→4

 年が明けてしばらく経ちましたが、読売いじめによる毎度の遅延日程のため、16年秋クールはここでようやくのゴールです。今回は感想を書くところまで辿り付いた作品が32本。流石に今期は多すぎたので、女性向けを中心に何本か視聴を中止しましたが、それでもやっぱり数は多い……1月クールはもう少し減る……のかな?

 さて、最後になったのがこの作品というのは何とも因果な巡り合わせである。というのも、ご存じの方もいるかもしれないが、この作品は年末年始にかけて、ネット上でちょっとした話題になったためだ。普段、まだ見ていないアニメについてはネタバレを避けるためにそれなりにニュースなどは回避するのだが、ほぼ視聴も終わろうという作品の話題だったためにうっかりそうした話題を読んでしまった。おかげでなかなかニュートラルな感想ってのが書きにくくなってしまったのだ。普段ならば「まぁ、ネットの噂かもしれんし」というので眉に唾を付けて見れば終わる話なのだが、今回の騒動、たまたま私の印象にすぽっとはまってしまう中身がありましてですね。それが、脚本家・高橋ナツコに対する不信感である。

 以下の文章もあくまで「ネットで見た」というクソみたいなソースを元に膨らませているので話半分で読んでいただきたいところだが、私は以前から、高橋ナツコという脚本家は苦手だった。当ブログでも何度かその不信感をあらわにしているのだが、更にブログ開設以前の記録まで遡って調べてみると、どうやら「地獄少女二籠」の時代に、各話脚本で高橋ナツコ回だけやたらとクオリティが低い、ということに不満を持ったのが不信感の始まりらしい。「クオリティが低い」という言葉をもうちょっと掘り下げると、例えばそれまでのエピソードとキャラの言動が繋がらないとか、積み上げてきた伏線を無視して勝手な行動を起こすとか、さらに1話の中に絞っても、キャラの行動がちぐはぐでどうしてそうなったのか分からないとか、そういう事態が起こっていたらしい(当時の記録に書いてあるだけなので、詳細は覚えてませんが)。そして、今回の騒動でとあるアニメ監督が高橋ナツコに対して漏らした不信感が、当時から私が引きずっていた直観に一致しているのである。「この人、本当に回りの脚本読んでるのか?」と。1話ごとの脚本なら違和感程度で済まされるが、彼女もキャリアを積み、一時期からはシリーズ構成を多く担当するようになる。そして、個人的には彼女のシリーズ構成アニメは大体「あかんかった」という感想になるのである。そういう結果だけを見ると、今回声を上げた監督の話も、あながち嘘ではないのかな、と思ってしまうのだ。

 実際、今作においてもそうした不信感に沿った結果が出てしまっていると思う。原作が続いている漫画作品を1クールのまとまったシリーズに落とし込むのは繊細な作業を必要とするのだが、最終話を見る限り、少なくとも全体で統制の取れたデザインにしようという意識は感じられない。ポコは何故、宗太の前に現れてあんな行動を取ったのか。そして姿を消してしまったのか。1シーンだけを切り取ってみれば「それっぽい」ことは語られているのだが、シリーズ全体を見ると、宗太が香川県に対して抱えているコンプレックスじみた感情などもすっきりと落とし込めるものではないし、「綺麗なエンディング」を向かえるための準備はできていない。あくまで感覚的な「据わりの悪さ」なので気にならないという人もいるだろうが、シリーズ半ばの時点で、「このアニメは結局何がいいたいんだろう?」という部分があやふやになり、なんだかヌルッとした印象だけが残ってしまった。このことが高橋ナツコの影響なのかどうかは定かではないが、あんな騒ぎがあった後だと、「宜なるかな」と短絡的に結びつけてしまうのは致し方ないだろう。映像面などで大きな取りこぼしはなかったのだが、そうした外的要因もあっての後味の悪さから、点数は下げざるを得ない。

 と、ここまで書いて、気になった人もいるだろう。そう、件の監督の暴露話には、主演声優、古城門志帆のことも言及されていたのである。そのことにも触れないと記事としてはフェアではない。曰く、監督のお気に入りだから実力不足なのに主役にぶっ込まれた、という話。上述の脚本家の話を本当だと信じるのなら、こちらの声優絡みも本当だと考えるべきだろう。しかし、個人的にそっちについては特に問題視しない(あんまり触れたくないってのが正直なところだが)。その監督は「明らかに実力不足だと判断した」と書いていたが、個人的にそうは思わなかったからだ。まぁ、私は原作を読んでいないので、ポコのイメージに差があるのかもしれないけど、元々古城門はプリキュアのアロマのイメージだから、人外キャラに割とすんなり馴染んだのよね。そして、私は実力が伴うなら、キャスティングにいくらかの社会関係が関与するのは仕方がないと思っている。だって、「配役側とのコネクション」が否定されたら、全ての指名キャストが否定されるわけでしょ。特定のアニメ製作者は「この人の声だと思う」ってんでキャラを作ったり、最初から決めてる場合もあるわけで、そこに必ずオーディションを入れろ、というのは暴論だ。そもそも、全てのキャラについて希望した声優何十人、何百人と全ての声を聞いて毎回選べるわけがないのだから、どこかで効率化が図られるのは自然な流れなのだ。まぁ、今回の場合はそのオーディションも絡んだ上での話なので疑惑や不満が渦巻いているわけだが……それより深いところの話までは我々は知る由もないのだから、「古城門の演技は別に悪くなかったし、視聴者に不利益は出ていない」というので気にはならないのだ。実力不足ってんなら「ぽてまよ」時代の花澤香菜とかの方がよっぽど問題だと思うのだが、花澤先生の現在のスキルを考えると、業界の人たちってのは我々素人には見えないよう「原石」を掘り起こす先見性を持ってるのかもしれないし。なかなか難しいもんです。

 なんか作品とは全然関係無い話ばかりになってしまったが、まぁ、たまにはこういうきな臭い話にも触れておいた方が、私のスタンスも明示化出来るってもんでしょう。結論をまとめると、「中原麻衣の方言キャラは最高」ってことだ(いつも通り)。

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Raiders’ Wake 略奪者の痕跡 (3)(B) U

エンチャント

対戦相手が手札を1枚捨てるたび、そのプレイヤーは2点のライフを失う。

強襲 - あなたの終了ステップの開始時に、対象の対戦相手は手札を1枚捨てる。

 久しぶりに出た「偏頭痛(M10)」系呪文の新作。「偏頭痛」といえば、古の禁止デッキ「メグリムジャー」のパーツとして有名だが、ディスカードによるダメージソースというマニアックな設定から長年愛好者も多い(俺調べ)。かつてはさらなるコスト改善を受けた「リリアナの愛撫(M11)」なども製作されている。ただ、そのおかげで4マナという設置コストは若干重たい印象がある。強襲による追加効果のおかげで「メグリム置いてから改めてハンデスを打たなきゃいけない」というギミックの煩わしさは改善されているものの、このコスト設定の場合、今度は「試合が進めば進むほど相手の手札は自然に減っているのでディスカードさせにくくなる」という問題にぶつかってしまうからだ。まぁ、アタックした後に設置すれば意外なところから手札を絞り、さらに2点のダメージまで与えられるのでちょっと重たくなった「荒廃稲妻(ALA)」みたいなもんだと割り切ってしまう手もあるが。さらに、次のターンに続けて2枚目を設置した場合、うまくいけば相手は4点×2枚で一気に8点をもぎ取られる可能性もなくはない。そうでなくても、こちらにクリーチャーがいればとにかく相手はディスカードが確定するわけで、手札が少なくなればなるほどに相手は頭を悩ませるはずだ。「偏頭痛」の亜種というよりも、新手のハンデス装置として、速攻デッキの締めの1枚に叩き込んで勝利を磐石のものにするのが正しい使い方なのかもしれない。1、2、3ターン目にテンポよくクリーチャーを展開して4ターン目にこれだと、割と詰む可能性もあるぞ。

 

Revel in Riches 富の享楽 (4)(B) R

エンチャント

対戦相手のコントロールするクリーチャーが死亡するたび、【宝物トークン】を1つ生成する。

あなたのアップキープの開始時に、あなたが宝物を10個以上コントロールしているなら、あなたはゲームに勝利する。

 「機械化製法」など使わずとも、これがあれば大量の宝物にまみれて勝利することができます。幸い、宝物トークンってそこまで入手が難しそうなリソースじゃない。それこそ手がかりトークンよりも軽いくらいだ(そりゃアドバンテージソースよりは軽いよな)。つまり、このカードで10個の宝物を集めて海賊王になっちゃうのは意外と現実的な勝利手段なんじゃないかってこと。リミテッドでこれが暴れまわるような環境になったらそれはそれでクソって言われそうだけども。

 

Ruin Raider 遺跡の略奪者 (2)(B) R

クリーチャー・オーク、海賊

3/2

強襲 - あなたの終了ステップの開始時に、あなたのライブラリのトップを公開して手札に加える。あなたはそのカードの点数で見たマナコストに等しい値のライフを失う。

 いわゆるボブ。これまでボブ系クリーチャーといえば始祖に敬意を表して2マナパワー2であることが多かったが、それだとデザインの幅が狭まると考えたのか、それとも単に2マナだとやっぱり強すぎるからか、今回は3マナ3/2という珍しい形での登場だ。ボブ条件は強襲。つまり、割と簡単。2ターン目に適当なアタッカーを用意しておき、3ターン目にアタックしてからこれをキャストしてボブる。もう、それだけでなんか得した気分。あとは宇宙を見ることを期待するだけだ。もちろん、リミテッドでたやすくボブ死する可能性は今まで通りだぞ。試合終盤に「殴っていかなきゃしょうがないけど、殴るとこいつのせいでボブ死ぬかもしれない」とかいうどうしようもない状況だけは勘弁な。

 

Ruthless Knave 無情な無頼漢 (2)(B) U

クリーチャー・オーク、海賊

3/2

(2)(B)、クリーチャーを1体生贄に捧げる:【宝物トークン】を2個生成する。

【宝物トークン】を3個生贄に捧げる:カードを1枚引く。

 海賊作品にありがちな、「やくざ者の割に理知的で、荒くれ者ばかりのクルーの中で知略を担当する側」みたいなやつ。まぁ、オークなんだけど。最近の一部文化では女騎士様の活躍もあって、オークもかなり賢い種族になってきましたからね。とにかくその手腕は優秀であり、まず奴隷を1人売っぱらうことでお金が手に入る。相手クリーチャーをパクって売りさばくのがベストだが、適当にトークンを処分してもいいだろう。これを使って次のターンに大きな買い物をするもよし、そのままじっくり蓄財してドローという現実を見るのも良しだ。特にリミテッドの場合、宝物トークンはいろいろなところから生産可能だが、ゲーム中盤以降になればそこまでマナ加速の必要もなく、大量の宝物に囲まれながらもクリーチャーも何もひかずに死んでいくミダス王みたいな状態も起こりうる。そこで、財テクに優れたこいつを雇っておけば資産運用は全てお任せ。あらゆる宝物呪文がキャントリップに姿を変えるのだから、カードの評価も変わってくるはずだ。宝物関係は青黒海賊が専門なので、ぜひ青黒を狙っていこう。

 

Sanctum Seeker 聖域探究者 (2)(B)(B) R

クリーチャー・吸血鬼、騎士

3/4

あなたがコントロールする吸血鬼1体が攻撃するたび、各対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。

 粗暴な軍族長(FRF)」からいろんなものを削りに削ってシンプルにしたレア。神話レアと比べる意味はないが、スッキリした分、素材の味だけで使い道を模索しやすくはなっている。何しろ吸血鬼デッキで使わなければ意味はないのだから。全軍が吸血鬼なら、これって軽くて殴れる「復讐作戦(EMN)」。吸血鬼も海賊同様に攻撃しまくることを前提とした種族であるが、とにかく強襲強襲の海賊と違い、ライフを底上げしながら嫌らしい攻め方ができるのが吸血鬼の特徴。こちらは出してしまえばそのターンからライフゲインが始まるので、無理なアタッカーを突っ込ませずとも、フライヤーなどの視界良好な連中をちょこちょこ殴らせるだけでも大きな効果を持つ。自身にそこまでの圧力はないが、環境の基準となるであろう「稲妻の一撃」や「削剥」で殺されないタフネス4はかなり偉い。ここから始める吸血鬼生活。

 

Seekers’Squire 探求者の従者 (1)(B) U

クリーチャー・人間、スカウト

1/2

〜が戦場に出た時、これは探検を行う。

 アンコ探検。なんと事実上のバニラという逃げも隠れもしない設定で登場した。ちなみに緑には全く同じようにして2マナ2/1の探検クリーチャーがいます。どちらが強いかは想像にお任せするが、普通はパワーが多い方が優遇されるね。まぁ、緑と比べてもしょうがない。低マナ域から展開できる貴重な探検持ちであり、2マナ2/3なら優秀だし、序盤に土地が増える安心感も悪くない。やはりカウンター1つの価値が大きい低マナ域の方が探検クリーチャーもエキサイトできる様子。探検デッキに行くなら押さえておきたいカードだが、現時点で「探検デッキ」なるものが成立するのかどうかは全く不明。ぶっちゃけあんまり成立しない気もする。

 

Skittering Heartstopper 這い回る心止虫 (B) C

クリーチャー・昆虫

1/2

(B):〜はターン終了時まで接死を得る。

 翼の折れた「異臭のインプ(ORI)」。1マナの接死持ちということは「チフス鼠(FRF)」の系譜と見た方が早いか。接死は付け外しする意味は全くなく、最初から持っててもらった方が助かるので「チフス鼠」的役割としては余計な制限がついたと見るべきだが、あとはネズミとの差であるタフネス2がどの程度効いてくるか。こればっかりは環境の1点除去の運用枚数次第だからなんとも言えない。あとは1/1のトークンなんかの数によっても上方修正できるかもしれんけども。相手陣営の吸血鬼度合いでやや加点とか?

 

Skulduggery 卑怯な行為 (B) C

インスタント

ターン終了時まで、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーは+1/+1の修正を受け、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーはー1/ー1の修正を受ける。

 体力奪取(PCY)」のほぼ上位互換。「ほぼ」と書いたのは、「体力奪取」の場合と違い、必ずプラスを自軍、マイナスを相手軍から選ばなきゃいけないから。自軍にクリーチャーがいないと除去に使えないという面ではやや制限があるということだ。まぁ、そんなもんは誤差の範囲内だとは思うけど。プロフェシーのカードの上位と言われて嬉しいかどうかはまた別問題。最近のカードなら「隠然たる襲撃」の亜種といった方が話が早いか。あちらと比べるとさすがに弱体化しているが、1マナインスタントにそこまで大きな仕事を期待するのは贅沢というもの。これ1枚で除去がこなせて、さらにコンバットが絡めば2点の差までは詰められる。黒を相手にするときは常に警戒する必要がある基本トリック。まぁ、最近のトリックの中では地味な方だけども。「超常的耐久力」とかが便利すぎるのが悪い。

 

Skymarch Bloodletter 流血の空渡り (2)(B) C

クリーチャー・吸血鬼、兵士

2/2 飛行

〜が戦場に出た時、対象の対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。

 すげぇ適当なおまけがつけられているので「なんやねん」と思ってしまうが、3マナ2/2フライヤーなのは紛れもない事実なので、黒クリーチャーとしてはかなり優秀な1枚。今回、白青黒とフライヤーを並べてみると、なんだか他の次元よりもフライヤーの質と量が優れた次元になっている気がする。なんで吸血鬼に飛んでるやつと飛べない奴がいるのかはわからないけども。とりあえず出た時点でちょっとしたお仕事。あとは基盤クリーチャーとしてパンチパンチ。リミテッドではよく見る顔になるでしょう。こういうところに「吸血鬼の印」なら充分フィニッシュって言えるんだよな。

 

Sprending Rot 蔓延する腐敗 (4)(B) C

ソーサリー

対象の土地を破壊する。そのコントローラーは2点のライフを失う。

 ぼくの だいすきな とちはかいじゅもんです。……「強奪(PCY)」の下位互換である。プロフェシーの呪文の下位互換って、オメェよぉ……。何に使うんだろね。一応、この世界には伝説の土地サイクルがあるから、それに対応できるようにしてくれたのかな。黒はエンチャントが壊せないから助かるよね。余計なお世話だよ。

 

Sword-Point Diplomacy 剣呑な交渉 (2)(B) R

ソーサリー

あなたのライブラリを上から3枚公開する。それぞれのカードについて、いずれかの対戦相手が3点のライフを支払わない限り、それをあなたの手札に加える。残りのカードを追放する。

 黒らしいような、そうでもないような、なんとも不思議なドロー(?)呪文。これの逆バージョンになるのが「月光の取り引き(RAV)」だ(ちょっと違う?)。「相手に選択権がある呪文は弱い」というのがMagic業界ではよく言われるテーゼなのだが、さてこれはどうだろうか。最大効率で言えば3マナ3ドロー(相手に全部バレるデメリット付き)。神の領域だ。相手が3ライフ払ったら、3マナ2ドロー(そこそこのカード)に3点火力。デッキのアグロ具合にもよるが、「苦い心理(BFZ)」でライフを失っていたのはこっちなのだから、それが反転しただけでも結構な事件だ。3マナ1ドロー(割とゴミ)に6点火力。カード損しなかった上に3マナで6点?! 3マナ9点……9点?! えーと、どの結果でも強くないですか、これ。一番損したと感じるのは「超強い1枚を3ライフで落とされ、土地2枚を押し付けられた」みたいなタイミングだろうが、冷静に考えればそれだって充分すぎるペイ。次のドローがなんであるかは神様しか知らないわけで、決め技となる呪文を1枚落とされたところで、3枚ライブラリを掘り進めたのだから2枚目を引く確率は高くなっている。そもそも、相手だって「こっちが超欲しい呪文」が全部分かっている保証などなく、すでに手札に余っている呪文をいやいやライフで削り落としてくれるかもしれないのだ。必要条件は「相手がライフを払うことをためらうような攻めのデッキにする」というだけ。それだけで、こんなに不自由な4択クイズもなかなかないはず。今後のドローの定番になるかも。

 

Vanquish the Weak 弱者成敗 (2)(B) C

インスタント

対象のパワー3以下のクリーチャーを破壊する。

 「戦乱のゼンディカー」環境ではトップ除去の一角として大活躍した「完全無視(BFZ)」のシンプル版。追放効果は当然なくなってしまったが、それでもやはりパワー3以下というのは割と自由の効く制限なので、リミテッドでは序盤から中盤にかけて頼りになる存在だ。それにしても気になるのは、このイラストは1体どういうシチュエーションなのかということだ。フレーバーを読むと、吸血鬼が異端者を滅してしまったシーンってことでいいのかな。吸血鬼って、死ぬとこうなるの? なんか違くない?

 

Vicious Conquistador 敵意ある征服者 (B) U

クリーチャー・吸血鬼、兵士

1/2

〜が攻撃するたび、各対戦相手は1点のライフを失う。

 鼓動の追跡者(WWK)」の上位互換吸血鬼。上位互換なのは嬉しいには違いないが、問題は「鼓動の追跡者」自体が全く気にもされなかった雑魚コモンだったということで、タフネスが1点上がったとはいえ、それがアンコってどうなんだろう。一応1マナ2点クロックになる可能性はあるのだし、タフネスが上がったので木っ端トークンと相打ちせずに済むようにはなったが……さすがにまだ1マナパワー2の選択肢はあるんじゃないの? ローテーションで割といろんな有効カードが落ちるとは思うけども。とりあえず「戦慄の放浪者」4枚で足りないと感じてから考えればいいんじゃなかろうか。

 

Vraska’s Contempt ヴラスカの侮辱 (2)(B)(B) R

インスタント

対象のクリーチャーかプレインズウォーカーを追放する。あなたは2点のライフを得る。

 地味に「注目のストーリー」になってるんだけど、単にヴラスカさんがイチャモンつけてるシーンにしか見えませんね。やられてる側が重要人物なのかな? とにかく、セットを代表するPWであるヴラスカさんの名前が刻まれた単体除去。見ての通りに「英雄の破滅(THS)」に追放機能とどうでも良さそうなオマケをつけただけのカードなのだが、これで4マナと言われると流石に辛い。いや、環境に他の選択肢が無いなら候補たり得るけどさ。とりあえず「栄光の刻」に比べればオマケが機能するタイミングは多いので、万一アレをデッキインしていた人は入れ替えておくといいだろう。まぁ、多分その人はきっと大の「蠍の神」ファンかロナスアンチだろうから、この助言はあまり役に立たないだろうが。

 

Walk the Plank 板歩きの刑 (B)(B) U

ソーサリー

対象の、マーフォークでないクリーチャーを破壊する。

 なんでマーフォークだけは死なないかっていうのはシチュエーションを見れば一目瞭然。そりゃエラ呼吸には効かないだろうよ。このカードを見るだけでも、この世界が部族環境だということがよくわかる。ローウィンにもフェアリー以外を打ち消す「妖精の計略(LWN)」やエルフ以外を殺す「目腐りの終焉(LRW)」なんかが存在していた。ただ、この呪文がちょっと特殊なのは、「妖精の計略」はフェアリーカラーの青に存在し、「目腐りの終焉」も(当時の)エルフカラーである黒にあったのに対し、今回のマーフォークは黒くないということ。つまり、仮想敵としてリミテッドでは当たりやすい(かもしれない)相手に効かないパターンがやや多いということだ。まぁ、誤差みたいなもんだが、これでやきもきしたくないもんである。この世界の海賊連中がマーフォークに手を焼いているっていうニュアンスが出てるんでしょうかね。まぁ、ほとんどの場合は2マナの確定除去なんで弱いわけないですが。構築レベルでもチャンスはあるだろうが、「闇の掌握」の後釜を狙えるかどうかは微妙なところ。ソーサリーってのはどうしてもなぁ。

 

Wanted Scoundrels 指名手配の獄道者 (1)(B) U

クリーチャー・人間、海賊

4/3

〜が死亡した時、対象の対戦相手は【宝物トークン】を2個生成する。

 まず日本語訳の「獄道者」ってなんやねん、って思ったんだけど、調べてみたらいわゆるヤクザ連中を指すゴクドウ(極道)って、「獄道」っていう表記もあるんだね。勉強になりますわ。使うタイミングのない知識だけども。で、そんなヤクザもんであるが、そりゃもう一流の極道。花山薫もびっくりのサイズは、まるで場に出た時に手札を捨てなきゃいけない牛のごとく。これで一気にビートできれば最強なのだが、さて、当然ハイリターンならハイリスクなのである。殴れるならいい。しかし、返すターンに火力で落とされたらどうなるか。なんと相手はこいつを番所に突き出して懸賞金として宝物を2個ももらえるという。仮に2ターン目の返しで除去られる最悪のパターンなら、相手は3ターン目にしてもう5マナに到達。敵に塩を送るってレベルじゃない。リミテッドレベルでもさすがにこの加速では巻き返すのは難しいんじゃなかろうか。となると、このクリーチャーを使う理由は大きく2つ。1つは、多少の宝物が手に入ってもいいやっていうくらいに遅めで出しても強いっていう諦め型。2ターン目に1体なら弱くても、4ターン目に2体なら……駄目かな? それならもう1つ、「相手が除去持ってないって割り切る」パターン。リミテッドなら当然こっちで、ある程度の運ゲーにはなるがやっぱりハイリターンは魅力的だ。また、死亡さえしなければいいので、相手の主力除去が「平和な心」系のオーラだったり「排斥」みたいな追放系カードだという割り切りがあるなら使うチャンスもゼロではない。あとは相手がさっさと「神聖の力線(M11)」とか「魔女封じの宝球(ISD)」を置いて対象に取れなくなる場合とか……。いっそ「反響の稲妻(5DN)」や「古代ルーン文字(TMP)」と一緒に使うとか……いや、サクれるから意味ないな。じゃ、じゃぁ「磁力地雷(MBS)」も併用して……(どこに行こうというのだ)

 

拍手

<黒>

 

Anointed Deacon 選定された助祭 (4)(B) C

クリーチャー・吸血鬼、クレリック

3/3

あなたのターンの戦闘開始時に、あなたは対象の吸血鬼がターン終了時まで+2/+0の修正を受けることを選んでも良い。

 コモンではキーとなる可能性がある、吸血鬼サポートの最後に駆けつける1人。ギミックとしては「戦装飾のシャーマン(ROE)」と全く同じなので黒というよりも赤っぽい能力なのだが、対象を吸血鬼に限定することで強引に黒っぽくまとめている。これが1体いるだけで貧弱なトークンも3/1絆魂という決戦兵器に早変わり。仮に勝てない戦闘しかなかったとしても、最低限ライフを押し上げてくれるようになるので相手も対処には神経を使わねばならない。普通は戦闘前に出すだろうから、速攻のようにすぐに効果を発揮してくれるところも頼もしい。これと飛行持ち、というのがおそらく吸血鬼デッキの勝ちパターンの1つになるんじゃなかろうか。5マナなので3枚も4枚も入れるとパンクするが、2枚までなら問題なくキープできるはずだ。

 

Arguel’s Blood Fast アルゲールの断血 (1)(B) R

伝説のエンチャント

(1)(B)、2点のライフを支払う:カードを1枚引く。

あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフが5点以下であるなら〜を変身させても良い。

Temple of Aclazotz アクロゾズの神殿

伝説の土地

(T):あなたのマナプールに(B)を加える。

(T)、クリーチャーを1体生け贄に捧げる:あなたは、生け贄に捧げたクリーチャーのタフネスに等しい値のライフを得る。

 レジェンドエンチャントシリーズの黒は「強欲(7ED)」の亜種。最近なら「死者の神、エレボス(THS)」の起動型能力って言ったほうが早いかも。カードが引けるのは強いのだが、序盤に使うときはマナがネックになり、中盤以降に使う時にはライフがネックになるっていうなかなか憎らしい設定である。でもまぁ、2マナで置いといて折を見て使うだけなら悪くないか。そして、変身条件はライフ5点以下。つまり、青のスレッショルドに対してこちらは窮地条件である。能力をガンガン起動すれば、そりゃ勝手に窮地にも陥るはず。そこで満を辞して変身すると、下から現れる土地はなんと「嘆きの井戸、未練(SOK)」。しかも今回はマナコストがかからない強化バージョンである。「未練」はそれ1枚で伝説の土地になるくらいには強いカードであり、その強化版はそりゃ強いや。目減りしたライフも、そこらへんのクリーチャーを叩き落としてポンポン回復できる。まぁ、ライフ払って引いてきたクリーチャーのタフネスが2以下だと意味ないんだけども……。「未練」も「エレボス」も、単体で入れておいて適当に使えるタイプの能力ではない。何か劇的な活躍の場を用意してあげたいところだ。例えば「冠毛の陽馬」がいれば毎ターンそれだけで5点のライフが……いや、そうじゃない。ちなみに、このカードに書かれている「アクロゾズ」とは、「太陽の宿敵である夜の蝙蝠神」の名前のようだ。「三位一体の太陽」ってのは太陽帝国の恐竜の名前に出ていた「覚醒の太陽」「焦熱の太陽」「翠緑の太陽」のことだろう。この世界がどういう宗教観なのかは興味がありますよ。

 

Bishop of the Bloodstained 血潮隊の司教 (3)(B)(B) U

クリーチャー・吸血鬼、クレリック

3/3

〜が戦場に出た時、対象の対戦相手は、あなたがコントロールする吸血鬼一体につき1点のライフを失う。

 かつて、初めて吸血鬼がフィーチャーされたのは初代ゼンディカー環境。「吸血鬼の夜侯(M13)」が率いた黒単軍団は、「マラキールの門番(ZEN)」「吸血鬼の夜鷲(M13)」などの優秀な兵卒の活躍もあり、一大勢力を築き上げた。そして、そんなデッキで「夜候」よりも後ろに控えてフィニッシャーの役割を果たしていたのが、「マラキールの血魔女(ZEN)」である。シュートなボディにドレインライフ、さらにプロテクション白というあり得ないパッケージのせいで、大量の「流刑への道(CON)」だの「未達への旅(ZEN)」を抱えて憤死したのが当時の私である。そして、このクリーチャーはそんな悪夢の血魔女をアンコにして思いっきりマイルドにしたもの。前振りが長かった割に、共通点は場に出た時のライフ損失量だけだったりする。ドレインもしないし空も飛ばないし、プロテクションなんてもってのほかだ。でもまぁ、吸血鬼デッキの中押しとしてはそれなり。こうしてみるとさ、「アスフォデルの灰色商人(THS)」ってなんでコモンだったんだろうな。

 

Blight Keeper 立ち枯れの守り手 (B) C

クリーチャー・コウモリ、インプ

1/1 飛行

(7)(B)(T)、〜を生贄に捧げる:対象の対戦相手は4点のライフを失い、あなたは4点のライフを得る。

 黒の「守り手」サイクルはコウモリかつインプというよくわからないクリーチャータイプを所持している。いや、三葉虫よりはわかるけども。「守り手」サイクルの常として基本のステータスはどうでもいいかと思いきや、何と1マナで1/1フライヤーというしっかりした性能を持っての登場。「あれ?」と思って確認してみたら、なんと、「黒で」「1マナで」「デメリットを持たない」「パワー1以上のクリーチャー」は、史上初である。「コモンで」とかじゃないんだ。まじで、長年のMagicの歴史の中で、初めてのクリーチャーなんだ。今まで黒にはそういう仕事が求められていなかったということなのだろうが……驚きである。まぁ、史上初だろうがなんだろうが、リミテッドの戦場に繰り出されればあとは単なる1点クロック。そこまでもてはやすような存在ではない。「守り手」サイクル共通の悩みだが、クリーチャータイプが一切シナジーを作らないので積極的にデッキインしたいかと言われるとちょっと悩むのだ。相手が2/1フライヤーなんかを多く持っているのを見たらブロッカーとして採用するのがいいかも。あとはまぁ、8マナ貯まるデッキ。

 

Bloodstained Paladin 血に狂った聖騎士 (1)(B) R

クリーチャー・吸血鬼、騎士

1/1 瞬速

〜は、このターン死亡したクリーチャー1体につき+1/+1カウンターが1つ置かれた状態で戦場に出る。

 事前スポイラでは4マナ3/4っていう分析だったのに、全然違ったのがこちらのクリーチャー。このコスト設定だとだいぶ意味合いが変わってくるな。コストが軽いと、除去呪文との併用が容易なのでこいつの育成計画がいくらか組みやすくなるためだ。例えばインスタントを構えておけば、相手ターンにコンバットトリックやら除去やらで適当にクリーチャーをさばきつつ、こいつのサイズを1つ2つ増やすことが可能だろう。「バントゥ最後の算段」なら合計5マナで戦場にあるクリーチャーの数だけ増強だ(なお土地は起きない模様)。トークン増し増しが狙いのデッキなら、相手の全体除去のリカバリー手段として1枚手札に構えておくのも面白い選択肢だろう。色々と使い道がありそうな面白いレア。ちなみに、こちらのフレーバーにもこの次元の吸血鬼文化が垣間見える記述がある。興味深いのは「断血」という言葉で、どうやら吸血鬼たちの中には必死に吸血衝動を抑えて白くなっている連中がいるようなのだ(というか、この世界の吸血鬼の多くはそういう生活を強いられているようだ)。過去に人間の吸血鬼の間に何があったのか。興味は深まるばかりだ。

 

Boneyard Parley 骨塚協議 (5)(B)(B) M

ソーサリー

対象の、最大5枚までの、墓地にあるクリーチャー・カードを追放する。いずれかの対戦相手は、それらのカードを2つの山に分ける。あなたが選んだ山のカードをあなたのコントロール下で戦場に戻し、残りの山をそれぞれのオーナーの墓地に置く。

 見ての通りに過去のカードのフォーマットをアレンジしたものだが……7マナかぁ……。パッと見では「墓地のカードで『嘘か誠か』」だと思う人が多いと思うが、挙動が近いのはむしろ「栄光か死か(INV)」の方だろう。これまた古くてマイナーなカードだから知ってる人も少ないとは思うけども(とはいえ、「嘘か誠か」と同じインベイジョンのカードである)。先輩カードは5マナだったが、今回のカードは7マナ。これは相手の墓地も自分の墓地も引っくるめて最上の5枚から選択出来るからこその設定なのだろう。なのだろうけども……リアニ呪文の規準で言えば、何でも好きなものを1体釣れて5マナが相場。2体を自由に釣れる「末永く(SOI)」でも6マナだ。そう考えると、相手が山を分けた結果最上ではないかもしれない2〜3体が釣れる呪文が7マナは流石に辛くないか。自分の墓地だけでいいなら「末永く」でいいはずだし、相手の挙動なんて分かるわけもないし……夢はあるかもしれないが、夢のままのカードな気がする。

 

Contract Killing 依頼殺人 (3)(B)(B) C

ソーサリー

対象のクリーチャーを破壊する。【宝物トークン】を2個生成する。

 なかなか物騒なテイストの完全除去。毎度お馴染み5マナ以上のソーサリーという設定なので、リミテッドを考えれば充分使用に耐える仕上がり。宝物トークンは価値が高いので、それが2つも手に入るのだから歴代コモンの中では割と優秀な方かもしれない。まぁ、5マナの呪文を打った後に得られるマナソースがどの程度有用かは定かでないが。しかし、殺人の依頼達成のおかげで宝物がお代としてもらえてるってことは、殺人を依頼されて実行してるのは俺らプレイヤーってことなんだよな……。身に覚えがないです。

 

Costly Plunder 高くつく略奪 (1)(B) C

インスタント

〜を唱えるための追加コストとして、アーティファクトかクリーチャーを1つ生贄に捧げる。

カードを2枚引く。

 日本語のフレーバーテキストに「ヴラスカの石の意志」って言葉があったから「おっ、駄洒落かな?」と思って原文見たけど普通に「will of stone」だった。残念。ヴラスカさんが書かれていて「高くつく」とか言われると身構えてしまうが、その実態はなんとあの「祭壇の刈り取り(BFZ)」の上位互換呪文。「刈り取り」が元々「頭叩き(SCG)」の上位互換だったことを考えると、実は黒のこの「サクってドロー」部門は地味に品種改良が続いているのである。2マナインスタントで2ドローというのはドロー本家の青でもなかなか実現できないスペックであり、足かせとなっているコスト部分も、死にかけのクリーチャーなどを使ってある程度ごまかせる。黒デッキの潤滑油として欠かせない1枚。そして今回は、これが宝物トークンという格好の燃料を手に入れた。宝物トークンはいろんなカードが本当に気軽に落としていく安価なパーツなので、それが手札に化けるとなれば利用価値は跳ね上がる。ヴラスカさんの石の意志に感謝である。

 

Dark Nourishment 闇の滋養 (4)(B) U

インスタント

〜は対象のクリーチャーかプレイヤーに3点のダメージを与える。あなたは3点のライフを得る。

 黒には珍しい、クリーチャー・プレイヤーの両方に入るというインスタント火力。正直、黒にこの手のデザインのカードがあった記憶はさっぱりなく、インスタントのダメージ呪文を探してもせいぜい赤と手を組んだ「コラガンの命令(DTK)」がヒットする程度。黒単色ではひょっとしたら初めてのデザインなのかもしれない。「プレイヤーにもクリーチャーにも飛ぶ3点火力」というだけなら、専門家の赤に任せれば2マナで済むお仕事。そこに黒ならではの味付けとしてライフゲインを加え、さらにちょっとカラーパイからはみ出ることを考慮するとそのコストは5マナで、なおかつアンコモン。これを高いと見るか妥当と見るか。個人的には「やや割高」くらいの印象か。おそらく比較すべきはクリーチャー限定の「本質の摘出(KLD)」であり、あちらはかなりの優良スペルとはいえ、3マナで済んでいたのだ。プレイヤーに飛ばせるオプションに2マナの価値があるかといえば、たぶんノーだろう。構築で見かけるような呪文にはなれそうもない。もちろん、リミテなら各方面からありがたみに満ち溢れている。焦ってかき集めるほどでもないが、良きところで押さえて下家をけん制したい。

 

Deadeye Tormenter 巧射艦隊の拷問者 (2)(B) C

クリーチャー・人間、海賊

2/2

強襲 - 〜が戦場に出た時、対象の対戦相手は手札を1枚捨てる。

 Deadeye」は過去のカードの訳からすると大体「狙いがうまい」「射撃の名手」くらいのニュアンスなのだが、今回は「巧射艦隊」という団体名として登録されている(英語だと「The Deadeye Fleet」)。さておき、見ての通りに「強襲でディスカード」というわかりやすく攻めの1枚で、つまりは「マルドゥの頭蓋狩り(KTK)」の亜種である。「頭蓋狩り」はタップインする2マナ2/1、こちらはデメリットなしの3マナ2/2。この手のウィニーはマナ域が軽ければ軽いほど良いので2マナの「頭蓋狩り」の方が強そうなものだが、一概にそうとも言えない。1マナ域のクリーチャーを確実に展開できるデッキというのは多くなく、2ターン目に強襲を達成するのが難しいためだ。こちらのクリーチャーなら、2マナ域で適当なアタッカーを用意して流れるように3ターン目にアドバンテージを稼ぎやすく、こいつを連打しているだけでも海賊デッキはかなりの優位を積み上げることができる。中盤以降に殴りにくい状況になったとしても、それなりに減って密度の濃い相手の手札1枚をもぎ取れるのなら、多少の無駄アタックも考慮に入れられる。最初に参戦したこいつが特攻かまして、2体目のこいつの糧になる展開でも損はしないのだ。海賊らしい刹那的な生き方で相手の財源をギリギリ締められるナイスな1枚だ。

 

Deadeye Tracker 巧射艦隊の追跡者 (B) R

クリーチャー・人間、海賊

1/1

(1)(B)(T):対象の、いずれかの対戦相手の墓地にあるカードを2枚追放する。〜は探検を行う。

 財宝を求めて探索するという「それってゼンディカーで良かったやん」と思われる探検ギミックを採用したのがこのイクサラン。邪推ではあるが、かつてゼンディカーは「冒険の溢れる次元」というフレーバーが非常に好評だったのに、エルドラージなんて化け物を登場させてしまったがために「戦乱のゼンディカー」ではそのフレーバーが無くなり、ユーザーはご不満だったという反省から新しい「冒険次元」を作るに至った……のかもしれない。そして、そんな「未知との遭遇」を表現した新たなセットギミックが今回の「探検」能力だ。起動すればするだけ得な能力なんだから、出来れば毎ターンガシガシ使っていきたいところだが、それだとちょっと強すぎるのでコストはそこそこ。相手の墓地が肥え太ってくれるかどうかは完全に相手次第なので、カード単体で見たら更に不安定。中盤以降にしか起動出来ない割に1マナというコストも憎らしい。わざわざコイツを丹念に育てる意味もあんまり無いし、「上手いこと土地がめくれたら1ドロー出来るし、とりあえず墓地対策出来るカード」くらいのニーズ。……すげぇ微妙なニーズだな……。

 


拍手

<青>

 

Air Elemental/大気の精霊(M10)」 U

 なんとまさかのこの起用。長年基本セットでビッグブルーの看板を背負い続け、だからと言ってリミテッド以外ではあんまり出番がないからやたらとカードボックスの中に溜まっていった大ベテランが、この度拡張セットで初の再録を果たした。なんかもう、リミテッドでこいつが使えるというだけでも胸にくるものがある。シナジー? そんなのいらないです。ただ、個人的には思い出深いのでイラストは6th版(ポータル版)が好きです。

 

Arcane Adaptation 秘儀での順応 (2)(U) R

エンチャント

〜が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。

あなたのコントロールするクリーチャーは、本来のタイプに加え、選ばれたタイプでもある。あなたのコントロールするクリーチャー呪文や、あなたがオーナーである、戦場に無いクリーチャー・カードについても同様である。

 クリーチャータイプの追加・書き換えは元々青の得意技で、あのオンスロートドラフトでは「映像の造形者(ONS)」が大活躍した記憶が残っている年寄りも多いことだろう。こちらのカードの原型としては「異種移植(NPH)」が一番近いと思われるが、戦場だけでなく手札でも墓地でもスタックでも、とにかくあらゆる場所でタイプが追加されるという部分は更に遡って「奸謀(TSB)」に近いか。このカードがどのくらい活躍出来るかはかき集めた部族ギミック次第。まぁ、どうせ構築レベルでデッキを組むときは最初からそのタイプに絞り込んでカードを入れるのだからあまり意味が無いのだが。リミテッドで活用出来たら楽しそうではあるな。

 

Cancel/取り消し(AKH)」 C

 はいはいキャンセルキャンセル。今回コモンのカウンターはこれと「呪文貫き」の再録コンビ。既存ユーザーに優しいというか、新鮮味に欠けるというか。

 

Chart a Course 航路の作成 (1)(U) U

ソーサリー

カードを2枚引く。その後、あなたがこのターンクリーチャーで攻撃していないなら手札を1枚捨てる。

 強襲はクリーチャーに与えられる能力でソーサリーには使えないためこのような書式になっているが、これが事実上の強襲カードであることは一目瞭然。考えてみれば、元々マルドゥ(赤黒白)のために開発された攻めっ気溢れる強襲が、「海賊」という文脈を通じて青にも移植されるというのはなかなか面白い現象だ。そして、この程度の条件で2マナ2ドローというのは割と事件である。普段の文脈ならば「まぁ、青はクリーチャーカラーじゃないから攻撃とか難しいし……」というところだが、今回の青はしっかりと海賊カラー。そうでなくても最近は果敢色として青にも色々と粒の揃った低マナ域も安定供給されるようになってきた。最悪クリーチャーは犬死にする選択肢だってあるのだし、フライヤーなどの手軽なアタッカーを1ターン目に用意できれば、2ターン目からいきなり2ドローも夢ではない。中盤以降にもわずか2マナで選択肢が増やせるのは文句なしで強く、このコストなら2ドロー1ディスカードの「目録(SOI)」でも問題ないのだ(「苦しめる声」の上位種である)。「先読み(ROE)」もちょいちょい構築レベルでニーズがあったのだから、これだって必要に応じて求められるデッキはあるのじゃなかろうか。

 

Daring Saboteur 勇敢な妨害工作員 (1)(U) R

クリーチャー・人間、海賊

2/1

(2)(U):〜はこのターンブロックされない。

〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。

 いかにも青らしいアンブロッカブル使い。2マナパワー2のアンブロッカブルってのは破格の能力になるのだが、残念ながらこいつは毎ターン3マナかけないと真価を発揮できない。……レアとしてはそこまででもないな。その後戦闘ダメージ誘発でドローができて超強い! って期待させておいて実はルーターだったりする。そりゃま、ルーターでも充分強いけどさ……レアなんだからもうちょっとさ……このままだと「コー追われの物あさり(TSP)」と大して変わらない性能なんだよね……まぁ、海賊たちには強襲能力があるので、その辺りのサポーターとして考えればいいんだろう。

 

Deadeye Quartermaster 巧射艦隊の操舵手 (3)(U) U

クリーチャー・人間、海賊

2/2

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリから装備品・カードか機体・カード1枚を探し、それを公開して手札に加えても良い。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 「上級建設官、スラム」が好きなタイプのカードだけを専門にしたチューター。4マナ2/2と体躯は貧弱だが、出た時点で業務を終えるので特に問題はない。似たような効果のソーサリー「武器庫の解放」が2マナであることを考えれば、2マナの追加で2/2という計算はあっている。機体カードはまだ歴史が浅いのでそこまで多くの選択肢があるわけではないが、やはり注目すべきは装備品の方。「石鍛治の神秘家(WWK)」というとんでもない先輩もいるにはいるが、あれは単なる壊れ。さらに先輩の「タージ=ナールの剣鍛治(MRD)」と比較しても随分使いやすくなっていることがわかるはずだ。アーティファクトを探す専門家である「粗石の魔道士(SOM)」たちと同じように、下の環境や統率者なんかでいい仕事をしてくれそう。もちろん、リミテッドでもある程度の該当カードがあるなら、単に手札が増えるカードなので充分使用に耐えるだろう。

 

Deeproot Waters 深根の水域 (2)(U) U

エンチャント

あなたがマーフォーク・呪文を唱えるたび、1/1で呪禁を持つ、青のマーフォーク・クリーチャー・トークンを1体生成する。

 すごくローウィンっぽい匂いがするカードだ。これでもしローウィンのカードだったら間違いなく「部族エンチャント・マーフォーク」だったのだろうが、残念ながら部族システムは問題を抱えすぎて廃止になってしまっているので、この世界ではあくまで普通のエンチャント。ギミックとしてはエルフにおける「リス・アラナの狩りの達人(LRW)」と全く同じ。設置しておくだけで、今後全てのマーフォーク呪文は人数が倍になって出てくる。「リス・アラナ」はそれだけだったら「割と強い」レベルのカードで、こっちのエンチャントは出しただけではなんの役にも立たない置物なのだから評価が下がるように見えるが、問題なのは出てくるトークンが揃って呪禁持ちであるという部分だろう。1/1程度が呪禁を持ったところでそこまで問題はなさそうだが、部族環境ということもあり、当然ここから想定されるのは各種ギミックで1つ1つのクリーチャーのサイズが増していくこと。ただでさえマーフォーク呪文を連打している前提であり、出てくるクリーチャーの半数が呪禁持ちとか地獄でしかない。悠長なカードではあるが、今回のマーフォークは青緑で探検能力との絡みも多く、後続を呼び出すのが比較的容易な種族である(探検は占術と同等の役割を果たすため)。マーフォークでいっぱいの海。そりゃ陸にも上がってくるよな。

 

Depths of Desire 欲望の深み (2)(U) C

インスタント

対象のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。【宝物トークン】を1つ生成する。

 「送還」+宝物で2マナ重くなった。キャントリップの「排撃(INV)」と同じコスト設定ってのは高いのか安いのか。うーむ、あんまりお値打ちって感じでもないが、まぁ、それでも確実にデッキに入るタイプのカードに確実に手に入るお宝のセットがコモンで手に入るというのは重要。青が絡むあらゆるデッキで必須カードである。しかし、これって確実にシチュエーションでいったら命が尽きているはずなんだけど、なんでバウンスなんだろ。

 

Dive Down 潜水 (U) C

インスタント

対象のクリーチャーはターン終了時まで+0/+3の修正を受けるとともに呪禁を得る。

 物体に潜ませて、解き放つ能力。いろいろ便利だったダイバーダウン。まぁ、あんまり正義サイドっぽくない能力ではあったが。そんな6部の話とは関係なく、こちらは「きらめき(DTK)」の完全上位互換。効果は完全に一緒のまま、1マナのコストダウンに成功している。まぁ、もともと「きらめき」はリミテッドでも使われてるシーンを見たことがない残念呪文だったので、1マナになってようやく登場する機会があるかどうか、という感じだが。流石にこれだけ軽ければ、除去に対してカウンターの役割を果たすこの呪文はニーズがあるんじゃないかしら。レアリティが高くて「守れば勝つ」みたいなカードを引いた時にはお守りがわりに1枚潜ませておきたいカードだ。まぁ、こういう「お守りがわり」のイメージがなかなかデッキインにまで至らない理由なんだろうけども。

 

Dreamcaller Siren 夢呼びのセイレーン (2)(U)(U) R

クリーチャー・セイレーン、海賊

3/3 飛行 瞬速

〜は飛行を持つクリーチャーのみをブロック出来る。

〜が戦場に出たとき、あなたが他の海賊をコントロールしているなら、最大2つまでの対象の土地でないパーマネントをタップする。

 不確定スポイラの時点では5マナだと思われていたので「オイオイオイ」という感想しか出てこなかったのだが、1マナ軽くなるだけで印象は随分変わってくる。ハイフライでブロック制限こそあるものの、4マナ3/3瞬速フライヤーは充分な戦力。他の海賊のサポートがあれば「デジェルの拒絶」と同程度のインスタント呪文として相手の攻撃を妨害し、そのまま3/3フライヤーを加えた軍勢で攻撃に転じることができる。繰り返しになるが海賊は「攻撃する」ことが大きな意味を持つため、相手エンドに2体タップから一気に攻撃に転じれば、様々な海賊ギミックの恩恵を受けることが可能になるだろう。まぁ、それでもレアとしては地味なことに変わりはないのだが……。

 

Entrancing Melody 幻惑の旋律 (X)(U)(U) R

ソーサリー

対象の、点数で見たマナコストがXのクリーチャーのコントロールを得る。

 不確定スポイラだとインスタントって表記されてたので「強いやん」だったカードだが、実際はソーサリーだったので「まぁ、レアなら普通」くらいに落ち着いた。インスタントの方が他の誘拐オーラなんかと区別できて面白かったと思うのだが……それだと強すぎるんですかね。現在の誘拐スペルと比較すると、構築での採用実績もある「慮外な押収」に勝てる要素はあまりない。2マナのクリーチャーまでを奪うならコストは勝るが、せっかくの誘拐スペルでそんなマナ域をやり取りするのも癪な話だ。5マナ以上がかかる場合、この呪文ならばあとは相応にコストが上昇するが、「慮外な押収」なら(エネルギーデッキで使うという条件こそあれ)5マナ固定で選択肢が広がるのだ。特に条件がないなら「押収」を選ぶべきだろう。こちらのカードの売りは「トークンなら2マナでパクれる」という部分なのだが、いかんせん現在活躍しそうなトークンはしっかりとマナコストをもった不朽や永遠のコピートークンが多い。まぁ、4マナで4/4の「地揺すりのケンラ」がもらえるなら悪くはないが……リミテッドでちょいちょい嫌がらせするくらいのポジションで落ち着きそう。一応、青いハゾレト対策にはなる……かなぁ。

 

Favorable Winds/順風(AVR)」 U

 「どんなカードを再録するか」というのは実にクールで、考えがいのある要素であると、以前公式コラムのどこかに書かれていた。基本セットが復活することが決まり、無事にその受け皿は確保されたわけだが、このイクサランの時点ではまだそうしたプランはなかったはず。そこで、今回はやたらめったら充実した再録カード群が目を惹くラインナップになっている。そんな中からこの1枚。2マナという破格の軽さながら、デッキ次第ではマジヤバ決定力になる全体増強である。コンスピラシーに収録されてデッキテーマを支えたりしてたっけなぁ。今回は青白黒と満遍なく飛行クリーチャーが展開できるので、リミテッドでキーになりそうな筆頭カードである。

 

Fleet Swallower 船団呑み (5)(U)(U) R

クリーチャー・魚

6/6

〜が攻撃するたび、対象のプレイヤーは自分のライブラリを上から半分(端数切り上げ)墓地に置く。

 最初の記事の時に出してた魚なんだけどさ、結局正しい情報では7マナ6/6だった……。そりゃそうだよな、こんなもんが5マナのわけないよな……ちくしょう……。いや、でもワンパンで勝てる可能性があるんだから7マナでもいいじゃない。正気を減らせばいいじゃない。いつだって僕らは「心の傷跡(M14)」を胸に抱いて生きているのだから!(やめて)

 

Headwater Sentries 源流の歩哨 (3)(U) C

クリーチャー・マーフォーク、戦士

2/5

 「従順な召使い」の色が変わった圧倒的バニラ。この世界のマーフォークは腰が据わっていて実に安定感があるな。このままのステータスだと「リミテッドでもまぁ普通」くらいのレベルだが、今回のマーフォークは「+1/+1カウンターとブロック回避」がテーマになっているそうなので、もし3/6以上になってアンブロッカブルとか言い始めるとウザさは加速するだろう。青緑らしい嫌らしい戦い方の基盤役として。

 

Herald of Secret Streams 秘滝の軍使 (3)(U) R

クリーチャー・マーフォーク、戦士

2/3

あなたのコントロールする、+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーは、ブロックされない。

 ステータスだけを見れば「ニクス生まれのトリトン(BNG)」なんかと同じなのだから普通のマーフォークだが、そこには+1/+1カウンターを参照するという、このセットのマーフォークの親玉らしい能力が。他の次元でいえば「サファイアのドレイク(GTC)」みたいなスタンス。つまり、こいつはシミックギルドの回し者です。付与される能力がアンブロッカブルと大盤振る舞いなので、もしこの世界でハマることがあったら文句なしの爆弾。マーフォーク以外でもカウンターを乗せる探検能力がシナジーを形成するし、「青緑探検デッキ」みたいなものが成立すればフィニッシャーになれる。既存のカウンター絡みのカードとも大きなシナジーが形成出来るが、スタンだと青はその手のデッキに絡んでないのよね。

 

Jace, Cunning Castaway 狡猾な漂流者、ジェイス (1)(U)(U) M

伝説のプレインズウォーカー・ジェイス

<+1>: あなたのコントロールする1体以上のクリーチャーがこのターンプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。

<-2>: 2/2で青の、「このクリーチャーが呪文の対象になった時、これを生贄に捧げる」を持つイリュージョン・クリーチャー・トークンを1体生成する。

<-5>: 伝説でないことを除き〜のコピーであるトークンを2つ生成する。

 何じゃいコイツァ! ということで、新セットの新たなプレインズウォーカー・ルール改変のお披露目となった問題児ジェイス。片肌脱いですっかり海賊さんたちの文化に染まった様子で、クソ暑そうなアモンケットですら外さなかったローブ・フードは一体どこへやってしまったんだというツッコミ待ちなのは確実である。まぁ、こうして次元によって変化するPWたちの装いを見るのも楽しみの1つではありますけどね。それにしても似合わねぇな……。

 さておき、PWルールを改正してまで生み出された能力を見ていこう。まずはプラス。周りにサポーターとなるクリーチャーがいれば、なんと、ルーターできます!! ……ルーターなの? ドローじゃないの? ……そこはケチらなくてもいいような……前提条件付きで、自身の身を守ることにもつながらず、必死でやってもルーター止まり。このプラスは……あまり強くないな。その分、小マイナスは悪くない。2/2クリーチャーを生み出すというジェイスとしては初めてのトークン生成能力だ。登場直後に起動すると残り忠誠度が1というのは悩ましいが、3マナでとりあえず2/2が得られるのなら最低限の保証にはなる。出てくるトークンもデメリット持ちだが、最近ではこのデメリットはほとんど意味がないことも証明されているので、とりあえず着地後1ターン生き残る方策としては上々のものだろう。

 そして、相手の隙をついて何とか奥義までたどり着くと……増える。この「ちょっと微妙なPW」が、さらに増える。忠誠度がぴったり5の状態で出すと単に倍になるだけで、そこからすぐに能力を起動してイリュージョンを2体出すのか、それともさらなる倍々ゲームのためにルーター能力を加速させていくのか。その先のことはもう想像の埒外だが、「カードの管理がめんどくさそう」ということだけは間違いない。あと、戦闘中にこすっからい幻術で相手をペテンにかけてばかりの「戦うジェイス」のフレーバーを最も的確に再現できているカードなのも間違いないだろう。正直、強いかと言われれば微妙極まりないカードだが、その独特すぎる挙動には色々と反則技が盛り込めそうな匂いもしている。現時点で報告されている例では、「倍増の季節(RAV)」を1枚置いとくだけであとは無限のジェイスが増え続ける地獄絵図に。正確な挙動を書くと、「季節」がある状態でジェイスを出すと忠誠度6で出るのですぐに奥義を起動。コピートークンが4体登場し、それらすべてが忠誠度6。4人のジェイスが16人のジェイスを生み出し、16人のジェイスが64人のジェイスを……あとはその半分のジェイスをイリュージョンの製造に回せば、次のターンには114514体のイリュージョンが相手を踏み潰す。さぁ、ジェイスに埋もれてみよう。

 

Kopala, Warden of Waves 波を司る者、コパラ (1)(U)(U) R

伝説のクリーチャー・マーフォーク、ウィザード

2/2

あなたのコントロールするマーフォークを対象に取る対戦相手の唱える呪文は、そのコストが(2)多くなる。

あなたのコントロールするマーフォークを対象に取る対戦相手の起動型能力は、そのコストが(2)多くなる。

 事前スポイラでは要求するマナが(1)だったので「サポーターとしても微妙」という印象だったのだが、(2)を要求するとなると俄然鬱陶しさも変わってくる。こいつ自身を除去するための「ショック」ですら3マナ必要になるのだから、しぶとさはなかなかのものだろう。まぁ、それでもやっぱり地味な能力には違いないのだが。リミテッドでうまいことマーフォークデッキが組めた時には、除去を1枚引き付ける贅沢な避雷針になる。さらに下の環境や統率者戦を含めたマジなマーフォークデッキでは、これ1枚を守り抜くだけでデッキ全体の耐久力が大きく底上げされることになるはずだ。まぁ、やっぱり3マナ域は渋滞してる気がするけども。真の名を持つあいつがいるからなぁ。

 

Lookout’s Dispersal 見張りによる消散 (2)(U) U

インスタント

〜を唱えるためのコストは、あなたが海賊をコントロールしているなら(1)少なくなる。

対象の呪文を、そのコントローラーが(4)支払わない限り打ち消す。

 巻き込み(EMN)」の完全上位互換である。まぁ、レアリティあげてるから。「完全上位」とは言ったが、どのくらい上位かというと、今のところは「ほんのちょっと」。海賊がいればこれは「マナ漏出」の上位互換になるという、僅かながらのコスト調整である。似たような立ち位置の呪文には「冷静な反論(SOM)」があるが、あっちは別に構築レベルに食い込んだとかいう話は聞かないんだよな。とりあえず、4マナの要求はほとんど完全カウンターと同義であり、ローテーションにより「手酷い失敗(BFZ)」「虚空の粉砕(OGW)」などの有力なカウンターが落ちる今後の環境では構築も狙える1枚。もちろん、海賊デッキが流行るなら言うことなしだ。

 

Navigator’s Ruin 航海士の喪失 (2)(U) U

エンチャント

強襲 - あなたの終了ステップの開始時に、対象の対戦相手は、自分のライブラリを上から4枚墓地に置く。

 レッツライブラリ破壊。なんと、攻撃するだけで4枚も削れるんです! 戦闘ダメージを与えてようやく2枚とかいう「叫び霊(DKA)」やら「都市内の急使(RTR)」とはわけが違うんです。なお、アタックのためのクリーチャーは別途ご用意いただく必要があります。しかし、どんな雑魚クリーチャーのアタックだろうが確実に4枚。つまりこれを置いた後に戦闘の成否は問わずにとにかく6、7回殴れば勝てるんですよ! ……意外に遠いな……じゃ、じゃぁ2枚貼ればいいじゃない! 2枚貼ったらあとは4回殴れば勝てます! これなら割と現実的! あれ、書いてたらどんどん現実的! やる! 先生、僕やるよ!

 

One With the Wind 風と共に (1)(U) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修正を受けると共に飛行を持つ。

 今回唯一の「なんか物言いたげなカード名」カード。「床下から/風と共に/人生は続く」とかいう短文詩が読めそうである。しかしてその実態は、「幽体の飛行(ISD)」の名義変更カードである。元の名前はイニストラードっぽさがあったので、いくらか晴れやかなこっちの名前で再版したのだろうが、その凶悪さは当然変わるべくもない。イニストラード当時は、適当なコモンクリーチャーにこれを張ってパンチする「オーラゲー」が頻出するというクソのような強カードであった。今回だってその存在価値を疑いようもなく、これで海賊の強襲条件を補強しながら一気に畳み掛けたり、カウンターを載せてさっさと火力圏外に脱出させてゲームを決めにいくなど、いくらでもこれ中心の戦略が組めるだろう。緑にはフライヤーを専門に落とす呪文が用意されているので一応ごまかしが効くが、火力中心の赤や除去がもっさり気味の黒は枕を濡らす日も多くなるんじゃなかろうか。

 

Opt/選択(INV)」 C

 なんとなんと、インベイジョン以来、実に18年ぶりの再録となった青の「キャントリップの中のキャントリップ」が登場だ(元々キャントリップとは「大したことができないちっちゃい呪文」の意)。実は我々コミュニティのドラフトの始祖を辿るとインベイジョン環境になるのでこの呪文は非常に印象深かったのだが、確認したらなんとインベイジョンで初登場して以降、サブセットも含めて一度も再録されていなかったらしい。つまり、マジで18年越しの新版カードなのである。書式も「占術1を行う」に変更され、なんだか随分お洒落な呪文になった。興味深いのは探検能力との絡みで、占術してるのに絶対にトップに積み込むことができないこの呪文は探検能力と一切シナジーを形成しない。その辺りの制約もあって今回の環境にお呼びがかかったのかもしれない。「血清の幻視(5DN)」や「定業(M11)」と言った呪文に比べると占術の質こそ落ちるが、この呪文の最大の売りは何と言ってもインスタントという手軽さ。かつては「オプトブルー」なんてデッキも存在したこの1枚、新たな時代の指針となるか否か。

 

Overflowing Insight 溢れ出る洞察 (4)(U)(U)(U) M

ソーサリー

対象のプレイヤーはカードを7枚引く。

 That’s 雑。確かに引く枚数はすごい。1マナ軽い「好機(M14)」で引ける枚数が4枚、「明日からの引き寄せ」では同じコストなら5枚なのだから、その効率の良さは圧倒的。圧倒的なんだけども……ソーサリーなぁ……。確かに通せば(そして次のターンまで生き残れば)勝つ呪文なのは間違いないのだが、ここまでのビッグアクションなら、もう1枚や2枚程度の枚数の差は大した問題じゃない気がする。引きまくったカードはどうせ同じターンに使うことが困難だし、現実を見るなら「明日からの引き寄せ」にしておくべきだろう。一応このカードだけの利点として「相手にも引かせられる」という特徴はあるので、いざとなったらライブラリを……(ここでノートは途切れている)

 


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