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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<赤>

 

Bloodstone Goblin 血石のゴブリン (1)(R) C

クリーチャー・ゴブリン、戦士

2/2

あなたが呪文を唱えるたび、それがキッカーされていたなら、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに威迫を得る。

 結石は痛いらしいですよね……そりゃゴブリンだって暴れたくなりますよ……。で、血石って何。とりあえず2マナ2/2の安心ステータスに、さらにキッカー誘発というなんとも微妙なトリガーで3/3威迫までサイズアップ。序盤から中盤にかけての圧力は充分すぎる兵卒である。まぁ、冷静に考えるとキッカーコストが払える段階って中盤以降、むしろ終盤寄りなので、もしかしたらこの能力は完全に手遅れの可能性もあるんですけどね。回数制限こそないものの、普通は1ターンに2回も3回もキッカーは払えないしなぁ。プレーンシフトにあったような「マナ以外のキッカーコスト」が充実してくれれば、もしかすれば。

 

Chompion of the Flame 炎のチャンピオン (1)(R) U

クリーチャー・人間、戦士

1/1 トランプル

〜は、それにつけられたオーラと装備品1つにつき+2/+2の修正を受ける。

 キン肉マンの二つ名みたいな名前のクリーチャーだが、その実態はプロレスラーとは縁遠い、武器を手に戦う軍勢の1人であった。これまで「オーラをつけるとボーナス」という性質は白が第1色、緑が第2色のジャンルだったはずなのだが、今回から赤に移動している。あんまりエンチャントの色のイメージはないのだが、「何かを持って殴りにいく」という物騒なイメージが赤に合わせられるということなのだろうか。とりあえずどの程度使えるかを見るためにオーラをチェックすると、赤の範囲内だと+2/+1威迫の「激情の怒り」、速攻カラー白からは+2と先制攻撃の「叙爵」、空も飛べる「セラからの翼」、そして青からも空を飛べる「秘儀での飛行」と呪禁を与える「史学者の護法印」、黒は+1と死亡時に戻ってくる能力の「悪魔的活力」と並び、緑には残念ながら選択肢がない。こうして見るとやはり白赤が一番選択肢としては丸いが、コモンで飛行がキープできる青赤も面白い。さらに装備品まで見るとコモンには2枚の装備品があるので、そこそこの注意さえ払っていれば、これを化け物に育て上げるデッキも不可能ではないだろう。狙っていない人間からは見向きもされないカードだろうし、何か必殺のデッキを作って周りをびっくりさせたい人は狙ってみるといいかも。

 

Fervent Strike 白熱の一撃 (R) C

インスタント

対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+0の修正を受けるとともに先制攻撃と速攻を得る。

 毎度おなじみ、赤の先制攻撃インスタント部門。普段は割と持ち回りで再録しているジャンルだが、今回は一応新作が登場。なんと「火をつける怒り」に速攻を加えた完全上位互換だ。「火をつける怒り」も1点を争う細かいコンバットの結果をひっくり返すパーツとして環境次第では重宝したが、やはりパワーの増加量が1点というのは赤としては物足りないところ。スルーされても叩き込める「確実な一撃」などに比べてどうしても影が薄かった。しかし、今回は中盤以降にマナがあまり出した時に好きなクリーチャーを速攻(+先制)にして突っ込ませるという非常に魅了的なオプションが追加された。これによって今まで以上に前のめりなデッキでの仕事の幅が増え、多方面から相手の計算を狂わせる1枚に格上げ。速いデッキを自負するなら何枚か揃えておきたい。

 

Fiery Intervention 焦熱の介入 (4)(R) C

ソーサリー

次のうちから1つを選ぶ。

・〜は対象のクリーチャーに5点のダメージを与える。

・対象のアーティファクトを破壊する。

 ツリーフォークと構築物、どっちに味方したらええのん? みたいなお困りのチャンドラさんが印象的な1枚。フレーバー見ても答えわかんねぇな。ボーラスさんにデコピン一発でぶっ飛ばされて意気消沈し、そのまま「修行してくる」ってどっか行っちゃったチャンドラさん、今頃どこで何してるんだろう。そんな彼女が飛ばす火力は5マナソーサリーで5点とやたら燃費が悪いが、火力を構築物の方に向ければ一応アーティファクトも割れる選択肢の多さで勝負。まぁ、どうせ火力として使いたいから、これを入れてアーティファクト対策はバッチリ!なんて言えるわけもないのだが……。なお、今回赤がアーティファクトに触れる手段はこれ1枚だけである。白と緑には結構な対策カードが与えられたというのになんという差別。今後は歴史的トリガーとの関係でアーティファクトの枚数も増えると思われるため、そっち方面のニーズでもこの5マナソーサリーは必須かなぁ……。

 

Fight with Fire 火による戦い (2)(R) U

ソーサリー

キッカー(5)(R)

〜は対象のクリーチャーに5点のダメージを与える。これがキッカーされていたなら、代わりに〜は望む数の対象に10点のダメージをあなたの望むように割り振って与える。

 名前だけ見るとすげぇアホっぽいけど、人類の戦争の歴史は火の歴史ですからね。このカードにも、そんな悲惨な戦争の進化が込められているとか、いないとか。普通に使っても安定した火力。というか、素の状態で3マナ5点って、「火炎砲発射」とかの立つ瀬がない。ソーサリーとはいえこの規模の火力が平気で出てくるのはちょっと怖い。そしてキッカー。火器の進歩には多大なコストが必要であり、トータルでなんと9マナ。アホなコストには違いないが、そこまで行けば核戦争も目前。10点の火の雨が対象を問わずに降り注ぐ。まぁ、さっさと本体に10点注いで終わりでいいんじゃなかろうか。「焦熱の飛弾」とか、フラッシュバックとはいえ、なんで10マナも払って4点しか飛ばなかったんでしょうね。

 

Fire Elemental/炎の精霊(M13)」 C

 やっぱり基本は大事。何事も原点に立ち戻り、「わぁ、おっきい、おっきいよ!」とサイズを楽しんでいたあの頃に戻るのだ。まぁ、今見ると別にそこまで大きい気もしないのだが……。直前のセットで「大気の精霊」が帰還したということは、これから半年かけて四大精霊が揃い踏みする布石でもあるのだろうか。「水の精霊」とか今戻ってこられても違和感しかないが……。大気がアンコなのに炎はコモンだ。ずるい。ちなみにフレーバーテキストにはヤヤ様のありがたいお言葉が刻まれている。このババァ、歳食っても全然変わってないやんけ。

 

Firefist Adept 火拳の達人 (4)(R) U

クリーチャー・人間、ウィザード

3/3

〜が戦場に出た時、〜は対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーにX点のダメージを与える。Xはあなたのコントロールしているウィザードの総数に等しい。

 ウィザードだって、戦えるんだ! ということで、いかにも赤のウィザードらしく187で火力を叩き込む。「火拳」って言ってるんだからさぞかしたくましいパンチを叩き込むのだろうと思いきや、そのダメージは友達の数に比例するという。元気玉の類かな? 最低でも自身はカウントできるので1点は飛ばせるし、3/3なら我慢できないサイズでもないので下準備もそこそこで使うことはできるだろう。現環境の「風雲艦隊の紅蓮術士」とどっちが使いやすいか。

 

The First Eruption 最初の噴火 (2)(R) R

エンチャント・英雄譚

〜は飛行を持たない各クリーチャーにそれぞれ1点のダメージを与える。

- (R)(R)を加える。

山1つを生贄に捧げる。そうしたなら、〜は各クリーチャーにそれぞれ3点のダメージを与える。

 日本人からするとなかなかタイムリーなカード。火山が爆発するとどうなるかというと、まずは「微震」が起きる。初期微動ってやつか。3マナソーサリーで「微震」ならこれだけで使えるタイミングはありそう。そして次に、赤マナがほとばしる。なんでこんな効果が間に挟まってるのかはわからないが、まぁ、4ターン目に6マナ使えるのは強い。そして最後の3段階目は押し寄せる溶岩流に全てのクリーチャーが巻き込まれる。当然その過程で山が1つおじゃんになり、山も持ってない人間にこの呪文を使う資格はない。こうして最後まで見ると、一応カードとしては2章のマナで(3章で死なないくらい)でかいクリーチャーを出しておくといいよ、っていうことなんだろうな。時間はかかるが全体除去には違いない。溶岩流が流れ去った後に真っ先に立て直せるのは自軍だし、2ターンの間の展開プランは組み立てやすいんじゃなかろうか。

 


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Kazarov, Sengir Purelood センギアの純潔、カザロフ (5)(B)(B) R

伝説のクリーチャー・吸血鬼

4/4 飛行

対戦相手がコントロールしているクリーチャーが1体ダメージを与えられるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。

(3)(R):〜は対象のクリーチャーに2点のダメージを与える。

 こちらはセンギアの末裔。ちゃんと色んなものが継続してるもんだなぁ。「センギア」という呼称は「センギアの吸血鬼」が有名だが、あのクリーチャーもセンギア的吸血鬼の端役であり、その始祖は「Baron Sengir」という吸血鬼。Wikiによると彼自身はPWではないが、「PWに召喚されて様々な次元を渡り歩く」と書かれており、多元宇宙の存在を理解している人物のようだ。果たして現在も存命なのかは定かでないが、とりあえずよく似た能力の子孫は今後も活躍できそう。センギア族のお約束である「ダメージ与えたらカウンター乗る能力」に加え、さらに赤マナを使えば直接カウンターを増やしながら相手陣営を焼き尽くすことが可能である。まぁ、7マナもかかるんだからこれくらいんやんちゃは問題ないだろうさ。「オリヴィア・ヴォルダーレン」と違い、血は吸うけど仲間に引き込んだりという腹芸を使わずに殺戮を続けるあたりは、次元による吸血鬼の違いが出ていて面白いところだ。まぁ、どっちかっていうと3マナも違うそのコストの方をどうにかして欲しいもんだが。

 

Knight of Malice 悪意の騎士 (1)(B) U

クリーチャー・人間、騎士

2/2 先制攻撃 白からの呪禁

いずれかのプレイヤーが白のパーマネントをコントロールしている限り、〜は+1/+0の修正を受ける。

 はい、白で登場した「善意の騎士」の対となる、このセットの黒騎士。基本的に伝統と礼節を重んじる「騎士」という職業は白には適正でも黒にはあまり合わないものだが、この黒騎士枠だけは黒が騎士を名乗ることが許されている。プロテクションではないので「善意の騎士」が出た時にお互いにぶつかり合うという念願が実現し、その場合、単に3/2先制攻撃が殴り合うだけなので共倒れ。生まれた時は違っても、死ぬ時は一緒と誓ったとかなんとか。まぁ、正確にいうとコンバットトリックを自分に使うことが多い白の方がやや有利なのだが。

 

Lich’s Mastery リッチの熟達 (3)(B)(B)(B) R

伝説のエンチャント

呪禁

あなたはこのゲームに敗北できない。

あなたがライフを得るたび、その点数に等しい枚数のカードを引く。

あなたがライフを失うたび、あなたが失ったライフ1点につきあなたがコントロールしているパーマネント1つか、あなたの手札か墓地のカードを1枚追放する。

〜が戦場を離れた時、あなたはこのゲームに敗北する。

 これまた懐かしいギミックである。元ネタはそのものズバリ「Lich」という最古参のカード。さすがにコンセプトが無茶苦茶なのでこれをベースにしたカードというのはそこまで多くないのだが、この絶望的な黒っぽさには熱心なファンもいるのだろう、さらに使いづらくなった「極悪な死」の登場を皮切りに、その後もいくつかの亜種が作られている。こうして作られた亜種は全て4マナというマナコストは守っていたのだが、今回は「熟達」しちゃったということで2マナアップ。おかげで最大の懸念材料だった「そもそも割られると死ぬ」を解決するため、最大の盾となる呪禁を手に入れた。さらに、サクる材料に手札も墓地のカードもカウントできるようになり、かなり現実的な生き残りプランを組み上げられるようになっている。まぁ、この手のカードをわざわざ使って生き残りを考えるのもどうかとは思うのだが……。先輩たちがどこかで大活躍ってのも聞かない話なので、パックを剥いて出て来ないことを祈ろう。

 

Lingering Phantom 遷延する幻影 (5)(B) U

クリーチャー・スピリット

5/4

あなたが歴史的な呪文を唱えるたび、あなたは(B)を支払っても良い。そうしたなら、〜をあなたの墓地から手札に戻す。

 死んでも死にきらないスピリット。ステータスはそこそこだが、このサイズが何度も立ち上がってくるとなれば、それは確かに鬱陶しい。ただ、何度も立ち上がるということは何度も6マナ払ってるわけで、それはそれでやっぱり鬱陶しい。適当にデッキに放り込むだけでは活躍は難しいだろう。できれば1マナでアドバンテージが取れるという旨味を最大限に生かすために、手札を捨てるコストに充てるなど、いちいち場に出さなくとも使えるギミックが欲しい。まぁ、これだけキッカー推しの環境なのだから多少速度は落ちるだろうし、このまま素出ししててもそれなりのプレッシャーにはなるだろうが。それにしても、わたしゃ「今度こそ環境が遅くなる、遅くなって!」と毎回言ってるのだが、なかなか実現した試しがないな(一応相克環境はちょっと遅くなったかもしれないけど)。

 

Phyrexian Scriptures ファイレクシア教典 (2)(B)(B) M

エンチャント・英雄譚

最大1体までの対象のクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1つ置く。そのクリーチャーは、他のタイプに加えてアーティファクトになる。

アーティファクトでない全てのクリーチャーを破壊する。

全ての対戦相手の墓地を追放する。

 今のところ読んでみたい英雄譚第1位といえばやっぱりこれじゃなかろうか。ファイレクシアで教典とか言われると今のご時世ならノーンさんの差し金かな? とか思ってしまうが、ドミナリアに残っているということは旧ファイレクシア関係のお話ということになる。内容は超簡単。「アーティファクト万歳」である。機械生命で埋め尽くされていたファイレクシアの物語は、アーティファクトじゃないクリーチャーは殺しつくす簡単なお仕事。いわば「忘却石」のカウンターを載せるお仕事が1章で自動的に行われ、その後全体除去の嵐が時間差で吹き荒れるバージョンである。基本的には2章でお仕事が終わっているのだが、その後3章ではアフターケアまでバッチリなのは手が込んでいて良い。タイムラグのあるラスゴってのも微妙に使いづらい気もするが、自軍はこれに合わせてチューンできるわけで、アーティファクトクリーチャー多めのマシン帝国を作っておけばデメリットはない。さぁ、レッツ機械の身体。テゼレットさんも喜んでますよ。

 

Rat Colony ネズミの群棲 (1)(B) C

クリーチャー・ネズミ

2/1

〜は、あなたのコントロールする他のネズミ1体につき+1/+0の修正を受ける。

デッキには〜という名前のカードを何枚入れても良い。

 これまたはっきりしたリメイクカード。元ネタは最近「マスターズ25th」にも再録されていた「執拗なネズミ」。何枚でも入れられる能力に加えて数が増えればどんどん力を増していくネズミ算能力も健在。ただ、今回はなぜかタフネスが上がらずにパワーだけが膨れ上がっていく仕様だ。このカードを使ってデッキを組むなら、「沼×20、ネズミ×40」みたいなデッキになるだろうから、「執拗なネズミ」よりも1マナ軽く、土地4枚から2枚連打できるのは結構な変更点である。その分、どれだけ頑張ってもタフネスは1なので苦手とするカードもかなり増えていてピーキーだ。あとは、これをリミテッドで何枚集めるか……いやぁ、さすがに……。

 

Right of Belzenlok ベルゼンロック典礼 (2)(B)(B) R

エンチャント・英雄譚

Ⅰ、Ⅱ0/1で黒の、クレリック・クリーチャー・トークンを2体生成する。

-6/6で飛行とトランプルと「あなたのアップキープの開始時に他のクリーチャーを生贄に捧げる。そうしなければ、このクリーチャーはあなたに6点のダメージを与える」を持つデーモン・クリーチャー・トークンを1体生成する。

 このブロックのデーモン枠だろうか。ベルゼンロックさんは特別枠なので、彼の手下のレッサー(?)デーモンとしてこちらのトークンを用意。悪魔との契約には多少の準備が必要なのもお約束で、信者を集めるために2ターンかかり、その後登場するのはいつも通りに生贄プリーズな「奈落の王」系統のデーモンである。時間はかかるが、最終的に得られるものに対して4マナというコストはかなりお買い得。その前にパーマネントも4つ得られるし、「センギアの従臣」の亜種と考えてもなかなか使い勝手が良い。せっかくのデーモンなのにトークンなのはビジュアル的にちょっと寂しいが、素敵なトークンカードを作ることでフォローしてあげよう。

 

Settle the Score 意趣返し (2)(B)(B) U

ソーサリー

対象のクリーチャーを追放する。あなたのコントロールするPW1体の上に忠誠カウンターを2個置く。

 今回の黒除去特別枠。4マナでクリーチャーを潰すだけのソーサリーというもっさり仕様で、「ヴラスカの侮蔑」が爆上げしている現環境でもこれだけではデッキインは無理だろうが、後ろについている能力が特定のデッキではかなりのボーナス。PWに書かれた初期忠誠度ってのは入念なバランス調整の結果(のはず)なので、それを傍からひっかり返すカードが出てくると、全てのPWの可能性が大きく広がることになるのだ。黒除去というカードのタイプも多くのPWを使うコントロール系のデッキに噛み合っており、全体像もイメージしやすいだろう。まぁ、「闇の暗示」が活躍してるって話は聞いたことがないのが気がかりではあるが……。ちなみにこちらのカードのシーンは注目のストーリーになっており、ベルゼンさんを打ち倒すリリアナさんの図。カードがバレる事でストーリーも判明してしまうのがちょっとした悩みではあるがしょうがないね。It is done.

 

Soul Salvage 魂回収 (2)(B) C

ソーサリー

最大2枚までの対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。

 今回の墓地回収はアドソースの役割も果たせるデザイン。一応「蘇りし者の行進」の完全上位互換ながら、割と最近の「死後の放浪」の下位互換でもある。実に微妙な生存競争が繰り広げられるアツいジャンルなのである(そうでもねぇよ)。ロングゲームが肯定される世界になるなら、このカードでのアドバンテージ確保は容易になる。特にアーティファクトクリーチャーを多めにしておけば歴史的トリガーの複数回起動が保証されるようになり、動きとしても綺麗。まぁ、やっぱり「サイクリングつけといてよ」って思っちゃうけど。ボーラスさんとこの子になっちゃいなさい。

 


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 モス饅頭が一番気になる、第13話。真っ黒だったんだけど、一体何を原料に使ってるんでしょうかね。

 建国祭編の後編。前回の時点で「失敗するに決まってるんだけど、果たしてどんな風に失敗するんだろう」とヤキモキしていたわけだが、その結果はいかにもこのアニメらしい、何ともモヤッとする「失敗」である。まず、イベント自体を単発で捉えれば「失敗」はしていない。集客もきっちりあったのだし、お客を巡るトラブルなども最小限。テレビ局の尽力もあり、慣れない大量の観光客を捌くのにも大きな失策は出なかった。「ライブに客を取られてクイズ大会がしょっぱくなる」という展開は予想通りだが、成立しないほどの客が削られたというわけでもないし、最後がグダグダになったのはお客さんのせいじゃなくてサンダルさんのせいである。あれ、どう見てもサクラを使って優勝賞品を回収する反則技にしか見えないと思うんだけど、そのあたりでの批判はなかったんですかね(そしてサンダルさんからはやっぱり没収したんですかね)。

 観光客はちゃんと呼び込めた。そして一時的なカンフル剤とはいえ、出店の稼ぎでしっかり商店街にも恩義を返した。1日限りのイベントとしては大成功の建国祭だったが、それでもお通夜みたいなムードが漂うというのが、今作の、つまりは町興しという目標の難しいところ。改めて「何故失敗ムードなのか」を確認すると、「テレビ番組が何か変な風に改変された」とかいう問題もあるが、まとめてしまえばただ1点、「再帰性が無かったから」である。一過性のバンド人気にあやかって人を呼んだところで、それはあからさまなドーピング行為でしかなく、強烈なバンド人気に目をやられた人にとって、商店街のクーポンなど文字通り紙くず同然。午前中には「間野山も面白い町じゃないか」と思っていた人たちも、強烈なライブの洗礼を受けてしまえば、些末な記憶として間野山のことなど忘れ去ってしまう。残されたのは、ただの「遠くのライブ会場」としての田舎町である。

 凛々子のところのババアもそうだが、およそ視聴者だってこういう結末になることは分かっていたのだ。しかし、失敗するなら失敗するで、アニメ的にはもう少し分かりやすい「惨敗」が出てくるのかと思いきや、「表面的には上手くいってるように見えて、結局目標には近づけなかった」という、嫌にリアルで、どうしようもない現実を叩きつけてくるのが今作なのである。「上手くいった。でも、それじゃ何の意味も無い」と、世の多くの「町興し」が経験してきた失敗を、そのままダイレクトに伝えてくれるのである。由乃もこれまで散々失敗を繰り返してきたが、それが「目に見える分かりやすい失敗」だったからこそ、トライアル&エラーで立ち直り、戦うことが出来た。しかし、今回のように「最善を尽くせたと思ったが無意味」というカウンターパンチをもらってしまうと、そこから立ち上がるのは難しい。完全に倒したと思った相手に実は一切攻撃が通用していなかった、という方が絶望感が大きいのだ。

 だが、冷静に考えれば、今回のイベントは「やらないよりやった方が良かった」のは間違いない。テレビを通じて名前を知ってもらったことは事実なのだし、広報の第一歩はとにかく認知してもらうこと。今は実利を伴わずとも、どこかで必ずやっておかなければいけない「導入」が行われたのだから、このことは確実にプラスである。そして、千人規模でのリピーターなど望むべくもないが、ひょっとしたら何人かのお客さんは興味を持ってくれたかもしれない。「一度来た場所」というのは実質的にも心理的にも再訪しやすくなる傾向があるので、とにかく来てもらえたというのも大きな効果である。今回の建国祭のイベントは、本来ならば町興しの一過程として大きな意味を持っていたのだ。

 しかし、持ち上げてから落とされたせいもあり、由乃はおそらくそのことに気付いていない。自分は浮かれていたのだと、ネガティブな部分ばかりが見えてしまっている。このまま国王は町を去ってしまうのだろうか? 1クール終了のタイミングでの転換点としてはなかなか衝撃的だが、ここで突然の逃走は流石にメインヒロインとしての責任感がなさ過ぎるように見えてしまう。まぁ、まだ「駅に向かった」だけで本当に何を考えているかは分からないが……。

 「奮闘し、結果を出した」。その結果が当初望んでいたものではなかったかもしれないが、事実は事実として受け止められた方が良い。国王は、この先の重たい一歩を踏み出すことが出来るかどうか。さぁ、後半戦のスタートだ。

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「笑ゥせぇるすまんNEW」 5→5

 まさか1クールで終わるとは思ってなかった。最後もまさかのリバイバルだったし、なんでこんな中途半端な本数だけ作ることになったんだろうね。元々はアニメシリーズでもそれなりの本数があったと思うんだけども……。

 一応現代向けにリライトされた部分が多い「現代版」の作品になっている。原作の記憶も曖昧なのでもうちょっと詳しい奴に確認を取ったところ、原作通りって話はかなり少ないようで、かなりアニメオリジナルの話になっているとか。まぁ、ネット弁慶の話なんていかにもそうだし、小保方っぽい話も割と最近の世相を反映したものになっている気がする。スマホの使い方も割と現代的だったし、そうした細かいツールが変わっても、世界観は変わらずやっていけるもんである。

 ただ、それにしたっていくら何でもエピソードが偏ってないか、ッて気がするんですがね。そりゃ毎度毎度同じようなパターンが繰り返される作品ではあるのだが、それでも原作は毎回手を変え品を変え、少しでも変化球を投げようとしていたはず。今作はその辺の「バラエティ」の部分は完全に捨て去っている様子で、序盤なんかは単にサラリーマンが酒飲みたいだけの話がやたらいっぱいあった気がする。「長期シリーズになるならしょうがないか」と思って見てたんだけど、たかだか12本だけなら、もうちょっと毛色の違う話でセッティングしても良かったんじゃなかろうか。

 1話目を見た時にも感じたことだけど、やっぱり現代風にアレンジされた(というかそういう作画ツールになった)絵柄はちょっと軽い。もっとじっとりと陰気で影の多いタッチが藤子Aの売りだと思うんだけど、画の軽さでいったら「少年アシベ」と大差無い印象で、どうにも身が入らない。まぁ、ひょっとしたら懐古の情念が強くて新しいものに拒否反応を示す老害的な気分なのかもしれないが……やっぱりそういう部分はある程度維持してほしかったかなぁ。

 散々文句はあるのだが、それでも現代に相応の形で甦ってくれたというだけでも一定の価値はあるのだし、今後も思い出したようにちょこちょこ続けてほしいという気持ちもある。どうせ11話を正座しながら凝視するような作品でもないのだし、もしこの制作スタイルが楽なのだとしたら、それはそれで良いだろう。是非とも、色んなキャストをゲストに読んで、色んな声優をひどい目にあわせてほしいのですよ。個人的にはやっぱり井上親子回と力ちゃん×柚姉ぇ回が忘れられなくてな。業界全力の悪ふざけが見られるのはここ! っていう作品になればいいのに。沢城姉弟の共演とか、それだけでネタが出てきそうじゃない?

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 Magicプレイヤーなら絶対読み間違えるサブタイトル、第11話。結局、謎多きこのサブタイトルが何を言いたいのかは良く分からずじまいだったな。次回はもっと分からないしな。

 もう、すっかり対決ムードのお膳立て完了。物語は「人類の敵ザシュニナ」と「人類の庇護者ツカイ」と非常に分かりやすい分化が行われた。別にザシュニナさんだって害意があるわけじゃないのに。単に自分勝手なだけなのに。まぁ、真道さんから見たら「再びであったらすぐに消されてしまう」危険性があるのだから、流石にわがままとかいうレベルでは済まされないのだけど。幸か不幸か、実際のザシュニナさんは真道の想定してなかった変化を起こしてるんだけどね。

 閉鎖空間でツカイさんといちゃいちゃするしかなかった真道だが、2人で話し合った結果、対異方存在兵器みたいなものが一応あることが分かり、そこからはとんとん拍子で話が進む。ザシュニナは止めなきゃいけない。そのためには、ザシュニナに感づかれないところでこっそりと最終「交渉」への準備が必要なのである。とは言っても、今回真道が用意したのは、ある意味ではすげぇ簡単な対策。彼の必殺武器であるフレゴニクス兵器(あのハンドソニックとかがそうなんでしょうね)を一時的に無効化する反物質、その名もアンタゴニクスである。開発には、どんどん異方存在に近づいていく品輪博士の超頭脳と、過去に真道が築いておいた冶金技術のコネクションが役に立った。各業界に顔が広いと色々便利ですね。まぁ、どっちかっつうと閉鎖空間と言いながらホイホイ外に繋げて人員を拉致出来るツカイさんのスキルの方が便利だと思うんですけど。最初の品輪博士の段階でザシュニナは真道たちの動きに気付いてたみたいだけど、敢えて出方が見たくて泳がせてたんだろうね。

 「ザシュニナさんは驚きたい」というのが真道さんの名推理。まぁ「驚く」というのはあくまで語彙をシンプルにした結果だと思うが、とにかく「瞬間的に意味の分からない情報」が快感なのだろうと踏んでいる。だからこそ、ここ一番で真道が「訳の分からない対応」をした方がお眼鏡に適うという話。実際にザシュニナが真道を野放しにしているのは、そうした「人類ならではの不確定」を楽しみたいからなのではなかろうか。そのためにも、ザシュニナとツーカーになり、更に彼の企みも全て知っている「オリジナル真道」は貴重なのである。

 品輪マジックで開発されたアンタゴニクス兵器。どう考えてもクソダサいのはそういうセンスがあるスタッフがおらず、機能性を大事にした結果と諦めるしかあるまい。効能としてはせいぜい「最初の一撃をかわす」くらいしかできない気休めみたいなものらしいのだが、さて、真道はここから一体何を見せてくれるのか。ザシュニナさんの方はというと、最初に真道に嫌われちゃったところから何か歯車がずれてしまっているようで、順調に計画を進行しているように見えて、どこか上の空。オリジナルの真道と複製体の真道ではやはり何かが違うということなのだろう。退屈なのか興がのったのか、複製体の真道さんをボコボコ転がして暇つぶししてるところを見たら、ツカイさんなんてひっくり返るぞ。なお、そのツカイさんは真道さんとすっかりラブなモードが定着。まぁ、お互いに命を救い、救われてる関係ですからね。あとツカイさんは人類大好きですからね。真道みたいな人間のそばにいるのが楽しいのは、多分ザシュニナもツカイさんも同じ。ツカイさんの実家にあいさつに行ってもビクともしなかった真道さんが素直にキスシーンに応じてくれたのは意外といえば意外だが。ツカイさんのねだるような積極的キスシーン、とても煽情的で良いですね。

 さて、お互いの思惑が大体分かったところで、次回はいよいよクライマックスでしょうか。でもさ、もう完全に品輪博士がフラグ立ててるんだよね。異方につながっちゃってるよね。単に彼女が自発的に旅立つエンドだったら穏当でよいのだが……。あと、花森の扱いがどうなることか。

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「ゼロから始める魔法の書」 4→4

 「スタミュ」に始まって「恋愛暴君」→「ID-O」と繋がり、ここが終着駅の子安地獄でございます(間に「笑ゥせぇるすまん」を挟んでも良い)。日本アニメの最終回の何割かは子安によって形成されている。

 正直、あんまり真面目に見られなかった作品なのでシナリオラインの機微とかは判断出来る立場じゃないのだが、少なくとも序盤〜中盤で引き込まれる要素がなく、後半のゼロと13番のあれこれも、なーんかダラダラしてて惹きつけられなかったんだ。「悪い人が悪い人じゃなかったんだよ」っていう話を作ろうとしていて、多分そのために色々と心を砕いているのだと思うのだが、結局「この世界における魔法とは」とか「世界ってどんな広さなの?」とか「獣堕ちの獣って、この世界ではどう見えてるの?」みたいな部分が共通認識として得られないまま話が進んでしまい、細かいネタを評価するところまで掘り下げられなかった。

 ただ、これが真面目に見てなかったせいなのかといわれると、多分それだけが理由ではないと思う。シナリオの切り方がラフで、ギミックを組むというよりただ「積む」印象だったこと、そして、何よりもせっかく「世界を作って」いるはずなのに、その世界を見せるためのアニメーションがショボかったことが最大の難点。ラノベのテンプレだから適当でもいいだろ、って思う人もいるのかもしれないが、テンプレだからこそ、しっかりと作品の味を出すためにはキャラや世界観の作り込みって大事なんだよね。「OVERLORD」とか「リゼロ」はそのあたりの意識がしっかり表れていた作品だったんじゃないかな。今作最大の見どころは「獣堕ち」の存在で、これをいかに「異物」として見せるかで世界の正の側面も負の側面も掘り下げやすくなるはずなのだが、この獣堕ちのご面相が本当に適当なデザインなんだもん。多分原作段階では「獣」っていう要素に「人と違うこと」や「恐ろしいこと」を前提として設定してるはずなんだけど、アニメだとそれが一切無く、なんだか教育テレビのアニメを見ているよう。まぁ、おかげでゼロがモフモフして布団代わりにするところなんかは説得力が増すが……そこから傭兵が教育テレビらしからぬ反応になっちゃうしなぁ。ロリ(ババア)っ子がでかい獣といちゃつく内容なのだから、そのあたりがもっと萌えなり燃えなり、画で見られるようになったらもう少しモチベーションが上がったんだろうけども。つまり、エンディングの映像が一番良かったということです。やっぱり「みんなのうた」じゃねぇか。

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「リトルウィッチアカデミア」 6→6

 とにもかくにも、2クールの長丁場をお疲れ様でした。いや、2クールが長丁場なのかどうかって問題は置いとくとしてね。

 今更特に何を語るでもない作品だろう。とにかく初志を貫徹し、やりたい放題な作画を徹底してやりきる。そうして「画の賑やかさ」を最大のセールスポイントにした、アニメーションの原点に立ち返るかのような作品である。無事に2クールを走り切れた、というのは、その間作画のクオリティを落とさずに思い通りの画になっていたということ。それだけでも、満足出来るものになっていたのは間違いないだろう。元々今作は海外で人気に火がつき、資金面なんかも随分と海外のファンから助けられたとのことだったので、シナリオも何だかグローバルな展開になっている。いや、何か広がりを見せたというわけではなく、むしろ無国籍で分かりやすい王道展開になったってだけなんだけども。余計な小ネタで回していくのではなく、とにかくドタバタと、画で見て楽しいネタを仕込んだり、画にしたら盛り上がるシチュエーションだけを盛り込んでいったり。それこそ、無音でも全世界で通じる「トム&ジェリー」みたいな、そういう普遍的な面白さを目指した作品だったのではなかろうか。

 王道展開はもちろんきれいに収束して不満などなかろうが、個人的には「もう少しロッテとスーシィに活躍してほしかった」ってのはあるんだ。ルームメイトの2人が1クール終わったあたりから影を薄くしはじめ、言の葉を探しているあいだはほとんど出番が無くなってしまった。スーシィ派としては寂しい限りだ。その分台頭してきたのはダイアナで、最終回を見れば完全にツイン主人公。「ふたりはウィッチMax Heart」みたいな展開になっていた。まぁ、これも「脳天気でアホなアッコ」と対比的に描いた時にバディものとして映えるのがダイアナだから分かりやすい展開ではあるのだけど。出来ればダイアナさんは最後までもうちょっとツンの要素を残しておいてほしかった……いや、でも2クールもあったら流石に「完全に認め合う」仲の方がいいのかなぁ。ダイアナエピソードはストレートに訴えてくるものが多いからなぁ。

 理屈抜きでアツいアッコ・ダイアナの友情関係とは対比的に、どこかビターなものが残るのが後半の主軸になったシャリオとクロワ先生の関係性。この2人は「どちらも優秀」というぶつかり合いなのだが、最終的にクロワは「ラスボス」ポジションに回るため、2人のスタンスがこの世界における魔法の在り方を代弁することにもなっている。世界を描き出すために、「魔法とは何か」っていうなかなか触りにくいところまで踏み込んでいき、政治思想と魔法がつながったのも今作の不思議なところ。多分、このあたりの「問題の所在をはっきり描く」というのも、スパッと問題を切り分けて作品を見やすくするための工夫だろう。これもいわゆるジャパニーズ「魔法少女」とはちょっとズレた発想。まぁ、最近は魔法少女も商売だったり罰ゲームだったり、色々な概念になってますけどね。王道展開とは言いながら、こうしてきっちり「ならでは」も出ていた作品である。

 今回のシリーズで作品世界の大枠を描ききってしまったので、これまでのように「じゃぁ続きを」と気軽に言えなくなってしまったのは残念だが、逆に言えばこれで描くべき基盤はしっかり固まったとも言える。個人的には、最終的に「セブンウィッチ」に紛れ込んでおきながらその実大してスポットが当たってなかったアマンダたち3人組がもう少し観たいね。特にヤスミンカ。あのデブ、まだまだ何か隠してる気がするんだよなぁ。あと、もう少しコンスタンツェにしゃべらせてあげて。画面には登場してるのにりえしょんが別キャラでクレジットされてたりする、何とも寂しいキャラである。いや、だからこそ個性が立ってるわけなんだが。あとスーシィを主人公にして(略)

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 海星ィィィ!!! 最終話! これだけたっぷり引っ張った結論が「海星可愛い」なのは最高ですね。何度でも繰り返すが、本作のヒロイン勢は本当に美狸揃いでこまってしまいます。

 全ての決着。それは狸の争いであり、天狗の争いであり、京都を巡る天狗・人間・狸のごった煮の戦いでもある。幕開け一発目から、寿老人の電車で二代目の邸宅にぶっ込みかますという大事件。そんなに動きの多くないはずのこのアニメにおいて、おそらく史上もっともスペクタクルなシーンである。流石の二代目も電車アタックに対する備えまでは出来なかったようで、この厳しい一発で邸宅はおしゃかになってしまった。

 ドタバタの中で正体を現す早雲。この期に及んでまだ上から目線で因縁の相手である矢三郎に対峙するが、彼が連れてきた海星を見て動転。聞けば天満屋に撃たれたという。天満屋は本来、早雲が金曜倶楽部に入るときに手引きをしたり、今回だって空気銃を手配して糸を引くように依頼したはずの人物なのだが、その天満屋がすでに裏切っていたことは先週明らかになっている。彼も何を狙っているのかはよく分からなかったのだが、結局、目先の一番儲かりそうな話に飛びついてただけなんだろうなぁ。人と狸が手を組んでの悪だくみなんてなかなか上手くいかないもんで。恨み骨髄で天満屋に飛びかかる早雲だったが、そこに飛び出したのは忌まわしき巨大な腕。弁天が面倒を片付けるためにあの地獄絵を開いたようだ。憐れ天満屋は再び地獄へ。そしてついでに早雲も連れて行かれてしまった。まぁ、以前は矢三郎を蹴り落としたこともあるのだから、まさに人を呪わば、といったところか。

 狸の喧嘩はひとまずこれで収束。いよいよぶつかる天狗の意地と意地。しかし、二代目は邸宅を失ったことで茫然自失。別に彼がそこまで家屋敷を大事にしていたというわけでもないのだろうが、全能を自負する二代目にとって、自分の予想がひっくり返り、願わぬ展開になっているという時点で受け入れがたいのだろう。京都へ戻ってきてからのフラストレーションがついにあふれ出してしまう。何が天狗だ、何が狸だ。結局、彼が引きずっていたのは過去に認められなかった女性との思い出だったようだ。父に認められなかった苦い思い出。そして、そんな悔しい記憶を嫌でも思い出させる弁天の容姿。全てが嫌になった二代目は燃え盛る炎となる。対する弁天は、触れたものを凍てつかせる氷の女として対峙。万能を得ながらも不器用な生き方しか出来ない、男と女の大喧嘩。

 その戦いには天狗らしい気位も品位もない。麗しい容姿もボロボロにし、仕立てた衣裳も無残に散らす。時に髪を引っ張り、時に噛み付き、ただ生の感情だけがぶつかる、実にみっともない争い。一応、戦いという意味では勝者は二代目の方。焼け付く炎で弁天を追い落とし、満身創痍で父との対峙を迎える。別に赤玉先生が勝ったわけじゃない。それでも、「思い通りにならぬ」という世の無常をこうまで叩きつけられた二代目は、すでに父を見下す天狗ではなくなっていた。父は知っているのだろう、息子が何故、弁天をあそこまで気にしているのかを。父はすでに天狗の矜恃とヒトの傲慢を並べて生きる道を選んでいる。しかし、若い息子にはまだそれが出来ていなかった。「強くなれ」と一言を残し、はた迷惑な親子げんかは、ここで終戦を迎えるのである。

 狸の喧嘩の結果は、矢一郎の祝言で幕を引く。綺麗な花嫁に尻尾も出てしまいますが、早雲がいなくなったことにより、夷川も下鴨も、また一から始められるだろう。本物の呉一郎は適度に阿呆なようだし、檻に入った反省のスペシャリストたちと、これからもはた迷惑な生活を続けていくのだろう。

 天狗の喧嘩の結果は、事実上の痛み分けである。激情に任せてみっともない姿を見せてしまった二代目だったが、矢三郎に対しては虚勢を張っても仕方ないと思ったのだろうか、思いの外柔和な態度で、今後も狸との関係性を維持してくれそうなことを臭わせていた。「私は天狗にはならない」。この言葉の2つの意味を、改めて噛みしめたいところである。そして弁天。あの日焼け落ちた髪は無残に、傷跡を残してただ一人ふさぎ込む。本当に面倒で、どうにも厄介なこの「天狗」を、救ってくれるヒトは現れるのだろうか。ヒトの世を抜け出したはみ出し者は、まだまだ孤独と戦わねばならぬ。

 2つの結末の果てに、京都の阿呆な日常は戻ってくる。つちのこ探検隊にやってくるツンデレ海星。変身を解かないように背中合わせで対話する時点でもうヤバいが、転がり込んできたお婆ちゃん狸は、そんな2人を縛り付ける真っ赤な糸が見えている様子。矢三郎の得意な化けの皮。それを少しでも抑えつけられるくらいが、女房役にはちょうどいいのかもしれない。「ふわふわするのが一番良いの」「狸なんだから柔らかいのだけが取り柄でしょ」と、お婆ちゃんは相変わらずいい事しか言わない。

 ズンズン立てた波風の果てに、相変わらずの騒動が待ち構えていようとも、矢三郎はこれからも変わらずに成るがままに。海星も、ちょっと距離をおきながら、それでもしっかりと、尻尾を握りながら。

 すべては、阿呆の血の然らしむるところでございます。

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「アリスと蔵六」 5→5

 幼女は大切にしろよ、っていう話。うん、間違ってないな。

 始まった時点では「これはSF寄りになるのか、それともハートフルホームドラマになるのか」と見るべきスタンスを定めかねていたが、どうやら「どっちも」が正解だったようだ。ベースはホームドラマの方。とにかく紗名というメインヒロインを中心に世界が広がっていくので、「可愛い幼女」「大切な娘」がどのように世界と向き合い、成長していくかを描いた育児ドラマだ。しかし、その紗名が単なる幼女ではなく「魔女」であることで大きな歪みが生じ、向き合うべき「世界」は一般的な幼女の見るそれよりも多少ヘヴィーなものになっている。大の大人でもなかなか対処出来ないような厳しい現実を、紗名はどのように乗り越え、学んでいくのか。そんな成長記録を、固唾を飲んで見守るのがこのアニメの正しい楽しみ方だ。

 そうして紗名という少女1人の世界が収束するので、作品は非常に見やすい。「ワンダーランド」の存在など、ともすると世界観がとっ散らかってしまうのだが、たとえるなら少女がスケッチブックに適当な落書きをするように、世界は紗名の見え方によっていくらでも姿を変える。そこに他者を巻き込みながらも、他者がその世界をどう受け入れるかを知ることで、更に「関係性」が紗名にフィードバックされていく。そうしてサイクルを繰り返していく作品であれば、とにかく紗名が魅力的であれば全てが解決する。幸い、紗名は見ていて飽きないし、何よりも「良い子」なのである。視聴者は保護者目線からただ彼女を見守り、彼女が健やかに育って行く様子を楽しむ。万一道を誤った時にも、最終兵器蔵六がいるので問題無い。「アリスと蔵六」というタイトルではあるが、最終的には「アリスと、蔵六ほか諸々の愉快な仲間達」である。まぁ、少女の育成を担うのがジジイという組み合わせは我々としても心穏やかに見てられるので良いセッティングですけどね(ローゼンメイデンみたいな設定だったらまた話は変わっていただろう)。

 こうしてしっかりとオリジナルな魅力を見せてくれた作品。まぁ、テーマ性は地味であるし、映像面もそこまではっちゃけたものにはならなかったので特別目を見張るようなものではないのだが、派手になり過ぎてもテーマ性からずれてしまうだろうし、このくらいの落としどころで良いのではなかろうか。

 中の人については、とにかく紗名役の大和田仁美がいい仕事をしている。紗名がコケれば全てが台無しになる作品であるだけに、彼女が本当に魅力的に見えたことの功績は大きいだろう。周りの面々もしっかり雰囲気がマッチしてて良かったですね。豊崎ボイスは魔性のボイス。

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