最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
翔太君の将来が本当に心配、第8話。絶対に性に目覚めた後に歪むと思うんだよね……。幼少期・思春期をでかい乳に囲まれて育つと、大きくなった後で貧乳を求めるようになるというデータがあります(割と実話)。 さておき、そんな翔太君とルコアさんの出番は今回ほとんど無し。もちろんファフさんの出番も少ないし、滝谷に至っては多分初めての登場ゼロである。しょうがないよね、新キャラ登場だからね。ここまで全てのキャラが充分な描写で説得力のある造形になっており、中盤も過ぎたこのタイミングで最後の1キャラが押されてもどうなるものかと不安だったのだが、やっぱり今作はみんな満遍なく可愛いから安心出来ますね。今回はコンテ演出が山田尚子ということで、いつも以上にまるっとした女の子らしい可愛らしさが前面に出た演出になっている。要所で挿入されるあざといカンナちゃんの破壊力もひとしおで、「犬猿の仲」でドヤ顔カンナちゃんの妙な間の取り方とか、充電カンナちゃんの「一家に一台置いとかなきゃ!」感が疲れた現代人に極上の癒しを与えてくれます。 そんなカンナちゃん(ハンバーグ大好き)の手引きによって開催される運びとなった「弁当試合三本勝負」。カンナちゃんも肝心なタイミングでは小林の方におねだりにいくあたりがなかなか罪作り。普段のご飯はほとんどトールに作ってもらってるだろうに。ただ、どうやらトールも「お弁当」という文化には疎かったようで、普段ほとんど自炊なんてしてなかった小林に手痛い一敗を食らってしまうという失策。そうか、ここまでのメイド生活でお弁当文化に触れるチャンスはなかったか。今のトールだったらちょちょいのちょいで調べて完璧な答えをすぐに出してきそうな気もするんだけどね。「納得いかねぇぜ! なぜ俺の……」のくだりは美味しんぼあたりからの流用でしょうかね(カンナちゃんともども、変な文化の吸収だけは速い)。 まぁ、その後も茶番は続くわけだが、結局このエピソードで描きたかったのもいつも通りにトールと小林の関係性である。ルコアさんが「喧嘩なんて珍しい」って言った時にはなんだか違和感があって、傍から見ても「喧嘩」というよりも「対決イベントを楽しんでる」という感じだと思ってたんだけど、考えてみれば、こうしてトールが「小林と足並みを揃えようとしない」だけでも珍しい事態なのだね。ルコアさんはその様子を表して「喧嘩」という言葉を使ったのか。トール自身はその珍しさに気付いておらず、ルコアさんに「喧嘩」という言葉を出されて少し戸惑っていた(玄関で靴を脱ぐのを忘れそうになってるところなんかは芸が細かい)。まぁ、それくらいに「自然体」ってことなのよね。ファフさんは「ドラゴンが上だろう」という意味で「対等だと思っているのか」とすごんだわけだが、それに対する小林の「対等だと思っている」ってのは、「トールはメイドだけど主従の関係ではないよ」っていう返答だったね。良い友達関係なんじゃないかな。しかし、結局遠足当日のカンナちゃんのお弁当はどんなものになったんでしょうかね。 そしていよいよBパート、新ドラゴン・エルマの登場だ。ここまでのドラゴンは脳天気・幼女・厨二・おねいさんとすでに属性の渋滞っぷりがひどかったが、新たなキャラは教科書通りの「真面目」(巨乳はデフォ)。トールが「混沌」側ってのもなんだか面白い話だが、それを咎める「調和」勢はいわゆる委員長ポジションであろうか。もちろん、異種族委員長なのでポンコツ要素も追加、そこにさらに腹ぺこ属性まで。うーむ、やっぱり渋滞する。しかし、そんな新キャラもあざとさ全開の丸っこいキャラデザで一撃。普通、この手の委員長キャラってシャープな線のデザインが優先されると思うんだが、京アニ作画は容赦無く女の子的な丸みを優先させてくる。カンナちゃんは言わずもがなだが、トールのむちむちニーソックスなんかもかなりの丸さだ。エルマもその例に漏れず、腹ぺこキャラにクリームパンは色んな意味で丸い丸い。それにしても、なんでエルマさんはこんなにこっちの世界の食べ物に感銘を受けているのだろう。トールもカンナちゃんも、そこまで食生活に劇的な変化があったようには見えなかったのだが……お堅い調和派のエルマは頑なにこっちの世界の食べ物に口をつけてこなかったから新鮮だったってことなんでしょうかね。だとしたら、禁忌を破らせてしまった小林はなかなかの罪作り。あ、でも「あっちの世界の食べ物」も美味しいものはいっぱいあるはずなんだよな……謎だ。 結局、向こうに戻れなくなってしまったらしいエルマは相変わらず謎のドラゴン・マジックで小林と同じ会社に就職。PCの立ち上げ方すら分からない奴を雇えるIT企業ってどうなんだろう。まぁ、入社に何らかの魔術が関わってるんだろうけども。しばらくは単身で稼ぐ努力をして欲しかったところ。コミケで在庫抱えて帰宅するエルマちゃんがみたいよー。 そんなエルマのおかげで、トールさんてば嫉妬の炎がメラメラ。カンナちゃんにとられた時もちょっとそういうそぶりは見せていたかもしれないが、今回は相手が相性の悪いエルマなので胸くそ悪さもひとしお。無駄に頑張って空回っちゃうあたりはまだまだ不器用。でもまぁ、その後素直に小林に心情を吐露できるようになってるんだし、やっぱり距離感は良い具合に縮まってるんだろう。そして、小林はそんなトールに対して「求められ慣れてない」という素直な非リアっぷりを告白。まぁ、そりゃそうよね。いきなり忠犬メイドが現れても普通の人類は対処に困るわよね。大丈夫、まだまだ時間はいっぱいあるから。レッツ異種間コミュニケーション。 PR 毎月1日は映画が安い日。せっかくだから何か観たいな、と思ってラインナップを確認したらこれがありました。他の選択肢が「黒執事」くらいだったので、まぁ、今回はこれでいいかな、ってことで、やたら混んでる劇場に紛れ込んで視聴してきました。
(一応、以下ネタバレとかそういうことに注意)
ヤベェ話の破壊力がどんどん増してきてるんだけど、第8話。なんでこの作品はこんなとんでもないシチュエーションを淡々と語ることが出来るんだ。一瞬ハートフルな話と勘違いするけど、そんなことねぇからな、やってることはかなりサイコだからな。 「全部話すよ」という言葉の通り、本当に全部話しちゃう系男子、ニーノ。彼が抱えていた秘密は、表面をなぞるだけなら確かに前回判明した「ジーンが王室の家系」という事実にまとめられるのかもしれないが、それを取り巻く登場人物の全てが相当なクレイジー。人は忠義のみ、親愛のみでここまで人生を捧げられるものなのだろうか。 33年前に不幸な事故で亡くなったとされていた王室第二王女のシュネー様(CVあおちゃん)。彼女がその事故で亡くなっていなかったことはすでに先週の時点で判明していたわけだが、そこにあったのは偶然の事故などではなく、王室ぐるみでの大々的な「王女出奔作戦」だった。どんな世界にも割とよくある、王室の旧態依然とした生活に嫌気がさす積極的な王女様。彼女が政治信条を学び、民草の生活に興味をもたれるのは決して悪いことではないのだが、枢機院長が言う通り、そうした「紛れ」が王室の血統にほころびを生じさせる可能性があるのもまた事実。必要以上に民に寄り添い、改革を求める王室の血筋ってのは、大体の物語においては崩壊の序曲か救国の英雄のどちらかになるものだ。シュネー王女の場合はそのどちらになるとも言えなかったわけだが、体制の安定を求める「国」サイド、そして個人の自由を優先させたい「家族」サイドの議論の結果、王女は秘密裏に「殺害」され、野に下ることが決定する。プランの立案は枢機院長だが、かれとて別に王女が嫌いだったわけでもなく、あくまで「国のため」の決定。その証拠に、出奔後の王女の生活を全力でフォローするため、めっちゃ有能な近衛兵を1人、同時に出奔させてアフターケアを手厚く行う方針だった。 王女付き近衛の男、名をアーベントというが、不思議なことに彼のデータはこの作品のどこにもない。エンディングのキャストテロップにいなかったのである。まるで歴史の闇に紛れた彼の人生そのもののように。王女の出奔後、彼はずっと街の影に潜みながら王女をサポートし続けた。と言っても、王女が「別な人生を歩もう」と提案してくれたのであまり直接的な関与はせず、唯一手を出したのは旦那になったうだつの上がらない男に破格の職をぶん投げたぐらい。まぁ、その財だけで息子の代まで何不自由なく暮らしてるし、ジーンの様子を見てる限りでは相当なコネを生むマンションらしいのでかなり甘やかしてるのは間違いないのだけども。結局、王室からの離縁は成し得たわけだが、生活の根本は王室(アーベント家)からのサポートで成り立ち、その後もシュネー様ラブラブ過ぎるアーベントさんや、娘のことが気になってしょうがない親馬鹿国王のために逐一生活レポートが送信される仕組みを完備。もう、王族全体がシュネー様ストーカー集団みたいになっているわけだ。そんなに好きなんだったらもうちょっとやりようあるだろ。 そんなストーカー業務を一手に請け負ったのが、これまた執念の固まりのようになったニーノの一家である。彼は王室の忠臣であるアーベントの忠臣という2段目に位置する人物なのだが、出奔のさいに息子を連れてくることを認めてもらった恩義もあるのだろう、その人生すべてをまるきりストーカー業務に捧げることに何ら疑問も不満も持っていない。というか、ニーノ父も熱心なシュネー様ファンクラブ会員なので、ストーカー業務が趣味と実益を兼ねてる状態に。シュネー様が好きだから業務を続けられたのか、それとも業務を続けるうちに愛着が湧いたのか。因果関係は分からないが、とにかく「なんてことはない単なる町民の一家族」を死ぬ気で追いかける謎のカメラマンの数奇な人生は充実していた様子。 そして、そんな狂った人生は息子にも引き継がれる。あの日りんごのケーキを食べた時点で生涯が決まってしまったニーノ父子。普通に考えたら、幼い日に「お前はストーカーすることに人生を捧げることになるんだよ」なんて言われたらたまったもんじゃないと思うのだが、父親思いのよく出来たニーノ少年は、そんな激務(?)に文句も言わず、楽しげにストーカーを続ける父を親身にサポート。他所のご家庭の事情に一喜一憂する父親を温かく見守った。まぁ、それだけだったら単に「変な趣味(仕事)の父親」に理解のある息子というだけで済んだのだが……なんと、監視対象の息子さん(王子!)が進学なされたのを契機に、「お前、カメラ持って突撃しろよ」というとんでもない命令が下される。いや、おかしいだろ。25歳だってさ! (日本と同じ教育制度と仮定すれば)10歳年下の連中と高校生からやり直せってさ! どんなReLifeやねん! まともな感性なら「いや、それはちょっと……」と辞退するところだろうが、なんとニーノさん、カメラとメガネを身につけて全力パパラッチを敢行。10歳年下のガキとお友達になり、日々カメラを向けるあまりに堂々としたストーカー生活。周りから見たら「あいつらホモじゃね?」って疑われるレベルだと思うのだが、ニーノの長い長いストーカー人生から考えれば、そんな問題は些細なことだ。気付けばニーノさんもストーカー業務が血肉になっていたようで、可愛い妹さんも懐柔し、家族ぐるみで監視対象とのお付き合い。一介の従者の息子さんが、王族に連なるご家庭と仲良くなっちゃっていいのかしらね。 そして、かの列車事故でついに監視対象は退場。同時に熱烈ストーカーだったニーノの父も退場。あまりに残酷な結末だが……まだ終わらない。アーベントさんは素早くニーノにコンタクトをとり、「監視対象はまだ残ってるんや」と変わらぬ様子。そして新たなストーカースピリットが、世代を超えて受け継がれていくのである。 グロッシュラーさんがニーノを雇ったのって、たまたまなのか、それとも彼の出生を知っていたのか。ニーノからするとアーベントさんの方が上位の「上司」だった気もするので多分たまたまなんだろうが、同時に2つのストーカー業務をこなしていたニーノさんもなかなかのタマ。かつて「30年前からお前を見てる」と言っていたあの台詞は何の冗談かと思っていたが、なんとマジだったという強烈なオチである。「生まれる前から」監視してたわけで、現在のジーンが30くらいだとすれば辻褄が合うのよね。あれ、でもそうなると10歳年の差のニーノは40なのかよ……若いなぁ……。 一歩間違えば狂気でしかない多数のストーカー集団を描いた今回のお話。ニーノの人生はどう考えても普通じゃないし、見方によっては「不幸」なはずなのに、何故かそう見えず、なんだかハートフルな絆の物語に見えてくるのが恐ろしい。しれっとこういう狂気めいたお話が流せるあたり、今作の豪腕をまざまざと見せつけられた気分だ。そして、この世界の人間はパンが好きすぎるということもよく分かった。小麦を焼けば世界が平和になる。もう、今作のタイトルが「パンでPeace!」でもいいんじゃないかな? 青春は食べ物やぞ。 今温泉って言いました? って言いました?! 第7話。魔法使いプリキュアは終わってしまいましたが、みらいとリコ(の中の人)の友情は永遠に不滅です。わくわくもんだぁ。 毎週毎週、よくもまぁテンションを落とさずに走り続けられるものだと感心する。普通に考えたら勢いは落ちる理由がたくさんあるはずなんだよ。たとえば、今期一番の変化である借金と前科の完全消滅。カズマたちはもう危険な冒険に手を出す必要も無く、貧乏ネタだって使えなくなる。そして、増え続けるキャラクターの数だって不安材料だ。1期は精鋭達が頑張ってくれていたが、どんな作品だって、キャラが増えればハズレの1つや2つ出てくるはずだ。 しかし、今作ははずれない。新キャラとしてすっかり定着したバニルさんが、今までに無かったポジションから実に良い味を出してくれている。今回冒頭の屋敷のシーンは、実は「神VS悪魔」という古えより続く伝統の一戦にして、最大規模の交戦。下手したら世界が揺るぎかねない規模のバトルのはずなのだが(まぁ、一応アクアとウィズの小競り合いだってそうなんだけど)、全くそんなことを感じさせないアホな罵り合いは本当に愉快なだけ。バニルさんだって情けなさが出てくるはずなんだけど、何故かアクアのアホさ加減だけが一方的に引き立つってのは、本当にアクアの立ち位置のおいしさ故である。一応屋敷周りに結界張ったりはしてたのね。まぁ、結果的にバニルが抜けてきてるんだから、あんまり意味は無かった気もするが。 そうしてバニルさんとの商業提携を結んだカズマ。バニルはどうやら魔王の城の結界の管理なんかよりも金儲けの方がよっぽど性に合っていたようで、ちょいと異世界人から商品情報を聞き出すだけで、すでに巨額の稼ぎを計算出来ている。見たところカズマさんはピーラーっぽいのやら按摩器っぽいのやら、100円ショップかよ、っていう程度のものしか提供してないんだけど、まぁ、この世界の技術レベルに合わせたら開発出来る物資にも限界はあるか。バニルさんが買い取るって言ってくれてるんだから遠慮する必要はないだろう。一括での権利買い取りか、毎月の安定収入か。3億の一括収入は、毎月100万の継続収入だとジャスト25年分。「一生遊んで暮らせる」ならどちらをとっても同じだが、まぁ、以後バニルに何が起こってもいいようにするならやっぱり先にもらっておいた方がいいかなぁ。一応将来的に資産価値が変化する可能性もあるが……。おそらく、そうして悩んで決めあぐねているあたりにまた落とし穴があるのだろうな……。 で、そんな金勘定が出来てしまったおかげでぶっ壊れてしまったカズマさんとアクアさん。この2人、こうして見てるとやっぱり相性がどんぴしゃなんだよな。今回は特に「腐れ縁」での付き合いの長さを活かした掛け合いが豊富で、もうすっかり熟年夫婦の域。馬車に乗るときの悶着なんかも、寸分のズレも許さぬ完璧な漫才だ(カズマに言い負かされてうきゅ〜〜ってなってるアクアが可愛い)。さしものめぐみんやダクネスでもこの2人には入り込めない。というか、あまりのことにめぐみんがテンパッちゃってるのがとても可愛い。やっぱり、こうして並べてみると「頭のおかしい爆裂娘」が一番の常識人だな。ダクネスは2期に入ってからことさらにおかしさがブーストしてるからな。今回だって、カズマが収入を得ることでどんどん落ちぶれる妄想で昇天してたし。その妄想で昇天できるのは尋常じゃないぞ。もう、お父さんが見たらなんて言うか。めぐみん、何とかこのパーティをまともな方向に導いて挙げてください。そして、スカートはもうちょっと長くしてください。もう、完全にはいてない状態デス。 めぐみんの取りなしが功を奏したか、とりあえず当面の金勘定はさておくとしての小旅行。温泉回……なのかな? すでに1期でギリギリ過ぎるお風呂シーンは描いたので今更カズマが混浴云々で動揺するのもナニだが……まぁ、あの時は夢だと思ってたからな(あとダクネスにまだ幻想を持っていたからな)。やっぱり男1人に女3人の歪なパーティなのでカズマさんが他の面々をどう見ているのかがなかなか計りにくいな。今回は更にウィズまでセットだが、カズマさんって巨乳悪魔のお尻を支えておんぶしてても別に何とも思わないのね。ナニがどうなってるんだ、こいつ。ひょっとしたら、目の前に「見た目はいいのに触っちゃ駄目なヤツ」しかいなかったもんだからおかしくなったのかもしれません。 そんな「触っちゃ駄目」の1人であるクルセイダーは、そこに存在するだけで問題を持ち込むというなかなかの逸材。更に自分のスペルでラックを上昇させてもじゃんけんに勝てないほどのハードラックを持った駄女神までいるのだからそれだけで役満。ジャンケンに負けない程度の運では打ち消せない様子。相変わらず変なモンスターしかいないこの世界、まさかの戦闘シーンで次週に引くですよ。この作品、始まりの町から別な町に移動したのってシリーズ始まってから一度も無かったことなので、ついに「2歩目」が踏み出せるかと思ったのだが……辿り付くかなぁ、温泉街。あと、ゆんゆんのお土産代はどこから出てるのかなぁ。 圧倒的スーシィ回、第8話! そうだ、これを待っていたのだ! 始まりはスーシィ、全てはスーシィ! 元々劇場版からスーシィ推しだった身としては、もう、ようやく来てくれたか、っていうお当番回。彼女の魅力である怪しげな言動は、スーシィ・アクション(私の勝手な造語)として独特なモーションを見せるのだが、今回はそんな独特の動きが極まってしまい、なんと夢の中にダイブして全世界がスーシィ。ショートギャグ回のようでもあり、起承転結の極まった濃密な短編映画のようでもある。ここまでやってもらえればもう何も文句はありません。今回のコンテ担当は当然のように今石洋之氏である。今作は動画のメリハリこそ大きいものの、割とスタンダードな仕上がりの話数が多かっただけに、ここに来てTriggerの申し子とでも言うべき今石氏のコンテワークが炸裂することにより、良くも悪くもクセのある、在りし日の全力Triggerが戻ってきた気分だ。 「Triggerらしさ」は本当に色々なところに出ている。まず、序盤からはふざけたように動画枚数を削り、1つのモーションをループさせるだけで絵を成立させるおふざけ省エネ。「キルラキル」でよく見られた満艦飾マコの動きを、アッコたちが再現している。吉成演出による動画勝負が売りの今作で、平然とこれをやってのける肝の太さ。そして、夢の世界へダイブするくだりからは、ふざけたような構図、ヘロヘロとした中に頓狂な動きを混ぜ込む完全なるギャグタッチ、そしてとりとめのない中身を強引にねじ込んで1つの世界に丸め込んでしまう強引さは「パンティ&ストッキング」を思い出させるスピード感のある演出。「両手の指がキノコになっちゃったロッテ」とか、パンストの世界だったらもっとヤベェ目的で描かれるところだろうが……今作では、キノコだろうがなんだろうが、とにかくスーシィという一個人を表すツールとして用いられているため、どこを切り取ってもスーシィ成分につながっていく。 そしてドライブインシアターでもトリッキーな作画の変化を印象づけて目先を思い切り振り回し、最後には巨大モンスターとのけれん味あふれるチェイスにつながるスケールの大きさがまさにTriggerの無茶苦茶さ。なんでこんなに地面をたたき割るのが好きなんだろう。大雑把に見える演出の中にも何故か細かいネタ回しが効いていて、画面の端々にもこっそりスーシィの悪戯心が織り混ぜられているし、ラストのドラゴンとの攻防でアッコが持ってた剣と盾が、実は冒頭でちっちゃいスーシィたちが運んでいたものだったりも。どう考えても「LWA」の本編からは浮いている世界感のはずなのだが、「まぁ、スーシィならしょうがない」ってんで諦めてしまえるあたりが彼女の人徳なのよね。まぁ、本人もルル子の世界に勝手に飛び出したりしてたし。 そして、スーシィ回ってことは当然村瀬迪与回ということでもある。まー、彼女のやってる役といってもスーシィ、モグタン、ガリィでほぼ全部みたいなところがあるのであんまり知ったような口も聞けないのだが、今回は独特の魅力がジワッとにじみ出る村瀬節がたっぷり堪能出来る配役が光る。何しろアッコとロッテ以外のキャラが全部スーシィなわけでね。あんなスーシィ、こんなスーシィ。あんな村瀬迪与、こんな村瀬迪与。天使の方の可愛いスーシィはちょっとモグタンっぽかったかな。変な声なのに千変万化でコロコロ変わって「夢の住人」が十人十色だったのは本当に楽しかった。今後もガンガンスーシィメインでの活躍を期待したい……けど、流石にこんだけの回はもう無いなぁ。2期を待つしかないなぁ。 「鬼平」見た後だとあのおっさんが負けるのが信じられないよな、第7話。あおちゃんが賢雄さん殺すアニメってのも割とレアな気がするぞ。 二週間のご無沙汰、おかげでオープニングを見るのも随分久しぶりな気がする。フルで聞いて歌詞を知った結果、間に入ってるコールに意味が無くて単なる掛け声だってことが分かって結構衝撃だった。その点エンディングは合間の台詞に意味があって安心する、っていうか台詞がメインみたいな歌だな。 さておき、我々は二週間休んだが、残念ながらターニャさんに休日など無い。北方に呼び出されてからも色々と便利に使われていたようだが、無謀としか思えない上からの指令には辟易。自身の地位が上がってきたこと、そして北方司令部はそこまで上官の重要性も高くない(逆らって目を付けられても将来にあまり影響しない)ことから、割とずけずけものを言うようになっちゃったターニャ。以前は上官のご機嫌をうかがいながら必死に口頭試問をクリアしていたが、今じゃぁコーヒーにミルクをどばどばどばどば入れて、それってもう牛乳じゃん、くらいのレベルにしながらのやりたい放題。まぁ、ここで上官に嫌われても、今より面倒な部署なんてそんなにないしなぁ。直接の司令官は生意気幼女に激おこだったが、他の面々はターニャの人となりを知っているし、彼女の有能さも知っているのでやんちゃをしてもあまり気にしない。ターニャの方もだんだん玄田さんとの付き合いも分かってきてるようで、言える範囲で自分の意見も出せるようになっている。 そして、そんな問答の末に行き着く、「史上最大の」上陸作戦。無茶な攻めはあくまでも布石、ここで一発逆転、伸びきった前線をビシッと締める電撃急襲が行われる手はずになっていたのである。もちろん、精一杯背伸びして地図を指さしていたターニャちゃんがそれに気付いたことで、一番の適任は203大隊ってことになりますわな。昔のターニャだったらまたまた最前線で命を張らなきゃならん、なんて絶対嫌だったんだろうけど、これまでの経験から、対魔道士戦闘では基本的に負け無しということも分かってきた。栄えある任務ならばそれだけに実績カウントも増すわけで、他人には出来ない任務を任されても、よほど命の危機でもない限りはOKを出すようになっているみたいだ。まぁ、実際に203の実力は本物だし、やってることも色々とチートじみている。やっぱり普通に考えて、第2次大戦レベルの戦争に「好き勝手に高速で空を飛べる兵士」が参加したらそれだけで強いよな。高々度から直接ダイブして敵の要所を各個撃破。それがレーダーにも引っかからないし地形効果も完全無視。やっぱ魔道士ってクソだわ。 本来だった難所だったはずの入り組んだフィヨルド地形も、魔法使いにとっては単なる雪原。ゲシゲシ砲台を撃破し、出遅れた敵の魔法使い部隊も203の練度ならば敵ではない。立派に最強の座を勝ち取ったターニャが再会したのは、あの銀翼賞受賞のきっかけとなった戦闘のときのおっさんだったらしい。あの時はまだ(数の差はあったが)良い試合になっていたのだが、今となっては赤子の手をひねるがごとく。幼女に手をひねられるがごとく。憐れ、北方の主軍は陥落してしまうのである。わざわざアバンでたっぷりとあのおっさんの娘とのエピソードを描くことで、ターニャの悪辣さ、慈悲の無さが際だつように作られているのがなかなか嫌らしく、片や、娘や家族を守るために本当の意味で神に祈りを捧げているというのに、片や単なる兵器の使用制限解除のために億劫そうに神の名をつぶやくだけ。この対比で、必死に神にすがろうとする方が斬殺される世界なのである。存在Xはどう考えてもペナルティの与え方間違ってると思うんですけどね。ターニャさんの中のおっさん、元々は単なる社蓄だったはずなのに、最近なんだか略奪とか暴虐に快楽を覚えるようになってきてません? これで「終末のイゼッタ」だったら、戸松声の娘さんが新たに魔法に目覚めてターニャに復讐しにくる流れが確定だったのだが……本作はそんなこともなさそうね。「なんか最近戸松とあおちゃんが正面からぶつかるような作品があったような……」って思ったけど、そうだ、妖怪ウォッチだ。 2月24日 ドラフト模様(AER×2 KLD) ピック順 【Sea-chicken】→【Thraxi】→【Sangriter】→【Chrolony】→【Serra】→【Mei】→
先週は予定がまとまらずにお休み、そして今週もなかなか日程が合わず、下手したら2週連続不成立かと思われたのだが、何とか予定をすり合わせることで、一時は「金曜日の昼に5人戦を1回し、夜に面子を変えてもう1回し」とかいう、どう考えても人間として駄目なスケジュールが決定した。何故そこまでして卓を成立させたかったかといえば、この春でお別れしてしまうメンバーがいるため。ひょっとしたら今週の卓が最後になるかもしれないし、何とかして成立させようとした結果の苦肉の策だ。 しかし、土壇場で状況が一転。日程を何とか調整した結果、「金曜日の昼に6人戦」が実現し、クソのような5人卓2回しをせずに済んだのである。いやー、一安心。これで快く去りゆく者を送り出せるってもんですわ……。まぁ、その当人が「多分、来週も普通におるけど」とか言ってたんですけどね。俺の苦労を返せ。俺の勝ち星も返せ。
次週は、今のところ通常通り土曜夕方開始にしています。日程が合わない人は早めに連絡ヨロシク。
次回予告の出囃子が志ん生! 第8話。あんまり他の噺家さんの出囃子なんて分からないんだけど、幼い日に(CDだけど)すり切れるまで聞いて育ったのが志ん生の全集だった身としては、やっぱりこの曲こそが「落語の出囃子」なんですよ。訳も分からず嬉しくなります。 さておき、本編も心底感極まる展開。もう、視聴中はずっと涙が流れっぱなしになります。それは悲しい涙だったり、嬉しい涙だったり、まさに悲喜こもごもではありますが、菊さんの積み重ねてきた人生のあれこれに対し、生中な気持ちでは観ることを許されません。 菊さんの入退院から、また随分時が流れたようだ。与太の野郎が弟子をとった、なんてとんでもない展開がサラッとながされていたし、一番分かりやすい時間の変化は、着々と大きくなっていく信乃助。もう小学生くらいになっているのだろうか、そう何度も聞いたわけでもなかろうに、落語の調子をそらんじながら過ごす首までどっぷりの生え抜き小僧。その血の濃さは容姿にもはっきりと表れており、グッと濃い男前の助六の面影はますます強くなる。菊さんはそんな「孫」の顔を見て何とも複雑な心境ではあろうが、割とあっさり「本当のじいさん」の話をしているところを見ると、特に隠し立てするとかいう意識もなく、本当にフラットな関係性で孫に接しているようだ。まぁ、そのへんは信乃助に分別がつくようになったら少しずつ説明はつけていくんだろうけども。 すっかり老け込んでしまった菊さんだったが、高座に上がれない身の上でも、まわりの人間は容赦無い。そしてその多くは、樋口先生に代表されるように、「八雲の落語はもう菊さん一人のものじゃない」という意識で復活を望んでいるようだ。戦後の混迷期を支え、落語文化の守り手となった八雲と助六。その大きな礎は、本人の意志とは別のレベルで、何とかして残そうという動きがあるのはしょうがないところ。樋口先生はずけずけと言い過ぎだし、慇懃な態度で一応菊さんに選択権を与えているように見えて、もう完全に強迫になってしまっている。でもまぁ、その辺は菊さんも諦めているようで、ため息混じりに強引な男のいう通りにしてしまうだろう。一応、そんな樋口先生の豪腕も悪いことばかりではなく、懐かしいあの日の写真が見られたり、老人の郷愁を満たすのにも一応の役は果たしているのではなかろうか。 しかし、やはり応えられない期待ってのはプレッシャーになってしまうもので。高座に上がれない苦しみ、そしてあがれないからこそどんどん衰えていく心と身体。自分の居場所を求めてフラフラと出歩く菊さんを、与太と小夏がつかまえる。橋の上ってのは今も昔も「死に際」の代名詞。落語の名作なら「文七元結」あたりが有名なところで、当然、落語夫婦がフラフラと橋の上に出てきた老人を見てしまったら、そういう想像が先んじるのも仕方ないところ。仕方なくはあるのだが……小夏さんの叱咤は本当に心に来る。別に死ぬつもりは無いがフラッと出てきただけの菊さんに、「身を投げて死ぬんじゃないか」と詰め寄る小夏。当然、そこには同じように「身を投げた」心中劇、助六とみよ吉の姿が重なるはずだ。そして、小夏は「アンタは罪を償っていない」という。もちろん、小夏は心の底から菊さんを責めているわけじゃない。昔はそういう部分もあったが、今となっては、そんなこたぁ責めるつもりもないだろう。しかし、菊さんが生きる理由を一つでも突きつけられるなら、小夏はそういうしかないのだ。そして、そんな「罪」の真実を知っているからこそ、菊さんも、そして与太郎もこの小夏に返す言葉が無い。菊さんが一生を賭して「でっち上げた」偽りの罪の存在を、ここで小夏にどうすることもできない。菊さんからすれば、この時の感情は悲しみなのか、後悔なのか、諦観なのか。 改めて自分の人生の意味を突きつけられ、菊さんは本当に参ってしまう。普段だったら憎まれ口の一つも叩いてなかなか弱みは見せないところなのだろうが、自分が抱えている不安も悩みも怒りも、全部愛弟子にぶちまけて、「八つ当たり」をする。師匠から「お前みたいな噺家に何が分かる」なんていわれてしまったら、普通の弟子なら打ちのめされてしまうところなのだが……そこは与太郎だ。ちぐはぐながらも長い付き合いの弟子と師匠。このリズムこそが、与太が与太でいられる理由なのかもしれない。師匠の話はそれはそれで聞くけど、「ところで」ってなもんで。突然こんな風に頭を下げられてしまっては、みっともない姿を見せて取り乱した菊さんだってあっけにとられちまう。「この馬鹿に何を言っても効きゃぁしねぇ」ってんで、悩みも怒りもぽろりと抜ける。そして、何ともお気楽な落語観でもって、菊さんの悩みなんて上書きしてしまうのだ。もう、このシーンの菊さん、本当に絶妙な表情をたくさん見せてくれて最高でした。 そして、菊さんの背中に最後の一押しを加えるためのドキドキのBパート。松田さんという首魁(それにしても元気なじいさまだな)を中心とし、結託して菊さんをはめたのは全国菊さん愛好会の皆様。確かに本人の意志を無下にするのはいかんことだろうが、おそらくみんな知ってるんだ。口では何と言おうと、菊さんが一番落語をやりたがってることを。だからこそ外堀を徹底的に埋めて、なし崩しで高座にあげちまおうって作戦に出たわけで。一度は帰りかけた菊さんだが、人前に引きずり出されたら絶対に背中を見せないのは芸人の意地。稀代の大師匠は、無難な受け答えから次の展開を待つ。とりあえず、馬鹿弟子の出方を見てからの判断だろう。 そして、ここで与太がかける話はこれまでの流れから「居残り」になるだろうと思われたのだが、なんと、ここでしかけた「趣向」ってのが実に攻めっ気あふれる演目。そう、あの日の助六、「芝浜」の再演だ。菊さんからすれば、それは夢のようだった若き日の名残でもあり、あの忌まわしい悪夢の夜の前兆でもあり。自分の言葉を馬鹿正直に貫き通して助六を受け継いだ弟子の仕事ぶりを見て、あの日の気位が幾らか戻ったかもしれない。 与太のしかけた「芝浜」の一席。これまた随分と念の入った仕上がりだった。例によって、与太郎の芸ではあまり「話の中の世界」のオーバーラップ演出はない。先代助六と同様、「噺の中身」というより「与太の世界」が中心になるからだ。今回わずかに芝の浜辺の波の様子が重なった様子が見られたが、あくまでも世界は「与太郎のもの」だ。しかし、これまでの与太とは大きく違う点が1つ。それが、途中から彼が流し始めた涙である。確かに噺の中で、あの夫婦は泣いていたかもしれない。しかし、ここまでの涙を流すことはない。噺と乖離した、「与太郎の涙」だ。普通、演者は「泣く演技」こそすれ、本当に泣いてはならない(声優業界の定石)。先代助六だって、噺に入り込んで泣くなんてことはしていない。しかし、与太郎は泣いてしまう。泣きながらしっかりと噺を作る。それが、芝浜を作った助六に捧げる思いなのだ。最後に菊さんは、「映像の中で助六は泣いていたかい?」と尋ねた。弟子の仕事の不備を指摘する師匠の役割を果たしながら、助六に何を見たかを問い、与太が得たものを確認するためだ。与太は「確かに泣いていた」と答えた。助六が落語をやる喜び、そして、その時間を共有していた菊比古の喜び。映像の中で2人は笑っていた。高座に立たない今の菊さんは、果たして泣いているのか、笑っているのか。 「芝浜」という演目も、こうして見てみるとまた意味深長なところがある。一夜にして大金を得たと思った漁師が、目覚めて見たら手にした大金を失っている。女房にそれは夢だったと諭され、自分の行いを悔いて心を入れ替えて真面目になり、改めてあの日を笑えるほどにまで身を立てる。そしてそこで、妻から突如、あの日本当に「あった」大金を差し出されるのだ。大切だと思っていたものでも、無くしてしまった後に悔いるだけではなく、なくした後にどのように生きるかが大切だという一種の訓話じみたところがある噺。そして、そんな噺を聞いて、「全てを失った」と思っている菊さんは何を思うか。ポロポロと自分の身から落ちていく過去の財産。何も出来ないとふさぎ込む日常の中で、本当に大切なことは、「失った後」なのではないか。完全になくなったと思っていた助六の思い出だって、こうして弟子の手を借りてポッと後世に蘇ることだってある。あの日の思い出は、夢だったのか、現だったのか。それを決められるのは、今を後悔しないような生き方をした者だけではないのか。 菊さんは立ち上がった。たくさんの後援者に、そしてどうしようもない馬鹿弟子に背中を押され、改めて、自分の夢の所在を探す決心をした。ここからが、有楽亭八雲の、最後の花道だ。 そして、間の悪さというのはどうしようもないもので……。菊さんの高座が聞けるのは、いつになるのだろうか。 やっとモカのターン、第7話。この1話のために溜めて溜めて来たんでしょうか。改めて、本当に不憫な子やなぁ。 茜の手の平の上で弄ばれる現状を何とか打開しなければいけない花火と麦。それぞれが、自分たちに向けられる「好意」の扱いをどうにかしなければならぬというので、随分方向性の違うソロ活動に勤しむことに。まず、花火さんの方の迷走は非常に分かりやすい。やってることは基本的に前回と同じで、たまたま知り合ったチャラ男(タクヤ)にほいほい着いていき、何とか自分の魅力をアピールして茜という魔女に追いつけ追い越せが狙いなのだが、如何せん、その実体は単に背伸びしてるだけの女子高生である。前回カラオケで処女カミングアウトなんかもしてしまったし、経験値の差を暴露されてしまえば相手は余裕も出来る。後は完全にコントロールされる形で常にイニシアティブをとられ、当初の目的とは真逆の関係性に振り回されるだけ。自分に好意を向けてほしい、自分の存在を他者から認められたいという願いは空を切り、再び他者への依存を高めてしまう結果となった。駄目だよ花火さん、その関係性には何の意味も無いよ。まー、そんな花火の焦りを充分に理解していいように振り回してる男の方もひどいのだが、「男なんてそんなもん」と言われれば、まぁそうなんだよな。目の前に分かりやすい獲物がいれば、そりゃ美味しく頂く方向でプランニングするからな。結局、花火さんがこの日手に入れたのは、どうしようもない敗北感と、徒労だけ。 他方、麦の方はというと、これまた全然違う関係性である。花火が行きずりの男との関係性で四苦八苦しているのと時を同じく、麦は生まれた時からの腐れ縁、幼馴染みとの関係性を計りきれずになんだか残念なことになっていく。モカとのデートにOKを出したのは、麦からしたらほんの気まぐれ。正式に付き合いだしたはずの花火が全然自分の相手をしてくれないし、最近は早川先輩との割り切った関係も一段落してしまった感もあり、この辺りでもう1人くらい女の子に自分を見てもらって、自分の立ち位置を再確認する狙いもあったのかもしれない。今の自分が迷子なら、ずっと昔から自分を見てくれているモカは分かりやすい指標になり得るのだ。 もちろん、モカの方もそんな麦の態度が気紛れであることは重々承知している。しかし、これまでただひたすら純愛を貫いてきたモカも、周りに花火という不穏分子がいる状態ではなりふり構ってられない。「麦は自分を見ていない」ということを理解しながら、この千載一遇のチャンスで何かをもぎ取らんと画策する。しかし、デートの時間が過ぎるにつれ、そんな自分の救いようのない状況を思い知らされることになり、こちらも出口のない袋小路に。麦は何を考えている、自分は何がしたい。グルグル巡った思考の迷路の果てには、「今日一日は思い出の中に閉じこめてしまえ」という破滅的で現実的な結論があった。仕方がない、鴎端のり子の純愛には、そこから先に進んで麦を苦しめるという選択肢は無かったのだから。 しかし、そうしてモカが苦しみ、後ずさったことが、かえって麦を引き止める結果になってしまう。そう、麦というヤツは、自身もクズであり、クズ女に引っかかるレーダーを持っているのだ。これまでずっと「クズ」カテゴリの人間としか関係を持っていなかった麦にとって、ここで一歩引いて消え失せるモカはあまりにも異端。あまりにも特別。思わず引き止めた麦の手により、モカは最後のステージへと進むことになる。麦の歪んだ心を打ち壊し、新たな男女関係を形成する最後のチャンス。今までのモカならば、麦が現時点で様々な人間関係に苦しんでいることは知っているのだから、ここで押し進もうとはしなかった。しかし、よりにもよってこんなところで芽生えてしまうモカの「クズ」。相手がどうなってもいい。自身がどうなったっていい。とにかく今この瞬間に自分が求めているものを手に入れたい一心。麦との関係を求めて、これまで築き上げてきた関係性をぶち壊す最後の一歩を、モカは選択した。 そして、ここでモカが「変質」したことで、クズとクズの関係性は更なる混迷を見せるのである。モカがようやく打ち破ったその殻を、麦も破れるとは限らない。変わってしまったモカを見たことで、麦の心に表れるのは、失ってしまう大切な存在。なんと身勝手な男なのだろうか。自分でステージを引き上げておいて、今更失いそうなものを惜しむのである。尊い「幼馴染み」のモカは、ついにここで麦にとって不可侵存在となってしまう。それが、モカの望みと相反していたとしても。モカは、「麦の幸せにつながらない」ことを理解した上で関係性を求め、麦は、「モカの願いにつながらない」ことを悟った上で関係性を拒否する。なんて皮肉で、救いようのない平行線。最後のステージに上がったことで、モカの夢は夢のままで儚く消えた。 刹那の関係だろうが、千秋の関係だろうが、結局は「一番」にはなり得ない。真逆の教訓から同じゴールにたどり着いた花火と麦。進むべきは正道、成すべきは大願。分かっていたが見ないようにしてきた遠回り。2人のクズが犠牲にしてきた諸々は、ここに来て、実を成すことが出来るのだろうか。 |
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