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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 川尻浩作の職場、本邦初公開、第32話。確か原作では出てこなかったと思うんだけど。いっぱしの社会人が勤務している全く知らない会社に出向いて一切気付かれずに仕事が出来る吉良、やっぱり凄すぎる。

 三本連結エピソードの2本目。スーパーフライの端折り方を考えると、まず間違いなく残り1話で終わりだろうなぁ。あと4〜5話くらいで最終決戦ってことになるが、むー、ギリギリかねぇ。ただでさえややこしいパイツァダストは出来るだけゆっくりやって欲しかったところだが……。

 今回のエピソードが何故こんな妙な構成になっているかといえば、ごちゃごちゃと全部を混ぜてしまうことにより、かえってエピソード単体の不自然さを薄めることになるという判断からだろう。例えば今回片付いたスーパーフライ戦にしても、映っていた部分だけを切り取って繋げれば、相当急ピッチで、間に違和感が出てくるはずのつまみ方である。しかし、要所で露伴宅を挟むことで「まぁ、そっちは一旦置いといて」みたいなクッションが生まれ、辛うじて成立するように見えるのである。なるほど、上手いこと考えたものだが……やっぱり勿体ないって感想が先に来るな。スーパーフライ戦で言えば、最後の仗助のワンパンの部分が丸ごとカットされており、鋼田一豊大の属性で大切な部分がまるごと抜け落ちてしまっている。それは鉄塔の外から心底出たくないという、強い後悔の念であり、原作ではそれが嫌というほど伝わったからこそ、すんなり仗助達と対話出来て、康一のピンチを知らせることにも違和感が無くなったのだ。そのあたりをカットしてしまうと、どうにも尻切れで後味の悪さが残ってしまうようである。まぁ、原作を知ってるが故に感じる細かい部分なのかもしれないけども。

 スーパーフライ戦・エニグマ戦という一応は真剣なバトルの合間に挟まって謎の緩衝材役を任されたのがチープトリック。こちらもザクザク要素がカットされ、乙雅三の見せ場である「ペンを拾うシーン」がカットされた他、「知りません、見せたことありませんから」という大胆な台詞もなくなり、不気味さが伝わりにくくなってしまっている。まぁ、最低限露伴が興味を抱く程度の奇行には走っているので、シナリオ展開上は大きな問題があるわけではないのだが。次回以降、チープトリック本人が出てきてからの、スリリングながらもアホみたいな試合展開に期待しておこう。それにしても、あんなボロボロの部屋の中でしれっとコーヒー出して飲ませようとするあたり、やっぱり露伴ってイカれてるとしか思えないよな。

 で、今回のメインとなったのはエニグマなわけだが、こちらは一応、最も注目していた「能力発動からの幾何学模様変化」は実行してくれたので、そこは満足出来る。その直前のエニグマの少年(宮本輝之輔という名前があるようだが、流石に本編で一度も出てこない名前はあんまりピンと来ないな)の表情も原作絵をがっつり切り取ったデザインが再現されていたし、スーパーフライの適当さに比べると割と「不気味さ」を出すために色々と手をかけている。噴上裕也のミケランジェロっぷりとかね。噴上裕也、ものすごくあっさり仲間入りしたわけだが、原作の時は割と間が空いていたので「おっ、久しぶり」みたいな印象だったのに、アニメだとぶっ飛ばしてから和解までがほんの数週間しかないのですげぇ軽いヤツに見えるな。まぁ、実際にきーやんの演技も相まって原作以上に軽いヤツには見えるのだけども。こいつも登場のタイミングを一歩間違えてたら間田とか玉美みたいな扱いになっていたかもしれない、と考えると、終盤のシリアス展開で出てこられたことには感謝しないといけないな。

 エニグマの能力は、これまたいかにも4部らしく非常に限定的。「条件を満たせば最強」だが、絶対に正面から戦えないスタンド。まぁ、本体の性格を考えれば出るべくして発現した能力なのだろう。実際にあるんですかね、「恐怖のサイン」って(ねぇよ)。「相手の癖さえ見つけてしまえばいい」ということで戦略は自ずと固まるわけだが、その前提条件としてほぼ人質を取ることが必須になっているあたりはダービー兄弟に似ている部分はあるのかも。ただ、本当にギャンブル一辺倒だったダービーと違い、彼の場合は「自身が紙に入る」というオリジナル能力は持っている。紙に入った状態がどういう扱いなのかは本編で一切説明が無かったが、朋子と入れ替わったタイミングのことを考えると、「紙から出すときは一瞬」なのと同じように、「紙に入る時も一瞬」なのだろう。そう考えると、リトルフィートなんかよりも使い勝手の良い部分はあるのかも。写真の親父と仲が良さそうだな。2次元に行く方法教えてくれそう。

 しかし、今回の展開を後考えで振り返ると、未起隆の助力によって勝利したスーパーフライ戦、噴上との共闘で逆転したエニグマ戦(後はほにゃららを使って勝つチープトリック戦)と、全て「主人公達が頑張って敵を倒した」というより、町のみんなと力を合わせて外敵から身を守った、という構図になっており、まさに杜王町VS吉良父子という四部独自の構造が如実に出たバトル展開だったと言えるのかもしれない。町のみんなの手で町を守る、という鈴美の願いが叶っているのだから、こうしてとっ散らかった乱戦模様も、杜王町の自浄作用が良く見える面白い構成と言えるのかもしれない。

 ちなみに、今回登場した新キャラのCVは、それぞれ乙雅三に石井真、エニグマの少年に河西健吾。まこっつは独特の甲高い声がいきなり笑わせてくれるが、多分、来週チープトリックの声も担当する兼ね合いでのキャスティングだろう。間田役の下和田ヒロキといい、この辺の年代の渋い男性キャストが活躍しているのを見るのはちょっと楽しい。河西健吾は今期将棋を指したりガンダムに乗ったり色々と大変。この1,2年で一気に仕事が増えて完全に「表」声優の1人となったわけだなぁ。男性声優は女性陣に比べて圧倒的に遅咲きが多いが、こういう波ってのはどっから来るんでしょうかね。そして、産休に入った豊口めぐみの代役にはなんと御前が起用されている。まさかのロサギガンティアからロサフェティダへの継投(杜王町にはもう1人白薔薇様がいるナ)。ここで使っちゃうと6部以降でのキャスティングに影響……しねぇだろうけどな。御前だと下手したらトリッシュも徐倫もエルメェスも、F・Fすらあり得る役者だからなぁ。さて、これで4部に登場する(CVが付くような主要)キャラの声は全部出揃いましたかね。強いて挙げるなら、「パンツ拾って死ぬヤツ」と「吉良に下品な告白される女医」くらい。うわぁ、どうでもいい。

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11月5日 ドラフト模様(KLD×3

ピック順 【Sangriter】→【Mei】→【Chrolony】→【Sea-chicken】→【Alessi】→【Serra】→【Thraxi】→

 

 環境5戦目。今回は先週の予告通り、これまでの金曜深夜日程を変更、土曜の夕方からのドラフト開催と相成りました。しかし、さっそくスケジュールを勘違いして遅刻してくる野郎がいるなど、(ある意味予定調和の)波乱含みのスタート。そして当然のようにその遅刻者が優勝をかっさらっていくというお約束。そういうもんです。ちなみに、今回はなんと7人中の上位3名が三すくみ、さらに下位3名も三すくみの大混戦模様となり、全員分の勝ち点(勝ちセット数ー負けセット数)をカウントしたら、見事に+3から−3までの7つの整数がズラリと並ぶという奇跡のような戦績になっている。今後訪れる戦乱のカラデシュ世界を予感させるかのようだ……。

 


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 祝! 絶美さん復活!! 第18話。ぶっちゃけ、この一瞬が見たくて2期目を見守り続けてきたといっても過言ではない。いやー、やっぱりあのコスプレはどう考えてもおかしいよなー。

 薫子さんの転落人生もここで一応はストップでしょうかね。前回の炎帝大炎上からは辛うじて抜け出すことに成功したが、炎帝を使いこなせず、さらに反旗まで翻したとなれば、そりゃぁギーさんから愛想つかされるのは当然のこと。元々利用出来るだけ利用してポイの予定だったのだろうけど(そもそもブブキ使いを生かしとくとは思えないし)、今回の一件で思いの外早く二人の訣別の時が訪れてしまった。最後まで紳士的な優しさを見せてあげようとおしゃれな暗殺器具を駆使するギーさんに対し、薫子はファックの精神で応えてみせる。まぁ、年頃の女の子に唾を吐きかけられるってのも人によってはご褒美に見えるかもしれませんが……。結局、熱心なブランキ研究の末、薫子本人が必要ないことも分かってしまったので、ギーさんは薫子の首から下はポイしちゃう予定。ここまでは順調な悪役っぷりなのだが、肝心要の処刑執行によりによってご自慢の秘書を選んでしまうあたり……いや、どうなんだろうなぁ。ここまでのギーの態度から考えるに、隣にいる女が礼央子の腹心だってことは分かってたきらいもあるんだよなぁ。その上で薫子の処置を任せたのは、まだ裏切らないと踏んでいたのか、それとも薫子を解放するところまでがシナリオに織り込み済みなのか。流石にここで薫子を手放すことにメリットがあるとは思えないし、単にギーさんの大ポカに見えるのだが……それだとちょっと情けないわね。

 でもまぁ、あんだけ物静かで理知的だった秘書子さんが、天下一のファンキービッチ、間絶美さんだとは思わないのかもしれないなぁ。我々だって、声のおかげでモロバレではあったが、その情報がなかったら案外気付かなかったかもしれないし。まぁ、当の本人も随分無理していたようで、解放シーンのときの弾けっぷりはまた格別。……いや、いつも通りのテンションかな。絶美さん、1期だと正体明かしてからの展開があまりにショボかったので(よりによって柊なんかとライバル関係設定されたせいである)、解放され、なんだか息の合いそうなナイスパートナー・薫子を見つけたことで思い切り吹っ切れることに期待したい。何しろ同僚の的場井さんはここまで実にいい活躍を見せてくれてますしね。まぁ、今回は石蕗さんと一緒に女の子にボコボコにされちゃう可愛そうな役回りでしたけど。まー、あの2人はこれからでも本気出せば結婚くらいは出来るんじゃないかねぇ。ほら、石蕗さんの場合は静流っていう選択肢が……ないかな? とにかく、こうして礼央子四天王の皆さんが活き活きとネタを提供してくれているのを見ると、最後の1人である新走さんにもさっさと帰ってきて欲しいところですね。ここまで溜めたってことは、一番おいしいところで(多分木乃亜のピンチで)駆けつける役割になるのかねぇ。

 そんな礼央子サイドの活躍に比して、パッとしないのは僕らの主人公、アズマ。いや、別に悪いことしてるわけじゃないんだけど、礼央子さまを前にしての蝶々探しのエピソードとか、なんか、正義の味方の余裕というよりは、「この期に及んで緊張感のないガキ」にしか見えないのよね。やっぱチーム王舞の面々はアズマのせいで割りを食ってる気がする。まぁ、まだまだここからが活躍の本番ですけどね。とりあえず、このまま絶美さんと薫子が脱出してきたら、愉快なメンバーでの合流チームが結成されることでしょう。礼央子が炎帝にのらない選択肢はなさそうだが、そうなったら薫子はどこで何したらいいんだろう。

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 血みどろ祭りやー、第6話。ジョジョなんかだと血飛沫は修正はいるのに、今作では一切遠慮なしで少女が血塗られていきます。素敵ですね。

 予想以上にサクサク進んでいきます。まぁ、16人から8人間引く設定なので、1クールで物語をある程度収めるためにはこれくらいの速度は必要なんだろうけども。今回2人がまとめて退場したので、残すところあと11人。なんだ、あとたった3人殺すだけでいいんじゃないか。割と簡単ですね。どうでもいい双子とか殺すとすっきりするんじゃないかな。

 今回一番予想外だったのは、やっぱりラピュセルの早過ぎる退場だろう。まぁ、前回の感想ですでに「颯太君がさっさと死にそう」とは書いていたわけだが、まさかクラムベリー戦でそのままお陀仏とは思わなかった。せっかく男の子が頑張って青春しようとしてたのに……。まぁ、幸せそうにしてたしな。願望実現と早死にでトントンですかね(んなわけない)。しかし、クランベリーは想像以上にアレな人ですわね。こんな狂犬を飼ってる運営側も大丈夫なのかって不安になるのだが、ファヴ(的な何か)との付き合い方を見ると、お互いがお互いを一切見てないっていう意味では気楽な関係性なのかも。お互い相手を欠片も信用してないだろうし、裏切られたらそれまでと思ってるんだろう。運営側は圧倒的に上にいるわけだし。

 今回ちょっと興が冷めたのは、その運営側が露骨にゲームの内容をいじってしまったこと。この系譜の作品の金字塔である「まどマギ」の場合、悪意の一切無いインキュベーターが、事務仕事を片付けているうちにどんどん魔法少女の方が勝手に転がり落ちていくっていうのが見どころだったわけだが、今作の場合、運営側が積極的にゲーム性を高めようとしていることが窺えるし、ここまで何とか不可解さを出していたファヴについても、今回その裏側が見えてしまったのでだいぶ底の浅い存在になった。やっぱり、単に殺戮ゲームを楽しみつつ、活きの良い優秀な魔法少女を青田買いするのが目的なわけね。まぁ、底が見えたということは、言い換えれば目的意識がはっきりしたということでもあるので、限られた尺の中で構図が見やすくなったと考えれば良いことなのかもしれない。

 さて、今回はラピュセルの壮絶な死闘のシーンが第一の見どころだが、そんなバトル展開の影で暗躍していたマジカロイドの方が一応のお当番回といえるだろう。その正体は何とも厭世観溢れる今時の若者。家庭の事情でフラフラと家を出て放浪生活を送っていた子らしいのだが、なるほど、そういう成り立ちだったからやたらと金に執着していたわけね。声のせい(?)でひょっとしたらルーラみたいな年配パターンもあるかと思っていたのだが、その正体は割と年若く、あの達観したような戦略性はあくまでも彼女の持って生まれたものだったようである。カラミティメアリの配下として上手いこと今回のデスゲームを生き残ろうと画策していたわけだが、自らのあまりの淡泊さのしっぺ返しをくらうかのように、まさかの返り討ちエンド。うーむ、死闘が勢いを増してきましたね。マジカロイドにとどめを刺したのは、これまで謎の存在とされてきた最終メンバー、HA。彼女がSWを探し続けていたのは何らかの怨恨によるものかと思われていたが、どうやら仲間サイドだったようである。ラピュセルを失った直後に心強い(?)仲間に巡り会ったSW。やっぱりメインヒロインは恵まれているな。ちなみにHAの惨殺バトルシーン、いきなり見せられたらそれなりのサプライズになったかもしれないのだが、アイキャッチのところで能力バレが先にあったせいであんまりびっくりしなかった。残念。まぁ、SWから見たら完全にホラーだし、陰惨な感じは十分出ているけども。さて、彼女は一体何が目的なのやら。

 その他、寿命コストを支払って武器を買いそろえたチーム・ルーラの面々。スイムスイムは順調に彼女の目指すルーラ像を邁進しているご様子。きちんと部下のことを考え、滅私奉公でチームを支え、先代リーダーに恥ずかしくない行動を取っている。まぁ、死亡フラグにしか見えないわけだけども。そうなるとたまは生き残りそうだよなぁ。そして、現時点でまだ殺伐要素に触っていない唯一のチームが、我らがTSさんとリップルの仲良し(?)コンビ。TSさん、相変わらずイイ奴オーラが止まらない。是非とも彼女の望み通りに長生きして欲しいものだが、どう考えてもそれも絶望フラグでしかないんだよなぁ。残り退場者数は3人ぽっちなんだけど、すでに死亡フラグを立ててる連中がちらほら。さて、どうなることやら。

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 ママ味あふれるかやのんにいだかれて頭を撫でられたい人生だった、第5話。もしくは久野ちゃんとお手々繋いで保育園から帰りたい人生だった。その場合、まず久野ちゃんを保育園に入れる必要があるけど、まぁ、何とかなるやろ。

 毎度の事ながら川本家の多幸感を導入にしてみたものの、今回はあんまりそっち方面は関係無く、ついに明かされた零の過去のお話。おおよそ予想していた通りの内容ではあるが、家族をいっぺんに失った原因など、かなりダイレクトでどうしようもないものだった。あの年齢の子供が、両親と妹をいっぺんに失ってしまったら、普通は一体どうなってしまうのだろうか。

 零の場合、様々な不幸が折り重なって、現状が構築されていったことが描かれている。一番の不幸は親族関係がグダグダだったことであり、病院の長男だった父親と、その座を狙っていた叔母の存在など、まぁ、ここまでは典型的な昼ドラ展開だ。そのまま施設送りになっていたら、おそらく桐山零の人生はその後も一切の起伏を持たず、ただただ陰鬱に、何の救いも、悲劇も無いままに収束していったのではなかろうか。しかし、彼には幸か不幸か、そうはならないルートが用意されていた。それが、父親のライバルだったいう幸田の存在。友人の友達を引き取り、実の息子同様に育てるという幸田の決断。それだけならばいっぱしの美談であるが、残念ながら、このルートにも3つの大きな不幸が折り重なっていたのである。

 1つは、幸田が「将棋を何よりも優先する」という行きすぎた人物だったこと。もちろん、人の心を持ち合わせぬ将棋マシーンなどではないのだが、問答無用で才能も好みも問わずに実子に将棋をやらせていたことはどこか歪んでいる。零を引き取った条件にも「将棋をやる」ことが暗に含まれていたようであるし、傍から見れば「実の子ではない零も分け隔てなく育てた人格者」になるのかもしれないが、幸田の存在は零をただ救い出したというだけではないのが難しいところだ。

 2つ目の不幸は、いざ引き取られる際に、零が「生きるための嘘」をついてしまったこと。つまり、彼は決して将棋が好きではなかったこと。そうなのだ、物事の上手下手は、好き嫌いと直結するわけではない。元々「忙しい父との接点」というやむにやまれぬ事情で将棋を始めた零は、才能こそあれ、別に将棋が好きなわけではなかった。しかし、葬儀の場では異様な親族間の雰囲気があり、そして何より、将棋盤を通じて心の対話が出来た幸田との繋がりを切ってはいけないという焦燥感もあったのだろう。子供ながらに、それを「契約である」と捉えた零は、ここで初めて嘘をついた。それが彼にとっての生存戦略であり、施設送りになったときの「ホッと出来ない」生活とを秤にかけた上での結論である。それが果たして正しかったのかどうか、答えはまだ出ていない。

 そして3つ目の不幸は、こうして嘘をついてまで「契約」した零に、将棋の才があったことである。もし、これで芽が出ない程度の才能、性格だったのなら、多少なりとも幸田との関係は変わっていたかもしれない。彼とて冷血なわけではないのだし、平々凡々とした「家族」として、かえって上手くやっていけた可能性すらある。しかし、幸田の性格を畏怖した零は、彼の恩に報いる意味もあったのだろう、将棋に真剣に取り組み、身につけてしまう。そしてそのことが幸田の家族をバラバラにし、彼自身の人生にも障害を生む結果となってしまった。将棋をやれば他人が不幸になる。しかし、その「他人」に迷惑をかけないようにするためには、もっと将棋をやるしかない。一度選んでしまった「契約」の中で、零は選択の余地を持たなかった。かくして、桐山零は今でも一人、寒々としたアパートの一室で将棋盤に向かっているのである。

 こうした零の生い立ちが語られることで、現在彼を取り巻く川本家や二階堂といった人々の重要性が改めて確認出来る。川本家とは、「家族を失った者どうし」という慰みがある。二階堂は、零の前に現れたまた別な「将棋を指す理由」を与えてくれる人物である。今はまだ澱のように淀んだ彼の将棋人生も、少しずつまわりに広がる「家族」の輪を経ることで、明るいものになっていくことを願うばかりである。

 今回は陰鬱な内容がほとんどだったために、久しぶりにいかにもシャフトらしい画面が多く見られた。そんな中でも川本家の猫軍団や、モモを襲った犬の謎のテンションなんかは相変わらずの抜け方で実に愛らしい。詰めるところは詰めて、抜くところは抜く。こういう作劇に助けられる部分は多いですね。しかし、「犬 小林ゆう」っていうキャスティングは何とも……あと、零の幼少期の声がゆーみんなんだけど、今回ゆーみんボイスも色んなところから漏れ聞こえて来てスーパーサブキャラ声優の面目躍如。

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「エンドライド」 4→4

 突然の番組感想!! そう、実は夏クール最終回アニメはまだ残っていたのだよ。私が見ようと思ったら日テレプラスでしか視聴出来なかったせいで、なんと他のアニメに比べて一ヶ月以上遅れての最終回だ。まぁ、全くもって追いかける元気の無かった作品だったので、いつ終わろうと割とどうでもいいのだが。

 最終配点は4→4だが、正確には4→2→4のように遷移している。これが始まった春クール中は、「聖戦ケルベロス」と並んでソシャゲ糞アニメの双璧を成し、マジで救いようが無い作品だった。作画はへなちょこ、ファンタジー世界の設定も適当だし、ドラマに新規性が無くなんの魅力も感じない。今作で一番の衝撃を受けたのは、夏を迎えたある日にまさかの「14話目」があり、「これ、2クールも続くの!?」と絶望したときなのである。

 しかし、正直言うとこの「2クールあるの?」は面白い方向に働いた。ぶっちゃけ、序盤の展開を見ていてエンドラから地上世界に戻る展開があるとは思っていなかったためだ。あまりにあっさりとした地上への帰還、そして瞬とエミリオの訳の分からない(その割にお約束の)関係性、そして父性を扱った二重写しのストーリーライン。序盤に登場したモブっぽいキャラだけでこの「第2部」を引っ張る節約運行など、なんだか中盤以降の展開は「ならでは」の魅力が出てきたように思う。いや、面白くはないのだが……個人的にはイベルダさんのあまりにも雑な扱いとか、そういう気が利いてるんだか投げっぱなしなんだかよく分からない部分が割とツボったのよね。中盤以降、案外作画も安定したし、残念ながら「聖戦ケルベロス」のような手放しで褒められる(!?)糞アニメにはならなかったのである。瞬の親父さんが化宝具を繰り出すシュールな様子とか、製作者の抱えてるファンタジー感に疑問しか出てこない画面はなかなかのものだったよ。

 繰り返しておくが、クソアニメはクソアニメである。しかし、「なんか気になるクソ」はそれはそれで価値があるんじゃないかと、そう思える優しい心も大事だってことだ。まぁ、もう一回最初から見ろって言われたら流石に勘弁してくださいというしかないけども……。イグナーツ絡みのホントどうでもいい諸々とか、普通は視聴辞めるわなぁ。

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 マジェプリの時間だあああぁぁぁ! 放送終了から早3年。あんなに面白かった作品、そしてなおかつあんなにヤキモキさせる最終回を展開させた作品……。帰って来なきゃおかしいのですよ。ようやく帰ってきたのに、何故だ、何故なのだ。劇場版でしかも限定2週間公開だと?! むう、ものの価値の分からぬ輩ばかりか、この浮き世は。いやしかし、与えられたものは仕方がない。限定公開ならば公開されているうちに観に行けばいいだけの話。そんなわけで、前日のプリキュアに続けて、珍しく2日連続の劇場作品視聴と相成った。最近、劇場に向かうフットワークが以前よりも随分軽くなってる気がします。

 

 

 

(以下、一応ネタバレ要素を書くかもしれないので未視聴注意)

 

 


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 観てきました。多分、封切りから視聴までの期間が最短のプリキュア映画になりました。理由は、近くにダイレクトマーケティングを仕掛けてくる輩がいるせい。「最速上映会に行く輩」なんてディスプレイの向こうの存在だとばかり思っていたのだが、思いの外近くに存在していたのである。そんなプリキュアシンパに「史上最高の出来です」とかいうボジョレーの品評みたいな煽りを受けて、「まぁ、そう言われたら見ないわけにもいかないじゃないか」というので、面倒臭くならないうちにさっさと視聴。平日夕方だから大丈夫だろうという判断で、実際に大して混んでなかったし、まだ封切り間もないこともあり、一応は幼女先輩がミラクルライトを楽しげに振る姿も確認出来ました。幼女先輩、初めて見るダンスのはずなのになんであんなに順応性高いのかしら。

 

 

 

(以下、一応ネタバレありとするので未視聴注意)

 


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 ハレの日、第5話。約束されし勝利の演奏、今期前半戦のクライマックスである。

 結果については分かりきっていたことなので特別触れることもないが、とにかく演奏の全てを見せようという画作りが圧巻。課題曲の方は流石に切るが、「三日月の舞」は全てをノーカットでお届け。あたかも視聴者がコンクールの会場で演奏を聴いているかのような、臨場感と緊迫感をそのまま伝えている。こういう堂々とした話運びが出来るのが、流石の京アニというか、「それが出来る」という絶対の自負と、実際に出来るだけの技能があって初めて実現する内容である。ただただ驚嘆するしかない。しかし、今回これをやっちゃったら最終話とかでどんな盛り上げ方をすればいいのやら……。

 演奏シーンについては、こちとら素人なので偉そうに語る言葉もない。相変わらず楽器の光沢やらディティールに変態的なこだわりが見えるし、楽器の指運なんかも全部忠実に再現されたものだろう。以前、京アニフェスで展示されていた楽器の詳細の指示書きなんかの解説で「とにかく全部、一から描き上げている」ということを知って度肝を抜かれたが、こういう緊迫した演奏シーンになると、ごまかしのない全力全霊のやり過ぎ描写がしっかりと意味を持ってくる。管楽器だと分かりにくいが、私のような素人でも打楽器のモーションならそのあたりが分かりやすくパーカッションの躍動感なんかは骨まで届くような音の響きが伝わってくる(打楽器パート、可愛い子が多くないですか?)。

 そして、本作の場合はそうししたリアリティを持たせた作劇に、心情芝居がきっちりついてくるのが白眉な点。石原立也ここにあり、と言わんばかりのねちっこい描写に今回もお腹いっぱいムネやけいっぱい。冒頭、橋本に話題を振られた鎧塚先輩の優しい笑顔に始まり、締めの一コマも鎧塚先輩で終わるわけだが、この二枚の笑顔、全然表情が違っていて、自然とその意味合いの違いを感じさせるものになっている。今回のお話をもって完全に「鎧塚編」が幕を閉じたのだなぁ、ということが伝わってくる。それにしても、橋本イイ奴だったな。あの激励は学生さんたちも元気をもらえるわ。

 他にも、各パートごとにそれぞれの交流があり、これだけの大人数であるにも関わらず、「全員で1つの吹奏楽部」「全員が主人公」みたいなニュアンスも伝わってくる部分。流石に全キャラの顔が分かるとか、名前が分かるみたいなことは無いのだが、それでも演奏シーンでは個々の表情が活き活きしているのが見えるし、見えている世界も1つに集約されている。中でも一番思い入れが深いのはやっぱりトランペットの面々ですかね。麗奈のソロパート、背後に優子が映るカット割りで流すのが実に心憎い。数ヶ月前まではおそらく忸怩たる思いで視線を落としていたであろう優子だが、今回は麗奈のソロパートを聞きながらその表情に迷いは無い。やっぱり優子さん最高です。他にもオーボエはもちろん無視できないし、緑輝の堂々たるコンバス捌きなども今回はたっぷり見られる。ここまでまっとうに「吹奏楽アニメ」が実現するなんて、にわかには信じられない事件ですよ。

 そして、毎度お馴染み我らが麗奈・久美子間の関係。以前「誰のために吹くのか」の問いに「強いていうなら自分のため」としれっと答えていたアイアンハート・麗奈嬢。彼女には本番での緊張感などという言葉は無いらしく、出番直前にも久美子相手に余裕のプロポーズである。滝センを想って奏でると暑苦しいバラードになってしまうらしい。真顔でそれを受け取る指揮者の顔も見てみたかった気もするが、この機会を利用して麗奈さんはどさくさで「久美子に届ける演奏」をひとつ。それを聞いた久美子の脳裏に花火が弾け、大吉山がフラッシュバックするのはずる過ぎるな。「こいつッ、直接脳内にッ!」みたいなレベルで思念共有が可能な久美子と麗奈です。ソロパート以外でも二人の演奏中の表情はどちらかというと笑顔に近い。いや、二人だけでなく、今回の北宇治の面々は緊張感を伴いながらも、どこか笑顔に似た雰囲気を持たせて演奏に余裕がある。これが夏休みの猛特訓の成果ということなのだろう。そりゃ、麗奈たちだって2人で目配せする余裕もありますわな。「楽しく(いちゃいちゃと)演奏」というのが、この世界の完成形なのかもしれません。Cパートは「久美子と麗奈が涙ながらに結果発表を聞く」っていう構図が1期とも重なるし、中学時代のあの馴れ初めとも重なるようになってるんだなぁ。

 そして、そんな「楽しい」とは一線を画す存在だったはずの最後の1ピース、田中あすか先輩。すでに鉄壁と思われた彼女の内面にも変化はあらわれており、本番前の突然の弁舌は、これまでのあすか先輩だったら絶対にあり得なかったものだ。彼女は「自分のための演奏」「勝つための吹奏楽」を続けており、それを他人に押しつけたり、期待したりはしてこなかった。しかし、今の北宇治は、田中あすかのお眼鏡にかなう存在になったということなのだろうか。初めて彼女が本気でチームにはっぱをかけた。いや、見方次第では仲間達に懇願したと言ってもいいかもしれない。彼女は、初めて自分以外のものに可能性を見出したのである。この変化は恐ろしく大きな一歩だ。

 めでたく、あすか先輩の願いも叶い、北宇治は全国大会へと歩を進める。ここから先に障害はない。ただひたすらに研鑽を積むだけ……ではないよなぁ。まだ半分残ってるもんなぁ。最後の壁は一体なんでしょうかね。

 今はひとまず、勝利の余韻を楽しみましょう。あ、新山先生、来週以降も来てくれませんかね……。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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